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Ｑ～こどものための哲学

https://www.nhk.or.jp/school/sougou/q/

カッコイイってたとえば？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180282_00000

カッコ良くなりたいと思っているＱくん。カッコイイってどういう状態か？自分なりのカッコイイと見つけていく。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180282_00000

【scene 01】 どうしたらカッコよくなれるんだろう？ 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。　鏡（かがみ）を見ながらドライヤーで髪（かみ）をセットするＱくん。Ｑくんはサワ～ってした髪型（かみがた）にあこがれていますが、Ｑくんのハネた髪の毛はまっすぐにはなりません。Ｑくんが「かっこよくなりたいなあ～、どうしたらサワ～ってなれるんだろう…」とつぶやいたのを聞いて、ぬいぐるみのチッチが時間を止めます。「どうしたらカッコよくなれるのか」をいっしょに考えていきましょう。 【scene 02】 カッコいいってどういうこと？ Ｑくんと話を始めるチッチ。「だれだってカッコよくなりたいに決まってるよ。」と言うＱくんに、「なんでカッコよくなりたいんだ？」とチッチは聞きます。Ｑくんは、「カッコいいと、男の子も女の子もモテる！」と言います。すかさずチッチが「なんで男の子も女の子も、モテたいんだい？」と聞くと、Ｑくんは「モテたらうれしいし、自分に自信（じしん）がもてる！毎日が楽しくなるよ！」と答えます。これにはチッチも「そりゃカッコよくなったほうがいいね！」と納得（なっとく）のようす。　Ｑくんはまた、サワ～ってした髪型を目指して髪を整え始めますが、なかなかうまくいきません。チッチが「カッコいいっていうのは、髪の毛がサワ～ってなっている状態（じょうたい）のことを言うの？」と聞くと、Ｑくんが「べつにそうとはかぎらない、サワ～ってなってなくてもカッコいい人はいる。」と言います。チッチは、「じゃあ、カッコいいっていうのは、一体どういう状態のことなの？」と聞きます。答えにこまってしまうＱくん。「カッコいいってなんだろう？」とつぶやきます。 【scene 03】 「たとえば？」で考えてみること 今日のギモンは「カッコいいってなんだろう？」です。「あらためて言われるとわからないなあ。」となやむＱくんに、チッチはそういうときには「たとえば？」で考えてみよう、と言います。「Ｑくんにとってカッコいい人って、たとえばどんな人？」とチッチが聞くと、Ｑくんは「顔がシュッとなってて、鼻がツーンとなってて、目がシャキーン！」とした人がカッコいいと言います。それじゃ分からないとこまるチッチ。「それはチッチみたいな顔ってこと？」とチッチが聞くと、Ｑくんには「全然（ぜんぜん）ちがう。」と言われ、「全然カッコよくない、おもしろい顔だもん。」とまで言われてしまいました。ショックでだんだんと落ちこんでいってしまうチッチ。ここでＱくんがチッチのきげんを直すために、チッチのおなかをなでてあげると、チッチは気持ちよくなって元気を取りもどします。Ｑくんの理想が「サワ～、でシュッ、ツーン、シャキーン」だということは分かりましたが、もっと身近なところ、Ｑくんの学校では、カッコいい人って、たとえばどんな人なのでしょうか？ 【scene 04】 いろいろな「カッコいい！」 Ｑくんはまず「おしゃれな服を着てる人！」と答えました。チッチが「じゃ、おしゃれな服を着てればみんなモテるの？」と聞くと、Ｑくんは「いや、そうとはかぎらない。」と言います。チッチはＱくんに、「見た目じゃないカッコよさもあるの？」と聞きました。するとＱくんは「あると思うよ。」と答えます。チッチはまた、「たとえばどんな人？」と聞きます。Ｑくんは「たとえば、足がだれよりも速い人！」と答えました。「じゃ、足が速い人ってのは、みんなモテるんだ？」と聞くと、Ｑくんは「いや、そうとはかぎらない。」と言います。「他にカッコいい人って、たとえばどんな人？」とつづけるチッチ。Ｑくんは「たとえば、頭がいい人！」と答えます。「じゃ、勉強ができる子はみんなモテる…」とチッチが言い終える前に、Ｑくんは「いや、そうとはかぎらない。」と答えます。「いろんなカッコいいがあって分かんなくなってきたよ…」となやむＱくん。みんなにとって、カッコいい人ってたとえばどんな人でしょうか？ 【scene 05】 みんなで答えよう みんなで答えよう！　キュー！　ねえみんな、みんなにとって、カッコイイ人って、たとえばどんな人？　みんなで考えよう！　エー！　自分で、こわれた機械（きかい）を直せる人です。電気屋さんにすぐにたのむんじゃなくて、自分で何とかして直せる人がカッコイイと思います。　うん、チッチも機械弱いから、そんな人たのもしいって思っちゃう！　リーダーシップがある人。みんながこまっているときに、先頭に立って、どんどん引っぱっていける人。　うん、そうだね。責任感（せきにんかん）をもって行動できる人ってカッコイイよね！　プロのスポーツ選手（せんしゅ）！感動するプレーをみんなに送り、むずかしい練習をコツコツとやってく人がカッコイイと思います。　あきらめずに努力（どりょく）するすがたって、たしかにカッコイイねえ！　思いやりがある人です。電車で席（せき）をゆずる人とか、自分のことより相手のことを最初（さいしょ）に考える人がカッコイイと思います。　なるほど。相手の身になって考えられる人はカッコイイよね。　いろんな答えがありますが、Ｑくん答えはでましたか？　んー・・・ますますわかんなくなってきた～！　おー、いいね！いいね！　キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう　キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 06】 かもしれないアニメ：おもしろいって、たとえばどんなこと？ おもしろい、って、たとえば、どういうことだろう？　ふざけたことは、おもしろい、かもしれない。　おどろくことも、おもしろい、かもしれない。　うまくいかないことも、おもしろい、かもしれない。　もっと色々なおもしろい、が、あるのかもしれない！　（男の子がぐるぐる回って・・・）　でも、やってみると、もっとおもしろい、かもしれない！ 【scene 07】 てつがくのうた 考えてくと見えてくる　考えてくと気づいてく　考えてくとかわっていく　考えてくとつながっていく　てつてつてつてつてつがく　こたえはなかなか出ないけど　てつてつてつてつてつがく　ゆっくりとみちのりを楽しもう　Philosophy for children Ｑ 【scene 08】 どんなカッコいいになりたい？ 「ぼくは一体どんなカッコいいになりたいんだろう？」と考えるＱくん。チッチは、Ｑくんに「カッコいい大人をあげてみよう。」と言います。「大人ねえ」と思いうかばないようすのＱくんに、チッチが「たとえば、どんな大人がカッコいいと思う？」と聞くと、Ｑくんは何か思いついたみたいです。 【scene 09】 「カッコいい大人」のうた たとえば　警察官（けいさつかん）！　悪いヤツをつかまえるところがカッコイイ～！　（おう、なるほど）　たとえば　パイロット！　複雑（ふくざつ）な機械（きかい）をあやつるところがカッコイイ～！　（たしかにね）　たとえば　お医者さん！　たとえば　虫博士（はかせ）！　たとえば　テレビのアナウンサー！　たとえば　総理大臣（そうりだいじん）！たとえば　コックさん！　たとえば　まどふきの清掃員（せいそういん）！（Ｑくんのようすを見て、チッチがおどろき始める）　たとえば　芸術家（げいじゅつか）　たとえば　ロック歌手！…（止まらなくなるＱくん） 【】 scene 10 　カッコいいは、自分が決める！ どんどんと「カッコいい大人」がうかんでくるＱくんを、落ちつかせるチッチ。Ｑくんは、「ぼく、いろんな大人にあこがれてたんだね。」と言います。チッチが「いま挙（あ）げたのは、全部あこがれの存在（そんざい）なの？」と聞くと、「うん、あんな大人になりたいと思うよ！」と答えるＱくん。「あれ？カッコいいって自分がなりたい人ってことか？」と気づいたＱくん。チッチに「どのカッコいいになりたいか、ってことになるね。」と言われ、「自分が決めればいいのか！」と、発見して、Ｑくんはすっきりしたようす。 【】 scene 11 　いろんなカッコいいがある！ カッコいいってどういうことか。Ｑくんの今のところの答えはこうでした。「カッコいいは一つじゃない。いろんなカッコいいがあるんだ。ぼくの場合はね、なんでもいっしょうけんめい努力（どりょく）してる人にあこがれちゃうんだよね！」　これにはチッチも「ほう、いっしょうけんめい努力する人か。」と感心します。「どんなことでもいいんだ！いっしょうけんめい努力することがカッコいいんだから！」というＱくんに、チッチは「いい答えじゃないか、それならＱくんもかっこよくなれるんじゃないか？」と聞きます。「その通り！さっそくぼくもかっこよくなろうっと！」と、何やらあやしい動きのＱくん。ベッドにもぐりこんでしまいました。「何してるんだい？」と聞くチッチに、「いっしょうけんめい昼寝（ひるね）を努力することにしました。あー、ぼくってカッコいいなあ！おやすみ！」と寝始めてしまうＱくん。チッチはあきれてしまいました。 【scene 12】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱキミのこころのこえを 【scene 13】 おさらい 今回のＱワードは「たとえば？」でした。たとえば大人ってどんな人？たとえば幸せってどんなこと？「たとえば？」で色んな疑問を考えてみよう、というチッチからのメッセージです。ところでチッチは、Ｑくんに「カッコよくない」って言われたことをまだ気にしているようす。チッチも、やっぱりカッコよくなりたいようです。

Ｑ～こどものための哲学

https://www.nhk.or.jp/school/sougou/q/

便利って本当にいいこと？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180283_00000

楽で便利な世界にならないかと夢想するＱくん。そこにチッチが、便利ってそんなにいいことなの？と問いかける。次第に、不便の中にも幸せがあることを知っていく。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180283_00000

【scene 01】 もっとべんりな世の中がいい！ 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。つくえに向かって宿題をするＱくん。漢字の練習をしているようです。「めんどうくさい」の「面倒」という言葉を書いています。面倒、面倒、面倒…と書いているうちに「あー本当にめんどうくさい！」とやる気をなくしてしまったＱくん。「未来（みらい）になったら、何でも代わりにやってくれるロボットができるかなあ。」と、空想を始めます。ロボットがあれば、「宿題を全部やってもらえて、朝起きたらぼくの顔を洗（あら）ってくれて、歯をみがいてくれて、きがえさせてくれる！空をとんで学校にも送ってくれる！とってもべんりだ！」と、Ｑくん。「早く未来になって、もっともっとべんりにならないかなあ！べんりってサイコー！」とさけんだところで、ぬいぐるみのチッチが時間を止めました。便利って本当にいいことなんでしょうか？ 【scene 02】 べんりっていいこと？ Ｑくんと話を始めるチッチ。チッチが時間を止めたのは、Ｑくんではなく、チッチがギモンをいだいてしまったからでした。Ｑくんに、ぬいぐるみのくせにギモンを持つのかと言われ、チッチはおこってしまいました。Ｑくんはすかさずチッチのおなかをなでて、気持ちよくなったチッチは機嫌（きげん）を取りもどします。「どんなギモンを持ったの？」と聞くチッチ。チッチは、「べんりはサイコー！」と言ったＱくんの言葉が、本当にそうなのか、気になったようです。今日のギモンは、「べんりっていいこと？」です。「ぬいぐるみはおかしなことにギモンを持つなあ！べんりはいいことに決まってるじゃないか！」と、Ｑくんは相手にしていないようす。チッチは「なんでべんりがいいの？たとえばどういういいことがあるの？」と聞きます。 【scene 03】 「べんりは幸せ！」のうた 車や電車があるから、どこにでもすぐ行ける～！　おばあちゃんにもすぐ会える！おう、いいね！　冷蔵庫（れいぞうこ）やレンジがあるから、いつでも食べられる～！　腐（くさ）らないし、あったかい　たしかにそうだ！　電気の明かりがあるから、夜でも起きてられる～！　マンガもたくさん読めるぜ！　勉強もしろ！　べんりは幸せ　べんりは幸せ 【scene 04】 苦労（くろう）しないことは、いいこと？ 「べんりっていうことは、楽で、苦労しなくてすむ」と言うＱくん。しかしチッチは「なんで楽はいいことなの？なんで苦労しないことはいいことなの？」と問いかけます。「苦労していたら幸せじゃありません！」と言うＱくんに対し、チッチは「ふべんだった昔の人は、みんな苦労して、幸せじゃなかったんだね。」とつぶやきます。するとＱくんは「いやー、みんな幸せじゃなかったかどうかはわからないけど…。」と、少し自信（じしん）なさげ。 【scene 05】 「反対は？」で考えてみること 昔の人は、「今よりゼッタイふべんで苦労してたと思うよ！」とＱくん。しかしチッチが「じゃ、昔の人はみんな幸せじゃなかったんだ、ふしあわせだったんだ！なんてかわいそうなんだ！」と言うと、Ｑくんは言葉につまってしまいました。チッチに「ちがうの？」と言われ、「昔だって、幸せな人はいたと思うから…。」と話すＱくん。チッチから「ふべんなのに幸せなの？言ってたこととちがうじゃないか！」とツッこまれてしまいました。「うーん…わかんなくなってきたよ。」とＱくん。ここでチッチは、こういう時には「反対は？」で考えてみようと言います。「べんりなモノにかこまれている世の中じゃなくて、反対に、べんりなモノがない世の中について考えてみるのさ！」とチッチに言われ、Ｑくんは考え始めます。 【scene 06】 「ふべんは幸せ？のうた」 車も電車もないから、とっても時間もかかる～　だからやっと会えたときには、うれしかったんだろうな～　（やっと会えたね～！）　冷蔵庫（れいぞうこ）もレンジもないから、とれたらすぐに食べる～　だからいつも作りたてのりょうり、食べていたんだろうな～　うーん、新鮮（しんせん）！　電気の明かりもないから、真っ暗でねるしかない～　だからいつも早起き　太陽に感謝（かんしゃ）したんだろうな～　明るいってすばらしい！ 【scene 07】 べんりな今では感じられない幸せ 「こうして考えてみると、ふべんもそう悪くはない気がしてきたなあ。」と話すＱくん。チッチが「昔だって、べんりになった今では感じられない幸せがあったんだろうね。」と言うと、Ｑくんは考えこんでしまいました。「べんりになるって、いいことばかりじゃないのかもしれないなあと思って…。」と、考えがかわってきたようす。「あれれ？べんりはいいことに決まってるんじゃなかったっけ？ぬいぐるみはヘンなことにギモンを持つって言ってなかったっけ？」とチッチにツッこまれてしまいます。今度はみんなで、べんりになって反対によくないことを考えてみましょう。 【scene 08】 みんなで答えよう みんなで答えよう　キュー！　ねえみんな、べんりになってよくないことって、どんなことがあると思う？　みんなで考えよう　エー！　もし電気ばっかりたよっていると、もし地震（じしん）とか、電気が使えなくなっちゃったら、みんながこまっちゃうと思います。　うーん、そりゃ困った問題だな！　１年中、エアコンのきいた部屋にいると、春、夏、秋、冬の良さがわからない。　たしかに、それぞれの季節（きせつ）のよさがあるもんな！　いつも計算機（けいさんき）を使っていると、自分の頭だけで計算ができなくなっちゃう。　頭の中でパッと計算できるとカッコイイよね！　どこに行っても乗り物ばかり乗っていると、足が弱くなって、体力がなくなっちゃう。　昔の人はどこにでも歩いて行ったんだもんな！　いろんな答えがありますが、Ｑくん答えはでましたか？　んーぼくの答えは……うん、見つけた！　おー、やったな！キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。　キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 09】 かもしれないアニメ：もしぼくが高性能（こうせいのう）ロボットだったら？ もし勉強のできないぼくが、反対に、何でもできる高性能ロボットだったら？　宿題なんか、あっという間に終わらせて、遊びに行くかもしれない。　そのうち学校にも行かなくてよくなって、世界中で活躍（かつやく）するヒーローになるかもしれない。　そしたら今より、もっともっといそがしくなるかもしれない。　いそがしくなりすぎて、友達にも、家族にも会えなくなって、案外（あんがい）さみしいかもしれない。　色々できすぎるのも、タイヘンだね。 【scene 10】 みんなで考えるのうた まずはみんなで丸くなってすわります　でもって物語をきいて問いを立てる　そんで思ったことをどんどん発表します　こんとき最後（さいご）まで話を聞くのがルール　つづいてＱワードを使ってしつもんし合います　そんとき言葉が出てこなくてもＯＫ！だいじょうぶ　次第にいろんな答えがあることに気づきます　これまでの考え方がかわっていくのを楽しみます　最後に語り合ったことをふり返える　そしてみんなで見つけた答えを味わいます　こうやってみんなでみんなで考える　みんなでみんなで考える 【scene 11】 不便なことの良さ べんりっていいこと？Ｑくんの今のところの答えはこうでした。「べんりなことはいいこと！ケータイ電話で遠くの人とお話ができたり、コンビニで何でもすぐにお買い物できたり、やっぱりべんりはいいことだと思う。だけど、べんりでよくないこともある。だから、ときどきはふべんなことのよさも思い出したほうがいい。」　チッチは「ということはときどき、わざとふべんなことをやってみるのも大切かもしれないね。」と言います。するとＱくんは「その通り！だから今日これから、ふべんな生活をしてみようと思う！」と言って、電気を消しました。「あら、暗い。」と、とまどうチッチ。「えんぴつもない！ノートもない！」と、えんぴつとノートを放り投げるＱくん。「なんかイヤな予感がするぞ…。」とチッチ。「ということは…宿題もできない！今日は宿題やりません！」と言うＱくんに、あきれてしまうチッチでした。 【scene 12】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱキミのこころのこえを 【scene 13】 おさらい 今回のＱワードは「反対は？」でした。「当たり前だと思ってたことでも、わざと反対で考えてみると、今までと違う見方ができるようになるぞ。」という、チッチからのメッセージです。「またな～」を反対にして、「なたま～」と言ってしまうチッチでした。

Ｑ～こどものための哲学

https://www.nhk.or.jp/school/sougou/q/

死んだらどうなるの？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180284_00000

メダカの死をきっかけに、自分自身の死を想像し、怖くなってしまうＱくん。死んで体や心がなくなったら？いろんな考えを挙げてみて、「死」を捉えようとする。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180284_00000

【scene 01】 死ぬのはこわいよぉ！ 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。　カラになった水槽（すいそう）を見て、どんよりとしているＱくん。「こわいこわい、こわいよぉ…死ぬのはこわいよぉ！」と、さけんだところで、ぬいぐるみのチッチが時間を止めました。「びっくりして思わず止めちゃいましたよ。」とチッチ。死ぬのがこわいだなんて、いったいＱくん、どうしちゃったんでしょうか？ 【scene 02】 死んでしまったメダカ Ｑくんと話を始めるチッチ。チッチが時間を止めたのは、Ｑくんが「死ぬのはこわい」なんて、ヘンなことを急に言い出したからでした。「どうしたんだＱくん？何かあったのか？チッチ、相談のるよ？Ｑくん？なんでも言って？」と、心配であわてるチッチ。Ｑくんはチッチのおなかをなでて、チッチを落ちつかせます。「実は、今日教室で飼（か）ってたメダカが死んじゃったんだよ。」と明かしたＱくん。「もう年だったから仕方ないんだけどね。」と話すＱくんですが、さみしくてそのメダカのことをずっと考えていると、ふと思うことがあったようです。 【scene 03】 死んだらどうなるの？ 「ぼくもいつかおじいちゃんになって死ぬんだなあって、死んだらどうなるのかなあって。そうしたら、なんだかとってもこわくなっちゃったんだよ。」と話すＱくん。そこでチッチは、今日は思い切って「死んだらどうなるの？」というテーマで考えてみようと言います。しかし、Ｑくんは気が進まないようす。「考えるとこわくなっちゃう」と言うＱくんに、チッチは「そもそもなんで死ぬのがこわいの？」と聞きます。「こわいにきまってるでしょう！」というＱくんに、「なんで？」とつづけるチッチ。Ｑくんは「痛（いた）そうだから！苦しそうだから！」と言います。これには、チッチも納得（なっとく）のようす。 【scene 04】 死んだら体は使えない 「それだけじゃないよ、死んだらこの体がなくなっちゃうんだよ？」と話すＱくん。「体がなくなるのが、なんでこわいの？」と聞くチッチに、Ｑくんは「体がなくなったら何もできなくなっちゃうからだよ。」と答えました。「おいしいものも食べられないしさ、おしゃべりもできないしさ、ロケットのプラモデルも作れないしさ、鼻くそほじってとばすこともできないしさ、何もかもできなくなっちゃうんだ。」と、Ｑくん。　死んだら体が使えない、ということには気づくチッチですが、「もう二度と永遠（えいえん）にこの体は使えないんだ！悲しいでしょ？」というＱくんの言葉には、「悲しいのかな？」と首をかしげます。「悲しいでしょうよ！」というＱくんに、チッチは意外な言葉をかけます。 【scene 05】 死んだら心はどうなるの？ 死ぬのは悲しいと言うＱくん。しかしチッチは、「悲しいと思った時には、Ｑくんは死んじゃっているのに、悲しいと思えるの？」と聞きます。つまり、悲しいと思っているＱくんの心は、死んだらどうなっちゃうのか？ということです。Ｑくんは「そんなのだれにも分からないんじゃないかな。」とあきらめ気味。「どうして？」と聞くチッチに、Ｑくんは「死んだことがある人なんかどこにもいないもん。」と説明（せつめい）します。 【scene 06】 「ほかの考えは？」を挙（あ）げてみること 「そうか、死んだことがある人はいないから、だれに聞いてもわからないわけか。」とチッチも納得（なっとく）。「体は見えるけど、心は見えないしね。心ってどこにあるのかもよく分からない。だからこの答えはだれにも分からない。」というＱくんに、チッチは「一つの答えを見つけようとしないで、いろんな答えをたくさん考えてみよう。」と言います。一つの考えではなく、「ほかの考えは？」で、Ｑくんも考えてみることにしました。 【scene 07】 「心はどこにあるんだろう？」のうた 心はどこにあるんだろう？　頭の中、脳（のう）にあるんだ！だって、うれしい！悲しい！はずかしい！みんな脳が考えてることでしょ！　じゃあ死んだら心はどうなるの？　たぶん脳といっしょになくなっちゃう！　あんれまー！　心は頭に、頭にあるんだね～　じゃ、ほかの考えはあるかな？　心は、胸（むね）にあるんだ！だって恋（こい）すると胸がドキドキする！さみしいと胸がキュンとしめつけられる！感動すると胸が熱（あつ）くなる！　じゃあ死んだら心はどうなるの？　やっぱり胸といっしょになくなっちゃう！　うん、こっちもありえるな…　心は胸に、胸にあるんだね～　さらに、ほかにあるかな？　心は、モノに宿るんだ！気持ちをこめて書いた手紙には心がこもる。手作りのプレゼントにも心がこもる。たくさん遊んだおもちゃにもぼくの心がこもるのさ！　じゃあ死んだら心はどうなるの？　いろんなモノに宿って、のこりつづける！　たしかに、宿ってるね～！　心はモノに　モノに宿るんだね～ 【scene 08】 死んだら、心はどこに行くんだろう？ 「なるほど、色んな考えが出たねえ。」とチッチ。Ｑくんも、「なんだかどれも正解（せいかい）に思えるなあ。」と、考えが深まったようです。ほかの考えはみんなにはあるでしょうか？死んだらみんなの心はどこに行くんでしょうか？いっしょに考えてみましょう。 【scene 09】 みんなで答えよう みんなで答えよう　キュー！　ねえみんな、死んだらぼくたちの心は一体どうなるんだと思う？　みんなで考えよう　エー！　空気になって、そこらへんを最初（さいしょ）はただよってて、風がふいて遠くへとばされていっちゃって、で、最後（さいご）は消えちゃうんだと思います。　少しずつ、なくなっていくわけか。それもステキだねえ！　赤ちゃんに生まれ変わって、また新しい人生を歩むと思う。　そういう考えもあるよねえ！　宇宙（うちゅう）の星になると思う。星になって、空の上から家族やともだちをずっと見てると思います。　ロマンチックだねえ！　うーん、ほかの生き物になる。鳥とか、てんとう虫とか、チューリップとか。　へんな虫になったらイヤだなあ。　いろんな答えがありますが、Ｑくん答えはでましたか？　うーん、ぼくの答えは……うん、見つけた！　キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう　キュキュキュきみなら、なんて答えるの？　キュー！ 【scene 10】 かもしれないアニメ：おばけってどうしてこわいんだろう？ おばけがこわいのには、色々、理由があるのかもしれない。　見たことがないから、こわいって思ってしまうだけかもしれない。　だけどもし、おばけを見ちゃったら、やっぱり、こわいかもしれない！　だけど、だけど、もし正体が分かったら、こわくないかもしれない。　だけど、だけどだけど、その正体を知ってしまったらもっとこわくなるかもしれない！　（おそろしいおばけがあらわれて、おどろく男の子）うわあ！！！！！！　（おばけが消えて、とまどう男の子）ん？ 【scene 11】 みんなで考えるのうた まずはみんなで丸くなってすわります　でもって物語をきいて問いを立てる　そんで思ったことをどんどん発表します　こんとき最後（さいご）まで話を聞くのがルール　つづいてＱワードを使ってしつもんし合います　そんとき言葉が出てこなくてもＯＫ！だいじょうぶ　次第にいろんな答えがあることに気づきます　これまでの考え方がかわっていくのを楽しみます　最後に語り合ったことをふり返える　そしてみんなで見つけた答えを味わいます　こうやってみんなでみんなで考える　みんなでみんなで考える 【scene 12】 死んだらどうなるか、深く考えること 死んだらどうなるの？Ｑくんの今のところの答えは「やっぱりぼくには分かりませーん！」でした。ズッこけつつも「まあ、今回は仕方ないかもな。」と、チッチも少々あきらめ気味。けれど、Ｑくんは一つだけ分かったことがあると言います。「死んだらどうなるか、深く考えるなんてイヤだなあって思ってたけど、やっぱり深く考えてよかった、ってこと。だって、生きてるってすばらしいって思えたから！生きて、うれしい、悲しい、恋（こい）しい、腹（はら）立たしいって思えることって、なんてステキなことなんだろうって！」チッチもうなずきます。「だから、うれしいとか悲しいとかって思う気持ちを大切にしていこうと思うよ。」とつづけるＱくん。　しかし「死ぬのがこわいって思ってたけど、その気持ちもすばらしいんだ、大切にしなきゃ！」というＱくんの言葉には、チッチも「え？」と引っかかっているようす。さらに「ああ、死ぬのがこわいなあ、死ぬのがこわいなんて、なんてステキなんだろう！ああ、死ぬのがこわくてとってもうれしい！死ぬのがこわくて幸せだなあ！」ともり上がるＱくん。「なんか、ヘンなかんじ！」と、Ｑくんを見て思うチッチでした。 【scene 13】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱキミのこころのこえを 【scene 14】 おさらい 今回のＱワードは「ほかの考えは？」でした。「ひとつの答えを見つけようとしないで、ほかの答えをたくさん考えてみると、色んな答えが見つかってとっても楽しいぞ！」いうチッチからのメッセージです。ところでチッチは、ぬいぐるみだから死なないのでしょうか…？

Ｑ～こどものための哲学

https://www.nhk.or.jp/school/sougou/q/

似てない人と仲良くできるの？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180285_00000

Ｑくんとチッチに加え、友達のポッくん、ルルちゃんと、一つのテーマで深く話し合う回。この日のテーマは「全く共通点がない人でも仲良くなれるか？」。あなたはどう思う？

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【】 オープニング (オープニングタイトル） 【scene 01】 いっしょに対話しよう 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。今日はテレビの前のみんなも、いっしょになってＱくんたちと考えましょう。今日のメンバーはＱくん・チッチ・ルルちゃん・ポッくん、そしてテレビの前のあなたです！　いっしょにリラ～ックスして話していきましょう。ではまずはウォーミングアップから。チッチのＹＥＳ ＮＯゲームです！ 【scene 02】 ＹＥＳ ＮＯゲーム さぁ、チッチのすきな食べ物が、この中に１つありますよ！３回しつもんしてみて、答えがどれだか当ててみて！　よし、まずはぼくから！それは丸いですか？　ＹＥＳ！　はい、ちょっと、しぼられましたね。　さぁ、次のしつもんをしてみましょう。　じゃ、次はわたし！それは赤いですか？　ＮＯ！　これでまた、オウ、しぼられましたね。　さぁ、次のしつもんをしてみましょう。　よし、最後はぼく！それは木で育ちますか？　ＹＥＳ！　それじゃ、テレビの前の君！これだと思うものを大きな声で答えてくれ！　いくぞ、せーの！　（テレビの前のきみの答え！）　さてさて、それで合ってるかな？　それでは、正解（せいかい）の発表です！　丸くて、赤くなくて、木で育つもの！　ということで、チッチのすきな食べ物は…　「オレンジー！」　しつもんしながら考える！　ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯゲーム！　これで対話の準備（じゅんび）はＯＫ！　ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯゲーム！ 【scene 03】 対話をはじめよう：見知らぬ国の男 ある島の浜（はま）に、銃（じゅう）を腰（こし）につけた男が流れついた。　その男は、島に住む住民（じゅうみん）たちと肌（はだ）の色もちがうし、しゃべる言葉もちがう。　住民たちは、キケンな敵（てき）だと思い、その男をつかまえて、話し合った。　ある人は「きっと攻（せ）めに来た侵略者（しんりゃくしゃ）にちがいないから、殺（ころ）してしまえ」と、また、ある人は、「男の国のことを聞き出し、その国を逆（ぎゃく）に攻めよう」と、敵意をあらわにした。　ところが、食料（しょくりょう）をあたえた時、男が太陽に向かっておいのりをするすがたを見て、かれらは考え方をかえた。　島の住人たちも食事の際（さい）には、太陽においのりをするからだ。　住人たちは、男のことを自分たちと同じ考えのなかまだと思い直し、体が回復（かいふく）するまで面倒（めんどう）をみた。その後、住民に感謝（かんしゃ）しながら国に帰った男は、島の住民たちと交易（こうえき）を結び、おたがいが栄（さか）え、よい関係が築（きず）かれたそうな。 【scene 04】 「なんで」仲良くなれたの？ 「いやー、助かってよかったよ。」とＱくん。「侵略者（しんりゃくしゃ）だと思われたらタイヘンでした。」とポッくん。「やっぱりなかよくしなきゃね。」とルルちゃん。チッチが、みんなに「島の住人たちは、なんで、敵（てき）かもしれない男となかよくなれたんだろうね？」としつもんします。　Ｑくんは「最初（さいしょ）は肌（はだ）の色や言葉がちがうから敵だと思ったけど、おいのりをしたからこの人は悪い人じゃないと思ったんだ！」と言います。チッチは、「なんでおいのりをしたら悪い人じゃないと思ったの？」と聞きます。　これにまず答えたのはルルちゃん。「太陽の神様においのりをしたからでしょ。島の人たちも普段（ふだん）から太陽の神様を大切にしているからね。」と言いました。ポッくんも「流れ着いた男も島の人たちも、太陽の神様を大切にしてる。つまり、自分たちと同じところを見つけて、親しみがわいたということです。」と言いました。チッチはみんなに、「だれかに自分と同じところを見つけて、親しみがわいた経験（けいけん）はあるかな？」と聞くと、少し考えて、みんな「あるあるある！」と答えました。 【scene 05】 「たとえば」親しみがわいた経験（けいけん）はある？ たとえばどんなことがあったか教えてくれるかい？　たとえば、性格（せいかく）のまったく違うポッくんと僕は同じ趣味（しゅみ）をもっている。それは、ロケットや飛行機が大好きなところ。　そう同じ同じ「趣味」だから、友達になれたんだ～　たとえば私、歌手のマイケルの歌がとっても好き！だって、彼、私の切ない恋心（こいごころ）をそのまま歌にしてくれてるんだもん。　そう同じ同じ「気持ち」だから、心にしみるんだ～　たとえば最近、近所で飼（か）われているブサイクな犬が、なぜかかわいいんです。たぶんそれは、その犬がぼくと同じ名前だからだと思うんです。　そう同じ同じ「名前」だったから、愛着（あいちゃく）がわくんだな～　ほほほ、おもしろいな。ほいじゃ、そこの君！（みんな、テレビの前の君のほうを向く）　君も同じところを見つけて、親しみを感じたことはあるかな？……ん？……どうだ？……ん？……ん？……　あるみたいだよ、そういう経験。　そうかそうか、だよねー。　そう同じところを見つけると、親しみがわくんだね～ 【scene 06】 「反対に」自分と似（に）てない人となかよくできる？ 「同じところを見つけると、みんな親しみがわく。つまり、これってどういうことなんだろうね？」とみんなに聞くチッチ。Ｑくんは「よく知らない相手でも、自分と同じところや似てるところを見つけるとホッとする。」と言います。「好きになっちゃう。」とルルちゃん。「なかまだと思えます。」とポッくん。　ここでチッチは、「じゃあ反対に、自分と似てるところがない人だったら、どう思うんだろう？」というギモンを投げかけます。これには３人ともこまってしまいました。ここで話し始めたのがＱくん。ポッくんに「もし近所の犬がガッツっていう名前だったら、かわいく思えた？」と聞くと、ポッくんは「全然（ぜんぜん）思えない。」と答えました。（ちなみにチッチは、いい名前だと思ったようです。）　今度はまたＱくんが「もしマイケルが全然同じ気持ちになれない歌を歌ってても、すきになれる？」と、ルルちゃんに聞きます。同じ気持ちになれない歌が「大きなワニとデートしたいなあとか、ナメクジと結婚（けっこん）したいなあ。」みたいな歌だと聞き、ルルちゃんにも「そんな歌、すきになるわけないじゃない、全く気持ちがわかんないもん！」と言われてしまいました。　ルルちゃんはＱくんに、「もしポッくんがロケットも飛行機（ひこうき）もすきじゃなかったら、どうなってた？」と聞きます。すると、Ｑくんは「たぶんなかよくなってなかったと思うな。」と言ってしまいました。これを聞いたポッくんはかなり落ちこんだようす。見かねたチッチは、３人にお茶を飲んで落ちつくようにすすめました。　お茶を飲んでみんな落ちついたところで、「似てるところが全然ない人となかよくするのはむずかしいよね。」とＱくん。「理解（りかい）し合えなさそうですよね。」とうなずくポッくんに、「知らず知らずのうちに、自分と似てない人を遠ざけてるのかもしれないわねえ。」とルルちゃん。みんな悩（なや）んでしまいました。テレビの前の君は、自分と全然似てない人と、なかよくできるでしょうか？ 【scene 07】 みんなで考えるのうた まずはみんなで丸くなってすわります　でもって物語をきいて問いを立てる　そんで思ったことをどんどん発表します　こんとき最後（さいご）まで話を聞くのがルール　つづいてＱワードを使ってしつもんし合います　そんとき言葉が出てこなくてもＯＫ！だいじょうぶ　次第にいろんな答えがあることに気づきます　これまでの考え方がかわっていくのを楽しみます　最後に語り合ったことをふり返える　そしてみんなで見つけた答えを味わいます　こうやってみんなでみんなで考える　みんなでみんなで考える 【scene 08】 仲良くできる？できない？「ほかの考えは？」 「自分と全然（ぜんぜん）似（に）てない人とは、なかよくできるの？できないの？」と聞くチッチ。Ｑくんが「やっぱり全然似てなかったら、むずかしいなんじゃないかなあ。」と言うと、ポッくんも「むりやりつき合っても、どうせけんかになるだけです。」と言いました。 チッチはここでほかの考えがあるか聞きました。ルルちゃんは「似てるところがなくても、この人とはちがうなんて思わないで、みんな同じって思わなきゃ。」と言います。ルルちゃんの意見も正しいかもしれない、と思うＱくんとはちがい、ポッくんは「ちがうものはちがうんだから、それを同じって思うのはムリです。」と意見をかえません。やっぱりそうかもしれないと思ってしまうＱくん。 しかしルルちゃんは「たとえ自分と考え方や文化がちがっても、おたがいそこはガマンしてなかよくするの！」とゆずりません。今度は、ルルちゃんの意見にうなずくＱくん。　ポッくんは「流れついた男が、悪いやつだったらどうするんですか？」と反論（はんろん）します。「だれでもかれでも信用（しんよう）して受け入れるのはキケンです！」と言うポッくん。ポッくんとルルちゃんの対話は、どんどんもり上がっていきますが、Ｑくんはなかなか自分の意見を持てず、しまいにはポッくんとルルちゃんに「Ｑくんはどっちなんだよ！」と言われてしまいました。しかたないので、Ｑくんは２人にお茶を飲ませて落ちつかせます。 【scene 09】 テレビの前の君は？ 「だけど…全然（ぜんぜん）似（に）てるところがない人なんて、そんな人本当にいるのかあ…。」とつぶやくＱくん。「似てない人とむりやりなかよくしようとしてもけんかになっちゃう。かといってつき合わなければ、憎（にく）み合って、やっぱりけんかになっちゃう。なかよくなるためには、どうしたらいいんだろうね？」と、チッチは問いかけます。テレビの前の君は、どう思っているでしょうか？似てるところがない人とは、どうしたらいいのでしょうか？みんなで対話してみましょう。 【scene 10】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱ ねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱ キミのこころのこえを

Ｑ～こどものための哲学

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ルールって本当に必要？

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家や学校でのルールに縛られ、不自由だと思っているＱくん。もしルールがなかったらどうなるか？周りにあるルールの成り立ちを知ることで、ルールの大切さに気づいていく。

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【scene 01】 「なんでルールなんかあるのさ！？」 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。おもちゃをかたづけているQくん。「まったく、めんどうくさいなぁ。なんで毎日かたづけなきゃいけないんだよ。どうせまた明日使うんだからそのままでいいじゃん。」と、お母さんと決めたかたづけのルールに、不満げなようす。「ルール、ルールってうるさい！　なんでルールなんてあるのさ！」とQくんがさけんだところで、ぬいぐるみのチッチが時間を止めました。ルールって、本当に必要（ひつよう）なのでしょうか？ 【scene 02】 自由がなくなってしまう 「ルールって本当に必要（ひつよう）？」というテーマで考えてみようと言うチッチに、ルールなんていらないと答えるQくん。「ああしなさい、こうしなさい、あれやっちゃだめ、これやっちゃだめ。そうやってルールにがんじがらめにされたら、自由がなくなってしまうからだよ」というQくんは、自由が人間にとっていちばん大切なものだから、自由をうばう権利（けんり）なんて、だれにもない！とチッチに力説します。すごいことを言うようになった、とチッチもおどろきのようす。Qくんは「ルールがない世界」を想像します。 【scene 03】 自由はなんてすばらしい もし、おもちゃをかたづけなくていいのなら？　またすぐに遊べる！　たくさん遊べる！もし、すきな時間に学校に行っていいのなら？　たっぷりねむれる！　いつでも元気！もし、お店のものを持っていっていいのなら？　お金がなくてもだいじょうぶ！　ゆたかにくらせる！　ああ、自由はなんてすばらしい　ああ、自由はなんてすばらしい！ 【scene 04】 ルールはだれかが勝手に決めたもの？ 「自由って、すばらしいなぁ！　ルールって、そもそも何なんだ？」と言うチッチに、「ルールっていうのはね、だれかが勝手に決めたものなんだ。おもちゃをかたづけるルールだって、お母さんが勝手に決めたんだ！」とQくん。チッチは、お母さんが片付けを押し付けている、というQくんの意見に納得のようす。「ルールがあるから、みんな不自由（ふじゆう）な思いをしてるんだよ」と言うQくんに、チッチは「でも、不自由な思いをしてるのに、なんでみんなルールを守ってるんだ？」と言いました。Qくんは答えにつまってしまいます。 【scene 05】 『もし～だったら？』で考えてみよう するとチッチが、「そういうときは『もし～だったら？』で考えてみると、いいんじゃないか？」と声をかけました。「ルールはいらない！って言うんなら、ルールがない世界で考えてみようじゃないか」と言うチッチにQくんは「ルールがない世界？」と不思議な顔をしています。もし、本当にルールがなかったら…世界はどうなってしまうんでしょうか？ 【scene 06】 もし、ルールがなかったら もし、かたづけのルールがなかったら？　そりゃあ、ちらかったままになる　これじゃ、どこに何があるかわからなくなるね　まあ、さがせばいいじゃん　もし、さがしても見つからなかったら？　また新しいのを買えばいい　そうなると、たぶんものを大事にしなくなるね　もし、学校に行くルールがなかったら？　たぶん行かなくなる　すると勉強は？　うーん。しなくなるだろうね　もし、勉強しなくなったら？　世の中のことがわからなくなる　大人になってこまるだろうなあ　もし、お店のものを持っていってよかったら？　みんなお店のものを取り放題　そしたらお店から商品がなくなるね　お店がつぶれちゃうね　もし、町にお店がなくなってしまったら？　町じゅうのみんながこまっちゃう　食べるものもない！　ルールって本当にいらないの？… 【scene 07】 いらないルールもある？ 「ルールがないと不幸（ふこう）になることもあるんだね。でもさ、いらないルールだってあると思うよ。だって、昔の時代にはまちがったルールや悪い法律（ほうりつ）もあって、苦しんだ人がおおぜいいたんだから」とQくん。でもチッチに、「それはどんな法律のこと？」、と聞かれると、Qくんは答えられません。「とにかく、あったほうがいいルールとなくてもいいルールと、両方あるんじゃないかな」とQくん。にチッチは「じゃあ、ほかのいろんなルールについても考えてみようかね。ねえみんな、きみの身のまわりのルール、それって本当に必要（ひつよう）？」と言いました。 【scene 08】 みんなで答えよう みんなで答えよう　ねえみんな、きみの身のまわりにあるルールって、本当に必要（ひつよう）だと思う？　みんなで考えよう　もし、食べ物をのこしちゃいけないっていうルールがなかったら、みんなきらいなものをのこしてのこりものだらけになっちゃう。　食べ物は大事にしなくちゃね！　ぼくは会社にネクタイをしていくというルールはいらないと思います。理由は、首がしまってしまったらとてもきけんだと思うからです。　ネクタイで首が絞まる？面白い意見だ！　信号（しんごう）のルールは必要（ひつよう）。もしみんな信号を無視（むし）したらどんどん事故（じこ）がふえちゃう。　本当だ、命に関わるルールだね。　時間を守るルールは必要だと思うけど、みんな少しくらいゆったりとすごしてもいいと思う　みんな、時間に追われてるもんな！　いろんな答えがありますが、Qくんはどう思いましたか？　やっぱりルールがないと、人間だめなのかな…？キュキュキュみんなの答え　キュキュキュそれぞれちがう　キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 09】 かもしれないアニメ：もし誕生日が来なかったら もし誕生（たんじょう）日が来なかったら？　ぼくは年をとらなくなって、ずっと子どものままでいられるかもしれない。そしたら、受験（じゅけん）勉強も仕事もしなくてよくなって、ずっと遊んでいられるかもしれない。だけど、みんなが大人になっても、ぼくだけがいつまでも子どものままだと、さみしくなってしまうかもしれない。それに、誕生日が来ないと、プレゼントももらえなくなるかもしれない。あ！　もし毎日が誕生日だったら？　すぐにおじいちゃんになってしまうかもしれんわい…。 【scene 10】 Qワードおぼえうた なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　QQQQQ　Qワード　きみの疑問（ぎもん）を　ほり下げてみよう　なんで？　理由をさぐってみる　ほかの考えは？　いろんな考えを出してみる　反対は？　あえて逆（ぎゃく）で考える　もし～だったら？　仮説（かせつ）を立ててみる　そもそも？　前提（ぜんてい）からうたがってみる　立場をかえたら？　だれかの気持ちになってみる　たとえば？　具体的（ぐたいてき）にあげてみる　くらべると？　ちがいはどこかさぐってみる　なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　QQQQQ　Qワード　きみの答えを　ほり当ててみよう 【scene 11】 ルールは必要！ 「さあ、Qくんの答えを聞かせてもらえるかな。ルールって、必要（ひつよう）？」と聞くチッチ。Qくんは、「みんなが楽しくくらすためには、ルールは必要！　自由も大事だけど、みんな自由にやりたい放題やっちゃうと、こまったことになっちゃう。だからルールを作って守ることで、みんなが楽しくくらせるようにしなきゃいけない。自分だけが自由になるなんて、ありえないから」と答えました。「そうか、やっぱり人間にはルールが必要か…」とうなずくチッチ。すると、「ということで、ぼくも今日からみんなが楽しくくらせるように、いいルールをたくさん作っていこうと思う」と言い出したQくん。Qくんが考えたのは、毎日の「ばんごはんのルール」。月曜日はハンバーグ。火曜日はステーキ。水曜日はおすし。木曜日はエビフライ。金曜日はカレーライス。土曜日と日曜日はレストランで外食！とはりきるQくんに、「う、うん…」と言葉の出ないチッチ。「うーん、われながらいいルールだなぁ。よし、さっそくお母さんにつたえてこようっと！　イヤッホーイ！」と喜びながら行ってしまうQくんに、「ぜったい、却下（きゃっか）されるぞ～！」とさけぶチッチでした。 【scene 12】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱキミのこころのこえを 【】 scene 13 おさらい 今日のＱワード『もし～だったら？』でした。「みんなも疑問に思うことがあったら、これを使って考えてみてくれ！」というチッチからのメッセージです。

Ｑ～こどものための哲学

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なんでウンコでみんな笑うの？

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粘土で作ったウンコでともだちを笑わせようとしているＱくん。なんでウンコはそんなにおもしろいのか？いろんなケースを挙げて、比べてみることで、その謎を探求していく。

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【scene 01】 Qくんがねんどで作ったもの… 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。「ふふふふ。くくくく。ひゃははは。上手にできたぞ。よーし、完成（かんせい）だ！」。Qくんがねんどで何か作りました。「ウンコねんど、やったぁ！　ウンコッコ～！　あはははは、あははははは！」。するとぬいぐるみのチッチが時間を止め、「ねえ、みんな。あの子どう思う？　ねんどでウンコ作ってわらってるよね。どうかしちゃったのかね？」と少しこまり気味。 【scene 02】 みんなわらうに決まってるよ Qくんがどうかしちゃったのかと思ったチッチ。Qくんは「いやいや、これをね、明日早く学校に持っていって、教室にそーっとおいといたら、みんなわらうだろうなあと思ったら、もうわらいがこみあげてきちゃって…。ふふふ、くくくく、あはははは」とわらいがとまりません。「いたずらばっかり思いつくねぇ。でも、みんなわらうかなあ？」とチッチ。「わらうよ。だってウンコがあるんだよ。わらうに決まってるよ。あははは」とQくん。「なんでそんなにみんなわらうの」と聞くチッチに、Qくんはウンコだからだよ！と言いはります。 【scene 03】 わらうことに理由なんかあるの？ 「ウンコってそんなに面白いか？　だれでも毎日トイレで出してるものだぞ？」とチッチに言われ、ようやくわらいがおさまったQくん、「そうだね。たしかによくよく考えてみると、なんでみんなウンコでわらうんだろう」と言いました。そこで、本日の疑問（ぎもん）は「なんでみんなウンコでわらうの？」です。「そんなばかなこと、あらたまって聞かれても、アハハハハ」とわらうQくん。「わらわないで考えろQくん。きみ、ウンコに弱すぎるぞ！」とチッチ。Ｑくんも「ぼくも何が面白いのかわからないけど、自然（しぜん）にわらっちゃうんだよ。わらっちゃうことに理由なんかあるのかな？」と考え始めます。 【scene 04】 「くらべると？」で考えてみよう チッチは「そういうときはね、『くらべると？』で考えてみたらどうかな？」とＱくんにたずねました。「二つの例（れい）をくらべてみて、そのちがいを考えてみるんだ。Qくんに今から質問（しつもん）をするから、それが面白いかどうか答えてみてくれ。」とチッチ。「A.自分がしたトイレの中にあるウンコ。これ、面白い？」との問いに「べつに面白くない」とQくん。「B.公園のすべり台の上にあるウンコ。これ、面白い？」という問いにはQくんも「あはは。面白い！」と言いました。「二つをくらべると、何かわかる？」と聞かれ、「トイレにあるウンコは当たり前だ。だから面白くない。でも、すべり台の上にウンコがあるなんて意外。だから面白い」とQくん。「つまり、くらべると、場所がちがうんだね」とチッチ。本来あるべき場所じゃない場所にあると面白いんだ。だから、たとえば…？ 【scene 05】 意外な場所にあるから面白い？ 朝起きたらベッドの上に　ウンコ！　電車に乗ったらシートの上に　ウンコ！　探検家（たんけんか）が宝石（ほうせき）箱を開けたら　ウンコ！　となりにいるチッチの頭の上に　ウンコ！ 【scene 06】 みんなで見たら面白い！ Qくんは「そうか。ウンコが意外な場所にあるから面白いんだな。たしかに、このねんどのウンコも、トイレにおいたらあんまり面白くないもんなぁ」と気づいたようす。「じゃあ、こういうケースはどうだろう？」とチッチが質問（しつもん）を続けます。「A.公衆（こうしゅう）トイレのウンコを一人で見つけたとき」との問いに「うーん、あんまり面白くないかなぁ」とＱくん。「B.公衆トイレのウンコをみんなでいっしょに見つけたとき。これ、面白い？」との問いには、「うん、面白い。きっとみんなでわらっちゃう」とQくん。「二つをくらべると、ちがいは何？　今回は、二つとも本来あるべきトイレの中だよ。トイレにあっても面白くなかったんじゃなかったっけ？」とチッチに言われ、「わかった！　ちがいは、“一人”と“みんな”だ！　トイレにあっても、みんなで見たら面白い！」とQくん。さっきの例（れい）もみんなで見たらどうなるのでしょう…？ 【scene 07】 みんなで見るからおもしろい？ 『♪みんなで公園行ったら　すべり台の上に　ウンコ！　みんなで電車に乗ったら　シートの上に　ウンコ！　みんなで宝石（ほうせき）箱開けたら　その中から　ウンコ！　みんなでチッチを見たら…　頭の上に　ウンコ！』。 【scene 08】 面白くないものは面白くない？ 「あははは、みんなで見たら何倍も面白いよ！」とQくん。「でもさ、なんでみんなで見ると面白いんだろうね？」とチッチ。「面白いテレビや映画（えいが）も、一人で見るよりみんなで見たほうがわらえるよ」とQくん。「でも、みんなで見たって面白くないものは面白くないよね？」と言うチッチに、Qくんは「そうだねえ。やっぱり、ウンコってふしぎだなぁ…」と、また分からなくなってしまったようです。ウンコって、なんで面白いんでしょうか？ 【scene 09】 みんなで答えよう みんなで答えよう　ねえねえ、なんでみんなはウンコでわらうんだと思う？　みんなで考えよう　くさいから！　くさいと、ウンコもわたしもはずかしくなってわらっちゃう　うん、たしかに食べものなんかも、臭いと笑っちゃうときあるよね！　自分以外のはめずらしいから、見ると面白い　なるほど！たしかに！　実は、ウンチがすきだから！　ああ、そうか！好きだから笑っちゃうんだな！　わたしは面白くない。わたしは、ウンコなんかでわらいません！あれあれ？言いながらちょっと笑ってないかい？　いろんな答えが　ありますが、Qくん、答えは出ましたか？　うーん、ぼくの答えは、うん、見つけた！ ＯＫ牧場！（ぼくじょう）　キュキュキュみんなの答え　キュキュキュそれぞれちがう　キュキュキュきみならなんて答えるの？ 【scene 10】 かもしれないアニメ：くらべると？ 大すきなハンバーグを先に食べるのと、あとで食べるのとくらべたら、どっちがいいだろう？　やっぱり、すきなものを最初（さいしょ）に食べたほうが、おいしいかもしれない。だけど、きらいな野菜（やさい）から先に食べて、ハンバーグを最後に食べたほうが、おいしいかもしれない。そのあいだにだれかに取られちゃうかもしれない。じゃあ、まとめていっしょに食べちゃえばいいかもしれない。それだと、野菜をまずく感じなくなるかもしれないけど、ハンバーグはおいしくなくなっちゃうかもしれない。うーん…。あ！　こんなこと考えているうちにさめちゃったかもしれない。ワァーン…。 【scene 11】 Qワードおぼえうた なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　QQQQQ　Qワード　きみの疑問（ぎもん）を　ほり下げてみよう　なんで？　理由をさぐってみる　ほかの考えは？　いろんな考えを出してみる　反対は？　あえて逆（ぎゃく）で考える　もし～だったら？　仮説（かせつ）を立ててみる　そもそも？　前提（ぜんてい）からうたがってみる　立場をかえたら？　だれかの気持ちになってみる　たとえば？　具体的（ぐたいてき）にあげてみる　くらべると？　ちがいはどこかさぐってみる　なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　QQQQQ　Qワード　きみの答えを　ほり当ててみよう 【scene 12】 はずかしくてかくしておきたいものだから！ 「さあ、Qくんの答えを聞かせてもらおう。なんでみんなウンコでわらうの？」というチッチの問いに、Ｑくんは「ぼくの今のところの答え！　人は、はずかしくてかくしておきたいものを見ると、わらっちゃうんだよ。いつも一人でウンコをして、出したらすぐに流しちゃうでしょ。本来は見られたくない、はずかしいものだからだ！」と答えました。「だれでもはずかしいものは、かくしたいものねえ」とチッチ。「そうそう。でも、人がかくしておきたいものって…」。「見たくなるよねぇ！　たしかにそうかもしれないね。同じようにはずかしくて見られたくないもので言うと、おしりとかもわらっちゃうもんな」とチッチが言ってしまったのを聞いて・・・ 【scene 13】 ウンコといっしょにでっかいおしりも… Qくんは、「そうか。人は、はずかしくて見られたくないから服を着てるんだな。すっぱだかだとわらっちゃうもんね！　うふふふ…」と、またわらっています。「うん？　なんかいやな予感…」とチッチ。「いいこと思いついた！よーし！」と、Qくんはまたねんどで何か作り始めました。「何してるんだい？」と聞かれて、「決まってるだろ。ウンコといっしょに、でっかいおしりも作って持っていくんだよー！みんなもっとわらうぞ～！」とQくん。「いや、先生にはおこられるぞ～！」とさけぶチッチでした。 【scene 14】 Ｑエンディングテーマ なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしいけしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにもあるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！ 【scene 15】 おさらい 今日のＱワード「くらべると？」でした。「二つのことを比べて考えてみると、わからなかったことがわかるかもしれない。みんなもやってみてくれよな！」という、チッチからのメッセージです。

Ｑ～こどものための哲学

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なんでお母さんはいつも怒るの？

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怒ってばっかりのお母さんにうんざりのＱくん。相手の立場になって考えてみたらどうか？お母さんの立場になって観てみると、親としての責任感ややさしい愛情が見えてくる。

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【scene 01】 「こんな家、出ていってやる！」 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。「あー、もう！なんなんだまったく！じょうだんじゃないよ！今度という今度はもうがまんできない。こんな家、出ていってやる！」。なぜかおこっているＱくんが、バッグにいろいろなものをつめています。「こんな家、もうおさらばだ！」と、バッグを持って出ていくＱくん。「ちょいちょいちょい、ストーップ！Ｑくん、どこ行った？」とあわてるチッチ。いったい何があったんでしょうか？ 【scene 02】 またお母さんにおこられたから Ｑくんをさがすチッチ。すると、「うるさいなぁ」とＱくんがあらわれました。「あぁ、もどってきた。よかったよかった！」とよろこぶチッチは、Qくんに何があったのか、と聞きました。「またお母さんにおこられたんだよ」と言うＱくん。「きっかけは何だい？」と聞くチッチに、Qくんは「きっかけ？　それはね、えーと…。あれ？　なんだっけ？　わすれちゃった」。思わずずっこけるチッチ。Ｑくんは「きっかけなんかなんでもいいんだよ！　とにかくお母さんは、なんでもかんでもおこるんだ。なんでお母さんはいつもおこってばっかりなんだろう？」と、かなり不満（ふまん）なようす。 【scene 03】 「立場をかえたら？」で考えてみよう そこで今日の疑問（ぎもん）は、「なんでお母さんはいつもおこるの？」です。「どうせおこりんぼうなだけだよ」と言うＱくんに、「お母さんがおこるのは、それなりの理由があると思うな」とチッチは言います。「そうかなぁ」とＱくん。そこでチッチは、「そういうときはね、『立場をかえたら？』で考えてみるのさ」と言いました。「お母さんの立場になって考えてみる。そうすれば、お母さんの気持ちがきっとわかると思うぞ」とチッチ。「そんなこと言われてもね、ぼくはお母さんじゃないから、お母さんの気持ちになるなんて…」と言うＱくんに、「はいＱくん、今からきみはお母さんだ。ドーン！」と魔法（まほう）をかけるチッチ。「うわぁ！え？何これ！？」なんとＱくんは、Ｑくんのお母さんに変身（へんしん）してしまいました！ 【scene 04】 お母さんの気持ちになって たとえばどんなときにおこるの？　朝はだいたいおこっちゃうわねぇ　なんで朝はおこっちゃうの？　イライラしてきげんがわるいのよ　なんで朝はきげんがわるいの？　早起きしてるから寝不足（ねぶそく）なのよねぇ　なんで早起きしているの？　Ｑくんたちの朝ごはんを作るためよ　どんな朝ごはんを作るの？　ごはん、おみそしる、お魚、サラダ、牛乳（ぎゅうにゅう）よ　たくさん作ってるんだね　Ｑくんたちの健康（けんこう）のためよ　そんな朝ごはんをＱくんは？　ねぼうしていつものこしてるわ　そのときはどんな気持ち？　せっかく作ったのにってかなしくなるの　ねぼうしたときなんて言うの？　早くしなさいって、ついどなっちゃう　なんで早くしなさいって言うの？　学校におくれないためよ　学校におくれるとどうなるの？　みんなにだらしない子って思われるわ　だらしない子って思われたら？　とってもかなしい…せきにんを感じるわ　そうならないためにママは　ちゃんと自立できるようにしてあげたい、そう思うとついおこっちゃうの　ママはきみを思ってる　きみを思ってる　ママはきみを思ってる　きみを思ってる 【scene 05】 Ｑくん、ちょっと反省 Ｑくんのお母さんの気持ちを知り、感動してなきだしてしまったチッチは、Ｑくんに「お母さんの立場になって考えたら、おこっちゃう理由、わかったでしょ？」と聞きます。「んー、Ｑくんてやつは、お母さんの気持ちも知らないで、朝ごはんはのこすし、ねぼうはするし、その上もんくばっかり言って、ひどいやつだと思ったよ。がんばれお母さん！　Ｑくんのわがままなんかに負けるな！」と答えるＱくんに、思わず「きみのことだけどな」とつっこむチッチ。Ｑくんも少し反省したようです。 【scene 06】 よそのお母さんもこんなにおこるのかなぁ 「寝不足（ねぶそく）でイライラしちゃうのも、しかたないことなんじゃないかな」と言うチッチに、「それにしてもだよ、ぼくをおこるのは朝だけじゃないんだよ、いつもだよ！」とＱくん。「その一つひとつにもちゃんと理由があるのかなぁ」と考え始めました。「あるんでないの？」とチッチ。「よそのお母さんもこんなにおこってるのかなぁ？」とＱくん。するとチッチが、「じゃあ、ちょっと聞いてみるかね？」と言いました。みんなのお母さんやお父さんは、いったいどんな理由で子どもにおこってるのでしょうか？ 【scene 07】 みんなで答えよう みんなで答えよう　ねえ、お母さんやお父さん、なんで子どもをおこるの？　みんなで考えよう　しずかにしなきゃいけないところでさわいだりしてたらおこります。他人にめいわくをかけないことをおぼえてほしいからです　ほかの人とくらしていくためにはマナーは身につけないとね　勉強のこととか友だちのこととか、自分の子どものころをふりかえって、こうすべきだったなと思うことは子どもにきびしくつたえています　そうか、人生の先輩（せんぱい）としてのアドバイスなんだね　やってほしいとおねがいしたことをやってくれないと、ついおこってしまうことがあります。でもそういうときは、心の中で後悔（こうかい）して、ごめんねって言っています　おねがいしたことをやってくれないと、ママだってかなしいよね　本人のゆめを実現（じつげん）させるためにしかります。自分でやると決めたことをやらなかったときは、きびしく言ってあげることも大事だと思います　うん、子どものゆめを実現させるために、あえてしかってくれてんだなぁ　いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？　うーん、おこる理由もいろいろあるんだな…　そうみたいだねぇ　キュキュキュみんなの答え　キュキュキュそれぞれちがう　キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 08】 かもしれないアニメ：立場をかえたら？ 鳥は自由でいいなぁ。もしぼくが鳥の立場だったらどう思うんだろう。空をとぶのは気持ちいいなぁって思うかもしれない。でも、意外ととぶのはたいへんだなぁって思うかもしれない。ぼくを見て、ごろごろねころんでみたいなって思うかもしれない。人間みたいにいろんなことをしてみたいなって思うかもしれない。それとも、やっぱりたいへんそうだから、人間だけにはなりたくないなって思うかもしれない。 【scene 09】 Ｑワードおぼえうた なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　ＱＱＱＱＱ　Ｑワード　きみの疑問（ぎもん）を　ほり下げてみよう　なんで？　理由をさぐってみる　ほかの考えは？　いろんな考えを出してみる　反対は？　あえて逆（ぎゃく）で考える　もし～だったら？　仮説（かせつ）を立ててみる　そもそも？　前提（ぜんてい）からうたがってみる　立場をかえたら？　だれかの気持ちになってみる　たとえば？　具体的（ぐたいてき）にあげてみる　くらべると？　ちがいはどこかさぐってみる　なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　ＱＱＱＱＱ　Ｑワード　きみの答えを　ほり当ててみよう 【scene 10】 大切に思ってくれてるから、おこるんだ 「さあ、Ｑくんの答えを聞かせてもらおう。なんでお母さんはいつもおこるの？」とチッチ。Ｑくんはが「うん。ぼくの今のところの答え！　お母さんは、ぼくのことを大切に思ってるからおこる！　どうでもいい相手だったら、ほっとけばいいんだもん」と答えました。「なるほど。いい答えじゃないか。相手の立場になって考えると、気持ちがわかっておたがいにいい関係（かんけい）をきづけそうだな！」とチッチ。しかしＱくんは「それにしても、ぼくのお母さんはおこりすぎだと思うね。あんなにガミガミガミガミ言わなくたって、ふつうに言えばいいんだよ」とまだ不満（ふまん）げなようす。 【scene 11】 お母さんもぼくの立場になってみれば！ 「まあ、たしかにそうかもしれないな」とチッチ。すると、「そうだ、お母さんもぼくの立場になってみればいいんだ！　そうすればぼくの気持ちがわかるはずだ！」。どこかへ行こうとするＱくん。「どこに行くんだい？」と聞くと、「決まってるだろ。お母さんにガミガミガミガミ言ってやるのさ！　どんないやな気分になるか、わ・か・る・だ・ろ！」とＱくん。「うーん、だいじょうぶかね」と心配そうなチッチ。しばらくしてＱくんが元気をなくしてもどってきました。「どうだった？」ときくチッチ。Qくんは「もっとガミガミガミガミ言い返された…。もういやだ！　今度という今度はがまんできない！　帰ってくるもんか！」とバッグを持って出ていってしまいました。「やれやれだね…」とあきれてしまうチッチでした。 【scene 12】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいんだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱキミのこころのこえを 【scene 13】 おさらい 今日のＱワードは「立場をかえたら？」でした。「相手の気持ちになって考えてみることは、とっても大切なんだ。今までわからなかったことが、わかるようになるぞ。みんなもやってみてくれよな！」というチッチからのメッセージです。

Ｑ～こどものための哲学

https://www.nhk.or.jp/school/sougou/q/

そもそも自分らしさってなに？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180289_00000

自分らしく生きられない現状に不満のＱくん。自分らしさって何なんだろう？Ｑくんが思う自分らしさと周りにいる人たちの思うＱくんらしさがたいぶ違うことに気づいてく。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180289_00000

【scene 01】 「ぼくは自分らしく生きるんだー！」 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。「うーん、よし行くか！　やっぱりやめるか…。いや、行かなきゃ！　でもなあ…。でも行かなきゃ！　でもさあ…」。Ｑくんは、何やら、まよっている様子。いったいどうしたのでしょう。「あー、もういい。行くのやめた！　こんなのぼくらしくない！　ぼくは自分らしく生きるんだー！」とさけぶＱくん。そこで、「はい、ストーップ！」とチッチが時間をとめました。「Ｑくんがまたなやんでるみたいだねぇ。なんか、自分らしく生きるんだーって言ってたよね。みんなも自分らしく生きたい？」と、問いかけます。 【scene 02】 マラソン大会の練習が… 「Ｑくん、何になやんでるんだい？」とチッチに聞かれるＱくん。今度学校でマラソン大会があり、そのためにクラスで毎日マラソンの練習をすることに決めたらしいのですが、マラソンが苦手なＱくんは練習に行くのがいやなようです。なやんだあげく、「行くのやめたんだ。だってさ、よく言うだろ？　まわりに流されず自分らしく生きろって」と、あきらめたようす。「自分らしく生きる？」チッチが聞くと、Ｑくんは「そう。それがいちばん大事なんだ。毎日毎日マラソンのトレーニングなんて、ぼくらしくないもん。ぼくはぼくらしく生きることにしたんだ！」。そんなＱくんにチッチは「自分らしく生きるって、どんなふうに生きることなの？」とききました。 【scene 03】 すきなことをして生きていくこと？ 「それはね、自分のすきなことや、とくいなことをやって、生きていくことだよ！　いちばん幸せな生き方さ」とＱくん。するとチッチが、「Ｑくんのすきなことって、何？」と聞きました。「プラモデルを作ること！」とＱくん。「じゃあ、一生プラモデルを作りつづけることがＱくんらしく生きることなんだね」と言われ、「え？　あ、あぁ…。でも、ずっとというのもあきちゃうと思うし…、むずかしいやつは作るといやになっちゃうし…」と、なんだかはっきりしません。「そんなことでいいの？　自分らしく生きることが大事なんじゃないの？　自分らしく生きなくていいのかい？」とチッチは問いかけます。 【scene 04】 『そもそも？』で考えてみよう 「ぼく、なんだかわかんなくなってきちゃったよ。自分らしく生きるって、どういうことなのか…」とＱくん。するとチッチが、「そういうときは、『そもそも？』って考えてみたらどうかな？Ｑくんの考える自分らしさは何なのか、深～くほりさげてみるのさ」と言いました。そこで、本日の疑問（ぎもん）。『そもそも自分らしさって何？』。自分らしく生きる、などとかんたんに言いますが、そもそも自分らしさって何なのでしょう。「うーん。言われてみるとむずかしいなぁ」とQくん。「Ｑくんはそもそも自分で、自分らしさって何だと思ってる？」ときくチッチに、Qくんは「ぼくらしさってこと？　そうだなぁ…」と考えこみました。 【scene 05】 Ｑくんてどんな人？ Ｑくんてどんな人？　どんな人？　Ｑくんてどんな人？　どんな人？　どんな人？　いつも明るくて元気！　どんな人？　好奇心（こうきしん）おうせいで、勉強熱心（ねっしん）！　どんな人？　だいたいのことは上手にできる！　どんな人？　おもしろくて、人気者！　あぁ、それがきみらしさ　ぼくらしさ！　きみらしさ　ぼくらしさ！　あぁ、それがきみらしさ　きみらしさなんだね 【scene 06】 チッチにはどんなふうに見えている？ 「とまあ、こんな感じかな」とＱくん。「へえ～、Ｑくんは自分のこと、そう思ってるんだ。へえ～、そうだったのかぁ～」とチッチ。「なんか意外そうだね」と言うQくんに、チッチは「いやあ、チッチには全然（ぜんぜん）カッコよく見えなかったもんですからね」と言いました。ムッとしたＱくんが「じゃあ、チッチにはぼくはどんなふうに見えてたのさ！」と聞くと、「Ｑくんはお調子者で、なまけもので、たまにいじわるで…」とチッチ。「全然ちがうよ！　チッチは人を見る目がないな」とQくん。そこでチッチが、「じゃあ、まわりのみんなに聞いてみるかい？」と言いました。「まわりのみんな？」ふしぎそうなQくんにチッチは「ハイ！　時空をこえてインタビュー！」。 【scene 07】 どっちが本当のぼく？ まずお母さんに聞きました。「そうねえ、Ｑは自信（じしん）があっていいけど、そのわりにおくびょうなところがあって、挑戦（ちょうせん）しないわねぇ」。ポッくんは、「Ｑはですね、すごく手先が器用（きよう）だけど、勉強はしませんねぇ」。ルルちゃんは、「気はきくけど、考えがあさいわね。あと、優柔不断（ゆうじゅうふだん）よね。あと、すぐに落ちこむわね。あと、そのくせ何でもすぐにわすれてケロッとしてるわよね。あと…」。「もういいよ！　ぼくが思ってる自分と全然（ぜんぜん）ちがうよ。どっちが本当のぼくなんだろう？」とＱくん。すると、チッチは「どっちも本当のＱくんなんじゃないか？」、「みんなはどうかな？　きみの自分らしさって、何だろうね？」と言いました。 【scene 08】 みんなで答えよう みんなで答えよう　ねえねえきみ、きみの自分らしさって何だと思う？　みんなで考えよう　明るくて前向きなのがわたしらしさです。いやなことがあっても、笑顔（えがお）をわすれないようにしています　それはかんたんなことじゃないねぇ　元気よくておもしろいところです。でも、ふざけすぎちゃって先生におこられちゃいます　ついやりすぎちゃうんだな　やっていいこととやっちゃいけないことを慎重（しんちょう）に考えて、やっていいと思ったら少しずつやる。それが自分らしさだと思います　石橋をたたいてわたるってやつか！　宿題をわすれてもへこまないところです。先生におこられてもすぐ元気になります！　打たれ強さもたしかにいいところだけど…だいじょうぶなのか？　いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？　うーんと、えーと…　なやんでおりますな～　キュキュキュみんなの答え　キュキュキュそれぞれちがう　キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 09】 かもしれないアニメ：そもそも？ 言葉、言葉…。はぁ…、そもそも、言葉って何だろう？　もし言葉がなかったら、勉強なんてしなくていいかもしれない。だけど、言葉がなかったら、だれとも話すことができないかもしれないよ。「ああ！　うう、お、ああ…ん」。だよねぇ。それに、そもそも言葉がなかったら、こうして頭の中で考えることもできなくなってしまうかもしれない。考えることも話すこともできなくなっちゃったら…、えーっ！　でも、言葉がなくても、通じることだってあるかもしれない。 【scene 10】 Ｑワードおぼえうた なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　ＱＱＱＱＱ　Ｑワード　きみの疑問（ぎもん）を　ほり下げてみよう　なんで？　理由をさぐってみる　ほかの考えは？　いろんな考えを出してみる　反対は？　あえて逆（ぎゃく）で考える　もし～だったら？　仮説（かせつ）を立ててみる　そもそも？　前提（ぜんてい）からうたがってみる　立場をかえたら？　だれかの気持ちになってみる　たとえば？　具体的（ぐたいてき）にあげてみる　くらべると？　ちがいはどこかさぐってみる　なんで？　ほかの考えは？　反対は？　もし～だったら？　そもそも？　立場をかえたら？　たとえば？　くらべると？　ＱＱＱＱＱ　Ｑワード　きみの答えを　ほり当ててみよう 【scene 11】 自分らしさなんてわからない！ 「さあ、Ｑくんの答えを聞かせてもらおう。そもそも自分らしさって何？」とチッチ。Ｑくんの今のところの答えは、「自分らしさなんて、そんなのわからない！」でした。「えー？　それが結論（けつろん）なの？」と聞くチッチに、Ｑくんは「そうさ。人はだれでもいろんな面を持っている。ひとことで自分らしさなんか言えないよ」と言います。「じゃあ、みんなが自分らしさと言ってるものは何なんだろう？」とさらにたずねるチッチ。「こうありたいとか、こうなりたいっていう、自分の理想のすがたなんじゃないかな」と答えるＱくんに、チッチは「おお～、するどいことを言うねえ。じゃあ、Ｑくんも自分らしく生きる前に、どんな自分になりたいかを考えないとね」と言いました。 【scene 12】 なりたい自分になれるようがんばろう 「Ｑくんはどういう自分になりたい？」と聞くチッチに、「うーん…。本当のことをいうと、マラソンの練習もちゃんとがんばれる自分になりたいよ…」と答えるQくん。「おぉ、よくぞ言った！　なりたい自分になれるよう、がんばれ！」とはげますチッチ。「うん！　練習に行ってくるよ！」とＱくん。「お～、いってらっしゃい！」と見送られて出かけていくＱくんでしたが、すぐにもどってきました。「あれ？　どうした？」とチッチが聞くと、「なりたいものがすぐかわっちゃうのも、ぼくらしさなんだよねぇ…」とＱくん。「いいから、行けー！」とチッチにどなられ、あわてて練習に行くＱくんでした。 【scene 13】 Ｑエンディングテーマ なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしいけしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにもあるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！ 【scene 14】 おさらい 今日のＱワード、『そもそも？』。「考えがこんがらがってきたら、いちばんのおおもとに立ちもどって考えてみることだ。」というチッチからのメッセージです。そしてチッチも、チッチらしさについて考えてみたみたい。「そもそもチッチはなんでこんなにハンサムなんだろう…」と、自信にあふれています。

Ｑ～こどものための哲学

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良いこと、悪いことってなに？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180290_00000

Ｑくんとチッチに加え、友達のポッくんとルルちゃんとで１つテーマで深く話し合う回。この日のテーマは「良いことと悪いこと」について。あなたはどう思う？

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【】 オープニング （オープニング） 【scene 01】 いっしょに対話しよう 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。今日はテレビの前のみんなも、いっしょになってＱくんたちと考えましょう。メンバーはＱくん、ルルちゃん、ポッくん、そしてテレビの前のきみ！いっしょにリラ～ックスして話し合いましょう。まずは、ウォーミングアップ。チッチの“ＹＥＳ／ＮＯ ゲーム”！ 【scene 02】 ＹＥＳ／ＮＯ ゲーム さぁ、チッチのすきな動物が、このなかに一つありますよ。３回質問（しつもん）してみて、答えがどれだか当ててみて！　それは肉食動物ですか？　ＮＯ！　ちょっと、しぼられましたね。さぁ、次の質問をしてみましょう。　それは角（つの）がありますか？　ＮＯ！　これでまた、しぼられましたね。さぁ、次の質問をしてみましょう。　それは、ぼくより小さい？　ＹＥＳ！　それじゃ、テレビの前のきみ！　これだと思うものを大きな声で答えてくれ。いくぞ、せーの！　（テレビの前のきみの答え！）さてさて、それで合ってるかな？　それでは正解（せいかい）の発表です！　肉食じゃなくて、角がなくて、ポッくんよりも小さい！　ということで、チッチのすきな動物は…「コアラ！」　質問しながら考える。ＹＥＳ ＮＯ！　ＹＥＳ ＮＯ！　ＹＥＳ ＮＯ ゲーム！　これで対話のじゅんびはＯＫ！　ＹＥＳ ＮＯ！　ＹＥＳ ＮＯ！　ＹＥＳ ＮＯ ゲーム！ 【scene 03】 『そもそも？』で考えてみると 今日のテーマは、『いいこと、悪いことって何？』です。Ｑくんはさっそく、「ハイ！　今日のテーマはかんたんです。いいことはどんどんしよう、悪いことはしちゃだめ。以上（いじょう）！」と言います。するとチッチは、「いいことをどんどんしようって言うけど、いいことって『そもそも？』何なんだろうね？　悪いことはしちゃだめって言うけど、悪いことって『そもそも？』何なんだろうね？」と答えます。「いいことねぇ…。悪いことねぇ…」と考えこむＱくんたち。「それじゃあ、これから三つのエピソードを見て、みんなの考えを聞いてみようかね。まずは、一つめ」とチッチが言いました。 【scene 04】 エピソード：オオカミと村人 親からはぐれた子ヒツジが　森の道でまよっていた　そこにオオカミあらわれて　子ヒツジめがけてとんできた！　しかし村人がやってきて　弓矢を一本放ったら　オオカミあわててにげてった　子ヒツジ助かり　めでたしめでたし！ 【scene 05】 『立場をかえたら？』で考えてみると チッチは「この村人がしたことは、そもそもいいこと？　悪いこと？」と意見を聞きます。するとＱくんとルルちゃんは、いいことに決まっている、と答えました。チッチになぜかと聞かれ、「だって、子ヒツジの命を助けてあげたんだよ」とQくん。するとチッチは、「じゃあ、『立場をかえたら？』で考えてみたらどうなるかね？」と言いました。「オオカミの立場になって考えてみるってことですね？　オオカミはおなかを空かしていて、やっと子ヒツジを見つけた。でも食べることができなかったら、そのあと死んでしまったかもしれない」とポッくんが言ったのをきっかけに、考えこむみんな。チッチは次のエピソードをしょうかいします。 【scene 06】 エピソード：王様と民衆 遠い遠いある国の心やさしい王様が　これではいかんと立ち上がった　王はこまった民衆（みんしゅう）の一人ひとりと面会し　その声に耳をかたむけた　王はすべての民衆の　希望（きぼう）をかなえてみせますと　広く宣言（せんげん）したのです 【scene 07】 『もし～だったら？』で考えてみると 「これはいいこと？　悪いこと？」とチッチに、「いいことでしょ！」とＱくん。「人々のねがいを聞くのが王様の役目ですからね」とポッくんも言います。そこでチッチが、「もし全員の希望（きぼう）をかなえたらどうなるかな？」としつもんします。ルルちゃんが「もしお金がほしいっていう人たちに、そのままお金をあげてたら…」と言いかけると、「あ、国のお金がなくなっちゃう」とＱくん。「ならば、お金がなくなる前に、みんなではたらけばいいんです！」とポッくん。「でも、はたらきたくないって人の希望もかなえちゃったら、だれもはたらかなくなるよ」とＱくん。「そうよそうよ。みんなどんどんわがままになって、世の中がめちゃくちゃになっちゃう」とルルちゃん。「じゃあ、民衆（みんしゅう）の希望をかなえようとした王様がだめだってことですか？」と言い返すポッくんに、Ｑくんとルルちゃんは答えられません。チッチは、最後のエピソードをしょうかいします。 【scene 08】 エピソード：人間とロボット 人はだれでもいつでも　ミスしたりなまけたりする　だから正しいことだけする　ロボットを開発したんだ　このロボがいれば　ミスやなまけをいつだって正してくれる　さぁ、ロボよ　人間たちのミスやなまけを正すのだ！ 【scene 09】 『くらべると？』で考えてみると 「これはすばらしい発明だよ。そのロボットがいれば世の中からまちがったことや悪いことがなくなるんだよ」とＱくん。ルルちゃんは、「そうねぇ、いいことのような気がするけど…」とまよっている様子。するとチッチが、「そんなロボットと人間を『くらべると？』何がちがう？」と聞きました。「ロボットはいつも正しい。でも人間はまちがってばっかり」とＱくん。「ロボットはつかれない。でも、人間はつかれます」とポッくん。「人間はいやなことがあったら落ちこんだりするけど、ロボットはしないわ」とルルちゃん。「そんな両者は、うまくやっていけるかな？」とチッチがまた聞きます。「できないでしょうねぇ」とポッくん。「そんなことないよ！　ロボットはいたほうがいいよ！」とＱくん。「でも、人間はロボットのようにはかんぺきにはできないわ！」とルルちゃん。「いいことや正しいことだけをもとめられたら、みんなやる気をなくしてしまいます！」とポッくん… 【scene 10】 一方にとっていいことでも 「ズズズ～。はぁ～落ち着くねぇ」チッチにすすめられてお茶を飲んで落ち着いた三人。チッチは、「みんな、今の三つの話を聞いて気づいたことは？」と聞きます。「一方にとっていいことでも、もう一方にとっては悪いことになる！」とＱくん。「みんなそれぞれ思っているいいことを、すべてかなえるのはむずかしい！」とルルちゃん。「人間はロボットみたいに正しいことだけをしつづけるのはむずかしい！　それでは息苦しくなってしまう！」とポッくん。するとＱくんが、「あー、こうなると、何がいいことで何が悪いことなのか、わからなくなってきたぁ！」と言いました。みんなも頭をかかえます。チッチは「いいね、いいねぇ。哲学（てつがく）になってきたねぇ。」と感心しています。テレビの前のあなたは、どう思うでしょうか？ 【scene 11】 てつがくのうた かんがえてくと　みえてくる　かんがえてくと　きづいてく　かんがえてくと　かわってく　かんがえてくと　つながってく　てつてつてつてつ　てつがく　こたえはなかなかでないけど　てつてつてつてつ　てつがく　じっくりとみちのりをたのしもう 【scene 12】 悪いことだとわかっていたらやらない？ チッチは「子ヒツジを助けた村人も、民衆（みんしゅう）ののぞみをかなえた王様も、人間を正してくれるロボットも、いいことをしようとしたんだよね？でも、結果（けっか）、悪いことも起きてしまった」と言いました。「はじめから悪いことになるとわかっていれば、やらなかったかもしれませんねぇ」とポッくん。「では、みんなは悪いことだとわかってて、悪いことしちゃったことはないのかな？」とチッチがさらに聞きました。「ないないない」と答えつつ、「本当に？」とチッチに聞かれ、だまってしまうみんな。「本当に本当に本当に？」何度も聞くチッチ。Qくんはひとまずおなかをなでて、チッチを落ち着かせます。 【scene 13】 悪いとわかっていてしてしまう するとルルちゃんが、「あの…、実はわたし、４こあったケーキ、三人で分ける前に１こつまみぐいしちゃったんだ」と言いました。「だれも見てなかったし、ばれないと思って、つい…」とルルちゃん。すると、「ぼくも、実を言うとですね…」とポッくんが口を開きました。「ボールをけってガラスをわってしまって。でも、ぼくは知らないとうそをつきまして…」と言います。「ひどーい！　あのときわたしたちがうたがわれたんだよ！」とルルちゃん。「すみません！　サッカーがもうできなくなってしまうと思って…」とあやまるポッくん。するとＱくんも、「実はぼくも、前にポッくんの悪口を言いふらしたことがあってさ…」と話し始めました。「ポッくんはいつも先生にほめられてるから、なんかくやしくなっちゃって、つい…。ごめん！　本心じゃなかったんだよ」とあやまります。そこでチッチが、「まあ、みんな悪いことだとわかってて、悪いことをしちゃうことが、あるんだねぇ。でもなんで、悪いとわかっててつい悪いことしちゃうんだろう？」と言いました。「うーん。なんでだろう…？」。 【scene 14】 理由、言いわけ、そして本心は… ルルちゃんが、「わたしは、どうせのこるケーキだからだれかが食べたほうがいいと思ったの」と言います。「ぼくは、うそをつくくらいなら、みんなやってることだからいいと思って、つい…」とポッくん。Ｑくんは、「ぼくは、ポッくんが調子に乗ってるみたいに見えたから、ちょっとくらいこらしめたほうがいいと思ったんだ」と言います。これを聞いたチッチは、「なるほど。みんな、これは悪くない、やってもいいんだっていう理由や言いわけを見つけてるんだなぁ」と言いました。「でも本当は、自分がたくさん食べたかっただけ」とルルちゃん。「自分が悪い子だと思われたくなかっただけ」とポッくん。Ｑくんも「自分がすっきりして気持ちよくなりたかっただけ」と言いました。チッチは「本心は、自分の気持ちしか考えていない、相手のことなんか考えてないってわけだ」と、まとめます。 【scene 15】 いいことをするときも同じ？ すると、何かに気づいたようすのＱくんは「もしかしたらこれって、いいことをするときも同じなんじゃないかな」と言います。「どういうこと？」とチッチ。「自分ではいいことをしたつもりでも、相手にとっては悪いことかもしれないって、そういうときって、自分の気持ちしか考えてないときなんじゃないかな」とＱくん。「なるほど、相手のことを考えていない」とポッくん。「そうか、自分がいいことをしたいだけ」とルルちゃん。「いいことをして、自分が気持ちよくなりたいだけ」とＱくん。「いいことをして、ほめられたい」とポッくん。「いいことをする自分がすき」とルルちゃん。Ｑくんは、「いいことをしてるぼくって、カッコいい！　だから、相手にとって悪いことになっちゃったりするんだよ！」という考えにたどりつきました。 【scene 16】 「きみはどう思う？」 「おぉ～。Ｑくんたち、なんだかずいぶん深いことを話し合ってるじゃないか。これから、いいことをしようとするとき、悪いことをしたくなっちゃったとき、今話し合ってることが、きっと役に立つとおもうぞ！」とチッチも感心しています。「いいこと、悪いこと」って、そもそもどういうことなんでしょうか？みんなで話し合ってみましょう。最後に「みんなで気楽に対話することは、きっと『いいこと』だと思うよ！」という、Ｑくんからのメッセージです。 【scene 17】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいんだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱきみのこころのこえを

Ｑ～こどものための哲学

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大人ってどんな人？

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こどもっぽいと言われ、落ち込むＱくん。だが、年が上だからといっても、「大人」とは言えないこともある。自分にとって「大人」とはどんな人なのかを深く考えていく。

