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新・ざわざわ森のがんこちゃん

https://www.nhk.or.jp/school/doutoku/ganko/

ラッパーのはやりうた

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130189_00000

（礼儀） 先生の質問にうまく答えられず落ち込むがんこは、ラッパーから便利な言葉を教えてもらう。次の日、その言葉を使ってみると、たちまちみんなが使うようになり…。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130189_00000

【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 すぐにことばが出てこない 「みなさん。今日（きょう）は先生が、げいじゅつさくひんをもってきました」。ヒポ先生がみんなにえを見せます。「題（だい）して、『くだものを見つめる美女（びじょ）』。このえを見てなにをかんじたかしら？」と先生。モデルの女の人はヒポ先生ににているようですが…。「うまそうギャオ」、「バランスがおもしろい」、「いろがきれい！」。いろいろなかんそうが出ます。「がんこちゃんはどう？」ときかれ、「え？　えーと、バナナです！」とがんこちゃん。「ほかには？」ときかれても、「えーと…」。なかなかことばが出てきません。「あーぁ、がんこまってたらよるになっちまうぜ」。「あははは」とみんなにわらわれてしまいます。 【scene 02】 ラッパーにおしえてもらったうた 「あーぁ、なんでああいうとき、パッパッてうまくいえないんだろう」。がんこちゃんがドーナツぬまにやってくると、ラッパーにあいました。「なにしてるの？」ときくと、「♪おいらあさからさかなつり　つりざおポッキリ　びっくりがっくり　しょうがないからおひるねぐっすり」とラッパー。「あたしもラッパーさんみたいにパパーッといえたらいいのになあ」。すると、「そんじゃ、いいうたおしえてやるぜ！」とうたいはじめました。「♪イーカナ、イーカモ、イイカンピー、ヘイ！」。ラッパーは「なんていえばいいかわかんないときは、イイカンピーって。みんなもりあがるぜ！」といいます。「そうなんだ。ありがとう！」。 【scene 03】 ♪イーカナ、イーカモ、イイカンピー、ヘイ！ つぎの日。「どう？　ぼくのあたらしいおたから」。チョビくんがじまんの石をみんなに見せています。「うまそうギャオ」、「お月さまみたいね」とみんな。「がんこちゃん、どう？」ときかれたがんこちゃん、「え、えーとねえ…」とすぐにはこたえられません。そのとき、あのうたをおもいだしました。「♪イーカナ、イーカモ、イイカンピー、ヘイ！」。みんな、あっけにとられています。がんこちゃんはみんなにもおしえてあげました。「♪イーカナ、イーカモ、イイカンピー、ヘイ！」。みんな大よろこびでたのしそうにうたっています。「すごーい！　ほんとにすごいうただ。ね、ツムちゃん！」といわれ、「え？　う、うん…」とツムちゃん。 【scene 04】 先生たちもくせになる？ 校庭（こうてい）で先生たちがはなしています。「今日（きょう）はまいりましたわ。子どもたちになにをきいても、『イイカンピー！』なんです」とヒポ先生。「あたしも『今日のきゅうしょく、どう？』ときいたら、『イイカンピー！』って」とガメさん。「なんだかみょうなことばがはやってるでごじゃるなぁ」と仙ちゃん先生。そこへ校長先生がやってきました。「あ、どうも。♪ヘーイ、みなさん、イイカンピー、ヘイ！」。あっけにとられる先生たちに校長先生は、「なんだかたのしくてですね、くせになるんですねぇこれが。♪イーカナ、イーカモ、イイカンピー！」。おもわず「ヘイ！」とあわせたヒポ先生、「あら…つい…」。 【scene 05】 がんこちゃんにクッキーの味見を おうちで、「イイカンピー！」