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【scene 01】 「どうせぼくは子どもですよ！」 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。「シュークリーム、イェーイ！　シュークリーム、イェーイ！」。おやつを持ってはしゃいでいるＱくん。でも、急にしずかになりました。「はぁ…。シュークリームくらいではしゃいじゃってさ、こういうところが子どもっぽいと思われちゃうのかな」と言います。「なんだい！　どうせぼくは子どもですよ！」。そこで、「はい、ストーップ！」とチッチが時間をとめました。「Ｑくん、大すきなシュークリームを食べないなんて、一体何があったんだろうね。何かなやんでるみたいだよ」。 【scene 02】 ルルちゃんに「子どもっぽい」と言われた 「Ｑくん、何があったんだい？」とチッチに聞かれ、「実は今日学校でさ、ルルちゃんがさ」とＱくんが話し始めました。…ビューン、ビューン。飛行機（ひこうき）のおもちゃで遊んでいるＱくん。学校でルルちゃんが友だちと、「ポッくんは大人っぽいところがステキよね。それにくらべるとＱくんは子どもっぽくてねぇ」と話していたそうです。「ガーン！」…。「どうせぼくは子どもっぽいよ。だって子どもだもん、仕方がないじゃん！　ポッくんだってさ、ただおじさんくさいだけなんだよーだ。へっへー！」とＱくん。すると、「そういうところが子どもっぽいなあ」とチッチに言われてしまいました。「ガーン！」。 【scene 03】 “大人っぽい”ってどういうこと？ 「どうせこの気持ちはチッチにはわからないよ。大人でも子どもでもない、ただのぬいぐるみのチッチにはね！」とＱくん。すると、「ただのぬいぐるみとはなんだよ。チッチはね、子どもの心も大人の心も両方持ってるんだ！　みんなの心の友だちなんだ！」とチッチがおこりだしました。「で、Ｑくんは、本当は大人っぽくなりたいのかい？」とチッチ。「そりゃまあ、大人っぽいほうがカッコいいんじゃねーの？」とＱくん。「ふーん。“大人っぽい”って、どういうことなの？」と聞かれ、「それはだから、大人みたいな人のことだよ」。でも、「大人みたいな人って？」とさらに聞かれて、「うーん…」と答えにつまってしまいました。 【scene 04】 『どんな？』で考えてみよう そこで、本日の疑問（ぎもん）。『大人ってどんな人？』。チッチが、「こういうときはね、『どんな？』で考えてみるといいんでないかい？」と言います。「どんな？」。「Ｑくんが、『この人、大人だなぁ』って感じる人って、どんな人かなぁ？」とチッチ。「うーん…。そりゃあ、年を重ねてれば重ねてるほど、大人だなぁって感じるよ」とＱくん。「なるほど。年をとってれば大人。そりゃそうだねぇ。じゃあ次の人たちは、どっちが大人っぽいか、答えてみてちょ！」とチッチは尋ねます。 【scene 05】 どっちが大人っぽい？ ♪家庭を持ってる50歳（さい）のＡさんと　はたらき始めたばっかりの20歳のＢさん　どっちが大人っぽい？　「もちろんＡさん！」　近所でちっともあいさつしないＡさんと　いつでもニッコリあいさつしてくるＢさん　どっちが大人っぽい？　「や、やっぱりＢさん」　いろんなことを知っているＡさんと　ぜんぜんものを知らないＢさん　どっちが大人っぽい？　「やっぱりやっぱりＡさん」　ちっちゃなことに文句（もんく）を言うＡさんと　めったに文句を言わないＢさん　どっちが大人っぽい？　「やっぱりやっぱりやっぱり…」 【scene 06】 年は関係ない？ 「結局（けっきょく）、ＡさんとＢさん、どっちが大人っぽいんだい？」とチッチ。「わかんないよー」とＱくん。「年は関係（かんけい）ないのかもしれないな」と考えるＱくん。「ポッくんみたいな大人っぽい子もいるくらいだしねえ」。「ぎゃくに大人でも子どもっぽい人はいるね。うちのお母さんだって、お友だちに『その服、にあうね』と言われただけですごくきげんよくなっちゃうし」とＱくんが言います。「なるほど。でも、年が関係ないとなると、一体何によって“大人っぽい”って感じるんだろうね？」とチッチが言いました。「うーん…」。 【scene 07】 大人っぽく感じるのはどんなところ？ 「さっきのＡさんとＢさん、それぞれに感じた大人っぽいところって、『どんな』ところ？」とチッチ。「Ａさんは、世の中のいろんなことを知っているところ。Ｂさんは、しっかりあいさつができて、文句（もんく）も言わないところ」とＱくん。「物知りなこと。あいさつができること。文句を言わないこと。こういうのを“大人っぽい”と感じるんだねぇ」とチッチ。「そう考えると、大人っぽいなあと思える人は、ほかにもいろいろいそうだなあ」とＱくん。「ケンカをしても相手をゆるしてあげられる人とか、自分のお菓子（かし）を人に分けてあげられる人とか、エレベーターのボタンをおして、『どうぞ』とゆずってあげる人とか…」。どんどん出てきます。「みんなは、大人っぽいなあと感じる人って『どんな』人？」。 【scene 08】 かぞくでこたえよう 家族で答えよう。ねえみんな、みんなが“大人だなあ”って思う人ってどんな人？　家族で考えよう。「大きい人です」。体の大きさか。たしかに、大きいほうが大人に見えるよなぁ。「会社ではたらいてお金をかせぐ人です」。仕事をする人か。子どもは仕事しないもんなぁ。「善悪（ぜんあく）を持って行動する人です」。ちなみにご自分を大人だと思いますか？ 「そうですねぇ、むずかしいけどがんばってます」。「ルールを守って、自分でせきにんをとる人です」。ご自分は大人ですか？ 「子どものときもありますが、できるかぎりがんばろうと思ってます」。大人もいろいろがんばってるんだなぁ。いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？ 「へー、大人でもまだ“自分は大人だ”って思ってないんだなぁ」。キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 09】 かもしれないアニメ：どんな？ 強くなりたい。だけど、強い人ってどんな人だろう。やっぱり、力持ちは強い人かもしれない。力持ちでも、なき虫だったら強くないかもしれない。力がなくても、なき虫でも、挑戦（ちょうせん）しつづける人は強いかもしれない。力もなくて、なき虫で、失敗（しっぱい）ばかりしても、それでもあきらめない人は、もっと強いかもしれない。自分のことをしんじてがんばっている人が、強い人かもしれない。 【scene 10】 きいてみなくちゃわからない ♪みんながうわさで言ってる　あいつはこわくて悪いやつ　だけどもだけどもほんとかな　だれも見たことないのにな　ほんとかどうか聞いてごらん　勇気（ゆうき）を出して聞いてごらん　「ねえ、君っておばけ？」　なあんだ、おばけじゃないじゃんか　てゆーか、とってもこわがりじゃん　ほんとにあいつはこわいのか　ほんとにあいつは悪いのか　聞いてみなくちゃわからない　聞いてみなくっちゃ　わからない 【scene 11】 みんなの心の中にある理想のすがた 「さあ、Ｑくんの答えを聞かせてもらえるかな。大人って、どんな人？」とチッチ。「ぼくの今のところの答え！　みんなが“大人っぽい”と思うのは、みんなの心の中にある『こういう大人になりたいなぁ』っていう理想のすがたのことなんじゃないかな」とＱくんが答えました。「なるほど。ちなみに、Ｑくんの理想の大人ってどういう人？」。するとＱくんは、「心が広くて、やさしくて、くよくよしない。そういう大人だね」と言います。そして、「チッチ。さっきは、ただのぬいぐるみだなんてひどいこと言ってすまなかったね。これからもなかよくやろうね」と言いました。「いやあ、Ｑくん。とっても大人っぽいよ」とチッチは喜びます。 【scene 12】 大人っぽくなったＱくんが… 「そんな大人っぽいＱくんに、お知らせがあります。さっき、チッチがとびだしてきたとき、うっかり、Ｑくんのシュークリーム、ふみつぶしちゃいました。ごめんなさい」。チッチが見せたのは、ぺちゃんこになったシュークリームです。「えーっ！　何やってんだよ、チッチ！　ぺっちゃんこじゃないか！　ぼくのシュークリーム返せよ！　ぼくのシュークリーム、ぼくのシュークリーム！」とおこりだすＱくん。「ぜんぜん大人じゃないなぁ」とつぶやくチッチでした。 【scene 13】 Ｑエンディングテーマ ♪なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしい　けしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにもあるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！ 【scene 14】 おさらい 「今日のＱワード、『どんな？』。ふだんなんとなく使っている言葉も、『どんな？』で考えてみると、新しい発見があるかもしれないよ。じゃ、またね～」というチッチからのメッセージです。

Ｑ～こどものための哲学

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お金で本当に幸せになれる？

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お金持ちになって幸せになりたいというＱくん。しかし対話の中で、お金があっても幸せになれるとはかぎらないと気づき始める。「本当の幸せとは何なのか」について考える。

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【scene 01】 「お母さんのケチ！」 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。「あーあ、やってらんねえよ！　お母さんのケチ！　かわいい息子がこんなにたのんでるってのにさ！　よーし、こうなったら貯金（ちょきん）箱をわって…。あれ？　あー、もう！　お金がない！」。Ｑくんが投げた貯金箱がチッチに当たって、ゴーン！ 「いてーっ！　何すんだこのー！」。おこったチッチが時間をとめました。「いてて。まったく、何が気に入らないのか知らないけど、ものを投げちゃだめだよねー、みんな」。 【scene 02】 『本当にお金で幸せになれる？』 「で、一体何が気に入らないんだい？」とチッチ。Ｑくんは、「お母さんにさ、おこづかいをふやしてっておねがいしたんだよ。でも、『だめです』の一言で終わり。ひどいだろ！」と言います。「おこづかい、ぜんぜんたりない。もっと、もっとほしい！　将来（しょうらい）、ぜったいお金持ちになるぞー！」とＱくん。チッチに「なんで？」と聞かれ、「幸せになれるからに決まってるだろ！」と答えました。すると、「はい、ドーン！本日の疑問（ぎもん）。『本当にお金で幸せになれる？』」とチッチ。「なれるに決まってるだろ。お金はあればあるほど幸せだね」とＱくん。「もしお金がたくさんあったら、ぬふふふ…」。 【scene 03】 お金がたくさんあったら ♪Ｑくんは毎日、納豆（なっとう）を食べてる　ステーキはたまにしか食べられない　でもお金がたくさんあったら　「毎日ステーキ、最高（さいこう）！」　おこづかいをためて買った飛行機（ひこうき）　気に入ってるけれど　オンボロボロボロ　でもお金がたくさんあったら　「新しいおもちゃ、買い放題！」　遊び場といえば　近所の公園　遊園地はたまにしか行けないよ　でもお金がたくさんあったら　「家の庭に遊園地、いつでも遊び放題！」　カネカネカネカネ　なんでもできる　カネカネカネカネ　とっても幸せ～ 【scene 04】 本当にそうなのかな？ 「あ～、お金持ちは最高（さいこう）だなぁ」とＱくん。「本当に？　ずーっとその生活がつづいても、本当に幸せ？」とチッチ。「ずーっとつづくなんて、最高の幸せじゃないか！」。すると、「本当にそうなのかな？」ともう一度チッチが言いました。――♪毎日ステーキ食べ放題　毎日毎日毎日毎日こってりステーキ！ 「うげっ。なんか胃（い）がこわれそう」　毎日おもちゃがやってくる　毎日毎日毎日毎日新品おもちゃ！ 「なんか、あんまりありがたみがない」　毎日遊園地で遊びまくる　毎日毎日毎日毎日乗りまくる！ 「いやー、５回乗ればもういいかも」 【scene 05】 お金はなくてもいい？ 「ずーっとつづくとなると、なんだかあきちゃいそうだな」とＱくん。「え？　ステーキ毎日食べたいんでしょ？」とチッチ。「でも、もし毎日ステーキだったら、ぎゃくに、たまに食べる納豆（なっとう）のほうがうれしいかも」とＱくん。「え、そうなの？　新しいおもちゃ、たくさんほしいんでしょ？」とチッチ。「でも、おこづかいためて買ったオンボロ飛行機（ひこうき）のほうが、愛着（あいちゃく）あるなぁ」とＱくん。「庭に遊園地があれば、毎日遊べるよ」とチッチ。「毎日ならジェットコースターやメリーゴーラウンドも、すべり台や砂場（すなば）とあまりかわらない気がしてきたよ」とＱくん。チッチは「幸せがいつのまにかどっか行っちゃったなぁ」とつぶやきます。 【scene 06】 そもそも幸せって何なんだろう 「じゃあ、お金はなくてもいいってこと？」とチッチが聞くと、「いや。お金はなきゃこまる」とＱくん。「ごはんも食べられなかったり、病気になっても病院に行けなくなったり、寒い冬にあったかい服を買うお金もなかったら、やっぱりこまる」と言います。「うん。お金はないとこまるし、たくさんあったほうが便利（べんり）なのはたしかかもしれないね」とチッチ。「でも、幸せってことになると、ちょっとちがうかも」とＱくん。するとチッチが、「そもそも幸せって何なんだろうね？」と言いました。 【scene 07】 今までで幸せだなぁって思ったことは？ 「Ｑくんの場合、どんなことに幸せを感じる？」と聞かれ、考えこむＱくん。「今まで、いちばん幸せだなぁって思ったことって、何かな？」とチッチに聞かれると、Ｑくんは「今まで…。あ、そうそう！　にがてだったかけっこを、毎日たくさん練習して、一番をとったときだ。お父さんとお母さんもほめてくれたし、クラスのみんなもよろこんでくれた。あのときは幸せだったなぁ…」と、思い出しました。「それは、お金で手に入るものかなぁ？」とチッチ。「うーん…」と考えこむＱくん。みんなは、どういうときに幸せを感じる？ 【scene 08】 かぞくでこたえよう 家族で答えよう。ねえみんな、今まででいちばん幸せだったことって、何？　家族で考えよう。「そろばんの検定（けんてい）に満点合格（ごうかく）してほめられたときです」。おぉ、がんばったねぇ。「親友と買い物に行って、おそろいの服を買っていっしょに着たりしたことです」。うん、親友との時間か。わかる、わかる。「一戸だてのマイホームを買ったことです」。お、一家の主。よっ！ 「子どもが無事（ぶじ）にうまれたときです」。なんだかどれもこれも感動的（てき）な瞬間（しゅんかん）だなぁ。いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？ 「うーん、ぼくの答えは…。うん、見つけた！」。キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 09】 かもしれないアニメ：本当に？ ぼくときみの赤色は、本当に同じ色なのかな？　同じ「赤色」って言葉でよんでいるけど、ちがう色に見えているのかもしれない。ぼくときみが「おいしい！」とよんでるこの味も、ちがった味なのかもしれない。そしたら、音や、においや、感触（かんしょく）も、同じ名前でよんでいるけど、ちがった感じ方をしているのかもしれない。世界は一つだけのはずだけど、人によって、それぞれまったくちがう世界に感じているのかもしれない。ということは、ぼくが感じているこの世界は、ぼくだけの世界？　かもしれない…。本当に？ 【scene 10】 きいてみなくちゃわからない ♪みんながうわさで言ってる　あいつはこわくて悪いやつ　だけどもだけどもほんとかな　だれも見たことないのにな　ほんとかどうか聞いてごらん　勇気（ゆうき）を出して聞いてごらん　「えっと、お、お天気いいよね」　『はい。おかげさまで、せんたくものもよくかわきます』　なあんだ礼儀（れいぎ）正しいぞ　しかもするんだおせんたく　ほんとにあいつはこわいのか　ほんとにあいつは悪いのか　聞いてみなくちゃわからない　聞いてみなくっちゃ　わからない 【scene 11】 幸せはひとそれぞれ 「さあ、Ｑくんの答えを聞かせてもらえるかな。本当にお金で幸せになれる？」としつもんするチッチ。「ぼくの今のところの答え！幸せは人それぞれ、みんなちがう。だから、お金で幸せになる人もいれば、お金で幸せにならない人もいる」とＱくんが答えました。チッチはつづけて「ちなみに、Ｑくんはどっちなんだい？」と聞きます。Ｑくんは「ぼくにとっての幸せは、感動したときなんだ。ぼくにとって幸せは、苦労（くろう）とか努力（どりょく）をして、何かをなしとげて感動したときなんだ」と答えました。「苦労した分、手に入れたときの感動も大きいというわけだな」とチッチ。「うん。それが幸せ。だからお金はあんまり関係（かんけい）ないかな」。 【scene 12】 おこづかいのアップをなしとげるぞ！ 「というわけで、これからは目標（もくひょう）に向かって努力（どりょく）して、何かをなしとげる生き方をしようと思う」とＱくん。「とりあえず、手始めはこれだな」と何かを取り出します。「ん？」とふしぎがるチッチ。「たくさん努力して、おこづかいのアップをなしとげるぞ！出発！」。『MONEY! MONEY!』と書かれたプラカードを持ち、「お母さんは、Ｑくんのおこづかいをアップせよ～！お母さんは、おこづかいをアップするべきだ～！　ワッショイ、ワッショイ！」と言いながら行ってしまうＱくん。「なんでそうなるんだ」とあきれるチッチでした。 【scene 13】 Ｑエンディングテーマ ♪なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしい　けしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにもあるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！ 【scene 14】 おさらい 「今日のＱワード、『本当に？』。いつも当たり前だと思ってることでも、『本当に？』とうたがってみると、意外な答えが見えてくるかもしれないぞ。みんなも、やってみてね。じゃあね～」というチッチからのメッセージです。

Ｑ～こどものための哲学

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ふつうってどういうこと？

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写生大会で「ぞうのおしり」をえがき、「ふつうじゃない」と笑われたＱくん。そもそも「ふつう」とは何なのか。人それぞれがちがった「ふつう」を持っていると知る。

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【scene 01】 また何かなやんでいるＱくん… 「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。考える少年・Ｑくんの部屋をのぞいてみましょう。「はぁー。たしかにふつうじゃないよな。こんなの、すててやる！　えいっ！」と何かをやぶくＱくん。そこでチッチが時間をとめました。「Ｑくん、今何かやぶいてすてちゃおうとしてたねぇ。また何かなやんでるのかなぁ」。 【scene 02】 Ｑくんが動物園でかいた絵 「Ｑくん、今、何をやぶこうとしてたんだい？」とチッチに聞かれ、「え？　何でもないよ」と、かくすＱくん。チッチは「あ！　UFO！」と言って、Ｑくんの気をそらし、紙を取り上げました。「これは何だい？」とチッチ。「そ、それは…。今日、写生大会で動物園に行って絵をかいたんだよ」と答えるＱくん。「動物園？　これが？　何をかいたの？」とたずねるチッチ。それは…、「ゾウのおしり！」でした。「ゾウのおしりかぁ。なあるほど。ハッハッハッハッ！」と大わらいするチッチ。「印象（いんしょう）にのこったものをかきなさいって言われたんだよ。ゾウのおしりって、すごく大きいなぁって思ったから」とＱくん。 【scene 03】 ふつうはそんな絵はかかない 「おしり、おしりかぁ。ハッハッハッハ！」とチッチはわらいつづけています。「もういい、返せよ。すてるから！」とムッとするＱくん。「どうしてすてちゃうんだ？　もったいない」とチッチ。「みんなもわらったの！ こんなのふつうじゃない、ふざけてるのって」とＱくん。チッチは「とってもおもしろい絵だと思ったからわらったんだよ。おしりだけかくなんて、サイコーだよ！」と言います。Ｑくんは「ぼくはばかにされたの！ ふつうはおしりだけなんてかかないって！」と返します。「ふつう？　ふつうって何？」とチッチ。「ふつうは…うう、知るもんか」とＱくん。「知らないのに、ふつうは、ふつうはって言ってるの？」とチッチに言われ、Ｑくんは返す言葉がなくなってしまいました。 【scene 04】 みんなと同じということ？ そこで、本日の疑問（ぎもん）。『ふつうってどういうこと？』。「どういうことって言われてもなぁ…」と考えるＱくん。「『どういうこと？』を使って、“ふつう”をべつの言い方で言いかえてみるのさ」とチッチが言います。「みんなと同じってことかなぁ」とＱくん。「じゃあ、ふつうじゃないって、どういうこと？」とチッチ。「みんなとちがうってこと…」とＱくん。みんなとちがうと「わらいものになる」と言うＱくんに、「わらいものになるからって、悪いわけじゃないんでないかい。大体、最初（さいしょ）に何かをやった人はわらいものになったんじゃないのかなぁ」とチッチ。Ｑくんは「最初にやった人…？」と考え始めます。 【scene 05】 最初に～した人は ♪最初（さいしょ）にかさをさした人は　きっとみんなにわらわれた　でも今では　みんなかさをさしてます　最初にズボンをはいた女性（じょせい）は　きっとみんなにわらわれた　でも今では　みんなズボンをはいてます　最初に納豆（なっとう）食べた人は　きっとみんなにわらわれた　でも今では　みんな納豆食べてます 【scene 06】 昔のふつうと今のふつう 「たしかに、昔はふつうじゃなかったことも、時代がかわるとふつうになることはあるなぁ」とＱくん。「だろ？　ということは、Ｑくんの絵だって、時代がかわったらふつうになるのかもよ」とチッチ。「おー、そうだね！　将来（しょうらい）、みんなが動物のおしりだけを大きくかくように…って、ならないよ！　それにぼくは今を生きているんだ。今のふつうが大事なんだよ！」とＱくん。「そんなにふつうじゃないとイヤなのかい。でも、ふつうじゃないって、とってもいいことなんじゃないの？」とチッチが言いました。 【scene 07】 “ふつう”は“みんなのあたりまえ”？ 「あの人の頭のよさはふつうじゃないねとか、あの人の足の速さはふつうじゃないとか、みんなよりもすごいって意味じゃないか？」とチッチ。「そうだけど、ぎゃくもあるよ」とＱくん。「ふつうはこれくらいできるよねとか、ふつうはこんなの知ってるよねとか、みんながあたりまえにできることができないって意味だもん！」とＱくんが言います。「なるほど。じゃあ、ふつうってのは、みんなができることってことなのか」とチッチ。「そうなるね。“ふつう”は、みんなにとっての“あたりまえ”って意味だよ」とＱくん。「本当にそうなのか、いろんな人に聞いてみようか。時空をこえて、インタビュー！」とチッチ。 【scene 08】 あなたにとって、ふつうって？ いろいろな人のふつうを聞いてみます。あなたにとって、ふつうは何ですか。「わたしたちの国では、毎日カレーを食べるのがふつうです。カレーと言ってもいろんな種類（しゅるい）があるので、ぜんぜんあきませんよ」。ふつうは、国によってもちがうんだねえ。あなたにとって、ふつうは何ですか。「わたしはとうふ屋なので、朝４時に起きることがふつうです。お客様に今日作ったとうふを食べていただきたいので、早起きしています」。毎日ごくろうさまです。あなたにとって、ふつうは何ですか。「わたしは目が見えません。なので、音や手足の感覚（かんかく）、においなどを使って生活したり、街（まち）を歩いたりしています」。むずかしそうだなぁ。「わたしにとってこれがふつうなんですね。何度も何度もくりかえしやっていくうちにできるようになると思います」。 【scene 09】 ふつうは人によってちがう？ 「へえ～！」とＱくんはびっくり。「Ｑくん、これ全部、あたりまえで、ふつう？」とチッチ。「ううん。ぜんぜんあたりまえじゃない。ぼくにとってはふつうじゃない。ということは、ふつうって、その人がいる環境（かんきょう）によってちがうってことか？」とＱくん。「人それぞれふつうはちょっとずつちがう。だとすると、ふつうって何なのか、ますますわかんなくなってきたなぁ…」と、新たに生まれたぎもんになやむＱくんを見て、「いいねえ、いいねえ」とチッチ。きみにとってのふつうは、まわりの人のふつうと同じかな？ 【scene 10】 かぞくでこたえよう 家族で答えよう。ねえみんな、きみにとってのふつう、ほかの人にとってもふつう？　家族で考えよう。「ぼくのいなかでは、なにかあるとすぐにたこやきパーティをやります。これって、ふつうですか？」。地域（ちいき）によってもふつうってちがうんだなぁ。「ぼくの家では、独自（どくじ）の通貨（つうか）があります。これって、ふつうじゃないみたいです」。へえー、おもしろいねぇ。「家族で食事するときは、毎回、かんぱいをします。これって、ふつうですよね？」。家庭によってふつうはちがうんだねぇ。「だれかが出かけるとき、家にいる人全員で玄関（げんかん）まで見送ります。これって、ほかのおうちでもふつうですか？」。楽しそうな家族でいいなぁ。いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？ 「うーん、ぼくの答えは…。うん、見つけた！」。キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 11】 かもしれないアニメ：どういうこと？ 自由研究…。“自由”って、どういうことかなぁ。そういうときは、言いかえてみたら？　えーと…。ほらほら、自由に考えてごらん。自由って、何でもありってことかもしれない。その通り！　自由は何でもあり！　自由って、決まりにしばられないってことかもしれない。ほら、自由ってすぱらしい。自由って、だれにもじゃまされないってことかもしれない。ようこそ、ぼくらの自由な世界へ！　あははははは。自由って、やりたいように自分で決められるってことかもしれない…。自由って、いいけど、自由すぎるのもたいへんかもしれない。自由について自由研究してみたら？　それを決めるのも、ぼくの自由！ 【scene 12】 きいてみなくちゃわからない ♪みんながうわさで言ってる　あいつはこわくて悪いやつ　だけどもだけどもほんとかな　だれも見たことないのにな　ほんとかどうか聞いてごらん　勇気（ゆうき）を出して聞いてごらん　「あの…、何して遊ぶのがすき？」 『わたしはボール遊びが大すきです』　なあんだぼくとおんなじじゃん　なあんだ意外と気が合うじゃん　みんなは悪く言うけれど　ぼくにはそうとは思えない　聞いてみなくちゃわからない　聞いてみなくっちゃ　わからない 【scene 13】 「“ふつう”はその人の基準」 「さあ、Ｑくんの答えを聞かせてもらおうか。ふつうってどういうこと？」とチッチ。「ぼくの今のところの答え！“ふつう”はその人の基準（きじゅん）。なぜなら、その人その人でふつうと思っていることがちがうから。だから、みんなが思っているふつうなんてこの世界にはないのかもしれない」とＱくんが答えました。「うん、いい答えだねえ」とチッチ。「でも、どうしてみんな、ふつうでいたい、ふつうがいいと思うんだろう？」とＱくん。「新たな疑問（ぎもん）だねえ」とチッチ。「みんなと同じだと、安心するからかなぁ。でも、ふつうの人なんて本当はいなくて、一人ひとりみんながちがうんだよ」。 【scene 14】 Ｑエンディングテーマ ♪なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしい　けしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにもあるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！ 【scene 15】 おさらい 「今日のＱワード、『どういうこと？』。ふだん、なんとなく使っている言葉を、『どういうこと？』でほかの言葉で言いかえてみると、いろんな発見があるぞ。自分はふつうじゃないのかもしれない、となやんでいるきみ！　きみは、特別（とくべつ）なのかもしれないよ。じゃあね～」というチッチからのメッセージです。

Ｑ～こどものための哲学

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なんで人は作り笑いするの？

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Ｑくんとチッチに加え、友達のポッくんとルルちゃんとで１つテーマで深く話し合う回。この日のテーマは「つくりわらい」について。あなたはどう思う？

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【】 オープニング (オープニングタイトル） 【scene 01】 みんなもいっしょに話し合おう 『Ｑ～子どものための哲学（てつがく）』は、一つのことを深～く考えるための番組です。「はいどうも、“考えるウサギ”チッチです。今日は、みんなで一つのことを話し合いながら、考えよう。メンバーは、Ｑくん、ルルちゃん、ポッくん。そして、テレビの前のきみ！　いっしょにリラ～ックスして話し合おう！」とチッチが言いました。対話を始める前に、まずはウォーミングアップ。チッチの“YES NO ゲーム”！ 【scene 02】 チッチの“YES NO ゲーム” さあ、チッチのすきな乗り物がこのなかに一つありますよ。３回質問（しつもん）してみて、答えがどれだか当ててみて！ 「よし。まずはぼくから。それは燃料（ねんりょう）で動きますか？」とＱくん。YES！　はい、ちょっと、しぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「次はわたし。それはとびますか？」とルルちゃん。NO！　これでまた、大きくしぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「さいごはぼく。それはたくさん乗れますか？」とポッくん。NO！　それじゃ、テレビの前のきみ！　これだと思うものを、大きな声で答えてくれ。いくぞ、せーの！。「（きみの答え）」。さてさて、それで合ってるかな。それでは正解（せいかい）の発表です。燃料で動いて、とばなくて、たくさん乗れない乗り物、ということで、チッチがすきな乗り物は…「レーシングカー！」。質問しながら考える。YES NO, YES NO, YES NO ゲーム！　これで対話のじゅんびはOK！　YES NO, YES NO, YES NO ゲーム！ 【scene 03】 なぜ写真をとるとき『わらって』と言う？ 今日は、視聴者（しちょうしゃ）からとどいた疑問（ぎもん）について、みんなで考えます。さっそくしょうかいしましょう。神奈川県のだいきくんからの疑問。「写真をとるときに、『はい、わらってー』と言うけれど、なんで、おかしくもないのにわらわなければいけないのかわかりません。この前は、全員がいい笑顔（えがお）になるまで何回もとり直したので、ほっぺの筋肉（きんにく）がつかれました。なんで、人はむりして作りわらいをするんでしょうか」。ということで、本日のテーマ『なんで人は作りわらいをするの？』。 【scene 04】 Ｑくんたちの作りわらいは… 「Ｑくんの作りわらいはねむそうな顔」と言われ、「そんなことないよ！」と作りわらいしてみせるＱくん…。「ねむそう、ねむそう」といわれ、落ち込みます。するとポッくんが、「でも、ぼくも作りわらいはにがてです。わらって、わらってとプレッシャーをかけられると、ますますわらえなくなっちゃいます」と言います。「それはあなたたちが、ふだんから笑顔（えがお）を心がけていないからよ。わたしは自然（しぜん）にできるわ」とルルちゃんは笑ってみせました。スマイル…。「いや、ルルちゃんもできてないよ」とＱくん。「できてるわよ！」とルルちゃん。ケンカになってしまいました。チッチはお茶をのんでみんなを落ち着かせます。 【scene 05】 いろいろなわらいを『くらべると？』 ところで、作りわらいと本当のわらい。そのちがいがみんなはわかるの？と質問するチッチに、「わかるわかる！」と三人。じゃあ、これから出てくる人たちは作りわらいか、本当のわらいか、教えてくれる？とチッチは質問しますまずは、店員さんのわらい。「はい、作りわらい」とＱくん。政治家（せいじか）どうしのわらい。「これも作りわらい」とポッくん。つな引きをしている子どもたち。「これは本当のわらいね」とルルちゃん。薬の広告（こうこく）。「こんなの作りわらいに決まってるよ」とＱくん。１位（い）になったスポーツ選手（せんしゅ）。「これは本当のわらいでしょ」とポッくん。水あびしている赤ちゃん。「これも本当のわらいだわ」とルルちゃん。 【scene 06】 『なんで？』本当のわらいとわかる？ みんな、よくわかるねえ。そのちがいを教えてくれないかなとチッチ。水あびの赤ちゃんは、『なんで？』本当のわらい？ 「水遊びなんか楽しいに決まってるもん」とＱくん。１位（い）になったスポーツ選手（せんしゅ）は、なんで？ 「つらい練習をしてきて１位になったんです。うれしくて笑顔（えがお）になるのは当然です」とポッくん。つな引きの子どもたちは、なんで？ 「楽しいから。子どもはすぐ顔に出るの」とルルちゃん。なるほど。つまり、本当のわらいになるときってどんなとき？ 「心からおもしろがってるとき！」とＱくん。「心からよろこんでるとき」とポッくん。「心から気持ちいいと思ってるとき」とルルちゃん。 【scene 07】 『なんで？』作りわらいとわかる？ 「じゃあ、『なんで？』作りわらいとわかるの？」とチッチ。店員さんは、なんで？ 「きっと店長さんに、笑顔（えがお）でお客さんにせっしなさいって言われてるんだよ。毎日毎日むりにわらわされて、しんどいと思うよ～」とＱくん。政治家（せいじか）は、なんで？ 「このあと国と国のむずかしい問題を話し合うわけですから、楽しい気分のはずがありません。むりに笑顔を作ってるんです」とポッくん。薬の広告（こうこく）のモデルさんは、なんで？ 「こういうポスターは何回も何回もさつえいしていちばんいい表情（ひょうじょう）を使うのよ。プロのモデルさんだから、こういう自然（しぜん）な笑顔ができるの」とルルちゃん。 【scene 08】 見ればわかるのになんで作りわらいを？ 「楽しくなくても楽しいふりをして笑顔（えがお）を作る。それが大人なのよ」とルルちゃんがみんなに言いました。すると、「なるほど。でも、ちょっとおかしくないかい？」とチッチ。「だってみんな、本当のわらいか、作りわらいか、見ればわかるんでしょ？　作りわらいってわかっちゃうのに、なんでみんな作りわらいをするの？」とたずねます。「たしかに。全部見やぶられてますよね」。「それでもみんな、むりして作りわらいをしている…」。「一体、何のためにみんな作りわらいをするんだろう？」とみんな考えこみました。「ウーン。なんでだろう…」。みんなは、なんで人は作りわらいなんかするんだと思いますか？ 【scene 09】 みんなでこたえよう ねえみんな、なんで人は、作りわらいなんかするんだと思う？　みんなで考えよう。「相手にすかれたいからです。わらったほうが友だちになれると思います」。わらってる人のほうが話しやすいよねえ。「わらっているほうが、大人の人たちにやさしくしてもらえるからです」。うーん、勉強になります。「つらいときや悲しいとき、わらったほうが元気になれる！」。なるほど、上を向いて歩こうってか。「わらったほうが体にもいいし、おはだにもいいと思うからです」。美容（びよう）と健康（けんこう）のためか。チッチもやってみよう！　いろんな答えがありますが、みなさん、答えは出ましたか？ 「うん、なんか見えてきた！」。「そうね！」。キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 10】 てつがくのうた ♪かんがえてくと　みえてくる　かんがえてくと　きづいてく　かんがえてくと　かわってく　かんがえてくと　つながってく　てつてつてつてつ　てつがく　こたえはなかなかでないけど　てつてつてつてつ　てつがく　じっくりとみちのりをたのしもう 【scene 11】 『もし～だったら』で考えた さあ、なんで作りわらいをするのか、答えは見えてきたかな？と質問するチッチ。Ｑくんたちは、『もし～だったら？』で考えてみました。「もし店員さんがわらってなかったら、その店には行きたいとは思わない。たとえ作りわらいだってわかってても、笑顔（えがお）でむかえられたほうがやっぱり気持ちいい！」とＱくんが言います。なるほど。お客さんが気持ちよくすごせるように、笑顔を作ってるんだね。 【scene 12】 笑顔はまわりを楽しくさせる 「もし政治家（せいじか）どうしがわらってなかったら、話し合いは重苦しい空気のなかでやることになると思う。だから、なかよくやりましょうというメッセージのために笑顔（えがお）を作ってるんだと思います」とポッくん。国と国の平和をせおった作りわらいなんだね。「もしモデルさんがわらってなかったら、この薬、効果（こうか）がないように見えちゃうわ」とルルちゃん。そうか。すてきな笑顔で商品のイメージをアップさせてるんだね。「人の笑顔って、自然（しぜん）とまわりを楽しくしたり、安心させたりするんだと思う。だからそれぞれの場面で、いろんな人が作りわらいをうまく使ってるんだ」とＱくん。 【scene 13】 未来の自分たちへのメッセージだ！ 「なるほど。じゃあ、本日の質問（しつもん）にもどってみようか。記念（きねん）写真をとるときに作りわらいをするのも、同じこと？」とチッチ。そう聞かれて、「うーん…。もしだれもわらってない写真だったら…」。「とてもつまんなさそうです。将来（しょうらい）この写真を見たときに、何かいやなことがあったのかなと思ってしまうかも」。「そうよ、このときのことを楽しい思い出にしようと思って、みんなで作りわらいしているのよ」。「うん、未来（みらい）の自分たちへのメッセージだね！」。「なるほどねえ。作りわらいのうらにはそんなメッセージがあったんだねえ。笑顔（えがお）って、すんばらしい！」とチッチ。 【scene 14】 なんで人間だけがわらうんだろう するとポッくんが、「でも、本当にふしぎですね。作りわらいだとわかっていても、楽しくなったり、安心したりするんですから」と言いました。「本当ねえ。見た目には、目を細めて口をクイッと上げているだけなのに」とルルちゃん。「考えてみると、ほかの動物は人間みたいにわらわないよね」とＱくんが言いました。「たしかに…」。「なんで人間だけこんなにもわらうんだろうね？」とＱくん。「うーん…」と考えるみんな。「いいねえ、いいねえ。さらに深い疑問（ぎもん）に入っていったねえ。わらいはおくが深いねえ」とチッチ。「さてさて、そこのきみ！　きみはどう思う？　なんで人間だけがわらうんだろう」。 【scene 15】 Ｑエンディングテーマ ♪なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしい　けしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにもあるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！

Ｑ～こどものための哲学

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なんであだ名をつけたがるの？

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Ｑくんとチッチに加え、友達のポッくんとルルちゃんとで１つテーマで深く話し合う回。この日のテーマは「あだ名」について。あなたはどう思う？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180354_00000

【】 オープニング (オープニングタイトル） 【scene 01】 みんなもいっしょに話し合おう 『Ｑ～子どものための哲学（てつがく）』は、一つのことを深～く考えるための番組です。「はいどうも。すきな花はハイビスカス、“考えるウサギ”チッチです。今日は、みんなで話し合いながら、考えよう。メンバーは、Ｑくん、ルルちゃん、ポッくん。そして、テレビの前のきみ！　いっしょにリラ～ックスして話し合おうね」とチッチが言いました。対話を始める前に、お待ちかね、チッチの“YES NO ゲーム”！ 「イェーイ！」。 【scene 02】 チッチの“YES NO ゲーム” さあ、チッチのすきなスポーツがこのなかに一つありますよ。３回質問（しつもん）してみて、答えがどれだか当ててみて！ 「よし。まずはぼくから。それは屋内でやりますか？」とＱくん。YES！　はい、ちょっと、しぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「次はわたし。それはボールを使いますか？」とルルちゃん。NO！　これでまた、大きくしぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「さいごはぼく。それは向かい合ってたたかいますか？」とポッくん。NO！　それじゃ、テレビの前のきみ！　これだと思うものを、大きな声で答えてくれ。いくぞ、せーの！。「（きみの答え）」。さてさて、それで合ってるかな。それでは正解（せいかい）の発表です。室内でやって、ボールを使わなくて、向かい合ってたたかわない、ということで、チッチのすきなスポーツは…「フィギュアスケート！」。質問しながら考える。YES NO, YES NO, YES NO ゲーム！　これで対話のじゅんびはOK！　YES NO, YES NO, YES NO ゲーム！ 【scene 03】 なぜあだ名をつけたがる？ 視聴者（しちょうしゃ）からとどいた疑問（ぎもん）について、みんなで考えていきます。さっそくしょうかいしましょう。石川県の、みきちゃんからの疑問。「クラスでいちばん声の大きい男子から“みきっぺ”とよばれて以来（いらい）、それがあだ名になってしまいました。わたしはあまりすきなあだ名ではありません。だって、“ぺ”の意味がわからないからです。わたしと“ぺ”、何の関係（かんけい）もありません。というか、なんでみんな、あだ名をつけたがるんでしょう」。ということで、本日のテーマ『なんであだ名をつけるの？』。「あははは。だって、あだ名つけるのおもしろいじゃん」と言うＱくん。 【scene 04】 「あだ名は楽しいよ」 「“みきっぺ”だっておもしろいよ、ねぇ？」とＱくん。すると、「だめですよ。本人はきずついてるんですから」とポッくん。「そうかなぁ。わたしもかわいいと思うけどなぁ」とルルちゃん。「だよねえ。ぼくなんていっぱいあだ名つけてるよ」とＱくん。チッチが「たとえば？」と聞くと、「近所にいつもパイプをくわえてるおじいさんがいるんだけど、シャーロック・ホームズみたいだから“ホームズさん”てよんでるし。かみの毛をむらさき色にそめているおばさんのことは“パープルおばさん”てよんでるし。あと…」と楽しそうなＱくん。「ふふっ、なんだか楽しいわね」とルルちゃん。 【scene 05】 ポッくんがつけられたあだ名は… するとポッくんは「いいえ。あだ名なんて失礼（しつれい）です。ちゃんと本名でよんであげるべきです。ホームズさんやパープルおばさんだって、そんなあだ名はイヤかもしれません。きっとイヤです」と言いました。「そんなのわかんないじゃんか」と言い返すＱくん。「いいえ。実際（じっさい）ぼくもイヤなあだ名をたくさんつけられてきました。“まじめくん”とか、“丸めがね”とか、“もじゃもじゃ頭”とか…」と悲しそうになるポッくん。「だれだ、そんなこと言ったやつは！」とＱくんに、すかさずポッくんは「Ｑくんだよ！　Ｑくんが言ったんだよ！」と返します。Ｑくんは「ぼく？　ぼくそんなこと言った？！」。とわすれてしまっていたようです。これにはルルちゃんも「ひどいわＱくん！」とあきれます。そこで、「まあまあ、お茶でも飲もう」とチッチがみんなをなだめます。 【scene 06】 本名でよんだ場合は お茶を飲んで、みんなはようやく落ち着きました。でもどうして人は、あだ名をつけたがるのでしょう。「うーん。こういうときは、『くらべると』いいんだったよね」とＱくん。「本名でよぶ場合と、あだ名でよぶ場合、どうちがうか、くらべてみるんだ」と言います。では、みきちゃんの場合でくらべてみましょう。まず、本名でよんだ場合は…。「おーい、みき！」。すると、「なんだか、なれなれしすぎるなぁ」とＱくん。「相当親しい人じゃないと、ムッとするかもね」とルルちゃんも言います。 【scene 07】 あだ名でよんだ場合は 次は、あだ名でよんだ場合。「おーい、みきっぺー！」。「やっぱりあだ名のほうが楽しい気分になるよ」とＱくん。「ふつうよりもっとなかよしな感じがするわね」とルルちゃん。でも、「たしかにいい関係（かんけい）がきづけそうな気もしますが…」とポッくん。「きっとこの男の子は、みきちゃんともっとなかよくなりたいのよ。だから“みきっぺ”ってよんでるのよ！」とルルちゃん。「ぼくもそう思うな。ぼくがポッくんのことを“まじめくん”とか“もじゃもじゃ頭”とかよんだのも、もっとポッくんとなかよしになりたかったからだよ。そうだそうだ」とＱくん。そう言われて、「うーん…」と考えこむポッくんです。 【scene 08】 『本当に』なかよくなりたいから？ じゃあ、どうして人はあだ名をつけるのでしょう？ Ｑくんとルルちゃんは、「もっとなかよしになりたいから」と言いますが、なっとくしていないようすのとポッくん。「『本当に』なかよくなりたいからでしょうか。そうじゃない場合もあるような…」と言います。「たとえばぼくの家の近所にとってもこわいおじさんがいて、みんなそのおじさんのことをかげで“カミナリ”ってよんでます。でも、おじさんとなかよくなりたいなんて思ってません」。Ｑくんも、「たしかにぼくも、ホームズさんやパープルおばさんとなかよしになりたいかって言われたら、べつになかよしになりたいわけじゃないしなぁ」と考え始めました。 【scene 09】 あだ名の理由による？ 「でも、相手がそのあだ名を気に入ってなかったら、なかよくなるどころかケンカになってしまいますよ」とポッくん。「そうねえ。相手が気に入るかどうかわからないものねえ」とルルちゃん。Ｑくんは「もしかして、あだ名の理由によるんじゃないかな」と何かきづいたようす。「うん。どんな理由でつけられたかによって、うれしかったりイヤな気分になったりするんじゃないかな」と言いました。「なるほど…」と考えるルルちゃんとポッくん。「いいねえ、いいねえ。ずいぶん議論（ぎろん）が深まってきたじゃないか。それじゃあ、みんなにも聞いてみようかね」とチッチ。みんなは、どんな理由で、あだ名をつけられたことがある？ 【scene 10】 みんなでこたえよう ねえ、みんなは、どんな理由であだ名をつけられた？　みんなで考えよう。「わたしのあだ名は“まめ子”です。こまめにノートをとるので、“まめ子”というあだ名になりました」。それ、気に入ってた？ 「気に入ってます」。それはよかった。「ぼくのあだ名は“オーシャン”です。海のTシャツを着ていたからそうなりました」。それ、気に入ってたかい？ 「そんなに気に入ってません」。そうか。「わたしのあだ名は“和菓子（わがし）ひめ”です。あんこや和菓子が大すきなので“和菓子ひめ”とよばれました。そのあだ名、気に入ってる？ 「とっても気に入ってます。自分から、『和菓子ひめってよんで』って言いました」。へぇー、そうなんだ。「わたしのあだ名は“ガッツ”です。ボクサーをやっているとき、あまり根性（こんじょう）がなくてすぐたおれてました。そこで、『きみは素質（そしつ）があるんだから、ガッツを持てばチャンピオンになれる！』ということで、“ガッツ”というリングネームがつきました」。そのあだ名、気に入ってる？ 「OK牧場（ぼくじょう）！」。いろんな答えがありますが、みなさん、答えは出ましたか？ 「うん、なんか見えてきた！」。キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 11】 てつがくのうた ♪かんがえてくと　みえてくる　かんがえてくと　きづいてく　かんがえてくと　かわってく　かんがえてくと　つながってく　てつてつてつてつ　てつがく　こたえはなかなかでないけど　てつてつてつてつ　てつがく　じっくりとみちのりをたのしもう 【scene 12】 相手の気持ちを考えるべき 「じゃあ、みんなの答えを聞かせてくれ。なんであだ名をつけるの？」とチッチ。「あだ名は、その人の見た目とか、性格（せいかく）とか、おもしろい出来事からつけられることが多い。つまり、あだ名はその人の特徴（とくちょう）やキャラクターを表す名前なんだ」とＱくん。「あだ名をつけることで、より親しみがわくし、仲間意識（なかまいしき）もつくれる。だからあだ名でよびたいと思うの」とルルちゃん。「ですがそれは…」とポッくん。「あだ名をつけるがわが勝手に思ってるイメージ。本人がそれを気に入るとはかぎりません。だからあだ名でよぶときは、相手の気持ちをよーく考えるべきなんです」と言いました。 【scene 13】 本人の気持ちがいちばん 「なるほど。いい結論（けつろん）だと思うぞ」と言うチッチですが、「ところで、みきちゃんの場合はどうなんだろうね」とたずねました。「“みきっぺ”の“ぺ”ってどういう意味なのかよくわからないね」とＱくん。「ほっぺの“ぺ”じゃないかしら。きっと、ほっぺがかわいいのよ」とルルちゃん。「いなかっぺの“ぺ”かもしれません。ばかにしてるのかも」とポッくん。「ぼくは“みきっぺ”って、とってもかわいいあだ名だと思うな」とＱくんが言うと、「わたしも、みきちゃんがかわいいからそういうあだ名がつくんだと思うわ」とルルちゃん。「でも、本人はいやがってるわけですから、やっぱりやめてあげるべきだと思います」とポッくん。チッチは「本人の気持ちがいちばんだもんね」と言いました。 【scene 14】 チッチもあだ名をつけてほしい 「ところで、チッチも“あだ名”ってちょっとあこがれてるんだよね。あだな、つけてほしいなぁ」とチッチ。「チッチはねえ、“黄色いモフモフちゃん”てどう？」とルルちゃん。「ちょっとかわいすぎるかなぁ…」とチッチ。「じゃあ、耳がしばってあるから、“耳しばり”はいかがでしょう」とポッくん。「何それ。ぜんぜんセンスない」とむっとするチッチ。「じゃあ、“へんなぬいぐるみ”」とＱくん。「なんだよ、へんなぬいぐるみって！」とおこりだすチッチ。「じゃあ、“うるさいぬいぐるみ”」。ますますいやがるチッチです。なんで人はあだ名をつけたがるんでしょうか？気軽に話し合ってみてね、というＱくん・ルルちゃん・ポッくんからのメッセージでした。 【scene 15】 Ｑエンディングテーマ ♪こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいだよ　　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱキミのこころのこえを

Ｑ～こどものための哲学

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なんで裸ははずかしいの？

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風呂上がりに全裸で踊っていて叱られたＱくん。「なんで裸がいけないのか？そもそもなんで恥ずかしいと思うのか？」という疑問について、チッチと対話を始める。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180356_00000

【scene 01】 また何かなやんでいるＱくん… シンキング・デープリー。一つのことを深～く考えること。さあ、今日も考える少年・Ｑくんの部屋をそーっとのぞいてみましょう。「ちぇっ、おかしいよ。なんでおこられなきゃいけないんだ。ぜったいにおかしい！　なんでなんだよ！」。Ｑくんがおこりながらやってきました。「おや、Ｑくんが何かまた疑問（ぎもん）をいだいてるみたいだね。いったい何が不満（ふまん）なんだろうね」とチッチ。「ぼくははだかでおどりたいんだー！」とＱくん。「なんじゃそりゃ？」とあきれるチッチ。そこでチッチが時間を止めました。 【scene 02】 Ｑくんの“おちんちんダンス” 「なんだよチッチ。また時間を止めたのか？」とＱくん。「そりゃ止めるよ。何がしたいって？」とチッチが聞くと、「はだかでおどりたいの！　ぼくはね、おふろから出たらね、はだかで“おちんちんダンス”をおどりたいんだよ」とＱくんが言いました。「おちんちんダンス？　はやってんのかい？」とチッチ。「はやってるよ。ぼくの中だけでね」。「知らないよ、そんなの」。「こういうのだよ」。Ｑくんがおどり始めました。『♪おちんちんダンス　ハイッ右に　♪おちんちんダンス　ハイッ左に　♪おちんちんダンス　レッツトゥゲザー！　ヘイ！　♪おちんちんダンス　♪おちんちんダンス　♪おちんちんダンス！』。 【scene 03】 「なんではだかがはずかしいのさ！」 「わかった、わかった。もういい、やめろＱくん。テレビをごらんのお父さんお母さんたちからおしかりを受けちゃうから！」。あわてて止めるチッチ。「つまんないのー」とＱくん。「ふう。なんでそんなダンスがしたいの？」。「おもしろいじゃん。それに、おふろ上りにこれをやるととっても気持ちいいんだよ」。「へえー」。「でも、お母さんはすっごくおこるんだ。『そんなはずかしいことやめなさい！』って」。「そりゃそうだろうね」。「でもさ、考えたみたらおかしいと思わない？　なんではだかがはずかしいのさ！」。「たしかにそうだ。ほんじゃ、考えてみよう。ドーン！」。 【scene 04】 はだかはありのままのすがた？ そこで、本日の疑問（ぎもん）。『なんではだかははずかしいの？』。「ぼくははずかしくないね。はだかはありのままのすがただ。動物はみんなはだかだし、赤ちゃんもはだかでうまれてくる。はだかをはずかしいなんて、まちがってる！」とＱくん。「なるほど。はだかははずかしくない」とチッチ。「そ。はずかしくない。レッツダンス！」。♪おちんちんダンス…。「いや、おちつけ。いいからかくしなさい」。「へいへい、すいやせーん」。「とにかく、Ｑくんははだかをはずかしいとは思ってないんだね」。「うん、ぜんぜん」。「へえー、そうなんだ。じゃあ、こういう場合はどうだろうね？」。「え？」。 【scene 05】 こんなはだかははずかしい？ ♪温泉（おんせん）で、みんなはだか。「これは当たり前。ぜんぜんはずかしくない」。教室で、Ｑくんだけはだか。「はずかしい。勉強どころじゃない」。おすもうさんはまわしだけ。「これははずかしくない。むしろ強そうでいい」。お父さんがまわしだけ。「はずかしいー。てか、仕事をなめてる」。海水浴（かいすいよく）で水着すがた。「これも当然（とうぜん）。水着は開放的（てき）で気持ちいい！」。お母さんが水着すがた。「やめてくれー。買い物してる場合じゃなーい！」。はだかでもだいじょうぶ。はだかじゃはずかしい。けっきょく、どっちかわからない。 【scene 06】 はずかしいときとはずかしくないとき 「Ｑくんでも、はずかしいときとはずかしくないときがあるみたいだね。この二つのちがいはなんだろう？」とチッチ。「場所だね。温泉（おんせん）や土俵（どひょう）の上や海でははだかでもはずかしくない。でも、学校とか会社とかまちではだかなのははずかしい」とＱくん。「なるほど。場所によって、はずかしいかはずかしくないかが決まる」。「うーん、でもどうかな。もしもね、学校でも会社でもまちでも、みーんながはだかだったらはずかしくないんじゃないかな」というＱくんにうなずくチッチ。「だって原始時代はみーんなはだかだったんでしょ？　それが当たり前だった。だーれもはずかしいなんて思ってなかったはずだ」。 【scene 07】 どうして人類は服を着るようになったのか 「そうなると、そもそもどうして人間は服を着るようになったんだろうね。Ｑくん、ちょっと推理（すいり）してみてくれよ」とチッチ。「ぼくの推理はこうだ。たぶん、最初は寒いときにあったまるように動物の毛皮を着たりしたんだ」とＱくん。「寒さから守るためか」。「あと、草や竹やぶではだを切ったり、動物や虫にかまれたりするから、服を着たんじゃないかな」。「はだを守るためだね」。「そのうちに、王様とか力のあるものがきれいで上等の服を着るようになる」。「権力（けんりょく）をしめすためだ」。「そうなると、いろんな色やもようの服がたくさん生まれる」。「そしたら、みんなおしゃれのために服を着るようになるんでないかい？」。「その通り。そうなってしまったら、もうこの流れは止められないよ。どんどん服を着る人がふえていく。」 【scene 08】 裸をはずかしいと思うようになったのはなぜ？ 「そしてとうとう全員が服を着るようになってしまったのだ。ああ、なげかわしい！」。「なげかわしくはないと思うけど、Ｑくんの推理（すいり）はなかなかするどいかもね」。「こうして人類（じんるい）ははだかの気持ちよさをわすれてしまったのだー！」。「服を着るようになった経緯（けいい）はそうだとしても、だからといって、はだかをはずかしいと思うようになったのはなぜなんだろうね？」。「うーん、それが問題だね、チッチくん」。「ねえねえ、みんなはなんでだと思う？　はだかはなんではずかしいの？」。 【scene 09】 かぞくでこたえよう ♪家族で答えよう。なんで人間は、はだかをはずかしいと思うようになったのかな？　諸君（しょくん）の推理（すいり）を聞かせてくれたまえ。♪家族で考えよう。「みんなが服を着るのが当たり前になったから」。まわりとちがうとはずかしいもんね。「ふだんカッコいい服を着てスタイルよく見せているのに、ぬいだらそうじゃないとか、はずかしいよね」。それ、自分のことじゃないよね。「子どものころはだいじょうぶだけど、大人になったらエッチなこと考えちゃって、はずかしくなっちゃう」。健康的（けんこうてき）なしょうこだ。「ちゃんときたえていればはずかしくありません。むしろ見せたい」。いや、そういうことを聞いてるわけじゃないんだよなー。♪いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？ 「うーん、ぼくの答えは…。うん、これだ！」。♪キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 10】 『なんで？リレー』をやってみよう 「公園で遊ぶのって楽しいのに、大人って遊ばないよね」。「あぁ、そうだね」。「なんで大人は公園で遊ばないんだろうね？」。「うーん。遊びたいって思わないんでしょ」。「なんで遊びたいって思わないんだろう？」。「うーん。遊具やおにごっこに興味（きょうみ）がないからじゃない？」。「なんでおもしろいのに興味がわかないんだろうね？」。「うーん。大人はすぐあきちゃうんじゃない？」。「じゃあ、なんで子どもはあきないの？」。「うーん。ぼくたちは一つの遊具でもいろんな遊び方ができるから」。「なんでわたしたちはいろんな遊び方ができるんだろう？」。「うーん。ぼくたちはちょっとしたことでもいろいろおもしろがれるから」。「なんで大人はいろいろおもしろがれないの？」。「うーん。わくわくする心が足りないんじゃない？　ん？　そっか、人は大人になるにつれて、わくわくする気持ちがへっていくのかもしれないな。気をつけよーっと」。意外な答えを見つけたよ。『なんで？リレー』で見つけたよ。 【scene 11】 チッチのうた ♪チッチの長～いお耳はね、声をよく聞くためにある。だから、いそがなくたっていいよ。じっくり、ゆったり、話してね。テルミー、テルミー、ほんとの言葉に出会えると、テルミー、テルミー、どんどんきみが見えてくる。チッチのつぶらなお目々はね、心をよく見るためにある。だから、かっこつけなくていいよ。かくさず、きどらず、話してね。　テルミー、テルミー、すなおな気持ちに出会えると、テルミー、テルミー、どんどんきみがすきになる。　テルミー、テルミー、お耳とお目々を広げると、テルミー、テルミー、どんどんきみがすきになる。 【scene 12】 「ルールを守れないことがはずかしい」から 「さあ、Ｑくんの結論（けつろん）を聞かせてくれ。なんではだかははずかしいの？」。とチッチ。「ぼくの今のところの答え。本来、『はだかははずかしいものじゃない！』。でも、服を着ることが当たり前になって、こういう場所でははだかはやめましょうっていうルールができた。その『ルールを守れないことがはずかしい！』ってことなんじゃないかな。そう考えると、なんだか“おちんちんダンス”をしてた自分がはずかしくなってきたよ」。「じゃ、もう“おちんちんダンス”はやらないね？」と聞くチッチに「いや、やめない」。とＱくん。「もしもみんなが“おちんちんダンス”をするようになって当たり前になったら、はずかしくないはずだ。ぼくは今日から、“おちんちんダンス”を全国に広めようと思う。みんなでやれば、はずかしくない。レッツダンス！　♪おちんちんダンス…」。「もう、すきにしろー！」とあきれるチッチでした。 【scene 13】 Ｑエンディングテーマ ♪なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしい　けしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにも　あるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！「当たり前に思ってることでも、そもそもなんでそうなったのかすいりしてみるといろんな発見があるぞ！じゃあまたなー！」とチッチ。「チッチはいつもはだかだね。」と言われ、はずかしそうなチッチでした。

Ｑ～こどものための哲学

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ウソをつくのは悪いこと？

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ウソがない世の中だったら？と想像をしてみると、一概にウソは悪いとは言えない場合もあることを知る。「ついていいウソ」と「ついちゃいけないウソ」の違いは何なのか？

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【】 オープニング (オープニングタイトル） 【scene 01】 みんなもいっしょに話し合おう 『Ｑ～子どものための哲学（てつがく）』は、一つのことを深～く考えるための番組です。「はいどうも、“考えるウサギ”チッチです。今日は、みんなで一つのことを話し合いながら、考えよう。メンバーは、Ｑくん、ルルちゃん、ポッくん。そして、テレビの前のきみ！　いっしょにリラ～ックスして話し合おう！」とチッチが言いました。対話を始める前に、まずはウォーミングアップ。チッチの“YES NO ゲーム”！ 【scene 02】 チッチの“YES NO ゲーム” さあ、チッチのはきたいものがこのなかに一つありますよ。３回質問（しつもん）してみて、答えがどれだか当ててみて！ 「よし。まずはぼくから。それは屋内ではきますか？」とＱくん。NO！はい、ちょっと、しぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「次はわたし。それはひもがついてますか？」とルルちゃん。NO！これでまた、大きくしぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「さいごはぼく。それは高級レストランではきますか？」とポッくん。YES！それじゃ、テレビの前のきみ！これだと思うものを、大きな声で答えてくれ。いくぞ、せーの！。「（きみの答え）」。さてさて、それで合ってるかな。それでは正解（せいかい）の発表です。屋内ばきじゃなくて、ひもがなくて、高級レストランではくもの！ということで、チッチのはきたいものは…「ハイヒール！」。質問しながら考える。YES NO, YES NO, YES NO ゲーム！　これで対話のじゅんびはOK！　YES NO, YES NO, YES NO ゲーム！ 【scene 03】 ウソをつくのは悪いこと？ ゆうくんからの疑問（ぎもん）をチッチが読み上げます。「ぼくのお母さんは、ぼくによくウソをつきます。おもちゃを買ってほしいと頼んだときは、うちにはお金がありません！と言いましたが、サイフにはお金が入ってました。お母さんはいつも、ぼくにウソをつくなと言ってるのに、自分はウソをつきます。大人はウソをついてもいいんですか？」「あーわかるわかる！よくぞ言ってくれたって感じだよ！」とＱくん。ということで本日の疑問（ぎもん）は「ウソをつくのは悪いこと？」です。「はーい、悪いことに決まってまーす！大人も子どもも関係ありませーん！ウソつきはどろぼうの始まりでーす！」とＱくん。「私もウソは悪いことだと思うなあ」というルルちゃんに、「ウソをつくというのは人をだます行為（こうい）であり、これはサギですから、悪ですね」とポッくん。Ｑくんは「全員一致（いっち）で決定ー！判決を言い渡す！大人はウソつきである！今すぐ子どもたちに謝って、おもちゃを買ってあげなさいー！」とさけびます。賛成するルルちゃんとポッくん。チッチがみんなをなだめ、「みんなのお父さんやお母さんもウソをついたことがあるのかい？」と聞くと、みんなは「ある」と答えました。 【scene 04】 ウソつきな大人たち 遊園地に連れてってーと頼んだら、お父さんが言いました。「連れて行ってあげたいけど、今日は遊園地、お休みだって。残念だねえ～。」そんなのウソだー！犬が苦手なママなのに、ご近所の犬に会うとこう言います。「まあ、なんてかわいいワンちゃんなんでしょう～！」嘘ばっかり！社長さんにゴルフに誘われたお父さんは答えました。「すいません社長、その日は急な仕事があっていけません、残念です」でもその日一日、家でゴロゴロしてました！ 【scene 05】 もしウソをつかなかったら？ 「へえー、確かに大人はウソばっかりついてるなあ。」とチッチ。「そうなんだよ、ぼくたちがウソをつくとおこるくせにさあ。」というＱくんに、ポッくん・ルルちゃんもうなずきます。チッチは「なんで大人はそんなに嘘をつくんだろうね？」と問いかけました。Ｑくんは「心が汚れちゃってんじゃねーの」と答えます。そこでチッチは「じゃ、もしウソをつかなかったら、どうなるか考えてみよう」と問いかけました。 【scene 06】 ウソをつかない大人たち 遊園地に連れてってーと頼んだら、お父さんが言いました。「遊園地なんてめんどくさいし、お金かかるし、疲れるから行かなーい！」そんな風に言わなくてもぉ～。犬が苦手なママは、ご近所の犬に会うとこう言います。「まあ、かわいくない犬ですねー、こっちに連れてこないでくださーい！」そんな風に言わなくても～。仕事相手にゴルフにさそわれたお父さんは答えました。「社長とゴルフなんか行ったってつまんねえ。家でゴロゴロしてたほうがマシだーい。」そんな風に言わなくても～。 【scene 07】 ついてもいいウソ 「うーん……本当のことをそのまま言っちゃうと、なんかギスギスしちゃうなあ…」とＱくん。ポッくんも「大人は、相手をきずつけないためにウソをつくことがあるんですね」と、少し大人のウソを理解したようす。ルルちゃんは「そう考えると、ウソは全部が全部ダメってわけじゃないのかも」と言いました。「ついてもいいウソがあるってこと？」とたずねるＱくん。チッチに「ほう、ついてもいいウソか。それって、どんなウソかな？」と言われ、みんなは考え始めます。ルルちゃんは「もし知らない人に『おかしをあげるからおいで』って言われたら、『私、おかしキライです！』ってウソをついてにげるわ。これは、自分の身を守るためのウソだから、ついてもいいと思うの！」と言いました。「他には？」とチッチに言われ、ポッくんは「映画やマンガはどうですか？これらはみんな作り話。つまりウソです。でも、作者はみんなを楽しませようとしているし、みんなもウソだとわかってて楽しんでる。これはいいウソではないでしょうか！」と答えました。するとＱくんも「ぼくもステキなウソをたくさんついてるんだ！」と言い出しました。 【scene 08】 いいウソ、わるいウソ 「この前もさ、ルルちゃんにこの柿（かき）あまいよーって言って、しぶーい柿を食べさせたら『うげー！』って言ってた！それを見てみんなで大笑いしたよね！ あはははは！あれは楽しかったなあ！これは、みんなを楽しませるためについた最高にステキなウソだよね！」と言うＱくんに、「全然違うわ！」とルルちゃん。Ｑくんは「みんなを楽しませようとしたんだよ？。おもしろいウソは、いいウソ！つまんないウソが悪いウソ！」と言いはりますが、「私はちっとも楽しくなかったわよ！」とおこるルルちゃん。ポッくんも「相手がイヤな思いをしたら、やっぱりそれは悪いウソですよ。」と言います。２人に責められるＱくんを見て「まあまあまあ、お茶でも飲んで落ち着こう」とチッチはなだめます。ここでチッチは「どうやらウソにはついてもいいウソと、ついていけないウソがあるようだけど、その違いって何なんだろうね？」と問いかけました。なやむＱくん、ルルちゃん、ポッくん。キミが今までついたウソは、いいウソ？悪いウソ？ 【scene 09】 みんなでこたえよう みんなで答えよう！「君がついたウソ、それっていいウソ？悪いウソ？」みんなで考えよう！「弟がコップを割ったとき、ボクが割ったとウソをついてかばったら、前よりも弟と仲良くなれました。いいウソだったんじゃないかと思います。」「へ～、いい兄弟だねえ」「テストで悪い点のときは見せないで、良い点だけ親に見せてました。これは、悪いウソだったと思います」「本当のことを知ったら、親はもっと悲しむもんなあ」「足がいたいのに、大丈夫ってウソをついて、サッカーの試合に出ました。でも、チームに迷惑をかけてしまって…悪いウソだったかな」「試合に出たかったんだもんねえ、気持ちはわかるなあ」「先生のおもしろくないギャグをいつも愛想笑いしてます。そのせいで毎日先生のギャグが止まりません。これはみんなにとっても悪いウソだと思います」「チッチのギャグを教えてあげたいな！ぼくさあボクサーなんだ、とかね！どう？」いろんな答えがありますが、みなさん答えは出ましたか？「うーん……」「お、なやんでるね～！」ＱＱＱみんなの答え ＱＱＱそれぞれ違う ＱＱＱキミならなんて答えるの？「Ｑ！」 【scene 10】 てつがくのうた・タイトル ♪かんがえてくと　みえてくる　かんがえてくと　きづいてく　かんがえてくと　かわってく　かんがえてくと　つながってく　てつてつてつてつ　てつがく　こたえはなかなかでないけど　てつてつてつてつ　てつがく　じっくりとみちのりをたのしもう 【scene 11】 いいウソと悪いウソをわけるのはむずかしい 「さて、みんな答えは出たかな？ウソをつくのは、悪いこと？」とみんなに聞くチッチ。Ｑくんは「ウソをつくのは悪いこと。でも、ついてもいいウソもある」と答えます。「相手のことを思いやってつくウソなら、いいウソ」とルルちゃん。「そうじゃない自分勝手なウソは、悪い嘘」とポッくん。「おお、なるほど。相手を思いやっているかどうかで決まるんだね！いい答えじゃないか」とチッチは感心します。ところが、Ｑくんはなぜかイマイチなっとくいかない様子。「いいウソか悪いウソかを判断するのは、とっても難しいことだと思うのよ」とルルちゃん。ポッくんも「そうなんですよね、たとえ相手のことを思いやってついたウソでも、相手が本当のことを知ったら余計きずついてしまうかもしれませんし。」と、答えを出し切れていないようです。Ｑくんは「ぼくみたいに、みんなを楽しませようとしたウソでも、誰かに嫌な思いをさせちゃってるかもしれないし…」と言いました。「やっぱり、ウソはついてはいけないと思います」とポッくん。対してルルちゃんは「でも、上手にウソをつくことも大事だわ。それで世の中がうまくいくんだから」と言い返します。「いえ、いけないことはいけないことですよ」とゆずらないポッくん。ルルちゃんに「でも必要なことなのよ、ねえＱくん？」と言われたＱくんは「うーん…世の中には、いいことか悪いことかで決められないこともあるのかもしれないなあ」と答えました。「いいことか悪いことかで決められないことか・・・」と考えるルルちゃん。ポッくんも「そうかもしれませんね…」と悩んでいるようす。「深いことを考え始めたねえ。まだまだ対話は続きそうだ。みんなも一緒に考えてみてくれ！じゃあなー！」というチッチに、Ｑくんは「あ、チッチ、背中にムカデがいるよ」と言いました。「え！とって！とって！ムカデ嫌いだよー！」とおどろくチッチ。「アハハハハ！嘘だよーん！ハハハハ！ハハハハハ！…え？これは、いいウソだよね？」と言うＱくんに、「全然ちがーう！」とつっこむ３人でした。 【scene 12】 Ｑエンディングテーマ こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいんだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱきみのこころのこえを

Ｑ～こどものための哲学

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なんでお母さんは化粧をするの？

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お出かけ前にずっと化粧をしているお母さんを待ちくたびれたＱくんは、「なんで化粧をしないと外に出られないのか？」と不満を抱く。そもそも、なんで人は化粧をするのか？

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【scene 01】 また何かなやんでいるＱくん… Thinking Deeply. シンキング・デープリー。一つのことを深～く考えること。さあ、今日も考える少年・Ｑくんの部屋をそーっとのぞいてみましょう。「まだかなあ、まだかあ。お母さん、まだー？」。「もうちょっとー」。「うーん。もうちょっともうちょっとって、ずーっと待ってるよ。あー、いらいらするなあ。早くしないと映画（えいが）始まっちゃうのに。だいたいさあ、なんでお母さんはいちいち化粧（けしょう）なんかするんだよ。なんでなのーっ？」。そこでチッチが時間を止めました。「またＱ君がおもしろい疑問（ぎもん）をいだいたね。じゃ、今日もいっしょにみんなで考えてみようかね。いってみよう！」。 【scene 02】 「なんで化粧なんかするのかねえ」 「おいチッチ、こんなときに時間を止めるなよ」とＱくん。「Ｑくんがまた、おもしろい疑問（ぎもん）を口にしたからねえ」とチッチ。「疑問？　そんなのどうでもいいよ。さっさと時間を動かせよ」。「でも、疑問言ったよね？」。「ぼくは早く映画（えいが）に行きたくてうずうずしてるんだ。ところがお母さんがさ、いつまでもお化粧（けしょう）してて、ちーっとも出かけられないんだよ。まったく、なんで化粧なんかするのかねえ」。すると、「そう、それだよそれ！　なんでお化粧するのかって」とチッチ。「え？」。「はい、ドーン！」。 【scene 03】 きれいになりたいから？ そこで、本日の疑問（ぎもん）。『なんでおかあさんは、けしょうをするの？』。「どうでもいいよ！　ぼくは早く映画（えいが）に行きたいの！」と言うＱくん。「そんなこと言わないで、疑問に思ったら考えてみようよ」とチッチが言います。Ｑくん、しかたなく考えてみることに。「なんでお母さんはお化粧（けしょう）するんだ？　なんで？」とチッチ。「そりゃまあ、きれいになりたいからでしょ？」とＱくん。「なんできれいになりたいの？」と聞かれ、「まわりの人に『きれいですねー』って言われたいんだろ？」と言います。「そりゃ、『きれい』って言われたほうがうれしいもんね。で、じっさい、まわりの人に『きれいですねー』って言われたことあるの？」とチッチが聞くと、「ないよ。ないない」とＱくん。 【scene 04】 だれも見てないのに 「えっ、言われたことないの？」とチッチはびっくり。「ないのに時間かけてお化粧（けしょう）してるの？」。「だからさぁ、化粧品のCM見て、自分もあのモデルさんみたいにきれいになれるって思ってるんだよ。さっかくしてんの。かんちがいしてんだよ」とＱくん。「だいたいさ、だれもお母さんのことなんか見てないもん。今日だってぼくたち映画（えいが）をみに行くんだぜ」。「みんな、映画を見てるよね」。「そ。お母さんのこと見ている人なんて、だーれもいないんだって」。「そうなると、なんでお化粧してるのかますますわからないねえ」。「ああ、むだなことなんだよ。よし、お母さんを説得（せっとく）してくるよ。むだなお化粧はやめろって。チッチ、時空をとばしてくれ」。「OK牧場（ぼくじょう）！」。 【scene 05】 お化粧するのは身だしなみ？ ♪おーい、お母さん。お化粧（けしょう）なんてやったって無意味（むいみ）だぞ。「なに言ってんの。シミを消して、そばかす消して、口紅（くちべに）つけて、まつげパッチリ、きれいになるわ！」。やれやれ、モデルさんになれるとでも思ってんの？ 「うるさいわ。あこがれたっていいじゃないの。人前に出るときは、きれいにしてたいの！」。おいおい、だれもお母さんのことなんて、見てないよ。「お化粧するのは身だしなみ。素顔（すがお）のまんまじゃはだかみたいではずかしいの！」。あー、こんだけ言っても、化粧はやめない！ 【scene 06】 なんで家ではお化粧しないんだ？ 「がんこなお母さんだなぁ」とＱくん。「でも、お化粧（けしょう）するのは身だしなみって言ってたぞ。素顔（すがお）のままじゃはずかしいって」とチッチ。「きれいにしないと人からきらわれるって思ってるんだろうな。うん？　でもそれはそれでおかしいぞ」。「どこが？」。「だってさ、お母さんは家ではお化粧しないんだ。なんで家ではしないんだよ」。「する必要（ひつよう）がないからだろ」。「家では身だしなみをちゃんとしなくてもいいっていうの？」。「だれも見てないからじゃないか？」。「ぼくもお父さんも見てるよ。ぼくとお父さんには素顔見られてもはずかしくないの？　ぼくとお父さんにはきらわれてもいいっていうの？　どこのだれだか知らない外の人たちにはきらわれたくなくて、ぼくたち家族にはきらわれたっていいって思ってるわけ？　どういうことだろう。うーん…」。「Ｑくんが深～く考え始めたので、みんなにも聞いてみようかな。みんな、なんで化粧をするんだと思う？」。 【scene 07】 みんなでこたえよう ♪みんなで答えよう。ねえ、そこのお化粧（けしょう）しているみんな、どうして化粧をするのかなあ？　♪みんなで考えよう。「すきだからよ。気分が上がるでしょ」。楽しんでるねえ。「ちがう自分に、変身（へんしん）するためよ」。ほー、変身前が見たいなぁ。「見せちゃうぞー！」。「注目してもらいたいからです」。うん、目立ってなんぼだもんね。「めんどうだからいやだけど、みんなしてるからしています」。♪いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？ 「うーん、ぼくの答えは…。うん、見つけた！」。♪キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 08】 チッチのうた ♪チッチの長～いお耳はね、声をよく聞くためにある。だから、いそがなくたっていいよ。じっくり、ゆったり、話してね。テルミー、テルミー、ほんとの言葉に出会えると、テルミー、テルミー、どんどんきみが見えてくる。チッチのつぶらなお目々はね、心をよく見るためにある。だから、かっこつけなくていいよ。かくさず、きどらず、話してね。テルミー、テルミー、すなおな気持ちに出会えると、テルミー、テルミー、どんどんきみがすきになる。テルミー、テルミー、お耳とお目々を広げると、テルミー、テルミー、どんどんきみがすきになる。 【scene 09】 『なんで？リレー』をやってみよう 「あのさ、おっきな鼻くそが取れるとうれくない？」。「あー、わかるー」。「なんでおっきな鼻くそが取れると　うれしいの？」。「うーん。おっきな鼻くそ、めったに出会えないから」。「なんでめったに出会えないとうれしいの？」。「うーん。人はめずらしいものを見るとこうんするから」。「なんでめずらしいものを見るとこうふんするの？」。「うーん。人間はめずらしいものがすきだから」。「なんで人間はめずらしいものがすきなの？」。「うーん。人間ののうみそはめずらしいものに興味（きょうみ）を持つようにできてるから」。「じゃあ、なんでのうみそはめずらしいものに興味を持つの？」。「うーん。生きていくために必要（ひつよう）だから」。「なんでめずらしいものに興味を持つことが生きていくために必要なの？」。「めずらしいものに興味を持つことで、いろんな発見ができるから。ん？　そっか、そうやって人は知識（ちしき）をふやしてかしこくなってきたのか！」。「おー！」。意外な答えを見つけたよ。『なんで？リレー』で見つけたよ。 【scene 10】 「化粧しないとはずかしい」から 「さあ、Ｑくんの答えを聞かせてもらおうか。なんで、お母さんは化粧（けしょう）をするの？」とチッチ。「ぼくの今のところの答え！　世の中には、お化粧するのがすきでしてる人もいるし、したくないけどしないといけないからしてる人もいる。ぼくのお母さんの場合は、たぶん、『しないとはずかしい、きれいにしないときらわれちゃう』って思ってしてるんじゃないかな」とＱくんが答えました。「なるほど。じゃあ、家でお化粧をしないのはなんでなんだろう？」とチッチ。「きっと、家ではホッとしたいからだよ」とＱくん。「がんばってお化粧してきれいにならなくても、ぼくもお父さんもお母さんのことをきらいにならないって知ってる。だから家ではお化粧しないんだ」とＱくんが言いました。 【scene 11】 「お化粧していないお母さんのほうがすきかも」 「Ｑくんは、お母さんがお化粧（けしょう）しなくてもきらいにならないんだね」。「うん。どっちかっていうとお化粧していないお母さんのほうがすきかも。見た目のきれいさじゃないんだよ。ぼくはお母さんの中身を知ってるからね。チッチだってそうだよ。見た目はきたなくてボロボロだけど、ぼくはチッチが大すきだもん。そういうことさ」。「なんかふくざつだけど、うん、ありがとう」とチッチ。「でもそう考えると、お母さんも人前に出るときはがんばってお化粧してるんだ。いろいろ苦労（くろう）もあるんだろうなあ」。「そうだね」。「そうだ！　ぼく、あれやってみようかな」。「あれ？」。「相手の立場に立って考えてみるってやつ」。「おお、そうだね。そうすると、もっと深～い発見があるかもしれない。やってみよう！」。「うん！」。 【scene 12】 相手の立場に立って考えてみる… 「うーん、こんな感じかな？　よし、うん。チッチ、できた？」。「できた！」。「ぼくも。せーの！」。Ｑくんもチッチもお化粧（けしょう）してみたのですが…。「どう？　何か発見があった？」とチッチ。「うん、そうだなぁ…。ふふふふ。化粧って意外と…」とＱくん。「楽し～い！　きゃははは」。楽しそうに笑うＱくんとチッチでした。 【scene 13】 Ｑエンディングテーマ ♪こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくり　さがそう　こたえはかわったっていいんだよ　だからゆっくり　そだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱ　ねぇきかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱ　きみのこころのこえを

Ｑ～こどものための哲学

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ともだちってたくさん必要？

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「友達はたくさんいた方がいい」という意見と「いなくてもいい」という意見をぶつけ合う中で、友達とはどんな存在か、という話題になっていく。本当の友達ってどんな人？

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 みんなもいっしょに話し合おう 『Ｑ～子どものための哲学（てつがく）』は、一つのことを深～く考えるための番組です。「今日も出ました。“考えるウサギ”、チッチです。今日は、一つのことをみんなで話し合いながら考えよう。メンバーは、おなじみのＱくん」。「イェイ、イェーイ！」。「ルルちゃん」。「ハイハーイ」とルルちゃん。「ポッくん」。「よろしくおねがいします」。「そしてテレビの前のきみ！　いっしょにリラ～ックスして話し合おう！」とチッチが言いました。「うんうん」。「対話を始める前に、まずはウォーミングアップだ。チッチの“YES NO ゲーム”！」。「イェーイ！」。 【scene 02】 チッチの“YES NO ゲーム” チッチのすきなお菓子（かし）がこのなかに一つありますよ。３回質問（しつもん）してみて、答えはどれだか当ててみて！ 「よーし、じゃあ、まずはぼくから」とＱくん。「それは丸い？」。YES！　はい、ちょっと、しぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「じゃあ、次はわたし。それは洋菓子ですか？」。NO！　これでまた、大きくしぼられましたね。さあ、次の質問を、してみましょう。「よーし、さいごはぼく。それはしょっぱい？」。YES！　それじゃ、テレビの前のきみ！　これだと思うものを、大きな声で答えてくれ。いくぞ、せーの！ 「（きみの答え）」。さてさて、これで合ってるかな？　それでは正解（せいかい）の発表です。丸くて、洋菓子じゃなくて、しょっぱいもの。ということで、チッチの好きなお菓子は…「おせんべい！」。 【scene 03】 友だちはたくさんいるほどいい？ では、みんなで話し合いを始めましょう。あいちゃんからの疑問（ぎもん）です。「親も先生も、友だちをたくさん作りなさいと言います。でもわたしはひっこみじあんで、あまり友だちがいません。友だちはやっぱりたくさんいたほうがいいの？」。というわけで、今日みんなで話し合う疑問は、『友だちってたくさんひつよう？』。すると、「そりゃあ、友だちは必要（ひつよう）でしょ。たくさんいればいるほどいいに決まってるよ」とＱくん。「Ｑくんは友だちたくさんいるの？」とチッチに聞かれ、「いるに決まってんじゃん。まずポッくんでしょ、ルルちゃんでしょ、ほかにも数えきれないくらいたーくさんいるね」と答えます。そこで「ポッくんやルルちゃんは？」とチッチが聞くと…。 【scene 04】 親友と友だちはちがう 「ぼくはあまり友だちが多くないと思います」とポッくん。「そんなさみしいことを言うなよポッくん。ぼくもルルちゃんもいるじゃないか。元気だせよ」とＱくん。すると、「べつに落ちこんではいません」とポッくん。ルルちゃんも「わたしも友だちがたくさんとは言えない気がするわ。友だちの多さよりも、親友ってよべる人がいるかどうかが大事だと思うのよ」と言います。「親友と友だちはちがうの？」とチッチが聞くと、「知り合い、友だち、親友。みんなちがうわ」とルルちゃんが言いました。どうちがうのか聞くと、「ただのクラスメイトとか、たまに話すだけの人は知り合い。それよりなかがいいのが友だち。それよりもっともっとおたがいに信頼（しんらい）しあえるのが、親友よ」とルルちゃん。 【scene 05】 Ｑくんの親友は… 「そうなんだ。Ｑくん、知ってた？」とチッチに聞かれ、「あ…、ああ。もちろんだよ。そ、そ、親友が大事だよね。だからポッくんも、友だちが少なくても心配しなくていいんだよ。ちゃーんとぼくっていう親友がいるんだから」とちょっとあせるＱくん。すると、「ぼくは親友とよべる人もいないような…」とポッくん。Ｑくんは「ガーン！　そ、そうなの？」と落ちこみます。「ルルちゃんは親友いるの？」とチッチが聞くと、「うん、いるわ」とルルちゃん。「だよねー、ルルちゃん！」とよろこぶＱくんですが、「うん、女の子だけどね」と言われ、またまた「ガーン！　そ、そ、そうなの？」とショックを受けるＱくんです。 【scene 06】 友だちがいるといいこといっぱい？ 「どうやら、自分が親友だと思ってても、相手はそう思ってないこともありそうだね」とチッチ。「そ、そうだね。はははは」とわらってごまかすＱくん。するとポッくんが、「でも、ぼくは友だちも親友もあんまりいない気がしますが、それでもとくにこまっていません。ほんとに友だちとか親友って必要（ひつよう）なんでしょうか？」と言いました。「そりゃあ必要だよ。ポッくんは友だちのよさがわかってないんだ」とＱくん。「わたしも必要だと思うわ」とルルちゃんも言います。チッチが「なぜ必要なの？」と聞くと、「決まってるじゃん、いいことがいっぱいあるからだよ」とＱくん。「いいことってたとえば？」とチッチに聞かれ、みんなは考え始めます。 【scene 07】 友だちがいたらいいこと ♪友だちがいたら、いろんな遊びができる。「かくれんぼ、野球、サッカー…。みんなでもり上がる！」。♪友だちがいたら、ワイワイお出かけ。「ピクニック、買い物、遊園地、にぎやかで楽しい！」。♪友だちがいたら、こまったときに助け合える。「わすれ物をしたとき、けがをしたとき、なやみがあるとき、たよりにできまーす！」。♪友だちがいたら、いいことばっかり！ 【scene 08】 反対を考えてみよう 「なるほど。たしかにいいことばっかりだねえ」とチッチ。「そうだよ。やっぱり友だちいっぱいいたほうがとくだよ」。Ｑくんがそう言うと、「たしかに」となっとくするポッくん。ルルちゃんも、「友だちは必要（ひつよう）ね」と言いました。すると、「そうか。じゃあ、反対を考えてみようか。反対に友だちがいていやなことってあるかな？」とチッチ。「友だちがいていやなこと？」、「そんなの…」とＱくんとルルちゃんは思いつかないようですが、ポッくんは「あるような気がします」と言いました。 【scene 09】 友だちがいたらいやなこと ♪友だちがいたら、いやなこともことわりにくい。「ぼくはきらいな遊びはやりたくないんだけどなぁ」。♪友だちがいたら、意見が合わないこともある。「わたしは自分のすきな所に行きたいのよ」。♪友だちがいたら、すぐに助けをもとめてしまう。「もう少し自分でがんばらないといけないのにな」。じゃあ、友だちがいないといいことは？ 【scene 10】 友だちがいないといいこと ♪友だちがいないと、一人で遊べる。「ゲーム、まんが、プラモデル…。自由な時間がたくさんできる！」。♪友だちがいないと、一人でおでかけ。「だれにも気をつかわないで、自分の行きたい所に自由に行けそう！」。♪友だちがいないと、助けてもらえない。「でもその分、自分の力で何とかしようと努力（どりょく）するかも」。友だちがいなくても、ぜんぜんオッケー！ 【scene 11】 友だちがいなくてもいいこといっぱい？ 「おやおや。友だちがいなくても、いいこといっぱいあるんでないかい？」とチッチ。「うん、自分のしたいことに時間を使えるし」、「いやなことにつきあわなくてすむし」、「一人のほうが自分自身をきたえられるかもしれませんね」とみんな。「やっぱり、友だちがいないほうがとくかなぁ？」と言うＱくんにルルちゃんは、「そうかもしれないけど、でもやっぱり友だちがいたほうがとくすることは多いんじゃないかしら」と言います。「けっきょく、友だちはいたほうがとくなの？　そんなの？」とチッチが聞くと、「うーん…なんだかそういうことでもないような気がしてきたなあ」とＱくんが言いました。 【scene 12】 “そん・とく”で考えるものじゃない？ 「たとえばね、ぼくがポッくんと友だちなのは宿題を教えてもらえてとくするから、ルルちゃんと友だちなのはおいしいお菓子（かし）をくれてとくするから、そういう理由だったらうれしい？」とＱくん。ポッくんもルルちゃんもそれはうれしくありません。「だろ？　友だちってそんとかとくとかでなるものじゃないんじゃないかなぁ」とＱくん。「そうね。その人がただすきで、なかよくなりたいって思うからなるんだもんね」とルルちゃん。「そう考えると、友だちは多くても少なくてもどっちでもいい気がしました」とポッくん。「そうね。この人は知り合い、この人は友だち、この人は親友、なんて区別（くべつ）することもばかばかしい気がしてきたわ」とルルちゃん。議論（ぎろん）が深まってきたようです。「そこのきみ。きみにとって友だちって　どんな人？」とチッチ。 【scene 13】 みんなでこたえよう ♪みんなで答えよう。ねえきみ、きみにとって、友だちってどんな人？　♪みんなで考えよう。「わたしにとっての友だちは、気をつかわずに言いたいことが言える人です」。いごこちいいもんねー。「ぼくにとっての友だちは、同じことでわらえる人」。わらいのセンスが同じことかー。「わたしにとっての友だちは、ありのままの自分を受け入れてくれる人」。そういう人がいるとうれしいよねー。「いざというときに、しかってくれる人です」。ときにはきびしさも重要（じゅうよう）だね。いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？ 「うーん。まだ答えは出ないけど…」。「うん、とりあえず今のところの答えなら、なんとなく見えてきた気がします」。「うん」。キュキュキュみんなの答え。キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみなら、なんて答えるの。キュー！ 【scene 14】 てつがくのうた ♪かんがえてくと　みえてくる　かんがえてくと　きづいてく　かんがえてくと　かわってく　かんがえてくと　つながってく　てつてつてつてつ　てつがく　こたえはなかなかでないけど　てつてつてつてつ　てつがく　じっくりとみちのりを　たのしもう 【scene 15】 友だちは自然になるもの 「それじゃあ、みんなの答えを聞かせてもらおうかな。友だちはたくさん必要（ひつよう）？」とチッチがたずねました。「友だちは、たくさん必要だから作るものじゃないと思う」とＱくん。「大すきで大切だから友だちでいたい。自然（しぜん）にそう思えること」とルルちゃん。「そうですね。自分もだれかにそう思ってもらえるような人になろうと思います」とポッくんも言いました。「友だちは自然になるもの、か。いい答えじゃないか」と感心するチッチ。するとＱくんが、「うーん。でもね、自然となるのを待ってたらずっと友だちができない気もするんだ」と言います。「そうね。がんばって努力（どりょく）しないと友だちになれないかもね」とルルちゃん。 【scene 16】 自分自身がすてきな人間になること でもポッくんは、「いえ、むりに作る必要（ひつよう）はないんです。そんなのは本当の友だちではありません」と言います。「でもなかよくなりたいと思ったら、努力（どりょく）しないと」とルルちゃん。「そうかもしれませんが、友だちがいないことも決してはずかしいことじゃありません。作りたくなければ作らなくていいはずです」とポッくん。そこでＱくんが、「とりあえず、自分自身がすてきな人間になることが大事なんじゃないかなあ。そうすれば、自然（しぜん）とみんな友だちになりたいと思うでしょ？」と言いました。２人は少しなっとくしたようす。「いいねいいね。まだまだ対話はつづきそうだ。つづきはみんなが話し合ってみてくれ。じゃなー！」と手をふるチッチです。 【scene 17】 Ｑエンディングテーマ ♪こたえはみんな　ちがうんだよ　だからじっくり　さがそう　こたえはかわったって　いいんだよ　だからゆっくり　そだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱ　ねぇきかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱ　きみのこころのこえを

Ｑ～こどものための哲学

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なんで夜はこわいの？

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夜中、暗闇が怖くてトイレに行けないＱくん。「怖い」の原因を探るため、怖いと思っているものをいろいろと挙げてみると、そこに共通するものが見えてくる。

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【scene 01】 また何かなやんでいるＱくん… Thinking Deeply. シンキング・デープリー。一つのことを深～く考えること。さあ、今日も考える少年・Ｑくんの部屋を、そーっとのぞいてみましょう。「うーん、うーん、どうしよう。おしっこに行きたいけど、おしっこに行きたいけど…」。ワーン、ワーン、ワーン…。「うわああ…。あー、だいじょうぶ、だいじょうぶ。こわくない、こわくない…」とＱくん。「Ｑくん、ねむれないのかい？」とチッチが声をかけると、「うわあ、おばけー！」とびっくりするＱくん。「いやチッチだよ、チッチ」と言っても、「うわぁー！　ぬいぐるみがしゃべった！　うわあ、いやだー！」。Ｑくん、すごくこわがっています。 【scene 02】 夜トイレに行くのがこわくなっちゃって… 「なんだチッチか。びっくりさせるなよ」とＱくん。「びっくりしたのはこっちだよ。いったいどうしたっていうんだい？」とチッチに聞かれ、「実はさ、今日学校でこわーい話を聞いちゃってさ」とＱくんが言います。「こわーい話？」。「ある女の子が夜中に一人で学校に来たら…。あー、だめだ。思い出したらまたこわくなっちゃう。その話を聞いてから、夜トイレに行くのがこわくなっちゃって…」。「へえー、そりゃこまったね。トイレがこわいんじゃ、一生おしっこ行けない」。「トイレがこわいんじゃないよ。夜がこわいの」。「あ、夜がこわいの？　なんで？」とチッチ。「なんでって…」。 【scene 03】 おばけが出るような気がするから？ ということで、本日の疑問（ぎもん）。『なんで夜はこわいの？』。「そりゃあやっぱり、おばけが出るような気がするからじゃないかなあ？」とＱくん。「Ｑくんはおばけがこわいんだ？」。「え？　いや、おばけなんか本気でしんじちゃいないよ。へへへへ」。「じゃあ、こわがることないじゃん。早くトイレ行きなよ」とチッチ。「あー、そうさ。おばけなんかいるわけないさ。ハハハハ…。ひー、やっぱりこわいよ」とチッチにだきつくＱくん。「おばけはいないのになんでこわいの？」。「おばけはいなくてもやっぱり夜はこわいの」。「夜そのものがこわいの？　なんで？」。「うーん、暗いからかなあ？」。 【scene 04】 暗いからこわい？ 「暗いと、なんでこわいの？」と聞くチッチ。「何も見えないし」とＱくん。「じゃあ、目をつぶってもこわいの？　もしかして、目つぶってねてるあいだずーっとこわいの？」。「いや、そんなことはないよ。なんで暗いとこわいのかなあ？」とＱくん。「じゃあ、ほかにこわいものをあげてみようよ。Ｑくんは、ほかにどんなものがこわい？」。「ほかにこわいものなんてべつにないね。ぼくはね、決してこわがりじゃないのだよ、チッチくん」。「でも、なんかあるだろう？」。「うーん、そうだなあ。まあ、しいて言えば…」。 【scene 05】 Ｑくんのこわいもの ♪こわいこわい　グラグラじしん　こわい　こわいこわい　どろどろどろぼー　うーん、こわい　こわいこわい　ニョロニョロへーび　こわーい　こわいこわい　たかいたかいところ　こわい　こわいこわい　ひげもじゃの人　あぁ、こわいこわい　こわいこわい　白いおとうふ　こわーい！ 【scene 06】 「ぼくはこわがりなのかなあ？」 「ちょいちょいちょい。Ｑくん、こわいものだらけじゃないか」とチッチ。「本当だ。ぼくはこわがりなのかなあ？」とＱくん。「おとうふがこわいって、意味不明（ふめい）すぎるぞ。なんでおとうふがこわいんだ？」。「な、なんでだろう？　たしかに意味不明だね。そんなものがこわいなんて、ぼくはやっぱり意気地なしなのかも」とＱくん。「よし。じゃあ、なんでそれらがこわいのか、理由を考えてみようよ」とチッチ。「こわい理由か。うーん…」。 【scene 07】 こわい理由を考えよう ♪グラグラじしんがこわいのは、「家がこわれちゃうかもしれないから」。♪どろどろどろぼーがこわいのは、「おそわれちゃうかもしれないから」。♪ニョロニョロへびがこわいのは、「どく持ってるかもしれないもーん」。♪たかいたかいとこがこわいのは、「おっこちちゃうかもしれないだろ」。♪ひげもじゃの人がこわいのは、「絵本に出てくる悪いやつってひげもじゃばっかでしょ」。♪白いおとうふがこわいのは、「「うーんと…、おとうふって、真っ白で真四角で、なんだかブロックみたいで、食べたらおなかがいたくなりそうって思って。うわぁ、想像（そうぞう）したらまたこわくなってきたー」。 【scene 08】 こわい理由の共通点は 「よくもまあそんなにこわがれるもんだ。ま、とにかく、ちゃんと一つひとつこわい理由があるのはわかった」とチッチ。「そういうことだね」とＱくん。「それらの理由には、なんだか共通（きょうつう）するものがありそうだけど」とチッチにいわれ、「うん。こうして考えてみると、どれもこれも自分にきけんがありそうなものだ。きけんがあるからこわいんだ」とＱくんは気づきました。「ということは」とチッチ。「夜のくらやみもきけんがあるからこわい」。「でも、何がきけんなの？」。「うーん、なんだろう。うーん、うーん」と考え始めるＱくん。「なやんでる、なやんでる。みんなはどう？　何かこわいものはある？　それはどうしてこわいのかな？」とチッチ。 【scene 09】 かぞくでこたえよう ♪家族で答えよう。みんなは何がこわい？　それはどうしてこわいんだと思う？　♪家族で考えよう。「わたしはお魚がピチピチ動いてるおさしみがこわい」。たしかにねー。「わたしは鳥がこわかった。たくさんの鳥が人間をおそってくる映画（えいが）をみたからです」。鳥の目ってこわいよねー。「えんとつがこわい。たおれてきそうな気がするから」。想像力（そうぞうりょく）ゆたかだねー。「わたしは病院の健康診断（けんこうしんだん）がこわい。悪い病気が見つかっちゃうんじゃないかと思うからです」。やっぱり健康がいちばんですよねー。♪いろんな答えがありますが、Ｑくん、答えは出ましたか？ 「うーん、ぼくの答えは…。うん、見つけた！」。♪キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの？　キュー！ 【scene 10】 『なんで？リレー』をやってみよう 「ぼくのお母さんは、電話になるとわざとらしいきれいな声になる」。「あー、あるある」。「なんで電話できれいな声になるの？」。「うーん。電話の相手にやさしい人だと思わせたいから」。「なんで電話の相手にやさしい人だと思われたいの？」。「やさしい人と思われたほうが、とくだから」。「なんでやさしい人と思われたほうがとくなの？」。「うーん。この人やさしい人だなと思われれば、相手といい関係（かんけい）が作れるから」。「なんでやさしい人だと思われるといい関係が作れるの？」。「うーん。やさしくすれば、相手もやさしくなる。だからいい関係が作れる」。「じゃ、なんで家でわたしと話すときはきれいな声を出さないの？　わたしとはいい関係を作りたくないの？」。「うーん。きれいな声を出さなくても、いい関係が作れているからじゃない？」。「なんで、きれいな声じゃなくてもいい関係が作れるの？」。「うーん。きれいな声なんか出さなくても、お母さんはぼくといい関係が作れることを知っている。だから家ではきれいな声は使わないんじゃない？　ん？　ということは、ぎゃくにきれいな声で話している相手とはまだいい関係が作れていないということか！」。「おー！」。♪意外な答えを見つけたよ。『なんで？リレー』で見つけたよ。 【scene 11】 チッチのうた ♪チッチの長～いお耳はね、声をよく聞くためにある。だから、いそがなくたっていいよ。じっくり、ゆったり、話してね。テルミー、テルミー、ほんとの言葉に出会えると、テルミー、テルミー、どんどんきみが見えてくる。チッチのつぶらなお目々はね、心をよく見るためにある。だから、かっこつけなくていいよ。かくさず、きどらず、話してね。テルミー、テルミー、すなおな気持ちに出会えると、テルミー、テルミー、どんどんきみがすきになる。テルミー、テルミー、お耳とお目々を広げると、テルミー、テルミー、どんどんきみがすきになる。 【scene 12】 「身のきけんをかんじるから！」 「さあ、Ｑくんの結論（けつろん）を聞かせてもらおうか。夜がこわいのはなぜ？」とチッチ。「ぼくの今のところの答え！　こわいって思うのは、『身のきけんをかんじるから！』。だれだって死ぬのはこわいでしょ。夜のくらやみは何があるのか見えない。きけんなものや生き物がいるかどうかもわからない。わからないっていうのはとってもこわいことなんだ」とＱくんが答えました。「わからないから、こわいわけか」とチッチ。「こわいっていうのは、自分の命を守るために必要（ひつよう）な感覚（かんかく）なんだよ」とＱくん。「ということは、Ｑくんがこわがりなのもとっても大事なことなんだな」とチッチ。「そういうことになるね。意気地なしなんじゃなくて、命を大事にしてるってことさ」。 【scene 13】 もう夜なんてこわくない 「それにぼくはね、もう夜なんてこわくないね」とＱくんが言いました。「え？　夜がこわくなくなったの？」とびっくりするチッチ。「くらやみは何があるかわからないからこわいんだ。てことは、何があるかわかってれば、こわくないんだよ。よーく考えてみればいいのさ。この家にどんなきけんがあるか」とＱくん。「この家にきけん？」とチッチ。「ライオンがいたっけ？」。「いないいない」。「クマは？　ワニは？　どくヘビは？」。「いないだろう」。「ちゃんと戸じまりしてるからどろぼうも入ってこない。おばけなんていないし、もしいたとしても意外といいやつかもしれない」とＱくんが言います。 【scene 14】 もうトイレに行かなくていい？ 「はぁ、たしかにそうだね。きけんと言ってもせいぜい階段（かいだん）でつまずくことくらいかもね」とチッチ。「それだってべつに死ぬわけじゃないでしょ。この家に命のきけんなんてなーんにもないんだよ。そうわかったら、なーんにもこわくなくなっちゃった」とすっかり元気になるＱくん。「それはよかった。それじゃ、トイレに行けるね」とチッチが言うと、「トイレ？　あーそうだったね。もうトイレは行かなくていいや」と言いました。「なんで？」。「とっくにもらしちゃったー！」。「ズコー！」とズッコケるチッチ。「さ、ねようねよう」とＱくんはベッドにもどりました。「Ｑくん、いちばんこわいお母さんのことわすれてるな」。 【scene 15】 Ｑエンディングテーマ ♪なぜなぜってきになったら　ふかくふかくかんがえてごらん　ほら　さっきまでみえなかった　あたらしい　けしきがひろがるよ　こたえはみんなちがうから　キミのなかにも　あるのさ　みつけにいこうぜ　こころのとびらをひらいて　ほら　みつけにいこうぜ　キミだけのものさしを　みつけにいこうぜ！ 「Ｑくんみたいに、こわいものも理由をちゃんと考えたら、こわくなくなるかもしれない。おばけだってほんとはいないんだもんね。え、なに？　うしろになんかいるって？　いないじゃない。おどかさないでよ。じゃあなー！」とチッチ。

ツクランカー

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ぼうさい①

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テーマは「防災」。町のハザードマップを見て防災の大切さに気づく主人公。町なかの危険箇所を調べたり、市の防災担当者に話を聞いたりして、デジタルマップを作っていく。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 水害へのそなえはできている？ ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今日はどんなものづくりをするのかな…。「もおでる、いる？　見てよ！」。主人公が帰ってきました。「おかえり。雨たいへんだったでしょ？」。「たいしたことないよ。ほら、川でメダカをとったんだ」とメダカを見せます。「おぉ。すごいけど、雨のときの川は気をつけてね」ともおでる。「うちの川はあさいし、流れもチョロチョロだからだいじょうぶでしょ」。そこへ、「待て待て！　ゆだん大敵（たいてき）！」とレディー・ガチャがあらわれました。「水害へのそなえ、みんなはできているかな？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 本当に「まさか」だったのか？ 2019年の台風19号。全国各地で大きな水害が起きました。栃木県栃木市でも複数（ふくすう）の川の堤防（ていぼう）が決壊（けっかい）。避難（ひなん）がおくれて命を落とした人もいました。浸水被害（しんすいひがい）にあった自治会会長の毛塚（けつか）さんに、決壊した川まで案内してもらいました。「ふだんはおだやかな川でね。本当に想定外ですね」。実は、市のハザードマップには50cm～３ｍの浸水が予想されていました。ところが、このハザードマップの情報（じょうほう）はほとんど使われていなかったのです。「今までそういう災害（さいがい）がなかったので、ハザードマップが家にとどいても関心がなかった」。 【scene 03】 水害ハザードマップを見てみると… 「あった、あった。うちの町の水害ハザードマップ」。「うわぁ、ほこりかぶってる。ゴホッゴホッ」ともおでる。「一度も開いたことなかったんだよ」と主人公がハザードマップを見始めました。「色がついているところとついてないところがある。どうしてかな？」。すると、「ここに書いてあるよ」と、もおでるがマップの右下の表示（ひょうじ）を指しました。「どれくらいの深さまで水につかるのか、予想を色でしめしているんだ」と言います。「ということは」と主人公がマップの赤いところを見て言いました。「この辺は深さ５ｍ以上。５ｍ？！」。「それって、二階建ての家よりも高いね」ともおでる。「えーっ！」。 【scene 04】 デジタル防災マップを作ろう 「みんなにハザードマップを知ってもらうにはどうしたらいいのかなぁ」と考えるもおでる。「うーん…」。主人公も考えこみます。すると、「あ！　いいこと思いついた」と主人公がパソコンに何か入力しました。「これ！　スクラッチを使うのはどう？」と言います。「ポチッとおしたら、いろんな情報（じょうほう）が出てくるような“デジタル防災（ぼうさい）マップ”を作りたい」。「いいねぇ。プログラミングでカッコいいマップにしたら、みんな見てくれるかもね」ともおでるも乗り気です。「じゃあ、行ってくる！」。主人公が出かけていきました。 【scene 05】 水害のときに危険な場所を調べる 大雨のときに危険（きけん）がありそうな場所を調べてみましょう。調べた場所をタブレットで撮影（さつえい）します。いろいろな発見がありそうです。主人公がもどってきました。「ねぇねぇ、何か見つかった？」ともおでる。「見て」と主人公が写真を見せます。「この道ぞいに大きな水路（すいろ）があるんだけど、ここだけ、さくがないんだ」。「おぉ、あぶないね」。「マップにこういう写真をいっぱいはっていこう」と主人公。「そうだね」。「でも、写真が多すぎるとわかりにくくなっちゃうか…。見たいときだけ写真が出るようにしたいな」と主人公。するともおでるが、「それならいい方法があるよ！」と言いました。 【scene 06】 プログラミングでマップ作り 二人でパソコン画面を開きます。「まずは、スプライトで何か目印を作ってみて」ともおでる。「じゃあ、この赤い丸にする」と主人公。「そして、写真を追加して」。「うん、できた」。「使うブロックはこれ。『このスプライトがおされたとき』」。「赤丸がおされたときってことだね」。「そして、『次のコスチュームにする』。これで写真が表示（ひょうじ）されるんだ。やってみて」ともおでる。マップの赤丸をクリックしてみて、「あ、写真が出た！」と主人公。「この調子で、どんどん作っていこう」ともおでる。 【scene 07】 本当にみんなの命を守れる？ 30分後。「できた！　見てみて」と主人公。「お、どれどれ？」。マップを見て赤丸をおしてみるもおでる。「ここをおすと…さくがない水路。ここは…避難所（ひなんじょ）。ここは…地下道か」。「いい感じにまとめられてるでしょ」と主人公。でももおでるは、「たしかにきけんな場所がたくさんあることはわかったけど、みんなに見てもらえるのかな…」と考えこみます。「えーっ、何がいけないの？　写真がたりない？」と主人公。「そういうわけではないけど…」ともおでる。すると、「ムムム。その防災（ぼうさい）マップで本当にみんなの命を守れるのかな？」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャンガ～、フン！」。 【scene 08】 ハザードマップの工夫～話し合うきっかけに 市内を大きな川が流れる大阪府高槻（たかつき）市。この高槻市のハザードマップにはある工夫がかくされています。それは、シール。「危険箇所（きけんかしょ）」、「避難所（ひなんじょ）」などのシールにコメントを書きこみ、自分だけのマップを作れるのです。「地図で見るだけだと『ふーん』という感じで終わってしまう。これを見てどうしたらいいのか、家族と話をするきっかけにしてもらう」と市の防災担当（たんとう）の北村さん。「みんなが話し合うきっかけになるってことが大切だよね」ともおでる。「それなら、クイズを入れるのはどう？」と主人公。「いいねぇ。みんなでいっしょに考えられそう」。 【scene 09】 こんなところにSTEAM 「やばい やばい！」。男の子が見ているタブレットでは学校が水びたしです。これは水害の様子を疑似（ぎじ）体験できるアプリ。国が想定する最大の浸水（しんすい）5.8ｍで見てみると…。１階から階段（かいだん）をのぼりながら、「まだ水の中」。浸水は２階まで！　とてもリアルです。この仕組みはAR＝拡張現実（かくちょうげんじつ）の技術（ぎじゅつ）。カメラをかざすと人や物の形を認識（にんしき）。その形や動きに合わせて水の３DCGを合成しているのです。リアルに見せるために、水が光る様子や流れの速さにもこだわっています。現実とバーチャルの組み合わせ。これも防災（ぼうさい）に役立つアイデアです。 【scene 10】 みんなは、どんなもの作る？ 「ねぇ、クイズやってみてもいい？」ともおでる。「もちろん！　どれにする？」と主人公。「うーん、どれにしようかなぁ」。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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ぼうさい②

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水害にそなえるデジタル防災マップを作った主人公。みんなに見てもらうため、町の立体模型に「プロジェクションマッピング」をすることに。どんな発見があるのか･･･？

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～デジタル防災マップを作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。町のみんなが水害（すいがい）にそなえられる、“デジタル防災（ぼうさい）マップ”作りに挑戦（ちょうせん）。調べたことやハザードマップの情報（じょうほう）がとびでるしかけを作っています。 【scene 02】 マップを見やすくするには？ 「うーん…」と主人公がなやんでいます。「どうした？　行きづまってるね」ともおでる。「きのう作ったデジタル防災（ぼうさい）マップを掲示板（けいじばん）でみんなに見てもらったんだけど、そのコメントが…」と主人公。コメントを見てみると、『クイズが見づらいな…』、『ボタンがわかりにくい』、『何から見たらいいのかまよう！』…。「なんか『見づらい』って意見が多いね」ともおでる。「どうしたらもっと見やすくできるのかなぁ」と考える主人公。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「そんなときは、プロのわざをヒントにしてみよう」と言います。 【scene 03】 デザインのプロにきいてみよう 教科書にのっている、人間の体のしくみについて説明（せつめい）しているイラスト。複雑（ふくざつ）な臓器（ぞうき）をかんたんな形にしたり、色分けしたりしてわかりやすくデザインされています。これを手がけたグラフィックデザイナーの木村博之（きむら・ひろゆき）さんに、主人公が作ったマップを見てもらいました。「いいねぇ。なんかおもしろそうだぞ。写真が出てくる…。あ、クイズですか。なかなか考えたね」と木村さん。でも、「ただ、これだと見づらいなぁ」と言いました。「じゃ、ここからアドバイスしていこうか」。 【scene 04】 プロのわざ～ピクトグラムを作る 木村さんからのアドバイス。『ピクトグラムを作る』。同じ赤い丸ばかりでは、よくわかりません。そこで役に立つのが、ピクトグラム。ピクトグラムとは、情報（じょうほう）や指示（しじ）、案内（あんない）などを、かんたんな形で表したもの。ピクトグラムを作るときのコツを木村さんに教えてもらいます。「ぱっと見て何の説明（せつめい）もなくて、『こうしないといけない』とすぐにつたわってくるものを目指さないといけませんね」（木村さん）。 【scene 05】 ピクトグラムを作ってみよう！ 「ピクトグラムかぁ。ぼくも作ってみよう！」と主人公。「足もとが危険（きけん）な場所がたくさんあったよね」ともおでる。「そうそう。くつのイラストに、危険を表すマークをつけるのはどうかな？」と主人公。「いいね。『足もと危険』のピクトグラムだ」。さっそくマップに入力します。「見て！　いろんなピクトグラムを作ったよ」。マップにいろいろなピクトグラムが書きこまれています。「“Q”は、『クイズ』だね。“ネズミ”はチュウチュウ…『注意』だね。デザイナーになった気分だね」ともおでる。 【scene 06】 プロのわざ～プロジェクションマッピング 「これだけいろんなくふうをしたんだから、マップをバーチャル空間で見せるとか、もっとカッコよくできないかな？」と主人公。するとまたレディー・ガチャがあらわれました。「それならプロジェクションマッピングがヒントになるかも。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。フランスのリヨンにある教会。この教会が夜になると…、光りかがやいて動き出しました。これはプロジェクションマッピングという技術（ぎじゅつ）。建物（たてもの）にプロジェクターで映像（えいぞう）をうつしだすことで、みんながびっくりするような迫力（はくりょく）ある演出（えんしゅつ）ができるのです。 【scene 07】 プロのわざ～立体模型にうつしだす このプロジェクションマッピングに、あるものを組み合わせるアイデアがあります。そのあるものとは…立体模型（もけい）。「地図を高さの情報（じょうほう）といっしょに見てもらう。高さを推測（すいそく）するのではなくて、そのものを見ることができるので、よりリアルにわかる」と、大道寺覚（だいどうじ・かく）さん。大道寺さんが手がけた、長さ10ｍの巨大な立体模型。そこにうつしだされたのは、日本列島のさまざまなデータ地図。新たな組み合わせが可能性（かのうせい）を広げているのです。「プロジェクションマップにすることによって、データをかえればいろんな地形模型ができる。100種類（しゅるい）でも1000種類でもできる」。 【scene 08】 立体模型を作ろう！ 「ぼくも立体模型（もけい）を作る！」と主人公。まずダンボールに白地図をはって、等高線にそってカッターで切っていきます。これを等高線ごとにくりかえして、全部切ったら重ねてはっていきます。「うまくいった！」。川の部分に青いテープをはったら…、「できた！」。「この模型のすごいところは、何と言っても、高さがわかるところだよね」ともおでる。「いちばん高いところは標高（ひょうこう）150ｍで、模型では５cm。てことは、高さ100ｍの通天閣（つうてんかく）は３cmくらい」と主人公。「へぇ、この山、けっこう高いんだ。ほかのものをおいてみるとイメージしやすいね！」ともおでる。 【scene 09】 デジタルマップをうつしだすと？ 「みんなの町の立体模型（もけい）、準備（じゅんび）できたね！」とレディー・ガチャがあらわれました。「うん。プロジェクションマッピングしたい！」と主人公。「了解（りょうかい）！　スイッチ、ガチャ！」。レディー・ガチャが立体模型に地図を重ねてうつし出します。「お～！」とよろこぶ主人公。「模型と地図がぴったり合っているね」ともおでる。「ハザードマップを出してみよう！　まず、浸水（しんすい）が予想されるところ」と主人公。『浸水』のボタンをおすと、浸水想定区域（くいき）がうつしだされました。「おぉ～。川の近くに色がついている。やっぱりひくい土地は注意が必要（ひつよう）なんだね。山のほうは真っ白だ」ともおでる。 【scene 10】 立体で見て危険な場所を実感 「次は、土砂災害（どしゃさいがい）の危険（きけん）がありそうなところ」と主人公が『土砂災害』のボタンをおします。「あ、山のほうに色がついたね！　なるほど。立体模型（もけい）にうつしてみると、斜面（しゃめん）の危険が実感できるよ」ともおでる。そこへレディー・ガチャがあらわれて、「よくがんばった！　学校のみんなに見てもらおう！」と言いました。 【scene 11】 学校のみんなに見てもらった 関西（かんさい）大学初等（しょとう）部のみんなに見てもらいます。暗くして立体模型（もけい）にハザードマップをうつしだすと…。「わぁ～！　すごーい！　チュウイって書いてある！」。航空（こうくう）写真にすると…。「おぉ～！」。「こう見たら田んぼだらけ」と新たな発見もあったようです。そして浸水（しんすい）予想を見てみると…。「おおぉ～！」ともっとびっくり。「学校ギリギリや」。「うちの家、ぜったい水くるって」。「この星のマークのところににげれば」。この星マーク、何かというと…。「あー」。みんなの知っている公園。こうして見ると、高くて安全そうなところが避難（ひなん）場所になっているとわかりますね。 【scene 12】 みんななら、どんなもの作る？ みんなで見ると、いろいろな発見がありました。防災（ぼうさい）に役立てるアイデアはあるか、関西（かんさい）大学初等（しょとう）部のみんなに聞いてみました。「ぼくが作るとしたら、等高線、高さとか、川の流れの速さをくふうして入れたい」。「浸水（しんすい）・土石流（どせきりゅう）とかをいっきに重ねて、どれとどれがあぶないかがわかるようにしたい」。いろいろな意見が出ました。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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ゴミ箱①

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地球にあふれるゴミをなくしたい。そのためには分別が大切。だけど細かく分けるのは面倒くさい･･･。そこで磁石を利用した自動分別マシンづくりに挑戦！果たして･･･？

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 ゴミをいっしゅんでなくす方法？ ここは、みんなの役に立つものを、知恵（ちえ）をしぼって作る「ツクランカー」の部屋。主人公がゴミをゴミ箱にすてました。すると、いっぱいになっていたゴミ箱がたおれてしまいます。「うわぁ！　ゴミがあふれているよ」と、ゴミの中からもおでるが顔を出します。「ごめーん。でも、ゴミってすぐにあふれちゃうんだよね。いっしゅんでなくす方法（ほうほう）ないかなぁ」と主人公。「いいねぇ。考えてみようよ」。そこへ、「ガチャンガチャン～！」とレディー・ガチャがあらわれました。「まずは、ゴミがあふれるってどういうことか、こんな場所で考えてみない？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 ゴミの大問題～宇宙 その場所は、宇宙（うちゅう）。ここでもゴミが大問題になっています。たとえばロケットの部品や、役目を終えた人工衛星（えいせい）。５万以上（いじょう）の“宇宙ゴミ”があふれています。あふれる宇宙ゴミは何が問題なのでしょう。JAXA追跡（ついせき）ネットワーク技術（ぎじゅつ）センター研究開発員の植本有海（うえもと・ありみ）さんが見せてくれたのは、「東京上空を見上げたときに、宇宙ゴミがどこに分布（ぶんぷ）しているか表した図です」。もしも宇宙ゴミがしょうとつして人工衛星がこわれてしまったら…。「天気予報（よほう）やカーナビなど、人工衛星のデータによってえられるべんりな機能（きのう）が使えなくなってしまいます」。 【scene 03】 ゴミの大問題～海 「ぼくたちのべんりな生活が宇宙（うちゅう）ゴミでだいなしになるなんて…。ぼくたちにできることは何だろう？」と考えこむ主人公。「もっと調べてみようよ。このゴミもあふれているよね？」とゴミの一つを手にしてもおでるが言いました。「プラスチックか。調べてみる」。主人公がタブレットを開きます。出てきた映像（えいぞう）は…。「うわぁ、海の中にプラスチックゴミがいっぱい。すごい量（りょう）」。「紙とちがってプラスチックは分解（ぶんかい）されないからね。海の中にのこりつづけるんだ」ともおでる。「ウミガメだ。ういているのはクラゲ？　じゃなくてビニールぶくろか。あ、食べちゃった！」。 【scene 04】 ゴミがなくなるゴミ箱を作ろう！ 「ゴミでおなかいっぱいになって、本来必要（ひつよう）な栄養（えいよう）がとれなくなると心配されているらしいよ」ともおでるが言います。すると主人公が、「ねぇ、ゴミがなくなるゴミ箱を作れないかな」と言いました。「ゴミが、なくなる？」。「たとえばブラックホールみたいに、ゴミがすいこまれて消える！」。「おぉ～」。すると、「おもしろいこと考えているね。ゴミがなくなっていく、すごい町があるよ」とレディー・ガチャがあらわれました。「え、ブラックホールがあるの？」。「あるかもね。ガチャン！」とガチャ玉を出します。 【scene 05】 ゴミをなくすくふう～分別の徹底 徳島県上勝町（かみかつちょう）。大きな施設（しせつ）に町の人たちがやってきました。何をしているのでしょう。ゴミの分別（ぶんべつ）です。その数、なんと45種類（しゅるい）。たとえば、紙ゴミだけでも全部で９種類にも分別しています。ゴミを分別すればリサイクルして資源（しげん）になります。分別を徹底（てってい）したこの町は、ゴミの８割（わり）を資源にかえています。つまり、ゴミをなくしているのです。町の人の家でも、ゴミ箱の数は８つ。さらに、使い終わったラップは分別のためにきれいにあらいます。「油がついているとリサイクルに使えないので、何回もあらってきれいになったらかわかす」（町の人）。 【scene 06】 アルミかんとスチールかん 「分別（ぶんべつ）でゴミを消すのはぼくにもできるかも！」と主人公。すると、「これは？」ともおでるがジュースの空きかんを持ってきました。「かんは、ここ」と分別する主人公。ところが、「ピピーッ」ともおでるがイエローカードを出します。「かんの種類（しゅるい）、確認（かくにん）した？　よく見て」。かんのリサイクルマークを見た主人公は、「アルミとスチール、ちがうんだ」と気がつきました。「ペットボトルだってもっと分別できるんじゃない？」ともおでるが言います。「うーん、分別、めんどうくさいかも…。そうだ、自動でできないかな。たとえば風の力や磁石（じしゃく）の力を使うとか？」と主人公。 【scene 07】 自動分別のポイント～磁石 すべり台の上から落とした空きかんが、『スチール』と『アルミ』に分けられたボックスに落ちました。「よし。自動分別（ぶんべつ）マシン、できた！」と主人公。「わぁ、見せてよ」。「まずはアルミかん。いくよ」。主人公がアルミかんを落とすと、下の『アルミ』の箱に入りました。「次はスチールかん。見てて」。主人公がスチールかんを落とすと…。「えっ、スチールの箱に入った！　どうやって自動で分かれるようにしたの？」ともおでるはびっくり。「えへへ。このすべり台、うらに磁石（じしゃく）をつけておいたんだ。スチールかんは鉄。磁石にくっつくから、引っぱられて手前の箱に落ちるってわけさ」。 【scene 08】 自動分別のポイント～すべり台の角度 「自動分別（ぶんべつ）のもう一つのポイントは、すべり台の角度。磁石（じしゃく）の個数（こすう）とすべり台の角度。いちばんいい組み合わせをさがし出したんだ。４日間もかかったよ」と主人公が言います。「おぉ、がんばったね」と言ったもおでるが、「じゃあさ、このツナかんもやってみてよ。スチールかんだよ」とツナかんを運んできました。「まかせて！」と主人公。ところが、「あれ？　くっついちゃった」。ツナかんはすべり台のさいごのところでくっついて止まってしまいました。「何がいけないんだ？」。 【scene 09】 こんなところにSTEAM① 沖縄県那覇（なは）市にある、観光（かんこう）客に人気の国際（こくさい）通り。観光客が来てうれしい反面、あふれるゴミが地元では大問題になっていました。そこで、解決（かいけつ）するために、『IoT（アイ・オー・ティー）』を使った実証実験（じっしょうじっけん）が行われました。「インターネットにつながるIoTを使ったゴミ箱が課題（かだい）を解決できるようになればと考えて作ってみました」と日下規男（くさか・のりお）さん。IoTは、『インターネット オブ シングス』の略（りゃく）。たとえば、冷蔵（れいぞう）庫やエアコンがインターネットにつながるとすごいことができると期待されています。 【scene 10】 こんなところにSTEAM② 今回の“IoTゴミ箱”、まずはセンサーでゴミの量（りょう）を計測（けいそく）。そのデータはインターネットを通じて監視（かんし）センターに送られます。すると、はなれた場所からもゴミの量がひと目でわかります。これならゴミ箱があふれる前に、回収（かいしゅう）業者へ連絡（れんらく）できるのです。IoTは、ゴミ箱だけではなく、ほかにも活躍（かつやく）が期待されているそうです。「たとえばメガネがインターネットにつながることで、次に行く道や最新（さいしん）のニュースが目の前に自動で出てくるとか、インターネットにつながることでなんでもできます」（日下さん）。なんだかワクワクしますね。 【scene 11】 みんなは、どんなもの作る？ 主人公がツナかんをすべり台から落とすと…。みごとにスチールかん用の箱に落ちました。「よし、ツナかん成功（せいこう）！」と主人公。「おぉ、何をかえたの？」ともおでるが聞くと、「磁石（じしゃく）を２こにへらしたんだ」と主人公。つづけて、「それっ」とジュースかんを落とす主人公。ところが、「あれ？　今度はジュースかんがうまくいかなくなった。なんでだ？　今度はなにがいけないんだ…？」。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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ゴミ箱②

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テーマは「ゴミ箱」。ワクワクする「仕掛け」をつけて「つい分別したくなる」ゴミ箱を作りたい！使う人の意見を聞き改良を繰り返していく。果たして、友達の反応は･･･？

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～分別するゴミ箱作り ここは、みんなの役に立つものを、知恵（ちえ）をしぼって作る「ツクランカー」の部屋。地球上にあふれるゴミをなくしたい。今回は、ゴミ箱作りに挑戦（ちょうせん）しています。ゴミは、分別（ぶんべつ）すればそれぞれが資源（しげん）になって、ゴミではなくなります。そこで、空きかんを分別できるゴミ箱を、磁石（じしゃく）の力を利用（りよう）して作ってみました。 【scene 02】 分別のくふう～風の力 「次は風の力を使って分別（ぶんべつ）できないかな。ゴミって種類（しゅるい）によって重さがちがうでしょ。ジャーン！」と主人公が大きくふくらませたゴム風船を取り出しました。「風でとばしたら、重いゴミは近くに、軽いゴミは遠くに分別できるはず」と言います。「やってみよう！」。「それ！」と風船の口を開いて、風をつくえの上のゴミにぶつけます。ところが、ゴミは全部ふきとばされてしまいました。「ぜんぜんうまくいかないね」ともおでる。そこへ、「それもいいけど、ほかの方法（ほうほう）もいろいろあるんじゃない？」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 03】 人の行動をかえるくふう～“仕掛け” 大阪大学で話題となったゴミ箱。ふつうのゴミ箱とのちがいは…。ゴミ箱の上部に、バスケットボールのゴールネットがセットされています。これはゴミを投げ入れたくなりますね。このゴミ箱を考えたのが、大阪大学教授（きょうじゅ）の松村真宏（まつむら・なおひろ）さん。人の心を刺激（しげき）して行動をかえる、“仕掛（しか）け”の研究者です。「ついしたくなる、人の行動を引き出してくれるもの。それが“仕掛け”なんです」。 【scene 04】 分別のくふう～ワクワク心を引き出す 松村さんが見せてくれたのは、イタリアのローマにある観光（かんこう）名所をヒントに作った仕掛（しか）け。口の奥（おく）に消毒液（しょうどくえき）をかくしておき、口に手を入れるとセンサーが反応（はんのう）して消毒液が出てきます。病院の入り口においたところ、消毒してくれる人が16倍にふえたそうです。“仕掛け”ってすごい！ 「分別（ぶんべつ）がめんどうくさいと思うのは、それがおもしろくないから。楽しいもの、ワクワク心を引き出してくれるようなものをうまく利用（りよう）してゴミ箱と組み合わせることができれば、勝手に分別もしてくれるようになるんじゃないかと思います」。 【scene 05】 ワクワクさせるなら、かいじゅう！ 「ワクワクを仕掛（しか）ければ、分別（ぶんべつ）をしたくなるゴミ箱を作れるんだ！」。考えをまとめ始める主人公。「ワクワクならこれでしょ！」。主人公がかいたのは、かいじゅうの絵。「かいじゅう？　どうして？」。「だって口がパクパク動いてかいじゅうがゴミを食べちゃったら、みんなワクワクしそうじゃない？」。どんな仕組みがいいかしばらく考えた主人公は、「ジャーン！　第一号ができたよ」と言いました。「ただのダンボールの箱じゃない？」ともおでる。「まぁ見てて。パクパク、パクパク」。箱のうしろのひもを引くと、箱が口のように動きます。「なるほど、かいじゅうの口か。ついつい手を入れたくなるね」。 【scene 06】 自動で動かす～プログラミング 「このひもは自動で動かしたいんだ」と主人公がタブレットで何か調べ始めました。「そんなときは、プログラミングだね」ともおでる。「マイクロビットにダウンロード！　もおでる、見てて。それ！」。主人公がスイッチをおすと…。「うわぁ、すごい！　パクパク動いた！」。ゴミ箱かいじゅうの口が開いたりとじたりしました。「モーターとマイクロビットをつないで、自動で開けしめする仕組みなんだ。ゴミをすててみて」と言われ、「OK！　紙はもえるゴミだから」とゴミをすてようとするもおでる。ところが、「あれ？　ダンボールがじゃまでラベルが見えない。これじゃ分別（ぶんべつ）できないよ」。 【scene 07】 分別しやすく作り直す 「しまった。そもそも分別（ぶんべつ）するために作ってたんだった…」と主人公が頭をかかえます。「それなら、ゴミぶくろが見えるようにすれば…」とダンボールをカットしなおす主人公。「これでどうだ？」ともおでるに見せます。「これなら分別のラベルも見える。かいじゅうの歯も迫力満点（はくりょくまんてん）でいい感じ！」ともおでる。「でしょ～。もえるゴミはこっち。不燃（ふねん）ゴミは資源（しげん）になる」とゴミを分別する主人公に、「学校のみんなにも感想を聞いてみようよ」ともおでるが言いました。「楽しみだなぁ」。 【scene 08】 ものづくりのコツ～使う人の意見を聞く 主人公がもどってきました。「はぁ…」。「あれ？　なんだか元気がないね」ともおでる。「感想をもらったんだけど」。主人公がタブレットを開いて見せます。『歯でケガをしたらたいへん』。『音がないとドキドキしない』。『開けしめするだけだとあきる』…。「なるほど。何かあきさせないくふうを考えなきゃいけないね」ともおでる。「よーし、やるぞ！」。すると、「ここで、ものづくりのコツを伝授（でんじゅ）！　作ったら、使う人の意見を聞く。修正（しゅうせい）したら、また意見をもらう。それをくりかえすと、いいものづくりがみんなもできるんだ。ガチャンガー、ガチャン！」とレディー・ガチャが言いました。 【scene 09】 ものづくりのコツ～意見をもとに作り直す 「できた！　もおでる、ほら。ジャーン！」。第二号を見せます。「うわぁ、大きい！」とびっくりしたもおでるが「歯はどうしたの？」と聞くと、「ケガしないよう、やわらかい材料（ざいりょう）にかえた」と主人公。「あきちゃうっていう意見もあったよねぇ」。「ふふ。それもちゃんと考えたよ。この超（ちょう）音波センサーに手をかざすと…」。「うわ、開いた！」。かいじゅうの口が開き、数字がカウントダウンされていきます。「ここの数字は何？」ともおでるが聞くと、「…６、５、４。カウントがゼロになる前に、あることに挑戦（ちょうせん）してもらうんだ。みんなきっとワクワクするぞ」と主人公が言いました。 【scene 10】 ゴミ箱にパズルを仕掛けた！ 筑波（つくば）大学附属（ふぞく）小学校のみんなに第二号を見てもらいました。「うん？みんな何もりあがってるの？」ともおでる。「ゴミ箱の上にパズルを仕掛（しか）けたんだ。カウントがゼロになるまでにパズルをとくと…」。「ゴミをすてるあなを見つけるんだね」ともおでる。「もし時間内にとけないと…」。かいじゅうの口がとじてしまうのです。みんなに感想を聞きました。「ゴミをすてるってあまりよくないイメージだったけど、これを使って楽しくなったのでよかった」。「『これはなにゴミ』みたいなのを考えなきゃいけないから、すてようとしているものがどの種類（しゅるい）なのかおぼえられるのはいい」。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ もっとよくするアイデアがあるか聞いてみると…。「ほかの国の人だと文字が読めないから、写真もいれたほうがいい」という意見。「それは気づかなかった」と主人公が言います。さらに、「高さが高すぎて、設置（せっち）するときにじゃまだと思われてもこまるし、もう少し小さくしたほうがいい」という意見でした。みんな、ありがとう。主人公が次に作っているのは…。「小さいけど、動いてワクワクするゴミ箱。どうかな？」。「挑戦（ちょうせん）は終わらないんだね。すごいなぁ」と感心するもおでる。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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からくり①

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主人公は幼稚園の子どもたちを楽しませるため、「からくり」で動くおもちゃ作りに挑戦。まとめたアイデアは…。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 みんなの役に立つものを作る部屋 ここは、みんなの役に立つものを、ちえをしぼって作る「ツクランカー」の部屋。ツクランカーといっしょに作るのは「もおでる」。たのもしい相棒（あいぼう）です。そしてもう一人の正体は…。「うーん、何を作ればいいのかなぁ」と女の子がなやんでいます。「卒業（そつぎょう）した幼稚園（ようちえん）の子どもたちに会いにいくんだけど…」。子どもたちをよろこばせるにはどうしたらいいかなやんでいるのです。「歌を歌うのは？　紙しばいなんかどう？」ともおでる。「いいかも。あ、おもちゃなんてどう？　どんぐりでこまを作ったり、風やゴムの力で動くおもちゃも作ったよね。動くおもちゃがあるとよろこぶんじゃないかな」。「自分で動かせるおもちゃがいいね」ともおでる。すると…。 【scene 02】 「からくり」ってどんな動き？ 「ガチャンガチャンガチャーン！」と、「レディー・ガチャ」があらわれました。「今日もガチャっとお助け。AI搭載（とうさい）のレディー・ガチャじゃけん。動かせるおもちゃなら、『からくり』はどう？」と言います。「からくり？　それってどんな動き？」。 【scene 03】 機械じかけで人形が動き出す！ 「からくり」とは、動くしくみのこと。たとえば、およそ100年前に作られた大きなからくり時計。ドイツのある町の広場にあるこの時計は、決まった時間になると人形たちがいっせいに動き出します。中にある機械（きかい）じかけが「からくり」で、16世紀（せいき）の王様とおきさき様のけっこんパレードの様子を再現（さいげん）。このからくりを見るために人々が集まる、今も町のシンボルです。 【scene 04】 昔も今も人を楽しませる「からくり」 日本のからくり「弓ひき童子（どうじ）」。人形が弓に矢をつがえ、数メートルはなれた的（まと）をねらって放ちます。みごと命中！　このからくり人形、江戸時代に考え出されたものです。からくりには、力のもとである「動力」があり、それを使って動く「しくみ」があります。「文字書き人形」というからくり人形は、おもりが動力となっています。からくりはおよそ2000年前の古代ローマにもありました。水蒸気（すいじょうき）を動力にして羽を回転させるしくみでした。現代（げんだい）にも、ハンドルを回して鳥のようなつばさを動かすしくみのからくり人形があります。昔も今もからくりはみんなを楽しませています。 【scene 05】 お店の看板にも「からくり」？ 意外なところにもからくりは活躍（かつやく）しています。富山県南砺（なんと）市の和菓子（わがし）屋さんの店先にあるからくり。木の板が動いて、『田舎（いなか）まんじゅう』、『ようこそ』という字が表示（ひょうじ）される看板（かんばん）です。おまんじゅう屋さんのからくりですが、木の板が動く音につられて、つい客が足をとめるというわけです。「ひとり分のはたらきをしていると思います。給料（きゅうりょう）をはらわなくてよい“従業員（じゅうぎょういん）”だと思っています」とお店の人。 【scene 06】 回転する動きが前後の動きに 「ガチャ！」。レディー・ガチャが大きなガチャ玉をくれました。「ん？　これなあに？」。「何だろう？　組み立ててみよう」。中に入っていた二つおりの板を広げ、たたんであるぼうをのばし、そのはしの木くぎを板の上の回る円板のあなにさして固定（こてい）します。ぼうの先は板の上の２本のピンのあいだを通します。ぼうのはしのつまみを回すと、円板が回り、ぼうの先が前後に動きました。板の上の２本のピンを手前の位置（いち）にさしてつまみを回すと、さっきよりもぼうの動きが大きくなりました。「おもしろーい。同じ回転なのにこんなに動きがかわるんだ」。「もっとたくさん、からくりのしくみをしりたいよね！」。 【scene 07】 「てこのはたらき」や「カム」を使って 手に持ったおぼんの上に茶わんをおくと動き出す「茶運び人形」。茶わんを取ると動きがとまり、おくと動き出します。その動きのしくみは…。お茶をおくとうでが下がります。すると、ひもにつながった止め棒（ぼう）が上に持ち上がります。止め棒が持ち上がると、止まっていた歯車が回り始めて人形が進みます。このしくみ、みんなが習う「てこのはたらき」が使われています。茶わんの重さがかたにつたわり、止め棒を持ち上げているのです。字を書く人形のしくみも見てみましょう。人形の下にあるのは「カム」とよばれる部品。少しへんなこの形が棒を上下させて人形を動かします。カムがあるとゆたかな動きができるのです。 【scene 08】 カムでからくりを作った 「よし！　わたしもカムでからくりを作ってみよう」。紙にかかれたいろいろな形を切りぬき始めました。「何これ？」ともおでる。「“からくりの素（もと）”。これを組み立てるとかんたんなからくりができるんだって」。そしてできたのは…。「なんか、カタツムリみたいな形」。箱の中のカムが重要（じゅうよう）です。箱の外の紙の円板を回して中のカムを回すと、箱からつきでた四角い棒（ぼう）が上下に動きます。回す動きが上下の動きになりました。次は、カムを２まい使ってみました。今度は四角い棒が、右、左、右、左と左右に首をふるように動きます。「なんだかおもしろいおもちゃができそう！」。 【scene 09】 芯がとがりつづけるシャープペンシル ひと味ちがうシャープペンシル。ふつうのシャープペンシルで書いた字とくらべてみると、こちらのほうが、字がこいことがわかります。芯（しん）の先を見ると、このシャープペンシルの芯は真ん中がとがっています。ひみつは、少し上の部分。小さなギザギザの部品が入っていて、文字を書くときにペン先をおす力を回転の力にかえて、書きながら芯をとがらせているのです。「シャープペンシルを使っている人は、手元を持ちかえたりにぎりなおしたりして線の太さがかわることを無意識（むいしき）に気にしている」。そう気づいた井澤弘壮（いざわ・ひろたけ）さんが開発しました。2008年に発売されたこのシャープペンシルは、今も多くの人にあいされています。 【scene 10】 みんななら、どんなもの作る？ 「こんな感じでいいかい？」。もおでるが棒（ぼう）をかまえています。「ばっちり！　こっちにボール」。少しはなれたところにボールをおきます。「なになに～？」。「OK。動かないで」。イラストがかきあがりました。「どう、このアイデア？」と絵を見せます。「スイカわりのシーンだね」。タイトルは、『夏のおもいで』です。「動きはこう…。スイカの場所をさぐろうと首を左右にふる。そして棒をふりあげて、スイカをパカッとわる！」。「おー、いいねぇ。よし、これをからくりで表現（ひょうげん）するには…」。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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からくり②

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幼稚園の子どもたちを喜ばせようと「からくり」を使った動くおもちゃに挑戦。「スイカ割り」をテーマにしたからくり人形をつくることにしたが…。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～からくりのおもちゃを作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今回は、幼稚園（ようちえん）の子どもたちをアッとおどろかす、からくりのおもちゃを作っています。スイカわりの様子を、からくりを使って表そうというのです。まずは、箱の中のカムを回すと箱からつきでた四角い棒（ぼう）が上下に動くからくりで、スイカがわれるしくみを作ろうとしているのですが…。 【scene 02】 『小さく作って考える』 試作品（しさくひん）が大きすぎた？ 「いやいや。迫力（はくりょく）あるほうが子どもたちもよろこぶと思うよ」ともおでる。「それじゃ回してみるね」。女の子が箱の外の紙の円板を回して中のカムを回します。ところが紙で作ったカムがしなって曲がってしまい、中の棒（ぼう）をうまく動かせません。「こまったなぁ。やっぱり大きすぎたかなぁ。でもなんとかしたいよね」と首をひねるもおでる。そこへ、「今日もガチャっとお助け～」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャーン、それっ！」とガチャ玉を出します。中の巻物（まきもの）には、『小さく作って考える』とありました。 【scene 03】 小さな模型で試行錯誤を 大きなものといえば、東京スカイツリー。いったいどうやって日本一の高さを作ったのでしょう。スカイツリーを設計（せっけい）した建築家（けんちくか）の土屋哲夫（つちや・てつお）さんに話を聞きました。土屋さんがまず作ったのは、実物の500分の１の模型（もけい）です。さらに、500分の１のサイズの人や車も作りました。小さく作って考える。模型を作ることで、大きな建物（たてもの）がどう見えるかを想像（そうぞう）することができ、みんなで話し合うときにもイメージがわかり合えます。「小さな模型で何度も失敗（しっぱい）して試行錯誤（しこうさくご）することが重要（じゅうよう）です」と土屋さん。 【scene 04】 からくりアイデア～模型で動きをたしかめる 「そうか。わたしもまず小さい模型（もけい）を作って考えてみる」と女の子。「そうだね。模型で動きを一つひとつたしかめてみようよ」ともおでるも言いました。「じゃあまずは、“スイカをわる人”から。スイカをさがすから首が左右に動くね。そしてうでを上げて、棒（ぼう）でスイカをわる。えいっ。こっちはスイカの部分」と女の子。「下からつきあげると…、パカンとわれる。ばっちりだね。次は下のからくりも作ろう！」ともおでる。 【scene 05】 カムが回っても棒がもどらない 「できた！　うまく動くかな。まずは人の部分。どう？」と女の子。「いいね！　左の２まいのカムで首を左右に動かして、右のカムでうでを上下に動かしているのか」と感心するもおでる。つづいてスイカは…。カムを回転させるとパカンとわれました。でも、「われたのはいいんだけど、とじないや」と女の子。“スイカをわる人”は、カムが回ると上がったうでがちゃんと下にもどります。でも“スイカ”は、カムが回っても棒（ぼう）が下にもどらないのです。「下にもどすにはどうしたらいいんだろう」。するとレディー・ガチャがあらわれました。「ヒントをさがしてガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 06】 からくりアイデア～ばねのもどす力を使う 手回しからくりの作家、橋爪宏冶（はしづめ・こうじ）さんに、うまく動かなかった“スイカ”を見てもらいました。すると、「このからくりにちょうどいいアイデアがあるよ」と言います。見せてくれたのは…。そうじ機（き）が動くとそうじ機本体のふたが開いたりとじたりするからくりです。そのしくみは、カムのとなりにある「ばね」。ばねのもどす力がふたをとじて、カムがふたを開ける。このくりかえしです。 【scene 07】 見せ方にこだわる 橋爪さんは、からくりを作るとき大切にしていることがあるといいます。「山からふきおろす風は、実は鬼（おに）のおならだった」という昔話をもとに作られた『赤城山（あかぎやま）のへっぷり鬼』というからくり。おもしろい動きを見せていますが、これで完成（かんせい）ではありません。ふきおろす風のところに、小さな鬼をたくさんつけました。つけるとどう見える？　鬼がついているほうが、鬼たちがふきとばされて強い風のイメージがしています。「しくみはもちろん、アート的（てき）な表現（ひょうげん）がすごく大事。この２つが組み合わさることで、魅力（みりょく）的なからくり人形ができる」（橋爪さん）。 【scene 08】 ばねの代わりにゴムを使って 「ばねを使うのか…。スイカがとじる動きに使えそう。じゃあわたしは、ばねの代わりにゴムを使ってみるよ」と女の子。スイカを開いたりとじたりする棒（ぼう）にゴムを取りつけて引っぱると、棒がゴムでもどっていい感じです。「よし、ついに完成（かんせい）しました！」と女の子。「やった！　さいごまでいろんなくふうをして作ったよね」ともおでる。「そうなの。見て見て。うでのうしろ、糸をつけたの」。「へぇー。てこのはたらきで棒が大きく動くようにしたんだ。やるねぇ」と感心するもおでる。 【scene 09】 動かしてみると… 「スイカがしまらない問題は？」ともおでるが聞くと、女の子は「ここにゴムをつけたの」と、中のカムの横につけたゴムを見せました。「ゴムの力でとじる動きができるようにしたわけか」ともおでる。「それじゃあいくよ。それ！」。ハンドルを回してカムを回転させると…。「人形はきょろきょろ。棒（ぼう）はためてためて、ふりおろす！　スイカがわれる感じも最高（さいこう）！」と女の子。大成功（せいこう）です。 【scene 10】 みんななら、どんなもの作る？ 「からくりって、アイデア次第でいろんな動きができるからおもしろいね。でも、中にいるのは何？」と、スイカの中からあらわれる人形を見てもおでるが言いました。「スイカ太郎（たろう）だよ。人形を入れたら、もっとスイカがパカッとわれるように見えるでしょ。あ～、待ち遠しい。子どもたち、よろこんでくれるかな」。「よろこんでくれるよ」。そして…。「幼稚園（ようちえん）のお友だち、楽しんでくれた！」。「からくりを作ると、あっとおどろいてハッピーな気持ちにすることができるんだね！」ともおでるもよろこんでいます。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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おと ①

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１年生の弟が教室のドアの音を怖がるのを心配する主人公。ワクワクさせるために、ドアチャイムづくりに挑戦する。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 ドアにワクワクするしかけを作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。「うーん、どうすればいいかな」。主人公が何かなやんでいます。「どうしたの？」ともおでるが聞くと、「１年生の弟が教室に入りたくないって。ドアをらんぼうにしめる子がいて、その音がこわいって言うの」と言います。「教室のドアに何かワクワクするしかけをつけたらどうかな」と主人公。「ドアチャイムは？」。「いいかも！　ワクワクさせるための音。どんな音がいいんだろうね」。そこで二人はレディー・ガチャをよびだしました。「それじゃ、身近なくらしの音からヒントをさがしてみよう。ガチャンガ～、フン！」。レディー・ガチャがガチャ玉を出します。 【scene 02】 身近な音のヒント～目的に合わせたくふう 朝、「ピピピピッ」と目ざまし時計の音。パンをやくと、「チン！」とトースター。横断（おうだん）歩道では、信号機（しんごうき）が「ピヨ、ピヨ、ピヨ…」。何かをつたえるために作られた音。それぞれ目的（もくてき）に合わせたくふうがあります。電子レンジは、「ピーッ、ピーッ」と高い音。いろいろな音の中でも気づけるくふうです。ふみきりの音は、「チンチンチンチン」と速いテンポ。きけんを知らせるためのくふうです。音を出しているのは、鐘（かね）。中を見ると…。電車が近づくとコイルに電流が流れて磁石（じしゃく）になり、金づちを引きよせます。電車がいなくなるまで鐘をたたきつづけるのです。 【scene 03】 身近な音のヒント～学校のチャイムの音 学校にも…放送室のチャイムの音。この音にはどんなくふうがある？　♪ポンポンポンポーンとたたく主人公。「お知らせをしたいときは、この音」。するともおでるが、「順番（じゅんばん）をかえてたたいたらどうなるかな？」と言いました。「やってみるね」。♪ポンポンポーン。音階を下げながらたたいてみると、「わっ、ぜんぜんちがう！」。「今のは『何かが終わったよ』っていう感じ」ともおでる。「じゃあ、これは？」。♪ポンポンポーン。同じ音をつづけて鳴らすと、「お寺の鐘（かね）みたいだ」。そこへ、「じゃあ、もっともっと音をかんさつしてみよう！」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャンガ～、フン！」。 【scene 04】 音のかんさつ～ティンパニ、木琴 いろいろな楽器（がっき）の音はどうやって出ているのでしょう。まず、ティンパニ。たたくと、ボーンと鳴ります。スローで見てみると、たたかれた革（かわ）の表面がふるえているのがわかります。この革のふるえが、音を出しているのです。大きい音と、小さい音。スローで見ると、大きい音は大きくふるえ、小さい音は小さくふるえています。木琴（もっきん）ではどうでしょう。大きい音と、小さい音。スローで見ると、やはり音が大きいほど、ふるえも大きくなっていました。音の正体が見えて来たかな？ 【scene 05】 音のかんさつ～太鼓 トントンと太鼓（たいこ）をたたく主人公。「音が出るっていうことは、何かがふるえているってことなんだ。もおでる、ほら」ともおでるに太鼓の音を聞かせます。「おお、たしかにふるえが空気をつたわってきた！」ともおでる。「でも、太鼓だと１年生はびっくりしちゃうかも」と主人公。「じゃあ、ほかの楽器（がっき）は？」。「琴（こと）は？　えんそう会できいたの。すてきだったな」。するともおでるが、「いいと思うよ。でもどうして、すてきに感じたのかなぁ」とふしぎに思いました。すると、またレディー・ガチャがあらわれました。「じゃあ今度は、琴の音をかんさつしよう」。 【scene 06】 音のかんさつ～琴 13本の弦（げん）をはじいていろいろな音をかなでる琴（こと）。ひみつは弦の長さにあります。長さを２分の１にしてはじくと、音は高くなります。弦の長さを半分にすると、１オクターブ高い音が出ます。長さによって、音の高さが決まっているのです。長い弦はひくい音。短い弦は高い音。見た目のちがいをスローで見てみると、高い音は弦のゆれが速い。ひくい音はゆれがおそいことがわかります。 【scene 07】 琴の音をヒントに作ろう！ 「こんなドアチャイムはどう？」。主人公がドアとチャイムのイラストをかきました。「いいね。琴（こと）をヒントに考えたんだね」ともおでる。「そう。ドアを開けると、琴のやさしい音が鳴るんだ」。「三つ弦（げん）があるから、いろんな音が鳴ってワクワクしそう」ともおでるも気に入ったようです。「どうやって作ろうか」と言うもおでるに、「むふふ」と主人公。何か考えがあるようです。 【scene 08】 こんなところにSTEAM ショートケーキのきれいな断面（だんめん）。どうやって切ったのでしょう。どうやら、このふしぎな形をしたのが、カッター？　ケーキを切ってみると、ふつうのナイフとのちがいは一目瞭然（いちもくりょうぜん）。「ない時代にはもどれませんね。超音波（ちょうおんぱ）カッターを使い始めると」とケーキ屋さん。「超音波」とは、ものすごく速くふるえる音の波のこと。ためしに、水滴（すいてき）をカッターにおくと…、スイッチを入れたとたん、ふるえで消しとびました。 【scene 09】 超音波カッターのひみつ 超音波（ちょうおんぱ）カッターを開発した会社をたずねました。最初（さいしょ）の試作品（しさくひん）は、包丁（ほうちょう）のような形でした。しかし、思わぬ結果（けっか）に…。「超音波の振動（しんどう）にたえきれず、ひびが入ってしまった」と開発メーカーの大屋雄揮（おおや・ゆうき）さん。そこで、超音波がこうりつよく刃先（はさき）につたわる形を追求（ついきゅう）。できあがったのは、ふしぎな形。これが、切れ味ばつぐんのひみつです。わたあめも、みごとにカット！ 【scene 10】 みんなは、どんなもの作る？ 「ちょっとそっちおさえてて」と主人公。「オッケー！」ともおでる。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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おと ②

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テーマは「１年生がワクワクする音づくり」。ことをベースにオリジナルのドアチャイムづくりに挑戦する。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～ドアチャイムを作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今回は、琴（こと）をベースにした“教室のドアチャイム”。教室に入るのをこわがっている１年生のために、ワクワクする音が出るしかけを考えています。 【scene 02】 「ひびきが悪くてワクワクしない」 「よし！　理科で使ったニクロム線の弦（げん）、いい感じ」と主人公。「３本弦があるからどんな音が出るかな。これでためしてみようよ」と、もおでるが棒（ぼう）を取り出しました。「たたくと音がひびきそう」と主人公は弦をたたいてみますが…。「え？　ひびきが悪くてワクワクしない」。「きれいにできているのに。うーん、なんでだろうね」ともおでる。「棒がよくないんじゃない？　指ではじけば…。だめだー」。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「原因（げんいん）がわからないとき、ものづくりのプロはどうしているのかな？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。中には…。 【scene 03】 ものづくりのプロはどうする？ 東京・大田区。この町工場は、金属（きんぞく）を加工（かこう）するのがとくいな会社です。ところがある日、設計（せっけい）通りに作ったはずのネジが、どうしてもネジ穴（あな）に入らないという問題が起きました。ネジ作りの工程（こうてい）は、大きく分けて三つ。まず「図面」で設計し、次に「プログラミング」。さいごに「工作機械（きかい）」で完成（かんせい）させます。どこにまちがいがあったのでしょう。まず、まちがいが起きるパターンをあらいだしました。 【scene 04】 原因をさぐる～工程をチェック 考えられるパターンは、「図面」、「プログラミング」、「工作機械（きかい）」、それぞれの工程（こうてい）を「〇」、「×」で分けると、８通りに枝（えだ）分かれしていきます。一つひとつ順番（じゅんばん）に検討（けんとう）すれば、かならずまちがいの原因（げんいん）に当たるはず。まずは「図面」。確認（かくにん）の結果（けっか）、問題なし。次に「プログラミング」。ここで一人が気づきました。図面変更（へんこう）で穴（あな）が深くなったため、次の工程で刃（は）が空回りしていたのでは？　あらためてネジ穴をたしかめると、思った通り。穴のふちの「面取り」といわれるななめの面があればネジは通るのです。 【scene 05】 原因をさぐる～もれなくたしかめる さっそくプログラミングを直して、問題解決（かいけつ）。「重なりなく、もれなくということが大切だと思います。こういうミスをしたからこうなった、という可能性（かのうせい）が高いところを、まずつぶしていく」と町工場の花岡綾子（はなおか・あやこ）さん。原因（げんいん）の可能性をもれなくたしかめることで、見のがしたり、同じことを何度もたしかめたりしないですむのです。 【scene 06】 音のくふう～弦をかえる 「弦（げん）をかえて、これで解決（かいけつ）！」と主人公。「それ、お兄ちゃんのギターの弦でしょ？　だいじょうぶ？」と心配そうなもおでる。「ちゃんとことわったって」。「なら安心だね」。「ニクロム線よりギターの弦のほうが、ひびきがいいはず。弦の長さもかえたから、高い音もひくい音も出せるはず」。「早く音、聞かせて」。「じゃ、長い弦いくよ」。主人公が長い弦を棒（ぼう）でたたきました。「うん、いいね。ひびいているね」ともおでる。「じゃあ今度は短い弦。高い音が出るはず」。主人公が短い弦をたたきます。「高い音もいい感じ」と主人公。「うん。ワクワクするドアチャイムになりそうだね」ともおでる。 【scene 07】 音のくふう～和音 「３本の弦（げん）を鳴らしてみよう」。ところが、「うわ、ちょっと落ち着かない音だね。なんでだろう？」ともおでる。「一つ一つはよかったのに…。そうだ！」。主人公がランドセルの中をさがして、「たしか音楽の教科書に『和音』のことが書いてあった」と教科書を取り出します。「和音は、高さのちがう音が同時にひびきあう音だね」ともおでる。「たとえば“♪ド、♪ミ、♪ソ”みたいな組み合わせにできたらいいかな？」と主人公。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「いいところに気がついたね。音の組み合わせ。だいじなことは何だろう？　プロに聞いてみよう。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 08】 音のくふう～音の調和 横断（おうだん）歩道の信号（しんごう）の音。交差点（こうさてん）でもしっかり聞こえます。おふろにお湯をはるシステムのお知らせ音。ほかのことをしていても、ちゃんと知らせてくれます。こうした、「その場に合った音」を作る名人がいます。サウンドデザイナーの井出祐昭（いで・ひろあき）さんです。大切にしているのは、音の調和。『調和』とは何でしょう？ 「オーケストラみたいなものです。いろいろな楽器（がっき）があって、それぞれ個性（こせい）がある。個性ばかりだとぶつかる。みんな個性があるのに、全体として一つの曲を作っている。ハーモニーを作っている。これをいちばん心がけています」。 【scene 09】 音のくふう～音がぶつかり合わない かつて、駅では電車の発車時など、けたたましいブザー音が鳴っていました。1989年、井出さんはそこに、『調和』を考えた新しい音を作りました。電車の発車サイン音。それまでとがらりとかわったポイントは、ホームごとに個性（こせい）のある音が同時に聞こえたときにも、調和していること。たとえば、当時の新宿駅11番線の音は…。そのおとなり、12番線の音は…。合わせてきくと…。ぶつかり合わずにそれぞれが聞こえています。これが『調和』なんですね。 【scene 10】 「わおんちゃん」ができた！ 主人公がドアチャイムを運んできました。「できた？」ともおでる。「ジャーン！　名づけて『わおんちゃん』」と主人公。「まず、音。音を聞かせて」ともおでる。主人公が『わおんちゃん』を持ってゆらします。３本の弦（げん）に３本の棒（ぼう）が当たって鳴りつづけます。「できた！」。「やさしい音だね。どうやったの？」ともおでる。「高さのちがう音の組み合わせをくふうした」と主人公。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ 「これ、ドアを開けたりしめたりしたら、自動的（てき）に音が鳴るしかけだね」ともおでる。「そうそう。弦（げん）のはりを調節（ちょうせつ）して、音の高さもかえられるようにした」。「もう一回、聞かせてよ」。「うん。いくよ」とチャイムを鳴らす主人公。「早く弟にも聞かせたい」。「調和した、いい音だねぇ」ともおでる。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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いきもの①

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忘れものが多い主人公。「大きな音で忘れものを知らせてもらえる」ものづくりに挑戦する。そこでヒントにしたのは「いきもの」の仕組み。参考にした「いきもの」とは…？

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 生き物をヒントに「こまった！」を解決 ここは、「ツクランカー」の部屋。今日はどんなものづくりをするのかな。「あれ？　おかしいな。ない！」。主人公がランドセルの中を何かさがしています。「またふで箱をなくしたの？　今日はどこにわすれたんだい？」ともおでる。「学校かな？　家かな？　あ～、もうわすれものなんてしたくない」と主人公がなやんでいると、「ものづくりで解決（かいけつ）したら？」ともおでるがアドバイスします。「そうか、目ざまし時計みたいにわすれものを知らせるものを作ればいいのか」。そこへ、「ガチャーン」とレディー・ガチャがあらわれました。「それなら、生き物をヒントにしてみたらどう？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 生き物のヒント～ムカデ、ハチの巣 地面をはう細長いロボット。何かの生き物ににています。そう、ムカデ！　ムカデの足や節（ふし）をヒントに開発したら、でこぼこ道でも進めるロボットになりました。つづいては、ハチの巣（す）に注目！　雨風にも負けないよう、とてもじょうぶにできているハチの巣。そのひみつは、六角形。どういうことかと言うと…。紙で作ったつつでくらべます。三角形、四角形、六角形のつつ。それぞれに上からおもりをおいていくと、六角形がいちばんじょうぶだとわかります。その仕組みをヒントにしたのが、ハニカム構造（こうぞう）。飛行機（ひこうき）のエンジンにも使われるすぐれものです。 【scene 03】 生き物のヒント～チーター さらに、こんなものづくりにも。愛着（あいちゃく）を持ってもらい、生き生きとした車を作るために、ヒントにしたのが、チーター！　走るときの骨格（こっかく）や筋肉（きんにく）の形をデザインに取り入れました。カッコいい車作りも、生き物をヒントにしていたのです。 【scene 04】 鳴く生き物のアイデアを出し合う 「生き物のヒントか…。わすれものを大きな声で知らせてくれる生き物って何だろう？」。主人公がハチの巣（す）をながめながら考えています。「たとえば、ライオン？　ニワトリ？　コオロギは？」。するともおでるが、「どれもヒントになりそう！　でも、ふで箱とか身のまわりのものにくっつけるものなら、体が大きい生き物はむずかしいんじゃない？」と言いました。「それだったら、コオロギで考えてみようかな」と主人公。「コオロギってどうやって音を出しているんだろう。見てみる？」と主人公がタブレットを取り出しました。「うん。ものづくりの参考（さんこう）にしよう」ともおでる。 【scene 05】 生き物のヒント～コオロギが鳴く仕組み コオロギの鳴く様子を動画で見ます。「お～、いい音色」。「いったい、どんな仕組みで鳴いているんだろうね」。すると主人公が、「２まいの羽が重なってふるえている！」と気づきました。「羽の表面も見てみよう」ともおでる。羽を拡大（かくだい）して見てみると、「わぁ、ギザギザがついてる！」。羽の表面の一部がギザギザになっていました。もう一方の羽は、はしが少しもりあがっています。「そうか。ギザギザをこすって音を出しているんじゃない？　それが羽全体をふるわせているんだよ」と主人公。「なるほど。参考（さんこう）にできそうだね」ともおでる。 【scene 06】 コオロギの鳴き方をヒントに作る 「まず作ってみよう。ギザギザはこれ」。細長く切ったダンボールのでこぼこした面をこすると音がします。それを紙のわくにうすい紙をはった台紙にはりつけます。うすい紙が羽の代わりです。ギザギザをこするとギーギーと大きな音がしました。うすい紙にさわって、「お～、ふるえてる！　羽全体に音がつたわって、大きくなっているね」ともおでる。そこで、ふで箱用に小さくしてみました。ところが音まで小さくなってしまいました。「ほかにもヒントをさがしてみよう」ともおでる。そこへ、「その調子、その調子」とレディー・ガチャがあらわれました。「ヒントをさがして、ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 07】 生き物をヒントにしたものづくりの達人 生き物をヒントにしたものづくりの達人（たつじん）、三角勝（みすみ・まさる）さん。生き物をヒントにさまざまな製品（せいひん）を開発してきました。たとえばイルカのおびれの形でせんたく機（き）の水の流れを強くしたり、キノコのかさをヒントに、より早くかわかせるふとんかんそう機を作ったり。そんな三角さんもせんぷう機の開発には苦労（くろう）したそうです。さいしょにヒントにしたのは、アホウドリ。大きくて長いつばさをまねてせんぷう機の羽を試作（しさく）。たくさんの風を送ることですずしくなると考えたのです。しかし、ためした人からの声はさんざんでした。「バサバサするとか、風速の差（さ）が気持ち悪いというか不快（ふかい）に感じるというか」（三角さん）。 【scene 08】 生き物のヒント～チョウの羽ばたき 次に三角さんが注目したのは、チョウでした。チョウのふわふわとした羽ばたきからヒントをもらおうと考えたのです。そして、ようやくせんぷう機（き）が完成（かんせい）しました。羽を見ると、形がぐにゃぐにゃしています。チョウの羽の形を二つも取り入れて、心地よい風を実現（じつげん）したのです。アホウドリのつばさと、チョウの羽。二つをくらべてみることが、よりよいせんぷう機作りには大切だったのです。 【scene 09】 生き物のヒント～セミが鳴く仕組み 「そうか。ほかの虫ともくらべてみようかな」と主人公。すると、「セミはどう？　大きな声で鳴くよね」ともおでる。「なるほど。調べてみよう」。ミーンミンミンミン…。「小さい体なのにすごく大きい音！」と主人公。「見て！　おなかが動いてる！」ともおでるが言います。「ほんとだ！」。「おなかの中はどうなっているんだろう？」。セミのおなかの中の仕組みを調べてみると、「あ、空っぽになっている！」と主人公。発音筋（はつおんきん）という筋肉（きんにく）をふるわせて、空っぽのおなか全体に音をつたえて大きくしているのです。 【scene 10】 みんなは、どんなもの作る？ 「なるほどね。ということは…。じゃーん！　セミをまねして、空っぽの容器（ようき）をいろいろ集めたよ」と主人公。容器の底（そこ）につけた糸をこすりながら引っぱって音を出してみます。金属（きんぞく）のカップ。木のおけ。小さなプラスチックのカップ。「おー！　いちばん小さいのにすごく大きな音！」。プラスチックのカップがいちばん大きな音を出しました。「コオロギとセミは音の出し方がちがっていたね」ともおでる。「大きな音を出せるセミのほうがよさそう」と主人公。「そこでわたしが作るのは…。わすれものを大きな音で知らせる、セミ型（がた）ロボット！」。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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いきもの②

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180445_00000

セミをヒントに、大きな音で忘れものを知らせる「セミ型お知らせロボット」を作ることにした主人公。音を自動で鳴らすため、プログラミングに挑戦するのだが･･･。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～セミ型お知らせロボを作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今回は、“生き物”をヒントにしたものづくり。セミをヒントに、わすれものを音で知らせてくれるセミ型（がた）ロボットを作ることにしました。 【scene 02】 自動で音を鳴らすには？ 「よし、できた！　この糸を引っぱると…」。セミ型（がた）ロボの口から出ている糸を引っぱると、「ビーッ」と音がしました。「おぉ、大きな音。いいね」。するともおでるが、「ところでこれ、どうやって使うの？」と言いました。「たとえば、ふで箱にくっつけておくでしょ。もしどこかにおきわすれたら、音を出して知らせてくれるの」と主人公。「でも、このセミが自分ひとりで音を鳴らすのはむりなんじゃない？」ともおでる。「あ、そっか…。自動で音を鳴らせたらいいのにな…」。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「これを使ってみたら？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。中には…。 【scene 03】 マイクロビットを使ってみよう！ 「何これ？」と主人公がたずねると、「マイクロビット。これでプログラミングすればいろんなことができるよ」と、もおでるがタブレットを使ってやって見せます。『ハート型（がた）のアイコンを表示（ひょうじ）』というブロックをプログラム画面におくと、マイクロビットが…。「おぉ、ハート型に光った！」。「光るだけじゃなくて音も鳴らせるよ」。「やってみる！」。主人公が『音を鳴らす』というブロックをプログラム画面におくと、マイクロビットが「ビービー」と音を鳴らしました。「これ、使えそう！」。セミにつけてみると、音がより大きく聞こえるようになりました。「これで、音でわすれものを知らせる仕組みができそうだね」ともおでる。 【scene 04】 こんなところにSTEAM～カヌーにかくされた生き物の形～ 生き物のヒントはスポーツの世界にも。急流を自由自在（じざい）に動き回るカヌー。こちらのカヌーは、二つの生き物のくちばしをヒントに作られました。それは、カワセミとカモノハシ。カワセミは水の中にすばやくとびこみ、えものをのがさずキャッチします。そのくちばしの形をカヌーの前方にとりいれました。「カワセミは水に入るまでも速く、入ってからも減速（げんそく）しない。カヌーでいえば100分の１秒でも速くゴールにたどりつきたい」と開発者の窪田佳寛（くぼた・よしひろ）さん。さらに、カヌーの後方はカモノハシのくちばしの形。平べったいくちばしで小回りよく泳ぐカモノハシ。カヌーでも小回りのよさがすごい！ 「今までにない形を作ろうとしたとき、生物の力は偉大（いだい）でした」。 【scene 05】 音が鳴り始めるタイミングは？ 「よし、遠くにおいてみよう」とセミ型（がた）ロボをはなれたところにおく主人公。「テストだね。ちゃんと聞こえるかな」ともおでる。「スイッチオン！」。すると、「ビービビビー」と大きな音が聞こえます。「やった！」と主人公。「うん、よく聞こえる。でもこの音、実際（じっさい）はどんなときに鳴り始めるのかな？」ともおでるが言います。「わすれものをしたときでしょ」。「うん、そうなんだけどさ…」と考えこむもおでる。そこで、「どんなときに音が鳴るのか、もう一度整理してみない？」と主人公によびかけます。 【scene 06】 セミ型ロボはひとりでは何もできない 「まず、このセミ型（がた）ロボをふで箱につけて、どこかに持っていく。そのままわすれてしまったら大きな音を鳴らしてわたしに知らせてくれる、っていうことなんだけど…」。と主人公。すると、「ちょっと待って。このセミは、ふで箱がわすれられていることをどうやってわかるのかな？」ともおでるが言いました。「わたしがふで箱からはなれたらわかるんじゃない？」と主人公。「でも、このセミはひとりでは何もできないんだよね…」ともおでる。「そうか。はなれたこともわからないか…」。そこでもおでるが、「そうだ！」と何か思いつきました。 【scene 07】 マイクロビットをもう一つ使う 「じゃーん！　もう一つ使おうよ。マイクロビットは電波を出せるんだ」ともおでる。「電波？」。「はなれた場所を知らせるマイクロビットと、音を鳴らすマイクロビット。二つあればいいんじゃない？」ともおでるが言います。「えっと…、場所を知らせるマイクロビットはふで箱につける。あ、音を鳴らすセミはわたしが持っていればいいのか」と主人公。さっそく作ってみます。「じゃーん！　ふで箱につけるほうは、メスのセミにしたよ」。ふで箱にメスのセミ型（がた）のマイクロビットをとりつけます。「これがわすれものの場所を知らせてくれるんだね。じゃあさっそく、プログラムを組んでいこう！」ともおでる。 【scene 08】 プログラムを組む～送信・受信 「まずふで箱につけたセミが、その場所の情報（じょうほう）を送る。送信（そうしん）」と主人公。「じゃあ、プログラム画面に『送信』のブロックをおくよ。はい」ともおでる。「わたしが持つセミは、電波を受け取って音を鳴らす。受信」と主人公。もおでるが、『電波を受信したとき』のブロックをプログラム画面におきます。「次はどうする？　どんなブロック？」ともおでる。「うーん。それがよくわからないんだよね」と主人公。すると、「おこまりのようだね。そんなときに役立つものがあるよ」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャン！」と出したガチャ玉の中には…。 【scene 09】 プログラムを組む～フローチャート 『フローチャート』とよばれる、プログラムの設計図（せっけいず）です。条件（じょうけん）を整理するときに役に立ちます。ふで箱につけたセミから電波を受け取ったあとまずやることは、はなれているかどうかたしかめること。『はなれている』なら、音を鳴らす。『いいえ』なら、また電波を受け取る。これをくりかえします。「じゃあまず、音を鳴らすブロックを入れて」と主人公。もおでるがプログラム画面に、音を鳴らすブロックをセットします。「ふで箱をはなれたところにおくよ」と主人公がふで箱をもちだすと、あわてるようすのレディー・ガチャ。すぐに「ビービビビー」とセミが鳴きました。「わすれる前にもう鳴った！」。 【scene 10】 プログラムを組む～「時間」の条件をくわえる 実はもう一つ条件（じょうけん）が必要（ひつよう）なのです。「うーん…」と考える主人公。正解（せいかい）は、『時間がたっている』こと。「そうか。わすれものっておきっぱなしってことだから、時間がたっていることも必要なんだ！」と主人公。プログラム画面に『時間』のブロックを追加（ついか）します。「テストしてみよう」。「今度はうまくいくかなぁ」。ふで箱をはなれたところにおいて10分たつと、「ビービビビー」と手元のセミ型（がた）ロボが鳴きました。「できたー！」。「プログラミングは完成（かんせい）だね」。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ さっそく学校の友だちにためしてもらいます。遠くの教室にふで箱をおいて、少し待ちます。すると…。「ビービビビー」。鳴りました！ 「すげ～！」。おいてきたふで箱をみんなでさがしてもらいます。音を聞きながら、「近い近い！」。「近くなってきた！」。そして…。「あった！」。大成功（せいこう）！　ちゃんと見つかりました。「家のかぎにつけたらいいかも。どこかにわすれたらたいへんだから」。もっとよくするアイデアも聞いてみました。「耳が聞こえない人は音が聞こえないから、電光けいじ板で見たりするといいと思う」。「目で見るだけでわかるし」。なるほど、ありがとう。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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ビー玉ころがし

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今回のテーマは「ビー玉転がし」。ビー玉があっちに行ったりこっちに行ったり。みんなにワクワク・ドキドキしてもらえる装置ができるかな？

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【】 オープニング 今回の『ツクランカー』は、「ビー玉ころがし」。コロコロころがって、あっちに行ったり、こっちに行ったり。わぁ、遊園地みたいだ！　みんなに“わくわく”“ドキドキ”をおとどけするおもちゃ作り。始まるよ～！ 【scene 01】 「ビー玉ころがし」で検索！ 「それっ」。主人公がレールの上でビー玉をころがしていますが、思うようにころがりません。「どうしたの？」ともおでるがきくと、「１年生のために楽しいイベントを考えているんだ。ビー玉を使って楽しいおもちゃを作れないかなぁって思って。でも、これじゃすぐに止まっちゃっておもしろくないよね」と主人公。「どうすれば楽しくなるかな」ともおでる。そこへ、「ガチャン～！　それなら調べてみようよ」とレディー・ガチャがあらわれました。「そんなときは、『ビー玉ころがし』で検索（けんさく）。参考（さんこう）になる動画がいっぱい出てくるよ。たとえばこれ？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 ビー玉ころがしの動画『お菓子の国』 あらわれたのは、からくりママの『お菓子（かし）の国』という動画です。おいしそうなお菓子がいっぱい！ 「スタート！」。ビー玉をスタート地点からころがします。ころがっていくビー玉が上にのぼりました。「あ、上にのぼった！　えっ、もう一つ上？　わ、もっと？」とレディー・ガチャ。ビー玉が三回上がりました。そこからレールをあちこちころがりながらおりていきます。楽しくさせるくふうがたくさん！　材料（ざいりょう）はよく見るといろいろなものが使われています。おうちにあるものもけっこう多いようです。さいごは…「バースデーケーキの出来上がり！」。ケーキの中に玉がゴール。「お見事！」。 【scene 03】 ビー玉ころがしのくふう～落ちない道作り 「よし。材料（ざいりょう）はこんなもんかな？」。主人公がビー玉ころがしの材料をいろいろそろえました。「どんなものを集めたの？」ともおでる。「100円ショップで買った紙皿や、木の小物。それから、わたしが持っているえんぴつや定規（じょうぎ）。台所にあったストローやはし、ラップのしんやダンボールののこり。いろいろ集まったよ」と主人公。まずは、ビー玉のころがる道から作り始めます。「なるほど。ストローをつけると、道から玉が落ちないね」。「いっぱい作って、どんどんつなげよう！　高いところからひくいところにできるだけ長～くつなげていって…ジャーン、完成（かんせい）！」と主人公。 【scene 04】 ビー玉ころがしのくふう～あきないように 「わぁ、ジェットコースターみたい。これならビー玉がずっところがっていけるね」ともおでる。「それじゃ、いくよ。スタート！」。主人公がビー玉をころがし始めます。「行けー、どんどん進め！」。ビー玉はうまくさいごまでころがり、ゴールのカップに落ちました。「やったぁ！　もおでる、見た？」とよろこぶ主人公。するともおでるが、「うーん。うまくいったけど、何回もやるとあきちゃうかも」と言いました。「そうか…おもしろくしたいな。なんであの動画はよかったんだろう？」と主人公。「そんなときは動画を何回も見るといいんじゃない？」ともおでるが言いました。「そうだね。見る見る！」。 【scene 05】 ビー玉ころがしのくふう～ビー玉を高いところへ 動画をもう一度見てみます。「えーと…。ここ、ここ！　ビー玉がどんどん高いところに持ち上げられていくの！」と主人公。「ビー玉が箱の中に入ると、クルッと回転して、ビー玉を上に運んでいくんだ」ともおでる。「いったい、どういう仕組みなんだろう？」と主人公。すると、「ガチャンでござる」とレディー・ガチャがあらわれました。「この仕組み、テレビの時代劇（げき）で見たことはないでござるかな？　ガチャンガ～！」とガチャ玉を出します。 【scene 06】 音を出す装置「ししおどし」 これは「ししおどし」。日本の伝統的（でんとうてき）な庭でよく見られる、水の力で音を出す装置（そうち）です。落ちてきた水がたまると、ししおどしがかたむいて水を流し出し、もどるときに石に当たって音が出ます。この動きを作り出しているのは、水の重さです。材料（ざいりょう）は、竹。竹には節（ふし）があり、とちゅうで仕切られています。水がたまっていくと重くなり、じくを中心にして回転するのです。水がぬけると、また元にもどる。うまくできていますね。 【scene 07】 ビー玉ころがしのくふう～シーソーの動き 「ししおどしって、あれみたい！」と主人公が取り出したのは、シーソーの模型（もけい）。「おもりとビー玉をのせて、こうすると…」。ビー玉のほうをおしさげて手をはなすと元にもどります。「ほら、ししおどしの動きににてない？」。「本当だ。水の代わりに、おもりの重さで回転させようってことだね」ともおでる。「よし、できた！」。ししおどしの仕組みを使った部分の完成（かんせい）です。「ビー玉がころがって、この箱にとびこむ。そしてシーソーがクルンと回って、ビー玉が上に行く」と主人公。「おもりは？」。「このへんにつけようかなぁ」とシーソーの箱を指さします。「よし。やってみよう！」。 【scene 08】 シーソーのポイント～おもりの重さ 「おもりは、ナットにした」。装置（そうち）にセットして動かしてみる主人公。「うん、いい動き」ともおでる。「じゃあ、いくよ」。主人公がビー玉をころがしますが…。「だめか、上に行かない」。すると、「重さが足りないんじゃないかな」ともおでる。そこで、「おもりを２個（こ）にしたよ！」と主人公。「今度はどうかな？」。「おーっ、うまくいった！」。ビー玉はししおどしのようにうまく上に行きました。「ねんのため、何回もためしてみようよ」ともおでる。何度もやってみて、「だいじょうぶ、かんぺき！」と主人公。「よかったぁ。この装置（そうち）、ぜったいみんなワクワクするよ！」。 【scene 09】 ドミノを使った装置、音が出る装置 「よし。どんどんおもしろくしよう！」。主人公がビー玉ころがしを組み立てていきます。「さぁ、できたよ。いろんな装置（そうち）を組み合わせてみた！」と主人公。「たおれていくドミノのさいごに、赤いひもがついているでしょ？　その先にはビー玉があって、ドミノがたおれるとひもがはずれて、動き出すんだ」。「へぇー」。「あと、これ」。主人公が「チーン！」とベルを鳴らしました。「音が出る装置だよ。ビー玉がコップの中に落ちると、コップがたおれてベルが鳴る」。 【scene 10】 みんななら、どんなもの作る？ 「それじゃ、もおでる、いくよ！」。「うーん、ドキドキ！」。主人公がビー玉をセットします。「スタート！」。ししおどしの仕組みのところで、「上にのぼった！」ともおでる。「成功（せいこう）！」。「ドミノは？」。「成功！」。ビー玉がぐるーっと回って、「よーし、さいごのベル！？」。ビー玉がコップの中に落ちて、コップがたおれ、「チーン！」。「やったぁ！　大成功！」と主人公。「楽しーい！　この調子で、もっと装置（そうち）をふやしていこう！」と言いました。「１年生もぜったいもりあがるよ！」ともおでる。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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宇宙食 ①

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地元の名産を多くの人に届けたいと、「宇宙食」をヒントに保存食づくりに取り組む。1年半の保存が必要な宇宙食。日本各地の保存方法を試してみるが…。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 じまんの味を遠くへとどけたい ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。「よいしょ、よいしょ」。主人公が大きな箱を運んできました。入っていたのは農家のおじさんからもらった地元名産（めいさん）のリンゴです。「いただきます！」。リンゴをガブリ。「とってもおいしい！　もおでる、この味をもっと多くの人に知ってもらいたいなぁ」。「いいねぇ。世界中にこのおいしさをとどけたいね」。すると、「究極（きゅうきょく）のおとどけ先なら、宇宙（うちゅう）はどうかな？」とレディー・ガチャがあらわれました。「宇宙ではたらく人には宇宙食が必要（ひつよう）なんだ。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 宇宙でのくらし 地上から400km上空の「国際宇宙（こくさいうちゅう）ステーション」。無重力（むじゅうりょく）になる宇宙空間で宇宙飛行士（ひこうし）たちがくらしています。168日間も滞在（たいざい）した金井宣茂（かない・のりしげ）さん。医学の発展（はってん）をめざして、実験施設（じっけんしせつ）『きぼう』で、生物にどんな変化（へんか）が宇宙で起きるのか実験を重ねました。半年近い滞在のなかでも大仕事だったのが、船外活動。「自分が手をはなして宇宙空間に投げ出されたら、もう帰ってこられない。非常（ひじょう）に緊張感（きんちょうかん）が高い過酷（かこく）な作業でした」（金井さん）。 【scene 03】 宇宙食のやくわり そんな宇宙飛行士（うちゅうひこうし）の生活にかかせないのが、宇宙食です。「おいしい食事をすることで、一生けんめい仕事をしようという気持ちになる。みんなでいっしょに食事をすることで気持ちを通い合わせ、いいチームワークを作っていくのは非常（ひじょう）に重要（じゅうよう）でした」（金井さん）。重要な宇宙食を国際（こくさい）宇宙ステーションまで運ぶには時間がかかります。さらに、おいしく食べられるよう、保存（ほぞん）期間は１年半以上（いじょう）と決められています。 【scene 04】 ヒント～本物の宇宙食 「宇宙（うちゅう）食か。たいへんな任務（にんむ）をぼくも助けたいな」と主人公。「作ってみる？」。そこへ、「宇宙飛行士（ひこうし）の金井さんからおとどけものですよ」とレディー・ガチャがあらわれました。「ジャンガ、ジャクサ、ほいっ！」とガチャ玉を出します。あらわれたのは…。「うわぁ、本物の宇宙食？！」。さっそくチェックすると、「ようかん、発見！」。「おやつかな。ほかには？」。「カレーに、マヨネーズに、しょうゆもある！」。「やさいとかは、冷蔵庫（れいぞうこ）に入れていてもくさってしまうよね。でも宇宙食は、冷蔵庫に入れなくても１年半くさらない」。「何がちがうんだろう？」。 【scene 05】 長く保存するためのくふう 「もっと観察（かんさつ）してみよう」。もおでるが宇宙（うちゅう）食を取り上げます。「どれどれ？　あ、空気がぬいてある！」と主人公が気づきました。「空気がないと、くさらないってことかな？」と考えるもおでる。すると、「こっちのふくろにはお米が入っているけど、すごく軽いよ」と主人公。「長く保存（ほぞん）するためのくふうはいろいろありそうだね」。「ようし、ぼくもリンゴを保存する方法（ほうほう）を考えて宇宙にとどけるぞ！」。そこへまたレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャーン。食べ物を長く保存する方法、身近にもいろいろあるよ。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 06】 日本の保存食のヒント～つける 日本各地（かくち）には、保存（ほぞん）食があります。たとえば、京都のつけもの、「千枚漬（せんまいづけ）」。塩（しお）をふりかけて、重しをのせると…、水が出てきました。食べ物をくさらせる微生物（びせいぶつ）は、塩に弱い。さらに、野菜（やさい）から水分をぬくことで、長く保存ができる知恵（ちえ）なのです。 【scene 07】 日本の保存食のヒント～ほす 次は、長野の寒天（かんてん）作り。冬のあいだ、外にほしておくと、長く保存（ほぞん）できるようになります。夜は寒さでこおり、太陽の出る昼はとける。これをくりかえすと、水分がぬけて乾燥（かんそう）するというわけです。寒い地方ならではですね。 【scene 08】 日本の保存食のヒント～発酵 もう一つ、発酵（はっこう）という方法（ほうほう）もあります。納豆（なっとう）です。むした大豆に納豆菌（きん）をかけると、大豆の栄養（えいよう）で納豆菌がふえます。くさらせる微生物（びせいぶつ）をよせつけなくしているのです。日本各地（かくち）の保存（ほぞん）食には、伝統（でんとう）の知恵（ちえ）があります。みんなの町にも、食べ物を保存する知恵、あるかな？ 【scene 09】 塩で実験！ 「ほす、発酵（はっこう）、塩（しお）…。うーん、リンゴにはどれがいいのかな～」。主人公がなやんでいます。すると、「ガチャッとおたすけ！」とまたレディー・ガチャがあらわれました。「ためしてみたらいいんじゃない？　こっち、こっち」とキッチン台に案内（あんない）します。「やってみるよ！」と主人公。「何から始めようか」と考えて、「よし、この塩で実験（じっけん）だ」ともおでる。リンゴをうすく切って、二つの容器（ようき）にならべ、かたほうには塩をふりかけます。塩をつけないものとくらべてみましょう。「塩があるほうが長持ちするはず」と主人公。 【scene 10】 「水分をぬく」はできた… 30分経過（けいか）。どうなったか、重しをどけて見てみると…。「見て見て。塩（しお）をつけたリンゴから水が出てる。塩をつけてないほうは、ほとんど出てないな」と主人公。「『水分をぬく』は、できたね」ともおでる。「いただきます！」と、主人公が塩につけたリンゴをパクリ。すると、「うわぁ、しょっぱい！」。「これは失敗（しっぱい）だ～！」ともおでる。 【scene 11】 こんなところにSTEAM “20世紀（せいき）最大（さいだい）の発明”といわれる、インスタントラーメン。発明したのは安藤百福（あんどう・ももふく）さん。それは1958年のこと。ラーメンは生のめんが当たり前の時代。味のついた乾燥（かんそう）めんの研究にとりかかりました。しかし、これがむずかしかった。味をしみこませためんは、ほしても乾燥しにくく、うまくいきません。思いなやんでいたある日。天ぷらをあげる様子を見てひらめきました。めんをあげてみると、大成功（せいこう）。めんの中にたくさんの小さなあなが開いて、お湯をかけるとすばやくめんが元通りになりました。『発明はひらめきから。ひらめきは執念（しゅうねん）から』。安藤さんが大切にした言葉です。2005年、宇宙（うちゅう）食にもなりました。 【scene 12】 みんなは、どんなもの作る？ 「ようし、発酵（はっこう）もやってみよ」と主人公。「え？　納豆（なっとう）みたいに？　宇宙（うちゅう）食になるかなぁ」ともおでる。「なるさ！」。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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宇宙食 ②