、「ピー！」とあそんでいるがんこちゃんとがんぺーちゃん。「わたしのドレスすがた、どうかしら？」とがんこちゃんにたずねたお母さん。「イイカンピー！」といってもらってよろこんでいます。そこへ、「がんこちゃん…」とツムちゃんがやってきました。「あのね、あたし、ハーブクッキーやいてみたの」。クッキーを入れたかごをもっています。「お母さんのおたんじょうびにプレゼントしたくて。がんこちゃん、お味見（あじみ）してもらってもいい？」とツムちゃん。「うん。するする！」とがんこちゃんがいいました。 【scene 06】 「ぜーんぶまとめてイイカンピー！」 「かたちがバラバラになっちゃって。でもお母さんによろこんでもらいたくて、なんどもつくりなおしたの」とツムちゃんがせつめいします。がんこちゃんはさっそく、「いただきまーす！」とクッキーをたべてみました。「どうかしら？」とツムちゃんにきかれ、「うん。イイカンピー！」。「かたさは？」。「え？　イイカンピー！」。「あじは？　かおりは？」。「ぜーんぶまとめてイイカンピー！」とがんこちゃん。するとツムちゃんは、「そう…ありがとう。がんこちゃん、もういいわ…」というと、なんだかしょんぼりしてかえっていきました。 【scene 07】 「あのくもはなにいろ？」ときかれて 「ツムちゃーん！　なんできゅうにかえっちゃったんだろう」。ツムちゃんをおいかけてきたがんこちゃんがふと見ると、校長先生とハジメどりさんが、いわの上にすわっています。「なにしてるの？」ときくと、「いえね、空があんまりうつくしいもんですからねぇ」と校長先生が空を見上げました。つられて見上げたがんこちゃんは、「うわぁ、ほんとだ。イイカンピー！」といいます。「ねえ、あのくも、なにいろですかねぇ」と校長先生がきいてきました。「え？　くもは白でしょ？」とがんこちゃん。すると、「えーっ？　白？」と二人はびっくりしたようにいいました。「えーっ？」とがんこちゃんもちょっとびっくり。 【scene 08】 ぴったりのことば？ 「もっと、よーく見て」とハジメどりさんにいわれたがんこちゃん、「あ、あのはじっこのとこ、ピンク？」と気がつきました。「あっ、でもまんなかへんがキラキラしてるね。よーく見ると、すっごくいろんないろ！」とがんこちゃん。「それで、なんとかぴったりのことばを見つけたくて、さっきから二人でかんがえてるんですねぇ」と校長先生。「そうだねえ。こんなにきれいな空だもん、ぴったりのことばをさがしたいよねえ」。そういったがんこちゃん、「ぴったりのことば…？　あれ？」。ツムちゃんに『あたし、じぶんでハーブクッキーやいてみたの。どうかしら？』ときかれたのをおもいだしました。「ツムちゃん…」。 【scene 09】 ツムちゃんもうまくいうのはにがて ツムちゃんが空を見上げてためいきをついています。そこへ、「ツムちゃーん！」とがんこちゃんがかけてきました。「あのさぁ、さっきのクッキーだけどさ…。いいにおいで、あまくて、かたちはいろんなのがあったけど、ツムちゃんのお母さん、すっごくよろこぶとおもう！」といいます。「ほんとう？　よかったぁ。あたし、うまくできたかしんぱいだったの。ありがとう！」とツムちゃん。「さっきはうまくいえなくて、ごめんね」とがんこちゃんがあやまると、「あたしも、うまくいうのにがてだもの。でもがんこちゃん、あたしがゆっくりでも、いつもちゃんとまってくれるでしょ。あれ、すごくうれしいのよ」とツムちゃん。 【scene 10】 ゆっくりでもぴったりのことばをさがそう 「そうだね！　ゆっくりでも、ぴったりのことばをさがせばいいんだよね！」とがんこちゃん。「うん！」とツムちゃん。するとそこへ、ラッパーがやってきました。「がんこ、ヘイ、ヨウ！　二人とも、“なかよしこよし”かヨウ！」。するとがんこちゃんとツムちゃんは、「あたしたち、イイカンピー！」とうれしそうにこたえたのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