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地元の名産を多くの人に届けたいと、「宇宙食」をヒントに保存食づくりに取り組む。1年半の保存が必要な宇宙食。日本各地の保存方法を試してみるが…。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～宇宙食を作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今回は、地元名産（めいさん）のリンゴを多くの人にとどけたいと、国際宇宙（こくさいうちゅう）ステーションで食べられる“宇宙食”をめざして、保存（ほぞん）食づくりに試行錯誤（しこうさくご）しています。 【scene 02】 リンゴをほしてみた… 「ねえねえ、ほしたリンゴ、どうなった？」ともおでる。「うん、ばっちり。かわいてる。かんそうしていれば長く保存（ほぞん）できるはず！」と主人公。リンゴがかわきやすいようにうすく切って、外で丸二日ほしたのです。「いただきます！」と食べてみる主人公。「あれ？　かたくてパサパサしてる」と言います。「保存の方法（ほうほう）を一つずつためしてみたんだよね？」ともおでる。「どれも味が今イチだった。ぼくがとどけたいのはおいしいリンゴなんだ」。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「手順（てじゅん）の組み合わせ、考えてはどうかな？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。中には…。 【scene 03】 ものづくりのひみつは“組み合わせ” おいしいと評判（ひょうばん）のひもの。そのひみつをこの道25年の名人、聞間孝久（ききま・たかひさ）さんに聞きました。ほす前につけこみ液（えき）で味をつけます。塩（しお）だけでもいいのですが、名人は“組み合わせ”を考えました。南国のくだものシークワーサーです。「シークワーサーを入れると魚のよぶんなあぶらやくさみを取ることができます」。あみにならべてほすときにも名人の手順（てじゅん）があります。日ざしの具合や風の強さ…。「あまりほすとかんそうしすぎる。ある程度（ていど）でとりこむと身がふっくらします」。ものづくりは、組み合わせをためし、いちばんのやり方を見つけること。 【scene 04】 組み合わせ～「ほす」と「砂糖につける」 主人公がリンゴをにています。「今度は何をためしているの？」ともおでるが聞くと、「塩（しお）は失敗（しっぱい）だったけど、あまい砂糖（さとう）でも、つけたら水分がぬけることがわかったんだ」と主人公。「それなら味もいけそう。そうか。『ほす』に、『砂糖につける』ことを組み合わせるんだね？」ともおでる。「そうさ！」と主人公。リンゴにくしをさして火が通ったかたしかめて、「よし、あとは、ほせばいいな」と言いました。 【scene 05】 組み合わせ～「太陽の光」と「風の力」 「これでよし、ジャーン！　特別（とくべつ）なかんそうマシーンを作ったんだ」と主人公。中には日光を反射（はんしゃ）してかんそうさせるために銀のシートがはられています。「ほし方もいろんな組み合わせを考えたんだ」。「どういうこと？」。「ここ見て！」。箱の横に、中に風を送るファンがついています。「しかも、マイクロビットに明るさを感じるセンサーがついているんだ。明るいときはファンは回らない。でも、暗くなると…」と主人公。「ファンが回る！　晴れのときは太陽の光でかわかして、くもりのときは風の力でかわかすアイデアだね」ともおでる。「そうさ！」。箱にリンゴをならべ、日なたにおくこと一日…。 【scene 06】 やわらかくおいしく仕上がった！ 「ただいま、もおでる」。主人公が箱をかかえてもどってきました。「ほら！」。主人公が箱を開けました。「うわぁ、おいしそう！」。「かんそうはばっちりでしょ。それに、にこんだからやわらかく仕上がってる。いただきます！」と食べてみる主人公。「おいしい！」。「地元のリンゴの味だね。保存（ほぞん）ができて、おいしい味をとどける。組み合わせをたくさんためしたね」ともおでる。「宇宙飛行士（うちゅうひこうし）だけじゃなくて、おおぜいの人にも食べてもらいたい」と主人公。「そうだね」。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「宇宙食にするには、まだまだ条件（じょうけん）があるんだ」と言います。 【scene 07】 宇宙食を作る～工場のくふう 2021年４月。民間（みんかん）の宇宙船（うちゅうせん）を使ってはじめて国際（こくさい）宇宙ステーションへとどけられた宇宙食があります。それは、名古屋名物名古屋コーチンと八丁（はっちょう）みそを使った、ふるさとの味がいっぱいの宇宙食です。その宇宙食を作った工場をたずねました。でも…、エアシャワーの部屋を通ったり、作業服のゴミを取ったり、なかなか中に入れません。一体どうしてでしょう。「ここから工場の中でいちばんきれいな部屋になっています」と開発担当（たんとう）の村田晴久（むらた・はるひさ）さん。なるほど、中に入る人をきれいにするためだったのです。 【scene 08】 宇宙食を作る～衛生管理の徹底 ここで手作りされる宇宙（うちゅう）食は、味つけや重さを正確（せいかく）にそろえるため、かならず二人以上（いじょう）で確認（かくにん）しているそうです。材料（ざいりょう）をふくろづめにしたら、巨大（きょだい）な圧力釜（あつりょくがま）に投入。高温で殺菌（さっきん）します。味がじまんの宇宙食は、衛生管理（えいせいかんり）を徹底（てってい）していました。どうしてここまでするのでしょう。「万が一おなかをこわしたら、病院もないし、地球に帰ってくるわけにもいかない。食中毒（しょくちゅうどく）はぜったいに起こってはいけない。衛生管理には気をつけています」と村田さん。 【scene 09】 宇宙食を作る～気持ちを考えたデザイン 村田さんたちがもう一つ気をつけていること。それは、宇宙飛行士（うちゅうひこうし）の気持ちを考えたパッケージのデザインづくり。「宇宙に持っていくものですから、宇宙の絵よりは、ふるさとや地上の絵をデザインしたほうがおもしろいと思います」（村田さん）。…「そうか。ぼくも考えてみよう」と主人公。「半年も地球からはなれているからねぇ」ともおでる。「うん。日本のふるさとを思い出してほしい」。「外国の宇宙飛行士（うちゅうひこうし）にもみせたいね」。「あの山とか、葉っぱとか…」。 【scene 10】 みんなの宇宙食のデザインは？ 宇宙（うちゅう）食のデザイン。筑波（つくば）大学附属（ふぞく）小学校のみんなもいっしょに考えてくれました。カニ、たこやき、いろいろなデザインがあります。「ぼくは、カツオを宇宙食にしました。くふうしたことは、このおなかのメッセージです」と男の子。中には『宇宙の生活がんばって』というメッセージがありました。「わたしは、北海道産（さん）夕張（ゆうばり）メロンアイスを作りました。このデザインには、宇宙でも地球にして、どこかに旅行に行っているような気分でくつろいでもらいたいという思いをこめました」と女の子。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ さらに、「わたしは、さつまいもを宇宙（うちゅう）食にしました。このデザインにこめたことは、日本人宇宙飛行士（ひこうし）に日本をなつかしく思い出してくれたらうれしいし、外国人宇宙飛行士にも昔ながらのさつまいもをしょうかいできたらいいなと思ったことです」と考えた女の子も。すてきなアイデアがいっぱい！　みんな、ありがとう。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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愛情たっぷり　エコバッグ

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家族のためにエコバッグをつくろうと思い立った主人公、新聞紙、布、ビニールなどの素材で3種類のエコバッグを完成させる。はたして家族のみんなは、喜んでもらえるかな？

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【】 オープニング 今回の『ツクランカー』は、「エコバッグ」作りに挑戦（ちょうせん）。家族のみんなによろこんでもらいたい。愛情（あいじょう）たっぷりのバッグ作り。始まるよ～！ 【scene 01】 「エコバッグ」を作ろう！ 「うーん、もうだめかも知れないなぁ。ところどころにあなが開いているよ、ほら」と主人公がもおでるに買い物ぶくろを見せました。「ほんとだ。でっかいあなだね」ともおでる。「これ、お母さんがずっと前から使っていたものなんだ」。「ずいぶん使っていたねぇ。そろそろかえないと」。「新しい買い物ぶくろか…。じゃあさ、作ってみようか！」と主人公。「うん、いいね！」。そこへ、「ガチャン、ガチャン～！　だったら、『エコバッグ』でしょう！」とレディー・ガチャがあらわれました。「エコバッグって？」。「まずは、エコバッグについて調べよう。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 エコバッグとは エコバッグとは、環境（かんきょう）に負担（ふたん）をかけないバッグのこと。少し前まで無料（むりょう）でもらえていたスーパーのレジぶくろが、2020年から有料になりました。すると、みんながレジぶくろを使わないようになり、プラスチックごみがへりました。それまでは、一年間に一人当たり300枚（まい）も使われていたレジぶくろ。それがごみになって海に流されると、カメが大好物（だいこうぶつ）のクラゲとまちがえて食べ、死んでしまうこともあるのです。そこで、エコバッグ。ごみをふやさないよう、自分用のエコバッグを持つ人がふえています。 【scene 03】 エコバッグを作る～聞き取り調査 「どんなエコバッグを作ろうかな」と考える主人公に、「ふだん買い物をする家族に聞いてみたらいいんじゃない？」とレディー・ガチャが言います。「それはいいアイデア！　よし、聞き取り調査（ちょうさ）開始！」。しばらくして…、「調査結果（けっか）をまとめたよ、見て」と主人公。「お母さんは、毎日持ち歩いてもかさばらないように『軽くて』、『小さく』なるもの。お父さんは、重いものを入れてもやぶれない『じょうぶ』なもの。おばあちゃんは、よごれてもすぐに『あらえる』ものがいいみたい」。「よし、この四つの条件（じょうけん）に合うエコバッグを作ろう！」ともおでる。 【scene 04】 エコバッグを作る～いろいろなものの再利用 「家の中にあるものでエコバッグになりそうなものを集めてきたよ。新聞紙、古くなったレジャーシート、お古のTシャツ」と主人公。「再利用（さいりよう）するの？　エコだね」。「ほねがおれて使えなくなったかさ」。すると、「英字（えいじ）新聞があるね。おしゃれ～。まずはこれで作ってみようよ」ともおでる。主人公が新聞紙をおりたたんでいきます。「新聞紙はやぶれやすいから注意して」ともおでる。「そうなんだよ。だから、何枚（まい）か重ねたりおったりして、がんじょうにしないとね。底（そこ）になるところはとくにあつくして…。ほら、ふくろの部分のできあがり！」。 【scene 05】 エコバッグを作るくふう～新聞紙で 「次は、持ち手の部分。こうして丸めて…」。主人公が新聞紙を細くまるめて持ち手を作っていきます。「うん、じょうぶになった！」。「いいね！」。「あとはこれをふくろにはりつけて、できあがり！　どうかな？」と主人公。「荷物を入れてみよう」ともおでるが言います。ペットボトル、くだもの…。「やぶれないかなぁ」と心配になるもおでる。「よいしょ」とバッグを持ってみた主人公は、「うん、だいじょうぶ」と言いました。「新聞紙のエコバッグは軽くてじょうぶにできた」。「でも、小さくおりたためないし、紙の素材（そざい）だからあらえないね」ともおでる。 【scene 06】 エコバッグを作るくふう～Tシャツで 「じゃあ次は、Tシャツで作ってみよう」ともおでる。Tシャツを広げて、「えーと、これをバッグにするには…」と考える主人公。「下をふくろにして、かたを持ち手にするのはどう？　こういう感じ」と、カットするラインを見せます。「なるほど。バッグになりそうだ」ともおでる。さっそくはさみでカットして、Tシャツのすそをぬいつける主人公。「ふくろの底（そこ）になる部分だから、しっかりぬわないとね」ともおでる。すると、「あれ？　さいごはどうするんだっけ？」と主人公。「『玉どめ』だよ。はりを当てて、糸を二、三回まきつけて、ギュッと引く…。ほら、玉になってとまった」ともおでる。 【scene 07】 Tシャツで作ったエコバッグ 「できた！　軽くていい感じ！」。Tシャツで作ったバッグを広げてみる主人公。「荷物を入れてみよう」とペットボトルを入れます。かたにかけながら、「のびちぢみするのもいいね」と言いました。「ごつごつした野菜（やさい）なんか入れてもよさそう」ともおでる。「たたんだら小さくなるかなぁ」。主人公がバッグをたたみますが、「うーん、そうでもないか…」。ということで、「Tシャツのエコバッグは、軽くてじょうぶ！」と主人公。「そんなに小さくはならないけど、よごれたら何回もあらえるね」ともおでるも言います。 【scene 08】 エコバッグを作るくふう～使えなくなったかさで 「よし。次は、使えなくなったかさの生地で作ってみよう」ともおでる。「これこれ、ほねがおれて使えなくなったかさ。まずは、ほねをはずすね」と主人公がかさのほねをはずしました。かさを広げてみて、「かさの生地はこんな形をしているのか」と主人公。「これをどうやってバッグにする？」ともおでるも言います。「そうだなぁ」と考えていた主人公が、「こうして半分におって、はしの部分をぬいつけて、上に持ち手をつけたらバッグになるんじゃない？」と言いました。「荷物がたくさん入りそう！」。 【scene 09】 かさの生地で作ったエコバッグ 主人公が、かさの生地のはしをぬいつけていきます。「持ち手は『ハトメ』という金具を使うよ」と主人公。生地に切れ目を入れて、ハトメをあなに入れます。もう一方の金具をかぶせ、上下から『パンチ』ではさんでしっかりとつけます。「うん、これでよし。あなにひもを通して、できた！」。さっそくペットボトルを入れてみます。「なかなかじょうぶだし、軽い！　それに小さくたためる」とよろこぶ主人公。かさの生地で作ったエコバッグは、すべての条件（じょうけん）にぴったりです。 【scene 10】 おうちの人に見てもらったら… 「素材（そざい）のちがう３種類（しゅるい）のエコバッグ、気に入ってもらえるかな。おうちの人に見てもらおう」ともおでる。結果（けっか）は…。「新聞紙のバッグを気に入ったのはお父さん。じょうぶで、がらがおしゃれだと言っていた。Tシャツのバッグはおばあちゃん。軽いし、はだざわりがいいって。いちばん『〇』が多かったかさのバッグをえらんだのはお母さんだった」。お気に入りのポイントは、人それぞれでした。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ 「これもつけてみたんだ」と主人公が、もおでるにとうめいのポケットを見せました。「メニューのカードをたくさん作っておいて、夕食で食べたいものを入れておく。材料（ざいりょう）を買うときに参考（さんこう）にしてもらえるんじゃないかな。名づけて“コミュニケーション・ポケット”！」。「買い物が楽しくなりそう！」。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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スポーツ ①

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テーマは「低学年も高学年もいっしょに楽しめるスポーツづくり」。体を動かしてためしながら、スポーツの道具やルールを考えて、新しいスポーツをつくる。友達の反応は…？

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【】 scene 01 みんなで楽しめるスポーツを みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今日は何を作るのかな。「うーん、どうしよう」と言う主人公に、「何かなやみごと？」ともおでる。「今度、ぼくら５年生と２年生の学年交流会でスポーツをすることになったんだけど、みんなで楽しめるスポーツってむずかしいなぁ。ドッジボールだと、力の強い高学年が有利（ゆうり）。おにごっこも、低（てい）学年はすぐにつかまっちゃいそうだし。どんなスポーツならいいんだろう」と考えこむ主人公。そこへ、「そんなときには～」とレディー・ガチャがあらわれました。「新しいスポーツを作ってみるのはどうかな？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【】 scene 02 スポーツ～どこかのだれかが始めたもの 世界中で楽しまれるスポーツ。どの競技（きょうぎ）も、さいしょは、どこかのだれかが始めたもの。たとえば、サッカーはヨーロッパ、野球はアメリカで生まれたといわれています。そして、日本の山口県下松（くだまつ）市でも…。おやおや、これは？　ひもをつけたかんを、げたのように足につけて、ポクポクポクポクとリズミカルに歩いています。「これはね、かんづめのかんで作った、“かんぽっくり”と名づけています」。そう話してくれたのは、『たくましい久保（くぼ）っ子を育てる会』の藤江旬仁（ふじえ・まさひと）さん。藤江さんたちは、昔の遊びやスポーツを今の子どもたちにつたえる活動をしています。 【】 scene 03 スポーツ～楽しく体を動かすこと 「おじさんたちの子どものころは、なんでも遊ぶことは自分たちで全部作るんです」と藤江さん。でも、これってスポーツなのでしょうか。辞書（じしょ）で調べると、スポーツは、『楽しみをもとめたり、勝ち負けをきそったりする目的（もくてき）で行われる体の運動』とありました。楽しく体を動かせば、それはもう、スポーツ！　藤江さんは、昔から遊んできたスポーツを、一さつの本にまとめました。その名も、『おもしろスポーティ・ゲームしゅう』。のっているスポーツの数は、およそ250種類（しゅるい）。おはしでボールをころがすリレーや、風船を使ったバレーボールなど、何でもスポーツになるんですね。 【】 scene 04 新しいスポーツを作ろう！ 「よし、ぼくもスポーツを作ってみよう。どんなのがいいかな」と考える主人公。そのとき、持っていたボールが落ちて転がっていってゴミ箱に当たり、中のペットボトルが外に落ちました。ペットボトルとボールを手にして、「ん？　そうだ、これだ！」と主人公。ゆかにペットボトルをおくと、「えいっ」とボールを投げてペットボトルに当ててたおしました。「よし！」。「ん？　ボウリングかな？」ともおでる。「そう。ボールを転がして、ペットボトルをたおす。これならみんなが楽しめると思うんだ」とやってみせる主人公。「ほら、かんたんでしょ。ボールをかえてみたらもっとおもしろくなりそうだな」と言いました。 【】 scene 05 新しいスポーツのくふう～いろいろなボール 学校の体育倉庫（そうこ）にはいろいろなボールがあります。ドッジボール、バスケットボール、バレーボール（ゴム・ビニール）。「全部転がしてくらべてみよう」。まずはバスケットボール。「それっ」。ゆかにおいたペットボトルをめがけてなげると、「わぁ、いきおいよくたおれた。重くてたおしやすい」。つづいてビニールのバレーボール。「それっ」。でもなかなか当たりません。「軽すぎてうまくコントロールできないんだ」。結局（けっきょく）、バスケットボールは10回投げて８回たおれました。ビニールのボールは３回。たおしやすいボールとたおしにくいボールがありました。「ねぇ、どのボールを使う？」。 【】 scene 06 新しいスポーツのくふう～ボールでハンデをつける 「決まってるよ。いちばんたおしやすいバスケットボールを使えばいいんだ」と主人公。するともおでるが、「でもさ、高学年はボールを転がすのが上手だから、これを使ったらすぐに勝負がついちゃうんじゃない？」と言いました。「そっか…。うーん」と考えこむ主人公。「あ、わかった！　低（てい）学年はバスケットボールを使うんだけど、高学年は、たおしにくいビニールのボールを使えばいいんだ」と言いました。「なるほど、ボールでハンデをつけるのか」ともおでる。「これだったら、どっちも楽しめそうだよ」と主人公。 【】 scene 07 こんなところに STEAM 山口県宇部（うべ）市で開かれたスポーツイベント。ここでも新しいスポーツが生まれていました。その名も、“ポーズじゃんけん”。プレーヤーは大きく体を動かして、グー、チョキ、パーのポーズをとります。対戦（たいせん）相手はコンピューター。プレーヤーのポーズをカメラでさつえい。AI＝人工知能（ちのう）が顔や手足の位置（いち）を認識（にんしき）し、グー、チョキ、パーを判定（はんてい）します。これは AI を研究する学生が、だれでも楽しめるスポーツにするために考えたもの。「AI は意外と身近にあるもの。いろんな人やいろんなところで使われたら、すごく楽しいこと」と宇部高専（こうせん）の山尾（やまお）さん。スポーツの現場（げんば）にもテクノロジーが広がっています。 【】 scene 08 “チームボウリング”の完成！ 「こっちから投げて、あっちへパス！」とゲームをやってみる主人公。「ルールを考えているんだ。プレーヤー８人でかこんで、ペットボトルを 10 本ぐらいたおすことにしたよ。多くたおしたチームの勝ち。いろんな方向からボールをパスしながらみんなでねらえればいいかなって」。「楽しそう！」。「じゃあ、スタート！」。ところが、ボールを転がすといきなり全部のペットボトルがたおれました。「あれ？ ゲームはもう終わり？」ともおでる。「そっか。まとめておくと全部たおれちゃうのか」。「ペットボトルはバラバラにおいたほうがよさそうだね」。そして...「完成（かんせい）！ 名づけて“チームボウリング”。さっそくみんなで遊んでもらおう」。 【】 scene 09 “チームボウリング”をやってみてもらう 山口県下松市立下松小学校のみんなにやってもらいます。みんな楽しんでくれるかな。たおしやすいボールを使うのは、低（てい）学年チーム。たおしにくいボールを使うのは、高学年チーム。さっそく試合（しあい）開始。制限（せいげん）時間は 30 秒です。ピーッ！ まずは低学年チーム。１本たおれた！ ゆっくり転がしても、かんたんにペットボトルがたおれていきます。つづいては高学年チーム。ピーッ！ 当たった！ でもそのあとは、ボールが曲がってしまってなかなか当たりません。時間がなくなっていきます。力を入れるとボールはとんでもない方向へ...。 【】 scene 10 みんなは、どんなもの作る？ 結果（けっか）は、14 対５で２年生の勝ち。「イェーイ！」。勝った低（てい）学年のみんな、どうだった？ 「みんなで力を一つにして楽しかった」。高学年は？ 「ハンデが...。ボールがもうちょっとかたかったらもっと点を入れたと思う。軽くて、下に投げようとしても上に行った」と、ちょっとくやしそう。みんなが楽しめるようにするって、なかなかむずかしいんですね。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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スポーツ ②

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テーマは「低学年も高学年もいっしょに楽しめるスポーツづくり」。高学年だけにハンデをつけることなくつくりたい！そこで取り入れたのは、地域の名物！？友達の反応は…？

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～“チームボウリング” ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今回は、高学年と低（てい）学年がいっしょに楽しめる新しいスポーツ作りに挑戦（ちょうせん）。考えたのは、ボールを転がしてペットボトルをたおす“チームボウリング”。たおした本数をきそいます。転がすのが上手な高学年チームには、軽くて転がしにくいビニールのボールを使うハンデをつけました。その結果（けっか）は…低学年の圧勝（あっしょう）。でも、「ボールがすべってやりづらい」、「ハンデが大きかった」と、高学年からは不満（ふまん）の声。勝った低学年からも、「あんまりうれしくない。勝っても当然（とうぜん）かな」という声が。 【scene 02】 みんなが同じレベルで楽しめるスポーツを 「せっかく考えたのに、こまったなぁ」と考えこむ主人公。「どっちが勝つかわからないようなボールをさがせばいいのかなぁ」と言います。「うーん。でも、そんなボールあるかなぁ」ともおでるも考えこみます。そこへ、「ゴロゴロゴロ～、ガチャーン！　なやんでるねぇ」とレディー・ガチャがあらわれました。「みんなが同じレベルで楽しめるスポーツ、実はあるんだよ」と言います。「えっ、本当？」と聞くと、レディー・ガチャは、「ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出しました。 【scene 03】 球がうちにくくなる“ブラックホール卓球” あるスポーツのイベント。卓球（たっきゅう）に見えますが、よく見るとラケットにあながあいています。実はこれ、“ブラックホール卓球”というスポーツ。ラケットにあながあいていると、だれでも球を打ちにくくなり、みんな同じくらいのレベルでたたかえるようになるのです。このスポーツを開発したのは『世界ゆるスポーツ協会（きょうかい）』。だれもが楽しめる“ゆる～いスポーツ”を、およそ100種類（しゅるい）も作ってきました。たとえば、いもむしのかっこうをしてラグビーをする“いもむしラグビー”もその一つ。７年前から全国各地（かくち）で、ゆるスポーツのイベントを開いています。 【scene 04】 「思い通りにいかないけど楽しい」が重要！ ほかにも、わきの下に魚のぬいぐるみをはさんでボールを投げるスポーツも。その名も“ハンぎょボール”。世界ゆるスポーツ協会（きょうかい）の萩原（はぎわら）さんに、ゆるスポーツを作るときに大切にしていることを聞きました。「ふだんプレーできるものが、思い通りにできなくなることが大事。みんなプレーがしづらくなるから、結果（けっか）としてうまい人との差（さ）が少しせばまる。ただ、思い通りにできないだけだとみんなつまらなくなる。見た目とか、名前とか、そういうものが楽しいものであればいいなと思いますね」。思い通りにいかないけど、楽しい！　これが重要（じゅうよう）だそうです。 【scene 05】 スポーツの道具のくふう～ボールの空気をぬく 「ラケットにあながあいていたりすると楽しくなるわけか」とあなあきラケットを見る主人公。「このボール、どうすればおもしろくなるかなぁ」と、“チームボウリング”で使ったバスケットボールを手に取ります。そして、「うーん…そうだ！」。ボールの空気をぬきました。「ボールの空気ぬいちゃうの？」ともおでるはびっくり。「よし、へこんでベコベコになったぞ」。ペットボトルに向けて、「えいっ」。主人公がへこんだボールを投げると、ボールはとちゅうでとまってしまいました。「なんかおもしろいね」ともおでる。「でも、すぐにとまっちゃうなぁ」。「もう少し転がりやすいボールじゃないとむずかしいかもね」。 【scene 06】 スポーツの道具のくふう～ボールの形をかえる すると主人公が、「じゃあ、こんなのは？　このボールにコップをつけて、でこぼこさせるのはどう？」と言いました。コップをくっつけたボールを見て、「ふしぎな形だね。どうなるのかなぁ」とおもしろそうなもおでる。「いくよ、えいっ！」。主人公がボールを投げてみると、ちゃんと転がりつづけました。それも、右や左に曲がります。「なかなかいいんじゃない？　このボール、へんな方向に行ってももりあがりそうだよね」ともおでる。「よし。このボールに決定！」と言った主人公、「あれ？　この形、何かににているかも」と言いました。それは…。 【scene 07】 山口県の名物「ふぐ」をスポーツに取り入れる 「このあいだ、魚屋さんに行ったときに見かけた…」と思い出す主人公。『ええふぐ入っとるよ。ぶちうまいけぇ』と魚屋さんが言ったのです。「え？　ふぐ？」ともおでる。「そう。ふぐは、ぼくの住む山口県の名物。おさしみに、なべに、からあげ。とってもおいしいんだ。それでね、たまにこんなふうにふくらむんだ」と、ふぐがふくらんだ様子を見せました。「ボールみたい！」とびっくりするもおでる。「ふぐの形のボールを作ったら、みんなが楽しんでくれるんじゃないかな」と主人公。「おもしろそう！」。 【scene 08】 もりあげるくふう～海の生き物たちのデザイン さっそく主人公がボールを作り、色紙をはっていきます。「ようし、ここは青にしよう」。「おー、ふぐっぽい！」ともおでる。「あとね、おびれとむなびれをつけて、目をつければ…。できた！　“ふぐボール”の完成（かんせい）！」と主人公。「わぁ、かわいい！」ともおでるも気に入ったようです。「それとね、じゃーん！　ペットボトルのほうは、地元の海にすむ生き物のデザインにしたよ」と主人公がペットボトルを見せました。「ヒラメは４点で、タコは３点。ペットボトルごとに得点（とくてん）をつけたんだ。ゲームみたいでおもしろいでしょ」と言います。「なんか、海の世界にいるみたいだね」ともおでる。 【scene 09】 もりあげるくふう～みんなで「ぶちうま！」 「あとね、ペットボトルをたおしたら、みんなで『ぶちうま！』って言おうよ。山口県で『とってもおいしい』って意味だよ」と主人公が言います。「なんだかもりあがりそう！」ともおでる。「新しいスポーツができた。名前は“ふぐころがし”！」。すると、「ガチャーン！　なんだかぼくににてるなぁ」とあらわれたレディー・ガチャ。「へんしーん！」。ぐるっと回ると、ふぐボールそっくりのすがたになりました。「“ぶちうまふぐガチャ”参上（さんじょう）！　ふぐころがし、やってみよう！」と言います。 【scene 10】 新スポーツ“ふぐころがし”をやってもらった 山口県下松（くだまつ）市立下松小学校のみんなに“ふぐころがし”をやってもらいます。今回は、高学年と低（てい）学年をまぜてチームを作りました。よーい、ピーッ！　低学年の子がふぐボールを投げます。みごとにペットボトルをたおしました。「ぶちうま～！」。かんたんには当たらないけど、みんなで協力（きょうりょく）して…「ぶちうま～！」。おみごと！　見ているみんなも楽しそうです。ピーッ！　結果（けっか）は15対12。いい勝負になったみたいです。「前回とくらべて、点の差（さ）が開かなかったので、今回のほうがいいと思った」（高学年女子）。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ さらにこんなアイデアも。「フィールドに小さいかべをおいたらいい」（高学年男子）。「終盤（しゅうばん）にポイントの高いのが出てくる。魚だったら、なかなかいないリュウグウノツカイとか」（高学年男子）。みんなで作るともっとおもしろくなりそうですね。一方、ツクランカーの部屋では、主人公がタブレットでプログラミングをしています。「今度は何してるの？」ともおでるが聞くと、「スクラッチで、“ふぐころがし”のルールをつたえるアニメを作ってるんだ。英語（えいご）にしたら世界中の人と遊べるかなぁ」と言いました。「やってみようよ！」。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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パスタで橋

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テーマは「パスタで橋をつくろう！」賞味期限切れのパスタ１００グラムを使いカッコよくて頑丈なパスタブリッジを作る！

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【】 オープニング 今回の『ツクランカー』は、「パスタで橋を作ってみよう！」。細いパスタも、じょうぶな橋に大変身（だいへんしん）！　その秘密（ひみつ）は…。 【scene 01】 パスタで橋？ 「もぐもぐ、もぐもぐ。うーん、自分で作ったにしてはおいしくできたなぁ」。主人公がパスタを食べています。「ぼくにもひと口ちょうだい」ともおでる。「あげないよ」。「けち～。そのパスタも食べちゃうつもり？」と、もおでるがまだゆでていないパスタを見て言いました。「ううん。こっちのパスタは賞味期限（しょうみきげん）が切れちゃってるんだ。このパスタ、何かに使えないかなぁ」。そこへ、「うーん、どれどれ？」とレディー・ガチャがあらわれました。「そのパスタを使って橋を作ったらどう？」と言います。「パスタで橋？」。「そう。まずはこれを見てみて。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 「パスタブリッジコンテスト」 レディー・ガチャが見せたのは、カナダで行われた「パスタブリッジコンテスト」の様子。パスタで橋の模型（もけい）を作り、どのくらいの重さにたえられるかをきそうのです。この作品、なんと200kgの重さで下に引っぱられています。いったいどこまでたえられるのでしょう。引っぱる力が223.61kgになってようやくこわれました。パスタの橋は、仕組みをくふうすると200kg以上（いじょう）の重さにたえるのです。どうすればじょうぶな橋が作れるのか、その仕組みを学ぶために、パスタを使った橋作りに授業（じゅぎょう）で取り組む小・中学校もあります。 【scene 03】 パスタブリッジを作る～ひとたばのパスタで 「すごーい！　かっこいい橋がいっぱいあったね」と主人公。「でも、どうやったらかっこよくてじょうぶな橋になるのかなぁ」と考えこむもおでる。「そうだよね。パスタはこんなに細いもんなぁ」。主人公がパスタを１本曲げていくと、すぐにおれてしまいました。「ちょっとさわっただけでかんたんにおれちゃうよ。これじゃあ、かっこいい橋が作れるとは思えないけどなぁ」。「ひとたばはおよそ100ｇだね」ともおでる。「これでどんな橋が作れるのかやってみようよ」と主人公が言いました。「うん！」。 【scene 04】 パスタブリッジを作る～グルーガンで固定する 「じゃあ、ひとたば全部を橋の底（そこ）の部分に使ったらどうかな。横にならべて…」。すると、「パスタを固定（こてい）するのにグルーガンを使うといいよ。だけど先の部分はあつくなるから気をつけてね」ともおでる。グルーガンを使ってパスタをのりで固定しました。「これでよし、と」。固定したパスタを台にわたして乗せます。そしてペットボトルに水を入れました。「いっぱいまで入れたら２kgくらいか。重たーい。これにたえられたらすごいよね」。橋の真ん中にペットボトルをつるします。すると…、ポキッ、ポキッとおれ始め、橋はこわれてしまいました。「横にならべるだけじゃやっぱりだめか…」。 【scene 05】 パスタブリッジを作るくふう～パスタをたばねる 「えーと…」とパスタのたばを持って考える主人公。「あ、たばねたほうがさっきよりじょうぶになりそう！」と気づきました。「いいね。これで２kgにたえられるかためしてみよう」ともおでる。さっきと同じようにやってみると…。「すごい！　２kgの重さでもこわれない！」と主人公。「たばねるとじょうぶになるんだね。すごーい！」ともおでるも感心。「でも、これじゃ丸太みたいになって橋っぽくないよね。どういう形ならじょうぶな橋になるかな？」と主人公が言います。するとレディー・ガチャがあらわれました。「そんなときは本物の橋を見てみたら？　ヒントがあるかもしれないよ。ガチャンガ～、フン！」。 【scene 06】 いろいろな形の橋 みんなの生活をささえるために重要（じゅうよう）な橋。実はいろいろな形があります。横浜ベイブリッジはななめにはったケーブルが特徴的（とくちょうてき）。東京ゲートブリッジは三角形がたくさんある構造（こうぞう）。すがたが水面にうつって眼鏡（めがね）に見える長崎市の眼鏡橋。「横浜ベイブリッジなどかなりの長さで重くなるので、つり橋にしてある点が特徴です」と関東学院大学教授の高島英幸（たかしま・ひでゆき）さん。つり橋では橋を上に引き上げることで、橋にかかる力を少なくできるのです。眼鏡橋はアーチの部分に力をにがすことで、直線の橋にくらべて上からの力によくたえることができます。 【scene 07】 じょうぶな橋の仕組みは「形」にある そして、よく見かける形の橋。三角がたくさんありますが、これはどんな特徴（とくちょう）があるのでしょう。「それはトラス構造（こうぞう）とよばれるものです。三角形は力を効率的（こうりつてき）に分散（ぶんさん）させてくれる形です」（高島さん）。三角形があると、橋にかかる力が分散されてつたわります。三角形は大きな力を小さな力に分けることができるから強いのです。つり橋、アーチ、トラス。橋をじょうぶにする仕組みは、形にありました。 【scene 08】 パスタブリッジを作るくふう～三角形の強さをためす 「よし。じゃあ５本をひとたばにして…。これでやりたい実験（じっけん）があるんだよね」と主人公。四角形と三角形を使った橋を作りました。「これで本当に三角形が強いかためしてみようよ」。「うん！」。「よし。じゃあまず四角形から」。主人公が水の入ったペットボトルをつるすと、あっという間にパスタの橋がおれました。「やっぱり四角形じゃ弱いんだね」ともおでる。「じゃあ三角形のほうはどうだろう」。またペットボトルのおもりをつるすと…。「すごい！　こっちはたえたよ！」。「やっぱり三角形のほうが強いんだね」ともおでる。「三角形をたくさん使えばじょうぶな橋ができるかも！」と主人公が言いました。 【scene 09】 パスタブリッジを作るくふう～設計図 「下の線はこうして…」。主人公が方眼紙（ほうがんし）に線を引いています。「設計（せっけい）図？」ともおでるが聞くと、「そう。作るのと同じ大きさの設計図」と主人公。「そうか。これなら材料（ざいりょう）を当てて切り出すことができるんだね」。「橋を横から見た図だよ」と主人公。「おー、三角形がいっぱい！　その上の部分にも足したりできるのかな？」ともおでる。「えーと、これだったらどうかな？」。主人公が線を書き足していきます。「よし！　上にも三角形を足してみたよ！」。「これで作ったらかっこいい橋ができそうだね」ともおでるが言いました。「じゃあこれで橋を作っていこう！」。 【scene 10】 みんななら、どんなもの作る？ 「まずはここをとめて…」。三角に組んだパスタの角をグルーガンでとめていきます。「よいしょ。もおでる、ちゃんとおさえててね」。立体に組み上げたトラス橋の角も、もおでるに手つだってもらってグルーガンでとめます。「さいごにここをとめれば…」。いちばん上の三角の角をとめました。「完成（かんせい）！」。「かっこいい！　これで重さにもたえられたらかんぺきだね。さっきの２kgの水をのせてみよう」ともおでる。ペットボトルをつるしてそっと手をはなすと…。「やったぁ！　びくともしない。三角形すごい！」。「ほかにもいろんな形を作ってみようよ」。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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伝統工芸①

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テーマは「伝統工芸」。海外の友だちに誕生日プレゼントを送ろうと、地元の伝統工芸をヒントにものづくりに挑戦。染め物を作るため、伝統的な柄「文様」を描いていく。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 海外にすむ友だちにプレゼントをおくりたい ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。主人公がオンラインで会話しています。「また会えたらいいな。See you!」と手をふる主人公。「だれ、だれ？　外国のお友だち？」ともおでる。「そうなの。去年までうちの町に住んでたんだ。ほら！」。主人公が見せた写真は、忍者（にんじゃ）のかっこうをしたお友だちです。「日本の文化が大すきなの。次の誕生（たんじょう）日に何かプレゼントを作ってあげたいなぁ。何がいいと思う？」。そこへ、「ガチャンガチャン～！」とレディー・ガチャがあらわれました。「伝統工芸（でんとうこうげい）をヒントにしてみたら？　ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 自分の地域の伝統工芸品を見てみよう！ 昔から職人（しょくにん）たちが受けついできた技（わざ）、伝統工芸（でんとうこうげい）。着物や器（うつわ）などいろいろな工芸品があります。自分の地域（ちいき）の伝統工芸品を見てみましょう。主人公がやってきたのは、石川県金沢（かなざわ）市にある『いしかわ生活工芸ミュージアム』。朱（しゅ）色と金色にかがやくきれいな器がありました。「この器、何だろう？　輪島塗（わじまぬり）かぁ。ピカピカ！」と主人公。参考価格（さんこうかかく）、280,000円。「おぉ、高級なんだ！」。つづいて、加賀友禅（かがゆうぜん）というそめ物の着物があります。「桜（さくら）の花びらがいっぱいある。すてき～」。そして、「こっちの柄（がら）もかわいい！　うん、これだ！」。 【scene 03】 加賀小紋をヒントにそめ物を作ることに 「ただいま～」。主人公がもどってきました。「どうだった？」。「どれもすてきだったけど、とくに気に入ったのがあった。見て、写真をとってきたの」ともおでるに見せます。「着物の展示（てんじ）にあった布（ぬの）。加賀小紋（かがこもん）っていうそめ物なんだって」と主人公。「うん。日本らしいデザインで、色もきれい」ともおでる。「でしょ？　わたしもこんなふうにきれいなそめ物を作ってプレゼントしたいな！」。「よろこんでもらえそう！」。「どんな柄（がら）がいいかなぁ」と考える主人公。すると、「それならこれはどう？」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 04】 伝統工芸品のデザイン「文様」 ガチャ玉を開けると、「お守りだ」。虫メガネで見ると、「お花の柄（がら）…四角？　あ、六角形がたくさん！」と主人公。ひし形やおうぎ形もあります。「いろんな図形がかくれているんだね」と主人公。「その通り。この柄を『文様（もんよう）』って言うんだ」とレディー・ガチャ。「同じ図形をくりかえす、伝統工芸（でんとうこうげい）品のデザインの基本（きほん）なんだ」。「わたしでもかけそうな気がしてきた！」。主人公がさっそく文様をかき始めますが…、形がバラバラに。「どうしたらきれいにかけるんだろう？」。すると、「その技（わざ）は、職人（しょくにん）さんに聞いてみよう！」とレディー・ガチャ。 【scene 05】 文様作りの技～下地のマス目をかく 石川県の伝統工芸（でんとうこうげい）品、九谷焼（くたにやき）。文様（もんよう）がびっしりとすきまなくかかれています。どのようにしてかいているのでしょう。この道50年の職人（しょくにん）、福島武山（ふくしま・ぶざん）さんの技（わざ）を見てみましょう。細い筆で小さな文様を一つひとつかいています。目をこらして見ると、黒い線が見えます。これは何でしょう？　まきもどして見てみると、マス目が見えてきました。この下地（したじ）がポイントです。 【scene 06】 文様作りの技～定規を使う この文様（もんよう）は、平行四辺（しへん）形をしきつめたマス目を下地（したじ）にしています。ここで使うのが、みんなにもおなじみの三角定規（じょうぎ）。二つ使って線を引きます。同じはばでくりかえし、くりかえし、平行に線を引きます。これをお皿の表面にこすって写したら…、線に合わせて文様をかいていきます。すると、きれいな文様がかきあがるというわけです。文様の芸（げい）に算数の技（わざ）あり、ですね。 【scene 07】 正六角形の文様をかいてみよう 「算数を使うなら、わたしにもできるかも！」。主人公が三角定規（じょうぎ）、コンパス、分度器（き）を取り出しました。「正六角形をかいてみよう。まず、円を60°ずつ六つに分けて…」。辺（へん）をむすんでいきます。「こうすれば六つの辺の長さが同じになる。ほら、できた！」。「おぉ、きれいな正六角形。でも、たくさんしきつめるのにこれをくのかえすのはたいへんだよね」ともおでる。「そうだよね…」と考える主人公。すると、「あ！」と何かひらめいたようです。「正六角形って、六つの正三角形でできている！　だから、たくさんの正三角形をかいて、あとからつなげればいいんじゃない？」と主人公が言いました。 【scene 08】 文様作りの技～定規を使って下地をかく 「まず、三角定規（じょうぎ）を使って、平行に線を引いていく」と主人公がたくさん平行線を引いていきます。「三角定規の60°の角を使うんだね」ともおでる。「反対方向にも線を引いていくよ」と主人公。さらに、たてにも線を引いていくと、「正三角形がたくさん見えてきた！」ともおでる。「よし、ここまでかけたら…」。正三角形の下地に、「正六角形がかける！　あとはかんたん～」と、主人公がどんどん正六角形の線をかいていきます。「お～、きれいな文様（もんよう）になったね！」ともおでるも感心しました。 【scene 09】 こんなところにSTEAM 奈良・正倉院（しょうそういん）の宝物（ほうもつ）、『紫檀木画槽琵琶（したんもくがのそうのびわ）』。1300年ほど前に作られた、琵琶という古い楽器（がっき）。何かの絵がかかれていたのですが、長い年月で真っ黒くなってしまいました。ところが千年の時をこえて、当時の色がよみがえりました。元の絵はとてもカラフル。昔の色を調べるために使われたのが、レントゲン写真と同じ技術（ぎじゅつ）、「エックス線」。骨（ほね）がはっきり見えるのは、エックス線に材料（ざいりょう）のちがいを見分ける技（わざ）があるから。そのエックス線を絵に当てることで、絵具の元になった材料がわかります。銅（どう）だったら、色は緑色。ヒ素（そ）なら黄色。こうして色を調べられるのです。 【scene 10】 みんなは、どんなもの作る？ 「ねぇ、見て見て！　そめ物のデザインがかけたよ！　春夏秋冬！」。主人公がもおでるにデザインを見せます。「おぉ、文様（もんよう）で季節（きせつ）を表現（ひょうげん）したんだね。すごい！」ともおでる。「でしょ？」。「じゃあ次は、どうやってそめるか考えなきゃね」ともおでるに言われ、「うん！」とはりきる主人公です。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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伝統工芸②

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テーマは「伝統工芸」。四季を表現した布を作るため、型染めに挑戦。職人の工夫をヒントにしたり、アルカリ性・酸性の性質を利用したりして染め物を作っていく。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～伝統工芸をヒントにプレゼントを ここは、みんなの役に立つものを、知恵（ちえ）をしぼって作る「ツクランカー」の部屋。海外にすむ友だちのため、地域（ちいき）の伝統工芸（でんとうこうげい）品をヒントに、プレゼントを作ることに。文様（もんよう）に注目して、デザインを考えました。 【scene 02】 伝統工芸の「型ぞめ」とは？ 「なるほどねぇ」。主人公がタブレットを見ています。「何を調べているの？」ともおでるが聞くと、「伝統工芸（でんとうこうげい）館で見たこの布（ぬの）。どうやってそめているか調べてるんだ」と、加賀小紋（かがこもん）の映像（えいぞう）を見せました。「型（かた）ぞめって知ってる？」と主人公。「なになに？」。「まず、柄（がら）を決めて型紙をほる。それを布の上において、柄の部分だけにのりをぬる。布をそめても、のりをぬったところだけそまらない。だから、のりを水であらい流したら柄が白く出るんだ」。「なるほど」。 【scene 03】 型紙をほっていくと…「しまった！」 「まずは型紙（かたがみ）をほっているの」と主人公がもおでるに見せます。「どんどんほっていくよ～！」。楽しそうに主人公が柄（がら）のとおりに型紙をほっていきます。ところが、「あれ？　なんかいやな予感…。あぁっ、しまった！」とさけびました。「見て、朝顔、全部切り落としちゃった…」。切りぬかれた型紙を見て、「あーぁ、これじゃあおまんじゅうだね」ともおでる。「どうしよう～」。「何かいい方法（ほうほう）はあるかな」ともおでるが考えていると、「職人（しょくにん）さんがどうやって作っているのか、よく見てみよう」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 04】 伝統工芸のくふう～２まいの型紙 加賀小紋（かがこもん）の職人（しょくにん）、坂口裕章（さかぐち・ひろあき）さんの工房（こうぼう）をたずねました。どんな型紙（かたがみ）を使っているのか聞いてみると、「２まいの型紙で一つの柄（がら）を作る」と言います。作り方を見てみましょう。１まい目の型紙でのりをぬったら…、その上に２まい目をおいて、同じようにのりをぬっていきます。実は、一つの柄を分解（ぶんかい）して、型紙を２まい作っているのです。「２まいの型紙のほうがより細かいところまで精度（せいど）を上げてできる。立体感が出やすい」。２まいなら、かこまれた形でも切り落とさず表現（ひょうげん）できるのです。 【scene 05】 職人さんの技をまねして 「職人（しょくにん）さんの技（わざ）をまねして、２まい作ったよ！」と主人公が型紙（かたがみ）を見せます。「こっちとこっちを合わせると…。なるほど、これが技なんだね！」ともおでるもなっとく。「見て！　どうかな？」。主人公が布（ぬの）を見せました。「お～、朝顔の形ができているね」ともおでる。「ほかの柄（がら）も、ほら！」。「六角形の線も、うん、ちゃんとつながっているね」。「あとは、この布をそめれば…」。 【scene 06】 赤タマネギの皮でそめてみると… 「ようし、やるぞ！」。いよいよ布（ぬの）をそめます。「春の柄（がら）はピンクにそめたいから…、赤タマネギの皮を使ってみよう」と主人公。やってみると、「おぉ、ピンク色にそまりそう」ともおでる。５分後…。「え、どうして？　茶色にそまってる！　ピンク色にしたかったのに」。主人公はがっかり。「もとの赤タマネギの色とはぜんぜんちがうね」ともおでるも言います。「どうしたらピンク色になるのかなぁ」と考えこむ主人公。すると、「ためしてみない？　ガチャ！」とレディー・ガチャがあらわれました。 【scene 07】 重曹とレモンでどうかわる？ 「ためしてみない？」とレディー・ガチャが出したのは、重曹（じゅうそう）とレモン。主人公は「入れてみろってこと？」と、赤タマネギの煮汁（にじる）にまぜてみます。重曹を入れたほうも、レモン汁を入れたほうも、「色がかわってきた！」。布（ぬの）をひたしてみると…。「わぁ、ぜんぜんちがう色になった！」。「重曹を入れたら黄色、レモンの汁を入れたらピンク色になるんだね」ともおでるもおどろいています。「何も入れないと茶色なのに、どうしてだろう？　ふしぎだなぁ」と考える主人公。すると、「その“ふしぎ”が、そめものでは大事なポイントなんだ。フン！」とレディー・ガチャがあらわれてガチャ玉を出しました。 【scene 08】 伝統工芸のくふう～酸性とアルカリ性 むらさきキャベツの汁（しる）に、身のまわりにあるものをくわえてみます。パイナップルの汁、漂白剤（ひょうはくざい）…。すると、赤から緑まで色とりどりに変化（へんか）しました。まぜたものの酸性（さんせい）、アルカリ性の度合いに合わせて色素（しきそ）が反応（はんのう）しているからです。このアイデアはそめものでも使われています。たとえば、サクラの枝（えだ）を使った草木（くさき）ぞめ。枝と水に酢（す）をまぜて酸性にすると、ピンク色にそめることができます。藍（あい）の葉を使った藍ぞめでは、石灰（せっかい）を入れてアルカリ性にすることであざやかな青にかえてそめています。 【scene 09】 たくさんためして色を見つけよう！ 「のりをあらい落としたら…どう？」とそめた布（ぬの）を見せる主人公。「ピンク色！　そめたかった色になったね」。「えへへ。どうやったかというと、たくさんの組み合わせをためしたんだ」と主人公がじまん気に言いました。ミョウバン、レモン、酢（す）…。「いろんな色が発見できたね」ともおでる。主人公がいろいろな布を持ってきました。「見て！　全部の布がそまったよ」。「季節（きせつ）ごとに色がちがうんだ！　どれもあざやか！」ともおでるも感心します。「きれいでしょ」。 【scene 10】 毎日使ってもらうためのアイデア 「ここまでたいへんだったよ。職人（しょくにん）さんはやっぱりすごいや」と主人公。「全部手作りだからね。でも、この布（ぬの）はそのままおくるわけじゃないよね？」ともおでる。「え？」。「伝統工芸（でんとうこうげい）品は、使ってもらってこそかがやくんだから」。「うーん。考えておくよ」。そして…。「もおでる、見て！　ランプシェードにしたの」と主人公が見せます。ピンクや水色や黄色にそめた布でランプシェードを作ったのです。「これなら毎晩（まいばん）使ってもらえるでしょ？　中にLEDライトを入れて…完成（かんせい）！」。「ようし、じゃあこれを友だちにおくろう！」ともおでる。「うん！」。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ 外国のお友だちからビデオ電話がかかってきました。“プレゼントありがとう！　あなたが作ったの？”。「Yes! わたしの町の伝統工芸（でんとうこうげい）だよ。明かりをつけてみて」と主人公。お友だちがスイッチを入れると、ランプの明かりがつきました。部屋を暗くすると布（ぬの）の文様（もんよう）が明るくうかび上がりました。“すごくきれい！”。ランプシェードになった４色の布を見て、“わかった！　四季（しき）だね！　わたしの大切な日本での思い出だよ”とお友だちは大よろこびです。“Thank you so much. I love it.”。主人公も「よろこんでくれてうれしいよ！」と言いました。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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プロジェクションマッピング

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テーマは「プロジェクションマッピング」。おばけの画像を投影して、みんなにドキドキ・ワクワクしてもらえる、新しいおばけやしき作りに挑戦！

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【】 オープニング 「わぁ、出た！　首がのびて～、ひぇーっ！」。今回の『ツクランカー』は、「プロジェクションマッピング」に挑戦（ちょうせん）！　始まるよ～。 【scene 01】 おばけやしきを作りたい 「こうかなぁ…ちがうなぁ」。主人公があれこれ考えています。「何してるの？」ともおでる。「ばぁっ！　どう、こわい？」。主人公が見せたのは、からかさおばけのもけいです。「あのね、みんながこわがるおばけやしきを作って夏休みの思い出にしたいんだ」と主人公。「そういうことか」。「だけどこわくないか…」と考えこむ主人公。そこへレディー・ガチャがあらわれました。「おもしろそうなこと考えてるね。それなら“プロジェクションマッピング”をヒントにしてみたらどうかな？」と言います。「プロジェクションマッピング？」。「どんなものなのか見てみよう。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 “プロジェクションマッピング”とは 400年以上（いじょう）前にたてられたお寺の庭。夜になると…。紅葉（もみじ）がしきつめられたり、大きな鳥がとんでいったり、川が流れたりと、幻想的（げんそうてき）な空間に！　これが“プロジェクションマッピング”。映像（えいぞう）をうつしだすだけでいろいろな場所を別（べつ）世界にかえることができます。この映像をうつしだしているのが、「プロジェクター」とよばれる装置（そうち）です。プロジェクターは授業（じゅぎょう）などでも使われています。プロジェクターを使ってうまく画像をうつしだすと、迫力（はくりょく）ある映像空間が生まれるのです。 【scene 03】 おばけやしきを作る～“紙コップロジェクター” 「そうか、プロジェクションマッピングを使えば迫力（はくりょく）のあるおばけやしきが作れそう！」と主人公。すると、「じゃ、これからやってみる？」ともおでるが虫めがねを見せました。「虫めがねと紙コップで作る、名づけて“紙コップロジェクター”！」。「え？　これでプロジェクターが作れるの？」。「うん！　さっそく作っていこう。紙コップの底（そこ）を切りぬいたら、虫めがねをテープでとめる。コップの反対がわに、透明（とうめい）な板に絵をかいてはりつける」。「オッケー！」と主人公。「これをはりつけたら完成（かんせい）だ！」。「完成！」。「いい感じ。次は、どこにうつすか決めよう」ともおでる。 【scene 04】 おばけやしきを作るくふう～白いダンボール 「白いダンボールをつみあげればいいんじゃない？」と主人公。「ナイスアイデア！」。「よーし、これなら大きくうつせそう。さっそくやってみよう！」。ダンボール箱をつみあげて主人公が言いました。もおでるが電気を消します。「スイッチ、オン！」。ところが…。「あれ？　ぜんぜんうつらない。失敗（しっぱい）かな？」と主人公。「ちょっと近すぎるのかも」ともおでる。「じゃあ、少しはなれてみるね」。主人公がダンボールからはなれます。すると、「わぁ、うつった！」。透明（とうめい）な板にかかれたからかさおばけの絵がうつりました。「あれ？　上下さかさまだ」と主人公。「ほんとだね」。 【scene 05】 おばけやしきを作るくふう～うつすきょりをかえる 「じゃあ、こっちをさかさまにすれば…」。主人公が持っている紙コップをさかさまにしました。「おぉ、ちゃんとうつった！」。「いいねぇ。はっきりうつっているよ」ともおでる。すると、「ねぇ、もおでる。近くだと小さく見えて、遠くから当てると大きく見えるよ」と主人公が気づきました。「さかさまにうつったり、きょりをかえると大きさがかわったりするっておもしろいね」ともおでるも言います。「うん。はなれればはなれるほど、おばけを大きくできる」。そこへ、「いいところに気づいたねぇ～」とレディー・ガチャがあらわれました。「光の進み方には決まりがあるんだよ。これを見て！」と言います。 【scene 06】 光の進み方の決まり 虫めがねには、真ん中がふくらんだ「凸（とつ）レンズ」が使われています。光はまっすぐ進みますが、このレンズの中を通った光は、おれまがって進みます。絵のおばけの上の部分に当たっていた光は下へ、下の部分の光は上に進みます。だからさかさまにうつってしまうのです。さらに、光はまっすぐ進むため、レンズからはなれると画像（がぞう）はどんどん大きくなります。さっきも、スクリーンからのきょりがはなれていたから大きくなっていたのです。だから、はなれた場所から強い光を当てたほうが大きくうつすことができるのです。 【scene 07】 プロジェクターを使ってみる 「今度はこのプロジェクターを使ってみようよ。うつすのはこれ。さっきのからかさおばけに色をつけてみたよ」ともおでる。「スイッチ、オン！」。主人公がスイッチを入れると、からかさおばけが大きくうつしだされました。「うわ、おばけの雰囲気（ふんいき）出てるねぇ」とよろこぶ主人公。「今度は、ぬりかべ！」。ぬりかべの絵をうつします。「おー、だいぶ迫力（はくりょく）があるよ」ともおでる。すると主人公が、「よーし」とプロジェクターを動かします。「何してるの？」。「こっちに当てたらどうなるのかなと思ってさ」。ぬりかべの絵をスクリーンの横にかけてあったぬのにうつしました。すると…。 【scene 08】 おばけやしきを作るくふう～うつす場所 「わ、何これ？」。ぬのにうつったぬりかべがおもしろい形になっています。「ぬのをこうすれば…」。主人公がぬのを動かすと、「ぬのがゆれて、ぬりかべが生きているみたいだよ！」ともおでる。すると、「そうだ！　ちょっとためしたいことがあるからそこで見てて」。主人公はダンボール箱を持つとぬりかべをうつしながら動かしました。箱の角で絵の動きがかわります。「また見え方がかわったよ！　ぬりかべがのびたりちぢんだり！」ともおでる。「でしょ？　おばけに迫力（はくりょく）を出すには、うつす場所をくふうしてもいいんだね」と主人公。「これならもっとこわいおばけやしきができそう！」ともおでるも言います。 【scene 09】 こんなところにSTEAM プロジェクションマッピングはいろいろなところでかつやくし始めています。たとえば高速道路。トンネルの中、天井（てんじょう）に点滅（てんめつ）する文字がうつしだされています。これは、自動車が安全に走行するための情報（じょうほう）を必要（ひつよう）におうじてうつしだせるようにしているのです。ほかにも、病院、駅などで足もとにうつるいろいろなサイン。状況（じょうきょう）に合わせてさまざまなサインを表示（ひょうじ）しています。光なので、場所がかわっても新しく看板（かんばん）を立てたりする必要がありません。映像（えいぞう）による情報を使って、多くの人をスムーズに誘導（ゆうどう）できるのです。 【scene 10】 おばけやしき完成！ スクリーンにいくつものおばけがうつしだされました。「よし。これで、おばけやしき完成（かんせい）！　おばけやしきの始まり始まり～」と主人公。「待ってました！」。「それじゃいくよ。エントリーナンバー１、からかさおばけ。丸い玉をよーく見てて」。スクリーンに取りつけた丸い玉にからかさおばけがうつると…。「ぎょろぎょろの目がとびでてるみたい！」。「すごい迫力（はくりょく）だねぇ！」ともおでるもびっくり。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ 「次は、ろくろ首。おばけが天井（てんじょう）をつたって～」と主人公。スクリーン上部のおばけの首がどんどんのびていきます。「うわぁ、こっちに来た！」とびっくりするもおでる。「天井に当たる光の角度を調整したんだ」と主人公。「さいごはガイコツ。スクリーンの中心に来ると…」。「あっ、体がバラバラに！」。「高さのちがう箱を組み合わせて光の当たるきょりをかえてみたんだ」と主人公。「すごい！　すごーい！」。「色をかえたり、うつす場所をかえたり、いろいろできるね」。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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あんぜん①

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カッターでケガをしそうになった主人公。身のまわりにはたくさんの危険があることに気づき、それを安全にするためのものづくりに挑戦する。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 身のまわりの危険～カッターを使うとき～ ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。ツクランカーといっしょに作るのは、相棒（あいぼう）の「もおでる」です。「いや、いい感じ」。男の子が箱を作っています。「カッコいい箱だねぇ。その目は何？」ともおでる。「まよけの目だよ。さいごにこれをつければ…」。紙にかいた“まよけの目”をカッターで切りぬこうとする男の子。「あー、切りにくいなぁ」と手をそえて力を入れます。「あぶない！」ともおでる。「うわ」。男の子も自分でびっくり。するともおでるが、「けがには気をつけて！　こっちのカッター使ってごらん」とカッターを見せました。「え？　何がちがうの？」と手に取る男の子。 【scene 02】 「より安全なカッター」 「上の黒いところをおしてみて」ともおでる。おしてみると、刃（は）が出ました。さらに、紙を切ると何か出てきました。刃から指を守るガードです。「おー、このまま切れる。あ、切り終わったら全部引っこんだ」。「より安全に使えるしかけのカッターだよ。こういう道具、カッコいいよね」ともおでるが言うと、「こういうもの作ってみたいなぁ」と男の子。「どういうものがいいかな」。「とびだす定規（じょうぎ）とか？」。そこへ、「待て待て待て～」とレディー・ガチャがあらわれました。「安全にするしかけにはどんなものがあるのかなぁ。ガチャンガチャンガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 03】 カッターを安全にするしかけ まずは、さっき使っていたカッター。中を見てみます。安全にするしかけは、上のほうにある短いバネと、２か所のストッパー。刃（は）を出して切り始めると、どうなるかな？　バネに引っぱられてストッパーがはずれ、ガードがとびだします。切り終わると、さらにバネがちぢんでもう一つのストッパーがかかり、ガードがしっかり固定（こてい）されます。さいごに刃をもどすと、ガードもいっしょに収納（しゅうのう）され、元通りになります。使うときも使わないときも、安全なしかけになっているのです。 【scene 04】 安全にするしかけはいたるところに 次は、消防士（しょうぼうし）のくつ。ここにも、安全にするしかけがかくされていました。つま先には、かたい板が入っていて、物が落ちてきても足を守ることができます。つづいて、信号機（しんごうき）のない横断（おうだん）歩道。路面の横断歩道のペイントをかきかえると、立体的（てき）に見えるようになりました。これを見た運転手が車の速度を落とすように、デザインをくふうしたのです。そしてさいごにしょうかいするのは、画びょう。どんなしかけがあるのでしょう。 【scene 05】 体感！　より安全な画びょう 「ほい！」。レディー・ガチャがくれたガチャ玉。開けてみると画びょうがたくさん入っています。ふしぎな形で、針（はり）のまわりにやわらかいわっかがついています。「針がささりにくいしかけだね」ともおでる。つくえの上に全部出してよく見ると…。「あれ？　上を向いている針が一つもない」。「ほんとだ！　画びょうって、針がけっこう上を向くよね。わっかつきのほうならふんでもだいじょうぶそう」ともおでる。「たしかに」。「よく考えられているよね！」。すると、「この画びょう、どういう発想でうまれたのかなぁ。ガチャンガチャンガチャンガ～、フン！」とレディー・ガチャがガチャ玉を出しました。 【scene 06】 使う人の目線に立ったしかけ～より安全な画びょう～ 開発のきっかけは、画びょうの危険性（きけんせい）。指にささる。くつのうらにささる。そんななやみを解決（かいけつ）しようとしたのです。開発のためのいろいろなデザイン案（あん）。もっとも大切にしたのは、使う人の目線に立ったしかけです。たとえば、針（はり）をたためるしかけ。使うときだけ針を出せばいいので安全です。しかし、このアイデアはボツに。針がどこにあるかわかりにくく、指にささりそうになったという声が出たためです。使う人にとってわかりにくければ安全ではない。２年がかりで、今のデザインにたどりついたそうです。 【scene 07】 やってみよう！　でも手がかりがほしい… 「ふーん。『使う人の目線に立つ』か。その人の身になって作ることが大切なんだね」と男の子。「うんうん。ぼくたちの身のまわりでも、安全にする何かを作ろうよ！」ともおでる。「うん！」。「でも、使う人の視点（してん）って、どうやったらわかるのかな？」ともおでる。「うーん。学校の友だちに聞いてみようかな」と男の子。すると、「うんうんうん」とレディー・ガチャがあらわれました。「そんなときに手がかりになるものがあるよ」と言います。「なになに？」。レディー・ガチャは、「ガチャンガチャンガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 08】 手がかりは「危険予知トレーニングシート」 その手がかりとは、『危険予知（きけんよち）トレーニングシート』。危険を予知するとはどういうことでしょう。通学路の例（れい）でやってみましょう。まず、通学路がえがかれたイラストの中で、自分がどの人の立場になるかを決めます。たとえば、道をわたろうとしている子どもの立場になってまわりを見てみましょう。道の向こうがわの子が声をかけてきましたね。右から自転車が走ってきているのに気づいているかな？　このままだと自転車にぶつかってしまうかも！　これが『予知』です。予知することで、身のまわりの危険を見つけることができるのです。 【scene 09】 ろうかでの危険を予知してみよう ろうかでの『危険予知（きけんよち）トレーニングシート』を見て、「ようし。このぞうきんがけしている子の立場になってみよう」と男の子。けっこうスピードが出ているみたい。「このままだと、前から歩いてくる子たちにぶつかっちゃうね」と男の子。「でもその前に、教室からとびだしてきている子にぶつかっちゃうんじゃないかな」ともおでる。「そうだ。ドアは向こうがわが見えないから、気をつけないとあぶないよね」。「そうそう。教室のドアってこわいよねぇ。はさまって指をけがした友だちがいたよ」ともおでる。「そうだ！　クラスのみんなが指をけがしないドアを作ろう」。「ツクランカー！」。 【scene 10】 みんななら、どんなもの作る？ トントントントン。男の子が木のわくのようなものを作っています。「ねえねえ、もしかしてぼくの家作ってくれてる？」ともおでる。「ちがいまーす。ドアの模型（もけい）でーす」。模型のドアを開けたりしめたりして、指がどうはさまるか実験（じっけん）しています。「小さいサイズの模型でためしてみるのはいいよね。じゃ、今度はぼくの家もよろしく」ともおでる。「わかった、わかった」。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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あんぜん②

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180443_00000

テーマは「身の回りの危険を安全にするためのものづくり」。教室のドアを安全にする仕掛けを考えて、実際に取り付けてみる。子どもたちの反応は…？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180443_00000

【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～安全なドアを作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今回は、“身のまわりを安全にするもの作り”です。注目したのは教室のドア。みんなも、指とかはさみそうになったことあるよね？　どうすれば、安全なドアを作れるのかな？ 【scene 02】 設計図のヒントは電車のドア 「よし。こんな計画でどうだろう」。男の子が“安全なドア”の設計図（せっけいず）をかきあげました。「どんなアイデアなの？」ともおでるがたずねると、「これだよ。電車のドア」と電車の模型（もけい）を見せました。「おおぜいの人が毎日、安全に乗りおりしているでしょ」。「電車のドアをヒントにして作るんだね」ともおでる。「そうだよ。センサーが感知して開け閉（し）めする安全なドアだよ」。動かす力はモーター。「モーターとセンサーを組み合わせれば安全なドアができる？」。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「電車のドアってどんなしかけなのかなぁ。ガチャンガチャンガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出しました。 【scene 03】 にているものを参考にする～電車のドアのしかけ 電車のドアはどうやって安全にしているのでしょう。そのしかけを作っている工場をたずねました。見せてもらったのは、ドアを動かすしかけ。モーターが電気の力でドアを開け閉（し）めしています。よく見ると、閉まる速さがとちゅうからおそくなっています。この速さはモーターにつながったコンピューターでコントロールされています。さらに、万が一ドアにはさまっても安全なしかけがありました。ドアのふちについているゴム。中が空洞（くうどう）で、クッションになっているのです。「ドアを安全にするために、使われ方などを想像（そうぞう）して考えることが重要（じゅうよう）です」と開発責任者（せきにんしゃ）の藤田憲司（ふじた・けんじ）さん。 【scene 04】 いろいろな素材でためしてみる 「すごいなぁ。万が一まで考える」と感心するもおでる。「はさまれてもけがしないしかけを作ろう」と男の子が言うと、「ジャジャーン！　そう思って、やわらかい素材（そざい）、用意しました。どれがいい？」ともおでる。エアパッキン、スポンジ、チューブです。そこでスポンジをえらびました。スポンジをドアがぶつかる部分に取りつけます。模型（もけい）のドアをしめて指をはさんでみると…。「うーん。指が当たっていたい」と男の子。「やわらかすぎるのかな」と言います。「それなら！　チューブはどうかな？」ともおでる。「電車のドアにも空洞（くうどう）があった！」と男の子。「そうそうそう」。 【scene 05】 空気のクッション大成功 空気をとじこめておすと、体積（たいせき）が小さくなり、おしかえす力が大きくなります。「つまり、空気のクッションだ」ともおでる。そこで、チューブの両はしをふさぎ、空気をとじこめた状態（じょうたい）で模型（もけい）のドアにはりつけます。ドアをしめて指をはさんでみると…。「うん、いたくない」と男の子。「実験（じっけん）成功（せいこう）。やったー！」。 【scene 06】 実際の教室でためしてみると… このアイデアを、実際（じっさい）の教室でためしてもらいました。ホースをドアと同じ長さに切って、両はしをゴムせんでふさぎました。使い心地はどうかな？　開け閉（し）めして手やうでをはさんでもらうと…。「そこまでいたくない」。「全然（ぜんぜん）いたくない」。なかなかいい感じです。でも、課題（かだい）も見つかりました。「チューブがすごくやわらかいわけではない。たとえばスポンジをつけるとか」というアドバイスです。「みんな、ありがとう」ともおでる。もっといいもの作ります！ 【scene 07】 運動場で頭を守るものを作ろう 教室の外でも“安全にするもの作り”を考えてみましょう。たとえば、登りぼうで遊んでいるとき。「上の子が手をすべらせてもし落ちてきたら、下の子は頭にけがしそう」。「運動場で頭をぶつけることって、けっこうあるよなぁ」。「じゃあ、頭を守るものを作ろう」。使うのは三角形の段（だん）ボール。「たしかに段ボールもすきまに空気があるよね。クッションになっていいかも」ともおでる。「これをくっつけてぼうしに…」。ところがうまくつきません。すると、「そんなときにはプロの技（わざ）をヒントにしてみよう」とレディー・ガチャがあらわれました。「ガチャンガチャンガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 08】 にているものを参考にする～服のぬいしろ たずねたのは、服の作り方を教えてくれる学校です。服はたくさんの布（ぬの）をつなげて作られています。どんなしかけでつながっているのでしょう。服の設計（せっけい）図「型紙（かたがみ）」を見ればそれがわかります。見ると、かかれた線が二重になっています。どうしてでしょう。「２枚（まい）の布をぬい合わせるときには、かならず『ぬいしろ』が必要（ひつよう）になります」とモデリストの三科三四子（みしな・みよこ）さん。「服の線より内がわをぬってしまうとサイズが小さくなって、着られない服になります」と教えてくれました。「ぬいしろ」があると、布をつなげることができる。ヒントになったかな？ 【scene 09】 にているものを参考にする～のりしろ 「じゃーん！」。男の子がもおでるに三角形の段（だん）ボールを見せました。そこには新たなくふうが！　段ボールをつなげる部分に「のりしろ」をつけたのです。今度はどうでしょう。のりしろにのりをつけ、つなげると…。「ようし、くっついた！」。のりしろは、いろいろな箱を分解（ぶんかい）すると見つけられます。立体のものを作るときに使える技（わざ）です。「できた！　もおでる、どう？」。「いいねぇ。頭だけじゃなくて、いろいろぶつかりそうなところに使えそうだね」ともおでる。 【scene 10】 こんなところにSTEAM～より安全なぼうし 同じようなしかけで作られたぼうしを見つけました。分解（ぶんかい）すると、ぶつかったときの衝撃（しょうげき）をやわらげるクッションが入っています。開発したのは戸泉秀明（といずみ・ひであき）さん。このぼうしができるまでに、12年もかかりました。それは、安全性（せい）を確実（かくじつ）にするためです。たとえば、おもりを落とし、どれだけ衝撃を吸収（きゅうしゅう）したかをはかりました。この実験（じっけん）で、あたまを保護（ほご）するほかのものとくらべました。大切なのは、条件（じょうけん）をそろえてくらべること。ここまですることで、「安全」をとどけることができたのです。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ 「世の中に存在（そんざい）しないものを作るのはすごく楽しいことです。挑戦（ちょうせん）してうまくいかなくても、くりかえすうちにうまくいくときもあるわけです」と戸泉さんが言いました。これを聞いてもおでるも、「もっといろいろ作ろうよ」と言います。「今度は、“通学路”かな」。「おお、いいねぇ！」ともおでる。みんななら、どんなもの作る？

ツクランカー

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ビオトープ①

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ビルに囲まれ自然の少ない学校に通う主人公。生き物の好む環境を用意すれば、昔ながらの生き物がやってくることを知り、「ビオトープ」づくりに挑戦することに。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 いなくなった生き物をよびもどしたい ここは、「ツクランカー」の部屋。今日はどんな「ものづくり」をするのかな…。主人公がもおでるとチューリップをスケッチしています。すると、チョウチョがまどから入ってきました。「モンシロチョウだね。こんにちは」ともおでる。「花のかおりにつられてきたのかな。モンシロチョウ見たの、ひさしぶりだな」と主人公。「うちの学校のまわりはビルばかりで、虫や鳥は見ないよ」。そこへ、「ガチャンガチャン～！」とレディー・ガチャがあらわれました。「いなくなった生き物、もう一度もどってきてほしいよね。いなくなった生き物を復活（ふっかつ）させた取り組みがあるんだ。ガチャンガ～、フン！」とガチャ玉を出します。 【scene 02】 コウノトリの絶滅 みんなはコウノトリを知っていますか？　つばさを広げると２ｍもある大きな鳥です。高い木の上に巣（す）を作り、田んぼにすむカエルやドジョウなどを食べます。実はこのコウノトリ、一度、絶滅（ぜつめつ）してしまったのです。昔々、コウノトリは田んぼでよく見かける身近な鳥でした。昔は田んぼが多かったからです。しかし、お米をたくさん作るために農薬を使ったら、コウノトリが食べていたカエルなどの生き物が少なくなりました。田んぼのまわりの森もどんどんへり、巣作りに必要（ひつよう）な木もなくなまりました。すむ場所をなくしたコウノトリは、1971年、ついに日本では絶滅してしまいました。 【scene 03】 コウノトリの復活 でも、ここで終わりではありません。コウノトリを復活（ふっかつ）させようという取り組みが、兵庫県豊岡（とよおか）市でスタート。農薬をなるべく使わない米作りをする農家がだんだんふえていって、田んぼにすむ生き物も復活（ふっかつ）。そして、外国からコウノトリをよんで、繁殖（はんしょく）に成功（せいこう）。コウノトリは、ふたたび日本の空をとべることになったのです。 【scene 04】 「生き物のすみかを作れないかな」 「お米作りを一生けんめいしたら、コウノトリがいなくなってしまったなんて…」と考えこむ主人公。「でも、コウノトリがすめる場所にもどってよかったよね」ともおでる。すると、「あ、そうか！」と主人公。「わたしの学校でも、生き物のすみかを作れないかな」と言いました。「いいね。作ってみようよ」ともおでるも賛成（さんせい）します。「何から作ればいいかなぁ」と主人公。すると、「そのアイデア、ビオトープで実現（じつげん）できるんじゃないかな？」とレディー・ガチャがあらわれました。 【scene 05】 ビオトープの工夫～生き物が自然に集まる 愛知県の小学校でビオトープを見せてもらいました。校庭にあるビオトープ。一体どんなところなのでしょう。「バッタがどんどんビオトープのほうへよってくるのを見かける」。バッタがよってくるとは？　実は、昆虫（こんちゅう）のすみかを考えて、あえて草をのこすよう手入れをしているのです。池も作ってあります。「イネを食べる虫を食べるメダカやドジョウがけっこういるようになった」。さらに、池にすむ生き物を食べる鳥のために、巣箱（すばこ）もあります。「ヤマガラやハクセキレイなどがたまごをうみにくる」。ビオトープとは、さまざまな生き物が自然（しぜん）に集まるように作られた場所なのです。 【scene 06】 ビオトープの工夫～トンボをよびたい 「池か…。わたしの学校ではむずかしいなぁ」と主人公。「学校にあんな生き物のすみかがあるなんて、うらやましいよね」ともおでるも言います。「うん。それにいろんな工夫（くふう）があった。食べ物のことも考えていた」。「工夫すれば作れるんじゃない？」。すると、「あ、今度はトンボだ」。まどからトンボが入ってきました。指に止まらせようとする主人公。でも、やがてとんでいってしまいました。「トンボ、カッコいいね。昔はいっぱいいたって聞いたことあるよ」ともおでる。「トンボを学校によびたい！」と主人公。「じゃあ、調べてみようよ」ともおでるが言いました。 【scene 07】 トンボの一生 池の上をとぶ赤いトンボ。アキアカネです。オスとメスがいっしょになってたまごをうみます。トンボの幼虫（ようちゅう）、ヤゴがいます。水の中でミジンコなどを食べています。ヤゴが水から出てきています。イネの葉などにしがみついて、羽化（うか）するのです。「トンボは水の中で大きくなって、それから空をとぶトンボになるんだ。おもしろい！」。 【scene 08】 ビオトープの工夫～ポイントは水！ 主人公が四角い容器（ようき）に水を入れています。「これ何？」ともおでる。「トンボをよぶしかけだよ。ポイントは水！」。「どういうこと？」。「じゃじゃーん！」。主人公がトンボの模型（もけい）を使って説明（せつめい）します。「トンボがとんできました。『お、よさそうな場所があるぞ』と言って、たまごをうんで、ここがヤゴのすみかになります」。「え～？　これで本当にトンボが来るのかなぁ？」と心配になるもおでる。 【scene 09】 こんなところにSTEAM ここは、沖縄の海。魚たちのすみかにもなるサンゴがあります。それが…東京のオフィスに出現（しゅつげん）！　サンゴは人工的（てき）に飼育（しいく）するのはとてもむずかしいのですが、それがどうして東京に？　ひみつはここ。AI、つまり人工知能（ちのう）を使って、サンゴの健康診断（けんこうしんだん）をしています。カメラでサンゴを毎日さつえい。サンゴは、健康なときは栄養（えいよう）を取りこむための触手（しょくしゅ）をのばしています。AIはまずその大きさを読み取り、健康な状態（じょうたい）を学習。そしてサンゴを毎日記録（きろく）し、触手がのびていない状態が記録されたら、病気と判断（はんだん）するのです。さらに、光が当たる時間や水温などをプログラミングで管理（かんり）。AIを使って工夫（くふう）すれば、沖縄の海も再現（さいげん）できるのです。 【scene 10】 みんなは、どんなもの作る？ 「学校にトンボ、ぜったいに来てほしい」と主人公。水を入れる容器（ようき）に、文字や絵のテープをはりつけてかざりつけています。「おー、ミニ・ビオトープだね。ようし、ぼくも作ろうっと」ともおでるもやる気になりました。みんなは、どんなもの作る？

ツクランカー

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ビオトープ②

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今回は生き物のすみかづくりに挑戦。トンボを呼ぶための「ミニビオトープ」を作ることになったのだが、果たしてどんなものができるのか…。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 前回のおさらい～ビオトープを作ろう ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。今回は、生き物のすみか作りに挑戦（ちょうせん）。トンボをよぶためのビオトープを作ることになったのですが、はたしてトンボはやってくるのでしょうか？ 【scene 02】 ビオトープの準備～ミジンコをふやす 「ビオトープの準備（じゅんび）、進んでる？」ともおでる。「うん。まず、ヤゴが食べるミジンコをふやしているんだ」と主人公。水槽（すいそう）の中にはたくさんミジンコが泳いでいました。水槽には落ち葉が入れてあります。「落ち葉がポイント。ミジンコの栄養（えいよう）になるから、ふえたでしょ？」。「ふんふん。実はこのミジンコの写真を毎日とっていたからね」。「えー？」。もおでるに言われてタブレットを開くと、ミジンコの観察記録（かんさつきろく）がありました。「さすが、もおでる」。「見たい写真があったら、クリックしてみて」ともおでる。「OK…大きくなった。これ、プログラミング？」。 【scene 03】 観察や実験は記録しておこう 「そう、スクラッチで作ったんだ。まずスプライトをえらぶ。写真フォルダから写真を選択（せんたく）すると…」。「あ、取りこまれた」。「次はプログラミング。『緑の旗（はた）がおされたとき』というブロックの下に、『大きさを20％にする』ブロックをはりつける。ほら」。「あ、写真が小さくなった」。「ほかの写真も同じようにしていくよ。見たい写真を大きくするには、『大きさを100％にする』ブロックをはりつける。これで完成（かんせい）」。「大きくなったり小さくなったり。落ち葉が栄養（えいよう）になっていることもわかるかも！」。「観察（かんさつ）や実験（じっけん）は記録（きろく）しておくと発見ができるよ」。 【scene 04】 ビオトープの条件？ 主人公が大きな箱を運んできました。「この箱にたくさんのミジンコを入れて…。落ち葉も入れたら、ミニ・ビオトープの完成（かんせい）！」と主人公。「これで終わり？　かんたんすぎて心配になるなぁ」ともおでる。ちょうど、トンボがまどから入ってきました。ミニ・ビオトープの上をとんでいますが…そのまま行ってしまいました。「気に入らなかったみたい。何がいけないんだろう？」と主人公。「きっと、何か条件（じょうけん）が足りなかったんだよ」。「条件？」。そこへ、「一生けんめい考えてるね」とレディー・ガチャがあらわれました。「そんなときは、トンボにくわしい人に話を聞いてみたらどうかな？」と言います。 【scene 05】 トンボの種類によって環境をかえる トンボが大すきな、大内秀之（おおうち・ひでゆき）さん。使われなくなった田んぼを使って、いろいろなトンボが集まるビオトープを作りました。ミニ・ビオトープを見てもらうと、「落ち葉があるとヤゴがかくれることもできるし、えさとなるミジンコも出やすいね」。さらに話を聞くと、トンボの種類（しゅるい）によって環境（かんきょう）をかえる必要（ひつよう）があると言います。アキアカネはどろに少し水があるところに産卵（さんらん）し、オニヤンマは水が流れているところ、そしてイトトンボなら水草があるところ。「全部の種類が同じ水辺（みずべ）で産卵すると、ヤゴの時期に生存競争（せいぞんきょうそう）が始まって小さいトンボはトンボになれない。環境をえらぶことで“すみ分け”ができている」。 【scene 06】 ビオトープのくふう～アキアカネ 「トンボの種類（しゅるい）によって環境（かんきょう）をかえなきゃいけないのか」。主人公が箱に土と水を入れ始めました。「どの種類のトンボをよぶの？」ともおでる。「アキアカネにする。田んぼのような場所がすきなんだよね。こんな感じかな」。土と水をかきまぜてどろを作り、小さな枝（えだ）を２本立てました。「これでよし。どう、もおでる？」。「うん。水の深さもいいと思う。これならアキアカネがすめるんじゃないかな」。そして主人公はこう説明（せつめい）します。「アキアカネがやってきて卵（たまご）をうみます。そして、その卵がヤゴになって、枝をのぼって…、羽化します。そして、とんでいきます」。枝をさしたのは羽化のためでした。 【scene 07】 ビオトープのくふう～イトトンボ 主人公がまた水を運んでくると、「え？　ビオトープがふえてるよ、もおでる！」。箱がもう一つふえていました。「実はさ、ぼくもビオトープを作ったんだ」ともおでる。「どのトンボをよびたいかわかる？」ともおでるが言います。「ん？　土はなくて、水草が入ってるね」と主人公。「これはね、イトトンボ用のビオトープなんだよ」ともおでる。「イトトンボか。水草に卵（たまご）をうみつけるんだったね」。「その通り」。さぁ、これで２人とも準備完了（じゅんびかんりょう）です。「トンボが来るか観察（かんさつ）してみようよ」ともおでる。 【scene 08】 ビオトープ大成功！ 「うん。今度はしずかにね」。主人公が少しはなれたところでそっと待ちます。すると、「あ、赤いトンボが来たよ！」と主人公。「アキアカネだ。気に入ってくれるかな」ともおでる。「わぁ、枝（えだ）にとまった」。「やったね」。しばらくすると、「今度はイトトンボだ」ともおでる。「どうかな…？」。「入ったよね。やったー！　イトトンボも気に入ってくれたみたいだ」。「もおでる、よかったね！」。ビオトープ、大成功（せいこう）です。 【scene 09】 学校のみんなにも考えてもらった さとえ学園小学校のみんなにも、ビオトープのアイデアを考えてもらいました。まず、トンボをよぶためのしかけ。ビオトープの中にライトを取りつけてあります。「夜に、光があるところに小さい虫が集まるのを見たことがあるので、光を出すことでトンボが食べる虫を引きよせて、それにつられてトンボが来るのを待つアイデアです」。光でトンボの食べ物の虫を集める、すごいアイデアです。 【scene 10】 ビオトープのくふう～クワガタ、モズ トンボだけではありません。クワガタをよぶビオトープもあります。箱の中においた木の中に、ひみつのしかけを考えているのだそうです。「まず、木の上の部分にあなをあけて、横にもあなをあけてつながるように、“かくれが”を用意すれば来やすいと思って」。かくれるところ、大切ですね。そしてなんと、鳥をよぶくふうをしたビオトープも。するどい枝（えだ）がのびているのがポイント。「このビオトープは、モズをよぶために、えさとなる虫も来られるような草花をたくさん入れました。モズが来てはやにえをしてくれるように、この太さの枝でちょうどいいと思います」。よく考えていますね。 【scene 11】 みんななら、どんなもの作る？ ほかにも、カエルをよぶビオトープ。花を植えて、虫をよぶビオトープもありました。みんな、ありがとう！　どれも生き物のことを考えてくふうをこらしたナイスアイデアです。「いろんな生き物が、学校に集まってくるといいな」と主人公。みんななら、どんなもの作る？

テキシコー

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＃１

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180401_00000

魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

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【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中で動（うご）かしてみよ「電車のおもちゃ」 模型（もけい）のゲートを降（お）ろし、レールの端（はし）からおもちゃの電車を走らせると、ゲートにぶつかったあと、どうなるか？これをふまえて、丸いレールを作り、ゲートを置（お）きました。レールには、三角形の積（つ）み木がついています。電車を走らせると、一体どうなるでしょうか？ 【】 Scene2 実際（じっさい）に電車を走らせると…？ 頭のなかで動かせたでしょうか？では、やってみましょう。まず、電車が走る。ゲートに当たる。レールが回る。三角形が…。（プログラミング的思考その５「頭の中で手順（てじゅん）をたどる」）今、みなさんがやった、頭の中で手順をたどることは、重要（じゅうよう）なプログラミング的思考の一つです。 【】 Scene3　効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン「ごみ取（と）り」 今日は、ダンドリよく掃除（そうじ）をします。道具（どうぐ）を使（つか）って散（ち）らばったゴミを集（あつ）め、チリトリに入れます。3工程（こうてい）ですべてのゴミがチリトリに入ります。しかし、「一生懸命（けんめい）やっているのはわかるが、効率が悪（わる）い！」としかられてしまいます。「では、どうするでありますか？」「それはな…」。工夫（くふう）をすると2工程でできました。 【】 Scene4 ロジックマジック「９枚（まい）の紙きれ」 手品師（てじなし）が、客（きゃく）に正方形の紙（わた）を渡しました。「この紙を９枚にやぶいてください。この中から１枚を選（えら）んで…これにしましょうか。１から９の間で好（す）きな数字を１つ書いてください。ぼくは横（よこ）を向（む）いています。書けたら、裏返（うらがえ）してください。」客は“８”を書きました。「ほかの紙には残（のこ）りの数字を書いたうえで、裏にしてよく混（ま）ぜてください。」客はそのとおりにしました。「さて、あなたが最初（さいしょ）に書いた数字は…これですね。」数字は８。正解（せいかい）です。 【】 Scene5 どうして手品師は客の書いた数字がわかったのか？ なぜわかったのでしょうか？この一枚にだけ何か特徴（とくちょう）があるのでしょうか？紙を9枚にやぶった時、ある１枚だけに現れる特徴とは？（プログラミング的思考その３「パターンを見つける」） 【】 Scene6 こんなところにプログラム「郵便配達（ゆうびんはいたつ）」 郵便配達員（いん）が、配達にむかう前に、必（かなら）ず行う「組立」という作業（さぎょう）があります。郵便物を配達原簿（げんぼ）という表（ひょう）をたよりに並（なら）べ替（か）えることです。その表には、住民（じゅうみん）が、住所順（じゅうしょじゅん）ではなく、ある目的（もくてき）を持（も）ったプログラムにしたがって並べられています。配達原簿にしたがって組み立てた郵便を地図に並べていくと…一筆（ひとふで）書きのようにつながりました。配達原簿には配達の最短（さいたん）ルートが書いてあるのです。これは、一方通行や、右折禁止（うせつきんし）などの交通事情（じじょう）も考えて作られた、プログラムされた道順なのです。 【】 Scene7 今回のまとめ 今日獲得したプログラミング的思考は次（つぎ）の３つ。「②手順の組み合わせを考える」「③パターンを見つける」「⑤頭の中で手順をたどる」

テキシコー

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＃２

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180402_00000

魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180402_00000

【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中で動（うご）かしてみよ「街灯（がいとう）のセンサー」 街灯（がいとう）には光センサーが付（つ）いています。暗（くら）くなると、自動的（じどうてき）に街灯をつけるためです。しかし、どの街灯も、光センサーはライトの反対側に付いています。なぜでしょうか。その理由（りゆう）を探（さぐ）るために、モデルを作ってみました。LEDがついていて、その逆（ぎゃく）に光センサーがあります。光センサーが暗さを感（かん）じると、つき、明るさを感じると、消（き）えるようになっています。ここで本題（ほんだい）。ライト側に光センサーがついていると、何が起（お）こるでしょうか？ 【】 Scene2 実際（じっさい）にやってみると…？ あたまの中で動かせたでしょうか？では、暗くします。まず、暗くなる、センサーが暗さを感じる、ライトをつける、明るくなる、センサーが…。そして、センサーをもとの位置（いち）にもどすと、もちろん…。（プログラミング的思考その５「頭の中で手順（てじゅん）をたどる」）今、みなさんがやった、頭の中で手順をたどることは、重要（じゅうよう）なプログラミング的思考の一つです。 【】 Scene3　ダンドリオン「新幹線（しんかんせん）」 “効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン。”今日は、ダンドリよく新幹線の中で作業（さぎょう）をします。座席（ざせき）のカバーを外して、いすの向きを変（か）えるのです。６工程（こうてい）で作業をしました。…しかし、「一生懸命（けんめい）やっているのはわかるが、効率（こうりつ）が悪（わる）い！」としかられてしまいます。「では、どうするでありますか？」「それはな…」。工夫（くふう）すると、４工程でできました。 【】 Scene4 ロジックマジック「４×４のカード」 手品師（てじなし）がカードを広げ、客（きゃく）に１枚（まい）選（えら）ばせました。客が選んだカードは「ダイヤの３」でした。カードをもどすと、手品師が「今からふたつだけ質問（しつもん）して、あなたが選んだカードを当てます。」と言いました。カードを縦横（たてよこ）４枚ずつ並（なら）べて、「一つ目の質問です。あなたが選んだカードはどの列（れつ）にありますか？」客が指（ゆび）をさすと、「この列ですね。わかりました。」そして、手品師はもう一度カードを並べて、「二つ目の質問です。今度は、どの列にありますか？」客が指をさすと、手品師が示したのは「ダイヤの３」。正解（せいかい）です。 【】 Scene5 どうして手品師はカードがわかったのか？ なぜわかったのでしょうか？一つ目の質問で、この縦の列のどれかだということはわかりました。しかし手品師はどうやって４枚から１枚にしぼったのか？可能性（かのうせい）のある５、３、８、６の縦の列をぬき出して、この４枚がどうなるかに注目（ちゅうもく）してみると…。（プログラミング的思考その４。「大事（だいじ）なものだけぬき出して考える」） 【】 Scene6 こんなところにプログラム「花火」 花火を作る職人（しょくにん）、花火師（はなびし）。実（じつ）は、花火づくりはブログラミングです。花火の丸い皮（かわ）の中に、色を出して光る「星」と、花火を破裂（はれつ）させる爆薬（ばくやく）を、花火のひろがりを想像（そうぞう）しながら、プログラムしていきます。完成（かんせい）した花火の断面（だんめん）を見ると、内側（がわ）から、緑（みどり）、赤、青に光る星が並んでいて、星の間には爆薬が詰まっています。この花火、上空でどのように開（ひら）くのでしょうか…？色の順序（じゅんじょ）を入れ替（か）えると…？さらに、こんなプログラムも。大きな花火玉の中に、星が入った小さな花火玉。打（う）ち上げると…？ 【】 Scene7 今回のまとめ 今日獲得したプログラミング的思考は次の３つ。「②手順の組み合わせを考える」「④大事なものだけぬきだして考える」「⑤頭の中で手順をたどる」

テキシコー

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＃３

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180403_00000

魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180403_00000

【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中で動（うご）かしてみよ「のぼるビー玉」 ハンドルを回すと、階段（かいだん）が上がったり下がったりして、玉がのぼっていくおもちゃ。よく見ると、階段は赤と青の二つのグループに分けられます。赤が上がると、青は下がり、青が上がると、赤が下がります。この繰（く）り返（かえ）しで、玉が上に運（箱）ばれます。では、ハンドルを逆（ぎゃく）に回すと、どうなるでしょうか？ 【】 Scene2 ハンドルを逆に回すと…？ 頭のなかで動かせたでしょうか？では、やってみましょう。赤が上がる、青が上がる、これを逆にすると…。（プログラミング的思考その５「頭の中で手順（てじゅん）をたどる」）今、みなさんがやった、頭の中で手順をたどることは、重要（じゅうよう）なプログラミング的思考の一つです。 【】 Scene3　ロジックマジック「サイコロの目」 マジシャンが、３つのサイコロと、ターンテーブルを用意(ようい)しています。マジシャンから見えないようについたてを立て、客（きゃく）はサイコロを振り、好（す）きな順番でターンテーブルの上に積（つ）み重（かさ）ねました。そして、「そのサイコロの、外側（がわ）から見える面（めん）のすべての目をたしてください。できたら紙に書いてください」と言いました。しばらくして、客は紙に答えを書きました。しかしマジシャンは「でも、わたしは一瞬（いっしゅん）でできるんです。」そう言って、ついたてを外すと、一瞬で「４６」と答えました。正解（せいかい）です。 【】 Scene4 どうしてマジシャンは一瞬で答えられたのか？ なぜ一瞬でわかったのでしょうか？実（じつ）はマジシャンはサイコロの表（おもて）と裏（うら）を足すと、必（かなら）ず７になるという性質（せいしつ）を使（つか）っていました。しかしそれだけではまだわかりませんよね。そこで、まずはサイコロを１つにして考えると…？（プログラミング的思考その１「小さく分けて考える」） 【】 Scene5 こんなところにプログラム「水舟（みずぶね）」 岐阜県（ぎふけん）の山あいの町に、水を無駄（むだ）なく使うためのプログラム、水舟。飲（の）み水にし、野菜（やさい）を冷（ひ）やし、野菜を洗（あら）い、洗たくをする。こんなところに、プログラム。 【】 Scene6　プログラム人間「ゴミ捨（す）て」 右をむけ、手を上げろ、ももあげ、うしろむけ…「プログラム人間」今日は、ゴミを捨てるプログラム。 【】 Scene7 今回のまとめ 今日学んだプログラミング的思考は次（つぎ）の３つ。「①小さく分けて考える」「②手順の組み合わせを考える」「⑤頭の中で手順をたどる」

テキシコー

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＃４

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180404_00000

魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180404_00000

【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中で動（うご）かしてみよ「水面（すいめん）の上がる速（はや）さ」 水そうの中に、ワイングラスが２つ入っています。グラスの底（そこ）は、くっつけてあります。ここに水を入れていくと、水面が上がって行く速さはどう変（か）わるか、想像（そうぞう）してみましょう。水面は、最初（さいしょ）はワイングラスの細い脚(あし)の部分（ぶぶん）を通過（つうか）し、そのあと、胴体（どうたい）の太い部分、さらに、その先には、ワイングラスのふちが待（ま）っています。 【】 Scene2 実際(じっさい)に水を入れると…？ あたまの中で動（うご）かせたでしょうか？では、やってみましょう。水面の速さに注目（ちゅうもく）するため、水そうの端(はし)だけを、拡大（かくだい）してみてみると…。（プログラミング的思考その５「頭の中で手順（てじゅん）をたどる」） 【】 Scene3　効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン「犬のフン」 今日は、車輪（しゃりん）つきのスコップで、散（ち）らばった犬のフンを回収（かいしゅう）します。このスコップは、基本（きほん）まっすぐにしか動かないので、なるべく向（む）きを変える回数を少なくします。まず、４つのフンを、２回のターンで全部（ぜんぶ）回収しますが、「効率が悪い！」としかられてしまいます。「では、どうするでありますか？」「それはな…」。工夫（くふう）をすると１回のターンでできました。さらに、６つのフンでは、どうすればいいでしょうか？ 【】 Scene4 紙生物(かみせいぶつ)「大事なものだけ ぬき出してみる。」 紙生物と、動く磁石（じしゃく）を見くらべてみると…。（プログラミング的思考その４「大事なものだけぬき出して考える」） 【】 Scene5 こんなところにプログラム「小さなプログラムたち」 プログラムとは、ある目的を持（も）った手順のこと。エレベーターの扉（とびら）についている板（いた）と金属（きんぞく）の棒（ぼう）、小物置（こものお）きになるトイレのカギ、スマートフォンについたかわいいシール…、これらは、どんなプログラムなのでしょうか？ 【】 Scene6　プログラム人間「牛乳（ぎゅうにゅう）」 右をむけ、手を上げろ、ももあげ、うしろむけ…「プログラム人間」今日は、牛乳を飲（の）むプログラム。 【】 Scene7 今回のまとめ 今日獲得したプログラミング的思考は次（つぎ）の３つ。「②手順の組み合わせを考える」「④大事なものだけぬき出して考える」「⑤頭の中で手順をたどる」

テキシコー

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＃５

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魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

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【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中でうごかしてみよ「棒（ぼう）つき車」 右側（みぎがわ）だけしかタイヤが回っていないおもちゃの車、これを、床（ゆか）に置（お）くと、左にぐるぐると回ります。そして、この車についている曲（ま）がった金属（きんぞく）の棒を押すと、左のタイヤだけが回ります。この車を、箱（はこ）の横（よこ）に置（お）いて、車を床に離（はな）すと、どうなるでしょうか？ 【】 Scene2 実際（じっさい）に車を走らせると…？ 頭のなかでうごかせたでしょうか？では、やってみましょう。…まず、左に曲がる、箱にぶつかり、棒が押される、箱にぶつかり、棒が押される…（プログラミング的思考その５「頭の中で手順（てじゅん）をたどる」）今、みなさんがやった、頭の中で手順をたどることは、重要（じゅうよう）なプログラミング的思考の一つです。 【】 Scene3　効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン「ごみ取（と）り」 今日は、ダンドリよく掃除（そうじ）をします。道具（どうぐ）を使（つか）って散（ち）らばったゴミを集（あつ）め、チリトリに入れます。3工程（こうてい）ですべてのゴミがチリトリに入ります。しかし、「一生懸命（けんめい）やっているのはわかるが、効率が悪（わる）い！」としかられてしまいます。「では、どうするでありますか？」「それはな…」。工夫（くふう）をすると2工程でできました。そして、新しいゴミの散らばり方が！ 【】 Scene4　さらにあたまの中でうごかしてみよ「棒付き車ふたたび」 さきほどの、箱にそって走る車、もし箱の方を動かすとどうなるでしょうか？もう一度、あたまの中で考えてみましょう。実際に箱を動かすと… 【】 Scene5 こんなところにプログラム「トイレのサイン」 ある駅(えき)のトイレ。通路（つうろ）から一目見ただけで、空いているトイレがわかるプログラムがあります。こんなところに、プログラム。 【】 Scene6　プログラム人間「はらへった？」 右をむけ、手を上げろ、ももあげ、うしろむけ…「プログラム人間」今日は、チョコを食べるプログラム。 【】 Scene7 今回のまとめ 今日学んだプログラミング的思考は次（つぎ）の２つ。「②手順の組み合わせを考える」「⑤頭の中で手順をたどる」さらに、このあと番組から重要なおしらせがあります。 【】 Scene8 おしらせ オープニングに出てくる紙生物（かみせいぶつ）「ゲソタラズ」さんが、ダンスの練習（れんしゅう）中に脚（あし）がからまって動けなくなってしまったそうです。ということで、次回（じかい）、新しい紙生物が登場（とうじょう）。お楽しみに。

テキシコー

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＃６

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180406_00000

魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

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【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中でうごかしてみよ「細長いふくろ」 灰色（はいいろ）の細長いふくろ。片側（かたがわ）は開（あ）いていて、逆側（ぎゃくがわ）は閉（と）じています。この閉じている側にハサミで穴（あな）を開け、開いていた側からドライヤーで風を送（おく）りこむと…中を通った空気がふくろを持（も）ち上げ、先っぽの穴から出て行き、ふくろはまっすぐになります。では、先っぽの穴をテープでふさぎ、ふくろのはらの部分（ぶぶん）に穴を開け、その穴を下にして、同じように風を送りこむと、ふくろはどうなるでしょうか？ 【】 Scene2 実際(じっさい)にやってみると…？ 頭のなかで動（うご）かせたでしょうか？では、やってみましょう。風が、ふくろを持ち上げる。穴から、空気が吹（ふ）き出る。反動（はんどう）で、ふくろがはね上がる。ふくろが折（お）れ、空気の通路（つうろ）がふさがれる…。 【】 Scene3 ダンドリオン「ハンバーグ」 “効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン。”今日は、レストランでハンバーグを焼（や）く係（かかり）をやります。ハンバーグ用のフライパンは一つしかなく、一度（いちど）に2つ焼けます。また、ハンバーグは焼くのに、片面（かためん）５分、裏返（うらがえ）して５分、合計10分かかります。ハンバーグ３つ注文（ちゅうもん）が入りました。部下は、１つ目と２つ目のハンバーグを両面焼き10分、３つ目のハンバーグを両面焼き10分、合計20分でやりましたが、お客（きゃく）さんにおそいと言われてしまいました。「たしかに、効率が悪（わる）い！」と料理長（りょうりちょう）。「では、どうするでありますか？」「それはな…」。工夫（くふう）すると合計15分でできました。 【】 Scene4　ロジックマジック「３つの可能性（かのうせい）」 つくえの上に、消（け）しゴム、はさみ、えんぴつが置（お）かれています。そしてマジシャンがふうとうに手紙を入れ、「この封筒に、あるメッセージを入れておきました。中身（なかみ）は後でお見せします。」と言いました。次（つぎ）に「この３つのうち、どれでもいいので指差（ゆびさ）してください。」とマジシャンは言い、客はえんぴつを指差しました。するとマジシャンはふうとうを開け、紙を取（と）り出しました。「指をとなりに移動（いどう）させてください」と書いています。客がその通りにすると、「『ウラへ』と書いてありますね」とマジシャンが言い紙を裏返すと「あなたが指差しているのは、はさみです。」と書いていました。まんまと、言い当てられてしまったのです。 【】 Scene5 どうしてマジシャンは予言（よげん）できたのか？ どうしてマジシャンは予言できたのでしょうか？もし客が消しゴムを選んでいたらどうしていたのでしょう？さらに、もしはさみを選んでいたら…？(プログラミング的思考その②「手順（てじゅん）の組み合わせを考える」) 【】 Scene6 小山田部長（ぶちょう）とテキシコー「第（だい）１話：コピー」 小山田部長、会議（かいぎ）の前に、自らコピーをとっています。「えーと、2ページの書類（しょるい）を、100部（ぶ）と。」しかし、問題発生（もんだいはっせい）。まちがって、1ページ目と2ページ目を逆にコピーしてしまいました。「100回入れ替（か）えないといけないのか…ん、待（ま）てよ？」テキシコーを使うと、かかった回数、たったの1回。小山田部長、テキシコーで切りぬける。 【】 Scene7 今回のまとめ 今日学んだプログラミング的思考は次（つぎ）の３つ。「②手順の組み合わせを考える」「③パターンを見つける」「⑤頭の中で手順をたどる」

テキシコー

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＃７

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魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

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【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中でうごかしてみよ「シャーレの中の牛乳」 牛乳(ぎゅうにゅう)が入ったシャーレと、一枚（まい）の手紙があります。手紙には「皿（さら）の底（そこ）にメッセージがあります。牛乳をこぼさずに、読めるかな？」と書いてあります。シャーレをかたむけると、たしかに底のまんなかに何か書いているようですが、これ以上（いじょう）傾けると牛乳がこぼれてしまいそうです。「ん？なんだこれ？」手紙を裏返（うらがえ）すと、「そこのターンテーブルを使（つか）ってもよい」と書いています。ターンテーブルを回してみると、結構（けっこう）な速（はや）さで回ります。もしかしたらこの上にシャーレをのせると、洗（せん）たく機（き）のように、回すと水が外側（そとがわ）に寄（よ）って水位（すいい）が下がり、読めるようになるかもしれません。本当でしょうか？ 【】 Scene2 実際(じっさい)にやってみると…？ 実際に、シャーレをターンテーブルにのせて、ターンテーブルを回すと…「おーっ、見えてきた見えてきた」。しかし…、君（きみ）はどこまで、想像（そうぞう）できたか。（プログラミング的思考その⑤「頭の中で手順（てじゅん）をたどる」） 【】 Scene3 テキシQ「宝探（たからさが）し」 「プログラミング的思考を使うと、圧倒的（あっとうてき）に早く解（と）ける問題（もんだい）。その名も『テキシQ』」スタート地点から、宝の地図通りに進（すす）んだ場所（ばしょ）に、宝物があるそうです。どこにあるか、わかるでしょうか？…このままでは、なかなかめんどうです。でも、右と左は、結局（けっきょく）行って帰ってくるのだから、省略（しょうりゃく）しても結果（けっか）が変（か）わらないのです。前と後ろも同じです。この打（う）ち消（け）しを使えば…「楽して宝物。『テキシQ』。また会おう。」 【】 Scene4 ダンドリオン「新幹線（しんかんせん）」 “効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン。”今日は、ダンドリよく新幹線の中で作業（さぎょう）をします。座席（ざせき）のカバーを外して、いすの向きを変（か）えるのです。６工程（こうてい）で作業をしました。…しかし、「一生懸命（けんめい）やっているのはわかるが、効率（こうりつ）が悪（わる）い！」としかられてしまいます。「では、どうするでありますか？」「それはな…」。工夫（くふう）すると、４工程でできました。 【】 Scene5　ロジックマジック「紙吹雪」 マジシャンが、１から９までの数字が書いてある９枚の小さなカードを用意（ようい）し、さらに、別（べつ）の紙に、ある数字をひとつ予言（よげん）して書き、「これは最後（さいご）にお見せします」と言いました。そして客に９枚のカードを渡（わた）し「手の中でよくまぜ、高いところからパラパラと落（お）としてください。」と言いました。客がその通りにすると「裏向きのカードは全部よけてください」と言い、客は、数字の書いていない裏の面（めん）が出たカードを全てわきによけました。同じことをくりかえすと、最後に「２」のカードが残（のこ）りました。そして、マジシャンが書いていた予言をめくると…書いてあったのは「２」。予言的中（てきちゅう）です。 【】 Scene6 どうしてマジシャンは予言できたのか？ どうしてマジシャンは最後に残る数字を予言できたのでしょうか？見直すと、マジシャンがあらかじめ２と書いていたのは確かなようです。つまりマジシャンはどうにかして「２」を客に出させていたわけです。ここで、大事（だいじ）な「２」のカードをぬき出して見直してみると…毎回２が出る…かならず２が出る…これ、もしかして…（プログラミング的思考その④「大事なものだけ ぬき出して考える」） 【】 Scene7 今回のまとめ 今回学んだプログラミング的思考は次（つぎ）の３つ。「②手順の組み合わせを考える」「④大事なものだけ ぬき出して考える」「⑤頭の中で手順をたどる」

テキシコー

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＃８

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180408_00000

魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

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【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中でうごかしてみよ「ドミノ倒（たお）し」 木の板（いた）を並（なら）べて、ドミノ倒しをすると、倒れたドミノが重（かさ）なりあいます。今度（こんど）はドミノを、ちょうど一本分の長さはなして、並べます。これを倒すと…重ならずに、完全（かんぜん）に倒れました。これをスローで見ると、まず、１番目のドミノが倒れ始め、２番目のドミノに寄（よ）りかかります。すると、１番目のドミノが寄りかかったまま,２番目のドミノが倒れはじめます。そして、２番目のドミノが地面（じめん）まで倒れたあと、やっと１番目のドミノも最後（さいご）まで倒れます。 【】 Scene2 ドミノをたくさん並べてみる ドミノ１本分だけ離して並べるやり方で、たくさんのドミノを並べました。これを、はしから倒すと一体どうなるでしょうか？まず。最初（さいしょ）の方だけ見てみると倒してすぐは、１番目のドミノは、２番目に寄りかかったままです。同じように、２番目は３番目、３番目は４番目に寄りかかっています。さて、このあとどうなるでしょうか？ 【】 Scene3 ドミノを倒すと…？ 頭のなかでうごかせたでしょうか？では、やってみましょう。倒すと、ドミノは次（つぎ）のドミノに寄りかかったまま最後のドミノまで倒れていき…。（プログラミング的思考その５「頭の中で手順（てじゅん）をたどる」） 【】 Scene4　プログラム人間「ききいっぱつ」 うしろむけ、ちからもち、前をむけ、岩をとれ、ききいっぱつ…さて、これはなんのプログラムなのでしょうか？おや、電車がやってきました。花を見ろ…「プログラム人間」。今日は、電車を助けるプログラム。 【】 Scene5　効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン「犬のフン」（新問題（もんだい）あり！） 今日は、車輪（しゃりん）つきのスコップで、散（ち）らばった犬のフンを回収（かいしゅう）します。このスコップは、基本（きほん）まっすぐにしか動かないので、なるべく向（む）きを変える回数を少なくします。まず、２つのフンを、２回のターンで全部（ぜんぶ）回収しますが、「効率が悪い！」としかられてしまいます。「では、どうするでありますか？」「それはな…」。工夫（くふう）をすると１回のターンでできました。さらに、４つのフンでは、どうすればいいでしょうか？さらにさらに新問題！９つのフンでは…？ 【】 Scene6 小山田部長（おやまだぶちょう）とテキシコー「第２話：ガラス屋」 小山田部長、出勤（しゅっきん）中に、ガラス屋（や）の窓（まど）に目がとまります。「ガラス、アミド、カギ、カガミ」という窓のシール。「でも、カガミだけ何か違う…。」小山田部長、しばし考えます。ガラス、アミド、カギはシールから文字が抜かれていて、カガミだけは文字がシールになっています。どういうことでしょう。「ん、もしかして…」こんなところにテキシコーが見つかりました。 【】 Scene7 今回のまとめ 今日学んだプログラミング的思考は、「②手順の組み合わせを考える」「③パターンを見つける」「⑤頭の中で手順をたどる」。

テキシコー

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＃９

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魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

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【】 オープニング 分解（ぶんかい）。組み合わせ。一般化（いっぱんか）。抽象化（ちゅうしょうか）。シミュレーション。『プログラミング的（てき）思考を獲得（かくとく）せよ　テキシコー』。 【】 Scene1 あたまの中で動（うご）かしてみよ「まわる紙切れ」 紙を細く切ると、気になる動きをする時があります。よくわかるように、高いところからやってみます。２ミリぐらいの幅（はば）に切ると…くるくると回りながら、ゆっくりと落ちていきます。もう少し太く、５ミリぐらいの幅で切っても、回ります。さらに太く、１センチぐらいでも、やはり回ります。では、さらに太く、２センチぐらいの幅に切ると…回らないで、はらはらと落（お）ちました。細く切ると回るのに、太く切ると、回らないで落ちるのです。これをふまえて、２センチよりさらに太く切ると、回るでしょうか、回らないでしょうか。 【】 Scene2 実際（じっさい）にやってみると…？ あたまの中で動かせたでしょうか？実際にやってみると…？まとめると…？一体なぜなのでしょう。回るものの共通点（きょうつうてん）は、何でしょうか？（プログラミング的思考その３「パターンを見つける」。） 【】 Scene3　効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン「４つの箱（はこ）」 今日は、積（つ）みかさなった４つの箱を、運（はこ）んでもらいます。箱は重（おもい）いので、注意（ちゅうい）します。団員（だんいん）たちが、１→２→３→４の順番（じゅんばん）に、箱を運びました。しかし、「これでは順番が逆（ぎゃく）だ！」と団長に言われ、あわてて４→３→２→１と運んで、順番を直しました。しかし、少しずれてしまったうえ、「そもそも効率がすこぶる悪（わる）い！」と団長にしかられてしまいます。「では、どうするでありますか？」「それはな…」団長が、台車を持（も）ってきました。「なるほど、台車を使（つか）えば、運ぶのが当然（とうぜん）楽になるであります！」と団員。しかし、「台車を使うと、はたして運ぶのが楽になるだけかな…？」と団長。とにかく台車に４つ箱を乗せてやってみると…？ 【】 Scene4 ロジックマジック「４枚（まい）の３」 今日は、トランプを使ったマジックです。まずマジシャンがカードの山の上から４枚カードを出し、客（きゃく）にカードを選（えら）ばせました。客が選んだカードは３です。選ばれなかったカードはマジシャンが回収し、今後はマジシャンがカードを上から１枚ずつ、机（つくえ）に置（お）いてかさねていき、「好（す）きなところでストップと言ってください」と言いました。「ストップ」と客が言うとマジシャンは重ねるのをやめ、客に、持っているトランプの数字を聞きました。客が答えると、マジシャンは「３ですね。では、このカードを、３つの山に分けます」と言い、その通りにしました。「では、この３つの山の、一番上からカードを開（あ）けてみてください。」客がめくって開けると、３つの山の１番上は、すべて３でした。おどろきです。 【】 Scene5　どうしてマジシャンは一番上に全部（ぜんぶ）３にできたのか？ さて、マジシャンはどうやって山の上に全部３を出せたのでしょうか？もう一度（いちど）やってもらい、４枚のカードから１枚選ぶと、また３でした。「もしかして、どれを選んでも３？」だとすると、マジシャンはどんな手順で、最後に３を一番上に持ってきたのか？ふせんでしるしをつけて、続きをやってもらいます。すると、３枚のカードは、１番下に行き、カードを３つの山に分けると、結局（けっきょく）…。そしてそもそも、４枚の３は、どこに仕込まれていたのかと言うと…。（プログラミング的思考その５「頭の中で手順をたどる。」） 【】 Scene6 プログラム人間 「腹筋（ふっきん）」 ・右手をあげろ。ひざ立てろ、左手あげろ…「プログラム人間」。今日は、腹筋をくりかえすプログラム。 【】 Scene7 今回のまとめ 今日学んだプログラミング的思考は、次（つぎ）の３つ。「②手順の組み合わせを考える」「③パターンを見つける」「⑤頭の中で手順をたどる」。

テキシコー

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＃１０

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魅力的な映像や楽しいアニメーションから、５つのプログラミング的思考（テキシコー）を楽しみながら育もう。

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【】 オープニング 【】 Scene1 あたまの中で動（うご）かしてみよ「そろばん」 そろばんを改造（かいぞう）して、台車を作りました。車輪（しゃりん）がたくさんついていて、地面（じめん）をすべらすと、車輪が回ります。この台車の上に箱（はこ）をのせて、台車を指（ゆび）で押（お）すと、箱は、台車よりすばやく、長い距離（きょり）を動きます。台車を押したとき、同時に車輪も回っていて、車輪が箱をさらに運（はこ）ぶので、箱は台車の２倍（ばい）動くのです。これをふまえて、この台車を、２枚（まい）重（かさ）ねて固定（こてい）しました。地面の上をすべらすと、同じように車輪が回ります。二つの車輪はかみあっているので、下の車輪の回転が、上に伝（つた）わっています。では、先ほどと同じように、箱をのせ台車を押すと、箱はどう動くでしょうか？ 【】 Scene2 実際（じっさい）にやってみると…？ 頭の中で動かせたでしょうか？実際に押すと…あれ？これもしかして、台車を動かしても…？ (プログラミング的思考その５「頭の中で 手順をたどる」。） 【】 Scene3　効率第一（こうりつだいいち）。ダンドリオン「アスファルトのあと」 「雨やどり終了（しゅうりょう）！」雨がやんだので、ダンドリオンたちは歩いて本部（ほんぶ）にもどることにしました。道を歩いていると、団員（だんいん）が、気になる形の、アスファルトのかわいた部分を見つけました。「団長、あれは何のあとでありますか？」「あれはな…まず、車がとまり、次（つぎ）に、雨が降（ふ）り…」団長が言う段取（だんど）りを想像（そうぞう）すると、たしかに同じあとが道路にできました。「段取りを考えればわかるのだ！」「段取り、大事（だいじ）であります！」。さらに歩くと、またちがうあとがありました。「団長、あれはなんでありますか？」「うむ、あれはちょっと複雑（ふくざつ）な段取りが存在するのだ。」団長が言う通りに想像すると…？ 【】 Scene4 ロジックマジック「和牛（わぎゅう）スペシャル」 今日は特別（とくべつ）に、和牛の水田（みずた）さんと川西（かわにし）さんに参加してもらいます。まず、マジシャンが机（つくえ）に８枚（まい）のトランプカードを並べました。次に、「ふしぎなカードを用意（ようい）しました。相手（あいて）の心を読めるようになります。」と言って、水田さんに１枚のカードを渡（わた）しました。カードには「全体（ぜんたい）のカードの並（なら）べ方と、右下の８のカードに注目（ちゅうもく）せよ！」と書いてありました。水田さんはまだ意味（いみ）がよくわかっていないようですが、一度（いちど）やってみます。 【】 Scene5 水田さんが、川西さんが選んだカードを当てる…？ まず、水田さんには後ろを向（）むいてもらうと、マジシャンが「今から川西さんにカードを選（えら）んでもらい、水田さんには、そのカードを当ててもらいます。」と言いました。川西さんは８枚のカードから１枚選んで、指をさしました。すると、水田さんに前を向いてもらい、マジシャンが「今からわたしが１枚ずつ順番にカードを指さしていくので、川西さんが選んだカードに来たら、それですと教えてください。」と言いました。マジシャンが右下の１枚目のカードを指差すと、水田さんはなやみますが、しばらくして、何かに気づいたようで、「ちがいます」と答えました。マジシャンが続けていき、川西さんが選んだカードに来たときに、「それです。」と水田さんが答えました。正解（せいかい）です。もう一度やると、今度は自信満々（じしんまんまん）に「ちがいます」「ちがいます」…「それです。」また正解です。 【】 Scene6　どうして水田さんは、わかったのか？ さて、水田さんはどうして川西さんが選んだカードがわかったのでしょう？水田さんに渡されたカードを見かえすと、「全体のカードの並べ方と、右下の８のカードに注目せよ！」と書いてあります。全体のカードの並べ方と、右下の８のカードを見くらべると…。（プログラミング的思考その３「パターンを見つける。」） 【】 Scene7 今回のまとめ 今日学んだプログラミング的思考は、「②手順の組み合わせを考える」「③パターンを見つける」「⑤頭の中で手順をたどる」。プログラミング的思考を、わすれるべからず！

ドスルコスル

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どうする？地域のつながりがなくなる

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暮らしやすい町にするためには、地域の人とどう関わればよいのか？町内会や消防団の活動や役割などを紹介し、地域社会の課題を探る。

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【scene 01】 まちのいいところをしょうかいしたいけど 「うーん、どうするか…。どうするかなぁ…。うーん」。ドスルがなやんでいます。そこへ、「ドスル、どうしたの？」とコスルがやってきました。「コスルか。最近（さいきん）、まちに新しい人がひっこしてきたんだ。このまちのいいところや、すんでいる人のことをしょうかいしたいんだけど、くわしく説明（せつめい）できないんだよ」とドスルが言います。「え、そうなの？」とコスル。「まちでも聞いてみたんだ。これを見てくれ」と、ドスルがタブレットのキーをおすと、まちで聞いた人たちの映像（えいぞう）があらわれました。 【scene 02】 すんでいるまちのことをよく知らない 「地域（ちいき）で何が作られているかあまりわかりませんね」（女の人）。「マンションの同じフロアの人でも名前を知らなかったり」「表札（ひょうさつ）をつけない家が多いので」（男の人と女の人）。――「となりにすんでいるのに、おたがい知らないってこともあるんだね」とおどろくコスル。「コスルはちゃんと説明（せつめい）できるかい？」とドスルに聞かれ、「すんでいるまちのことをよく知らなくても、こまることはないんじゃない？」とコスル。すると、「あまいなぁ。身のまわりの地域のことを知ろうとしない、つまり地域に関心（かんしん）がない。それが問題をひき起こすこともあるんだ」とドスルが言いました。 【scene 03】 地域の活動への関心がうすくなっている 夜、まちをパトロールする人たち。最近（さいきん）、原因（げんいん）のわからない火事が相次いだため、まちを見回ったり、火のしまつに気をつけるようよびかけたりしています。このまちでくらす人たちでつくる自治会（じちかい）のメンバーです。自治会は、みんなでお金を出し合って、まちをきれいにする活動やまちの安全を守る活動などをしています。日本では昔から、近所の人どうしが協力（きょうりょく）してまちをくらしやすくする取り組みがつづけられてきました。しかし最近、自治会に参加（さんか）する人がへっています。近所づきあいや地域（ちいき）の活動への関心（かんしん）がうすくなり、自治会がなくなったまちもあります。 【scene 04】 ３年間、町内会がなくなった町 東北地方の青森県八戸（はちのへ）市。山ノ手町（やまのてまち）で町内会長をつとめる小金山（こがねやま）さん。小金山さんのくらす地域（ちいき）では、町内会に参加（さんか）する人が少なくなり、３年間、町内会がなくなりました。そのため、まちの道をてらす防犯灯（ぼうはんとう）がこわれたままになってしまいました。防犯灯とは、事故（じこ）や事件（じけん）をふせぐために、暗く人通りの少ない場所につけられた明かりのことです。町内会でお金を出して取りつけましたが、古くなって、およそ10か所の防犯灯が消えてしまったのです。「町内会がないから交換（こうかん）することができない」（小金山さん）。 【scene 05】 まちの安心・安全が守れない まちの安全を守るため、小金山さんは町内会を復活（ふっかつ）させました。「町内会がないときのことが身にしみて、全員で活動できるような町内にもっていかなければならない」と考えたのです。しかし、将来（しょうらい）、だれがこのまちの安心や安全を守っていくのか、小金山さんは不安（ふあん）に感じています。――「自分たちがくらしているまちに関心（かんしん）がない人がふえると、生活の安心・安全が守れなくなっちゃうんだ」とコスル。「それだけじゃないんだ。まちの人たちが中心となって行っていることはたくさんある。コスルたちに身近な楽しいことにもえいきょうするんだぞ」とドスルが言いました。 【scene 06】 まちの人たちが楽しいまちをつくっている たとえば、お祭りやぼんおどり。会場の準備（じゅんび）をしたり、店を出したり、ポスターをつくってよびかけたり、まちの人が協力（きょうりょく）して運営（うんえい）しています。季節の行事や夏休みのラジオ体操（たいそう）も、まちの人たちの手によるものです。もしもみんなが自分たちのくらすまちに関心がなくなってしまったら、こうした楽しいイベントもなくなってしまうかもしれません。――「ふだん何気なく参加していたけれど、まちの人たちが準備してくれていたんだね。なくなっちゃうのは悲しいよ」とコスル。「最近（さいきん）は、まちの人どうしのつながりもうすくなっている。それによってこまったことも起きているらしいぞ」とドスル。 【scene 07】 公園でのルールがきびしくなって 東京都足立（あだち）区の末広（すえひろ）公園。土曜日の昼でも、公園で遊ぶ子どもたちのすがたをあまり見かけません。かつては近所の子どもたちでにぎわい、自由に遊べる場所でした。しかし10年ほど前から、野球やサッカーといったボール遊びが禁止（きんし）されるなど、全国の公園でルールがきびしくなっています。ふだんから清掃（せいそう）作業などで公園にかかわっている町内会の桐山（きりやま）さんと南部（なんぶ）さん。「ボール遊びでボールがかべにぶつかったとか、うるさいとか、そういうことがあったのかな」「昔だったら、ちょっと悪いことしたらすぐおこられるとかそういう方がいたんだけれども、今それをやるとかえってクレームになってしまいますから」と言います。 【scene 08】 背景にあるのはまちの変化 ルールがきびしくなった背景（はいけい）には、まちの変化（へんか）があげられます。末広公園のまわりでは、近年マンションがたくさんたてられ、今ではまちのおよそ半数が、新しくうつりすんだ人たちになりました。新しくうつりすんだ人たちが急にふえたことで、住民（じゅうみん）どうしのつながりがうすくなってしまったのです。 【scene 09】 地域の行事を通して関心を持ってもらう そこで、南部さんたち町内会は、子ども向けのお祭りに気軽に参加（さんか）してくれるよう、新しくやってきた人たちにもよびかけるようにしました。子どもがきっかけになって、地域（ちいき）の行事に参加してくれるのではないかと考えたのです。「幼稚園（ようちえん）のつながりとか、お母さんどうしがなかよくなって引っぱってきてくれる。そういうつながりってすごく大切」（南部さん）。はじめてやってきた人も楽しめる場となっている夏祭り。こうした行事を通してまちのことに関心（かんしん）を持ってもらい、地域の活動にじょじょに参加してもらえるようになればと、南部さんたち町内会は考えています。 【scene 10】 地域のことを知り、かかわっていくことから 「地域（ちいき）のことに関心（かんしん）がないと、まちの安心・安全が守れない。ご近所づきあいがぎくしゃくしてしまうこともあるんだ…。どうしよう」とコスル。「どうしたらいいんだろうなぁ」とドスルも考えています。「まずは、地域のことを知って、地域の人とかかわっていくことからなのかな？　みんなといっしょに考えてみるね」とコスル。「おお！　よろしくな！」。

ドスルコスル

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こうする！地域のよさを伝えよう～福岡県久留米市立犬塚小学校３年～

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主人公は、福岡・久留米市立犬塚小学校３年生。特産品の玉ねぎを通して、地元の良さを調べ、身近な人に伝える活動を紹介する。

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【scene 01】 まちの特産は「たまねぎ」 今回の主人公は、福岡県久留米（くるめ）市立犬塚（いぬつか）小学校３年２組のみんなです。３年２組のみんながくらす地域（ちいき）の特産（とくさん）は、たまねぎ。このたまねぎを通して、地域の人の力をかりながら、地元のよさを見つけ、身近な人につたえようとした取り組みをしょうかいします。 【scene 02】 まちのたまねぎ農家は71軒 福岡県久留米市。郊外（こうがい）にある三潴町（みづままち）は、昔から農業がさかんに行われてきました。さいきんは、家をたててうつり住んでくる人もふえています。まちでおよそ60年以上（いじょう）前から作られているのが、たまねぎ。一つひとつていねいに手作業でしゅうかくされたたまねぎは、見た目がきれいでおいしいと評判（ひょうばん）です。そんなたまねぎのことをはじめて知った犬塚小学校のみんな。社会科で作った地図にたまねぎ畑の場所を表して、本当に多いかたしかめてみました。まちのたまねぎ農家の数は…71軒（けん）。興味（きょうみ）を持ったみんなは、たまねぎについて調べることにしました。 【scene 03】 たまねぎについて調べる まず、学校の畑のめんどうを見てくれている中園（なかぞの）さんに、気になることを質問（しつもん）してみました。「たまねぎの種類（しゅるい）って、いくつありますか？」。すると、「三潴町（みづままち）で作っているのは７種類くらい」と中園さん。「大きければ大きいほどおいしいんですか？」と聞くと、「味はかわらないかな」とのことでした。そこで、もっとくわしく知るために、みんなはたまねぎを作っている農家の人に会いにいくことにしました。どんなことを聞くのかな？ 「どうしてたまねぎをしゅうかくする人（農家）になったのかとか、いろいろ」（女子）。 【scene 04】 50年前はおよそ700軒… たずねたのは、たまねぎ農家の時里（ときざと）さん。できるだけ農薬を使わずに、雑草（ざっそう）を１本１本手でぬくなど、手作業で育てています。「安心で安全でおいしく食べられるたまねぎを作ろうとがんばっています。55年前くらい、わたしが学校に通っていたころ、たまねぎ畑がいっぱいあったんですが、ひじょうにへりました。三潴（みづま）産（さん）のたまねぎを広めたいという思いで力を入れております」。三潴町のたまねぎ農家の数は、50年前にはおよそ700軒（けん）。それが今では71軒までへっていました。時里さんは、まちのたまねぎのみりょくをもっと知ってもらいたいと考えているのです。 【scene 05】 たまねぎ農家をおうえんしたい 時里さんの話を聞いて感じたことを、みんなで話し合いました。「71軒（けん）しかないのはびっくり」。「久留米のたまねぎがへってピンチと思いました」。「ショックでした。育てる人がいなくてたまねぎが少なくなる」。でも、悲しいだけではなくてこんな気持ちも生まれました。「久留米のたまねぎを守ろうとしている。かっこいい」。「いつか三潴町（みづままち）を有名にしたい」。「いっぱいたまねぎを食べて時里さんたちをよろこばせたい」。時里さんたちをおうえんするためには何をしたらいいのでしょう。「時里さんだったら何をしてほしいか聞いていけばいい」。何をしたらよろこんでくれるのか聞いてみることに。 【scene 06】 地元のたまねぎを食べてもらうイベント さっそく時里さんたちに電話しました。すると、「いろいろと考えてくれてありがとうございます。三潴（みづま）のたまねぎのおいしさをつたえてほしいので、料理（りょうり）のイベントをしてほしい」と時里さんが言いました。まちのたまねぎを食べて、そのおいしさを知ってもらうのです。中園さんにも電話をして聞いてみました。「どんな料理がいいと思いますか？」。すると、「料理については女性（じょせい）部さんをたずねたほうがいいと思います」というアドバイス。というわけで、たまねぎ料理を食べてもらうイベントを開くことにしました。題して、“たまねぎフェス”。 【scene 07】 たまねぎを使った料理を教えてもらう そこで、みんなが学校によんだのは、まちの特産物（とくさんぶつ）を使った料理（りょうり）にくわしい人たちです。教えてもらったのは、じっくりにこんで味がしみこんだ丸ごとたまねぎのスープと、すりおろしたたまねぎを使ったドレッシング。試食（ししょく）してみると…。「おいしい」。「うまい！　味つけサイコー！」。「たまねぎって感じがしなくてあまみが多い」。みんなはこの料理を出すことに決めました。作り方を教えてもらって、いっしょに料理を作りました。できあがりを食べてみて、「おいしい！」。「これならぜったい有名になるよって言われたらうれしい」。 【scene 08】 家族をよんで“たまねぎフェス” いよいよ“たまねぎフェス”の当日。よんだのはみんなの家族。身近な人に、まちのたまねぎのおいしさを知ってもらいたいと考えたのです。食べてみてもらうと…。「おいしい～」。「たまねぎあまいな～」。そして、「ラップでまいてレンジでチンする。へえ～」。お母さんたちは料理（りょうり）の作り方にも興味（きょうみ）を持ってくれたようです。直接（ちょくせつ）ドレッシングの味を見るお母さんも。「とてもおいしい！」。そして、「地元でもこんなにおいしいたまねぎができているって知って、もっと料理に取り入れていきたい」と言うお母さん。たくさんの人にたまねぎのみりょくをつたえることができました。時里さんもうれしそうです。 【scene 09】 もっと地域のことを調べたい！ 「こんなにたまねぎの畑とか知ってる人がいて、わたしはこのまちがいいなぁと思った。じまんしたい、いろんな人に」（女子）。「みんなと協力（きょうりょく）しあえる経験（けいけん）だなって。みんなとのきずなが深められたと思います。もっとなかよくなれそうだなって」（男子）。――「地域（ちいき）のよいところに気づいたみんな。次は、ちがう特産物（とくさんぶつ）やまちの歴史（れきし）を調べたいんだって。わたしも身のまわりの地域のこと調べてみたくなっちゃった。行ってくる～」とコスル。「おぉ、いろんな人と出会えるといいな」とドスル。

ドスルコスル

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どうする？エネルギーのこれから

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今回は、電気に関わる問題を考える。エネルギー資源のほとんどを海外から輸入している現状や、太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの様々な問題を紹介する。

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【scene 01】 くらしをゆたかにする電気と地球温暖化 みんながくらすまちを明るくてらす、電気。電気を使う量（りょう）がふえ、わたしたちのくらしがべんりでゆたかになる一方で、電気を作るときに発生する二酸化炭素（にさんかたんそ）が、地球温暖化（ちきゅうおんだんか）という大きな問題を引き起こす一因（いちいん）となっています。 【scene 02】 いつか電気が足りなくなる？ 「エイッ！　エイッ！」。コスルがテレビゲームに夢中（むちゅう）です。つくえの上の明かりはつけっぱなし。せんぷう機（き）もつけっぱなしで、おそうじロボットがコスルのまわりのゆかをそうじしています。そこへドスルがやってきました。「こらーっ！　電気の使いすぎ！」としかるドスル。「だって、どれも楽しいし、べんりなんだもん」とコスル。すると、「当たり前のようにたくさん電気を使っているけど、この先、電気が足りなくなっちゃうことだってあるかもしれないんだぞ！」とドスルが言いました。「え？　どうして？」とコスル。 【scene 03】 日本のエネルギーの未来をかえた事故 2011年、日本のエネルギーの未来（みらい）をかえる出来事が起きました。福島県で起きた原子力発電所の事故（じこ）。東日本大震災（だいしんさい）の大きなゆれと津波（つなみ）によって、放射性物質（ほうしゃせいぶっしつ）がもれ出してしまったのです。この事故をきっかけに、日本の電力のおよそ30％をになっていた原子力による発電は減ることになりました。足りなくなった電力は、主に火力発電で作られることになったのです。 【scene 04】 火力発電がかかえる問題 しかし、火力発電にはある問題がありました。燃料（ねんりょう）をもやして電気を作るため、多くの二酸化炭素（にさんかたんそ）が発生し、環境（かんきょう）に大きな負担（ふたん）がかかってしまうのです。さらに、火力発電の燃料となる石炭・石油・天然（てんねん）ガスなどの資源（しげん）は、ほぼすべて、海外からの輸入（ゆにゅう）にたよっています。もしも外国で戦争（せんそう）が起きて、こうした資源が日本にとどかなくなってしまったら…。火力発電にたよっている日本の電気は、足りなくなってしまうのです。 【scene 05】 石油や石炭にたよらない再生可能エネルギー 「えーっ！？　たいへん！」とおどろくコスル。「そんななか、もう石油や石炭にたよってちゃいけないと、国が注目したのがこれだ。『みんなで作ろう！　再生可能（さいせいかのう）エネルギー』」とドスル。再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱（ちねつ）など、いくら使ってもなくならず、地球温暖化（おんだんか）の原因（げんいん）といわれる二酸化炭素（にさんかたんそ）をほとんどふやさない、地球にやさしいエネルギーのことです。再生可能エネルギーを日本中に広めるため、国はみんなによびかけました。「太陽光や風力などの発電所を作ってくれたら、できた電気は電力会社が高いねだんで買い取ります！」。 【scene 06】 再生可能エネルギーが利益を生む？ 設備（せつび）さえ作れば太陽の光や風がお金にかわり、大きな利益（りえき）を生み出しつづけてくれる。国のよびかけに、多くの会社やビジネスをこころざす人たちが興味（きょうみ）をしめしました。全国各地（かくち）に太陽光や風力の発電施設（しせつ）が次々に生まれたのです。なかには、建物（たてもの）の屋上に太陽光パネルを設置（せっち）する人や、畑の跡地（あとち）を再利用（さいりよう）する農家の人もいました。このような発電施設は、次々と建設（けんせつ）されています。この10年で、再生可能（さいせいかのう）エネルギーから作る電気の量（りょう）は、およそ２倍にふえました。 【scene 07】 地球にやさしくない問題も 「えーっ、もしかして、再生可能（さいせいかのう）エネルギーが広まった理由って、お金のため？！」とコスルはびっくり。「その通り。しかもだな、電力会社が高く設定（せってい）した買い取り料金（りょうきん）は、毎月の電気代に上乗せされ、みんなの家から集められているんだ」とドスルが言ったので、「そうだったの！？」とコスルはさらにびっくり。「でも、再生可能エネルギーは地球にやさしいし、広まっていくのはいいことだよね」とコスル。するとドスルは、「いやいや。再生可能エネルギーの発電施設（しせつ）では、地球にやさしくない問題も起きているらしいぞ」と言いました。 【scene 08】 風力発電と“バードストライク” 北海道根室（ねむろ）市にならぶ、風力発電の風車（ふうしゃ）。風の力を利用（りよう）するため、風車の多くは、安定して強い風がふく海岸ぞいに作られます。しかし、そうした場所は、海でえさをとる鳥たちが集まる場所でもあるのです。ワシやフクロウといった鳥の専門医（せんもんい）の齋藤（さいとう）さん。ある場所の風車について、「ここでは３羽ものオジロワシが、風車のブレード（羽根）と当たって即死（そくし）しています」と言います。機械（きかい）などに鳥がぶつかってしまう、“バードストライク”。これまで北海道全体で、絶滅危惧種（ぜつめつきぐしゅ）のオジロワシだけでも70羽が命を落としたといいます。 【scene 09】 環境への悪いえいきょう 「一見、自然（しぜん）にやさしいと思われる風力発電施設（しせつ）ですが、絶滅（ぜつめつ）の危機（きき）にひんしている野生動物が大きなえいきょうを受けている」（齋藤さん）。日本各地で多くの鳥たちがぎせいになるなか、さらに多くの風車が作られようとしています。――「うーん。せっかくたてた発電所が環境（かんきょう）に悪いえいきょうをあたえちゃうこともあるんだね」とコスル。「それだけじゃないぞ。せっかく作った発電所でも、この先、電気を作りつづけていけるかどうかわからないんだ」とドスル。「えっ？　それってどういうこと？」。 【scene 10】 生物資源を生かすバイオマス発電 福井県大野（おおの）市。身近にある生物資源（しげん）を生かして発電する“バイオマス発電所”があります。チップという木の破片（はへん）をもやして、およそ１万5000世帯（せたい）分の電気を作っています。このチップの主な材料（ざいりょう）は、間伐材（かんばつざい）。間伐材とは、木の成長（せいちょう）を助けるため、木々が密集（みっしゅう）した場所からきりだされる木材です。そのなかで、曲がったものなど、商品にならない木材を資源（しげん）として活用するのです。しかし、問題がありました。 【scene 11】 バイオマス発電をつづけていく仕組みは この発電所の電気を作るために必要（ひつよう）なチップの量（りょう）は、一年間におよそ９万トン。これだけの木を山奥（やまおく）から運び出すためには、専用（せんよう）の機械（きかい）や作業する人などにたくさんのお金がかかります。今は、国や県からお金を出してもらうことでなんとか間伐材（かんばつざい）をきりだしています。しかしこの先、間伐材の入手先を広げていくためには、新しく道を作るなど、さらにお金が必要になるのです。そんななか、もしも国や県からお金がもらえなくなってしまったら…。間伐材をきりだせず、電気が作れなくなるかもしれません。始まったばかりのバイオマス発電をつづけていく仕組みをどうやって作っていくのか。これからの課題（かだい）です。 【scene 12】 くらしのエネルギーについて調べてみよう！ 「うーん。森もきれいになってすごくいい方法（ほうほう）なのに、お金がたくさんかかるんだね…」とコスル。「外国にたよりすぎ。自然（しぜん）をこわしてしまう。お金がかかる。どうする、日本のエネルギー！？　節電（せつでん）するしかないのかー？！」とドスル。するとコスルが、「節電も大事だけど、まずは自分たちのまわりでどんなエネルギーが、どれくらい使われているのか、みんなで調べてみるね」と言いました。「おお！　たのんだぞ！」。

ドスルコスル

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こうする！未来の電気を守ろう～愛知県岡崎市立新香山中学校２年

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人々の豊かな暮らしを支えている「電気」を未来まで守りたいと考えた愛知県岡崎市新香山中学校の２年生。地域の人々に節電を呼び掛ける活動を紹介する。

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【scene 01】 あと50年で石油や天然ガスがなくなる？ 愛知県岡崎（おかざき）市にある岡崎市立新香山（しんかやま）中学校。２年生のみんなは、べんりでゆたかなくらしにかかせない「電気」について考えていました。調べてみると、日本の電気の多くが火力発電で作られていることがわかりました。しかも、発電のもととなる石油や天然（てんねん）ガスは、このままのペースで使いつづけていくとおよそ50年でなくなってしまうかもしれないのです。「今のわたしたちはいいけれど、50年後の未来（みらい）の人たちがこまっちゃうと思いました」（女子）。どうしたら未来の人たちのくらしを守れるのでしょう。 【scene 02】 太陽光発電について調べてみる みんなが注目したのは、地域（ちいき）でもたくさん見かける「太陽光パネル」です。「太陽光発電は、火力発電とちがって資源（しげん）もあまり多く使わないので、将来（しょうらい）にも期待できる発電方法（ほうほう）だと思います」（女子）。「地球にやさしく環境（かんきょう）にもいい」（男子）。この先、太陽光パネルがもっとふえるかどうか知りたい。みんなは太陽光パネルにくわしい人に話を聞いてみることにしました。学校に来てくれたのは、これまで10年以上（いじょう）太陽光パネルの設置（せっち）を手がけてきた友重（ともしげ）さんです。 【scene 03】 太陽光発電についての意外な説明 さっそくたずねました。「太陽光発電は必要不可欠（ひつようふかけつ）なものですか？」（男子）。すると、「現状（げんじょう）ではこの大きさで255ワットしか出ない」と友重さん。太陽光パネル１枚（まい）で作ることのできる電気は、100ワットの電球2.5個（こ）分だけ。だから大きな電力を作るには、たくさんのパネルをならべる広い土地が必要になるのだそうです。「日本のかぎられた土地では、設置（せっち）数がだんだんへっていくかな」と友重さん。さらに、「環境（かんきょう）のことも大事。でも、自然（しぜん）を伐採（ばっさい）して土地を造成（ぞうせい）し、太陽光発電所を作ることもあります」と友重さん。意外な説明（せつめい）でした。 【scene 04】 どうやって未来の人たちのくらしを守る？ 太陽光パネルは広い土地が必要（ひつよう）。環境（かんきょう）にやさしくない面もある。それでどうやって未来（みらい）の人たちのくらしを守るのでしょう。「考えても、今以上（いじょう）のことは出てこないと思うので、頭のいい人にまかせておけばいい」（男子）という意見が。これに対して、「考えることもしなくなってしまったら、この現実（げんじつ）を知らないでどんどんみんな電気を使ってしまって、エネルギーがなくなってしまうので、未来に石油がのこらないと思います」（女子）という意見。さらに、「あまり知識（ちしき）がない人があれこれ口をはさむのはちがうかなって思います」（女子）という意見も。みんな、どうしていいかわからなくなってしまったようです。 【scene 05】 「どう作るか」より「どう使うか」 こまったみんながよんだのは、市内にくらす唐澤（からさわ）さん。なるべく電気にたよらずにくらしている人です。そのきっかけは、2011年に起きた東日本大震災（しんさい）。支援（しえん）でおとずれた避難所（ひなんしょ）で唐澤さんが見たのは、電気のうしなわれた生活でした。避難所の人たちが生きていくために使っていたのは、落ちていた木材（もくざい）や木の破片（はへん）。それ以来（いらい）、唐澤さんは電気にたよったくらしを見直そうと、身近にある木材を使ってくらすようになりました。「エネルギーはどう作るか、火力がいいのか、原子力がいいのかという話になってくるんですけれど、どう作るかよりも、それをどう使うかのほうが大事だよ」と唐澤さんは言います。 【scene 06】 電気の大切さを知ってもらうアイデア 唐澤さんの話を聞いて、「そんな大きいことをしなくても、自分たちにはまだできることがいっぱいあるからって言われた気がして。身近なことに関心（かんしん）を持ってみようかなって」と思った子。電気をどう使うか、ならいろいろできそうです。みんなはたくさん出てきたアイデアを、できることとできないことに分けて考えました。その結果（けっか）みんなが出した答えが、『電気の大切さを地域（ちいき）の人に知ってもらう節電（せつでん）』。地域にくらす3800世帯（せたい）に、夜７時からの３分間、いっせいに電気を消してもらう「完全消灯（かんぜんしょうとう）」をよびかけるのです。 【scene 07】 ３分間の完全消灯 ３分間の効果（こうか）を知るために、まず自分たちの家で完全消灯（かんぜんしょうとう）をためすことにしました。電気を消してみると、まっくら。「じゃあ３分、いきまーす！」。３分間をはかります。すると…。「明かりって大事だね」とお母さん。３分間明かりを消すことで、電気の大切さを感じてくれたようです。お父さんが、「節電（せつでん）をやってみようって思える言葉、説明（せつめい）が大事かな」とアドバイスしてくれました。お母さんも、「みんなでやるとこれだけ節電になるとか、数字があればわかりやすい」と言います。なるほど。多くの人におねがいするなら、説得力（せっとくりょく）が必要（ひつよう）ということですね。 【scene 08】 ３分間の節電が石油40リットル分の節約に さっそく、節電（せつでん）の効果（こうか）をみんなで計算してみました。3800世帯（せたい）が３分間の節電をすると、家庭で使う電気のおよそ8.5日分、石油40リットル分の電力を節約（せつやく）できるらしいことがわかりました。「けっこう多い」（男子）。「けっこう節電できているような」（女子）。みんなの思いだけでなく、データやグラフをのせたチラシを配って、完全消灯（かんぜんしょうとう）をよびかけました。「自分たちの孫（まご）の世代にも石油を少しでものこすために…」と説明（せつめい）する男子。２年生全員で、地域（ちいき）の人みんなに思いをつたえたのです。 【scene 09】 ほとんどの家が協力してくれた！ いよいよ、３分間の完全消灯（かんぜんしょうとう）の当日。みんな、まちの様子が気になって集まってきました。「少しのこっちゃうと思います。完全には消してくれないかな」（男子）。夜７時。「消えた、消えた！」。「ここらへん全部消えてる！」。「すごい消えてる！」。なんと、ほとんどの家が３分間の完全消灯に協力（きょうりょく）してくれたのです。 【scene 10】 未来までつづけられる節電を考える 次の日。学校にはたくさんのアンケートがとどいていました。「電気のありがたみを知りました」。「定期的（てき）にやってもいいと思います！」。でもなかにはこんな答えも…。「賛同（さんどう）できない。イベント的でざんねんです」。これに対して、「イベント的でざんねんっていうことは、自分たちがうれしいで終わっちゃだめで、地域（ちいき）の人たちにも共感（きょうかん）してもらえるようにしないといけない」（女子）という気持ちを持ちました。――「みんなは自分自身が未来（みらい）までつづけられる節電方法（せつでんほうほう）を考えることにしたの。それを地域の人たちにも広めて、いっしょに未来の電気を守っていきたいんだって」とコスル。「よ～し、今日からオレも節電するぞ～！」。

ドスルコスル

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どうする？食べ物がもったいない

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まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の問題を考える。家庭やスーパーで発生する「食品ロス」や、「食品ロス」を活かす「フードバンク」の取り組みを紹介する。

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【scene 01】 「食品ロス」という大きな問題 食べ物にあふれた国、日本。スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、いつでも食べたい物を買うことができ、毎日たくさんの食品が世界中から輸入（ゆにゅう）されています。その一方で、大量（たいりょう）にあふれた食べ物は大きな問題にもなっているのです。――「ふ～、おなかいっぱい」と食べ物をのこすコスル。すると、「こらーっ！　まだのこってるぞ。もったいなーい！」とドスル。「だって、野菜（やさい）は苦手なんだもん」と言うコスルに、「今、日本では、まだ食べられるはずの食品がたくさんすてられて、『食品ロス』という大きな問題になっているんだ」とドスルが言いました。「食品ロス？」。 【scene 02】 まだ食べられるのにすてられてしまう 神奈川県相模原（さがみはら）市にある、食べ物のリサイクル工場。スーパーの売れのこりなど、まだ食べられるはずの食品が一日に35トンもとどきます。とどいた食料（しょくりょう）を細かくくだき、ブタのえさにしてリサイクルしています。しかし、リサイクルするにはお金がかかるため、全国のスーパーのおよそ半数は、売れのこった食べ物をゴミ処理場（しょりじょう）で焼却処分（しょうきゃくしょぶん）しているのです。このように、まだ食べられるのにすてられてしまう食べ物のことを「食品ロス」といいます。その量（りょう）は、なんと一年間で646万トンにもなります。 【scene 03】 食品ロスの47.3％が家庭から 食品ロスについて調べている浅利（あさり）さん。市と協力（きょうりょく）して、家庭から出されるゴミの調査（ちょうさ）をしました。封（ふう）も開けずにすてられた食べ物が次々と出てきます。実は、もっとも多く食品ロスを出しているのは家庭。47.3％が家庭から出ています。その主な理由は、①食べのこし、②冷蔵庫（れいぞうこ）に入れっぱなし、③食べられるところもすてる、など。「もったいないとか、食べ物に対するありがたみが消えて、新鮮（しんせん）なものを安全に食べたいという心理が勝っている」。世界では今も８億（おく）人の人々がうえに苦しむなか、日本では多くの食べ物がすてられています。 【scene 04】 『フードバンク』という取り組み 「うわぁ、もったいなーい！」とおどろくコスル。「どうする？　どうする！」とドスルに聞かれ、「スーパーの食品ロスをブタさんのえさにリサイクルしてたみたいに、のこった食べ物をむだにしない方法（ほうほう）ってないのかなぁ…？」と言います。すると、「おお！　それなら『フードバンク』という取り組みがあるぞ。でも、まだいろいろと課題（かだい）があるんだ」とドスルが言いました。 【scene 05】 食べ物にこまっている人たちに無料でとどける 福岡県北九州（きたきゅうしゅう）市。フードバンクの活動に取り組む、原田さん。フードバンクとは、まだ食べられるのにすててしまう商品をお店から提供（ていきょう）してもらい、食べ物にこまっている人たちに無料（むりょう）でとどける仕組みです。「いつもの持ってきました」。「ありがとうございます」。この日、原田さんがとどけたのは、パン。「いただきます！」。みなさん、笑顔（えがお）で食べ始めました。「食べ物にはすごい力があります。だれでもが生き生きと住めるような社会に近づけていけたらうれしい」と原田さんは言います。 【scene 06】 安心・安全のためのルール作りを 原田さんは食品工場などにも食品の提供（ていきょう）をよびかけています。売れのこったそばや、運ぶとちゅうでつつみがやぶれたクッキーなどは、味には問題がなくてもほとんどがすてられ、大きな食品ロスになっているのです。しかし、そうした商品を提供してくれる工場はなかなかありません。食品がちゃんと管理（かんり）されるのか。万が一食中毒（しょくちゅうどく）や病気になったらその責任（せきにん）は？　安心と安全が約束（やくそく）されるまでは食品をわたすことはむずかしいのです。全国にふえつつあるフードバンク。多くのお店や工場とたがいに安心できるルールを作ることが課題（かだい）です。 【scene 07】 わたしたちの食品のえらび方 「食品ロスをむだにしないことも大事だけど、そもそもどうすれば食品ロスをへらせるのかなあ？」とコスル。「それじゃ聞くけど、今日のおやつに食べるとしたらどっちのプリンを買う？」とドスルが見せたのは、賞味期限（しょうみきげん）あと３日のプリンと、賞味期限あと７日のプリン。「やっぱり、少しでも長持ちするほうがいいよね」とコスル。すると、「そんなんじゃ食品ロスはへりっこなーい！」とドスルが言いました。買い物をする人がお店で食品をえらぶときのポイントは、まず値段（ねだん）、そして鮮度（せんど）。そんな人たちがスーパーで使う必殺技（ひっさつわざ）が、『たなのおくから 商品ゲット！』。 【scene 08】 食品ロスを生むのは… 実は、スーパーやコンビニのたなは、手前にいちばん古い商品がおかれ、買われていくたびにおくから新しい商品を補充（ほじゅう）していく仕組み。つまり、たなのおくから商品を取れば、いちばん新しい商品をゲットできるというわけです。でも、みんながたなのおくから商品を取ってしまうと、たなの手前におかれた商品は古くなってすてられ、食品ロスになってしまいます。「もしかして、食品ロスの大きな原因（げんいん）ってわたしたちの気持ちの問題？」とコスル。「そうなんだ。実は買い物をするときのちょっとした気持ちが、食品ロス以外（いがい）の問題にもつながっているんだ」とドスル。「えーっ！？」。 【scene 09】 伝統野菜の農家がへっている理由 京都市北区（きたく）。この地で農業をいとなむ樋口（ひぐち）さんが育てているのは、鷹峯（たかがみね）とうがらし。古くからこの地域（ちいき）でさいばいされてきた京都の伝統野菜（でんとうやさい）です。とうがらしなのにからくなく、かめばあまみが広がります。しかし、鷹峯とうがらしを育てる農家は年々へり、今ではわずか10軒（けん）ほど。育っても形がそろわず、スーパーに出荷することができないためです。実は、形や大きさがそろわない野菜は、工場などで選別（せんべつ）され、商品からはずされてしまいます。見た目が悪いとなかなかお客さんの手にとってもらえず、売れのこってしまうからです。 【scene 10】 自分たちのまわりの問題を調べてみよう！ たとえ形はふぞろいでも、地域（ちいき）につたわる味を守りたいと、樋口さんは鷹峯（たかがみね）とうがらしのさいばいをつづけています。わたしたちが見ばえのいいものを買いたいとのぞむ一方で、日本各地（かくち）につたわる個性（こせい）ゆたかな伝統野菜（でんとうやさい）がうしなわれようとしているのです。――「毎日当たり前のように食べている食べ物にもいろんな問題があるんだね」とコスル。「大量（たいりょう）の食品ロス。食品の安心・安全とは？　買うがわの気持ち。どうする～？」とドスル。「まずは家の冷蔵庫（れいぞうこ）とか自分たちのまわりにどんな問題があるのか調べてみるね」とコスルが言いました。「おぉ、たのんだぞ～！」。

ドスルコスル

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こうする！食品ロスをなくそう～千葉県野田市立関宿小学校６年～

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給食の食べ残しをきっかけに、「食品ロス」を減らしたいと考えた千葉県野田市立関宿小学校の６年生。多くの人の「心」を変えようと取り組んだ活動を紹介する。

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【scene 01】 食べのこした給食はどうなる？ 千葉県野田（のだ）市立関宿（せきやど）小学校。「いただきます！」。給食（きゅうしょく）の時間です。６年生のみんなが気になっていたこと。それは、自分たちの給食の食べのこし。「スープはあと10人分あるよ」と給食係の男子が声をかけますが、「食べる人いないわ」（男子）。スープがのこってしまいました。自分たちが食べのこした給食はどうなるのか。毎日2000人分の給食を作っている学校給食センターを見学したみんなは、一日の食べのこしの量（りょう）が65kgもあることを知りました。「ちょっとショック」（女子）。 【scene 02】 “食品ロス”は世界中の問題 しかも話を聞いてみると…。「実は、“食品ロス”、食品をむだにすることが世界中で問題になっているんです」とのこと。まだ食べられるのにすてられてしまう“食品ロス”。日本では、世界の国々がまずしい人々に援助（えんじょ）する食料（しょくりょう）よりもたくさんの量（りょう）がすてられているのだそうです。「関宿小学校でやってもやっぱり何もかわらない」（男子）。「何もやらなかったら何もかわらないし、よびかけをすれば少しは食品ロスがへるかも知れない」（男子）。いろいろな意見が出ました。 【scene 03】 家の冷蔵庫を調べてみると… 食品ロスはどんな場所で起きているのか。まずは自分の家の冷蔵庫（れいぞうこ）を調べてみることに。出てきたのは、賞味期限（しょうみきげん）が切れたチーズ。ほかにも、みんなの家から食品ロスになってしまった食べ物がたくさん見つかりました。「自分のうちも食品ロスを起こしているんだな。自分も“フードロス”を起こしているんだなって思った」（男子）。さらに、お母さんへのアンケートを見ると、にんじんや大根の皮などは食べられるのにすててしまっていました。そこで、家の食品ロスをへらそうとみんなが考え始めたのは…。野菜（やさい）のしんや皮などを使った“食品ロスをへらすレシピ”です。 【scene 04】 “食品ロスをへらすレシピ この日は栄養士（えいようし）の先生に、みんなが考えたレシピのなかからえらんだ料理（りょうり）を作ってもらうことに。一品目は、にんじんと大根を皮ごと切ってとうふとあえる、“にんじんと大根の皮ごと白あえ”。二品目は、きざんだキャベツのしんをたっぷり入れた、“キャベツのしんのハンバーグ”。「皮がついていると思えないくらいシャキシャキしていておいしい！」（女子）。しかも、出た生ごみはほんの少しです。どうして今まで皮やしんをすてていたのでしょう。「安心とか安全をもとめすぎて、“もったいない”という心がへっている」（女子）。つまり、食品ロスをへらすには人の心をかえなきゃいけないということ？ 【scene 05】 スーパーマーケットで聞いてみた 人の心をかえたい。そんなみんながたずねたのは、毎日多くの人が買い物をするスーパーマーケット。「食品ロスでこまっていることは何ですか？」とお店の人に聞いてみました。すると、「売れのこってしまうことです。毎日新しい商品が来ますから、ちょっと古い商品と新しい商品がいっしょにならぶことになります」。商品がならんでいると、お客さんは少しでも新しい商品を買いたいと思う。すると、だれの手にも取られなかった商品は売れのこってしまうのです。「古いほうから買って下さいというおねがいは、お店としては言いにくいんです」。何かお客さんの気持ちをかえる方法（ほうほう）はないのでしょうか。 【scene 06】 お客の心をかえる取り組み“助けてシール” そこでみんなが作り始めたのが、“助けてシール”。まだおいしく食べられるのになかなか手に取ってもらえない食べ物にはって、『ぼくから取って！』とアピールするのです。お客さんの心をかえる取り組みはそれだけではありません。「フードロスっていう問題を知らないまま商品を買っちゃうから、そういう問題を知ってほしい」（女子）。シールだけではなくて、お客さんに食品ロスの問題をつたえれば、もっともっと多くの人の心をかえられると考えたのです。スーパーのお客さんにどうやって食品ロスについてつたえるか、みんなでアイデアを出し合いました。 【scene 07】 食べ物への思いをこめたチラシ作り 「『ぼくは売れのこったらどこへ行くの？』。お店にこういう標識（ひょうしき）があったら、『どこに行くんだろう？』って考えたりする？」。「想像（そうぞう）はするけど、べつに自分事とは感じないかな」。「ふくろの中に手紙を入れちゃう。家で思い出してもらうきっかけにはなると思う」。そこでみんなは、買い物のあとも家に持ち帰って見てもらえるようにチラシを作りました。見た人にインパクトをあたえる見出し。さらに、みんなで考えた野菜（やさい）を皮ごと使ったレシピや、冷蔵庫（れいぞうこ）で食品ロスを出さない保存方法（ほぞんほうほう）など、これまで学んできた食べ物への思いをチラシにこめました。 【scene 08】 “助けてシール”の効果は？ 活動当日。野菜（やさい）売り場におかれたかごには“助けてシール”がはられた野菜がいっぱい。そしてみんなでチラシを配りました。「フードロスをへらす活動をしています。ご協力（きょうりょく）をおねがいします」。「食べ物をのこすってことでしょ？」。「はい。まだ食べられるものをすてちゃうことです」。スーパーでの活動は３日間。“助けてシール”をはった野菜はどれだけ売れたのか？　先生が発表します。「売れのこりは何個（こ）かな？　いきますよ」。すると…、「おおー！」。なんと、180個の野菜のうち売れのこったのはたったの３つ。「効果（こうか）あり！」。「“助けてシール”、成功（せいこう）だ！」。 【scene 09】 取り組みをつづけていくこと でも、お客さんのアンケートの中に気になる言葉が。『がんばって下さい』。これの何が気になるのでしょう。「自分たちに『がんばってね』って言ったということは、言った人が自分事だということに気づいてない」（女子）。では、みんなにできることは？ 「今、一時的（てき）にやっていることを何回もやる」（男子）。みんなはスーパーでチラシ配りをつづけたり、身近な人から思いをつたえていこうと、家族といっしょにレシピを考えたりしています。「卒業（そつぎょう）して大人になってから一人ひとりできることがあると思うから、それでフードロスも少しずつへっていけばいいな」（女子）。――「オレももりもり食べて、食品ロスをへらすぞ～！」と言うドスルでした。

ドスルコスル

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どうする？日本の伝統

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180377_00000

今回は、祭りや文化財、工芸など、日本の伝統に関わる問題を考える。

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【scene 01】 存続の危機に立たされている「祭り」 石川県の能登（のと）半島。この地域（ちいき）で江戸時代からつづいている『キリコ祭り』。“キリコ”とよばれる大きなとうろうをかついで練り歩くことで、地域の安全や人々の健康（けんこう）などをねがう祭りです。能登半島の300ほどの地域で行われています。しかし今、多くの地域でキリコ祭りが存続（そんぞく）の危機（きき）に立たされています。かつぎ手がいなくなり、神社にねむったままのキリコ。若者（わかもの）の減少（げんしょう）や高齢化（こうれいか）などが原因（げんいん）で、少なくとも60の集落で祭りができなくなったといわれています。 【scene 02】 どうすれば祭りをつづけていけるのか 祭りは、地域（ちいき）の人たちが集う大切な場でした。なんとか祭りをつづけたい。この地域では、キリコをかつぐことをやめ、かざるだけにしました。伝統（でんとう）の形をくずしてでも、祭りを存続（そんぞく）することにしたのです。「地域のつながりであるし、ほこりという気がしますね。少し形はかわるかもしれませんが、なんとかキリコをのこしていければと思う」（地域の人）。現在（げんざい）、日本にはおよそ30万の祭りがあるといわれています。どうすれば祭りをつづけていけるのか、全国で問題となっています。 【scene 03】 「祭り」以外に「仏像」も 「ずーっとつづいてきた祭りがなくなってしまったら、とっても悲しいね」とコスル。「そうだなぁ。実は、お祭り以外（いがい）にも、守っていくのがむずかしいものがあるんだ。これだよ」。ドスルがコスルに見せたのは、仏像（ぶつぞう）でした。「仏像？」。 【scene 04】 文化財に指定してもらった貴重な仏像 福井県小浜（おばま）市田烏（たがらす）地区。町のお寺にまつられた観音菩薩像（かんのんぼさつぞう）。800年以上（いじょう）前に作られたといわれる貴重（きちょう）な仏像（ぶつぞう）です。「海の安全と大漁（たいりょう）。何百年も昔からこの仏様が見守ってくれている」と語る住職（じゅうしょく）の松島さん。これからもおおぜいの人におがんでほしい。松島さんは小浜市にたのんで、この仏像を文化財（ぶんかざい）に指定してもらいました。しかし不安（ふあん）もあると言います。 【scene 05】 高齢化する地域の人の負担 文化財（ぶんかざい）となると、国や自治体（じちたい）が修理（しゅうり）などの費用（ひよう）を一部負担（ふたん）します。一方で、お寺や町の人たちも、修理やぬすまれないための防犯対策（ぼうはんたいさく）にかかわる費用を負担しなければなりません。お寺をささえている60軒（けん）ほどの家の人は、その多くが65歳（さい）以上（いじょう）の高齢者（こうれいしゃ）です。仏像（ぶつぞう）を守るための費用が重い負担にならないか…。「地域（ちいき）の人口もこれから過疎化（かそか）、少子化（しょうしか）でへってくるので、手あつい支援（しえん）をしていただけるとよろしいんですけど」（松島さん）。 【scene 06】 「祭り」「文化財」以外に「伝統工芸」も 「お祭りも文化財（ぶんかざい）も守っていくのはたいへんだ～」とコスル。するとドスルが、「まだまだ守っていかないといけないものがあるんだ」と言います。「えー！　まだあるの？」。「そう、これだ。“伝統工芸”」。「でんとうこうげい？　何それ？」。 【scene 07】 日本には1000をこえる伝統工芸が 伝統工芸（でんとうこうげい）とは、代々、職人（しょくにん）のあいだで受けついできた技術（ぎじゅつ）で作られた、美術品（びじゅつひん）や生活道具のこと。たとえば、きれいなやき物や着物などがあります。伝統工芸はその多くが天然（てんねん）の材料（ざいりょう）を用い、100年以上（いじょう）前からの技術と機械（きかい）で作られています。国が指定しただけでも230もの伝統工芸があり、県や市などが指定したものをふくめると1000をこえるといわれています。――「しかーし！　この伝統工芸も“消滅（しょうめつ）の危機（きき）”という問題をかかえているのだ！」とドスル。「えーっ！」。 【scene 08】 400年の歴史を持つ伝統工芸『京こま』 数多くの伝統工芸（でんとうこうげい）がのこっている京都市。その一つ、『京こま』。400年もの歴史（れきし）があり、布（ぬの）をまきつけて作るのが京こまの大きな特徴（とくちょう）です。遊び道具としてだけでなく、商売繁盛（はんじょう）など縁起（えんぎ）のよいかざり物として親しまれてきました。京こま職人（しょくにん）の中村さん。以前（いぜん）は10軒（けん）ほどがこまを作っていましたが、今は中村さんただ一人です。「37年ぐらい前に、観光（かんこう）みやげが様（さま）がわりしました。タレントグッズなどにおされて人気がなくなり、こま作りが継続（けいぞく）できなくなった」。 【scene 09】 京都らしさを出す新しいくふう 中村さんは、自分の代で京こまがなくなってしまうことに危機感（ききかん）を感じています。「やはり伝統（でんとう）をのこしていきたいという気持ちはあります」。中村さんはこまを作るだけではなく、販売（はんばい）してくれる店も自分でさがしています。この日はホテルのみやげ物店に、新しくデザインしたこまを持ってきました。京都の夏の風物詩（ふうぶつし）、五山（ござん）の送り火をイメージしたこまです。ほかにも、有名な祇園祭（ぎおんまつり）など、京都ならではのこまを作っています。「見た目が日本的（てき）なので、外国の人がすごく興味（きょうみ）を持ってくださいます」（みやげ物店の人）。 【scene 10】 なんとか後世につたえていきたい 現在（げんざい）、中村さんに後継者（こうけいしゃ）はいません。京こまの魅力（みりょく）をより多くの人に知ってもらうことが、今できることだと考えています。「ニーズ作りをしっかりしていく。ニーズ〈買う人〉が高まれば、職人（しょくにん）をやりたい人も出てくる。なんとか後世（こうせい）にのこるようにと思ってやっています」。――「お祭りがつづけられない。文化財（ぶんかざい）が守れない。伝統工芸（でんとうこうげい）のにない手がいない。問題が山づみ。でも、未来（みらい）にのこしていくためにもわたしたちにできることだってあるはず。ちょっと調べてくる～」とコスル。「おぉ、たのんだぞ～！」。

ドスルコスル

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こうする！伝統工芸のいまを伝える～京都府京都市立御所南小学校５年～

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今回の主人公は京都市立御所南小学校５年生。地域の伝統工芸の魅力と現状を知り、活動する様子を紹介。

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【scene 01】 伝統工芸の悪循環？　　　00:00～01:03 今回の主人公は、京都府京都市立御所南（ごしょみなみ）小学校５年生のみんなです。昔から使われている伝統工芸品（でんとうこうげいひん）作りを体験（たいけん）し、その魅力（みりょく）を知りました。でも、こんなこともわかったのです。「伝統工芸品が、使われない、売れない、職人（しょくにん）がへっている。こういう悪循環（あくじゅんかん）が伝統産業（さんぎょう）の業界では起こっている」（先生）。伝統工芸のよさを多くの人に知ってもらい、未来（みらい）につなげようとした取り組みをしょうかいします。 【scene 02】 伝統工芸に興味を持ったきっかけ 京都府は、日本でいちばん伝統工芸（でんとうこうげい）が多いといわれています。でも、みんな最初（さいしょ）は…。「まったく知らなかった」。「古い茶わんのイメージしかなかった」。そんなみんなが伝統工芸に興味（きょうみ）を持ったのは、まちの展示館（てんじかん）をたずねたのがきっかけでした。「ちょうちん、めっちゃかわいい」。「すごくこって作られていると思う」。「こんな絵、うまくかけない」。でも、こんなことも感じたようです。「かぶとが30万円で売られていたけど、あれ、全然（ぜんぜん）役に立たなさそうな気がする」。なぜ伝統工芸が今も作られているか、わからないということのようです。 【scene 03】 もっと知りたい、体験してみたい そこでみんなは、伝統工芸（でんとうこうげい）の歴史（れきし）や、今どう使われているかなど、本で調べたり職人（しょくにん）さんに話を聞いたりしました。そして、さらに深く知りたいと思うようになったのです。「ほかの職人さんに聞くことで、まだ何か発見があるかもしれない」。「作るときの苦労（くろう）もまだわからないから、体験（たいけん）してもいいと思う」。みんなは、まちの伝統工芸の職人さんをたずねることにしました。 【scene 04】 伝統工芸を体験して魅力を調べる 「伝統工芸品（でんとうこうげいひん）である金網細工（かなあみざいく）の魅力（みりょく）をさぐりにきました」。「師匠（ししょう）に弟子入りさせてください。よろしくおねがいします」。師匠と弟子。なんだか本格的（ほんかくてき）です。みんなは、九つの伝統工芸をグル―プにわかれて体験（たいけん）し、その魅力を調べることにしたのです。布（ぬの）をまいて作る『京こま』に取り組むグループ。金網でおとうふをすくう道具（金網細工）作りに取り組むグループ。糸で作る『京くみひも』を体験するグループ。携帯（けいたい）電話などにつけるストラップを作るのだそうです。 【scene 05】 「京くみひも」作り 京くみひもを教えてくれるのは、京くみひも職人（しょくにん）の長谷川さん。千年以上（いじょう）前からつたわるくみひもを、手作業で作っている職人さんです。着物に使う帯（おび）ひもなどを作っていて、有名なおすもうさんの羽織（はおり）ひもも作っているそうです。さっそくやってみますが、「ちがうちがう、手がぎゃく」。みんな手こずっているようです。でも長谷川さんは、デザインをとちゅうでかえながらすばやく作っています。「手でやる仕事はこういうことができる」と技（わざ）を見せてくれました。「すごい！」。 【scene 06】 伝統工芸がかかえるなやみ 体験（たいけん）を終えて、長谷川さんにお話を聞きました。「くみひもは何年つづけているんですか？」。すると、「52年、この仕事をさせてもらってます」とのこと。「どういう思いでくみひもを作っているんですか？」と聞くと、「お客さんによろこばれるもの、いいものを作るということが大事ですね」とのことでした。そして、伝統工芸（でんとうこうげい）がかかえるなやみも聞きました。「もう、実際（じっさい）に手で組む人は５本の指ほどしかいません。おじさんには後継者（こうけいしゃ）がいません。だからおばさんとおじさんが亡（な）くなったら、たぶん、このひも屋はなくなると思います」（長谷川さん）。 【scene 07】 自分たちにできることは？ みんなはどう思ったのでしょう。「後継者（こうけいしゃ）がいないから伝統工芸（でんとうこうげい）が終わっちゃう」。「せっかく体験（たいけん）したのに、師匠（ししょう）にも教えてもらったのに、それだけだともったいない」。「伝統工芸品は、わたしたちが体験して、いいものってわかっているから」。「それをみんなに広げていったら後継者も出てくるんじゃないかな」。今、自分たちにできることはないのか、みんなは考え始めました。「伝統工芸を知ってもらうためには、紙に書いて伝統工芸品はこんなものだよって」。「それを教えるためにイベントを開く」。イベントを開くというアイデアです。 【scene 08】 イベントを開こう グループで話し合ったことを、さらに全体で深めていきます。「ぼくはイベントを開くのがいいと思う。場所は学校の第二運動場で」。「場所は、学校全体を使えばいいと思います」。「学校より外で、たとえばおうちの人をまねいたり」。「もっと人が多いところで、商店街（しょうてんがい）とか市役所とか」。みんなは、イベントをどこで開くべきかなやんでいるようです。そんなとき、最初（さいしょ）におとずれた展示館（てんじかん）はどうかというアイデアが出ました。 【scene 09】 伝統工芸の魅力を発信するギャラリー展 「展示館（てんじかん）には伝統工芸品（でんとうこうげいひん）が展示してあって、伝統工芸品が気になって来る人もいるかもしれないので、こんないいものなのに何でなくなりそうなんだろうって思ってもらえる」。「気になった人が、すぐ展示館に行けるのでいいと思います」。みんなは展示館で、伝統工芸の魅力（みりょく）を発信（はっしん）するギャラリー展を開くことを決めました。自分たちの作った伝統工芸を展示し、体験（たいけん）して感じた魅力や、職人（しょくにん）たちの数が40年で大きくへったことなど、問題をポスターでつたえるのです。 【scene 10】 職人さんも見に来てくれた ギャラリー展（てん）当日。観光（かんこう）客やまちの人などおおぜいの人がやってきました。「江戸時代のころは着物のあまりの生地が『京こま』の材料（ざいりょう）で…」と説明（せつめい）すると、「これがすたれていくということに危機感（ききかん）を感じることがすごい。それを知らせていかないと、あとをついでもらうこともできない」とまちの人も感心してくれました。金網細工（かなあみざいく）を教えてくれた職人（しょくにん）さんも来てくれました。ポスターを見て、「機械（きかい）でできた商品と、こうやって手作り、心のこもった商品では、あなたはどちらをえらびますかって、すごい」と職人さん。 【scene 11】 未来につなげていくのはわたしたち みんなはどんなことを感じたのでしょう。「ちょっと職人（しょくにん）さんたちに恩（おん）返しができたかな。未来（みらい）につなげていくのはわたしたち子どもしかいないから、もっと自分たちのできることをさがして未来につなげていくべきだと思います」。――「うんうん。コスルも、もっといろんなことを体験（たいけん）しないとな」とドスル。すると、「ちがうよドスル。体験したあと、自分がどう行動するかが大事なんだよ。じゃ、行ってきまーす！」とコスル。

ドスルコスル

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どうする？仕事との向き合い方

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これからの仕事や働き方について考える。過労死を招く長時間労働、難しい「仕事と育児」の両立、人間の代わりに働くロボットやAIの開発など、直面している課題を見る。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180379_00000