https://www.nhk.or.jp/school/doutoku/ganko/

さんせい？はんたい？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130190_00000

（よりよい学校生活、集団生活の充実） お楽しみ会でチョビがリレーをすることを提案する。ツムは反対するが、多数決でリレーに決まる。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130190_00000

【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 “おたのしみかい”でリレーを 「みなさん。もうすぐ“おたのしみかい”です。なにかやりたいことがある人？」とヒポ先生がいいました。「みんなでリレーをしようよ」とチョビくん。「じゅんばんにはしって、つぎの人にバトンをわたしていくんだ。二つのチームにわかれてきょうそうするから、もりあがるよ」。おもしろそうなので、みんなリレーに「さんせ～い！」。でもツムちゃんは、「わたしはおりがみとか…」といいました。「えーっ、そんなのつまらないわよ」、「はんた～い！」とみんな。するとチョビくんが、「やりたい人のおおいほうにしようよ」といいました。たすうけつをとると、ツムちゃんのほかはみんなリレーにさんせいでした。 【scene 02】 みんなできめたんだもん、しょうがないよ やすみじかん、校庭（こうてい）でツムちゃんがおりがみの本をよんでいました。「ほら、これ。この本でおぼえたの」とがんこちゃんに見せてくれたのはおりがみのお花です。そこへみんながやってきました。「サッカーをやろうよ」。でも、「いまは、本をよみたいな」とツムちゃん。するとケロちゃんが、「じゃあ、さんせいの人がおおいほうにしましょうよ」といいます。たすうけつをとると、またツムちゃんのほかはみんなサッカーにさんせいでした。気がすすまないツムちゃんですが、「ツムちゃん。みんなできめたんだもん、しょうがないよ」とがんこちゃん。「うん…。はぁ～」とためいきをつくツムちゃんです。 【scene 03】 サボテンを手でうけとめて つぎの日。あさ、「ガーンココココ…」とねているがんこちゃん。お父さんがおこしにきますが、「ガーンココココ…」とおきません。そこでお母さんが、「がんこちゃん！　おきなさーい！」と大ごえでおこします。その大ごえでいえじゅうがゆれたので、「うわぁ！　なに？　なに？」とがんこちゃんはびっくりしてとびおきました。すると、たなからサボテンががんこちゃんのあたまの上におちてきました。おもわず手でうけとめたがんこちゃん。「ぎゃ～～！」。 【scene 04】 きょうしつであそびたいのに 「イテテテ…。まだズキズキする」。手にほうたいをまいたがんこちゃんがツムちゃんと校庭（こうてい）ではなしています。「だいじょうぶ？」とツムちゃん。そこへみんながやってきました。ドッジボールをやろうというみんなに、「あたし、今日（きょう）はきょうしつであそびたい…」とがんこちゃん。すると、「じゃ、どっちがおおいかできめましょ」とケロちゃん。たすうけつをとると、がんこちゃんとツムちゃんの二人のほかは、みんなドッジボールでした。「じゃあ、きまり！　いきましょ」と、みんなは、いってしまいます。「えーっ。あたし、いま、手が…」とがんこちゃん。 【scene 05】 みんなできめたから、しょうがない？ 「もう、ひどいよ。あたし、手がいたいのにぜんぜんきいてくれないんだもん」。がんこちゃんがおこっていいました。するとツムちゃんが、「でも、みんなできめちゃったから…」といいます。「あっ！」。そこでがんこちゃんは、じぶんがきのうツムちゃんに、『みんなできめたんだもん。しょうがないよ』といったことをおもいだしました。そこで、「ねえ、ツムちゃん。おたのしみかいのリレー、いまも、やるのやだ？」とききました。「え？　うん…」というへんじです。 【scene 06】 ほんとにみんなできめたのかな きょうしつで、がんこちゃんがみんなにはなしかけます。