【scene 01】 仕事のしかたと健康との大きな問題 「ふあ～」。大きなあくびをするドスル。「あれ？　ドスル、なんかつかれてる？」とコスルに言われ、「ああ、最近（さいきん）、仕事がいそがしくてなー」と言いました。「昨日（きのう）も帰りがおそかったもんね。でもドスルはいつも、『仕事がすき』って言ってるじゃん。いっぱいはたらけて楽しいんじゃないの？」とコスル。「のんきなやつだなぁ。仕事でつかれているのはオレだけじゃないぞ。日本では今、仕事のしかたが、健康（けんこう）にもかかわる大きな問題になっているんだ」。「えー？　どういうこと？」。 【scene 02】 はたらきすぎが原因の「過労死」 日本では今、はたらきすぎが原因（げんいん）で亡（な）くなる「過労死（かろうし）」が問題となっています。仕事が原因で心や体の病気になり、命までうしなってしまう過労死は後をたちません。過労死の主な原因は、過酷（かこく）な長時間労働（ろうどう）。自分が気づかないうちに病気になることもあるといいます。 【scene 03】 ひと月平均165時間の残業 40代のAさん。自動車部品の販売（はんばい）会社ではたらいていた６年前のこと。当時Aさんは会社から大きな仕事をまかされ、やりがいを感じていました。期待にこたえようとむちゅうになってはたらいたといいます。「ほとんどねていなかった。家に帰るのは、ごはんを食べることとシャワーをあびることだけで」。深夜まで残業（ざんぎょう）する日々が半年間つづきました。ひと月80時間の残業を２か月以上（いじょう）つづけると、はたらきすぎによって死亡（しぼう）する「過労死（かろうし）」の危険（きけん）があるとされています。Aさんはその倍、ひと月平均（へいきん）165時間の残業をしていました。 【scene 04】 医師の診断は「うつ病」 そんなある日、とつぜん体が動かなくなりました。医師（いし）の診断（しんだん）は、「うつ病」でした。うつ病とは、気分がとても落ちこむ病気です。不安（ふあん）になる、すきなこともやりたくないなどの心の症状（しょうじょう）や、ねむれない、食欲（しょくよく）がないなどの体の症状があらわれます。なかには、自殺（じさつ）したい衝動（しょうどう）にかられる人もいます。Aさんははたらくことがむずかしくなり、６年あまり治療（ちりょう）に専念（せんねん）してきました。自分はだいじょうぶだと思いこみ、はたらきすぎたことをくやんでいます。「自分で何で気がつかなかったんだろう」。 【scene 05】 仕事と健康のバランスを 「ひゃ～。仕事が原因（げんいん）で体をこわすなんて、何のためにはたらいているのかわからないよー」とコスル。「はたらく人の15％、およそ６人にひとりが長時間労働（ろうどう）だというデータもあるんだよ」とドスル。「うーん、仕事と健康（けんこう）のバランスをもっと考えないとね」。「そうだなあ。バランスでなやんでいる人はほかにもいるぞ。たとえば、お母さん」。「え？　お母さん？」。 【scene 06】 はたらく女性の出産 はたらく女性（じょせい）たちにとって、仕事をつづけながら子どもを産（う）み育てることがむずかしいという現実（げんじつ）があります。看護師（かんごし）としてはたらいていたBさん。妊娠（にんしん）がわかったとき、上司（じょうし）の反応（はんのう）はつめたいものでした。「みんなと同じような仕事ができないんだったら、いてもらわなくていい」と言われたのです。Bさんは出産（しゅっさん）後も仕事をつづけたいと考えていましたが、やめざるをえませんでした。「本当にくやしかったなあと」。 【scene 07】 仕事と育児の両立が課題 はたらく女性（じょせい）のうち、出産（しゅっさん）をきっかけに仕事をやめる人は、およそ３分の１になります。理由を聞くと…。仕事と育児（いくじ）の両立がむずかしかったという人、会社から解雇（かいこ）・退職（たいしょく）をすすめられた人。あわせると30%になります。日本では仕事と育児のバランスをどうとっていくかが大きな課題（かだい）となっているのです。――「そんなぁ…。妊娠（にんしん）したからって仕事をやめさせられるなんて、おかしいよ！」。「そうだな。仕事と子育て、両方がんばりたいっていうお父さんたちだってたくさんいるんだぞ。だから今、“ワーク・ライフ・バランス”が見直されている」。「ワーク・ライフ・バランス？」。 【scene 08】 “ワーク・ライフ・バランス”の考え方 ワーク・ライフ・バランスとは、子育てなど家族やプライベートな生活（ライフ）を大事にしながら、仕事（ワーク）も両立させようという考え方です。たとえば、会社に出勤（しゅっきん）せずに、自宅（じたく）で子どものめんどうを見ながら仕事をする在宅勤務（ざいたくきんむ）をとりいれたり、保育園（ほいくえん）のむかえで早く帰るなど、はたらく時間を自由に選択（せんたく）できたり、一人ひとりに合ったはたらき方をえらべるようになってきているのです。 【scene 09】 将来なくなる仕事も？ 「へえー。わたしが社会に出るころには、こうしたはたらき方が当たり前になっているとうれしいなあ」とコスル。「コスルは将来（しょうらい）のこと、どう考えているんだ？」。「プロのフィギュアスケートの選手（せんしゅ）！　でも、外国語を使う翻訳（ほんやく）の仕事もちょっとあこがれるなあー」。すると、「翻訳の仕事か。残念（ざんねん）だが将来はなくなるかもしれないぞ」とドスルが言いました。「ど、どうして～？！」。 【scene 10】 １台で５人分の仕事をこなすロボット 今、ロボットや人工知能（ちのう）＝AIの開発が急速に進んでいます。広島県のショッピングモールで導入（どうにゅう）されたのは、そうじロボット。AIが店のレイアウトを認識（にんしき）しながら、すみずみまで自動でそうじします。１台で５人分の仕事を休みなくこなします。このショッピングモールでは、これまで店内のそうじを20人ほどの従業員（じゅうぎょういん）で行ってきました。仕事をうばわれてしまったら収入（しゅうにゅう）がなくなってしまう。ライバルとなったロボットの仕事ぶりが気になります。「はたらかないと年金だけではちょっと足りないものですから、ロボットには負けませんから」（従業員）。 【scene 11】 仕事の半分はAIやロボットにおきかわる？ イチゴを収穫（しゅうかく）するロボットも開発されています。カメラがとらえた映像（えいぞう）をもとに、AIが熟（じゅく）したイチゴを瞬時（しゅんじ）に見分けます。このロボット１台で30人分の仕事をこなしています。将来（しょうらい）、スーパーマーケットのレジ係やタクシー運転手、ホテルの受付（うけつけ）などさまざまな職業（しょくぎょう）が、なくなる可能性（かのうせい）が高いとされています。2030年ごろには、今ある職業の49％が、人間の代わりにはたらくAIやロボットにおきかわるという試算（しさん）まであるのです。 【scene 12】 自分らしいはたらき方を考えてみよう 「え～、将来（しょうらい）が不安（ふあん）になってきた～」とコスル。「どれもこれから、真剣（しんけん）に向き合わなくてはいけない課題（かだい）だな。仕事と健康（けんこう）のバランスをどうとるか。仕事と育児（いくじ）などの生活をどう両立するか。そして、仕事がなくなったらどうするか。時代とともにもとめられる仕事はかわっていくんだ。人間にしかできないことは何なのか考えてみるといいね」とドスルが言いました。「はぁ～、課題がいっぱい。でも、わたしらしい仕事、わたしらしいはたらき方を考えてみる！」とコスル。「期待してるぞ～」。

ドスルコスル

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こうする！“働く”を考える～北海道教育大学附属札幌中学校２年～

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将来の仕事や働くことについて、一人一人が決めた課題を探究する北海道教育大学附属札幌中学校の２年生。探究を深め、発表するまでの取り組みを紹介する。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180380_00000

【scene 01】 将来の仕事やはたらくことについて探究する 今日の主人公は、北海道教育大学附属（ふぞく）札幌（さっぽろ）中学校２年生。仕事の現場（げんば）にとび出して、一日はたらくことを体験（たいけん）しました。その体験をもとに、自分自身の将来（しょうらい）の仕事やはたらくことについて、それぞれが探究（たんきゅう）するテーマを決めたのです。『プライベートと仕事のバランス』について探究したいと思っている鈴木さん。まちに出て、プライベートと仕事がそれぞれどれだけ充実（じゅうじつ）しているか、実態（じったい）を調査（ちょうさ）しました。 【scene 02】 プライベートと仕事、どれだけ充実？ 結果（けっか）をまとめた表。上にいくほどプライベートが充実（じゅうじつ）していて、左にいくほど仕事が充実していることを表しています。どうやら両方充実している人が多いようです。両方充実していると答えてくれた人に、「どうやったら両方、両立できますか？」と聞く鈴木さん。すると、「自分のやりたいことは何なのか見つめ直した上で、家族とやりたいことを見つめ直し、仕事はそのためのやり方の一つにすぎないという考え方にしてようやく充実してきた」という返事でした。プライベートと仕事、どちらかに優先順位（ゆうせんじゅんい）をつけたほうがうまくいくようです。 【scene 03】 すきなことを仕事にして人の役に立つには？ 昆虫（こんちゅう）が大すきだという佐藤くんが探究（たんきゅう）するテーマは、『すきなことを仕事にして、人の役に立つには？』。「昆虫がすきで、昆虫の研究職（けんきゅうしょく）につけたらいいなと思ってたんですけど、昆虫のことやってて社会の役に立てるのかなと思っちゃって」と佐藤くん。まず佐藤くんが向かったのは、北海道大学。インターネットでさがしだした先生に話を聞きたいと思ったのです。お会いしたのは、秋元信一（あきもと・しんいち）先生。まずはセミの標本（ひょうほん）を見せてくれました。「これがチョウセンケナガニイニイですね」。「あっ！　会いたかったやつだ！」と大よろこびの佐藤くん。 【scene 04】 きわめればいつか人の役に立てる 秋元先生は昆虫（こんちゅう）の生態（せいたい）について研究しています。とくに雪虫（ゆきむし）が専門（せんもん）で、雪虫が大量（たいりょう）に発生した年には雪が多くふる傾向（けいこう）があることをつきとめました。さっそく佐藤くん、「ぼくが大学の先生になりたいと思ったのは、昆虫がすきで。でもよく考えてみたら、『昆虫』は人の役に立つのかなと…」。すると、「人の役に立たないとダメなんじゃないかと思うかもしれないけど、あまりそこは考えなくていいと思います。自分の興味（きょうみ）を追究していたら、たまたま人の役に立つような研究結果（けっか）につながった。それでいいんじゃないでしょうか」というアドバイス。佐藤くん、一つの答えが見えたようです。 【scene 05】 そもそも「人の役に立つ」とは？ 「新たに疑問（ぎもん）に思ったことがあるので、人の役に立つってどんなことなのかというのを調べてみたい」と佐藤くん。人の役に立つとはどういうことか、新たなテーマが見つかりました。そこで佐藤くんは、身近な大人に聞きに行くことにしました。まずは、いつも英語（えいご）を教えてもらっている塾（じゅく）の橋本先生。「はたらいていて、人の役に立ってるなって感じるのはどんなときですか？」と聞くと、「入試（にゅうし）に合格（ごうかく）した。うれしい話じゃないですか。一方で、ちょっとした変化（へんか）、『先生、漢字テストで100点とったよ』とか、そういうのもやりがいですね」。 【scene 06】 『役に立つ』というのは人それぞれ 小さいころから髪（かみ）を切ってもらっている美容師（びようし）の高橋さんにも聞いてみました。高橋さんは、髪を切ること以外（いがい）にも、役に立てることがあると感じているみたいです。「人と人とのかかわり合いとか、ちょっとお話をしたくて来た、ストレス解消（かいしょう）に来たっていうお客さん。そこもヘアスタイルを作るとともに大事にして接客（せっきゃく）しますね」と高橋さん。話を聞いてみると、役に立つことというのは、人それぞれちがうようです。 【scene 07】 「もう少しはば広く考えてみては？」 佐藤くんは、これまで調べたことを両親に聞いてもらうことにしました。『人の役に立つ』とはどういうことか、自分の考えをぶつけてみたのです。「ぼくの最初（さいしょ）の考えは、『人の役に立つとは、人をプラスの感情（かんじょう）にしたとき』ということなんじゃないかなって思ったんだけど」と佐藤くん。すると、「いろんなパターンがあるんだよね、人の役に立つっていうのは。感情のアプローチもいいけど、『人の役に立つとはどういうことなのか』をもう少しはば広く考えてみたらいいんじゃない？」とお父さんのアドバイスです。 【scene 08】 いろいろな職業の『役に立つ』場面を調べる そこで佐藤くんは、もっとたくさんの仕事について調べることにしました。インターネットや本を使って、役に立つ場面をノートにまとめました。ずいぶんたくさん書き出しました。人の役に立つとはどういうことか、あらゆる職業（しょくぎょう）のなかから、共通点（きょうつうてん）を見つけようと考えたのです。 【scene 09】 探究してきたことを発表する みんなは、保護者（ほごしゃ）や職業体験（しょくぎょうたいけん）でお世話になった人をまねいて、これまで探究（たんきゅう）してきたことを発表することにしました。まず、『仕事とコミュニケーションの関係（かんけい）は？』というテーマで調べた西田さん。「お店の人が、『今日誕生日（たんじょうび）ですよね。おめでとうございます』とか、『観光（かんこう）で来ているんですよね。ここがおすすめめですよ』とか話しかける。そのことからわたしは、仕事をする上では『心を持つこと』、心を持つために『相手の立場になってコミュニケーションをとること』がとても大切なんじゃないかなと考えました」。 【scene 10】 人に良い変化をあたえられること いよいよ、『すきなことを仕事にして、人の役に立つには？』というテーマで探究（たんきゅう）してきた佐藤くんの発表です。「道を直してくれる人だったら『道が走れるようになった』という変化（へんか）だし、農家さんだったら、ぼくにとっては『おいしいものが食べられた』という変化になって、トータルで見ると、人に良い変化をあたえられることが『人の役に立てる』っていうこと。最初（さいしょ）なやんでいた『昆虫（こんちゅう）って役に立つのかな』ということなんですけど、昆虫はいろんな人に興味（きょうみ）を持ってもらったり、世界に変化をあたえるという面ではすごく役に立つことだと、今は自信（じしん）を持って言えます」。 【scene 11】 将来について考え、探究をつづけよう！ 「たくさん調べ、真剣（しんけん）に考えたことで、昆虫（こんちゅう）の研究者の道を自信（じしん）を持ってめざせるなぁ」とドスル。「はたらくこと、仕事の意義（いぎ）、やりがいは人それぞれ」とコスル。「中学生のうちから将来（しょうらい）について考えることは大切だな」。「じっくり、はたらくことと向きあったこの経験（けいけん）は、この先きっと役に立つよね」。「もちろんさ。みんな、これからも探究（たんきゅう）をつづけて、りっぱな大人になってくれ！」とドスルが言いました。

ドスルコスル

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どうする？町が住みづらくなる

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今回は、地域社会に関わる問題を考える。商店街の衰退や、農業などの仕事の後継者不足、公共サービスの限界など、日本のこれからを見すえながら現状を見ていく。

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【】 オープニング 「どうするかなぁ。うーん、どうするか…」。ドスルがなやんでいます。そこへ、「あれ？　ドスル、どうしたの？」と、コスルがやってきました。「お、コスル。今さぁ、こんな問題が起きててさぁ。ちょっとこれ、見てよ」と、ドスルがタブレットのキーをおしました。 【scene 01】 シャッターのしまった店がならぶ通り タブレットに映像（えいぞう）が出ました。「商店街（がい）だよね？　お店しまってるようだけど、お休み？」。シャッターのしまった店がならぶ通りを見てコスルが言いました。すると、「ちがう、ちがう。シャッターがしまっているのは、お店をたたんでしまったからなんだ」とドスルが言います。「買い物するところがへって、ふべんじゃん！」とおどろくコスル。さらにドスルが言いました。「これだけじゃないんだぞ。農業のような仕事、みんなが通う学校。命を守る救急（きゅうきゅう）車。ぼくたちがくらす地域（ちいき）社会は、いろんなピンチをかかえているんだ」。「えっ？　どういうこと？」。 【scene 02】 かつてはにぎわっていた商店街 食料（しょくりょう）品店や洋服屋。いろいろな店が集まる商店街（がい）。わたしたちのくらしをささえています。でも今、その商店街の中の店がへってきています。北海道釧路（くしろ）市の釧路駅前にある商店街。今、３分の１近くの店が営業（えいぎょう）をやめてしまいました。長年、商店街をまとめてきた羽生（はにゅう）さんが言います。「100年以上（いじょう）やってきたこの店も閉店（へいてん）してしまいました。ざんねんです」。50年ほど前のこの商店街は…。「かたがぶつかるくらいすごいにぎわいでした。すべてのものがそろっていた」。羽生さんは、この先も店がさらにへっていくのではと心配しています。 【scene 03】 商店街がなくなる？ 全国の商店街（がい）へのアンケートで、『将来（しょうらい）に期待が持てる』と答えたのは4％。一方で、『不安（ふあん）や危機（きき）感を感じている』は67％にのぼっています。どうしてなのでしょう。「たとえば、買い物する人の多くが、商店街ではなく、大型（おおがた）のスーパーに行くようになったことがあるなぁ。ほかにも、店主さんの高齢（こうれい）化や、わかい人がお店のあとをつがない後継（こうけい）者不足といったことが原因（げんいん）だといわれてるなぁ。実は、こういう課題（かだい）をかかえているのは、商店街だけじゃないんだ。地域（ちいき）の農業もなんだ」とドスルが言いました。 【scene 04】 農業がつづかない？ 鳥取県北栄町（ほくえいちょう）は、全国でもトップクラスのスイカの産地（さんち）です。40年スイカさいばいをつづけてきた錦織（にしごり）さん、もうすぐ70歳（さい）。重いスイカをあつかうことが大きな負担（ふたん）になってきて、スイカ作りをいつまでつづけられるか不安（ふあん）を感じています。「後継（こうけい）者がいないのでわたしの代で終わるかもしれない」。あとをつぐ人がへってきているなどの理由で、380軒（けん）あった北栄町のスイカ農家はこの30年で半分近くになってしまいました。全国の農家のうち65歳以上（いじょう）の高齢（こうれい）者は70％にのぼります。 【scene 05】 “人口減少”という問題 「この後継（こうけい）者不足（ぶそく）の問題は、ほかにも町の工場でも同じように起こっているんだ」とドスル。「でも、なんでわかい人がいないの？」とコスル。「それについてはだな、このアニメを見ればわかるぞ！」とドスル。――『アニメでわかる日本の人口』。今、日本では、地方から東京や大阪などの大都市に、はたらき手となるわかい人が集まっています。さらにこの先、日本全体にいる人、すなわち「人口」はへっていく一方なのです。“人口減少（げんしょう）”です。人口がへれば、はたらき手もへります。地方を中心に、農業はもちろん、いろいろな仕事のはたらき手も、これからはへっていくのです。 【scene 06】 次から次へと問題が 「と、まあ、こういうことだ。どうするかねぇ」とドスル。「どうするって、大問題じゃん。ほんと、どうしたらいいの？」とコスル。「それはだな、えーと…。解決策（かいけつさく）、解決策…」。ドスルがタブレットでさがします。でも、解決策が出る前に、またべつの問題が出てきました。「あー！　調べても調べても、問題ばかり出てくる！」とキレるドスル。「えーっ、そんなにあるの？」とコスルもびっくり。 【scene 07】 公共のサービスがつづけられない？ 人がへってしまうと、くらしは大きくかわります。公園の管理（かんり）や、ゴミの処理（しょり）、消防（しょうぼう）・救急（きゅうきゅう）など、くらしをささえる公共（こうきょう）のサービス。ここには、「税金（ぜいきん）」というお金が使われています。税金とは、国や町に国民（こくみん）がおさめるお金のこと。人口がへると、おさめられる税金もへってしまいます。そうすると、これまでのような公共のサービスが、つづけられなくなる心配があります。 【scene 08】 学校の統廃合、公共施設の閉鎖… 人口減少（げんしょう）が進んでいる北海道夕張（ゆうばり）市。住民（じゅうみん）は、いちばん多かった11万人から、７千人へと大きくへってしまいました。そのため、入ってくる税金（ぜいきん）もへってしまい、夕張市が運営（うんえい）する住宅（じゅうたく）では、かべや道路がいたんだままになっていました。市内に７校あった小学校は、学校の運営にお金がかかるため、統合（とうごう）されて１校になりました。そして今、全国各地（かくち）で、学校の統廃合（とうはいごう）、公共施設（こうきょうしせつ）の閉鎖（へいさ）、ゴミ処理（しょり）の有料（ゆうりょう）化などさまざまな見直しが行われています。 【scene 09】 わたしたちにできることは何だろう？ 「知らなかったなぁ。うーっ、問題が多すぎる！　もう一回見せて。商店街（がい）がなくなってしまう。農業などの仕事がつづかない。そして、公共（こうきょう）のサービスがつづけられない。ヒェーッ！」とお手上げのコスル。「うーん。どれもこれも、かんたんには解決（かいけつ）できない問題だよなぁ」と言うドスルに、「でも、わたしたちにだってできること、あるはずだよね？」とコスル。「そう、そうこなくっちゃ！　それ！」。ドスルはコスルにドサッと問題をわたしました。「わわわ、重たい！　うーん、でも、友だちにも相談してくる！」とコスル。「おー、たのんだぞ！」。

ドスルコスル

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こうする！商店街を救え～神奈川県横浜市立戸部小学校5 年～

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「こうする編」では自分たちの町にある商店街を盛り上げるため、ポスター作りに挑戦する子どもたちが登場。町が抱える課題と真剣に向き合う姿を紹介する。

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【scene 01】 “シャッター通り”をもり上げよう 今日の主人公は、地域（ちいき）の商店街（がい）の問題と向き合う神奈川県横浜市立戸部（とべ）小学校５年１組のみんなです。５年１組のみんなは、道行く人にアンケートを行いました。「戸部大通り商店街を利用（りよう）したことありますか？」。すると、「昔はあったんだけどね。戸部商店街ね、“シャッター通り”って言われちゃってる」と女の人が答えてくれました。お客さんがへってしまったこの商店街を、自分たちの手でもり上げようとした取り組みをしょうかいします。 【scene 02】 戸部大通り商店街がかかえる問題 神奈川県横浜市。オフィスやマンション、スーパーがたくさんある地域（ちいき）のすぐとなり、戸部地区。ここに、問題をかかえる商店街（がい）があります。戸部大通り商店街。近くにできた大きなスーパーを利用（りよう）する人がふえて、お客さんがへってしまいました。シャッターがしまっているお店が目立ちます。高齢（こうれい）化も進み、50以上（いじょう）あったお店が半分以下になってしまいました。そこで５年１組のみんなは、商店街をもりあげるため、自分たちに何ができるか考え始めました。話し合いを重ね、商店街のみりょくをつたえるポスターを作ろうと決めたのです。 【scene 03】 商店街のみりょくを調べる まず始めたのが、商店街（がい）のみりょくを調べること。いろいろなお店の人に、戸部大通り商店街ならではのよさを聞きました。「みんな庶民的（しょみんてき）な人たち。『あ、うちに何がない！』ってすぐに買いにいける」。「地元なりの家族的（てき）な雰囲気（ふんいき）がある」。「お客さんにお酒について説明（せつめい）してあげたり、なかよく話し合える」など。まとめると、『お客さんとなかよくなり、いい気分になれる』、『地域（ちいき）の人と交流ができる』などなど。お店の人がお客さんとのつながりをとても大切にしていることがこの商店街のいちばんのよさだと、みんな感じたようです。 【scene 04】 どんな写真でアピールするか 取材（しゅざい）が終わり、いよいよポスター作りがスタート。まずは、商店街（がい）のよさをアピールするためどんな写真にするか話し合います。「みんな笑顔（えがお）だと、店に入りやすい感じもつたえられる」（男子）。この話し合いでは、みんなの意見がわれました。写真にはお店の人だけを入れるか、商店街の将来（しょうらい）をいっしょに考えている自分たちもくわわるか。クラスの25人のうち23人は、自分たちが写真にくわわる案（あん）をえらびました。でも２人は、自分たちが写るのはちょっとちがうんじゃないかと考えました。 【scene 05】 二つに分かれた意見 「商店街（がい）の人が目立たないと、全体のポスターを作る意味がなくなってしまう」。「商店街のポスターなのに、関係（かんけい）ない人たちが入るのってどうかと思う」。これがその２人の意見。これに対し、「子どもがいたほうがこの商店街に活気がある感じがするから、５年１組も写っていたほうがいい」（女子）という意見。でも、「店主さんからすると自分たちの商店街だから…」と反対の男の子。すると、「それって聞かなきゃわかんないじゃん」という意見が出て、「たしかに」「聞いたほうがいいと思う」という声がつづきました。自分たちだけで考えつくした上で、お店の人にも聞く。やりますねぇ。 【scene 06】 商店街の会長さんに聞いてみた 「こんにちは～！」。みんなは戸部大通り商店街（がい）会長の大塚眞司（おおつか・しんじ）さんをたずねて、ポスターに使う写真についての意見を聞きました。「みなさん、どういう票数（ひょうすう）になったの？」と大塚さん。大塚さんの意見を聞きたいとつたえると、「みんなでいっしょに入って、元気に『おーっ！』てやったほうがいいのかなって思うんだけど」と大塚さんの意見です。「この生徒（せいと）たちがいっしょにやったというのが、絵を見たらわかるじゃない」と。これで、お店の人とみんなが写る案（あん）で、なっとくできたようです。 【scene 07】 キャッチコピーを作る あとは、キャッチコピーを入れれば完成（かんせい）です。二つのキーワードに注意して考えます。「未来につなげる」表現（ひょうげん）を入れる。そして、「ストレートでわかりやすく」。みんないろいろ考えています。『えがおあふれる商店街（がい）』。『よってらっしゃい　みてらっしゃい　すごく明るい商店街』。「リズム的にいいし、商店街のよさがつたわる」。『つなげよう笑（しょう）店街　大好（す）きな商店街』というキャッチは、「笑顔（えがお）っていう意味も表していて、インパクトもあるし、“パッと見”でつたわりやすい」。なかなかいい出来です。 【scene 08】 『大好きだ！　未来へつなごう　笑店街』 でも、もっといいものにできないか、みんな話し合いをつづけました。そして…。完成したポスターのキャッチコピーは、『大好（す）きだ！　未来（みらい）へつなごう　笑（しょう）店街』。そして、おおぜいのお店の人たちと５年１組のみんなが写った写真。商店街の人たちのやさしさが感じられますね。 【scene 09】 戸部の町がすきになった！ お店の人たちはよろこんでくれるのでしょうか。ポスターをわたすと…、「すごいのができたじゃん！　これは本当、お宝（たから）だ」と八百屋のご主人。「すごい、すばらしいね。ポスターといってもかんたんなものだと思っていたんですけど、すごいなと。われわれももうちょっとがんばんなきゃいけないなっていう思いが出てきた」（大塚さん）。一方、「ふだん商店街（がい）に行ったことなかったんですけど、戸部の町のよいところをインタビューして聞くことができたし、すごく戸部の町がすきになりました」と女子。 【scene 10】 ポスターを作って終わりじゃない！ 商店街をもりあげようと思っているうちに、町をすきになったんですね。そして、まだまだつづきがありました。「それぞれのお店に行って、本当に来る人がふえたのか聞いてみたらいいと思いました」（女子）。みんな、ポスターを作って終わりじゃないと思っています。「いやぁ、すごいなぁ」とおどろくドスルに、「大人ばかりにまかせられないから、どんどん世の中の課題（かだい）、調べてみようっと」とコスル。「大人も負けないからな！」とドスルも言いました。

ドスルコスル

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どうする？自然がこわれていく

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180265_00000

環境破壊によって絶滅の危機にある生き物や、人工林のほったらかしから起こる被害、生活排水による海の汚染などを見ながら、人間と自然の「共生」について考える。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180265_00000

【scene 01】 世界で起きている“環境問題” 家やマンションをたてるために切りくずされた山。山のすがたはもう元にはもどりません。工場や車からの排気（はいき）。空気がよごされます。いま、わたしたちのくらしが自然（しぜん）に負担（ふたん）をあたえることが、大きな問題になっています。「世界では“環境（かんきょう）問題”とよばれるいろんな問題が起きているんだ」とドスル。「たとえば、日本には90000種類（しゅるい）以上（いじょう）の動物や植物がくらしている。そのなかのなんと3772種類の生き物が、絶滅（ぜつめつ）のおそれがあるという『絶滅危惧種（きぐしゅ）』に指定されているんだ」。「えーっ、どうして？」とおどろくコスル。 【scene 02】 瀬戸内海の干潟にすむカブトガニ 瀬戸内海に面した広島県。潮（しお）が引くとすがたをあらわす「干潟（ひがた）」が見られます。多くの生き物がくらすその干潟に、絶滅（ぜつめつ）があやぶまれる貴重（きちょう）な生き物がいます。生物学者の大塚（おおつか）さんが干潟の調査（ちょうさ）をしていました。「いました。野生のカブトガニの幼体（ようたい）です」。絶滅危惧種（きぐしゅ）のカブトガニ。２億（おく）年前から、今とほとんどかわらないすがたでくらし、“生きた化石”ともよばれています。 【scene 03】 干潟がないと生きていけない 50年ほど前には、瀬戸内海各地（かくち）の干潟（ひがた）で大きなカブトガニがたくさん見られました。しかしいま、その数が激減（げきげん）し、大きく成長（せいちょう）したカブトガニはほとんど見られないといいます。「生息している干潟がうめたてられてしまったことが大きい」（大塚さん）。瀬戸内海では、この100年でおよそ半分の干潟がうめたてられ、カブトガニのすむ場所がうしなわれてしまったのです。「干潟がないとカブトガニも生きていけない。いま保全（ほぜん）活動をしないと、日本から絶滅（ぜつめつ）した動物と同じ道を歩むのではないか」（大塚さん）。 【scene 04】 “ほったらかし”という問題 「こうしているあいだにも、わたしたちのまわりでくらす生き物が絶滅（ぜつめつ）しちゃってるかもしれないんだね。どうしよう～」と頭をかかえるコスル。するとドスルが、「頭をかかえるのはまだ早～い！」と言いました。「環境（かんきょう）問題はまだまだほかにもあるぞ。たとえば、“ほったらかし”が原因（げんいん）で起こる問題もあるんだ」とドスルが言います。「ほったらかし？」。 【scene 05】 あれはてた森 九州の真ん中にある霧立（きりたち）山地。ここは、自然（しぜん）のままのゆたかな森で知られていました。ところが、木がかれ、地面に草一つない場所がふえています。山のガイドをつとめる秋本さんに聞くと、「ここは通れないくらいスズタケがあった。シカが切りたおして葉っぱを食いちぎって全部なくなってしまった」といいます。この森の植物を食べつくしてしまったのは、数年前からあらわれるようになった、シカです。それまで森にあふれていた草花はすがたを消し、風景（ふうけい）は一変（いっぺん）してしまいました。 【scene 06】 原因は“ほったらかし”の人工林 なぜこの森にシカがあらわれるようになったのか。原因（げんいん）は、山の裾野（すその）に広がる人工林にありました。人工林とは、木材（もくざい）を作るために人がスギやヒノキを植えて作った人工の林です。人工林の木がわかいときには、太陽の光があたり、シカのえさも豊富（ほうふ）で、シカの数もふえました。しかしその後、外国から安い木材が輸入（ゆにゅう）されるようになり、切られずに“ほったらかし”になる人工林がふえました。手入れされなくなった人工林は、日光もさしこまず、シカのえさとなる植物も生えません。シカはえさをもとめて移動（いどう）し、草花を食べつくしたのです。 【scene 07】 生き物たちのいとなみもこわれてしまった 緑が消えたことで、鳥たちも巣（す）をすててしまいました。風景（ふうけい）だけではなく、森にくらす生き物たちのいとなみまでもがこわれてしまったのです。「一つ何かがこわれたら、いろんなところへ波及（はきゅう）していくんですね。わたしたちが想定できないようなところまで動いていくような気がします」（秋本さん）。わたしたち人間がほったらかしにしてあれはてた人工林が、新たな問題を引き起こしているのです。 【scene 08】 『川や海がないている！』 「決めた！　これからは、自然（しぜん）を勝手にかえないし、ほったらかしにもしない。それなら環境（かんきょう）問題も起きないでしょ？」とコスル。ところが、「毎日のくらしのなかで、知らないうちに自然をこわしていることもあるんだ！」とドスルが言いました。お皿あらい、トイレ、おふろ。人間は、毎日よごれた水を流しています。その水は下水処理（しょり）場でよごれを落とされてから、川や海へと流れていきます。しかし、下水処理場で水が100％きれいになるわけではありません。「よごれにふくまれていた窒素（ちっそ）やリンなどが、ちょっぴりのこってしまうんだ～」。 【scene 09】 毎日使う水が海に流れていって… 窒素（ちっそ）やリンが大量（たいりょう）に海にたまると、ある問題が起こります。海が赤くなる「赤潮（あかしお）」です。窒素やリンを栄養（えいよう）にする植物プランクトンという小さな生物が大量に発生して起こります。この赤潮が、漁業（ぎょぎょう）に深刻（しんこく）な被害（ひがい）をもたらします。大量のプランクトンがえらにつまり、何万びきもの魚が死んでしまうことがあるのです。「このままでいくとほぼ売り上げがない。漁業をつづけていけない状況（じょうきょう）です」（漁業者の高木さん）。「毎日使っているお水が海のよごれにまでつながっていたなんて、知らなかった～！」とコスル。 【scene 10】 わたしたちにもできることがあるはず！ 「問題はいろいろあったぞ。多くの生き物が絶滅（ぜつめつ）。ほったらかしの森林。川や海がよごれる」とドスル。「何をやっても自然（しぜん）がこわれちゃうんだね」とコスル。「あぁ、こまったなぁ。どうする？　どうする！」とドスル。「むずかしいけど、わたしたちにもできることが、きっとあるはずだよ！」とコスル。「おお！　それじゃあ、どうする？」。「こうする！…」。

ドスルコスル

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こうする！大切な自然を守る～兵庫県たつの市立新宮小学校6 年～

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自然豊かだった場所が、「ほったらかし」が原因で荒れてしまったのです。絶滅危惧種の植物・ムラサキを育て、広場を未来まで守り続けようとする姿を紹介します。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180270_00000

【scene 01】 “いこいの広場”を生き返らせる 今日の主人公は、兵庫県たつの市立新宮（しんぐう）小学校６年生のみんなです。５月、みんなが向かったのは、学校の中の“いこいの広場”。ここはみんなでヤギを育て、大すきな生き物やめったに見られない植物ともふれあえるすてきな場所だったのですが…。調べてみると、くもの巣（す）に雑草（ざっそう）。さらに、あのめずらしい植物もどこにあるのかわかりません。今回は、いこいの広場を生き返らせて、みんなで守っていこうとする取り組みをしょうかいします。 【scene 02】 絶滅危惧種の『ムラサキ』を守る のどかな景色（けしき）が広がる兵庫県たつの市。新宮小学校は、山と田んぼにはさまれています。いこいの広場を生き返らせようとみんながまず始めたのは、めずらしい植物『ムラサキ』を守ること。このムラサキは観察（かんさつ）のために特別（とくべつ）に分けてもらった植物です。「絶滅危惧種（ぜつめつきぐしゅ）」といって、大切にしていかないとこの世からなくなってしまうかもしれないのです。みんなはまず、図書室でムラサキについて調べ始めました。「さいばいがむずかしいって書いてある」（男子）。 【scene 03】 植物園の園長さんのアドバイス ネットでも調べます。ムラサキは、昔からむらさき色の染物（そめもの）に使われてきました。むらさき色の根っこを使って布（ぬの）をそめます。ムラサキからできる色だから、「むらさき色」という名前がついたのだそうです。一方、植物園の人に手紙を書く二人。調べてもわからないところを教えてもらうことにしました。さっそく植物園園長の松本（まつもと）さんが来てくれました。松本園長のアドバイスは、ムラサキが育ちやすいように、かたい土をたがやしてやわらかくすること。いこいの広場にのこっていたムラサキは、全部で３株（かぶ）でした。 【scene 04】 かれたと思ったムラサキが それから一週間。ムラサキはなかなか元気になりません。しかも、三つのうちの一つは葉っぱが取れてかれてしまったようです。「虫にやられたの？」「虫じゃないと思う」「水分あげすぎの可能性（かのうせい）もあるな」。原因（げんいん）がわからないので、松本園長に電話をして相談することにしました。すると、松本園長からのアドバイスは、弱っているムラサキを植木ばちにいったんうつして、栄養（えいよう）のある土で育てること。そして、目をはなさずに世話をするようにと言われました。すると…。かれたと思っていたムラサキから新しい葉っぱが生えてきたのです。「生きようとしとるんや」（男子）。 【scene 05】 いこいの広場が生き返った！ 夏。みんなで、いこいの広場の大そうじ。ヤギ小屋のフンとワラは、手作りの肥料（ひりょう）にします。広場のさくのペンキぬり。楽しそうです。そして、芝生（しばふ）をはって、完成（かんせい）。いこいの広場が生き返りました。でも、６年生が卒業（そつぎょう）してしまったらどうするのでしょう。「次、守ってくれる人たちがいなければ、ムラサキだって命があるからかれてなくなってしまう」（女子）。いこいの広場を未来（みらい）まで守りつづけるために、みんなは、５年生に自分たちの取り組みをつたえることにしました。 【scene 06】 ５年生に自分たちの取り組みをつたえる ５年生にどうつたえるか、まずは６年生どうしで練習です。「アカハライモリは何十年生きられるのでしょう。１．10年。２．20年。３．30年」（女子）。すると男子から、「声は大きかったけど、ずっとタブレットのほうばかり見て相手のほうを見ていない」というアドバイス。「初夏（しょか）から夏にかけて白い花をさかせるのがムラサキの特徴（とくちょう）で…」という説明（せつめい）には、「５年生が上から目線やなと思ってしまうから、ムラサキってこんなんやで、みたいな感じで…」という意見。ちゃんと５年生の気持ちになって考えようとしているんですね。すごい！ 【scene 07】 いこいの広場を守っていってほしい そして本番当日。５年生がやってきました。生き物の大切さと広場への思いを、しっかりつたえられるのでしょうか。「ムラサキは色ぞめに使われすぎて、だんだん数がへってしまった」（６年生）。「君たちが６年生になったときも、いこいの広場を下級生につたえて、自然（しぜん）とのかかわりをもって守っていってほしい」（６年生）。最後（さいご）に、６年生から５年生にお礼を言いました。「ありがとうございました」。すると…。「こっちが言うんじゃない？」「こっちが言わなあかんわ」と５年生たち。そして、「こちらこそありがとうございました」と５年生のみんなも言ってくれました。 【scene 08】 だれもが共生できる町づくり 「身近な自然（しぜん）を守ろうとする取り組みで、何を感じたのかなぁ」とドスル。「いろんな人や自然とふれあっていくなかで、相手の立場になって考えたり、植物だったらムラサキはどうしたらいいのかとか考えたりして、だれもが共生（きょうせい）していける町になったらいい」と６年生の女子。「そう、だれもが共生できる町づくり。みんなは次の目標（もくひょう）に向かって動き始めたの。ヤギ小屋のフンから作った肥料（ひりょう）で大根作り。地域（ちいき）の人に配って自然の大切さをつたえていきたいんだって」とコスル。「いこいの広場で生まれたみんなの思いが町へと広がっていくのか。すごいなぁ！」。

ドスルコスル

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どうする？お年寄りのサポート

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180266_00000

「老人」が「老人」を介護する「老老介護」、高齢者の「孤立」、介護の現場の「人手不足」などの事例から、お年寄りをどうサポートしていけば良いかを考える。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180266_00000

【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 ３人に１人が高齢者の時代 いま、日本は“超高齢（ちょうこうれい）社会”といわれています。医学が進み、病気をなおす方法（ほうほう）がふえたいま、65歳（さい）以上（いじょう）の高齢者の数はこの50年で５倍以上にふえました。日本人のおよそ30％、3500万人以上が高齢者です。この先もふえつづける高齢者。どうサポートしていくかが大きな課題（かだい）となっています。「ドスルがおじいちゃんになったら自分が世話をする」と言うコスルですが、「オレが90歳になるころにはコスルだって65歳。りっぱな高齢者どうしだぞ」とドスルが言います。「ほんとだ～！」。超高齢社会では、高齢者どうしのくらしが問題になっているのです。 【scene 02】 “老老介護”という現実 91歳（さい）の母、千代さんのめんどうを見ながらくらしているのは、68歳の青山政司（あおやま・せいじ）さん。老人（ろうじん）が老人を介護（かいご）する“老老介護”です。千代さんは認知症（にんちしょう）です。ときどき、自分がだれで、どこにいるのかわからなくなります。ひと時も千代さんから目をはなすことができない青山さんは、はたらきたくてもはたらくことができません。母親も自分もこの先どうなるのか。「自分がどんどん年をとっていくごとに、どうなっていくかわからないので…」。いま、家で介護をつづけている人のおよそ60％が、この老老介護というきびしい現実（げんじつ）に直面しています。 【scene 03】 高齢者がひとりぼっちになったら？ 「うわーっ。お年よりどうしのくらしって、たいへんすぎ～！」と頭をかかえるコスル。すると、「あまい！　あまいぞーっ！」とドスルが言います。「え？　どうして？」とコスルが言うと、「二人でくらしているうちは、まだマシってこと。たとえば、さきにかたほうが亡（な）くなってしまったら、どうなる？」とドスル。「あっ、ひとりぼっちになっちゃう！　どうすればいいの～？」とコスル。高齢（こうれい）者がひとりになったらどうすればいいのでしょう。 【scene 04】 「お年よりの孤立」という問題 静岡県熱海（あたみ）市。住民（じゅうみん）の半分以上（いじょう）が高齢（こうれい）者という団地（だんち）があります。ここでいま、お年よりの孤立（こりつ）が問題になっています。団地の自治（じち）会長をつとめる大友勇（おおとも・いさむ）さん、72歳（さい）。３年前、ひとりぐらしのおばあさんのすがたを見かけないと、住民から連絡（れんらく）を受けました。大友さんがたずねると、おばあさんは台所でたおれていました。亡（な）くなってから一週間ほどたっていたといいます。だれにも気づかれずに、たったひとりで人生を終える、孤独（こどく）死。「孤独死をふせぐことがわたしたちのねがいでした」。 【scene 05】 おたがいに見守ることができる場所 大友さんは、団地（だんち）の集会場を使って、お年よりが孤立（こりつ）することなくおたがいに「見守ることができる場所」を作りました。「居場所（いばしょ）というのは見守りにつながっているね。これはぜったい言える」（大友さん）。現在（げんざい）、742万人の高齢者がひとりぐらしをしています。一人ひとりが孤立しないようにすることが、大きな課題（かだい）となっているのです。 【scene 06】 くらしに必要なお金は？ 「ねえねえ、ドスル。おじいちゃん、おばあちゃんたち、くらしに必要（ひつよう）なお金はどうしてるの？　お仕事をしていない人も多いよね」とコスルが言いました。「いい質問（しつもん）だ。高齢（こうれい）者とお金の問題は、実は、コスルたちにも関係（かんけい）があるんだ」とドスルが言います。「え？　そうなの？」。「ここから先は、これ見てちょうだい」とドスル。『チョコレートが老人（ろうじん）を救（すく）う？！』。 【scene 07】 もっと税金を高くしないといけなくなる？ 仕事を引退（いんたい）した高齢（こうれい）者は、給料（きゅうりょう）がないので生活費（ひ）が足りません。その上、けがや病気をしやすくなっているので治療（ちりょう）代もたくさんかかります。そんな高齢者のくらしをささえるために、みんなが国におさめている税金（ぜいきん）が使われています。買い物をするときにはらう消費税もその一つです。しかし高齢者の数がふえて、みんなから集めたお金ではまかなえなくなってしまうと…。「高齢者のくらしをささえるために、消費税などをどんどん高くしていかなきゃいけないかも知れないんだ！」とドスル。「そんなに高くなったら、大すきなチョコレートが買えな～い！」。 【scene 08】 みんなで介護していけば… 「でもわたし、がまんする。少しくらいたいへんでも、わかい人みんながおじいちゃん、おばあちゃんに声をかけたり、介護（かいご）してあげればいいじゃない！」とコスル。ところが、「あま～い！　実はいま、超高齢（ちょうこうれい）社会をささえる介護のスタッフがぜんぜん足りず、大きな問題になっているんだ！」とドスルが言いました。「え～？！」。 【scene 09】 介護の現場の深刻な人手不足 高齢（こうれい）者の世話をする介護（かいご）の現場（げんば）で、人手不足（ぶそく）が深刻（しんこく）な問題になっています。山口県下関（しものせき）市にある介護施設（しせつ）。この施設を利用する40人の高齢者。本来なら20人のスタッフが必要（ひつよう）です。しかしいまは半分の10人しかいません。労働（ろうどう）力となるわかい人の数がへったことと、夜中も交代で見守りつづけるなどきつい仕事であることから、スタッフを募集（ぼしゅう）してもなかなか人手が集まりません。この先、介護が必要な高齢者がふえていく一方で、介護する側（がわ）の人手不足がさらに深刻になると考えられています。 【scene 10】 友だちと話し合ってみよう！ 「みんなが長生きになるって、幸せなことばかりじゃないんだね」とコスル。「老老介護（ろうろうかいご）。高齢（こうれい）者の孤立（こりつ）。そして、介護の現場（げんば）の人手不足（ぶそく）。超（ちょう）高齢社会は、問題も“超山づみ”だ！　どうする？　どうする！」とドスル。「どれもかんたんな問題じゃないけど、わたしたちに何ができるか、友だちと話し合ってみるね！」とコスル。「おお！　たのんだぞ～！」。

ドスルコスル

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こうする！地域のお年寄りとつながろう～愛知県岡崎市立 小豆坂小学校6 年～

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180271_00000

小豆坂小学校の学区に暮らす５人に１人は65歳以上の高齢者。「地域のお年寄りとつながろう」とさまざまな交流を続けた６年生の取り組みを紹介します。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180271_00000

【scene 01】 毎年交流してきたお年よりだけど… 今日の主人公は、愛知県岡崎（おかざき）市立小豆坂（あずきざか）小学校６年２組のみんなです。地域（ちいき）のお年よりとどうすればつながれるか考えつづけた取り組みをしょうかいします。小豆坂小学校の学区にくらすおよそ５人に一人は、65歳（さい）以上（いじょう）の高齢者（こうれいしゃ）。６年生は町のそうじやグラウンドゴルフ大会などで、地域のお年よりと毎年交流してきました。今の６年生も、学校で育てた野菜（やさい）をとどけることにしました。でもみんなにはあるなやみが…。「なんか苦手…。あまり話したことがない年代だから、何を話していいかよくわかんない」（男子）。 【scene 02】 お年よりをもっとよく知ろう だからこそみんなは、地域（ちいき）のお年よりたちのことをもっとよく知ろうと、家をたずねることにしました。たとえば…。畔柳（くろやなぎ）さんは、裁縫（さいほう）の達人（たつじん）。みんなはお手玉作りを習いました。失敗（しっぱい）しても畔柳さんがすぐ直してくれます。大きな家に一人でくらしている柴田（しばた）さん。みんなにお茶をいれてくれました。こうして、今まで知らなかったおじいちゃん、おばあちゃんの素顔（すがお）が少しずつわかってきました。「地域の人がすごくやさしい人だなって。わたしたちにもっといてほしいというのもあるかもしれないし、さびしい…のかな」（女子）。 【scene 03】 体を悪くしたお年より でも近所には、年をとって家からなかなか出て来られないお年よりもけっこういるそうです。この日は、体を悪くしたおばあちゃんの家の草むしり。89歳（さい）の加藤（かとう）さんは、足がわるいのですが、ふだんこの家に一人でくらしています。最近（さいきん）、ずっと健康（けんこう）のためにつづけてきたグラウンドゴルフにも行けなくなってしまいました。地域（ちいき）のお年よりのリーダー、平位（ひらい）さんも心配してやってきました。加藤さんは、平位さんにはげまされてこれまでグラウンドゴルフをつづけられてきたことを、とても感謝（かんしゃ）しているそうです。 【scene 04】 「わたしの形見をもらって」 すると加藤さんが、「平位さん、前から用意しとって、わたしの形見をもらって。これを、平位さん」と言いました。加藤さんがわたしたのは、グラウンドゴルフで使う「マーカー」という道具でした。「形見と言われてギョッとしたんだけどね、加藤さんはね、すずしくなったらまたグラウンドゴルフやろうと思ってるんだけども、体がいうこときかなくなったから、『平位さんが身につけていっしょにやって』という気持ちだなと思ったの…」と、平位さんはなみだで言葉をつまらせながらみんなに話してくれました。 【scene 05】 まず自分たちがお年よりと友だちになる 加藤さんと平位さんはどんな気持ちだったのか、６年２組のみんなで考えてみることにしました。「形見をその人にわたすってことは、自分の意識（いしき）があるうちに、その思いがしっかりとあるうちに、相手にわたしたいから…」（女子）。「平位さんと加藤さんのあいだで本当の友情（ゆうじょう）が生まれてたと思う。だから、地域（ちいき）の人にも助けあいができるように、しんじあえる友を作ってほしい」（女子）。「自分たちが地域（ちいき）のお年よりとお友だちになって、またとなりの人ともお友だちになって、そうすると、お年より二人をくっつけることもきっとできると思う」（女子）。 【scene 06】 秋祭りに来てもらおう そしてみんなは、秋祭りにたくさんのお年よりをよんで、みんなをつなげる場にしようと考えました。そこで、チラシを作って、ふだんあまり顔を見かけないお年よりの家に配りに行くことにしました。まずたずねたのは、太田（おおた）さん。「今回の目的（もくてき）は、地域（ちいき）の輪（わ）というか絆（きずな）を深めるために開催（かいさい）して…」と説明（せつめい）する女子。「なんとも言えないんだけど…。ごめんなさいね」と太田さん。「もしよろしかったら来てください」と女子。太田さん、来てくれるのでしょうか。 【scene 07】 秋祭りの日 そしていよいよ秋祭り当日。地域（ちいき）の人に、みんなで育てた花や野菜（やさい）を配ったり、いっしょにゲームをしたりしました。お手玉作りを教えてくれた畔柳さんも来てくれました。でも、チラシを配った人たちは来てくれたのでしょうか。「めっちゃチラシ配ったけど、あまり来なかった気がする」（男子）。「改善（かいぜん）点をどうしたらいいか、わかんない」（男子）。 【scene 08】 お年よりの思いを聞きに行こう 次の日。みんなはこれであきらめてはいけないと、お祭りに来なかった人たちの思いを聞きに行くことにしました。すると、「もうしわけない。わたし、電話かけるといいかなとは思ったんだけど、こういう具合で行けませんって」と太田さん。「これどうぞ」と野菜（やさい）をわたすと、「何かお菓子（かし）ひとつでも持ってく？　ちょっと待っとって」と、みんなにくだものをくれました。実は、太田さんは足が悪くて、秋祭りに行きたくてもいけなかったのだそうです。「わたしも一人ぐらしなもんでね。とってもうれしい」と言ってくれました。思いを聞けて、みんなは太田さんとしっかりつながりましたね。 【scene 09】 一生けんめいがきっと笑顔に 「地域（ちいき）ってそんなにかんたんに輪（わ）を作れるもんじゃないってのはわかるから、手をぬいていられない。その努力（どりょく）っていうか、一生けんめいが、地域の方の笑顔（えがお）になってくれればそれでいい。たぶん（６年２組は）みんな同じだと思う」と（女子）。――「みんなすごいなぁ！　がんばったなぁ！」とドスルもおどろいています。「でしょ？　そして、手紙をとどけるとか、もっとつながっていこうという取り組みも始めたの！」とコスル。「うん！　たのんだぞ！」。

ドスルコスル

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どうする？大災害が起きたら

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180267_00000

もし大地震、激しい雨、火山の噴火などで大災害が起きたら、どうする？ 命を守るために必要な３つの助け「自助」「公助」「共助」それぞれの課題を考える。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180267_00000

【scene 01】 とつぜんやってくる自然災害 とつぜんやってくる大きな地震（じしん）。はげしい雨。川の増水（ぞうすい）。火山の噴火（ふんか）。いつでも、どこにいても、わたしたちは自然災害（しぜんさいがい）にまきこまれるおそれがあります。そんなとき、どうしたらいいのでしょうか。「きゃーっ。日本は危険（きけん）がいっぱいだぁ！」とコスル。「だから、日ごろから災害に対してそなえておく必要（ひつよう）があるんだな！」とドスル。「学校で避難訓練（ひなんくんれん）もやってるし、わたしはだいじょうぶ！」とコスルが言うと、「自分だけはだいじょうぶと思っている人があぶないんだっていうぞ」とドスルが言いました。 【scene 02】 みるみるうちに川の水があふれ… 2015年９月の茨城県。大雨で鬼怒川（きぬがわ）の堤防（ていぼう）がこわれ、はげしい流れで住宅（じゅうたく）がおし流されました。4000人以上（いじょう）の住民（じゅうみん）がにげおくれてとりのこされました。川に流されながらも助かった晝間（ひるま）きよ子さん。家の近くの鬼怒川は、これまで水があふれることはありませんでした。「道路の水が30cmくらいになってた。たいしたことないと思っていた。みるみるうちに水かさがまして、ゴーッて…」。家の外に出た晝間さんは、川からあふれた水に流されました。ヘリコプターで助け出されたのは７時間後。体中きずだらけになっていました。 【scene 03】 「自分だけはだいじょうぶ」と思わない 災害（さいがい）にどうそなえているかを聞いたアンケート。『そなえは大切だと思うがそなえてはいない』と答えた人が半分いました。「みんな、自分だけはだいじょうぶって思っちゃうんだね」とコスル。「本気で自分のこととして考えなきゃだめなんだ！」とドスル。「でもさ、お年よりとか子どもは自分一人でにげるのはむずかしいよね？」。「そんなときは、警察（けいさつ）や消防（しょうぼう）、自衛隊（じえいたい）などが助けてくれるんだ。避難（ひなん）所を開いて食べ物などを用意するのは市役所など行政（ぎょうせい）の役割（やくわり）だな」。「それならいつ災害が起きても安心じゃん！」。「安心するのは早い！　行政ばかりにたよりきっていていいのか？」とドスル。 【scene 04】 東日本大震災での行政の対応は 2011年３月。巨大（きょだい）地震（じしん）と大津波（おおつなみ）で多くの死者が出た東日本大震災（だいしんさい）。このとき、行政（ぎょうせい）の災害（さいがい）への対応（たいおう）はうまくいったのでしょうか。震災直後、45万人以上（いじょう）が避難（ひなん）所におしよせました。しかし、避難所の水や食料（しょくりょう）、暖房（だんぼう）は十分ではなく、多くの人が空腹（くうふく）や寒さに苦しむことになりました。わずか紙コップ３分の２の水で一日をすごさなくてはならないこともありました。「寒かった。みんながまんしていた」（男性）。「食べ物はおにぎり１個（こ）ですね。つめたいおにぎり。それだけ」（女性）。 【scene 05】 行政もまた被害を受けていた 津波（つなみ）によって町がなくなるほどの被害（ひがい）を受けた岩手県陸前高田（りくぜんたかた）市。多くの市民（しみん）にとって、たよれる場所は避難（ひなん）所だけでした。しかし、市役所自体が津波にのみこまれ、４分の１近くの職員（しょくいん）が亡（な）くなりました。思いもしなかった規模（きぼ）の災害（さいがい）を前に、行政（ぎょうせい）などの公の力だけでは住民の避難生活をささえることはできなかったのです。「行政の支援（しえん）にたよりきるわけにはいかないってことだ」とドスル。「そんなー！　じゃ、みんなの命を守るにはどうしたらいいの？」とコスル。そのヒントが…、「これだ！　命を守る三つの“助け”！」。 【scene 06】 自助、公助、共助という三つの“助け”！ 「一つめは、『自助（じじょ）』。家具がたおれないように固定（こてい）したりして、自分で自分の命を守ること。二つめは、『公助（こうじょ）』。国や県、市や町などの公共機関（こうきょうきかん）による助けだ。そして三つめは、近所の人や知り合いなどがおたがいに助け合うこと。これを、『共助（きょうじょ）』と言うぞ。自助、公助、共助。被害（ひがい）を最小限（さいしょうげん）におさえるためには、この三つの“助け”がかかせないんだ！」とドスルが言いました。「これならみんなの命は守れるね！」とコスル。するとドスルが、「いざというときに、本当に地域（ちいき）で助け合えるかが問題なんだ」と言います。 【scene 07】 地域の自主防災組織 長崎県長崎市。住民（じゅうみん）が自主的（てき）に防災訓練（ぼうさいくんれん）を行っています。一人でもにげおくれることがないように、地域（ちいき）の住民どうしが助け合って命を守ろうという取り組みです。今、全国の８割（わり）をこえる地域に、こうした自主防災組織（そしき）がつくられています。ところが、問題をかかえる自主防災組織がふえています。静岡県三島（みしま）市の北田町（きたたまち）。かつては熱心（ねっしん）に訓練に取り組んでいましたが、５年ほど前から行われていません。いざというときにいちばんたよりになるわかい世代の参加（さんか）が少なく、お年よりばかりの訓練はもう限界（げんかい）でした。 【scene 08】 自主防災組織がむかえている危機 「わたし、今77歳（さい）なんですけど、わたしの家のまわりなんか、みんな『お宅（たく）をたよるしかない』と、そういう人ばっかりなんですよ」（北田町の男性）。三島市内にある97の自主防災組織（ぼうさいそしき）のうち、防災訓練（くんれん）ができていないところは13％、10か所以上（いじょう）にのぼります。地域（ちいき）での助け合いのカギとなる自主防災組織が、今、各地（かくち）で危機（きき）をむかえています。 【scene 09】 何か解決策があるはず！ 「うーん。地域（ちいき）で本当に助け合えるのか、心配になってきた」とコスル。「そうだな。自分だけはだいじょうぶ？　これは『自助』の課題（かだい）。行政（ぎょうせい）にたよりきれる？　これは『公助』の課題。そして、地域で助け合えるか？　これは『共助』の課題だ」とドスルが言いました。「わあ～、課題が山づみだ～。でもきっと、何か解決策（かいけつさく）があるはず！」。「さあ、どうする？」とドスル。「ちょっと、友だちと考えてくる！」とコスル。「たのんだぞ～！」。

ドスルコスル

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こうする！災害への備え～宮城県仙台市立広瀬小学校6 年～

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180272_00000

2011年に起きた東日本大震災の被害の大きさを実感した宮城県仙台市の６年生。命を守るためにできる防災の課題と向き合った取り組みを紹介します。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180272_00000

【scene 01】 震災被害の現実を目の当たりにして 2011年３月11日に起きた東日本大震災（ひがしにほんだいしんさい）。宮城県は大きな被害（ひがい）を受けました。海ぞいの地域（ちいき）に津波（つなみ）がおしよせて、町の多くが流されてしまいました。被害の現実（げんじつ）を見にやってきたのは、同じ宮城県の山ぞいにある広瀬（ひろせ）小学校６年３組のみんなです。当時、みんなはまだ小学校入学前。この日はじめて、被害の大きさを目の当たりにしました。「もし自分がその状況（じょうきょう）にあったらどうしただろう。ひとごととは思えない」（男子）。今回は、命の大切さを実感したみんなが、防災（ぼうさい）の課題（かだい）と向き合った取り組みをしょうかいします。 【scene 02】 命を守るために必要なものリスト 宮城県仙台市立広瀬小学校６年３組。まずみんなは、災害（さいがい）が起きたとき自分と家族の命を守るには何が必要（ひつよう）か考え、リストにまとめました。たとえば着がえと水、そしてロープ。「かんたんに『ロープ』って書いてあるけどさ、どんなロープ？ 『何に使うんですか？』って言われたら何て答える？」と先生が聞きますが、みんな「…」。「防災（ぼうさい）パンフレットに、いつ使うかは書いてなくて、必要なものって書いてあったから」と女子。「でも、なぜ『ひも』じゃなくて『ロープ』なの？」と先生に聞かれ、「わからないのをまず、なくさないといけない」と気がつきました。 【scene 03】 図書館でくわしく調べてみた くわしく調べようと、みんなは町の図書館へ行きました。本の目次からさがして見つけた『ロープ』の項目（こうもく）には、『避難（ひなん）するときの命綱（いのちづな）にも』とありました。「そういうことか」、「じゃあ、けっこう太いのがいるかな」と女子。さらに調べていくと、「ロープ一本で担架（たんか）が作れるらしい」。ロープが応急（おうきゅう）の担架にも早がわりすることがわかりました。新しい発見がたくさんありました。「学校の図書室で調べても見つからなかったけど、図書館に来てたくさんわかったからよかった。みんなにつたえたい」（女子）。 【scene 04】 災害時に必要なものは？ そしてみんなは、家族に聞いたりインターネットや本で調べたりしたことをもとに、災害（さいがい）が起きたときに必要（ひつよう）だと思うものを持ちよりました。「手動で電気を生み出してラジオとライトに使えるのでいいかなと」と、手回しで発電して使うラジオ・ライトを持ってきた男子。「夏とか熱中症（ねっちゅうしょう）になったときにひやせるから」と、ひたいなどにはって熱をさますシートを持ってきた女子。ぬいぐるみを持ってきた女子は、「子どもは災害時にぬいぐるみやおもちゃがないと不安（ふあん）になっちゃうことがあるから、ぬいぐるみが必要」と言います。 【scene 05】 最低でも一日分の食料や水を みんなが持ってきた避難（ひなん）グッズを全部バッグに入れて重さをはかってみると…。「５kgある」。「これぜったい走れねえ」。どうするのでしょう。考えるみんな。「家の中に用意しておいて、にげるときは最低限（さいていげん）のものを持つ」と女子。一方、「どこににげても必要（ひつよう）なものを見つけたほうがいい」と言う女子も。「水は学校に行けば…」と言う男子に、「でも学校は水が出ないかもしれない」とべつの男子。先生も「ここは東日本大震災のとき、最初（さいしょ）の二日くらいは出なかった」と言います。そこで、「最低でも一日分の食料（しょくりょう）や水はいる」と男子。 【scene 06】 最初の一日を生きのびるために みんなは、家から学校に避難（ひなん）してくることを想定して、最初（さいしょ）の一日を生きのびるために必要（ひつよう）なものにしぼりこむことにしました。水や食料（しょくりょう）もまずは一日分。ヘルメットやカイロなど、けがや病気をふせぐためのものを優先（ゆうせん）させました。ロープは役に立ちますが、家にそなえておけばリュックには入れなくてもいいと判断（はんだん）しました。自分たちが調べたことを地域（ちいき）の多くの人に知ってもらいたい。そう思ったみんなは防災（ぼうさい）教室を開くことにしました。学校中を回ってチラシを配り、両親や地域の人に来てもらうようよびかけました。 【scene 07】 みんなで開いた防災教室 そして防災（ぼうさい）教室の日。お父さん、お母さんや地域（ちいき）の人たちがおよそ100人集まりました。毛布（もうふ）を使った担架（たんか）で応急（おうきゅう）手当を体験（たいけん）したり、災害（さいがい）のときのにげ方をクイズ形式で考えたり。お菓子（かし）で作る非常（ひじょう）食の実演（じつえん）もしました。子どもから大人まで、みんな楽しみながら防災について学んでいます。避難（ひなん）グッズコーナーにも多くの人が集まってくれました。「冷却（れいきゃく）シートは…」。「LEDライトは…」。みんなのくわしい説明（せつめい）にみんな興味津々（きょうみしんしん）です。 【scene 08】 いざというときの避難グッズ 「水や食料（しょくりょう）は何日分ですか？」と聞かれ、「一日～二日分」と男子。「革（かわ）の手ぶくろって、ふつうの手ぶくろではだめなの？」という質問（しつもん）には、「ふつうの手ぶくろや軍手（ぐんて）だと先のとがったものが指にささることがあるので、革手ぶくろだとじょうぶでけがをしたりしないのでおすすめです」と女子。持ち出すものをまとめたリュックは、小さな子でも持ち運べる重さです。みんながえらびぬいた避難（ひなん）グッズ。いざというとき、役に立ちそうですね。「今まで具体的（ぐたいてき）に何を用意するとかしていなかったので、いい機会（きかい）でした」（お母さん）。 【scene 09】 「自助」から「共助」につながった！ 地域（ちいき）の人たちはみんなやさしくて、この人たちと助け合って災害（さいがい）のときにそなえていきたいなと感じました」（女子）。――「災害にどうそなえるか。まずは自分の命を自分で助けるために、必要（ひつよう）なことを考えて…」とコスルが言いかけると、「そう、『自助（じじょ）』だな。さらに、地域の人と共（とも）に助け合う『共助（きょうじょ）』にもつながっていったんだな。みんな、がんばったな！」とドスル。「そうだ！　避難（ひなん）のリュック、わたしも作らなきゃ！」とコスルが言うと、「オレも点検（てんけん）しなきゃ！」とドスルも言いました。

ドスルコスル

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どうする？外国の人たちとの共生

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180268_00000

年々、増える日本で暮らす外国の人たちとどう共に生活をしていけばいいのか？言葉や文化の違いに悩む外国人の声を紹介し、共生する上での課題を探る。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 言葉もわからない外国で 世界にはおよそ200の国があります。それぞれの国や地域（ちいき）で、話す言葉も、食べるものも、着るものもちがいます。今、その外国の人たちがおおぜい日本にやってきてはたらくようになりました。外国人と日本人。おたがいに、ちがうところがたくさんあります。どのようにして共（とも）に生活していけばいいのでしょうか。「たとえばコスルは、言葉もわからない外国に行って不（ふ）自由なく生活できるか？」とドスル。「そう言われると、たしかに買い物とかむずかしそう」とコスル。「だろう？　日本にいる外国の人もそんななやみをかかえているとしたら、どうする？」とドスルが言いました。 【scene 02】 日本語が話せずこまったこと 東京都新宿区。世界の100以上の国や地域（ちいき）の人たちがくらす、国際色（こくさいしょく）ゆたかな街（まち）です。実は、日本語がわからずこまったことがあるという外国の人がたくさんいるといいます。いったい、どんなこまったことがあったのでしょうか。「銀行で口座（こうざ）を作りたかったんですけど、日本語がうまく話せず『ダメ』と言われた」（イタリア女性）。「かぜとか熱（ねつ）とか病院で説明（せつめい）するのはむずかしい」（インド男性）。 【scene 03】 外国人への支援 新宿区役所では、日本語が話せずこまっている外国人の支援（しえん）を始めました。いろいろな言葉で相談にのってくれる窓口（まどぐち）。さらに、日本語教室を開き、日本語をおぼえてもらうサポートも行っています。「たしかに、こういうサポートがあると助かるかも。じゃあ、みんなで日本のこと、教えてあげればいいんじゃない？」とコスル。「その通り！　コスル、えらい！　しかーし！　そうかんたんにはいかないのが現実（げんじつ）なんだ」とドスルが言いました。 【scene 04】 日本のくらしのためのガイドブック たくさんの外国人たちのくらしを、どう支援（しえん）すればいいのか。新宿区が作った、日本のくらしのガイドブック。英語（えいご）、中国語など６つの言葉でわかるようになっています。電気やガスの申しこみのしかた、病気になったとき医者にかかる方法（ほうほう）などが書かれています。しかし、これらのガイドブックを、一人ひとりにどうとどけるかが大問題です。 【scene 05】 よろこんでもらえたり、ことわられたり 新宿区の職員（しょくいん）、鍋島（なべしま）さん。より多くの外国人にガイドブックをとどけるため、街（まち）のあちこちをたずねています。ミャンマー料理（りょうり）の店で、ミャンマー語のゴミ出しのチラシをわたしました。「ミャンマー語ではじめて見ました。ミャンマーの学生が来るので配ります」と、とてもよろこんでもらえました。しかし、いつもよろこばれるわけではありません。ガイドブック一つおいてもらうにも場所が必要（ひつよう）です。めんどうだと思われるとことわられます。「いろいろな情報（じょうほう）を出しているが、なかなかとどかない」（鍋島さん）。 【scene 06】 おたがいをみとめあい、共に生きていくこと 「うーん、支援（しえん）ってむずかしい…」とコスル。「これが、“多文化共生”のむずかしさってやつだね」とドスル。「たぶんかきょうせい？　何それ？」。日本語を話す人、ロシア語を話す人。服を自由に着ていい人、はだをかくさないといけない人。牛肉を食べる人、牛肉を食べてはいけない人。世界にはいろいろなくらしがあり、いろいろな言葉や宗教（しゅうきょう）、文化があります。その人たちがおたがいをみとめあい、共（とも）に生きていくことを「多文化共生」といいます。「多文化共生って、とっても大切！」とコスル。「しかし、これは世界でもなかなかうまくいっていない問題なんだ」とドスル。 【scene 07】 世界でふえつづけている「難民」 今、世界では、国の中で武力（ぶりょく）によるあらそいなどが起こり、故郷（こきょう）をはなれなければならない人たちがいます。「難民（なんみん）」とよばれる人たちです。ヨーロッパにあるドイツ。日本とほぼ同じ大きさのこの国は、ここ数年で100万人以上（いじょう）の難民を受け入れてきました。難民がくらす施設（しせつ）では、おおぜいのボランティアが生活の支援（しえん）活動をしています。「わたしたちは自分の国のことだけを考えてはいけません。難民の人たちが国に帰れる日がくればいいけど、むずかしければここでくらしつづけるほうがいいと思っています」（ボランティア女性）。 【scene 08】 難民を受け入れることに対して… しかし、難民（なんみん）を受け入れることに賛成（さんせい）の人ばかりではありません。とあるドイツ人の住宅街（じゅうたくがい）。この町に難民がくらすようになりました。ふえつづける難民を受け入れるために、それまでの公共（こうきょう）住宅が、難民のための住宅に作りかえられました。「前からすんでいたおれたちが追い出されて、難民たちは新しい家をもらえるなんておかしいよ」（ドイツ男性）。今、ドイツでは、もともとすんでいた人と難民との共生（きょうせい）が、大きな課題（かだい）になっています。 【scene 09】 まずは外国の人たちと話してみよう 「外国人がなやむ言葉のカベ。支援（しえん）のむずかしさ。そして、多文化共生（たぶんかきょうせい）の問題。う～、頭がパンパンだ！　まずは地域（ちいき）の外国の人たちと話をしてみようっと」とコスル。「そのためには、相手の国の言葉も勉強しないとなぁ」と言うドスル。すると、「ドスルは日本語以外（いがい）しゃべれるの？」とコスルに聞かれ、「うるさーい！」とどなってごまかすドスルでした。

ドスルコスル

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こうする！多文化共生への一歩～東京都新宿区立大久保小学校6 年～

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主人公は、周りにたくさんの外国人が生活する東京・新宿区大久保小学校６年生。地域の日本人と外国人をつなげようとする子どもたちの活動を紹介する。

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【scene 01】 国際色ゆたかな地域の小学校 今回の主人公は、東京都新宿（しんじゅく）区立大久保（おおくぼ）小学校６年１組のみんなです。「わたしのお母さんはフィリピン出身です」（女子）。「ぼくの両親はタイ出身です」（男子）。クラスの半数以上（いじょう）の親やおじいちゃん、おばあちゃんが、外国出身だそうです。実は、みんながすんでいる東京都新宿区は、たくさんの外国人が生活する国際色（こくさいしょく）ゆたかな地域（ちいき）です。ところが、同じまちにくらしているのに、日本人と外国人であまりつながりがないようなのです。 【scene 02】 まちの日本人と外国人につながりを みんなは、この問題をどうすればいいのか調べ始めました。そして、まちの日本人と外国人がつながるきっかけとなる交流会を開くことにしました。でも、つながりのない人をどうやって交流会によぶのでしょう。「来たがっていない人たちに来てもらえるような考えを出したらいいと思います。もとから交流の場に来る人たちが来たところで多文化共生（きょうせい）にはつながらないと思う」（女子）。「ただ交流の場所があるだけじゃだめなんだよね」（女子）。「今度、交流会があるんですけどっていうチラシを…」（女子）。 【scene 03】 みんなの親から輪を広げよう かかわりがうすい日本人と外国人。どうすればつなげることができるのかアドバイスをもらいに、地域（ちいき）の多文化共生（きょうせい）に取り組んでいる『しんじゅく多文化共生プラザ』をたずねました。所長の鍋島（なべしま）さんに聞くと、「チラシって、実は効果（こうか）がないんですよ。100枚（まい）配って１人来るかどうか」と言います。そして、「みなさんのお父さんとかお母さんが外国の人だったら、お父さんとお母さんをよぶというのはどうですか？」とアドバイスしてくれました。交流会に来てもらって交流のキーマンになってもらえれば、そこから少しずつ輪（わ）が広がるというのです。 【scene 04】 親たちは多文化共生に関心がない？ 学校にもどったみんなは話し合いをつづけます。「外国人が来やすくなるように、身近にいる人に声かけをしてもらう。お父さん・お母さんからその友だちという感じで」（女子）。ところが、「ぼくのお母さんは、多文化共生（きょうせい）に関心（かんしん）がないみたい」（男子）「わたしのお母さんも関心がない」（女子）という意見が。そこでみんなは、親がまちの人たちとのかかわりに関心があるのか、ないのか、表を使ってたしかめることにしました。縦（たて）に『関心がある・ない』、横に『かかわりが多い・少ない』という線を引き、自分の親がどのあたりだと思うのか、あてはまるところに名前をはるのです。 【scene 05】 日本人も外国の人から見たら“外国人” すると、「日本人の親もはるんですか？」と男子からの質問（しつもん）。それに対し、「たとえば、よしき君の親から見たら、きいち君のお母さん・お父さん（日本人）だって外国の方だし、まわりから見たら自分だって外国人で、それを通してまわりの人とかかわれてるかってことだから、はったほうがいいんじゃないかな」と女子が言いました。聞いた男子もなっとくです。そして表にまとめた結果（けっか）、親がまわりの地域（ちいき）とかかわることが多くて関心（かんしん）もあると感じているのは５人ほど。みんなの多くは、地域とかかわることに親は関心がないと感じているようです。 【scene 06】 自分たちの思いを書いてさそおう 「今はまだかかわりがないから、ちょっとはかかわれたらうれしい」（女子）。「表の右上のところに入ればもうちょっとかかわりがふえるし、右上になってほしい」（男子）。交流会に親とまちの人を集めてつながりが生まれれば、多文化共生（きょうせい）の第一歩になるとみんなは考えました。でも、来てくれるのでしょうか。実は出欠（しゅっけつ）を聞いたところ、ほとんどの親が「欠」の返事でした。そこでみんなは、交流会のプログラムに自分たちの思いを書いて、もう一度さそうことにしました。中国出身のお母さんを持つ優華（ゆうか）さんも、もっとお母さんにまちの人とつながってほしいとねがっている一人です。 【scene 07】 もっとまちの人とかかわってほしい 優華さんは放課後（ほうかご）、友だちの助けをかりて、お母さんに交流会に来てほしいとつたえることにしました。「わたしも自分の国しかあんまり知らなかったし、そういう関心（かんしん）がなかった」とお母さんに話す友だち。優華さんは自分の思いを読み上げました。「ママはいつも、わたしと中国人の友だちと話すときだけとても明るい。なんで日本人と話すときはとても暗いのだろう。今思うと、ママはあまり日本人とかかわっていない。かかわると楽しいよ…」。すると、「交流会は行ってみますね」と言ってくれました。まだ日本語になれていないお母さん。日本語がわからないときがいっぱいあるようなのです。 【scene 08】 思いをこめた歌をひろう 交流会の名前は“ともだちｃａｆｅ”。当日、たくさんの親やまちの人たちが集まってくれました。優華さんのお母さんも来ていました。優華さん、お母さんを日本人のお母さんとつなげようと一生けんめいです。みんなもりあがっているようです。ここで、この日のために準備（じゅんび）してきた出し物をひろうしました。みんなの思いをこめたラップです。「♪みんなかがやいているぜ大久保　５分歩けば世界旅行　いっしょにすんでるおんなじ仲間（なかま）　見た目や考えることがちがう　そんなの関係（かんけい）ないじゃんか　このまち絶対（ぜったい）つなげたいんだ　土台をつくって明るい未来（みらい）を」。 【scene 09】 「♪土台をつくって明るい未来を」 「大久保にはいろんな外国人がいると思う。わたしもいろんな国のなかの一人だと思うので、そのなかでわたしが積極的（せっきょくてき）にかかわれたら少しでもかわるんじゃないかっていう気持ちはあります」（女子）。――「多文化共生（きょうせい）の一歩をふみ出したんだな」とドスル。「うん！」とコスル。みんなのラップがつづきます。「♪見た目や考えることがちがう　そんなの関係（かんけい）ないじゃんか　助け合うとわかり合える　わからないなら言えばいい　知りたいのなら聞けばいい　このまち絶対（ぜったい）つなげたいんだ　土台をつくって明るい未来（みらい）を　イェーイ！」。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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メディア・リテラシー入門 ～ネットの情報～

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テーマはネットの情報。人により表示される情報が違うのはなぜ？多くの情報を気軽に受け取り、発信できる今、気を付けるべきことは？メディア・リテラシーを学ぶ入門編。

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【scene 01】 『放課後トレンド情報』のネタを考える 「今日の放送は、『朝ごはんちゃんと食べてる？』をテーマにお送りしました。いかがでしたか？」。ユウタがマイクに向かって話しています。「ぼくたち放送委員会では、動画チャンネルで『放課後トレンド情報（じょうほう）』も配信中です。そっちも見てね。では、このあとの昼休みもお楽しみ下さい。以上、芽出ヶ丘中学校放送委員のユウタでした」。ブースの外からユウタにOKサインを出すミクとトシヤ先生。ブースから出てきたユウタに、ミクが「ユウタ、放課後作る動画ネタ、今決めとこうよ」と言いました。「トレンド情報だよね。OK」。 【scene 02】 サイトのおすすめニュースを見てみると… ユウタがパソコンで“モッフー”のおすすめニュース画面を開きます。「あ、このニュースいいじゃん。対戦格闘（かくとう）ゲーム『godファイティン』が日本上陸！」。すると、「え、godファイティン？　それ、モッフーのおすすめニュース？」とミク。「うん、いちばん上。ほら」。でもユウタのパソコン画面を見たミクは、「あれ？　わたしのおすすめとちがう…」と言いました。ミクのおすすめニュース画面をのぞきこんだユウタは、「なんだこれ？　メイクとファッションばっかじゃん」。するとトシヤ先生が、「ちなみに、わたしの画面にもその『godファイティン』の記事はありませんね」と言いました。 【scene 03】 おすすめ記事の画面が３人ともちがう？ 「おれはゲームで、ミクはファッション。先生は犬と文学…」。「みんなラインナップが全然ちがう」とミク。「それぞれの好みが出てますね」とトシヤ先生。すると、「あ、見て、おれのラインナップ。『godファイティン』をディスってる記事もあるよ。『godファイティン』をおすすめできない３つの理由って何だよ！」とユウタ。「いろんな意見がまざり合ってるんですね」とトシヤ先生。不思議に思ったミクは、『おすすめニュース　違（ちが）う　なぜ』というキーワードで検索（けんさく）してみました。すると、「あ…、『あなたのためにカスタマイズ。おすすめのニュースがちがうわけ』。ちょっとこの動画見てみようよ」。 【scene 04】 多くの人にとどけるべき“トピックス” 日本最大級のポータルサイトを運営（うんえい）しているIT企業（きぎょう）。マスコミなど400社あまりから一日およそ7000本の記事の提供（ていきょう）を受けています。サイトのニュースは大きく二つの部門、“トピックス”と“タイムライン”に分かれています。“トピックス”とよばれるコーナーは、だれにでも同じニュースが表示（ひょうじ）されます。政治（せいじ）や災害（さいがい）など、多くの人が知っておくべき情報（じょうほう）です。トピックスの記事は、編集（へんしゅう）者が24時間体制（たいせい）で選んでいます。7000本から一日100本ほど厳選（げんせん）され、重要さが伝わりやすいようにタイトルもつけ直しています。 【scene 05】 利用者の関心に合わせた“タイムライン” 一方、“タイムライン”は、利用者ごとに表示（ひょうじ）されるニュースが変わる「利用者の関心に合わせた」ニュースです。記事を選んでいるのはAI。たとえばドラマに関心のある人がAというドラマについてあらすじや出演（しゅつえん）者の記事を見たとします。するとAIが、その人が閲覧（えつらん）した記事から「Aというドラマに関心がある」と判断（はんだん）。Aに関するそのほかの話題や、興味（きょうみ）のありそうなほかのドラマの記事などを送ってくるのです。タイムラインでは多くの記事を比較検討（ひかくけんとう）して読むことができます。この企業（きぎょう）では多くのニュースから情報（じょうほう）を便利に受け取ってもらうために、意図して伝え方を変えているのです。 【scene 06】 興味のあるニュースばかり追いかけると 「みんなに向けてのニュースと、自分だけに向けたニュースがあるんだ。知らなかったな」とミク。「でも、便利じゃない？　自分がほしいと思った話題を次々と送ってくれるんだから」とユウタ。トシヤ先生も「一つの話題についても、賛成（さんせい）から反対まで幅（はば）広くいろいろな記事が提供（ていきょう）されるわけですからね」。「でも気をつけないと、自分の興味（きょうみ）あることばかり追いかけちゃう」とミク。すると、「いいんじゃない？　好きなことにどんどんくわしくなれるし」とユウタが言います。「けど、ほかの情報（じょうほう）にうとくなったり、無関心になったりしない？」とミク。「うーん、そう言われると、おれもファッションとか犬のこととがあんまりよく知らないな。でもそこまで拾いきれないよ」とユウタ。 【scene 07】 検索履歴によって広告が変わることも するとトシヤ先生が、「いい気づきですね。実は、ネットの動画サイトや広告なども、これまでのみなさんの検索履歴（けんさくりれき）やクリックした履歴によって変わることがあるんですよ」と言いました。「言われてみれば、通販（つうはん）サイトでも勝手におすすめが出てくるね」とミク。「そうなんです。そうした、情報（じょうほう）が伝わるしくみを知って、情報とどう向き合うか考えることを『メディア・リテラシー』というんです」とトシヤ先生。「メディア・リテラシー？」とユウタ。「情報がたくさんある今だからこそ、大切な考え方なんですよ」。 【scene 08】 情報を読みといたり発信したりする能力 “メディア”とは、新聞・テレビ・雑誌（ざっし）などのマスメディアのほか、ウェブサイト・SNSなど、「情報（じょうほう）を伝える手段（しゅだん）」のことです。情報の送り手はメディアを使い、意図を持って発信しています。“リテラシー”とは、「読み書きする能力（のうりょく）」のこと。つまり“メディア・リテラシー”とは、文字を読み書きするように、メディアが伝える情報を読みといたり、情報を発信したりする能力のことをいいます。SNSがさかんになり、だれもがかんたんに情報を発信したり受け取ったりすることができる今。なぜメディア・リテラシーを学ぶのか、専門（せんもん）の先生に聞きました。 【scene 09】 自分で調べて判断することが大事 「メディアは送り手の意図で構成（こうせい）されているという特性（とくせい）があり、人の生活に影響（えいきょう）をあたえるものです。送り手の情報（じょうほう）発信の意図や、情報を伝えるしくみの理解（りかい）が必要になると思います。そのしくみを理解していると、情報をうまく判断（はんだん）できるようになる。また、そこであつかわれていない情報に関しても、ほかの見方・情報があるのではないかと考えて調べる行動につながるわけです。うのみにしてしまうのではなく、いろいろ自分で調べて判断することが大事だと思います」（日本大学文理学部教授　中橋さん）。 【scene 10】 自分で判断するには… 「情報（じょうほう）には、それぞれ送り手の意図があったんだね」とユウタ。「たしかに、さっきのニュースの話もそうでしたね」とトシヤ先生。「しくみはわかったけど、自分で判断（はんだん）するって、何をどうしたらいいんですか？」とミク。すると、「それはわたしも、目下勉強中です。むしろ、生まれたときからデジタルに親しんでいるあなたたちに聞きたいくらいですよ。ね、ユウタさん」とトシヤ先生が言いました。そう言われて、「え、マジで？　どうする、ミク？」とおどろくユウタ。「え？　そうね、まずはさっきのニュースを題材に考えてみようか」。「うん…」。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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どうして許可を取るの？ ～著作権～

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テーマは写真のコピーと著作権。ユウタはネットから無断コピーした写真をSNSに投稿しようとし、注意される。「ネット画像のコピーは皆やってる」と開き直るがなぜ問題？

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【scene 01】 新番組企画「ペットの画像コンテスト」 「ペットの画像（がぞう）コンテスト。SNSで大募集（ぼしゅう）！」とユウタ。「ペットの画像？　いい企画（きかく）ですね。どんな画像が来るか楽しみです」とトシヤ先生。ユウタたちが新番組の企画を考えています。すると、「ユウタ、募集画面できたよ。ちょっと見て」とミクがパソコン画面を見せました。「どれどれ？」。画面には、『かわいいどうぶつ画像、大募集！　新番組企画！　コンテストを開きます。あなたの推（お）しを応募（おうぼ）してね！』とあり、＃ペット、＃どうぶつ、＃かわいい画像、とハッシュタグがつけてあります。すると、「うーん、なんか弱くない？　画像とかつけたら？」とユウタ。 【scene 02】 ネットで見つけた犬の画像 ユウタがパソコンに『かわいい　犬』と入力して検索（けんさく）します。すると、犬の画像（がぞう）がたくさん出てきました。「どれがいいかな…。あ、これとかいいじゃん。コピペしようよ」と画像をコピーしようとします。「え、勝手に？　著作権（ちょさくけん）とかいいのかな？」とミク。「いいでしょ。ネットに上がってるわけだし」とユウタ。すると、「だめですよ」とトシヤ先生。「画像のコピペくらいみんなやってるよ。この人だって、みんなに見てほしくてのせてるわけだから、いいんじゃないの？」とユウタ。すると、「これを見て下さい」とトシヤ先生が自分のパソコン画面を二人に見せました。 【scene 03】 「著作物」「著作権」とは？ 写真や小説、音楽など、自分の考えや気持ちを工夫して表現（ひょうげん）したものを「著作物（ちょさくぶつ）」といい、作品を作者の財産（ざいさん）として守る権利（けんり）などのことを「著作権」といいます。写真家の著作権を保護（ほご）し、作品の正しい利用の仕方を伝えている日本写真著作権協会。この協会の常務（じょうむ）理事をつとめる棚井（たない）さんのもとには、写真家や作品の利用者から著作権についての相談がよせられています。「特にSNSの利用が広がってから、質問（しつもん）がたくさんよせられるようになりました」（棚井さん）。 【scene 04】 無断コピーは法律違反になる場合も 写真を無断（むだん）で使ってしまった人からの相談です。『クレジットが必要な画像（がぞう）とは知らずに使用してしまった』。著作権（ちょさくけん）のことを知らずに、ある写真家のホームページから写真をコピーして自分のブログにのせました。すると、７年間の使用料、21万円が請求（せいきゅう）されたのです。「ほかの人のケースでも、『好きなものが写っていたので自分のブログに使わせてもらった』という人が多い」（棚井さん）。著作物の無断コピーは、悪意がなくても法律違反（ほうりついはん）になることもあります。利用するときは、著作権を持つ人の許可（きょか）が必要です。 【scene 05】 著作物は著作者の“生活の糧” 自身も写真家である棚井さん。ネット上で自分の写真が無断（むだん）で使われていると知りました。「自分が魂（たましい）をこめて作り上げた作品なので、とても悲しい気持ちになります。一方で、職業（しょくぎょう）写真家は雑誌（ざっし）や広告などの撮影（さつえい）を行っていますが、その作品は生活の糧（かて）となっているものです。使う側からしても、著作者（ちょさくしゃ）の許諾（きょだく）を得れば安心して使えますので、ぜひそういう形で許可（きょか）を得て使っていただきたいと思っています」（棚井さん）。 【scene 06】 犬の写真の使用許可がとれた 「そっか…。あの犬の写真をとった人も何か思い入れがあるかもしれないね」とユウタ。「使ってもいいか、まずは聞くところからですね」とトシヤ先生。「でも、どうやって？」とミクが言うと、「あ、さっきの写真、ちょっと見てみるよ」と、ユウタがもう一度画面を開きました。「このSNSならメッセージ送れるかも」とミクが言いました。そして…。ミクとユウタがパソコンを見て笑顔で話しています。「よかったね」。「じゃこれをはって、ひと言加えよう。あの…」。そこへトシヤ先生が入ってきました。「あ、トシ先生。あのワンちゃんの写真、許可（きょか）取れました」とミク。「おぉ、すばらしい！」。 【scene 07】 もし連絡がつかなかった場合は？ 「ダイレクトメッセージでやり取りしたんだ。あの写真を使わせてもらえないかって。そしたらこんな返事が」とユウタがパソコンを見せます。「どれどれ？　放送委員会の利用にかぎり、無償（むしょう）にて使用を許可（きょか）します…よかったね！」。するとミクが、「でも先生、もし連絡（れんらく）がつかなかった場合は、画像（がぞう）を使うのはあきらめるしかないんですか？」と言いました。「大きなルールから言うとそうなりますね」とトシヤ先生。「だからみんな勝手に使っちゃうんだよ。ネット上には作品がいっぱいあるし」とユウタ。「そこも今、問題になっているようなんです」とトシヤ先生が言いました。 【scene 08】 著作権者に連絡がつかない“オーファンワークス” SNSや投稿（とうこう）サイトで気軽に作品を発表できる今。ネット上には権利（けんり）をたどりにくい作品“オーファンワークス”があふれています。今、著作権（ちょさくけん）者に連絡（れんらく）がつかないために利用できない作品がふえているのです。オーファンワークスの背景（はいけい）には、著作物の利用の仕方の変化があるといいます。「これまでは著作物を作るのはプロがやることで、それを使うのも一定の技術（ぎじゅつ）があるプロだったのが、だれもが著作物を作り、利用することが可能（かのう）になってきている」と、文化庁（ちょう）著作物流通推進（すいしん）室長の高見さんは言います。 【scene 09】 だれもが著作物を生み出す時代 楽曲『千本桜（せんぼんざくら）』は、個人（こじん）クリエーターがネットに投稿（とうこう）した作品でした。それがネット上で広がり、CM音楽に使われ、プロの歌手がカバーするなど大ヒットとなりました。だれもが著作物（ちょさくぶつ）を生み出し、ヒットにつなげるチャンスがある時代です。たとえば音楽の場合、以前はプロなどが作った曲の権利情報（けんりじょうほう）は専門（せんもん）の団体（だんたい）が管理していました。その後、ボカロP（音声合成ソフトを使って作曲し、投稿する人）などが生まれ、ネットの音楽配信会社なども権利情報を持つようになりました。 【scene 10】 自分の作品が使われる可能性も そこで、両者をとりまとめ、１か所で検索（けんさく）できるよう、データベースを整備（せいび）。今後は個人（こじん）でも情報（じょうほう）を入力できるようにするなど、はば広く権利（けんり）情報を集めて検索しやすくするようなシステム整備を進めているところです。だれもが著作権（ちょさくけん）者になりうる時代。自分の作品が人に使われる可能性（かのうせい）も大いにあります。「そんなつもりで投稿（とうこう）している人は少数かもしれませんが、それもりっぱな作品だと認識（にんしき）をして、そこに著作権が発生しているし、アップすれば使われる。『この作品はこう使ってほしい』というのをぜひ表明してもらいたい」（高見さん）。 【scene 11】 今度は放送委員会に著作権？ 「わたしもたまにイラストをかいてSNSに投稿（とうこう）してる。だれかに使われるとか考えてなかったな」とミク。そこでパソコンに着信音です。「メールだ。放送委員会あて。芽出ヶ丘ケーブルテレビからだ」とユウタ。トシヤ先生が読みます。「そちらのホームページで配信されている『ぼくらの学校紹介（しょうかい）』という番組動画を、弊社（へいしゃ）の番組内で使用させていただきたく…。これはわたしたちに著作権（ちょさくけん）があるってことですね」。「おれらの番組、テレビうつるの？」と喜ぶユウタ。「どんな番組なんですか？」とミク。「あ、企画書（きかくしょ）が添付（てんぷ）されてる」とユウタ。 【scene 12】 著作物の使われ方も要チェック 企画書（きかくしょ）には、「キッズが作ったオモシロ動画　大人顔負け！　キッズが作った面白学校紹介（しょうかい）を１分にまとめてご紹介…」とあります。「オモシロ動画って、おれらフツーにまじめに作ったのに」とユウタ。「先方はこういう使い方をしたいと言っているわけですね。ふーむ」とトシヤ先生。「１分にまとめてって、わたしたちの番組は５分以上あるのに」とミクも不満そうです。「学校のイメージがまちがって伝わったらどうする？」。「ことわるのもありかな。もっとちゃんと話を聞いて決めたいよね」。「著作物（ちょさくぶつ）を使うのって、こんなにいろんなこと考えるんだね」。考えこむ３人です。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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そのニュース広めて大丈夫？ ～フェイクニュース～