「あのね、おたのしみかいでなにをやるかなんだけど…」。すると、「おたのしみかいはリレーにきまったじゃないの」、「そうだよ。みんなできめたじゃん」といわれます。がんこちゃんは「ほんとに、みんなできめたのかな？」といいました。「なにいってんだよ。きのう、みんなでさんせいしたじゃねえか」とバンバン。「ツムちゃんはさんせいしてないよ」とがんこちゃん。「あのねえ、やりたい人のおおかったほうがみんなのいけんなんだよ。そういうルールなの」とチョビくんがいうと、みんなもおなじいけんです。 【scene 07】 はんたいのりゆうをきいていなかった するとがんこちゃんが、「でも、ツムちゃんがなんでいやなのか、きいた？」といいました。そういわれて、「え？　それはきいてないけど…」とだまってしまうみんな。ピロくんがききました。「ツムちゃん、どうしてリレーがいやなの？」。ツムちゃんは、「あたし、あしがおそいから、あたしが入るチームはぜったいまけちゃうから」といいます。「そんなの、はしってみないとわかんねえだろ」とバンバン。するとギャオくんが、「じゃあ、はしってみるギャオ」といいました。 【scene 08】 “おたのしみリレー”にしよう！ 「いちについて。ヨーイ、ドン！」。ハジメどりさんのあいずで、みんないっせいにスタート。「よっしゃ、一ばん！」。バンバンが一ばん、がんこちゃんが二ばんでした。「ツムちゃんは？」と見ると、「ヨイショ、ヨイショ…」と一生けんめいですが…。「ほ～んとにおそいギャオ」。するとピロくんが、「ぼく、ツムちゃんの気もちわかるよ。じぶんのせいでまけたら、みんなにわるいとおもっちゃうもんねぇ」といいました。「どうするのよ。リレーやめる？」といわれてかんがえるチョビくん、「ひらめいた！　ちょっとくふうして、“おたのしみリレー”にすればいいんだよ！」といいました。「おたのしみリレー？」。 【scene 09】 さらまわし、竹馬、玉ころがし… いよいよ、おたのしみかいの日です。カッパさんのあいずで、“おたのしみリレー”がはじまります。おたのしみリレーとは、わくわくのおたのしみイベントをしながらのきょうそうです。「いちについて。ヨーイ、ドンカッパ！」。さいしょはバンバンとギャオくんが、さらまわしをしながらのきょうそうです。バンバンがバトンをわたしたのはラッパー。ケロちゃんと竹馬（たけうま）のきょうそうです。つづいて、ケロちゃんはチョビくんにバトンをわたし、チョビくんとピロくんの玉ころがし。さいごはがんこちゃんとツムちゃん。「たのんだよー！」。チョビくんからバトンをうけてはしりだすがんこちゃん。 【scene 10】 どうじにゴール？ ところが、「え？　なにこれ？」。二人のまえには、おりがみが。見本どおりにおらないとすすめません。「えー？　このおりがみ、どうなってるの？」。がんこちゃんがてまどっていると、あっというまに「できたー！」とツムちゃん。白チームのアンカーとして、ゴールめざしてはしりだします。「こうして、こうしてっと。できたあ！」。おりがみをしあげたがんこちゃんも、いそいでツムちゃんをおいかけます。「どりゃどりゃどりゃあ～！」。そして…二人ほとんどどうじにゴール！ 「ウーン。わずかにがんこちゃんが先でしたねえ。赤チームのかち！」と校長先生。「やったあ！」。がんこちゃんたちは大よろこび。 【scene 11】 まけちゃったけど、たのしかった！ 「ツム、おしかったなあ」とバンバン。「おりがみ、すごかったねえ」とピロくん。みんながツムちゃんにこえをかけました。「みんな、ありがとう。まけちゃったけど、あたし、こんなにたのしいリレー、はじめて！」とツムちゃんもよろこんでいます。がんこちゃんも、「あたしも！　おりがみむずかしかったけど、たのしかったあ！」といいました。「ねえねえ、今日（きょう）のおたのしみかい、たのしかった人～？」とチョビくんがきくと、「ハーイ！」とぜんいんが手を上げたのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

https://www.nhk.or.jp/school/doutoku/ganko/

もしものときのがんこちゃん　台風がちかづいたら

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130286_00000

台風が来るので学校が休みになると知るがんこちゃんたち。「やった！」と喜んでいるとランププが現れて…。台風が近づいているときに”どう行動するべきか”を考えます。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130286_00000

【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 “フーフーまる”がやってくる？ 「いくよー！　フゥー！」。がんこちゃんたちが、ドーナツぬまであそんでいます。そこへカッパさんがぬまからあらわれました。「おめえら、さっさとかえるっちゃよ。もうじきフーフーまるがやってくるっちゃ！」といいます。「フーフーまる？」。「どでかい台風（たいふう）だっちゃ。学校もあしたから休みだっちゃよ」。そういうとカッパさんはぬまのそこにもどっていきました。「学校、やすみだって！」。「やったぁ！」。みんなは大よろこび。すると、「だめだめ！　よろこぶなんてだめ！」とランププがあらわれました。「フーフーまるは、ものすごいわるさをする台風モンスターだよ」といいます。「台風モンスター？」。 【scene 02】 フーフーまるのわるさはどれ？ 「どんなわるさをするとおもう？　つよい風（かぜ）でなんでもふきとばす。大雨をふらせてどしゃくずれをおこす。海（うみ）の水をもちあげて町へながしこむ」とランププがいいました。「どれもこわーい！」とがんこちゃん。「わかった！　フーフーまるの『フー』って、風だよ。だから、『つよい風でなんでもふきとばす』！」とチョビくん。「せいかいは、三つぜんぶ！」とランププ。「えーっ！？」。みんなはびっくりしました。すると、フーフーまるがざわざわ森にちかづいてきました。「びゅうびゅう、ごうごう、ざばりんちょ～！」。「うわぁっ、かえろかえろ！」。みんなあわててかえっていきます。 【scene 03】 風でとばされたらあぶないものは？ 「ただいまーっ」。がんこちゃんがかえってくると、テーブルやいすなど、とばされたらあぶないものをお母さんが中へはこんでいました。そこへ、「がんこちゃん、まだあるよ」とランププがあらわれました。「とばされたらあぶないのは、サボテンのうえきばち？　三輪車（さんりんしゃ）？　ぬいぐるみのブーちゃん？　どれかな？」といいます。「えーと、サボテンと三輪車！」とがんこちゃん。「せいかい！　でも、このブーちゃんもだよ。小さくてかるくても、雨にぬれるとおもたくなるから、いきおいよくとんでくると…」。「あ、あぶない！」とがんこちゃん。そのとき、きゅうにつよい風（かぜ）がふいてきました。 【scene 04】 バンバンたちがひなんしてきた 「えっ、どうしたの？」。おうちに入ったがんこちゃんはびっくり。バンバンのうちのみんながひなんしてきていたのです。「バンバンくんの家（いえ）は、やねがはっぱでとばされやすいからね」とお父さん。「そういえばくるとき、みちしるべのおかの木がグワングワンしてて…」とバンバンのおばあちゃんがいいました。「みちしるべのおか？　ランププ、だいじょうぶかなぁ」としんぱいになるがんこちゃん。そのころ、ランププは風（かぜ）にとばされそうになって、ひっしにランプの木にしがみついていました。「びゅうびゅう！　わっははは～」。フーフーまるが風をふきつけます。 【scene 05】 つめたい空気でおいはらおうと… 「フーフーまるめ、大あばれする気だっちゃね！」。ドーナツぬまのそこでカッパさんが大きなそうちをうごかしています。「タイフーオテンキモニター、ポチっと！」。スイッチをおすとモニターにフーフーまるがうつりました。「どんどんちかづいてるっちゃね。こんなときは、あいつがきらいなつめたい空気でおいはらっちゃうよ。ほりゃ～！」。カッパさんは空気ほうをはっしゃします。「ほりゃっ！」。でもあたりません。「わはは～。びゅうびゅう、ごうごう、ざばりんちょ～！」。フーフーまるはますますつよく風（かぜ）をふきつます。するとカッパさんがグルグルまわりだしました。「うわっ…目が～」。 【scene 06】 まどからはなれて！ がんぺーちゃんとルンルンがサボテンせんべいをたべています。がんこちゃんの家（いえ）には、ひじょうようのたべものがどっさりあるのです。「外（そと）であそびたーい」。バンバンとがんこちゃんはたいくつそうです。とつぜん、ランププの声（こえ）がしました。「あぶない！　ふせて！」。「え？　なになに？」。あわててふせる二人。すると、「ヒューン！」と、ものほしざおがまどからとびこんできて目の前（まえ）におちました。「うわぁっ！」。「フーフーまるか？」とバンバン。「そう。まどからはなれて！」とランププがいいます。「あんぜんだとわかるまで外に出ない。やくそくして」。