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テーマはフェイクニュース。巧妙で悪質なネット上のウソが増えリテラシーの必要性が高まっている。ウソに気づき、広めないために情報を受け取った時の注目ポイントを学ぶ。

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【scene 01】 金色のハクビシンが公園に出没？ 「うーん、どれを発信しようかなぁ。今日のトレンド情報（じょうほう）」。ユウタがなやんでいます。すると、「聞いて！　今やるべきネタが見つかったの！」とミクがSNS画面を見せます。「金色のハクビシン、芽出ヶ丘公園に出没（しゅつぼつ）？」。「まれにコガネムシを食べたハクビシンに金色の毛が生えるらしいの」。「すげえ！」。すると、「あの、ちょっといいですか？」とトシヤ先生。でも二人の耳には入りません。「じゃあさっそくみんなに拡散（かくさん）しよう」とユウタ。そこでトシヤ先生が、「ちょっといいですか！」と大声でさえぎりました。「これ、あやしくないですか？」。「あやしい？」。「ええ。こんな動画があるんです」。 【scene 02】 ウソの情報で作られた「フェイクニュース」 2020年２月。新型コロナウイルスが日本で流行し始めたころ、トイレットペーパーの買いしめが起こりました。その原因（げんいん）は、SNSに投稿（とうこう）されたウソの情報（じょうほう）でした。事実かどうかわからないこうしたうわさ話のようなウソの情報を、「デマ」といいます。この情報がSNSによって広がり、世の中が混乱（こんらん）しました。『ローマ法王がトランプ氏を支持（しじ）』。2016年、アメリカ大統領（だいとうりょう）を決める選挙期間中にニュースサイトに上がった記事です。ウソの情報で作られたこのようなニュースを、「フェイクニュース」といいます。この記事はSNSを通じて拡散（かくさん）され、選挙に有利に働いたといわれています。 【scene 03】 国によるウソの発表も さらに、「なりすまし」というウソもあります。有名人をよそおって情報（じょうほう）を発信するケースのほか、有名企業（きぎょう）などになりすましてパスワードをぬすんだり、金銭（きんせん）をふりこませたりするものもあります。過去（かこ）には、国がウソの情報を発表したことがありました。1942年、太平洋戦争中の新聞報道（ほうどう）。『アメリカの空母二隻（せき）を撃沈（げきちん）』と、日本が優勢（ゆうせい）であるかのように報じていますが、実は大敗したのは日本でした。当時はほかに情報を得る手段（しゅだん）がない時代。国は戦争を続けるためにこうした発表をしたのです。 【scene 04】 巧妙で危険な「ディープフェイク」 現在は（げんざい）メディアの発達により、多くの情報（じょうほう）を得られるようになりました。一方で技術（ぎじゅつ）が進み、より巧妙（こうみょう）なウソが作られる危険性（きけんせい）が高まっています。その一つが、「ディープフェイク」。AIを使って人の表情を合成する技術です。AIにほかの人の表情を大量に読みこませ、もとの人の動きに合わせて顔をすりかえた巧妙な動画を作ることができるのです。この技術を使えば、こんなこともできます。オバマ元アメリカ大統領（だいとうりょう）の声まねをする人の声に合わせて、オバマ氏の表情を学習させたAIを使い、口の動きなど、オバマ氏が自然に話している動画を作りました。 【scene 05】 ウソを見やぶる方法は？ 「もともとディープフェイクは映像表現（えいぞうひょうげん）の幅（はば）を広げるために作られた『合成技術（ぎじゅつ）』なんですよ」とトシヤ先生。「でも、危険（きけん）なことに使われたりしないのかな。どこかの大統領（だいとうりょう）の顔を使って『これから核攻撃（かくこうげき）を始めます』とか…」とミク。「そもそもなんでフェイクニュースなんか作るんだよ」とユウタ。「人をこまらせたり、不安にさせたりすることが楽しいとか？」とミク。「先生、フェイクニュースを見やぶる方法ってないの？」とユウタ。「完全に見やぶる方法は、残念ながらないんです」。「えーっ」。「でも注意すべきポイントはあるんですよ」とトシヤ先生が言いました。「あ、ちょうどいい動画見つけました」とミク。 【scene 06】 ポイント(1)『情報の発信元に注目』 ニュースキャスターとして活躍（かつやく）してきた下村健一（しもむら・けんいち）さんによると、ウソを見ぬくために注目すべきポイントは３つ。注目ポイントその１．『情報（じょうほう）の発信元に注目』。「たとえば、道を歩いていていきなり通りすがりの人から『これどうぞ』っておにぎりもらったら食べますか？　たべませんよね。知らない人のインターネット情報を信じるのはそれくらい無防備（むぼうび）なことなんですね。じゃどうするか。ポイントは、自分の言っていることに責任（せきにん）をとれる人かをチェックすること。問い合わせ先も書いてないようなところは、おにぎりの通行人と同じで『これは保留（ほりゅう）だな』と判断（はんだん）できます」。 【scene 07】 ポイント(2)『ほかのメディアでもあつかっているか』 注目ポイントその２．『ほかのメディアでもあつかっているか』。「どんなによくできたフェイクニュースの情報（じょうほう）でも、同じことをほかの人も言っているか調べてみて、だれも言ってなかったら、『これはもうちょっと保留（ほりゅう）しておこうかな』と止められますよね」（下村さん）。 【scene 08】 ポイント(3)『情報のおおもとを調べる』 注目ポイントその３．『情報（じょうほう）のおおもとを調べる』。その情報は何を根拠（こんきょ）に発信しているのか、書いてあったら調べてみましょう。書いていなかったら、ちょっとあやしいかもしれません。「よくやってしまうのは、『〇〇の国の専門家（せんもんか）によると』だけ書いてあって、『専門家が言っているなら本当だ』と信じてしまう。でもそこで止めないで、ちゃんとその専門家の発信しているウェブサイトまで見に行ってみる。ここが大事ですよね。この３つでチェックすると、だいぶ情報にふりまわされにくくなります」（下村さん）。 【scene 09】 金色のハクビシンは？ 「金色のハクビシンはどうなんだろう…」とミク。調べてみる二人。すると、「あ！」。ミクが新しい情報（じょうほう）を見つけました。『現在（げんざい）出回っている“金色のハクビシン”はフェイク画像（がぞう）です…』という記事です。「発信者のSNSも見つけたよ。『金色のハクビシン、かわいいと思って加工したけどこんなに広まるとは…スミマセン』だって」とユウタ。「考えてみたら、コガネムシを食べただけで金色の毛が生えるとか有り得ない。あーぁ」とため息をつくミク。するとトシヤ先生が、「それらしい情報が付いていると信じてしまう気持ちはわかります。ウソを拡散（かくさん）しないですんでよかったじゃありませんか」と言いました。 【scene 10】 「ゆるされるフェイク」ってあるの？ 「金色のハクビシンがいるっていうウソは、おもしろフェイクのつもりで、本人もあやまっているんだから、いいんじゃないの」とユウタ。すると、「えー！　ゆるされるフェイクとかあるの？」となっとくできないミク。「だって、エイプリルフールに企業（きぎょう）がやっているフェイクニュースはおもしろいよ。たとえば…これとか」とユウタがニュースを見せます。“虫よせマット”のフェイク広告です。「“虫よけ”じゃなくて、“虫よせ”だって」。「ハハハ、なるほど」。「商品の宣伝（せんでん）にもなるし、サービス精神（せいしん）も感じるけど、ウソはウソじゃない？」とミク。「そうだけど、これってどう考えたらいいのかな？」とユウタたちは考えこむのでした。

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ニュースの順はどう決まる？ ～テレビニュース～

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ニュース番組を制作中のユウタとミクはラインナップを巡り対立。ニュースの放送順はどう決める？ニュースキャスターが心掛けていることは？NHKのニュースセンターに密着

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【scene 01】 『芽出中チャンネル』のニュースラインナップ ユウタとミクが、『芽出中チャンネル』のニュースラインナップを決めています。１．ゆるキャラ「めでっち」コラボまんじゅう発売。２．駅前にショッピングモールの建設（けんせつ）始まる。３．芽出ヶ丘のイチおしスポット。この順番にしたのですが、ユウタが「ラインナップの最初にインパクトがほしいな」と言います。「インパクト？　地元密着（みっちゃく）が“売り”なんだからこのならびでいいと思うけど」とミク。「いや、トップニュースは、駅前のショッピングモール」とユウタが順番を入れかえました。「なんで？ 『めでっち』のコラボまんじゅうでいいじゃない」とミクがまた順番を入れかえました。 【scene 02】 はでなニュースから始める？ そこへ、「話し合いは順調ですか？」とトシヤ先生がやってきました。「先生、ニュースの順番ってどうやって決めるんですか？」とミクが聞きます。「はでなニュースをバーンと出したほうがみんな食いつくよね？」とユウタ。「食いつけばいいってもんじゃありませんよね」とミク。「ちょっと待って下さい。ニュースの順番でもめているんですね？」とトシヤ先生。「一回決めたのにユウタが引っくり返すから」。「だって、テレビのニュースだとはでなやつから入るじゃん」。ユウタがパソコンで調べ始めました。「あ、『テレビニュースの舞台裏（ぶたいうら）』。これ参考になるかも」。ユウタが見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 03】 ニュース番組はどうやって作られる？ ニュース番組はどのように作られるのでしょうか。東京・渋谷のNHKニュースセンター。昼夜を問わずニュースを作っています。ニュースのひと項目（こうもく）は、およそ三つのパートから成り立っています。これから伝えるニュースの前提（ぜんてい）をしめす「前ふりコメント」。ニュースを伝える「VTR」。そして、補足情報（ほそくじょうほう）や解説（かいせつ）を追加し、ニュースへの理解（りかい）を深める「あと受けコメント」です。複数（ふくすう）の項目をならべてニュース番組ができあがりますが、内容（ないよう）はもちろん、ニュースの放送順も大切です。 【scene 04】 今起きていること、そして新たな視点 2021年５月31日放送の『ニュースウオッチ９』。編集責任（へんしゅうせきにん）者は、記者や各地の放送局からはば広く情報（じょうほう）を集め、まずニュース項目（こうもく）を決めます。「今起きたことも大事ですが、気づいていなかった視点（してん）を伝えてくれるニュースは大事。この二つを組み合わせて考える」と笠間毅（かさま・たけし）さん。この日のニュースのなかでも新型コロナウイルス関連は特に重要だと考え、３項目挙げました。全国の感染状況（かんせんじょうきょう）を伝えるニュース。ワクチンの大規模接種（だいきぼせっしゅ）会場についてのニュース。さらに、海外からのウイルスを未然にふせぐ成田空港の取り組みです。 【scene 05】 ニュースの放送順を考える 次に、放送する順番を考えます。そのとき一つの参考にするのが、視聴率（しちょうりつ）。前日の番組の結果から、どんな項目（こうもく）の関心が高かったのか確認（かくにん）します。さらに、それぞれのニュースを作る担当（たんとう）者と話し合い、よりわかりやすくなるよう工夫します。こうしてできあがったラインナップ…。トップニュースには、その日の感染（かんせん）者数ではなく、あえてワクチン接種（せっしゅ）の状況（じょうきょう）を選びました。「ワクチンをいつ接種できるのか、そこが多くの人には関心が高いので、１項目めを『ワクチンの接種』にしました」（笠間さん）。 【scene 06】 見る人を勇気づけたい さらに、新型コロナウイルス関連のニュースのあとに、パラアスリートの話題を入れることにしました。「ロックダウン下にあったフランス国内では、満足な練習ができないなど、今まさに逆境（ぎゃっきょう）のなかにいます」（ナレーション）。「コロナのことをみんなが思いうかべながら見られる」（笠間さん）。コロナのニュースをパラアスリートの話題につなげることで、見る人を勇気づけたいと考えたのです。同じ内容（ないよう）でも伝える順番によって印象が変わります。ニュースをどう受け取ってもらいたいか。ラインナップも、制作（せいさく）者が意図を持って決めているのです。 【scene 07】 番組のメッセージが伝わるように 「ラインナップって、番組のメッセージが伝わるように決めてるんだね」とユウタ。「わたしたちの場合、『地元への愛』が伝わるような順番を考えるってことかな」とミク。「だとしたら冒頭（ぼうとう）は…」。「町に住む人の温かさを伝えたい」とミク。「じゃあ、『めでっちまんじゅう』で行こう。次は、『イチおしスポット』かな」。ユウタがラインナップを入れかえます。「めでっちまんじゅう、イチおしスポット、最後に、駅前のモール建設（けんせつ）。伝えたいのは今の芽出ヶ丘の魅力と、これからの芽出ヶ丘！」とユウタ。ミクも満足そうです。 【scene 08】 ユウタが読み上げた原稿 『芽出中チャンネル』の収録（しゅうろく）です。原稿（げんこう）を読み上げるのはユウタ。「次は、駅前開発のVTRの“受け”ですね。ユウタさん、ここまでいい流れですよ」とトシヤ先生。「オレ、キャスターめざそうかな」と喜ぶユウタ。「準備（じゅんび）オッケー、カメラ回します。では、取材Vが明けたつもり。はい、キュー！」。ミクがキューサインを送り、ユウタが話し始めます。「駅前の空き地に大型ショッピングモールが建設（けんせつ）されるということですが、このモールには大手スーパーや有名チェーン店が入る予定です。これまでは小さな商店街しかなかったので物足りなかった…」。 【scene 09】 感想は話さなくていい？ するとトシヤ先生が「え？」という顔になりました。ミクも気になったようで、「ちょっと止めます」とカメラを止めました。「小さな商店街じゃ買い物が楽しくないわけ？」とユウタに言うミク。「そりゃ、何でもそろう新しい店のほうがいいじゃん」とユウタ。「今のはだめだと思う。商店街をばかにしているみたいに聞こえて」とミクがきびしく言います。「だってニュースを見てると、キャスターが考えを話すこともあるよね」とユウタ。「今のはユウタの感想でしょ？　話さなくていいと思う」とミク。すると、「そう言えば、報道（ほうどう）番組ではキャスターはどんなことに気をつけているんでしょうか」とトシヤ先生。 【scene 10】 いろいろな角度から見たコメントを ニュースキャスターはニュースをわかりやすく伝えることが大切です。コメントはニュースの理解（りかい）をうながすためのもので、一人ではなく、多くの人に相談しながら考えていきます。和久田麻由子（わくだ・まゆこ）アナウンサーも、ニュースのコメントを考えるときには細心の注意をはらうと言います。「番組として伝えたいメッセージ、見る人の気持ち、そしてわたしの考えや意見。その三つが交わるバランスを意識（いしき）して言葉を選ぶようにしています。自分一人が思っていることは、ひとりよがりな考え方かもしれない。いろいろな角度から見ることによって、いろいろな気づきがあるし、考えも深まっていく」。 【scene 11】 情報と意見のバランス… 「ニュースって、『情報（じょうほう）』と『意見』、両方を発信してるんだね」とミク。ユウタも、「『意見』は個人（こじん）の感想じゃなくて、より『情報』を伝えるためのコメントだったんだね」と気がついたようです。「それを知ってニュースを見ると、見方も変わりそうですね」とトシヤ先生。「わたしはやっぱり、情報だけをシンプルに伝えたほうがいい気がする」とミク。すると、「でもさ、その情報をわかりやすくするためにコメントが必要なんじゃない？」とユウタが言いました。「バランス、むずかしいな…」。話し合いを続けるミクとユウタです。

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その情報信じられる？ ～読者投稿型サイト～

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テーマは「読者投稿型サイト」。ウィキペディアなど個人が自由に書き込みできるサイトは情報更新が早い一方、情報を安易に信頼できない。利用するときに気をつけることは？

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【scene 01】 ネットの事典に事実とちがう情報が ミクがパソコン画面を見ながら考えこんでいます。「どうしたんです。そんなむずかしい顔して」とトシヤ先生がやってきました。「ネットのフリー事典を見ていたんですけど」と、ミクが読者投稿（とうこう）型の百科事典『スグペディア』を見せます。「ここ、事実とちがう情報（じょうほう）がのってるんです」と、『芽出ヶ丘市』のデータを見せました。「たしかに…」とトシヤ先生。そこへ、「図書室にけっこうあったよ、芽出ヶ丘の資料（しりょう）」と、ユウタが本をかかえてきました。「それ、どうするんです？」とトシヤ先生に聞かれ、「情報修正（しゅうせい）に使えるかなと思って」とユウタ。「ありがと。すぐ直そ」。 【scene 02】 ネットの情報を勝手に直す？ 「えっ？　あなたたちがこの情報（じょうほう）を直すんですか？」とおどろくトシヤ先生。「だれでも書きこめるとは言え、ネットの情報を勝手に変えるなんて…。よく考えて下さい。全世界に発信するわけですから責任（せきにん）重大ですよ」と言います。「じゃ、まちがったまま放っておくんですか？」とミク。「わたしたちは専門家（せんもんか）でもありませんし…」。「じゃ、いつ直すんですか？　だれが？」。「とにかく禁止（きんし）です」。ここで、「ミク、説明不足だよ」とユウタがわって入りました。「先生、今は読者投稿型サイトって言ってもいろいろあるんだ。ほら見て、これ」。ユウタが見せた映像（えいぞう）は…。 【scene 03】 「情報発信」と「情報交換」 一般的に、ウェブサイト、ホームページには、作った人が伝えたい情報（じょうほう）が掲載（けいさい）されています。個人（こじん）の趣味（しゅみ）を発信するものから、企業（きぎょう）の宣伝（せんでん）をするサイトまで、「情報発信」が目的です。一方、サイトの読者がアップした情報をほかの読者が自由に見る、「情報交換（こうかん）」の場となるサイトを、ここでは読者投稿（とうこう）型サイトといいます。その種類はさまざま。たとえば日常（にちじょう）の疑問（ぎもん）をアップして読者が自由に答えを書きこめるQ&A方式のもの。お店の情報について写真や感想を自由に書きこめるサイト。読者が記事を書くことで情報をまとめている百科事典などがあります。 【scene 04】 だれでも自由に記事の編集ができる その百科事典の一つが『ウィキペディア』。2001年にアメリカで生まれたこの百科事典は世界中で利用され、日本語版（ばん）だけでも130万件（けん）以上の記事があります。サイトの運営（うんえい）はすべて寄付（きふ）でまかなわれ、特徴（とくちょう）は、だれでも自由に記事の編集（へんしゅう）ができること。今起きたことをすぐにだれかが書きこむので、情報更新（じょうほうこうしん）の早いことがメリットです。一方、情報をチェックする専門家（せんもんか）などがいないため、信憑性（しんぴょうせい）のない記事もあります。しかし多くの場合、別の参加者が記事を書き直したり、削除（さくじょ）依頼（いらい）をしたりして改善（かいぜん）されます。 【scene 05】 信憑性（しんぴょうせい）に欠ける？ 「なるほど」と感心するトシヤ先生。「ネットのこういうフリー事典はだれでも書きこめるからいいんだよ。それに、ふつうの百科事典にはのっていないような言葉がのっているんだ。はやりのマンガとか、芸人さんのギャグとか」とユウタ。「サイト自体に広告がついていないっていうのも大事なポイントだよね」と言うミクに、「なんで？」とユウタ。「そのほうがスポンサー企業（きぎょう）にとって有利な情報にかたよらないでしょ」とミク。でもトシヤ先生は、「ですが、だれでも書きこめて専門家（せんもんか）のチェックがないというのは、いま一つ信憑性（しんぴょうせい）に欠ける気がします」と言います。 【scene 06】 信用できるかどうかどう見分ける？ 「たしかに、うのみにはできないけど、全部が全部うそってわけじゃないし」とユウタ。でもトシヤ先生は、「それに、だれでも書きこめるってことは、勝手にだれかの不利になる内容（ないよう）も書けるわけですよね？　たとえば、ライバル企業（きぎょう）の足を引っぱる情報（じょうほう）とか、気に入らない有名人をおとしいれるうそとか」と言います。「そう言われたらそうなんだけど…」とユウタ。するとミクが、「そもそも、信用できるかどうか、見分けることができるのかな？」と言いました。そこでユウタがパソコンで何かをさがし、「あ、こんな人がいるよ」と見せた映像（えいぞう）は…。 【scene 07】 記事の質をよりよくする取り組み ウィキペディアの編集（へんしゅう）に参加する人をふやすことで、かたよりをへらし、記事の質（しつ）をよりよくしようという人たちがいます。その一人、武蔵（むさし）大学准教授（じゅんきょうじゅ）の北村紗衣（きたむら・さえ）さん。「いろいろな地域（ちいき）で生まれ育った人、あるいは性別（せいべつ）や年齢（ねんれい）、関心などがちがう方々に参加していただくことで、バランスのよいウィキペディアができると思っています」（北村さん）。 【scene 08】 ルール１．出典をのせる 北村さんたちのグループは、記事を書くときのルールをもうけています。書き手のルールを知ると、読み手としての意識（いしき）も高まると言います。記事を書くときのルールその１．出典をのせる。「どこからその情報（じょうほう）を持ってきたか、はっきりと書く必要があります」（北村さん）。たとえば、テレビで偶然（ぐうぜん）知ったことなど、何でも書いてよいということではありません。信頼（しんらい）できるニュースや本、論文（ろんぶん）などにのっている情報でなくてはならないということです。 【scene 09】 ルール２．特筆性を理解する 記事を書くときのルールその２．特筆性（とくひつせい）を理解（りかい）する。特筆性とは、とりたてて注目する価値（かち）があるかどうかという意味です。たとえば、近所の草野球チームの記事を作っても、それを見る人はほとんどいません。世の中に広く知られていることでないと、記事として役に立たないということです。 【scene 10】 ルール３．自分自身について書かない 記事を書くときのルールその３．自分自身について書かない。たとえば、オーナーが自分のお店について記事を書くといった場合です。宣伝（せんでん）のようになってしまい、中立的で公平な記事にならないかもしれません。「ウィキペディアに書いてある情報（じょうほう）の出典などをよく見て、書いてあることはどれくらい正確（せいかく）なのか、この記事はちょっとあやしい内容（ないよう）なのではないかといったことを判断（はんだん）できるようになることが大事。ウィキペディアをそのまま信じるのではなくて、その情報がどこから来ているのか調べて判断する力をぜひ身につけてほしい」（北村さん）。 【scene 11】 大事なのは活用の仕方 「知らなかったなぁ。百科事典の信用を高めるためのルールがあったり、内容（ないよう）を充実（じゅうじつ）させるためにおおぜいの人が参加したりしているんですね。しかしその分、あらしに来る人もいるんじゃないですか？」とトシヤ先生。「それもおおぜいの目があるからすぐに修正（しゅうせい）されるんじゃないかな」とユウタ。「それに、ここにある情報（じょうほう）でいろんなことを調べ直すきっかけになるんじゃない？　わたしたちみたいに」とミクも言います。「たしかに。どこから得た情報か書いていれば、それをたどって深く知ることもできるのかも。活用の仕方次第ですね」とトシヤ先生もなっとくのようです。 【scene 12】 ほかの資料とも照らし合わせて 「ということで、やってもいいよね？　芽出ヶ丘の情報修正（じょうほうしゅうせい）」とユウタ。「図書室の資料（しりょう）以外にも何か情報ないかな」とミクが言うと、「実はわたしの実家に、この町に古くからあるお祭りの記録が残っているんですよ。先祖（せんぞ）代々、住職（じゅうしょく）が書き記した日記ですけど」とトシヤ先生が言いました。先生の実家がお寺だと聞いて、「えーっ！」とユウタとミクはびっくり。「知らなかった…。先生、持ってきてよ、先祖代々の日記！」。「でもその日記って、情報源（げん）として正確（せいかく）なのかな」とミク。「たしかに…。参考にはなる、とは思いますが…」と考えるトシヤ先生。「ほかの資料と照らし合わせたほうがいいかも」とミクが言い、みんなは資料やネットで調べ始めました。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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なぜ起きる？炎上 ～ＳＮＳ～

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テーマはSNS。限定公開の鍵アカウントでも安心できない？年々増加傾向にある炎上。炎上仕掛け人の存在とは？炎上を防ぐための心構えや、ちょっとしたコツも紹介。

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【scene 01】 答案用紙をSNSに投稿 ミクの部屋。ミクが先生から返された理科の答案用紙を見ています。「漢字のミスって…なんでよ。答えは合ってんのに」。全問正解（せいかい）なのですが、問題は答えの中の『汗（あせ）』という字。つくりの『干』の最後の部分をミクは「ハネ」にしたので、マイナス１点。99点になったのです。「細かっ。これ理科だよ、もう！」。ミクはスマホで、『はねている部分』と、『99点』という部分を撮影（さつえい）します。そして、「ここがハネてるくらい見のがしてよ、もう！ 『トメハネで満点のがした　最悪』。鍵（かぎ）アカに投稿（とうこう）っと」と、SNSに投稿しました。 【scene 02】 ミクの投稿が話題に！？ 次の日。ユウタがパソコンを見ながらトシヤ先生と話しています。「先生、このツイート、クラスで話題になってるんですけど、どう思います？」と、ユウタがSNSのツイートを見せました。『テストあるある。共感しかない！』とあります。「ここがハネてるだけでしょ。きびしすぎません？」。「たしかに。ずいぶん厳格（げんかく）な先生ですね」。そこへミクがやってきました。「ミク、これ知ってる？」とユウタがパソコン画面を見せます。すると、「うそっ！　これわたしの！」とミクはびっくり。ユウタもトシヤ先生も「え？」とおどろきました。 【scene 03】 「鍵アカだから投稿したのに」 「なんでさらされてるわけ？　鍵（かぎ）アカだから投稿（とうこう）したのに」。「鍵アカなのに？」とユウタもびっくり。するとトシヤ先生が、「カギアカって、何でしたっけ？」と言いました。「鍵をかけたSNSのアカウント。決まった人しか見られない仕組みです。先生もSNSやってますよね？」とミクに言われ、「えぇ、まぁ…。でも、はずかしながらよくわからずに使っているところもありまして」とトシヤ先生。「そもそも、SNSってどんなメディアだっけ？　調べてみよう」とパソコンに向かうユウタ。「あ、こんなのがあったよ」と見せた映像（えいぞう）は…。 【scene 04】 SNSとは？ SNSとは、Social Networking Service（ソーシャル ネットワーキング サービス）の略（りゃく）で、インターネット上で交流できる仕組みです。一度に投稿（とうこう）できる文字数が少なく、気軽に発信できる『ツイッター』。実名で登録し、仕事の関係作りなどにも使われる『フェイスブック』。写真や動画の投稿がメインの『インスタグラム』などがあります。こうしたSNSの特徴（とくちょう）の一つが、ほかの人とつながり情報（じょうほう）を共有できることです。 【scene 05】 多くの人とつながることができる たとえば、ツイッター。投稿（とうこう）されるメッセージは“ツイート”とよばれます。Aさんのツイートをもっと見たい場合、Aさんを“フォロー”すると、Aさんのツイートが確実（かくじつ）にとどくようになります。さらに“リツイート”という機能（きのう）を使い、Aさんのツイートをほかの人たちに広げることができます。気に入った投稿には“いいね”をつけ、共感の気持ちを伝えます。こうした機能を使って、多くの人とつながることができるのです。 【scene 06】 SNSの三つの特性 SNSには三つの特性（とくせい）があるといいます。まず「可視性（かしせい）」。だれにでも見られる可能性（かのうせい）があるということ。そのため、見る人を限定（げんてい）する機能（きのう）があるSNSもあります。そして「拡散性（かくさんせい）」。投稿した内容（ないよう）がリツイートなどで多くの人に広がること。最後に「持続性」。インターネット上に残り続けることです。たとえ本人が削除（さくじょ）しても、コピーが残ってしまうおそれがあるのです。多くのSNSでは利用可能な年齢（ねんれい）を「13歳（さい）以上」としています。使い方をあやまると個人情報（こじんじょうほう）がさらされるなどの危険（きけん）があるからです。 【scene 07】 だれかが拡散したから？ 「だれかがコピーしてネットに残り続けることもあるんだ…」とミク。「ミクの場合、フォロワーのだれかがミクのツイート画面をスクショ（スクリーンショット）して拡散（かくさん）しちゃったんだろうね」とユウタ。「鍵（かぎ）アカならぜったいもれないと思ったのに。かぎられた人に発信したつもりがこんなに広がるなんて」。「もし有名人なら、おもしろがられて尾（お）ひれがついてしまうかもしれませんね」とトシヤ先生。「最近は一般（いっぱん）の人も炎上（えんじょう）したりしてない？」とミク。「炎上？　一般の人が？」とトシヤ先生はびっくり。「そう。ちょっとこれ見て」とユウタが見せた映像（えいぞう）は…。 【scene 08】 投稿が“炎上”するとは？ “炎上（えんじょう）”とは、SNSでの行きすぎた発言や適切（てきせつ）ではない表現（ひょうげん）に対して、批判（ひはん）や悪意ある書きこみが殺到（さっとう）することを言います。インターネット上のトラブルを調査（ちょうさ）している民間の研究機関によると、炎上の発生件数（けんすう）は増加（ぞうか）し、一般（いっぱん）の人の炎上もふえているといいます。問題となる投稿（とうこう）を最初に目にする人が数十人でも、批判的なコメントとともに次々とリツイートされ、数千人にまで広がり炎上します。なかには炎上をねらって話題をさがしている人もいるといいます。「“炎上仕掛け人（しかけにん）”とよんでいますが、自分のストレスを発散するために炎上を楽しもうとしてやっている」（主席研究員の桑江さん）。 【scene 09】 投稿・リツイートするということは 炎上（えんじょう）した投稿（とうこう）はほかのメディアに取り上げられ、さらに広がります。「インターネットに投稿するということは、町なかで拡声器（かくせいき）を使って大声で言っているのと同じ。そう考えて、内容（ないよう）に問題がないか考えることが必要」（桑江さん）。さらに、タップするだけでかんたんに他人の投稿を拡散（かくさん）できるリツイート機能（きのう）については…。「自分の投稿でなくても、自分の顔を出して投稿をポスターのように持って町なかで立っているようなもの。『町なかでポスターを持って立てますか？』という意識（いしき）でリツイートしたほうがいい」（桑江さん）。 【scene 10】 本来、SNSは楽しいツール 「炎上仕掛け人（えんじょうしかけにん）なんているんだ。こわい…。気軽につぶやいたことが、だれかをおこらせたり、きずつけたりするかもしれないってことか」と考えこむミク。「もうSNSのアカウント全部消そうかな」と言います。「えっ？」。「だって、こわすぎる。だれでも炎上の標的になる可能性（かのうせい）があるし、自分もそれに加担（かたん）しちゃうかもしれない」とミク。「ちょっと待って。今どき使わないなんて無理だよ」とユウタ。トシヤ先生も、「そうですね。SNSは、顔の見えない相手とも話題や情報（じょうほう）を共有したり、同じ趣味（しゅみ）の人とつながったりできる楽しいツールだとわたしも思います」と言います。 【scene 11】 SNSをもっと知って使いこなそう 「でも…」と考えこむミクに、トシヤ先生はスマホを取り出し、自分のSNSを見せました。「うちの小次郎ちゃん、仲良しの友だちができたんですよ」と、別の写真を見せます。「SNSでつながった犬仲間のお宅（たく）のモコちゃんです」。「使い方次第ってことですか？」とミク。「えぇ。もっと知って、これを使いこなさなくては！」とトシヤ先生が言いました。「じゃあ、ちゃんと考えてみようかな。どんなことに気をつけたらいいのか」とミク。するとユウタが、「まず、パーフェクトをのがした99点について、ミクが拡声器（かくせいき）でみんなに言えるかどうか」と言いました。「もうおねがい、そこわすれて」とミク。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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表現の自由はだれが決める？～動画投稿サイト～

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テーマは動画投稿サイトYouTube。ユーチューバーにお金が入る仕組みとは？誰でも自由に投稿できるが、皆が安心して表現の場を楽しむために視聴者に出来ることは？

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【scene 01】 ネットに上げる動画の撮影 「来年、わが校で予定されている体育館の建てかえ。これの本当の理由をみなさんごぞんじだろうか。実は推定（すいてい）一兆円を上回る埋蔵金（まいぞうきん）をほり起こすため…」。暗い部屋で、不気味な黒いマントを着たユウタがしゃべり、ミクが撮影（さつえい）しています。そこへトシヤ先生が入ってきました。電気をつけると二人がいたので「うわぁっ！」とびっくり。「あぁ…もう、とり直しだよ」とユウタ。「あぁ、すみません。真っ暗だったのでだれもいないのかと」と言いかけて、「何してたんです、そのかっこう？」とトシヤ先生が聞きました。「ネットに上げる動画をとってたんです」とミクが説明します。 【scene 02】 動画を配信してお金がもらえる？ 「このたび、『ユウタ都市伝説チャンネル』を開設（かいせつ）したんです。バズってもうかったら新しい機材買うから」とユウタが言ったので、「動画を配信してお金がもらえる…？　そんないい話があるんですか？」とまたまたトシヤ先生はびっくり。「先生、もしかして、ネット動画って見ない人ですか？」とユウタ。「ええ。新聞や本で情報（じょうほう）を得ることが多いし、テレビやラジオもあるので十分です」とトシヤ先生。「じゃあ、配信のしくみとか？」とミクが聞くと、「いやぁ、まったくうとくて」。すると、「そっか…」とパソコンに向かうミク。「じゃ、これを見て下さい」と見せた映像（えいぞう）は…。 【scene 03】 動画投稿サイトとは？ わかい世代ではテレビよりも利用時間が長いといわれるインターネット。そのおよそ八割（わり）を、ネット動画の視聴（しちょう）がしめているといいます。たとえば、短い動画が多く、すきま時間で楽しめる『TikTok（ティックトック）』。画面上に流れる視聴者のコメントといっしょに動画を楽しめる『ニコニコ動画』など。これらのサイトを、ここでは「動画投稿（とうこう）サイト」といいます。そのなかの一つが、『YouTube（ユーチューブ）』。2005年にアメリカで生まれたこのサイトは、世界で20億人以上が利用しています。 【scene 04】 だれでも自由にアップロード YouTubeにはだれでも自由に動画をアップロードすることができます。なんと一分間に500時間以上の動画が投稿（とうこう）されています。多くの動画は個人（こじん）が作ったものですが、最近では企業（きぎょう）PR、テレビ番組を編集（へんしゅう）したもの、ミュージックビデオ、映画（えいが）の予告など、さまざまな分野で利用されています。テレビタレントでも自分の動画チャンネルを持つ人がふえています。長い時間が使え、編集されず、自分の思いを直接（ちょくせつ）伝えられるメリットがあるからです。国や地域（ちいき）を問わず、世界中で一日当たり10億時間以上の動画が再生（さいせい）されています。 【scene 05】 広告が再生されることでお金を得る サイトの運営（うんえい）は、主に広告費でまかなわれています。見たい動画をクリックすると、冒頭（ぼうとう）で広告が流れてくるほか、動画のとちゅうで広告が再生（さいせい）されることもあります。広告費の一部がクリエーターにしはらわれます。利用状況（じょうきょう）が良好など、一定の条件（じょうけん）を満たしたチャンネルのみが、収益（しゅうえき）化できる資格（しかく）を得られます。YouTuber（ユーチューバー）は、広告が再生されることでお金を得ているのです。 【scene 06】 いやなら見なければいい？ 「へぇー、すごい！」と感心するトシヤ先生。「自分が好きな動画をとってお金がもらえるなんて、クリエーターとしてモチベーション上がりまくりですよ」とユウタ。するとミクが、「そうは言うけど、人に迷惑（めいわく）かけておもしろがったり悪口を言ったりする動画は、気分よくないな」と言います。「え？　悪口を言ってお金がもらえるんですか？」とおどろくトシヤ先生。「暴露系（ばくろけい）、迷惑系、いろんな人がいますよ。話をもりすぎてうそっぽいネタもありますし」とミク。「そういうのがおもしろかったりするんだよ。見る人がいるからバズるわけだし、いやなら見なければいいんじゃない？」とユウタ。 【scene 07】 動画配信は“何でもあり”？ でもミクは、「見なきゃすむのかな。ユウタだって適当（てきとう）なうそをならべてたけど、動画を作る時点でだれかにめいわくかかってるかもよ」と言います。でも、「“何でもあり”っていうのが、動画配信のいいところじゃん」とユウタ。「えっ？　何でもあり！？」とまたおどろくトシヤ先生。「テレビには、放送への苦情（くじょう）を受け付けたり、人をきずつけたりうそをついたりした番組を調査（ちょうさ）する第三者機関がありますよね。そういうの、動画配信にはないということですか？」と言われ、「さぁ…」と口ごもるユウタ。「ちょっと調べてみます」とミクがパソコンで見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 08】 動画の利用規約 YouTubeには、動画を投稿（とうこう）する人や見る人に向けての利用規約（きやく）があります。そのなかには、YouTubeは13歳（さい）以上でないと利用できないというルールも書いてあります。なぜなら、一般（いっぱん）向けのYouTubeでは子どもにふさわしくない広告が出てきてしまうこともあるからです。13歳未満の子どもには、YouTube Kids（ユーチューブキッズ）というアプリをすすめています。または、保護者（ほごしゃ）が一部の機能（きのう）を制限（せいげん）したアカウントで見る方法もあります。 【scene 09】 みんなが参加者となって作り上げていく 動画の投稿（とうこう）にも決まりがあります。悪意のある表現（ひょうげん）、暴力（ぼうりょく）的な描写（びょうしゃ）、あやまった情報（じょうほう）など、見る人を不安にさせたり不快（ふかい）にさせたりする動画は上げることができません。アップされた動画はAIや人間が確認（かくにん）し、違反（いはん）があれば削除（さくじょ）します。「だれもがYouTubeに参加して自分を表現する機会を得ている。見ている人は、その動画から新しい知識（ちしき）を得たり、楽しみを得たり、何かに挑戦（ちょうせん）する機会を得る。見る側も作る側も、みんなが参加者となっていっしょに作り上げていく」と、YouTube運営（うんえい）会社の上妻（こうづま）さんは言います。 【scene 10】 利用者どうしの意思表示が大事 自由な表現（ひょうげん）の場を安心して楽しむために、視聴者（しちょうしゃ）にもできることがあります。たとえば、不正な動画を見つけた場合、運営（うんえい）側に直接（ちょくせつ）報告（ほうこく）することができます。また、動画に対して「高評価（ひょうか）」や「低評価」のボタンをおしたり、具体的な感想や意見をコメント欄（らん）に書きこんだりなど、クリエーターに直接意思を伝えることもできます。動画投稿（とうこう）サイトでの表現の自由は、利用者どうしの意思表示（ひょうじ）があってこそ成り立つのです。 【scene 11】 表現の自由を判断するのは… 「なるほど。見る側が発信者に直接（ちょくせつ）意思表示（ひょうじ）ができるんですね。動画がいいと思えば『高評価（ひょうか）』マークをおしたり、応援（おうえん）コメントを書いたり」とトシヤ先生。「その代わり、これはだめだと思えば、意見を書きこんだり、運営（うんえい）に報告（ほうこく）したりもできる。表現（ひょうげん）は自由だけど、それを見ている側が判断（はんだん）していくんですね」とミクも言います。「わたしたちが“第三者機関”、ということですね」とトシヤ先生。「えー、責任（せきにん）重大じゃん。第一、ガイドラインがあるっていうのも知らなかったし。さすがにでっち上げはまずいよねぇ…」と考えこむユウタ。 【scene 12】 自由なメディアとして楽しむ するとトシヤ先生が、「うそで気を引く動画を作るのは感心しませんが、おもしろいことをあきらめるのはもったいない。せっかく自由なメディアなんですから」と言いました。「うーん。おれのチャンネルでは何を配信したらいいんだろう？」と考えるユウタ。すると、「お二人でおどってみてはいかがですか？」とトシヤ先生が言いました。「おどってみた？」。「おどってみた…」。すると、「わたし、ダンス得意ですよ」とミクが立ち上がりました。「え、本当？　見せて、見せて」。ミクがおどり始めました…。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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文字と写真で伝える ～新聞～

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テーマは新聞。新聞の見出し、記事、レイアウトなどはどのように作られるのだろう？新聞紙面づくりの現場に密着。また、デジタルの時代を踏まえた、新聞の工夫とは？

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【scene 01】 ユウタが作った『ユウタ新聞』 ユウタが自分の部屋でプリンターから何か取り出しました。『ユウタ新聞』と書かれています。「いいじゃん。新聞ってこんな感じだよな」。…次の日、ミクとトシヤ先生が話しているところにユウタがやってきました。「見て見て。宿題の新聞、もうできちゃった」と、プリントした新聞を見せます。「もうできたの？」とミクはびっくり。「作り始めたらおもしろくて、一気に仕上がっちゃった」とユウタ。ところが、紙面を見たミクとトシヤ先生は、顔を見合わせて「うーん」と考えこんでいます。「なんか、読みづらいな。情報（じょうほう）をならべただけっていうか」とミク。 【scene 02】 新聞ってこんな感じ？ でもユウタは、「新聞ってこんな感じじゃない？　目をひく見出しをつけて、わかりやすいように写真もはったよ」と言います。するとトシヤ先生が、「ユウタさんのお宅（たく）は、新聞をとっていますか？」と聞きました。「とってません」。「うちはおじいちゃんがとってるけど、わたしはほとんど読んだことない」とミク。「だよね。ニュースはネットとかテレビで見られるし」とユウタ。すると、「それはもったいない。これを機に、ぜひ新聞のことを知って下さい。そうだ。わかりやすい動画があるんです」とトシヤ先生がパソコンを開きました。先生が見せた映像（えいぞう）は…。 【scene 03】 １面には最も大事だと思うことを 新聞は、文字や写真で情報（じょうほう）を伝えるメディアです。社会面、経済（けいざい）面など、ページごとにテーマがちがいます。新聞社は、最も大事だと思うことを１面で伝えます。同じ日の朝刊（ちょうかん）をくらべてみます。A紙は、ある大学の論文（ろんぶん）の不正についての記事。B紙は、ネット上の個人（こじん）情報についての記事。C紙の１面は選挙制度（せいど）について。このように、新聞社によって１面であつかう話題はことなります。大事件（じけん）など同じ話題をあつかったとしても、伝え方は変わります。 【scene 04】 全国紙、地方紙、専門紙… 新聞には種類があります。日本全国に拠点（きょてん）を持つ「全国紙」。特定の地域（ちいき）の情報（じょうほう）を中心にあつかい、その地域で配布（はいふ）される「地方紙」。経済（けいざい）や工業など、ある分野に特化している「専門（せんもん）紙」などです。地方紙の紙面ができるまでを見てみましょう。まずは取材。山梨日日（やまなしにちにち）新聞社記者の仲澤（なかざわ）さんがやってきたのは、富士山（ふじさん）登山道一合目にある「茶屋」といわれる施設（しせつ）です。７月１日に山開きをする富士山。登山シーズンを前に、店主に話を聞きました。 【scene 05】 取材、原稿作成 「お客さんはかなりふえている。茶店をやっている以上、たくさんのお客さんに来てもらいたいし、ふもとから登る富士山を楽しんでもらいたい」（店主）。話を聞いたり写真をとったりして、紙面を作る材料を集めます。「店主の思いというか、登山道をふもとからもりあげたいという話をされていたので、そこを表現（ひょうげん）したい」（仲澤さん）。支社（ししゃ）に帰ると、取材をもとに原稿（げんこう）を書きます。「今日、お話をしていて、きさくな感じでふだんも営業（えいぎょう）されていると思ったので、店主の人柄（ひとがら）が伝わるように表現できれば」（仲澤さん）。 【scene 06】 原稿チェック、レイアウト、写真選定、見出し 本社では記者の原稿（げんこう）をチェック。事実関係のまちがいはないか、伝えたいことが明確（めいかく）かなどを確認（かくにん）します。原稿が完成したら、整理部が紙面のレイアウトをします。たて書きの新聞は右から左、上から下に向かって読まれます。そのため最初に目が行きやすい右上に、いちばん伝えたい見出しや写真を大きく配置します。記事の内容（ないよう）を強くうったえる写真を選び、どんな内容かすぐにわかる見出しをつけて、記事の配置を考えます。複数（ふくすう）の人たちがチェックしながら、取材してわかったことや感じたことを伝える新聞が完成します。 【scene 07】 実際の新聞を見てみると… 「これが実際（じっさい）の新聞です」とトシヤ先生。山開きの準備（じゅんび）の写真が大きくレイアウトされ、見出しに『富士山登山　ふたたび活況（かっきょう）を』とあります。「山開きにかけるご主人の思いがこめられている気がします。登山客がもどってきてふたたびにぎわってほしい。そういう思いが伝わってきませんか」。「たしかに」となっとくするミク。すると、新聞を手にしたユウタが「これ、いちいちたたんだり開いたり、持ち運びも大変じゃない？」。「そうね。手軽にスマホとかで読めたらいいのに」とミクも言います。「そういう人のために、新聞は今、紙だけじゃないんです」とトシヤ先生がパソコンを開きました。 【scene 08】 デジタルの時代に合った新聞の形 新聞にはスマートフォンやパソコンで見ることができる「デジタル版（ばん）」があります。小さな画面でも拡大（かくだい）して大きな文字で読むことができます。記事を長おしすると横書きで表示（ひょうじ）される機能（きのう）も。過去（かこ）の記事も１か月分いつでも読むことができます。ニュースサイトを開設（かいせつ）している新聞社もあります。紙の新聞は伝える速度がおそいといわれていましたが、インターネットの速報性（そくほうせい）を生かして情報（じょうほう）を発信しています。「デジタルの時代に合った新聞の形を提供（ていきょう）していく」（編集局長　三井さん）。 【scene 09】 デジタルの良さ、紙の良さ 「いろんな形で発信してるんだね。文字の向きも変えられるなんて知らなかった」とミク。「おれはぜったいデジタル派（は）。ケータイですぐに見られるから」とユウタ。「でも紙の新聞も、広げて全体を見わたせるし、新しい情報（じょうほう）や知らない世界にふれあうきっかけになりそう」とミク。学生時代から紙の新聞を読んでいるというトシヤ先生。新聞のにおいも好きだと言います。ミクも、「紙とインクのにおい。なんか落ち着く」と言います。「そう言われると紙もすてがたいな。デジタルもいいし、紙もいいし」とユウタ。「それぞれの良さがありますからね。まずは親しんでみて下さい」とトシヤ先生が言いました。

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事実を写している？～写真～

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テーマは「写真」。写真のサイズやアングル、ポジションで、伝わるメッセージはどのように変わるのか？さらに、写真に後処理を加える際の注意点とは？

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【scene 01】 生徒会長選挙ポスターの写真 「はい、笑う。かっこいい顔して」。ユウタがタブレットでミクの写真をとっています。「選挙はポスターが命だよ。勝つ気でやらないと」とユウタ。「わかってる。こう？」とポーズをとるミク。「もっと『生徒会長です』みたいな顔して」。「こう？」。「ま、OK。じゃあ、次」。そこへ、「ミクさん、生徒会長に立候補（りっこうほ）したんですね。がんばって下さい」とトシヤ先生がやってきました。「うーん、勝てる写真がとれない」とユウタ。「どうしたんですか？」とトシヤ先生に聞かれ、「わたしの選挙ポスター、思うような写真がとれないってなやんじゃって」とミク。「先生、どうすればいいんですか？」とユウタ。 【scene 02】 写真とは瞬間を切り取るもの 「写真としてはどれもおもしろいと思いますけど、選挙ポスターですからね。ミクさんが伝えたいことは何か、それが伝わるようにとるのがいいと思いますよ」とトシヤ先生が言いました。ミクの選挙の標語『調和～みんなで一緒（いっしょ）に未来をつくろう～』。「みんなでいっしょに未来をつくろうって気持ちをよびかけたいな」とミク。「そう言われても、どうとれば何が伝わるのか…」とユウタ。するとトシヤ先生が、「写真とはその瞬間（しゅんかん）を切り取るものですからね。アングルやサイズにも意味があるんですよ。ちょっと写真のイロハをお教えしましょう。これを見て下さい」とパソコンを開きました。 【scene 03】 サイズによって伝わる情報が変わる 写真は、その瞬間（しゅんかん）を静止画に切り取り、伝えるメディア。サイズや角度やポジションによって、伝わる内容（ないよう）が変わってきます。まずは、サイズ。とりたいものを大きく写す「アップ」。さつえいしたものや人の表情（ひょうじょう）など、細かい情報（じょうほう）が伝わります。同じ状況（じょうきょう）で広い範囲（はんい）を写している「ルーズ」。たとえば“だるまさんがころんだ”で、おにがタッチされる瞬間をさつえいした、という状況が伝わります。このように、サイズによって伝わる情報が変わります。 【scene 04】 伝わり方を変える「カメラの角度、ポジション」 また、カメラの角度を変えると伝わり方が変わります。上からとると、表情（ひょうじょう）をより印象的に。目の高さで水平にとると、親密（しんみつ）な印象に。下からとると、開放感のある印象になります。カメラのポジションによっても伝わる内容（ないよう）が変わります。高いところからとると、その場所の様子が客観的に。目の高さでとると、自分がその場にいるような感覚に。目より低いポジションだと、奥行き（おくゆき）が感じられ、その場の迫力（はくりょく）が伝わります。写真は、意図を持って切り取られた瞬間（しゅんかん）です。そのときその場で起きていることをすべて表しているものではありません。 【scene 05】 何をどう見せたいか 「写真は『何をどう見せたいか』でとり方が変わります。ミクさんが伝えたいことをもう少し考えてみましょうか」とトシヤ先生。「みんなでいろんな意見を出し合っていっしょに考えていく生徒会にしたい。だから、“調和”ってところがポイントかな」とミク。「てことは…。アングルは親近感が持てるように水平で、ミクの顔がわかるようにバストショット」とユウタがシャッターを切ります。写真を見て、「いいですねぇ。グッとミクさんの思いが伝わってきます」とトシヤ先生。「でも、ポスターにするには背景（はいけい）が…」とミク。「それはアプリで消せるんじゃない？」とユウタ。「じゃ、家でやってみる」。 【scene 06】 ミクが手を加えた写真は… 次の日。ミクがポスター写真を持ってきました。「どう、これ？　全力でスローガンをおしだして、調和感満載（まんさい）で仕上げてみました」とミク。写真を見て、「ミクやりすぎだよ。元の写真と全然ちがうじゃん」と笑うユウタ。「ちょっと現実（げんじつ）からはなれすぎているような。ミクさんはスローガンをわかりやすくするために写真に手を加えたわけですよね」とトシヤ先生が言います。「そのつもりですけど」。「だとしたら逆効果（ぎゃくこうか）だよ」とユウタ。「何がいけないの？　どう直したらいい？」。「そう言われると…。あ、こんなのがあったよ」。ユウタがパソコンで見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 07】 伝えたい情報を強調する後処理 写真家の鈴木さや香（すずき・さやか）さん。何気ない生活のワンシーンをシンプルに表現（ひょうげん）する写真に定評（ていひょう）があります。さつえいする瞬間（しゅんかん）を大事にしているという鈴木さんに、どんなときに後処理（あとしょり）が必要になるか聞きました。『おいしくとって下さい』と言われてとったいちごの写真。ところが、『夕方で』と時間の指定をされた場合、処理が必要になります。写真に少し赤みを足すと…。夕方にさつえいしたおいしそうないちごになりました。少し青色を足すと、朝どれのみずみずしいいちごに見せることもできます。伝えたい情報（じょうほう）を強調する処理です。 【scene 08】 写真の後処理の注意点 しかし、後処理（あとしょり）は気をつけなければいけない点があります。ある男の人の写真。全体に明るくして、はだの質感（しつかん）をなめらかにし、かみの毛もつやつや、歯を白くしました。さらに処理を加え続けると…。「にせ物の筋肉（きんにく）を付けたことになるので、“彼”ではなくなってしまう。真実を伝えたいと思っている人の顔が後処理だらけだったら、『この人、本当に真実を言うのかな』って思う。自分で楽しむ分には後処理は悪いものではない。でも、そのとき『いいな』と思ってとったものを現実（げんじつ）からはなしてしまう。うその世界を作っていくことなのでとても注意が必要」（鈴木さん）。 【scene 09】 素材を生かすように考えてみよう 「写真に手を加えすぎちゃうと、とった瞬間（しゅんかん）の現実（げんじつ）がなくなっちゃうんだ」とミク。すると、「自分で楽しむ写真はいろんな処理（しょり）をしてもいいと思いますけど、だれかに何かを伝えるための写真だと誤解（ごかい）が生まれることもあるでしょうね。ユウタさんもミクさんも写真をとった時点で、言いたいことが伝わるようにアングルや表情（ひょうじょう）を工夫していましたよね。だとしたらその素材（そざい）を生かすように考えてみたらどうでしょう」とトシヤ先生が言いました。「そうだよミク。もとの写真にもどして考えてみよう」。「そうだね。もう一回チャレンジする！」。

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伝えたいことをグラフで表す～統計～

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テーマは「グラフ」。データを集めるときの注意点は？総務省統計局を取材。また調査対象を「無作為に選ぶ」、本当の意味とは？グラフを読み解く際の注意点も紹介。

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【scene 01】 購買部で一番人気のパンは？ 「ミクさん、今日はなんだか元気がありませんね」とトシヤ先生に言われ、「お昼のパン争奪（そうだつ）戦、また負けました。うちの購買（こうばい）部、いつもカレーパンが売り切れてるんです」とミク。そこに、「さて問題です」とユウタが会話に入ってきました。「購買部で一番人気のパンはなーんだ？」。「カレーパンでしょ？」とミク。「ブーッ。正解（せいかい）は、焼きそばパン。みんなにアンケートをとったんだ。これを購買部に持っていって、もっと人気のパンを仕入れてもらおうと思って」とアンケートを見せます。「二位はカツサンド、三位はメロンパン…。ん？　カレーパンが入ってない！」とおどろくミク。 【scene 02】 だれにとったアンケートか すると、「あぁ、カレーパンは圏外（けんがい）」とユウタ。「えっ、なんで？　いつも売り切れてるのに。これ、だれにとったアンケート？　ユウタのクラス？　友だちだけ？　それってクラス全体のランキングって言わないんじゃない？」とつめよるミク。「じゃあ全校生徒全員に聞くの？　世の中のアンケートは全国民に調査してるわけ？」と言い返すユウタ。「全国民…ではないと思うけど」。するとトシヤ先生が、「世の中にはいろんな統計（とうけい）調査がありますけど、実際（じっさい）はどう集めているんでしょうね」と言いました。「あ、こんなのがありました」とミクがパソコンで見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 03】 統計調査は目的をはっきりさせる 統計調査（とうけいちょうさ）のデータはどのように集められているのでしょうか。総務省（そうむしょう）統計局では社会の実態（じったい）をつかむため、国勢（こくせい）調査や労働力調査など多くの統計調査を行っています。長年、統計調査にたずさわってきた長藤洋明（ながふじ・ひろあき）さん。「統計調査を行う場合には、何のために行うのか目的をはっきりさせることが大事です」。まず、調査の目的にそった質問（しつもん）を作ります。たとえば、令和３年に行われた『社会生活基本（きほん）調査』。その目的は、国民がどのような活動に多くの時間を使っているか、くらしの様子を明らかにすることです。 【scene 04】 回答の仕方を工夫する ネットが生活に欠かせない今、スマホやパソコンに関してていねいに質問（しつもん）することにしました。実態（じったい）をくわしく知るために、利用時間を15分単位で記入できるようにして、通学などほかのことをしながらネットを使う“ながら利用”も反映（はんえい）できるよう回答の仕方を工夫したのです。「情報（じょうほう）化の中でスマホの使い方が変わっている。生活の中に本当に浸透（しんとう）している。そこを把握（はあく）することがこの調査（ちょうさ）の目的にとって重要」（長藤さん）。 【scene 05】 調査対象の選び方も大事 調査（ちょうさ）対象の選び方も大切です。この調査は、無作為（むさくい）に選ばれたおよそ９万世帯を対象に実施（じっし）されました。国民の生活の様子を調べるため、かたよりがあってはいけません。全国の縮図（しゅくず）となるように調査対象を選びます。そこですべての都道府県を対象とし、人口規模（きぼ）の大小を反映（はんえい）して都道府県ごとに調査地域（ちいき）の数を決めました。そこから一定のルールにしたがって調査世帯を選び出したのです。「特定の人、特定のグループだけを調べるということはしない。学校で調べる場合、その縮図になるように調査対象を選ぶことが大事」（長藤さん）。 【scene 06】 同じデータから作ったグラフが 「まわりに聞けばいいってわけじゃないんだね」とユウタ。「芽出中全体のデータをとるには、学校の縮図（しゅくず）になるように対象者を決めなくちゃいけないんだ」とミク。手分けしてほかの学年や先生たちにも聞くことにしました。一週間後。「先生、アンケートの結果をグラフにしたんですけど」とミクがグラフを見せます。ユウタもグラフを持ってやってきました。ところが二人のグラフをくらべると…。「ん？　このグラフ、同じデータから作った？」とユウタ。「そうだよ。やっぱりダントツ一位はカレーパンだね」とミク。「おれのグラフではそこまで差があるようには見えないけど、なんでこんなに差があるの？」。 【scene 07】 「データに忠実に」と「結果をわかりやすく」 「ミクさんとユウタさんのグラフはここがちがうんです」とトシヤ先生がミクのグラフを指差しました。「トップ５にして40票未満は省略（しょうりゃく）したら、１票の差がはっきりわかるでしょ」とミク。「調査（ちょうさ）したデータは全部のせなきゃ。40票未満の人気のないパンは相手にしないの？」とユウタ。すると、「どちらもまちがいではないんです。ユウタさんのグラフはデータに忠実（ちゅうじつ）に作られていますし、ミクさんのグラフは結果をわかりやすく表しています」とトシヤ先生が言いました。「でも、同じデータで見え方がちがうなんて」とユウタ。「見る側も注意する必要がありそうですね」と先生。 【scene 08】 目もりの大きさを確認すること 統計調査（とうけいちょうさ）のデータはグラフなどで発表されます。たとえば、女性（じょせい）の研究者が数、割合（わりあい）ともふえていることをしめすグラフ。折れ線グラフに注目すると、その割合は急激（きゅうげき）にふえているように見えます。しかしよく見ると、12％未満の目もりが省略（しょうりゃく）されています。これを、目もりを省略せずに表したグラフに重ねてみると、数値（すうち）は同じはずですが、かたむきが大きくちがいます。省略することでひと目もり分のはばが大きくなり、かたむきの変化が強調されるのです。「グラフを見るときは、目もりの大きさを確認（かくにん）することが大事。どういう目的でそのグラフを作っているのか、何を伝えたいのかを見てほしい」（長藤さん）。 【scene 09】 表題、出典、目もりの単位 ほかにも、グラフを読むときに注意するポイントがあります。『表題』はグラフのテーマをしめします。知らないことばは調べて、定義（ていぎ）を確認（かくにん）しましょう。『出典』はデータの根拠（こんきょ）となるため、書かれていない場合、そのグラフは信用できないこともあります。『目もりの単位』も大切です。％などの「割合（わりあい）」か、人数などの「実数」かなど、単位をしっかり確認しましょう。グラフは意図を持って作られます。細かな部分にも注意しながら、自分で読みとく力をつけることが大切です。 【scene 10】 グラフの意図を自分自身で読みとくこと 「表題、目もりの単位や出典。グラフにはいろんな情報（じょうほう）がもりこまれているんだね」とミク。「数字だけのデータを、わかりやすく意図を持って表現（ひょうげん）してるんだ」とユウタ。「だからこそ、自分自身で読みとかないといけませんね」とトシヤ先生が言います。「あと、グラフの種類を考えてもいいかも。ランキングは棒（ぼう）グラフでもいいけど、購買（こうばい）部との交渉（こうしょう）には円グラフのほうが使えると思う」とミク。「出典も入れないと。『放送委員会調べ』ってことでいい？」とユウタ。「うん。あと…」。次々にアイデアが出てくるようです。

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送り手の意図を伝える～編集～

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テーマは「編集」。映像の編集を扱う。インタビュー映像は事実をすべて反映しているのか。編集はどのように行われているのか。NHK総合「あさイチ」の編集の様子を取材。

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【scene 01】 新入生向けの学校紹介動画 ユウタが新入生に見せる学校紹介（しょうかい）動画を作っています。「芽出中のいいところガッツリ紹介してるから。見てみる？」と自信満々のユウタ。「見たい見たい」とミク。「OK。じゃ流すよ」。『新入生のみなさん、芽出ヶ丘中学校へようこそ！　まずは芽出中がどんな学校か、在校（ざいこう）生の声を聞いてみましょう』。「生徒どうしすごく仲がいいんです」。「すごく自由な学校。修学（しゅうがく）旅行先も生徒会で決められるしね」。「この制服（せいふく）がカワイイ！」。「図書室や進路指導（しどう）室が充実（じゅうじつ）していて、とてもいい学校だと思います」。「先生がおもしろくてやさしい！」。「体育祭とか文化祭とか行事がすごくもりあがる学校」。 【scene 02】 本音の話はいらない？ 『芽出中ライフを楽しんでいる在校（ざいこう）生の声。いかがですか？　みなさんが入学する芽出中では、充実（じゅうじつ）した中学校生活が待っています！』。続いて、『ここからは、各部活動を紹介（しょうかい）しますよ。ヒアウィーゴー！』。すると、「ちょっと待って」とミクが止めました。「何？」。「もっとほかの意見もあったよね」。「うん。でも、いい話以外いらないかなって」とユウタ。「いらない？」。「だって、新入生には芽出中のいいところを知ってもらいたいじゃん。これって、そういう動画でしょ？」とユウタが言います。「そうだけど、生徒の本音みたいな話はいらないのかな」とミクはすっきりしないようです。 【scene 03】 “使う・使わない”インタビューの基準は？ そこへトシヤ先生がやってきました。「どうですか？　学校紹介（しょうかい）動画は」。「冒頭（ぼうとう）はできました」とユウタ。「さすがユウタさん、仕事が速い」と先生。するとミクが、「先生、インタビューの“使う・使わない”の基準（きじゅん）って何ですか？　いろんな意見があるのに使わないっていいんでしょうか？」とたずねました。「使ってないインタビュー？　どんな内容（ないよう）ですか？」とトシヤ先生。「あまりいい話じゃないからカットしたんです」とユウタが言うと、「ちょっとそれ、見てみたい」とトシヤ先生が言いました。 【scene 04】 カットしたインタビュー映像 ユウタがトシヤ先生に、カットしたインタビュー映像（えいぞう）を見せます。『あなたにとって、芽出中ってどんな学校ですか？』。「学校までの坂道がキツイ。夏なんて朝からあせだく！」。「小テストが多い。朝の学活前とか」。「プールの授業（じゅぎょう）もっとふやしてほしい！」。「女子の制服（せいふく）、スカートとズボンがあるのはうれしいけど、男子より制服代がかかるのはちょっと…」。「このジャージで外を歩くのははずかしいな」。「うーん、芽出中がどんな学校か…。特に特徴（とくちょう）はないんじゃないかな」。 【scene 05】 いい話だけならべるのはちがう？ 「なるほど」とトシヤ先生。「こういう意見は出さなくていいのかな。いい話だけならべるのって事実とちがうような気がする」とミク。「じゃあ事実って何？　楽しそうな学校って思ってもらうのが目的じゃないの？」とユウタ。するとトシヤ先生が、「そもそも編集（へんしゅう）って何でしょうね？　わたしもドキュメンタリーを見ていると疑問（ぎもん）だったんです。たとえば、一年間密着（みっちゃく）取材と言いながら30分にまとめてたりしますよね。あれは何をどう編集するんでしょうか」と言います。そして、「あ、この動画、参考になるかもしれません」とトシヤ先生がパソコンで見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 06】 情報をそぎ落としてわかりやすくする NHK総合（そうごう）で放送している『あさイチ』の編集（へんしゅう）室。編集ではどのようなことを心がけているのか、番組プロデューサーの石川さんに聞きました。「５分のVTRを作るのに、40倍くらいの素材（そざい）を撮（と）ってくる。すべての情報（じょうほう）を伝えると情報が多すぎてわかりにくいので、情報をそぎ落とすように編集して、わかりやすく伝えることを心がけています」（石川さん）。この日は、ディレクターが作ったVTRの試写が行われます。今回は、髪（かみ）をとかすヘアブラシの特集。ヘアブラシを使ってさまざまな髪のなやみを解決（かいけつ）するという内容（ないよう）です。 【scene 07】 客観的な視点でチェック 試写にはプロデューサーだけでなく、リポーターなど番組に関わる人たちもリモートで参加。客観的な視点（してん）でチェックし、意見を出し合います。「クリスマスの話題かと思ったらヘアブラシってなったから、何を見るんだっけってわからなくなって」。指摘（してき）されたのは、VTR冒頭（ぼうとう）のシーン。『もうすぐクリスマス…』。クリスマスの話題かと思いきや、続けて紹介（しょうかい）されたのは、『シャンプーのあとけっこうぬけていてびっくりしました』。とつぜん、髪（かみ）の毛に関するインタビューに。何の話が始まったのかわかりづらいので、もっとテーマが伝わるようにしてほしいというのです。 【scene 08】 インタビューの順番を入れかえる そこで、街頭インタビューを見直すことにしました。今回話を聞いたのは全部で９人。そのなかから選んだのは、番組の内容（ないよう）にそくしたなやみを話していた３人でした。冬の話題と結びつけるために、順番を入れかえてみることにしました。さらに、インタビューが唐突（とうとつ）にならないよう、映像（えいぞう）を追加。冬の乾燥（かんそう）からくる静電気をイメージしやすくしました。『髪（かみ）ふわーっとマフラーにくっついたりすると、静電気だなとか』。 【scene 09】 試写を重ね、よりわかりやすく編集していく 「最初にクリスマスとか年末とか、冬の髪（かみ）のこまりごとを強調したほうがいいとなって、試写では３人目だった女性（じょせい）のインタビューをいちばん前に持ってきて、より冬の髪のなやみを印象づけるように編集（へんしゅう）しました」（ディレクターの元浦さん）。このあともさらに試写を重ねて、よりわかりやすく楽しく見られるように編集が進められていきます。テレビをはじめ、わたしたちが目にしているメディアの多くは、編集されたものです。送り手が意図を持って表現（ひょうげん）する作業。それが編集なのです。 【scene 10】 編集には送り手の意図がこめられている 「編集（へんしゅう）には送り手の意図がこめられているんだね」とミク。「取材したすべてを採用（さいよう）するわけじゃない。編集は伝えたいことにそってわかりやすくまとめていく作業なんですね」とトシヤ先生が言います。「インタビューも順番通りとはかぎらないし、使われないこともある…」とミク。「ほら、だから言ったじゃん」とユウタ。「うーん、これで進めていいってことかなぁ。ちょっと元のインタビュー見せて」とミクが言いました。「うん」。パソコンに向かうミク。すると、「あれ？　このインタビュー、続きがある！」と言います。「え？」とトシヤ先生もパソコンをのぞきこみます。なぜか気まずそうなユウタ。 【scene 11】 インタビューで本当に言いたかったことは 「生徒どうしすごく仲がいいんです」と言った女子は、「けど、上下関係がきびしくて、こわい先輩（せんぱい）もいるから、部活選びは要注意」と続けていました。「この人、生徒どうしの仲がいいって言うだけじゃなくて、本当はそのあとのことを言いたかったんじゃない？」とミク。「そうかもだけど、わざわざ言う必要ある？」とユウタ。ミクは、「この人の言いたいことが変わってる気がする。本当にこれでいいのかなぁ…」と言います。「どうなんでしょうねぇ」とトシヤ先生も考えこみます。「トシヤ先生だったら、どうやるんですか？」と聞かれ、「一度、見直してみてもいいかもしれませんね」と言いました。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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その思い込み大丈夫？～ステレオタイプ～

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テーマはステレオタイプ。ステレオタイプを崩すためのメディアの取り組みとは？ステレオタイプにおちいらない注意ポイントも紹介。身の周りにはどんなステレオタイプが？

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【scene 01】 「１秒でもねたい男の朝　かわいくなりたい女の朝」 「『身だしなみ強化月間　朝のしたくについてのアンケート』。芽出中チャンネルの今週のテーマですか？」とトシヤ先生がボードに書かれたタイトルを見て言いました。「はい。みんなの傾向（けいこう）を調べようって、ミクが企画（きかく）したんです」とユウタ。「キャッチコピーも考えなきゃ」と言うミクに、「いいの考えてるんだ」とユウタがキャッチコピー案を見せます。『１秒でもねたい男の朝　かわいくなりたい女の朝』とあります。「たしかに、男子は起きてすぐに出かけますよね。ねぐせをつけたままだったり。わたしもそうでした」とトシヤ先生。「でしょ？　女子はずっと鏡を見ていそうだし」。 【scene 02】 固定観念＝ステレオタイプ 「ちょっと待って。それって、男子が身じたくの時間が短くて、女子のほうが時間がかかるってこと？」とミク。「だろ？」。「ううん。２年生で言うと、男子のほうが鏡の前にいる時間が長い」。「じゃあ、２年は女子みたいなやつらが多いんだな」。「それ、思いこみじゃない？　今はメンズ美容（びよう）もあるし、朝のお手入れに時間をかける男子もいる」とミクがユウタにつめよります。「そうですよね。すみません、固定観念で話してしまって。こういうのを『ステレオタイプ』と言うんでした」とあやまるトシヤ先生。「ステレオタイプ？」。「ええ。こんな話があります」とトシヤ先生がパソコンで見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 03】 もともとは大量生産のことだった ステレオタイプとは、先入観や思いこみのこと。たとえば『女はか弱くておとなしい』とか、『日本人はメガネをかけていてまじめ』など、性別や国籍（こくせき）など、ある属性（ぞくせい）を持つ人に対してあたえられるイメージもその一つです。メディアと社会の研究をしている関西大学教授（きょうじゅ）の水越伸（みずこし・しん）さんに聞きました。「100年くらい前に出てきた『ステレオタイプ』という言葉は、もともとは印刷技術（ぎじゅつ）の言葉で、鉛（なまり）の板に紙をあてて同じ印刷物ができる大量生産のことだった。それを「マスメディアが、イメージを大量生産する」という例えとして用いた考え方です」。 【scene 04】 確認できないステレオタイプも たとえば、テレビなどによってあるイメージが作られ、ほかのメディアにも拡散（かくさん）されます。多くの人に広がるうちに、そのイメージがステレオタイプとして定着するのです。しかし、ステレオタイプのなかには、現実（げんじつ）とかけはなれたものもあり、決めつけるのはよくないといいます。「外国で起こった事件（じけん）であろうと、どこかの有名人であろうと、いちいち確認（かくにん）はできない。直接（ちょくせつ）確認できないステレオタイプがメディアの中にはある。ある意味、非常（ひじょう）にあやういことだと言えますね」（水越さん）。 【scene 05】 強い印象のイメージはなかなかぬけない 「知らなかった。これまで、メディアの情報（じょうほう）を『フツー』って思いこんできたかも」とユウタ。「わたしにも覚えがあります。たとえば、昔内戦が起きた国って、なんとなく今でも危険（きけん）って思っていませんか？」とトシヤ先生。「うん。こわいし心配だよね」とユウタ。「でもとっくに内戦が終わって、今は平和な地域ってこともあるんですよ」。「え？」。「強く印象に残ると、そのイメージってぬけないものです」。「たしかに。平和な日常（にちじょう）はニュースにしないもんね」とミク。「ヤバい。おれ、さっきもアンケートの結果を見ずに、思いこみで決めつけちゃった」と気がつくユウタ。 【scene 06】 一体何に気をつければいい？ するとミクが、「女性（じょせい）を“美人教師（きょうし）”とか“美人アスリート”って言うときがありますよね。あれってなんでだろう？」と言います。「女性が容姿（ようし）をほめられるとうれしい、これもステレオタイプかもしれませんね」とトシヤ先生。「えっ、ほめてもだめなの？　トシ先生、一体何に気をつければいいんですか？」とユウタ。「そう言われると、うーん、わたしもわかりません」。「なんでわかんないんですか。トシ先生ってホントに先生らしくないんだから」と言われ、「先生らしくない…」と落ちこむトシヤ先生。「これ見て下さい」。ミクがパソコンで見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 07】 メディアでのステレオタイプの見直し 多様性（たようせい）への関心が高まるなか、メディアでもステレオタイプの見直しが始まっています。NHKの報道（ほうどう）などで働く職員（しょくいん）が集まって、視聴者（しちょうしゃ）からよせられた声を参考に定期的に情報交換（じょうほうこうかん）をしています。視聴者からは、『多様性と言いながら出演（しゅつえん）者は健常者（けんじょうしゃ）だけ』、『グラフで男性（だんせい）のデータに青、女性に赤が多い。時代おくれ』などきびしい声も。「ハッとさせられる声もたくさんあって、多様性や性差にもっと意識（いしき）を向けないといけない」（チーフ・プロデューサーの原田さん）。 【scene 08】 多様性を意識した試み 番組はどのように変わっているのでしょうか。子ども向けの料理番組『ゴー！ ゴー！ キッチン戦隊クックルン』。2020年度まで、主人公は女の子でした。しかし、『料理は女性（じょせい）がするもの』というステレオタイプをくずしたいと、主人公を男の子にリニューアル。衣装（いしょう）を赤系（けい）にするなど、色使いも工夫しました。また、ドラマでは、車いすユーザーを主人公にした作品も放送しました。地域（ちいき）番組でも、手話通訳（つうやく）を取り入れるなど、多様性を意識（いしき）した試みを続けています。 【scene 09】 かぎられた情報源にとらわれない メディアの取り組みも進むなか、ステレオタイプにおちいらないために、わたしたちはどんなことに気をつければよいのでしょうか。「一つは、読みくらべとか見くらべをするということですね。たとえば、ネットの記事で読んだら、テレビで確認（かくにん）してみる。テレビも、Aという放送局だけでなくBやCも見てみる。もう一つは、周りの人と話すということ。自分がかぎられた情報源（じょうほうげん）、メディアだけを見ていて、そこのステレオタイプにだけそまっていることがある。そのことに自分で気がつかないことが多いんですよ」（水越さん）。 【scene 10】 トシヤ先生は「先生らしくない」？ 「わたし、運動部って明るい元気なイメージがあったんだよね。それでこの前、男子に、『サッカー部のキャプテンなんだからはっきりして』とか言っちゃった」とミクが言います。「ステレオタイプじゃん。ねぇ、先生」とユウタが見ると…。「ユウタさんの質問（しつもん）に即答（そくとう）できず、おはずかしいかぎりです」とトシヤ先生がまだ落ちこんでいました。「よく言われるんです。だれにでも敬語（けいご）を使ってしまいますし、知らないって平気で言ってしまうし。たまにはたけだけしい言葉を使ってリーダーシップを取ってみようと思うんです。おい、おまえら！　あぁ、すみません、やっぱり無理だ」とトシヤ先生。 【scene 11】 ステレオタイプにおちいらないためには すると、「それってホントに『先生らしさ』？」とユウタが言いました。「昔からのメディアのイメージかも。学園ドラマとか」とミクも言います。「トシ先生はいっしょに考えてくれるからいいんじゃないんですか」とユウタ。「そうか…。わたし自身がステレオタイプにおちいってたんですね」とトシヤ先生。「みんな、気づかないうちにとらわれてしまうものなんですね」とミク。するとユウタが、『１秒でもねたい男の朝　かわいくなりたい女の朝』というキャッチコピー案をボードから外しました。「ステレオタイプにおちいらないようなキャッチコピーって、何だろう」とユウタが言います。「うーん」。考えるみんなです。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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ハートにささることば～キャッチコピー～

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テーマは「キャッチコピー」人の興味をひくためにどのような表現の工夫があるのか。またプロのコピーライターから心にささるキャッチコピーをつくり方について学ぶ。

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【scene 01】 『これを読むだけ！　超暗記術』という本 「うーん、どうしよう…。見た人に、『あ、自分もやってみたい！　応募（おうぼ）したい！』って思ってもらいたいんです」。ミクが、放送委員会新メンバー募集のキャッチコピーを考えています。そこへ、「ちょっと聞いて！」とユウタがかけこんできました。「おれ、すごいもん手に入れちゃった！」と本を見せます。『これを読むだけ！　脳（のう）に刷りこむ超（ちょう）暗記術（じゅつ）』というタイトルです。「読むだけでいいんですよ。これさえあればぼくはもう満点しかとらない！」とこうふんするユウタ。「そんなうまい話ある？」と冷静なミク。すると、「これはすごい」とトシヤ先生。 【scene 02】 思わずひきつけられるキャッチコピー 「暗記シートを使って覚えたら、難問（なんもん）をクリアしながらたたきこむ。なかなかスパルタな参考書ですねぇ」と言いました。「え？　読むだけじゃ…？」とユウタ。「そこまでするから、『超（ちょう）暗記』ってわけだ」とミク。「このキャッチコピーにはわたしも思わずひきつけられましたよ」とトシヤ先生が言います。「どうしておれ、こんなに食いついちゃったんだろう」とがっかりするユウタが、「そもそもキャッチコピーって何だよ」と言いました。「ちょっとこれを見て下さい」とトシヤ先生がパソコンで見つけた映像（えいぞう）は…。 【scene 03】 好奇心をかきたてる表現 キャッチコピーの表現（ひょうげん）について研究している中央大学教授（きょうじゅ）の飯田朝子（いいだ・あさこ）さんに聞きました。「キャッチコピーとは、見た人をひきつけるために設計（せっけい）された短いフレーズのことです」。広告だけでなく、企業（きぎょう）や人物のイメージを印象づけるためにも使われたりします。キャッチコピーにはより多くの注目を集めるために表見の工夫がされているといいます。まず、好奇心（こうきしん）をかきたてる表現。たとえば、『〇〇とは！？』、『〇〇なのか！？』といった表現です。疑問（ぎもん）文にして、「何だろう？」と興味（きょうみ）をひくねらいがあります。 【scene 04】 ほしい気持ちを刺激する表現 続いて、ほしい気持ちを刺激（しげき）する表現（ひょうげん）。『今はやりの』や『全米No.1』など、だれもが持っている、知っていることをおしだしたり、反対に『冬季限定（げんてい）』や『先着100名様』など、かんたんに手に入らないことを強調したりする手法です。そして、心配を解消（かいしょう）する表現。『こんなときこの保険（ほけん）に入っていれば安心』、『海外出張（しゅっちょう）、英語が話せないあなたに！』といった、未来に対する不安な気持ちにうったえかける手法です。このように、人の心をひきつけるキャッチコピー。しかし…。 【scene 05】 大げさなことば、根拠のない数字には注意！ 「商品の内容（ないよう）に対して大げさなことばがついているときは注意」（飯田先生）。たとえば、『絶対（ぜったい）やせる！』、『必ずお金持ちになれる』などの強すぎる表現（ひょうげん）や、『99％が満足！』、『３秒に１件（けん）のご注文をいただいています』といった、根拠（こんきょ）のしめされていない数字などには注意が必要です。「これらの表現に出くわしたら、すぐには飛びつかず、『それって本当かな？』といったんうたがってみましょう。なかには法律（ほうりつ）にふれるようなものもふくまれるので注意しましょう」 【scene 06】 記憶に残すための表現 「わたしは数字を見せられると弱いかも」とミク。「あと、不安をあおるCMってあるよね。『病気になったら』とか」とユウタ。「強く言いきったり想像（そうぞう）させたりすることで、記憶（きおく）に残しているのかもしれませんね」とトシヤ先生。「じゃ、これは？」とユウタがあの本を指差します。「暗記シートで覚えたことを、難問（なんもん）をといてたたきこむって流れを『読むだけ』って表現（ひょうげん）したんじゃない？」とミク。「期待しすぎには気をつけないといけませんね。そういえば、以前みなさんの先輩（せんぱい）がプロのコピーライターに取材した動画があるんです」とトシヤ先生言いました。 【scene 07】 『マッチ売りの少女』のキャッチコピーを考える 『芽出中放送委員会特別企画（きかく）　キャッチコピーの作り方を学ぼう』――ナオキとユウリ。わたしたちがお会いしたのは、コピーライターの坂本和加（さかもと・わか）さんです。坂本さんは、企業（きぎょう）や商品などのキャッチコピーを作ってきました。わたしたちが目にしたことのある作品もあります。「今日、お二人に考えてもらうのは、『マッチ売りの少女』のキャッチコピーです」と坂本さんが言いました。マッチが売れず、悲しい結末をむかえるマッチ売りの少女。そこで、マッチを売るためのキャッチコピーを考えてみよう、というのがテーマです。 【scene 08】 ①いいところをさがす まずは、マッチのいいところをさがすことから始めます。「明るい」、「つけやすい」などが上がりました。「これを言って、『なるほど』って買ってもらう、アクションを起こしてもらうには何て言えばいいんだろう？」と坂本さん。「明るい」だけでは、街行く人は興味（きょうみ）を持ってくれません。そこで…。 【scene 09】 ②街行く人との共通項をさがす 街行く人の気持ちによりそって、マッチにつながるものはないか、共通項（きょうつうこう）をさがすのだそうです。「マッチを売っていた時期って冬でしたよね？」とユウリ。「冬でしたね」。「寒いじゃないですか？　寒い。『寒いから、おうちの暖炉（だんろ）にマッチ（＝火）をつけましょう』とか」とユウリ。街行く人の気持ちになって、冬だから寒いのではと考えました。ここで考えるポイントが…。 【scene 10】 ③ポジティブに言いかえる 「これをポジティブに言いかえると？」と坂本さん。「うれしくなる。あたたかくなる」とユウリ。たとえば、『寒いから暖炉（だんろ）に火をつけましょう』を『暖炉に火をつけてあたたかく』と言いかえる。ポジティブなことばを使うことで、受け取る人にいい印象を持ってもらえるそうです。たしかにそのほうが、興味（きょうみ）がわいてきます。そして…。 【scene 11】 ④伝わることばを連想する 相手に伝わるよう、『あたたかい』から連想することばをさがしてみることに。「あなたの心をもやします」とユウリ。「すてき！　ロマンチックだね」と坂本さん。「やったー！」。さらに、「あたためるって、ギューッてハグしてあたためるから、『マッチがハグしてくれる』」とユウリ。「それもおもしろいね。書いてみようか」と坂本さん。最後に…。 【scene 12】 ⑤客観的に見て話し合う キャッチコピーが書けたら、客観的に見て、みんなと話し合います。いくつか案を出して最終的に気に入ったのが、『マッチがハグしてくれる』。「ハグすることで『何が起きるのかな？』、マッチを使うことで『何が起きるのかな？』という疑問（ぎもん）になる。それで興味（きょうみ）に引っかかってくれると思う」とナオキ。ナオキの作ったキャッチコピーは、『あなたの心を照らしてくれます』。冬の暗くて長い夜に、安心感を持ってもらいたかったそうです。「『自分が言いたいこと』を『あなたにも関係あること』にしてあげると、『おっ？』って思ってもらえることが多くなる」と坂本さんが言いました。 【scene 13】 身近なことにキャッチコピーをつけてみよう 「キャッチコピー作るのっておもしろいじゃん！」とユウタ。「わたし、ハマりそう！」とミク。「言いかえたり、組み合わせたり。ことばの力を感じますよねぇ」とトシヤ先生も感心しています。ミクが、「放送委員会の新メンバー、どう伝えたら心にささるかな？」と言いました。「そうだなぁ。まずは放送委員会の魅力（みりょく）を伝えないとね」とユウタが言います。「あ、『たいくつな放課後を楽しもう！』」とミク。「楽しい委員会だということが伝わりそうです」とトシヤ先生。「あとは、『かっこいい先輩（せんぱい）がいます』とか」とユウタ。でも、「それはちょっともりすぎかなぁ」とミク。

アッ！とメディア～ ＠ｍｅｄｉａ～

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責任を持って発信できる？～メディア・リテラシー～

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メディア・リテラシーのまとめ回。新聞記事などの事例をもとにメディアが発信する情報は意図を持って切り取られていること、発信する際は責任と根拠を持つことを知る。

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【scene 01】 『芽出中チャンネル』へのリクエスト 「今日は『朝の身じたく』をテーマにお送りしました。いかがでしたか？　さて、ぼくたちがつくっている『芽出中チャンネル』にリクエストをいただいています」。ユウタがマイクに向かって話しています。「『前に商店街の特集がありましたが、今度は芽出市のおすすめ観光スポットを紹介（しょうかい）してほしい』。さっそく番組で取り上げたいと思います。では、今日はこのへんで。さよなら～」。ミクがOKサインを送りました。ブースから出てきたユウタに、「次のネタ、決まりだね」とミク。「そう。前からいいなと思ってたところがあるんだよ。ここなんだけど」とユウタがパソコンで開いた映像（えいぞう）は…。 【scene 02】 きれいな海の写真だけど… 海岸の風景です。「夏の観光スポットにどうかな」。「いいじゃん、ここどこ？」。「芽出海岸」。ところが、岩場からとったという写真の全景を見ると手前の海岸にはゴミがたくさん落ちています。「海と空がいい感じで見えるように、奥（おく）の海岸を中心にねらうときれいな海が印象的にとれるでしょ？」とユウタは言います。でも、「これってやりすぎじゃない？」とミク。「なんで？　見せたい場所をとってるだけで、問題ある？」とユウタ。ミクは「これを『きれいな海です』って言うのは抵抗（ていこう）があるけどな」と言いますが、「ま、『特集　芽出海岸』ってことで、情報（じょうほう）を集めよう」とユウタが言いました。 【scene 03】 「白浜の楽園」という記事 その夜、ユウタがパソコンに向かっています。『芽出市　観光スポット　おすすめ』というワードを入力して検索（けんさく）します。すると、「観光協会の旅ガイドに、新聞記事…。お、この写真いいじゃん」。白い砂（すな）、青い海の写真を見つけました。「リテラ新聞ね。『白浜（しらはま）の楽園。近い・早い・安い。そしてとびきり美しい』。いいじゃん。行った人の口コミとかないかな」。口コミ評価（ひょうか）をさがすユウタ。「あった。『ひたすらいやされた！』。うわっ、バーベキューうまそう！　これも紹介（しょうかい）したいな。あとは…」。 【scene 04】 「芽出海岸のゴミ」という記事 そのころ、ミクは新聞を見ていました。『どうする？　芽出海岸のゴミ』という見出しで、海岸にプラゴミなどが大量に堆積（たいせき）しているという記事です。ミクはパソコンに向かい、『芽出市　観光地　ゴミ問題』というワードで検索（けんさく）しました。すると芽出海岸のゴミ問題について、『川や海から海岸に流れてきたゴミが約70％、海岸にすてられたゴミが約30％』という記事が見つかりました。「流れ着くゴミ、観光客のゴミ…。芽出海岸ヤバくない？」とつぶやくミク。 【scene 05】 同じ場所の写真？ 次の日。「先生、ぼくいい記事見つけたんです」とユウタが芽出海岸の写真記事をトシヤ先生に見せます。「いやぁ、これはいやされそうですねぇ」とトシヤ先生。「こういういいとこ、どんどん紹介（しょうかい）しましょう」とユウタ。するとミクが、「これって、この記事と同じ場所ですよね？」と自分が見つけた新聞の記事を見せました。写真を見くらべて、「ここに波消しブロックがあるから、たぶんそうだと思う」とユウタが言います。「ちなみに、わたしが購読（こうどく）している新聞にはこんな記事が」とトシヤ先生も新聞を見せます。『俳句（はいく）を詠（よ）もう　今月のテーマ～芽出海岸』という記事の写真でした。 【scene 06】 目的に合わせてとった写真 「これも同じ場所だよね？　写真によってずいぶん印象が変わるなぁ」とおどろくユウタに、「ユウタがとった写真もこんなことあったよね」とミク。ユウタがホワイトボードに写真をはりつけました。「海と空がいい感じに見える位置でとったんですけど」。「でも、引きの写真は、ね？」とミクに言われ、ユウタが取り出したもう一まいの写真には、ゴミだらけの海岸が写りこんでいます。「なるほど。ユウタさんはきれいな場所だってことを伝えたくてとったんですよね？」とトシヤ先生に聞かれ、「はい。そのつもりなんですけど」とユウタ。「うん。目的に合ったとり方はできていると思いますよ」とトシヤ先生が言います。 【scene 07】 伝えたいことが伝わるような写真を選んでいる 「そうか。同じ海岸のニュースでもそれぞれの記事で言いたいことがちがうんだよね」とミク。「なるほど。だから、それぞれ伝えたいことが伝わるような写真を選んでるってことか」とユウタも気がつきました。「観光地だって紹介（しょうかい）するならきれいな写真のほうがいいし、深刻（しんこく）なゴミ問題ならちゃんとゴミを写したほうがいい」とミクが言うと、「俳句募集（はいくぼしゅう）はテーマをイメージしやすい写真、てとこでしょうか」とトシヤ先生。「もう少し芽出海岸の情報（じょうほう）、集めてみない？」とミクがユウタに言います。「そうだね。ほかにも見どころがあったら紹介したいしね」。 【scene 08】 どこまで切り取る？ ３日後。ユウタが発表します。「おすすめ観光スポットというテーマなんだから、きれいな写真も使えるかなって。ゴミが流れ着く場所は一部だし、きれいな海は事実だよ」。すると、「やっぱりわたしは抵抗（ていこう）ある。きれいな海だけを切り取りすぎてる気がする」とミク。「おれたちが伝えたいのは、みんな来たくなるようなきれいな海だろ？　ゴミが写りこんでたら来たくなくなるよ」。「でも、ゴミ問題は事実じゃない？」。「じゃ、芽出海岸のゴミ問題が深刻（しんこく）ですって伝えたいわけ？」。「そういうわけじゃないけど。調べれば調べるほどいろんな情報（じょうほう）が出てきて。どれもだいじなことに思えるし」 【scene 09】 伝えたいことをはっきりさせると… 「ミクさんは芽出海岸の何を伝えたいと思っていますか？」とトシヤ先生が言いました。「芽出海岸の景色は観光地としてはおすすめです。でも調べてわかったのは、ゴミ拾いのボランティアの方が一生けんめいきれいにしていたからなんです。ただきれいな景色ってわけじゃない」とミク。「ゴミの問題じゃなくて、この景色を守ろうとしている人のことも伝えたいってこと？」とユウタ。「そう。だから…」。ミクがパソコン画面を見せます。「この情報（じょうほう）をもっとくわしく紹介（しょうかい）できないかなと思って」。『月一の取り組みでゴミが激減（げきげん）。芽出海岸ゴミ拾いボランティア』という記事です。 【scene 10】 あなたの伝えたいことは？　何をどう切り取り、伝える？ 「でもこの話題、『夏のおすすめ観光スポット』とはちょっとずれない？」とユウタ。すると、「あ！　町のボランティアをあつかった別の特集できないかな」とミク。「もう一つ企画（きかく）が誕生（たんじょう）しましたね」とトシヤ先生。「伝えたいことをはっきりさせると、もっといい情報（じょうほう）の切り取り方が見つかりました」とうれしそうなミク。ゴミのある写真とない写真を見くらべるユウタとミク。「だれかが何かを伝えている。そんな数多くの情報がわたしたちのまわりにはあふれています。あなたの伝えたいことは何ですか？　何をどう切り取り、伝えていきますか？」。トシヤ先生が問いかけます。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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調べる　インタビュー