「う、うん…」。 【scene 07】 ヒポ先生の空気こうげき 「うぅ…目が…」。カッパさんが目をまわしてたおれています。すると足音がして、「カッパさん！」とヒポ先生があらわれました。「フーフーまる、ここからはアメジスト・ヒポがあいてよ！」。そういうとヒポ先生は、「それっ！」と空気ほうでつめたい空気をはっしゃしました。フーフーまるにめいちゅう！ 「ぐぬぬっ」。ヒポ先生は「てやっ！」とれんぞくはっしゃ。まためいちゅうです。「うぅぅ…。ぐぬぬっ、まけないよ～！　ぐあーっ！」。フーフーまるは、いろいろな大きなごみをつぎつぎにふきとばしてこうげきしてきました。 【scene 08】 “台風の目”って？ つぎの日。きゅうに雨と風（かぜ）がやみました。がんこちゃんたちが外（そと）へ出ると、青空が見えはじめています。「やったぁ！　フーフーまるはもういない♪」。すると、「ストーップ！」とランププがあらわれました。「まだ外に出ないやくそくだよ」。「でも、はれてる」とがんこちゃん。「見て」とランププがくびかざりにうつるえいぞうを見せます。「フーフーまるは、ドーナツみたいにまんなかがからっぽ。これを“台風（たいふう）の目”っていってね、中に入ると雨や風がおさまるんだ。でも、ほらまた…」。また雨と風がはげしくなりました。そして、ランププがふきとばされてしまいました。「ランププ！」。 【scene 09】 雨と風のほうこうがぎゃくになった！ ドーナツぬまのそこでヒポ先生が空気ほうをはっしゃしていると、きゅうにモニターが見えなくなり、あかりもきえてしまいました。「あら？　どうしちゃったのかしら？」。空気ほうもうごきません。地上（ちじょう）では、これまでとはぎゃくのほうこうにはげしい雨と風（かぜ）がふきつけはじめました。「台風（たいふう）の目がとおりすぎたんだね」とバンバンのおばあちゃんがいいます。そこへ、がんぺーちゃんがなきながらやってきました。「びぇ～！　ねーたん、いなーい！」。「えーっ！？」。お父さんとお母さんはびっくり！ 【scene 10】 がんぺーちゃんのパワーが森にひろがって そのころ、がんこちゃんとバンバンは、なんとかほらあなににげこみました。「だいじょうぶか？」。「うん」。外（そと）では「びゅうびゅう、ごうごう、ざばりんちょ～！」とフーフーまるが大あばれ。ものすごい風（かぜ）がふき、いろいろなものがとんできます。がんこちゃんとバンバンは、なきながらほらあなのおくへとにげこみます。そのころおうちではがんぺーちゃんが、「ん？　ねーたん！　びぇ～！」と大きな声（こえ）でなきだしました。ざわざわ森じゅうにそのパワーがひろがっていきます。ランプの木のランプがつき、木の下にたおれていたランププが「ポワッ…」と目をさましました。 【scene 11】 ヒポ先生のやさしいこうげき ドーナツぬまのそこではあかりがつき、モニターもふっかつしました。「よっしゃあ、ここからはさくせんへんこう！　それっ！」。ヒポ先生がむらさきいろのベールをとりだして、モニターにむけてやさしくなげました。「やさしくね～」。すると、ベールがフーフーまるをやさしくつつみます。「う～ん？」。フーフーまるは気もちがよくなったようで、風（かぜ）の力がよわまりました。「つつみこむわよ～」とヒポ先生。「ほわわわ～」。フーフーまるの顔（かお）がさらにやさしくなります。「フーフーまるがやさしくなってますねぇ、えぇえぇ」。モニターを見ていた校長先生がそういいました。 【scene 12】 さいごは“ヒポのハグハグベール”こうげき ほらあなのおくで心（こころ）ぼそくてないているがんこちゃんとバンバン。すると、「がんこちゃん、バンバン、いまならだいじょうぶ。いっしょにかえろう」とランププがあらわれました。「ランププ～」。なきながらだきつく二人。いっぽう、ドーナツぬまのそこでは、「さぁ、ラストは“ヒポのハグハグベール”！」。ヒポ先生がつぎつぎにベールをなげます。「ひゅうひゅう、こうこう、ひゅんひゅん～」。ベールにつつみこまれるフーフーまるはどんどんやさしい顔（かお）になり、とうとうきえていきました。「バイバイ、フーフーまる」。さっそうと立ちさるヒポ先生をあっけにとられて見おくる校長先生とカッパさんです。 【scene 13】 外に出てごめんなさい！ 「モウダイジョウブ。フーフーマル、イナイヨー！」とハジメドリさんがいいます。「あぁ、よかった～」とみんな。すると、「あ！」とがんぺーちゃん。がんこちゃんとバンバンがはしってきます。「おねーたん！」。「がんこちゃん！　しんぱいしたんだから！」とお母さん。「くおりゃ！　外（そと）に出るなんて！」としかるおばあちゃん。「ごめんなさい！」。がんこちゃんとバンバンがあやまりました。「よくぶじでかえってきたねぇ」とお父さんにいわれ、「それは…『ランププ、たすけてくれてありがとう！』」。がんこちゃんは心（こころ）の中でそういいながら空を見上げました。「ポワポワッ」とランププもうれしそうです。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