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インタビューで人に話を聞く時の、質問のしかたやメモの取り方とは？「モノをしらべてまとめてつたえること１０万年！」のデーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

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【scene 01】 「しらべる、まとめる、つたえる」力 21世紀を乗り切る力。必要なのは、「しらべる、まとめる、つたえる」力。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「よく来たな。吾輩（わがはい）のことは『閣下（かっか）』とよんでくれればいい」。デーモン閣下の登場です。「諸君（しょくん）も情報（じょうほう）をうまく使う技（わざ）をみがきたいってやつか。今日は『インタビュー』だ。インタビューとは、情報を手に入れる重要な手段（しゅだん）だ。今日はそのコツをさずけようではないか。さっそく人間たちに挑戦（ちょうせん）してもらおう。“しまった！”ということにならないよう、心してかかれよ」。 【scene 02】 『ケーキ屋さんの仕事とはどんなものか』 今回インタビューに挑戦（ちょうせん）したのは、ホズミ、ヒカリ、シュンヤの３人。インタビューのテーマは、『ケーキ屋さんの仕事とはどんなものか』です。ケーキが好きな３人は、やる気まんまんです。やってきたのは住宅街（じゅうたくがい）にあるケーキ屋さん。「こんにちはー」。「わぁ、すごい！」。店に入った３人は、あいさつもそこそこにケーキに一直線…？　インタビューのお相手は、パティシエの江島則之（えじま・のりゆき）さん。いそがしいなかいただいた時間は、30分です。 【scene 03】 ケーキについての質問ばかり？ いよいよインタビュー開始。「モンブランって、いっぱい線みたいなのがあるじゃないですか。どうやって作るんですか」。まずはヒカリがケーキの作り方について質問（しつもん）です。「口金（くちがね）をつけたしぼりぶくろにクリームを入れて…」と説明してくれる江島さん。みんなはそれをメモします。「かくし味とか入ってるんですか」。シュンヤはケーキの味についての質問です。さらに、「フルーツがいっぱいのってるケーキがあるじゃないですか」とヒカリがまたまたケーキの質問？　今回のインタビューのテーマは、『ケーキ屋さんの仕事とはどんなものか』ですが、まだ一つも聞けていません。 【scene 04】 メモも質問も大苦戦！ しばらくみんなは下を向いたまま、江島さんの言葉をメモ。言ったことを全部書こうとして時間がかかっていたのです。あと15分。「質問（しつもん）ある？」とホズミに聞かれ、「質問しようと思ったけどわすれちゃった」とシュンヤ。質問のメモもないようです。「ロウソクはここで作っていますか」という苦しまぎれの質問に、江島さん、こまっています。あと５分。「この仕事をして楽しいと思うことは？」とホズミ。すると、「お客様から『おいしかった』と言われるのがいちばんうれしい」と江島さん。仕事でいちばんうれしいことがわかりました。でもここでインタビュー終了（しゅうりょう）です。 【scene 05】 インタビューをふりかえってみると… そこで３人の反省会です。「書くことにいっぱいいっぱいになっちゃって」。「あんまり話が聞けなかったよね」。「全部書こうとしちゃったから」。「何を質問（しつもん）すればいいんだろうとか」。ここで３人に聞いてみました。「じゃあ、パティシエの名前は？」。すると、「しまった！　いちばん大事なこと聞いてない！」。これはかなり“しまった！”ですね。「あー、ダメじゃん、これ！」と頭をかかえる３人。 【scene 06】 ポイントその(1) 役割分担を決める すると、「仕方がないな。次から“しまった！”なことにならないように、吾輩（わがはい）がポイントを三つさずけてやろう」とデーモン閣下が言います。ポイントその１．役割分担（やくわりぶんたん）を決める。江島さんに話を聞く場面。３人は話を聞きながら、３人ともメモしています。これでは、相手は次の質問（しつもん）まで待たされてしまい、かぎられた時間で必要な情報（じょうほう）を手にいれることができません。質問する係、メモをとる係など、役割分担をしておき、インタビューをスムーズに進めましょう。 【scene 07】 ポイントその(2) メモはキーワードで書く ポイントその２．メモはキーワードで書く。ケーキ屋さんの一日について、江島さんに聞いてみましょう。「朝は６時から仕事を始めます。最初はショートケーキをぬったりロールケーキをぬったりして、10時からオープンなので、それに間に合うようにいろいろなケーキの仕上げを始めていきます。それからは焼き菓子（がし）を始めて…」。話を聞きながら一言一句（いちごんいっく）書くのは大人でも無理。そこで、大切な言葉、キーワードだけをメモします。「朝　６時　仕事始め。ショートケーキ　ロールケーキぬる。10時オープンまでケーキの仕上げ…」。キーワードを使うと短くメモできますね。 【scene 08】 ポイントその(3) 質問は準備しておく ポイントその３．質問（しつもん）は準備（じゅんび）しておく。たとえば仕事について聞くときは、仕事を始めたきっかけや、どうしたらなれるのか、苦労ややりがい、工夫（くふう）していることなどについて聞くとよいのです。「さっきの“しまった！”たちにも、吾輩（わがはい）の技（わざ）を伝授（でんじゅ）したぞ」と閣下。ということで、ホズミ、ヒカリ、シュンヤの３人は作戦会議。まずは役割分担（やくわりぶんたん）、ヒカリがメモ、シュンヤが質問、ホズミが撮影（さつえい）・進行係に決定しました。そしてテーマに合わせた質問をみんなで考え、リストにしました。 【scene 09】 もう一度インタビュー ３人はもう一度江島さんをたずねます。「パティシエのお仕事についてインタビューしにきました。よろしくお願いします」。こういうマナーは大切。はじめにしっかりあいさつして取材のテーマを伝えましょう。撮影（さつえい）係のホズミは江島さんをパチリ。さっそくインタビュー開始。「まず、お名前とパティシエ歴を教えてください」とホズミ。「名前は江島則之といいます。この仕事を始めて37年くらいになります」と江島さん。続いて質問（しつもん）係のシュンヤが「どのようにしてパティシエになったかくわしく教えてください」と、よりくわしく聞いていきます。「20歳（さい）くらいから個人（こじん）のお店で勉強しまして…」。 【scene 10】 話が広がる質問を メモの取り方もチェック。キーワードで書けていますね。OK！　シュンヤがさらに質問（しつもん）します。「専門（せんもん）学校に行くか、自分で修業（しゅぎょう）するか、どっちがいいですか」。すると、「専門学校へ行くほうが最初はいいかもしれません。いろんな知識（ちしき）を教えてくれます」との答え。「そのあと就職（しゅうしょく）するのもいいし、日本を飛び出してフランスに行ってみるとか、そういうのもいいかなと思います」と話が広がっていきました。そして、「ありがとうございました」。最後にお礼のあいさつ。ケーキ屋さんとはどんな仕事か、しっかりインタビューできました。OK！ 【scene 11】 調べた予備知識を交えて質問する 「実は吾輩（わがはい）は相撲（すもう）が好きで、よく無口な力士にインタビューをするのだが、成功するにはちょっとしたコツがあるのだ」とデーモン閣下が言います。「たとえば勝利インタビューでも、『強かったですね』だけではなく、『今日は投げにいくタイミングがよかったですね』など具体例を出し、相手について自分なりに調べた予備知識（よびちしき）を交えて質問（しつもん）すると話がはずむぞ」。そう言うと閣下は、「さて、情報（じょうほう）をうまく使う技（わざ）をもっとみがきたいやつは、またこの部屋をたずねるがよい」と言って去っていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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調べる　写真撮影

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写真撮影する時には、どんなことに気をつければよいのか。アップとルーズなど、映像（えいぞう）の切り取り方で、情報（じょうほう）の見え方が変わることなどを学びます。

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【scene 01】 「しらべる、まとめる、つたえる」力 21世紀を乗り切る力。必要なのは、「しらべる、まとめる、つたえる」力。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「よく来たな。今日も諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまく使う技（わざ）をさずけてやろう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今回の技は、『写真撮影（さつえい）』だ。最近は、スマートフォンやタブレット端末（たんまつ）で気軽に写真をとることができるな。写真は、ひと目でわかりやすく情報を伝えることができる。しかし、あとで『しまった！』とならないように、ここでしっかりと写真撮影の技を身に付けるがよい。できるかな」。 【scene 02】 『町の工場のようすを写真に記録する』 今回、写真撮影（さつえい）に挑戦（ちょうせん）するのは、カイセイ、ヒカリ、シュンヤの３人。『町の工場のようすを写真に記録する』がテーマです。撮影はカイセイとシュンヤ。質問（しつもん）とメモはヒカリが担当（たんとう）します。見学するのは町のえんぴつ工場。案内してくれるのは杉谷龍一（すぎたに・りゅういち）さんです。えんぴつはどうやってできるのか…。まず、みぞのある板に芯（しん）を入れます。そして上から板をかぶせて芯をはさみます。その板をカットすると、えんぴつの形になります。それに色をぬり、ケースにきれいにならべたら完成です。これをわかりやすく写真に記録できるかな？ 【scene 03】 いきなり撮影！？ さっそく作業の説明を受けます。シュンヤは中に入るなりもう写真をとり始めています。杉谷さんの説明が始まっているのに…。「ここはえんぴつの板にみぞをほる工程（こうてい）です。ここに芯（しん）が入ると、えんぴつのもとができます」（杉谷さん）。みんなえんぴつ作りに興味津々（きょうみしんしん）。とりたいものがいっぱいです。続いて、えんぴつの芯をはさむ機械。「板に芯をのっけてサンドイッチする機械です」と杉谷さんの説明。「わー、すごい！」と興奮（こうふん）気味のシュンヤ、手当たり次第に写真をとっています。でもよく見ると、にたような写真ばかり…。 【scene 04】 とりたい部分がかくれていてとれない 次は、色ぬりです。「塗料（とりょう）の中をえんぴつが通ります。そうすると、色をぬられたえんぴつが出てくる」（杉谷さん）。色ぬりの大事な部分をとりたいカイセイ。でも、とった写真を見ると、機械にさえぎられてなんだかよくわかりません。ヒカリはわからないことを質問（しつもん）します。「なぜ機械で箱につめるんじゃなくて、手でやるんですか？」。すると、「不良品がないかどうか、人間の手で見ています」とのこと。なるほど。そのほかの作業のようすも次々に撮影（さつえい）していきます。「カンペキ！」。かんぺきかどうかはさておいて、たくさん写真がとれました。 【scene 05】 うまく撮影できたか見てみると… 本当にうまく撮影（さつえい）できたのか、見てみると…。「めっちゃ同じ写真とってんだよね」（シュンヤ）。「ほんとだ。すっごいとってない？」（ヒカリ）。ダンボールを写した写真も同じような写真がいっぱいです。ところでみんなは、始める前に工場の人に撮影の許可（きょか）は取ったのでしょうか。「あっ！」。「やばい！　ちょっと失礼じゃない？」。「顔まで写ってた人もいたし」。「見せたくないという人もいるから聞いておけばよかった」。これはかなり、“しまった！”です。 【scene 06】 ポイントその(1) 撮影には許可を取る すると、「今回も見事な“しまった！”ぶりだったな。次からは“しまった！”なことにならないよう、吾輩（わがはい）がポイントを三つさずけてやろう」とデーモン閣下が言いました。ポイントその１．撮影（さつえい）には許可（きょか）を取る。これが大原則（だいげんそく）のマナーです。まずは、工場に入ってきた場面。シュンヤはいきなり撮影を始めてしまいました。工場でもお店でも、写してほしくないものがあったり、写りたくない人がいたりするかもしれません。必ず許可を取ってから撮影しましょう。 【scene 07】 ポイントその(2) アップとルーズを使い分ける ポイントその２．アップとルーズを使い分ける。人に情報（じょうほう）をうまく伝えるためには、とりたいものを大きく写す「アップ」と、広い範囲（はんい）を写す「ルーズ」を使い分けるとよいのです。たとえば、えんぴつの芯（しん）を板に入れる作業をとりたいとき、アップでとると、えんぴつの芯はどうやって入れられるのか、その秘密（ひみつ）がよくわかります。反対にルーズでとると、機械の大きさや作業をしている人など、まわりのようすがよくわかります。アップとルーズ。何を伝えたいかを考えてとりましょう。 【scene 08】 ポイントその(3) 撮影する位置を変えてとる ポイントその３．撮影（さつえい）する位置を変えてとる。えんぴつに色をぬる作業のとき、カイセイは、機械の向こう側の部分をとりたいのに、そのままその場所で撮影し続けていました。こういう場合は、見える位置はどこか考えましょう。「さあこれで、“しまった！”なことにはなるまい。自信を持って行ってくるがよい！」とデーモン閣下。 【scene 09】 もう一度チャレンジ そこで、ふたたび写真撮影（さつえい）にチャレンジ。３人はもう一度えんぴつ工場をたずねました。「よろしくおねがいします。今日は工場のようすを写真でとってもよろしいですか」（シュンヤ）。「はい。だいじょうぶですよ」（杉谷さん）。まずは、写真撮影の許可（きょか）をきちんと取りました。OK！　さっそく、撮影スタート！　シュンヤはまず、機械にぐっと近づいてアップでとっています。アップでとることで、これから芯（しん）が入る板のみぞのようすがよくわかります。次は、まわりのようすを写すために、少し下がってルーズで撮影。たくさん機械がある工場のようすがよくわかります。OK！ 【scene 10】 位置を変えてとるとよくわかる写真に 機械にさえぎられてうまくとれなかったカイセイは、「そっちからとってもいいですか」と杉谷さんの許可（きょか）を取りました。「色がぬられて出てきているところをとりたい」とカイセイ。位置を変えてとると、色ぬりのようすがはっきりとわかる写真になりました。OK！　そして、無事工場見学終了（しゅうりょう）。えんぴつ工場のようすが伝わる写真がとれました。OK！ 【scene 11】 早く技を身に付けた者が時代をリードできる 「実は吾輩（わがはい）も、世を忍（しの）ぶ仮（かり）の高校生のとき、卒業アルバムの担当（たんとう）だったので、毎日、学校にカメラを持っていったものだ。フィルム時代がなつかしいな。今は、情報（じょうほう）の時代。早く技（わざ）を身に付けた者が、時代をリードしていけるぞ」。閣下はそう言って去っていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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調べる　インターネット検索

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インターネット検索（けんさく）で情報（じょうほう）をさがす時の、検索のしかたや、情報をしぼりこむ方法とは？デーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

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【scene 01】 今回はインターネット検索 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「よく来たな。今日も諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまく使う技（わざ）をさずけてやろう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今回の技は、『インターネット検索（けんさく）』だ。インターネットの検索サイトで調べもの。これがうまくできるようになると、ほしい情報がすぐに手に入るようになるぞ。今回は、日本の首都、東京の特産品について調べてもらおうか。野菜に菓子（かし）、工芸品などいろいろとあるぞ」。 【scene 02】 『東京の特産品とその特徴をさがそう』 今回、インターネット検索（けんさく）に挑戦（ちょうせん）するのは、ホズミ、ミキ、コウセイの３人。『東京の特産品とその特徴（とくちょう）をさがそう』がテーマです。さっそく、ネット検索スタート！　まず始めに、検索サイトを立ち上げ、“検索窓（まど）”とよばれるところに言葉を打ちこみます。「東京の特産品」と入れて、「検索」をクリック。すると、検索結果にいろいろなサイトが表示（ひょうじ）されました。その数を見ると、約671,000件（けん）。ものすごい数です。さあ、どれから見る？ 【scene 03】 目についたところからクリック！ ミキが選んだのは、『東京を代表する江戸切子（えどきりこ）を世界に』という見出しのサイトです。すると、「江戸切子ってなんだろう？」とコウセイ。２人はいきなり一つめの見出しに注目。この「江戸切子」が気になって、その見出しをクリックします。すると、江戸切子というガラス工芸品を作るお店のサイトが出てきました。次にクリックしたのは…。「おおっ、これおいしそう！」。アイスクリームの写真です。２人ともどうやら目についたものを順番に選んでいるようです。 【scene 04】 見出しを見て考える 一方、ホズミはどうでしょうか。「東京の特産品」と入力して、「グルメ…、ショッピングはちがう…」。ホズミは見出しをじっくり見て、どのサイトを見ようか考えています。そして、『特産品組合一覧（いちらん）／東京の観光公式サイト』という見出しを見つけました。どうしてこのサイトを選んだのでしょう。「『公式』って書いてあったので、それは信用できるかなと思って」とホズミ。なるほど、これは期待できそうですね。では、見てみましょう。つけもの、みそ、ゆかた…。このサイトで、あっという間に東京の特産品を見つけました。「これについて調べていけたら、すぐに終わるんじゃないかと思います」。 【scene 05】 なかなか特徴にたどりつけない 続いて特徴（とくちょう）を調べます。ホズミは「東京のゆかた」と入力。すると、ゆかたの広告や販売（はんばい）サイトが出てきます。その一つをクリックしてみると、おどりの衣装（いしょう）をあつかう会社のサイトでした。特徴になかなかたどりつけません。ミキとコウセイも特徴さがし。コウセイが『小松菜（こまつな）収穫（しゅうかく）量ランキング』というサイトを見つけました。クリックすると、平成24年の都道府県別小松菜の収穫量が出てきました。東京都は収穫量全国第２位でした。小松菜はアブラナ科の野菜で、東京都の収穫量は7790トンです。３人はこの調子でなんとか調べ切りました。 【scene 06】 ネット検索をふりかえってみると… ここで３人の反省会です。「サイトはいっぱいあるのに、めんどうくさいって思っちゃって。一つのサイトだけ見て…」とミキ。「適切（てきせつ）なキーワードをさがすのができなかった」とホズミ。ところで、小松菜（こまつな）の収穫（しゅうかく）量はいつの情報（じょうほう）だったのでしょう。「えーと、平成24年？…」とミキ。「古いね！」とホズミ。「じゃあ、今は変わってるか。もしかしたら２位じゃないかも知れない。やっちゃった」とミキ。これはかなり、“しまった！”です。 【scene 07】 ポイントその(1) キーワードを用意し組み合わせる 「次からは“しまった！”にならないように、ポイントを三つさずけてやろう」とデーモン閣下。ポイントその１．キーワードを用意し組み合わせる。今回のテーマのキーワード、東京、特産品、特徴（とくちょう）。そこに、さらに調べたいキーワードを組み合わせます。たとえば東京の特産品、つけものの「べったら漬（づ）け」について調べるときは、「特産品」の代わりに「べったら漬け」を入れて検索（けんさく）。そして、いろいろなサイトの見出しの下の説明文に注目！　説明文の中に、東京、べったら漬け、特徴の三つが出ていたサイトを見ると、「みずみずしい食感とあまさが特徴」とありました。 【scene 08】 ポイントその(2) 見出しと説明文からしぼりこむ ポイントその２．見出しと説明文からしぼりこむ。検索（けんさく）結果には、見出しと、サイトの内容（ないよう）が書かれた説明文が出てきます。ここをしっかり読んで、ほしい情報（じょうほう）がありそうなサイトを見極めましょう。 【scene 09】 ポイントその(3) 信頼度が高い情報をさがす ポイントその３．信頼（しんらい）度が高い情報（じょうほう）をさがす。たとえば東京の特産品とうがらしの収穫（しゅうかく）量で見てみましょう。平成24年のデータでは東京が全国１位。平成26年では５位になっています。データは古くないか、新しいものが出ていないか、たしかめましょう。さらに、そのデータがきちんとしたところが発表したものかも、チェックしましょう。「さあ、わかったかな。これらをよく覚えておくんだぞ」とデーモン閣下。 【scene 10】 もう一度チャレンジ もう一度挑戦（ちょうせん）です。「東京、ゆかた、特徴（とくちょう）、それならたぶん出てくる」とホズミがキーワードを組みかえて、東京のゆかたの特徴を検索（けんさく）。すると、『東京本染（ほんぞめ）ゆかた』というサイトが出てきました。「これかな？　あっ、のってる！」。まず見出しを見て、次に説明文をよく読み、キーワードをチェック。「これは！」と思ったら、見出しをクリック。すると、ゆかたの特徴についてくわしく書かれたサイトが見つかりました。OK！ 【scene 11】 より新しい情報を見つける 「じゃあ、小松菜（こまつな）は…」。今度はミキが検索（けんさく）のやり直し。収穫（しゅうかく）量の情報（じょうほう）が古かった小松菜はどうでしょう。すると、『小松菜の生産量の都道府県別ランキング（平成26年）』というサイトがありました。見出しをクリックしてみると、東京の小松菜について、より新しい情報を手に入れることができました。「できたー！」。ネット検索で調べもの。しっかりできました。OK！ 【scene 12】 公式サイトでチェック！ 「吾輩（わがはい）ほど大きな影響（えいきょうりょく）力を持つとだな、まちがいがあってはならない。そこで、メディアで相撲（すもう）について話すときなどは、力士の成績（せいせき）や取り組みの決まり手など、必ず日本相撲協会の公式サイトでチェックしているぞ。それにしても、便利な世の中だな」。閣下はそう言って去っていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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まとめる　情報を整理する

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180234_00000

調べて集めたたくさんの情報を、ふせんを使って整理するコツとは？デーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

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【scene 01】 今回は、情報を整理する 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「待っていたぞ。今日は諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまくまとめる技（わざ）をさずけてやろう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今回の技は、『情報を整理する』。そのために使うのが、“ふせん”とよばれる。はったりはがしたりが自由にできる便利なものだ。ここに、調べた情報を書いて整理すると、まとめやすくなるぞ。では、挑戦（ちょうせん）してもらおうか」。 【scene 02】 『身のまわりにあるバリアフリーについてまとめる』 今回挑戦（ちょうせん）するのは、リュウセイ、シュンヤ、サヤカの３人。『身のまわりにあるバリアフリーについてまとめる』がテーマです。さっそく、街にあるバリアフリーの設備（せつび）をさがしに行きました。まずエレベーターの前で、手すり、点字ブロックを見つけました。エレベーターの乗り口には、「高齢者（こうれいしゃ）や体の不自由な方の優先（ゆうせん）利用にご協力ください」と書いてあります。お年よりや体の不自由な人など、みんながくらしやすいように作られた工夫がたくさんありました。 【scene 03】 ふせんに情報を書き出していく そこで、バリアフリーについて、インターネットや本を使ってまとめます。まずは、ふせんに情報（じょうほう）を書き出していきます。シュンヤは本とにらめっこ。駐車（ちゅうしゃ）場のバリアフリーを調べて、『車いすを持っている人は車から乗りおりするときドアをいっぱいに開けなければならないので…』と、本からそのままふせんに書いています。一方、サヤカが調べているのはエレベーターのバリアフリー。『混雑（こんざつ）時でも車いす使用者と健常（けんじょう）者が同時に乗れる21人乗り。音声で到着（とうちゃく）知らせる。浮（う）き字』と情報を三つ書きました。 【scene 04】 ふせんをはり出して整理する 続いて、すべてのふせんをはり出して情報（じょうほう）を整理します。「“道路”系（けい）、ここらへん？」。「じゃあ、ここ、“駅”系」と分類するみんな。ところが、「これ何？　“道路”系？」。「ん？　わかんないよ。一つの紙にいっぱい書いてんだよ。分別しにくいんだよね」。「これ“雑学（ざつがく）”系じゃない？」。ふせんのグループ分けに苦労しているようですが…。なんとか整理できたようです。 【scene 05】 情報の整理をふりかえってみると… では、見てみましょう。情報（じょうほう）を書いたふせんは、“家”や“道路”という場所と、“目の不自由な人のためのもの”というふうに分けられていました。ふせんで整理してみてどうだったかふりかえってもらうと…。「１枚（まい）にいろんなことを書いてるから、分けにくかった」。シュンヤは自分の書いたふせんを見てそう気がつきました。さらにシュンヤのふせんをよく見ると、うらにも書いてあります。これでは、はったら見えなくなります。「それは考えてなかった。別の紙に書けばよかった」とシュンヤ。これは、かなり“しまった！”です。 【scene 06】 ポイントその(1) ふせんにはキーワードで書く 「次からこんな“しまった！”にならないように、吾輩（わがはい）がポイントを三つさずけよう」とデーモン閣下。ポイントその１．ふせんにはキーワードで書く。情報（じょうほう）をキーワードで書くとはどういうことでしょうか。シュンヤが駐車（ちゅうしゃ）場のバリアフリーについて書いたふせんを見ると、長い文で書いているので全部読まないと内容（ないよう）がわかりません。このふせんで大切なのは、「駐車スペースが広くなっている」という情報。それをキーワードで書き直すと、「広い駐車スペース」となります。わかりやすくなりましたね。 【scene 07】 ポイントその(2) 情報はふせん１枚に一つ ポイントその２．情報（じょうほう）はふせん１枚（まい）に一つ。別のふせんを見てみると、「点字ブロック」、「点字」、「車いす用のエレベーター」、「手すり」と、１枚に情報が四つあります。あとでグループに分けるときのために、情報は１枚に一つずつにしましょう。 【scene 08】 ポイントその(3) ふせんの中からグループを見つけ出す ポイントその３．ふせんのなかからグループを見つけ出す。たとえば、「券売（けんばい）機の点字案内」、「電車のスロープ板」、「電車の情報表示（じょうほうひょうじ）」の３枚は駅や電車に関係のあるものです。このように場所でグループに分けると、“家の中”、“道路”などと分けられます。一方で、「点字ブロック」、「音が出る信号」、「券売機の点字案内」は“目が不自由な人のため”のバリアフリーです。だれのためのバリアフリーかでグループに分けると、“耳が不自由な人のため”、“お年より・車いすの人のため”と分けることができました。情報をよく見て、ねらいに合ったグループを見つけ出しましょう。 【scene 09】 もう一度チャレンジ 三人はもう一度、情報（じょうほう）を整理し直すことにしました。リュウセイは、点字ブロックについて調べたふせんを書き直します。さっきはびっしりと書いていましたが、キーワードを大きく目立たせ、説明も短くしました。サヤカは、エレベーターのバリアフリーについて、ふせん１枚（まい）に三つの情報を書いていましたが、情報を１枚に一つずつにして３枚に分けました。OK！　文字でいっぱいだったふせんが、情報が整理され、すっきり見やすくなりました。 【scene 10】 場所ごとに情報を整理 次はグループ分けです。三人は、“学校”、“道路”など場所ごとのバリアフリーでグループ分けすることにしました。今回は分けやすそうです。場所ごとに分けた身のまわりのバリアフリー調査（ちょうさ）、完成です。“家の中”、“駅などの交通機関”、“学校”、“道路”など、場所ごとの情報を整理。どの場所にどんなバリアフリーがあるのか、ひと目でわかるようになりました。「できました～！」。OK！ 【scene 11】 整理された情報はいつでも取り出せる 「どうだ。情報（じょうほう）を整理して、まとめる技（わざ）。便利だろう。整理された情報は、いつでも取り出せる。この部屋の本たちのようにな！」。閣下はそう言って消えていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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まとめる　考えを整理する

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自分の頭の中にある考えを整理（せいり）して説得力（せっとくりょく）を持たすには？デーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180235_00000

【scene 01】 今回は、「考えを整理する」 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「待っていたぞ。今日も、情報（じょうほう）をうまくまとめる技（わざ）をさずけてやろう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今回は、自分の考えを整理する技を用意したぞ。諸君（しょくん）は、思いついたことを頭の中で整理しないで話してしまい、『一体、何を言いたいのだ！』、『なぜなのか理由がわからん！』などと言われたことがないかな？　そんな“しまった！”なことにならないよう、説得力のある考えを言えるようになってもらおう。成長するのだ！」。 【scene 02】 『なぜスマートフォンは便利なのか』 今回用意したテーマは、『なぜスマートフォンは便利なのか』。自分の考えを整理して話してもらいます。挑戦（ちょうせん）するのは、スマホを持っているリュウセイとヒカリ、そしてまだ持っていないコウセイの３人です。まずはそれぞれ、「スマホは便利だなあ」と思うところを書き出していきます。３人とも思いつくままにたくさん書いています。そのメモを見ながら考えを発表します。うまく仲間に伝えられるかな？　まずはコウセイから。 【scene 03】 ゲームと音楽のことばかり？ 「ボタンのタッチが楽。どこでもゲームや動画が見られる。情報（じょうほう）・地震速報（じしんそくほう）が見られる」。続いてリュウセイ。「ゲームができる。電話もできる。インターネットで調べられる。スマホあるだけで家にとじこもっててもだいじょうぶだから」。最後はヒカリ。「電車や車の中で音楽やゲーム、動画が見られる。電車で遠いところへ行くとき、ゲームしたり音楽をきいたりしているうちにあっという間に着くから便利だと思う」。なんだか、３人ともゲームと音楽のことばかりのようですが…。 【scene 04】 考えの整理をふりかえってみると… スマートフォンはどうして便利なのか、デーモン閣下はあまり納得（なっとく）できなかったようです。３人は発表をふりかえってみます。「ヒカリはスマホだったら持ち歩けるって言うけど、携帯（けいたい）電話でも持ち歩けるじゃん」とコウセイ。そう言われて、「あぁ、たしかに」とヒカリ。「ほとんどのことがパソコンやタブレットでできるからね」とリュウセイ。「じゃどこが便利なんだろう？」。「どうしてスマホ使ってるんだろうって思っちゃう」。「わかんない」。３人とも、頭の中がまったく整理されていないようです。 【scene 05】 ポイントその(1) 何かとくらべて理由を考える 「吾輩（わがはい）が、考えを整理する上で大切なポイントを三つさずけてやろう」とデーモン閣下。ポイントその１．何かとくらべて理由を考える。そうすると、スマートフォンならではの便利な理由が見つかります。３人の発表では、便利なのは音楽、ゲーム、動画、電話、インターネット…。実は、これらは携帯（けいたい）電話でもできること。なぜスマホこそが便利なのかを説明する理由には不十分です。ここで大切なのは、くらべてみること。たとえば、画面の大きさ。スマホと携帯電話をくらべてみると、スマホのほうが画面が大きくて見やすいといえます。 【scene 06】 ポイントその(2) 根拠を書く ポイントその２．根拠（こんきょ）を書く。根拠とは、理由をより具体的に説明する情報（じょうほう）のことです。「スマホは便利」という考えに、「画面が大きくて見やすいから」という理由を挙げました。これをさらに具体的に説明すると、平均（へいきん）的なスマホの画面の大きさは縦（たて）11cm、横６cm。携帯（けいたい）電話の画面より大きいことがはっきりします。理由に対して根拠を考えましょう。 【scene 07】 ポイントその(3) 理由と根拠は複数書く ポイントその３．理由と根拠（こんきょ）は複数（ふくすう）書く。理由と根拠は、一つだけではなくいくつかあることで説得力がますのです。「そこで今回は諸君（しょくん）に便利なものをさずけてやろう」と閣下が取り出したのは、自分の頭の中にある考えを整理するための図です。魚の骨（ほね）のようなこの図、“フィッシュ・ボーン図”とよばれています。魚の頭の部分に「自分の考え」、大きな骨に「理由」、内側の小さな骨にその理由の「根拠」を書いていきます。すると、自分の考えに対しての複数の理由と根拠が整理されるという仕組みです。ポイントをふまえて、もう一度チャレンジです。 【scene 08】 もう一度チャレンジ まず３人は、スマホと携帯（けいたい）電話をくらべてみることにしました。インターネットや本で調べながら、スマホが便利な理由を見つけていきます。写真の画質（がしつ）についてくらべ、スマホは画質のきれいな写真がとれるという理由を書きました。ここで、フィッシュ・ボーン図の登場です。魚の頭の部分に自分の考え『スマホは便利』と書き、その理由を四つ書き出しています。理由の内側には具体的な根拠（こんきょ）を書いていきます。 【scene 09】 理由、根拠、そして情報の出所 ヒカリは、理由に「アプリを自由に入れられる」、根拠に「ネットにたくさんのアプリがある」、「自分の好きなアプリを選べる」と書くことができました。OK！　コウセイは、「画面がきれい」、「操作（そうさ）が楽」、「容量（ようりょう）が多い」、「写真がきれい」と四つの理由を挙げ、「写真がきれい」の根拠（こんきょ）として、「携帯（けいたい）電話より10倍もきれいな写真がとれるから」と書きました。どこで情報（じょうほう）を手に入れたか、調べたサイトの名前も書きました。OK！　今度はうまく発表できるのでしょうか。 【scene 10】 説得力のある説明ができた！ リュウセイが挑戦（ちょうせん）します。「スマホは便利だと思います。なぜなら、操作性（そうさせい）がよい。スマホはスライドすることで操作ができるけど、ガラケーは何回もボタンをおさないと操作ができない…。次に、表現性（ひょうげんせい）がよい。スマホはアプリを使って動画やパワーポイントを作ることができて…」。『スマホは便利だ』という自分の考えに三つの理由と根拠（こんきょ）を挙げることで、説得力のある説明をすることができました。OK！ 「前はスマホのいいところがはっきりとわかってなかった。これ（フィッシュ・ボーン図）ですっきりしました」（リュウセイ）。「できました～！」。OK！ 【scene 11】 いろいろな図で試してみよう 「考えを整理する方法、わかったかな。考えるとき役に立つ図は、いろいろとあるぞ。試してみるがよい」。閣下はそう言って消えていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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まとめる　表とグラフで表現する

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自分の頭の中にある考えを整理（せいり）して説得力（せっとくりょく）を持たすには？デーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

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【scene 01】 今回は、「表とグラフで表現する」 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「よく来たな。今日は諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまくまとめる技（わざ）をさずけてやろう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今回は、表とグラフで表現（ひょうげん）する技だ。諸君も、調べた情報を表やグラフにしたことがあるのではないかな？　これらを使うと、数字などの情報を人にわかりやすく伝えることができる。まずは、表とグラフを作るための調査（ちょうさ）に行ってもらおう！」。 【scene 02】 『乗用車は何色が多いか』 今回のテーマは、『乗用車は何色が多いか、色別に表やグラフにまとめる』。街を走る乗用車の色を調べて、色別に表やグラフにまとめてもらいます。挑戦（ちょうせん）するのは、サヤカ、ミキ、カイセイの３人。３人がやってきたのは、たくさんの車が通る東京・渋谷の道路。ここで車の色を数えます。調査（ちょうさ）スタート！ 「赤、赤、青…」。ミキが車の色を伝え、サヤカとカイセイがタブレット端末（たんまつ）で数を足していきます。「灰、白、白、オレンジ…」。次々に色を言っていくのもけっこう大変なようです。数え始めて一時間。ここで終了（しゅうりょう）！ 【scene 03】 「全国」と「渋谷」の二つのグラフを作る 調べた情報（じょうほう）を表にします。渋谷を走る乗用車の数が色別にまとめられました。「ここからが本題だ。ここに全国の車の色の情報がある。全国と渋谷の二つの表からグラフを作り、車の色の割合（わりあい）をくらべるのだ。ちょっとむずかしいぞ」とデーモン閣下。車の色の割合、たしかにむずかしそうです。たとえば渋谷の表を見ると、全体で956台。そのうち黒い車はおよそ304台…。３人はさっそくグラフ作り。どんなグラフにするか、それぞれ考えます。サヤカはコンパスを使って円グラフをかくようです。カイセイは電卓（でんたく）を使って何度も計算しています。それぞれグラフをかきあげて、完成！ 【scene 04】 目もりが合わない、記入もれがある ミキは棒（ぼう）グラフです。グラフを二つならべてみると、「全国」のグラフは縦軸（たてじく）の真ん中あたりが「1000万台」の目もり。しかし「渋谷」のグラフは、同じところが「224台」の目もりになっていました。数がちがいすぎてくらべにくくなっています。サヤカは円グラフ。でも「渋谷」のグラフがどっちなのかわかりません。カイセイも円グラフです。ところが「渋谷」の円グラフは、２か所に車の色が書いてありません。さらに「全国」のグラフは、１か所何も書いてないところが。 【scene 05】 グラフ作りをふりかえってみると… ３人はグラフ作りをふりかえってみます。ミキの棒（ぼう）グラフを見てみると、「このグラフじゃ割合（わりあい）がわかんないね」とサヤカ。カイセイも「どれが一番かっていうのはわかるけど、全体の何パーセントかというのは棒グラフではわからない」と言います。すると、「その通りだ。だがそれ以前の問題もあるのではないか？」と閣下。そう言われ、「表題が書いてない」とサヤカが指摘（してき）しました。「数字に集中しちゃって、数字書いたらもう終わったみたいな」とミキ。しまった！ 【scene 06】 ポイントその(1) タイトルや単位などの情報を記入する 「次からは、こんな『しまった！』なことにならないよう、吾輩（わがはい）がポイントを三つさずけよう」とデーモン閣下。ポイントその１．タイトルや単位などの情報（じょうほう）を記入する。３人のグラフを見てみると、全員タイトルがありません。これでは何についてのグラフなのかまったくわかりません。サヤカのグラフはさらに、割合（わりあい）を表す数字も記入されていません。グラフのタイトルや項目（こうもく）、単位、数字など、必要な情報をもれなく記入しましょう。 【scene 07】 ポイントその(2) 数値をまちがえないように確認する ポイントその２．数値（すうち）をまちがえないように確認（かくにん）する。カイセイのグラフを見てみると、表には「合計956台」。ところがグラフには「1056台」？　写しまちがい？　それとも計算まちがい？　表やグラフで数字を写す場合はとにかく慎重（しんちょう）に作業しましょう。たとえば横の線に定規（じょうぎ）をあてることで、まちがいをふせげます。数字をあつかうグラフは、正確（せいかく）さが命です。 【scene 08】 ポイントその(3) 何を伝えたいのかを考えてグラフを選ぶ ポイントその３．何を伝えたいのかを考えてグラフを選ぶ。グラフには、表す内容（ないよう）によって得意、不得意があります。渋谷の街を走る車は何色が多いのか。その台数を割合（わりあい）で見る場合、円グラフを使えばよくわかります。しかし、「全国」の円グラフとならべて見たときは、くらべる項目（こうもく）の位置がずれたりしてよくわかりません。円グラフはグラフどうしでくらべるのが不得意なのです。そこで便利なのが、帯グラフ。帯グラフも「渋谷」の車の色の割合がよくわかります。さらに、「全国」の数値（すうち）を帯グラフにしてならべると、割合のちがいもよくわかるのです。 【scene 09】 もう一度チャレンジ ポイントをふまえて、みんなで再挑戦（さいちょうせん）。３人で作業を分担（ぶんたん）して帯グラフを書いていきます。サヤカは表に定規（じょうぎ）をあて、数字を読み上げて確認（かくにん）。カイセイは情報（じょうほう）をていねいにグラフに書きこんでいきます。さらに、ミキが数字を確認。最後に帯グラフを色でぬりわけ、タイトルをしっかり書きこんで、完成です！　グラフを見ると、ひと目で割合がわかります。渋谷では黒が31.8％、全国では黒は14.3％。渋谷では白が23.4％、全国では白は47.4％です。「渋谷では黒が多かったけど、全国的には白がいちばん多いんだね」とサヤカ。「できた～！」。OK！ 【scene 10】 ひと目で数字の情報が伝わる 「ひと目見て数字の情報（じょうほう）が伝わる表やグラフは、とても便利なものだ。ちなみに、今、吾輩（わがはい）の心をしめていることを円グラフで表してみたぞ」。閣下は円グラフを見せます。「金やテレビのことが気になるところなど、まあ、諸君（しょくん）と変わらんな」。閣下はそう言って消えていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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１人１台端末活用編（１）アンケートで意見をあつめよう

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「１人１台端末を活用する技」をデーモン閣下が伝授してくれるシリーズ。１本目はオンラインでアンケートを上手に作るには？質問や選択肢作りの工夫について学びます。

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【】 オープニング 21世紀を乗り切る力。必要なのは、「しらべる、まとめる、つたえる」力だ。ところがこれがむずかしい！　三つの言葉の最初の文字をつなげると、“し・ま・った！”ではないか！ 【scene 01】 オンラインでアンケートを作る技 「よく来たな。ここは吾輩（わがはい）の城（しろ）。情報（じょうほう）をうまく使えるようになる技（わざ）がかくされた場所だ」とデーモン閣下（かっか）。「見たまえ。わが城では１人１台コンピューターを使って、オンラインで会話をしたり、スライドを共同編集（へんしゅう）したり。どこにいても作業ができるのだ。諸君（しょくん）は使いこなしているか？　では、アンケートで意見を集める技は使えるかな？　オンラインでアンケートを作れば、いつでもどこでも回答してもらえて、結果も自動で集計されるのだ。さっそく挑戦（ちょうせん）してもらおう。『しまった！』なことにならないよう、心してかかれよ」。 【scene 02】 テーマは『理想の給食のこんだてを作ろう』 今回、オンラインでアンケート作りに挑戦（ちょうせん）するのは、ナツキ、ヒロタロウ、アイカの３人。テーマは、『理想の給食のこんだてを作ろう』。アンケートで意見を集めて、みんなが喜ぶ栄養満点の理想のこんだてを考えます。まずそれぞれのパソコンを使ってアンケートを作ります。アイカが考えたのは、『給食は好きですか？』。そこから聞く？　ヒロタロウは、『どんな給食にしたいですか？』としました。“どんな給食”ってずいぶんあいまいな質問（しつもん）ですね。『おかずは何がいいですか？』、『野菜は何がいいですか？』という質問も考え、回答を記述（きじゅつ）式にしました。 【scene 03】 できあがったアンケートは？ 「できました」。３人が作ったアンケート。『① 給食は好きですか？』。『② 今のこんだてを変えたいと思いますか？』。これらは選択（せんたく）式で答えます。そしてこんだてを変えたいと答えた人は、『どんな給食にしたいか』を記述（きじゅつ）式で答えます。野菜や汁もの、おかずなど、それぞれ食べたいものも、記述式で自由に答えを書くのです。「めっちゃいいと思います」とヒロタロウ。アイカも「楽しみ」と言います。 【scene 04】 集まった回答でこんだて作り 今回アンケートに答えてくれたのは、小学４年生から６年生の23人。集まった回答を見てみましょう。『どんな給食にしたいですか？』の答えは、全員さまざまです。「バイキング！　へぇ、レストランみたいな給食だって」。「『おかずは何がいいですか』って、ミミガーって書いてある。ミミガーって何？」。するとヒロタロウが、「１番目と２番目を組み合わせた料理。おれが組み合わせて、おいしそうなものを考えるから」と言いました。おれがおいしそうなものを考えるってどういうこと？ 「じゃあ、ミミガーとからあげを酢豚（すぶた）にしちゃう？」とヒロタロウ。「酢豚？」。えっ？ 【scene 05】 「しまった！」なこんだてに ３人が作ったこんだては…。スープとラーメン。どちらも汁ものですね。おかずは、酢豚（すぶた）。アンケートの回答にはありませんが…。「自分の家だと、からあげにすっぱいものをつける食べ方があるので」とヒロタロウ。でも、「だれも酢豚食べたいって言ってない」とナツキが言いました。ここで、「まさしく！　だれも望んでいないこんだてを書いてどうする！」と閣下。「そっか…」。「やっちゃった」。「あ～」。これは“しまった！”。 【scene 06】 ポイント(1)目的に合った質問を考える 「次からこんな“しまった！”なことにならないよう、吾輩（わがはい）がポイントを三つさずけてやろう。ポイントその１．目的に合った質問（しつもん）を考える」と閣下。今回の目的は、理想の給食を考えること。アンケートの一問目、『給食は好きですか？』は目的に関係ありませんよね。「意味なく書いちゃってた」とナツキ。目的に合わせて、どんな質問が必要か考えましょう。 【scene 07】 ポイント(2)質問は具体的に書く 「ポイントその２．質問（しつもん）は具体的に書く」と閣下。『野菜は何がいいですか？』の答えには、野菜の種類を書いている人もいれば、春雨サラダやピリ辛（から）こんにゃくなど、料理名を書いている人もいます。たとえば、『野菜は何がいいですか？』ではなく、『野菜の料理は何がいいですか？』と具体的に質問すれば、料理名を答えてほしいことがわかりますね。 【scene 08】 ポイント(3)選択肢で答えられる質問にする 「ポイントその３．選択肢（せんたくし）で答えられる質問（しつもん）にする」と閣下。こんだてについての質問を見ると、すべて記述（きじゅつ）式で答えるようになっています。結果はすべて１人か２人ずつでバラバラ。「選択肢の幅（はば）が広すぎた」とヒロタロウ。すると、「幅も何も、選択肢がないのだ！」と閣下。どんな料理がどれくらい人気なのかわかるよう、選択肢を作りましょう。たとえば『おかず』なら、肉じゃが、ぶりの照り焼き、ハンバーグ、野菜いため、マーボーなすなど。選択肢はかたよった内容（ないよう）にならないようにします。「ポイントをふまえてもういちどチャレンジしてみるがよい」と閣下。 【scene 09】 もういちどアンケート作り 質問（しつもん）を決めるためにまずは下調べです。「いつも給食に入っているもの。『主菜』と『飲み物』と、『果物』と『副菜』と『主食』」とナツキ。こんだて作りにどんな質問が必要か考えているようです。「サラダは…あ、『お野菜』という聞き方が悪かった」とヒロタロウ。『野菜』と聞いていたのを、『副菜』に言いかえてみました。これで料理について答えればいいことがわかります。「『主菜』は、たんぱく質がとれるから…」。「焼きざけ」。「さけとか納豆（なっとう）とか」。「たまご焼きも」。「このなかから選んでください、とか」。こうして、魚、肉、野菜など、栄養バランスを考えた選択肢（せんたくし）ができました。 【scene 10】 理想のこんだてが完成！ ふたたびアンケートに答えてもらいます。結果はどうでしょうか。『主食は何がいいですか？』には…。「『ごはん』が多いね。分かりやすくなった」とナツキ。「副菜は『春雨サラダ』が多い」とヒロタロウ。結果をもとにもう一度こんだて作りです。「主食は『ごはん』」。「お米に雑穀米（ざっこくまい）を少し入れてミネラルを」とヒロタロウ。みんなの意見を集めた理想の給食のこんだてができました。雑穀米入りのお米に鶏（とり）のからあげ、野菜たっぷりのコンソメスープなど、バランスのよいこんだてになりました。「できたー！」。「うまそうだな。悪くないだろう」と閣下。OK！ 【scene 11】 オンラインのアンケートで答えやすく 「アンケートを作るときには、１．目的に合った質問（しつもん）を考えろ。２．質問は具体的に書け。３．選択肢（せんたくし）で答えられる質問にせよ。この三つのポイントを心得るがよい。ちなみに吾輩（わがはい）が今アンケートで聞きたいのは、人には言いにくいなやみについてだ。面と向かって答えづらいことも、オンラインのアンケートなら書きやすいのではないか？　はげまして、元気が出るような曲でも作るとするか。ふははははは」。閣下はそう言って消えていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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１人１台端末活用編（２）共同編集で考えをまとめよう

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「１人１台端末を活用する技」をデーモン閣下が伝授してくれるシリーズ。２本目は共同編集しながら話し合ってグループの考えをまとめる活動に挑戦します。

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【】 オープニング 「しらべる、まとめる、つたえる」。この技（わざ）、大切だけどむずかしい。“し・ま・った！”。 【scene 01】 デジタルホワイトボードで共同編集 「よく来たな。吾輩（わがはい）が今何をしているかって？　デジタルホワイトボードを使って、ライブで演奏（えんそう）する曲の順番を決めているのだ。おっと、だれかが勝手にふせんを動かしているな。実は、スタッフたちと共同編集（へんしゅう）しながら考えているのだ」とデーモン閣下（かっか）。「今回、諸君（しょくん）に伝授（でんじゅ）するのは、共同編集で考えをまとめる技（わざ）。全員の意見を見ながら整理したり、話し合ったりできるので、とても便利なのだ。吾輩はもうなれたものだが、諸君はできるかな？　ふははははは」と言いました。 【scene 02】 学校でのケガをふせぐためのスローガン作り 今回は、ミズキ、ユウスケ、アイカ、スズに共同編集（へんしゅう）で考えをまとめてもらいます。今回のテーマは、『学校でのケガをふせぐためのスローガンを作ろう』。まずは、学校の中でケガが起こりそうな場所を調べます。「こっち（かべ側）に手すりがない。転んじゃう」。「たしかに」。タブレットで階段（かいだん）の写真をとるアイカとスズ。一方、「こういう出てるところが、足が引っかかったりするからあぶない」。ミズキとユウスケは教室のロッカーの下段に置かれたバッグからはみ出したかばんのひもに気づきました。写真をとって、「OK！」。見つけたことをもとにスローガンを決めていきます。 【scene 03】 意見をふせんに書きだして整理しよう 話し合いで使うのは、共同編集（へんしゅう）ができるデジタルホワイトボード。みんなで同時にふせんに文字を入力してはることができ、ふせんは好きな場所に移動（いどう）できます。まずは、それぞれの考えをふせんに書き出しているようです。『階段（かいだん）の手すりがなく転びそう』というコメント。どんなケガが起こるか書いているんですね。そして、『階段に矢印を付ける』。ケガをふせぐ方法についてでしょうか。『ろうかなどに新聞をはる』は、スローガンの見せ方について。書くテーマがバラバラです。そして、どれがだれの意見なのかわかりません。 【scene 04】 ふせんに赤丸をつけたり動かしたり… すると、「よくケガが起きると思うものに、赤丸」とスズが言い、みんなでボードのふせんに赤丸をつけます。みんな同時に書きこんでいますが、まとめの作業でしょうか？　今度はスズが、「一回、赤丸消して整理していい？」と言いました。「いい」。「はい」。あれ？　せっかく書いた線をもう消す？　さっきまでの作業は何だったのでしょう？ 「ここからどうやってまとめるか」。「ほかのものをいったん左上にならべておいて…」。ふせんがいろいろなところに動いていますが、何がどうなっているのでしょう。 【scene 05】 ふせんを消してしまったり？ すると、「わかりにくくなっちゃうから、『階段（かいだん）で足がひっかかる』と『ロッカーからひもが出ている』は消さないで、あとは消していいと思います」（ユウスケ）という意見が。みんなも賛成（さんせい）し、すごいいきおいでふせんが消されていきますが…。ここで、「ちょっと待て、諸君（しょくん）。何をやっているのだ」と閣下が言いました。「なんで消しているんだろうって思っていたけど、消していいのかなと思って、じゃあわたしも消そうという感じで消してました」（アイカ）。“しまった！”。「これでは話し合いにならないだろう」と閣下。 【scene 06】 ポイント(1) ふせんに書くテーマを決める 「やれやれ。１万年、いや10万年たってもまとまらないぞ。大事なのは次の三つのポイントだ」と閣下。ポイントその１．『ふせんに書くテーマを決める』。話し合いをふりかえりましょう。スズは“どんなケガが起こるか”、アイカは“ケガをふせぐ方法”、ミズキとユウスケは“スローガンの見せ方”について書いています。「バラバラではないか」と閣下。ふせんには何について書くのか、テーマを決めてから作業を始めましょう。 【scene 07】 ポイント(2) 使い方のルールを決めておく ポイントその２．『使い方のルールを決めておく』。ふせんの色は黄色と青がありましたが、どういう決まりがあったのでしょう？ 「いや全然」。「決まってはいない」。すると、「どのふせんがだれの意見かわからんだろう」と閣下。ほかにも、何度もふせんを囲んだり消したりをくりかえしていましたが？ 「ぐちゃぐちゃに丸つけされていて見づらかったのでとちゅうで消しました」（アイカ）。「これも“しまった！”だな」と閣下。共同編集（へんしゅう）で考えをまとめるときには、“ふせんの色づかいはどうする？”、“書いたふせんはどこに置く？”など、グループの中であらかじめ使い方のルールを決めておきましょう。 【scene 08】 ポイント(3) 目的に合わせて情報をならべかえる ポイントその３．『目的に合わせて情報（じょうほう）をならべかえる』。共同編集（へんしゅう）でたくさんの意見が出たら、整理してまとめる必要があります。そんなときは、“思考ツール”が役に立ちます。順序（じゅんじょ）づける、分類するなど、整理する目的に合わせて選びましょう。今回は、しぼりこむ“焦点化（しょうてんか）”の作業なので、ピラミッドチャートが役に立ちます。「ポイントをふまえて、もういちどチャレンジしてみるがよい」と閣下。 【scene 09】 “ピラミッドチャート”を使って 「ふせんの色、変えたほうがいいよね？」。「だれが何色にする？」。一人ひとりふせんの色を決めて考えていくようです。ふせんを色ごとに置いて、だれがどんな意見を書いたのかわかりやすくなりました。ふせんに書く内容（ないよう）は、『階段（かいだん）から落ちてしまう』、『転びそう』など、“どんなケガが起こるか”にしぼりました。ピラミッドチャートでは、話し合いで意見を選んで上の段にあげていきます。まずは、いちばん下の段にすべてのふせんをならべて…。「『階段…』は上にあげたほうがいいと思う」。「わたしも」。「ぼくもそう思います」。話し合いながら、大事だと思う意見にしぼっていきます。 【scene 10】 スローガンの完成！ 『階段（かいだん）でぶつかって落ちてしまう』。みんなが賛成（さんせい）した意見はまとめて二段目にあげます。「足を引っかけてしまう」。「ぼくもそれを伝えたい」。「じゃ、これを上にあげます」。『荷物が出て引っかかる』をいちばん上の段に移動（いどう）しました。最後は、“よく起こりそうなケガかどうか”を基準（きじゅん）にしぼりこむようにしたようです。スローガンを発表してもらいましょう。『はみ出し　きけん　かたづけよう！』。イラストでそえたのは、ミズキとユウスケが写真にとっていたあのロッカーです。教室にスローガンをはって、「できたーっ！」とみんな。「やればできるではないか」と閣下。OK！ 【scene 11】 三つのポイントをわすれずに 「１．ふせんに書くテーマを決めろ。２．使い方のルールを決めておけ。３．目的に合わせて情報（じょうほう）をならべかえろ。この三つのポイントをおさえなければ、永遠（えいえん）に議論（ぎろん）がまとまらない。よく覚えておくのだぞ。さて、演奏（えんそう）する曲の順番を考えているとちゅうだったな。そうだな…。最初は『太陽がいっぱい』か？ 『SOLA』か？　上手にまとめるといっても、なかなかなやましいものだな。ふははははは。ふははははは」と閣下が言いました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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伝える　話す力を高める

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スピーチのとき、どう話すと人に伝わりやすいか、人の興味を引きつけるにはどうすればいいか。デーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

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【scene 01】 今回は「話す力を高める」 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「今回は諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまく伝える技（わざ）をさずけてやることにしよう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今日は、話す力を高める技だ。自分の考えや調べたことは、しっかりと人に伝えたいものだ。ところがいざやってみると、ちゃんと伝わらず、『しまった！』となったことが諸君にもあるのではないか？　心配はいらないぞ。話のスペシャリストのこの吾輩（わがはい）の技をぬすめばいいのだ！」。 【scene 02】 『わたしの好きなもの』 今回は、カイセイ、ミキ、シュンヤに、１分間スピーチに挑戦（ちょうせん）してもらいます。テーマは『わたしの好きなもの』。食べ物、遊び、歴史人物、太鼓（たいこ）、動物…。３人ともなかなか考えがまとまらないようですが…。カイセイは「戦国大名の武田信玄（たけだ・しんげん）」、ミキは「動物」、シュンヤは「太鼓」について話すことに決定。話したいことを書き出していきます。自分の好きなことだから、みんな余裕（よゆう）でしょう…。 【scene 03】 一方的な早口、原稿ばかり見ている では発表です。まずはミキから。「これから、好きなもののスピーチをします。わたしは動物が好きです。動物のなかでも特に犬が好きです。犬のなかでもしば犬（いぬ）は大好きです。少しかための毛とかわいい目が好きです…」。犬がいちばん好きなんですね。「…というところが、とてもカッコよくて大好きです」。とにかく好きみたい。続いてシュンヤ。「ぼくは太鼓（たいこ）を習っています。太鼓は、面をたたくと『ドン』という音がします。まわりをたたくと『カッ』という音がします。太鼓はとっても楽しい…」。太鼓が好きなようですが、ずっと原稿（げんこう）ばかり見ています。 【scene 04】 話がまとまらずだらだらと そしてカイセイ。「ぼくの好きな歴史人物は武田信玄です。この人は戦国時代の武将（ぶしょう）で、いろんな戦いに出ています…」。カイセイは１分すぎてもまだしゃべっています。シュンヤもミキもたいくつそう。あまり話を聞いていないようです。「好きな理由は、戦いで負けない勝負強さにひかれるからです。武田信玄が大好きです」。武田信玄を好きな理由が最後に出てきました。 【scene 05】 スピーチをふりかえってみると… タブレットで、自分たちのスピーチをチェックします。ミキのスピーチを見直してみて、「はやい！」とシュンヤ。カイセイのスピーチは、「まず信玄は戦について…それに、すぐれた人は…それに農民のために…たとえば自分の国で商売をやるには…」。これを見たカイセイ自身が「話がまとまってない！」。話がだらだら続いていました。シュンヤのスピーチは、「ぼくは太鼓（たいこ）を習っています…」と、ずっと原稿（げんこう）を見ています。カイセイに「もうちょい、原稿を覚えていたほうがよかった。ずっと下を向いてて前を見てなかった」と言われ、「気づかなかった…」とシュンヤ。しまった！ 【scene 06】 ポイントその(1) 聞き手を見て話す 「おまえたち、何かわすれてはおらぬか。何のために情報（じようほう）を伝えるのだ。そう、人にわかってもらうためであろう？　ならば、『伝える相手を意識（いしき）する』。これが最も大切なことと心得よ。ポイントは三つだ」とデーモン閣下。ポイントその１．視線（しせん）を聞き手に向けて話す。シュンヤはずっと原稿（げんこう）を見ながら話していました。これでは聞いている人がたいくつしてしまいます。顔を上げて、聞き手を見て話しましょう。 【scene 07】 ポイントその(2) “間”を意識して話す ポイントその２．“間（ま）”を意識（いしき）して話す。たとえばミキのスピーチ。「犬のなかでもしば犬は大好きです。少しかための毛とかわいい目が…」。早口でまくしたててどんどん話が進んでしまい、頭に入りません。「たとえば、吾輩（わがはい）は相撲（すもう）が好きだ。その理由は●スポーツでありながら日本の伝統（でんとう）文化でもあるからだ」と閣下が話します。このとき、「●」のところで“間”を空けています。実はこの“間”で、「わかるかな？」と聞き手に投げかけています。「その理由は●スポーツでありながら…」。このわずか２秒ほどの“間”で、相手と心の通じ合う時間ができたのです。 【scene 08】 ポイントその(3) 結論から話す ポイントその３．結論（けつろん）から話す。カイセイの原稿（げんこう）を見ると、「頭脳（ずのう）を働かせて勝った…すぐれた人は家臣（かしん）にした…馬をたくさん育てた…」など武田信玄について知っていることがずらり。いちばん伝えたいのはどれ？　そこでスピーチのコツ。まず「はじめ」で、いちばん伝えたいこと、つまり結論を一言で話します。次は「中」。聞き手がイメージしやすいよう、例を挙げてくわしく話します。そして「おわり」では、「はじめ」で言った結論をくりかえしてまとめましょう。「伝えたいことはくりかえす。鉄則（てっそく）だ」と閣下。 【scene 09】 もう一度チャレンジ もう一度チャレンジです。カイセイは、「はじめ」、「中」、「おわり」と、伝えたいことを整理しています。はじめ、「ぼくの好きな歴史人物は武田信玄です」。ちゃんと結論（けつろん）から言いました。中、「謙信（けんしん）が頭上から刀をふり下ろし…」。具体的な話が入り、聞き手もうなずいています。おわり、「だから戦いに強く、住民につくした武田信玄が大好きです」。結論をくりかえしてまとめています。OK！　シュンヤは聞いている人の顔を見て話せています。OK！　そしてミキ。「わたしは犬が好きで、特にしば犬が好きです。なぜかわかりますか？●それは…」。“間”も入りました。「できた～！」。OK！ 【scene 10】 その先を聞きたくなるような工夫 「吾輩（わがはい）はスピーチをするときに、ある工夫をしている。それは、聞き手がその先を聞きたくなるような工夫だ。え？　それはどんなことかって？　先が聞きたくなっただろう？　今のこの技（わざ）よ」。閣下はそう言って消えていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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伝える　新聞を作る

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調べた情報やクラスの出来事などをまとめる新聞。新聞作りには。読む人に情報を伝えやすくするための様々な技があります。デーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

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【scene 01】 今回は「新聞を作る」 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「今日は諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまく伝える技（わざ）をさずけてやろう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今回は、新聞作りだ。諸君も、授業（じゅぎょう）で調べた情報やクラスのできごとなどを、新聞にしたことがあるのではないかな。新聞作りには、読む人に情報を伝えやすくするためのさまざまな技がある。それを、手に入れてみたくはないか？　まずは、じっさいに新聞を作ってみるがいい。待っているぞ」。 【scene 02】 『自転車についての新聞を作ろう』 今回、挑戦（ちょうせん）するのは、シュンヤ、サヤカ、コウセイの３人。テーマは、『自転車についての新聞を作ろう』です。シュンヤは体験記事を担当（たんとう）。電動アシスト自転車に初挑戦です。「電源（でんげん）を入れて、走ってみましょう。おー、速い！　すげー！　楽だわ、これ！」。シュンヤの体験、大成功です。一方サヤカは、自転車屋さんで最新情報（じょうほう）を取材。売れすじの自転車の色などの情報を集めます。そしてコウセイは、インターネットで自転車の歴史調べ。1817年、『ドライジーネ』という二輪車がドイツで発明されたなど、細かく調べています。 【scene 03】 体験の感想は？　年代順に自転車の紹介だけ？ 紙面の上３分の１をシュンヤ。真ん中をサヤカ、下３分の１をコウセイと決めました。調べたことをまとめて記事を書いていきます。そして記事をはりつけて、「できました～！」。タイトルは、『自転車調査（ちょうさ）新聞』。まずシュンヤの体験記事。『進化する自転車』という見出しで、バッテリーの説明、コントローラーの説明が。でも体験した感想はどこ？　一方コウセイの記事は、「最初の自転車は『ドライジーネ』…」と、年代順に自転車の紹介（しょうかい）をしているだけ？　そしてサヤカの記事。今売れている色や、パーツが軽くなっているなど最新情報（じょうほう）が満載（まんさい）ですが…。 【scene 04】 じっさいの新聞とくらべてみると… じっさいの新聞を見て３人の新聞とくらべてみましょう。記事の上には大きな見出しがあります。別の記事にも見出しがあります。サヤカの記事には…見出しがなかった！　３人は自分たちの新聞を見直してみます。「シュンヤの記事、体験じゃないじゃん」とコウセイ。「急に速度が出てとても乗りやすかったとか…」といわれ、「それ考えてなかった！」とシュンヤ。取材したときの目的をわすれていたようです。「見出しを書いてなかったから“しまった！”です」とサヤカ。「大事な情報（じょうほう）っていうのが決まってなくて、順序（じゅんじょ）が決まってない」とコウセイも反省。しまった！ 【scene 05】 ポイントその(1) 大事な記事から大きく、順番にならべる 「次からは、こんな『しまった！』なことにならないように、吾輩（わがはい）がポイントを三つさずけよう」と閣下。ポイントその１．大事な記事から大きく、順番にならべる。３人の新聞は、なんとなくスペースをわりふって決めていました。どれが重要な記事かは考えないで、同じ大きさにしていました。新聞は、いちばん伝えたい重要なことを最初に大きくあつかい、２番目の記事は少し小さく、というように、大切な記事がひと目でわかるようになっているのです。 【scene 06】 ポイントその(2) 記事の要約をはじめに書く ポイントその２．記事の要約をはじめに書く。コウセイの記事を見てみると、自転車の発明から年代順にひたすら情報（じょうほう）をならべているだけでした。じっさいの新聞の記事を見てみましょう。学者になりたい男の子がふえているというおよそ30行の記事。実は最初の９行で、生命保険（ほけん）会社がアンケートで調べたことなど、大事な情報が要約されています。新聞記事ははじめの部分だけ読んでも、伝えたいことがわかる仕組みになっています。 【scene 07】 ポイントその(3) 見出しは短く、最後に考える ポイントその３．見出しは短く、最後に考える。「見出しは、読み手を引きつけて記事を読ませるためにとても重要なものだ」（閣下）。たとえば、宇宙（うちゅう）飛行士へのインタビュー記事の『努力した経験（けいけん）こそ成長させる』という見出し。どうやってこの見出しがつけられたかというと、記事を読んでいくと…ありました。宇宙飛行士が、『努力した経験のほうが、みなさんを成長させてくれると思います』と語っています。記者は、記事を書いてから、この言葉が読み手を引きつけると考え、短くして見出しにしたのです。「新聞は読みやすさが命だ。ポイントをふまえて、もう一度チャレンジしてみるがよい」（閣下）。 【scene 08】 もう一度チャレンジ まずはレイアウトを相談。知りたい情報（じょうほう）が多い自転車屋の取材記事をトップに、体験記事を２番目、歴史の記事は３番目にしました。大きさを見るだけで、どれがいちばん伝えたい記事かわかります。OK！　コウセイの記事は、自転車が誕生（たんじょう）してから200年の歴史をまとめた記事だと最初に要点を書いています。OK！　シュンヤの見出しは、電動アシスト自転車を体験してみたら楽でびっくりしたという記事のキーワードを組み合わせて、『ビックリ体験　電動アシスト』としました。OK！　サヤカも、「最新情報」というキーワードから、見出しを『自転車の最新情報』と決定。「できた～！」。OK！ 【scene 09】 伝えたい情報と求められる情報と

しまった！～情報活用スキルアップ～

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伝える　プレゼンテーションを作る

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180238_00000

集めた情報を発表するプレゼンテーション。伝えたい情報をプレゼン用にスライドにまとめるときにはどんなポイントがあるのか。デーモン閣下が、その技を伝授してくれます。

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【scene 01】 今回は「プレゼンテーションを作る」 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「今日は諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまく伝える技（わざ）をさずけてやることにしよう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「今回は、プレゼンテーションを作る技だ。プレゼンテーションでは、写真やグラフなどを見せながら、相手にわかりやすく発表することが大切だ。いくらすぐれた原稿（げんこう）ができても、それを魅力（みりょく）的に伝えられないと、台無しだ。さっそく挑戦（ちょうせん）してもらおう。聞き手をなっとくさせるのだ！」。 【scene 02】 『ゴミをへらそう』 今回、チームで挑戦（ちょうせん）するのは、ホズミ、ヒカリ、リュウセイの３人。プレゼンのテーマは、『ゴミをへらそう！』です。まずは、ゴミ問題について本やインターネットで調べていきます。「日本はね、一年間に５億トンのゴミを出しているんだって」とリュウセイ。これにはヒカリもちょっとびっくり。ホズミは、もやすゴミの中身について、グラフで伝えることにしたようです。 【scene 03】 原稿と発表用スライドを作る 次に、話す内容（ないよう）を原稿（げんこう）にしていきます。『それは、ゴミを出すということは自然破壊（はかい）につながっているからです…』というヒカリの原稿に、「ぜんぜん説明が足りないんだよ」とホズミ。「でもアドリブでだいじょうぶでしょう」とリュウセイ。アドリブ？　余裕（よゆう）ですねえ。原稿ができたら、プレゼンソフトを使って、発表用のスライドを作っていきます。写真がいっぱい！　画面の効果映像（えいぞう）も入れて、もう仕上げ？　順調そうですが…。では発表してもらいましょう。 【scene 04】 いざプレゼン 聞き手のみなさんの登場です。ホズミ、ヒカリがスピーチ担当（たんとう）、リュウセイはパソコンでスライドを出します。「スーパーやゴミ収集（しゅうしゅう）所で見かける、エコ活動のポスター…」。ヒカリのはっきりした声でプレゼンが始まりました。「ゴミがあることによって生き物の減少（げんしょう）が続いています。うみがめがビニール袋（ぶくろ）をくらげとまちがえてのみこんでしまうなど…」。でも、あれ？　うつし出されているスライドは、読んでいる原稿（げんこう）といっしょです…？ 【scene 05】 くわしい説明がない、話し手を決めていない 続いてホズミ。画面にグラフが出てきました。「これはもやすゴミの中身についての円グラフ。で、これは日本が…」。え？　円グラフについて説明しないの？　続いて、写真が７枚（まい）ならべられたスライド。今度はくわしく教えてくれるかな。「これも写真です。はい次」とホズミ。次？　ここも説明しない？　次は、「…」。あれ？　３人ともだまっています。さらに、なにやらもめています。だれがこのパートを話すのが決めていなかったようです。 【scene 06】 プレゼンをふりかえってみると… 聞き手の人たちはどう思ったのでしょうか。「とちゅうでつっかえてしまった」。「円グラフが小さくて…」。「写真が小さすぎてよくわからなかった」。３人もタブレットで確認（かくにん）します。「写真が多すぎるからさ、ちょっと見えないね」とホズミ。「『これも写真です』って、それは見ればわかるだろう」と閣下。「原稿（げんこう）と同じことをスライドの文章も書いてるから、書かなくてもいいよね」とホズミ。「だめだ、しまった」とみんな。しまった！ 【scene 07】 ポイントその(1) 文字は少なく、キーワードで書く 「プレゼンテーションは、聞き手に『なるほど！』とか『自分もやってみよう！』という気持ちにさせるのが目的だ。では、どうやって聞き手の心にひびくようにすることができるのか、吾輩（わがはい）が技（わざ）を伝授（でんじゅ）してやろう」とデーモン閣下。ポイントその１．文字は少なく、キーワードで書く。ヒカリの発表の場面、原稿（げんこう）をそのままスライドに書いていました。こういうときは、たとえば、「生き物の減少（げんしょう）」、「うみがめがビニール袋（ぶくろ）をくらげとまちがえる」、「一日に約100種絶滅（ぜつめつ）」とキーワードにまとめます。見やすく、わかりやすくなりましたね。 【scene 08】 ポイントその(2) 写真やグラフをしぼりこむ ポイントその２．写真やグラフをしぼりこむ。３人の作ったスライドを見てみると、１枚（まい）のスライドにたくさんの情報（じょうほう）がのっています。これでは見ている人が注目したくても、はっきり見えません。１枚のスライドにのせる情報は、たとえば「日本人が一日に出すゴミの量　なんと１kg！」のようにしぼりこむ。伝えたいことは強調しましょう。 【scene 09】 ポイントその(3) くり返し練習する ポイントその３．くり返し練習する。「勝負は準備（じゅんび）で決まる！」と閣下。「わかりやすい言葉を使っていたか」「読みは聞きやすかったか」「スライドは見やすかったか」などポイントをリストに書き出し、一つひとつチェックしていきます。本番の流れも確認（かくにん）しながら何度も練習しましょう。「プレゼンテーションは、わかりやすくスライドを見せながら、伝わりやすく説明することがポイントだ。もう一度やってみるがよい！」と閣下。スライド作りからやり直しです。わかりやすい写真を１枚（まい）選んで、説明する文字もキーワードになっています。あとは、チェックリストを使って練習あるのみ。 【scene 10】 もう一度チャレンジ もう一度挑戦（ちょうせん）です。「町では、ゴミ箱からあふれかえってしまうほど…」（ホズミ）。写真は１枚（まい）ずつ大きくうつして、ひと目でわかるようになりました。OK！ 「ゴミを出すことにより、地球温暖（おんだん）化やさばく化などの…」（ヒカリ）。文字もキーワードになり、見やすくなっています。OK！ 「三つめはねリサイクルです…」（ヒカリ）。スピーチする人、画面をしめす人、スライドを出す人、３人の息もぴったり。聞き手も興味津々（きょうみしんしん）です。「これで発表を終わります」（ヒカリ）。拍手（はくしゅ）が起き、聞き手の人たちにうまく伝わったようです。「できた～！」。OK！ 【scene 11】 失敗してもめげずに楽しく！ 「プレゼンテーション。これは、大人でも緊張（きんちょう）するものだ。失敗しても、めげずに楽しくやろうではないか。笑いやユーモアも交えるとよいぞ。ちなみに、今日のこの番組自体が、プレゼンテーションを成功させるためのプレゼンテーションだったわけだ。何？　よくわからなかった？　しまった！」。閣下はそう言って消えていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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伝える　具体的に伝える

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デーモン閣下が小・中学生に情報を活用する技を伝授！今回のテーマは「具体的に伝える」。どうなれば、具体的に伝えたことになるのか。そのスキルについて学んでいく。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180180_00000

【scene 01】 今回は「具体的に伝える」 「しらべる、まとめる、つたえる」。三つの言葉の最初の文字をつなげると、“しまった！”となる。――「今日は諸君（しょくん）に、情報（じょうほう）をうまく伝える、究極の技（わざ）をさずけてやろう」。デーモン閣下（かっか）の登場です。「それは、具体的に伝える技だ。諸君は、大人たちから、『言ってることがよくわからない。もっと具体的に言いなさい』としかられたことはないか？　しかし、この『具体的に言う』というのが、けっこうむずかしいのだ。今日は、この『具体的』とは何か、具体的に伝えるためにはどうすればよいのかを教えてやろう。もちろん、具体的にな。」 【scene 02】 『質問に“具体的”に答える』 今回集まったのは、ホズミ、ヒカリ、コウセイの３人。今日は、『質問（しつもん）に“具体的”に答える』。さっそく質問です。「今食べたいのはどんな果物（くだもの）？」。まずはホズミ。「ぼくは、ももです」。ヒカリは「わたしは、りんごです」。コウセイは「ぼくは、ぶどうが好きです」。具体的にと言ったのに、それだけ？ 「これこそ『しまった！』だな。かりに吾輩（わがはい）が、食べたい果物をプレゼントしてやるとしよう。ももはピンクもあれば黄色もあるぞ。りんごは一体何こ食べたいのだ。ぶどうは実の小さなほうか大きなほうか？　イメージが定まらないと、プレゼントしたくてもできないではないか。 【scene 03】 ポイントその(1) 絵や写真のように思いうかべられる 「そう。ここにポイントがあるのだ。つまり、『イメージが定まらない』。これこそが、『具体的ではない』ということだ」と閣下。そこで、ポイントその１．相手が絵や写真のように思いうかべられること。たとえばももなら「ピンク色のもも」、りんごは「５このりんご」、ぶどうは「実が大きい巨峰（きょほう）」など、聞く側がイメージできるように、色、数、大きさや形といった情報（じょうほう）を入れることで、具体的になるのです。「どうだ？　少しむずかしいかな」。 【scene 04】 ポイントその(2) “5W1H”を交えて話す 具体的に伝えやすくするための技（わざ）。ポイントその２．When、Where、Who、What、Why、Howの“5W1H”を交えて話す。5W1Hとは、Whenいつ、Whereどこで、Whoだれが、Whatなにを、Whyなぜ、Howどのようにということ。5W1Hを取り入れることで、情報（じょうほう）が具体的になっていきます。 【scene 05】 『楽しかった旅行は？』 5W1Hをできるだけ取り入れて、答えてもらいます。『楽しかった旅行』について、“具体的に”答えてください。まずはヒカリ。「わたしが楽しかった旅行は、去年の６月に群馬県に行ったときがすごく楽しかった。そこでは５年生全員で森の中を歩いて、自然にふれあえたので」。では確認（かくにん）です。いつ＝去年の６月に、どこで＝群馬県で、だれが＝５年生全員が、なにを＝森の中を歩いた。5W1Hを取り入れたことで、楽しかった旅行について具体的に話すことができました。 【scene 06】 具体的に話すことができた ではホズミ。「楽しかった旅行は、去年の夏に、おじいちゃんとおばあちゃんをふくめた家族で行った、日光東照宮（とうしょうぐう）というところです。“見ざる言わざる聞かざる”や有名な建物がおもしろかった」。いつ、だれが、どこで、なにが。しっかり5W1Hが入ってますね。最後はコウセイ。「ぼくが楽しかった旅行は、４歳（さい）のころに、北海道へ家族と行った旅行です。トロッコに乗ったりしてとても楽しかった」。みんな、5W1Hをできるだけ取り入れて、具体的に話すことができました。OK！ 【scene 07】 ポイントその(3) 相手の聞きたいことは何か？ を考える 「では最後に、具体的に伝えるためのさらに高度な技（わざ）をさずけてやろう」と閣下。ポイントその３．相手の聞きたいことは何か？ を考える。「相手が知りたい内容（ないよう）をはっきりイメージできるように伝えられれば完璧（かんぺき）だ」。ではふたたび質問（しつもん）。『いままでで一番楽しかった旅行は？』。さっきの質問とどこがちがうのでしょう。「一番ってことは…。その旅行が一番楽しいと思った理由ってこと？」とコウセイ。「ただ楽しいんじゃなくて、すごく楽しかったということを伝えたい。その理由」とホズミ。「理由か」。その通り。では、一番の理由を入れて、答えてください。 【scene 08】 もう一度チャレンジ まずはヒカリ。「わたしが一番楽しかった旅行は、去年の６月、５年生全員で群馬に行ったことです。なぜなら、初めて友だちだけで森の中を探検（たんけん）できたからです」。なぜ一番なのか、知りたかったことが具体的にイメージできましたね。続いてホズミ。「なぜかというと、日光東照宮（とうしょうぐう）は世界遺産（いさん）に登録されていて、建物は色あざやかで、装飾（そうしょく）がとても細かく感動したからです」。最後はコウセイ。「なぜなら、そのころは鉄道が大好きで、初めて手動でトロッコを運転したからです」。みんな、一番の理由を付け加えて、具体的に答えてくれました。「できた～！」。OK！ 【scene 09】 言葉だけが具体的に伝える方法ではない 「“具体的”についてわかったかな？　ところで、なにも言葉だけが具体的に伝える方法ではないぞ。実際（じっさい）に、諸君（しょくん）にある果物（くだもの）をプレゼントするとしよう。どんな果物かって？…」。どうだ。実物を見せれば、これ以上なく具体的に伝わるだろう？」と閣下。そしてこう付け加えました。「諸君が大人になるころにはどんな世の中になっているか。今よりずっと情報（じょうほう）活用スキルが必要になっていることはまちがいあるまい。そのとき、『しまった！』とならないよう、今のうちから、しらべて、まとめて、つたえる技（わざ）をみがくのだ」。閣下はそう言って消えていきました。

しまった！～情報活用スキルアップ～

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１人１台端末活用編（３）オンラインでプレゼンテーション

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「１人１台端末を活用する技」をデーモン閣下が伝授してくれるシリーズ。３本目は「オンラインでプレゼンする技」を伝授。画面越しだからこそ大事なポイントを紹介します。

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【】 オープニング 21世紀を乗り切る力。必要なのは、「しらべる、まとめる、つたえる」力だ。ところがこれがむずかしい！　三つの言葉の最初の文字をつなげると、“し・ま・った！”ではないか！ 【scene 01】 オンラインでのプレゼンテーション 「よく来たな。諸君（しょくん）は、オンラインでのプレゼンテーションを見たことがあるかな？　オンラインならば、聞き手のいる場所に行かなくても、さまざまな場所の人たちにいっせいにプレゼンテーションができて、とても便利なのだ」とデーモン閣下（かっか）。「今回は諸君に、オンラインでプレゼンテーションを成功させる技（わざ）を伝授（でんじゅ）しようではないか。さっそく挑戦（ちょうせん）してもらおう。吾輩（わがはい）も見せてもらうぞ。ふははははは」と言いました。 【scene 02】 テーマは『日本の食の未来について』 今回挑戦（ちょうせん）するのは、ヒロタロウ、ナツキ、アオイの３人。テーマは、『日本の食の未来について』。その課題や解決策（かいけつさく）をプレゼンで説明してもらいます。時間は５分以内。さっそく日本の食の課題について調べます。「どの教科書にものっているのが、食料自給率（じきゅうりつ）という言葉」とナツキ。食料自給率や食生活の変化について書いていくようです。続いてスライドを作ります。ヒロタロウのスライドは、大好きなお米についてびっしり書かれています。アオイは…。うーん、どれも文字が多すぎるような…。「できた！　どんな反応（はんのう）してくれるか楽しみ」（アオイ）。 【scene 03】 いきなりハウリングが いよいよオンラインでプレゼンにいどみます。聞き手は、同じ学年の子どもたち４人です。それぞれ別の場所からプレゼンに参加しています。『日本の食の未来について』。では、スタート！ 「とつぜんですが、日本の食料自給率（じきゅうりつ）は…キーン」。キーンという音がしてハウリングが起きています。スピーカーから出た音をマイクが拾っていやな音が出てしまう現象（げんしょう）です。すると、「仕方がない。このイヤホンを使ってみるがよい」と閣下。そこでイヤホンを着けてもういちど。今度はだいじょうぶなようです。 【scene 04】 スライドのどこを説明している？ 「とつぜんですが、日本の食料自給率（じきゅうりつ）は年々へっています」。「食料自給率は、今、畜産物（ちくさんぶつ）が多くなっていて…」。表のどの部分について話しているのでしょう？ 「耕地（こうち）面積とは、たがやして農作物を育てている土地の実質（じっしつ）的な面積です…」。これも、いったい画面のどこを説明しているのでしょう？　「日本の伝統（でんとう）的な食べ物の、お米。でも朝の食卓（しょくたく）にならぶのはだいたいパン…」。説明は続いていますが、聞き手のみなさん、表情（ひょうじょう）が暗い。プレゼンが終わりました。「聞き手の諸君（しょくん）はどう感じたかな？」と閣下。 【scene 05】 まったく伝わっていなかった すると、「ハウリングしてました」。「うるさいなって思いました」。「文章が長々としていて、ずっと見ているとあきてきちゃう」。食料自給率（じきゅうりつ）はどうなると言っていたか聞いてみると…。「いろいろなことがあったのでわからなくなっちゃいました」。「最後のほうでごった返してわからなくなっちゃいました」。思わず頭をかかえるヒロタロウ。すると、「まったく伝わっていないではないか」と閣下。“しまった！”。 【scene 06】 ポイント(1) 発表前に機械のテストをする 「やれやれ。画面の向こうで行われる発表に興味（きょうみ）を持ち、理解（りかい）してもらうのはかんたんなことではないぞ。吾輩（わがはい）がポイントを三つさずけてやろう」と閣下。ポイントその１．『発表前に機械のテストをせよ』。発表を始めた直後、マイクとスピーカーに問題が起きてしまいました。機械をオンラインで使うときは、いろいろなトラブルが起きることも考えられます。ですから発表する前に、自分たちの声が問題なく聞こえるか、プレゼン画面が見えているか、マイクのオン・オフなどをテストして試しておきます。トラブルを解決（かいけつ）してから本番にのぞみましょう。 【scene 07】 ポイント(2) 聞き手が注目しやすいスライドを作る ポイントその２．『聞き手が注目しやすいスライドを作れ』。たとえば、お米の自給率（じきゅうりつ）を伝える表のスライド。表にはたくさんの情報（じょうほう）があり、聞き手はどこに注目したらいいかわかりません。たとえばたくさんある品目のなかから米、小麦、牛肉など情報をしぼり、伝えたいことをわくで囲んだり、色をつけたりすると、どこを見ればいいかはっきりします。また、１枚（まい）のスライドを分けて、情報を少しずつ見せるのも効果（こうか）的です。「注目してほしいところをはっきりさせ、確実（かくじつ）に情報を伝えるのだ」と閣下。 【scene 08】 ポイント(3) 聞き手が参加できる工夫をする ポイントその３．『聞き手が参加できる工夫をせよ』。オンラインでは、聞き手は発表者と同じ場所にいないので、そもそもプレゼンに集中しにくい状態（じょうたい）です。今回のように発表者が一方的に話していたら、聞き手はますますたいくつして興味（きょうみ）がなくなってしまいます。話を聞いてもらうためには、聞き手にもプレゼンに参加してもらうことが大切です。内容（ないよう）に関係するクイズを出して手を挙げてもらうなど、聞き手に参加してもらう工夫をしましょう。「では、もういちどチャレンジしてみるがよい」と閣下。 【scene 09】 音と画面の確認OK！ ポイントにそってスライドを修正（しゅうせい）します。「そろそろクイズを出そう」。「じゃあ、お米とパン、今どっちのほうが食べられているか」。「手を挙げさせる？」。スライドが完成したら、機械のチェックをします。「これで見えてる？」。「見えてる。見えてる」。音と画面を確認（かくにん）して、準備（じゅんび）はバッチリです。さぁ、聞き手のみなさんが入ってきました。「聞こえている人は手を挙げてください」と言うと、全員が手を挙げ、聞き手の音のチェックもできました。OK！ 【scene 10】 プレゼン成功！ 「昭和40年からの食料自給率（じきゅうりつ）でへっているものは…」。自給率が下がった項目（こうもく）にわくと矢印をつけて大事なところを強調しています。「みなさんは朝ごはんにお米とパンどちらを食べていますか？　お米の人は手を挙げてください」。ここに質問（しつもん）を入れたんですね。「次に、パンの人は手を挙げてください」。聞き手も楽しそうに参加しています。聞き手に感想を聞くと、「必要なものの図を入れて、ここだけを見てほしいということですごく見やすかった」、「わかりやすくてもっと聞いていたいと思いました」と言いました。聞き手を引きつけることができるようになりましたね。OK！ 【scene 11】 三つのポイントをわすれずに 「オンラインでプレゼンテーションをするときには…。１．発表前に機械のテストをせよ。２．聞き手が注目しやすいスライドを作れ。３．聞き手が参加できる工夫をせよ。この三つのポイントを心得るがよい。オンラインでコミュニケーションをとるときには、相手とのあいだに時間差、タイムラグが発生することを覚えておくとよいぞ。相手が話し終えるのを待ってから話し始めるようにするのだ。ふははははは。ふははははは」と閣下が言いました。