https://www.nhk.or.jp/school/doutoku/ganko/

もしものときのがんこちゃん　大雨がふったら

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130285_00000

雨がポツポツとふり始めても「平気、平気」と川で遊びたがるがんこちゃんたち。するとランププが現れて…。大雨のときに”どう行動するべきか”をクイズ形式で考えます。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130285_00000

【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 ギョロてんがおおくなると… 「ギョロギョーロ、ギョロギョーロ…」。マンナカ小学校のこうていに、ギョロてんがつぎつぎにやってきました。こうていは水たまりができてぬかるんでいます。「ギョロてんが、やけにおおいでごじゃる」と仙（せん）ちゃん先生がいいます。「また雨ですかねぇ」とガメさん。「それにしても、おおすぎるんですねぇ。えぇ、えぇ」と校長先生もいいました。「ギョロギョーロ…」。ギョロてんはランプの木の上にまで上がってきました。ランプの木のてっぺんで、「ポワ…ポワッ」となにかしんぱいそうなランププです。 【scene 02】 川あそびをしているがんこちゃんたち ギョロてんは川にもやってきました。がんこちゃんたちが川あそびをしています。「キャハハ！」。「川あそびって、サイコー！」。そのとき、「あれ？　雨？」。がんこちゃんの頭（あたま）にポツン、ポツンと雨つぶがおちてきました。「見て！　あっちの雲（くも）、まっくろ！」とツムちゃんがいいます。とおくでくろい雲が見えて、ゴロゴロという音もきこえてきます。「もう、かえる？」とツムちゃん。でも、「いやよ～。川であそぶのひさしぶりじゃないの」とケロちゃん。「これくらいの雨、へいきへいき」とバンバンもいいます。「な、がんこ」とバンバンにいわれ、「どうしよう…」とかんがえこむがんこちゃん。 【scene 03】 かえる？　あそぶ？ 「かえる？　それとも、あそぶ？　うーん、雨はまだポツポツ。川あそびは、もっとしたい！　でも、カミナリきこえたしなぁ…」となやむがんこちゃん。「あたし、あそぶ！」といいました。すると、「ダメダメ」という声（こえ）が。「え？　ランププ！」。ランププは、「いますぐかえろう、がんこちゃん。くろい雲（くも）が見えたらすぐにお天気がかわるよ。つよい雨、ふってくる」。「え、そうなの？」。そのとき、きゅうに「ヒューッ」とつめたい風（かぜ）がふいてきて、みんなは「ひゃあっ」とふるえあがりました。「このつめたい風も雨のサイン。だから、いそいで！」とランププにいわれ、みんなはあわててかけだしました。 【scene 04】 「いまからひなんしてください」 がんこちゃんとがんぺーちゃんがまどから外（そと）をながめています。外はザーッとつよい雨。そこへ、「見て見て。おばあちゃん、ドンドコおんせんでのんびりしてるって」とお母さんがおばあちゃんからとどいたハガキをもってきました。「いいなぁ、お天気で」とうらやましがるがんこちゃん。そのとき、「クエエーッ。クエエーッ」とハジメドリさんがやってきました。「オオアメ、オオアメケーホー、ダヨー！」といいます。「えぇーっ？」。ハジメドリさんがもってきたまきものをひらくと…。「あら？」。「校長先生？」。まきものの中に校長先生があらわれ、「いまから、ひなんじょにひなんしてください」といいました。 【scene 05】 ひなんじょは、みちしるべのおか？　学校？ 「ここでもんだいです。大雨のとき、ひなんじょはどっち？　みちしるべのおか？　それとも、学校？」と校長先生。「じしんのときも火山がふんかしたときも、みちしるべのおかだった。だから…みちしるべのおか！」とこたえるがんこちゃん。ところが、ブッブーッ。「せいかいは、学校です」と校長先生。「みちしるべのおかは、山の上。やねもない、ふきさらし。大雨のときはじめんがくずれやすくなるので、あぶないんですねぇ」。「風（かぜ）やカミナリもあぶないわねぇ」とお母さんもいいます。「そうか。にげるばしょってかわるんだね」とがんこちゃん。「マンナカ小学校は、こんなかんじであんぜんです！」と校長先生…。 【scene 06】 マンナカ小学校がひなんじょに ふりつづく雨のなか、きゅうにマンナカ小学校のまわりのじめんがゆれ、じひびきがしました。「カッパパワー！　ほりゃほりゃ～！」。ドーナツぬまのそこでカッパさんがレバーをうごかしています。「どや、どや、がんばレバー！」。マンナカ小学校がドーナツぬまといっしょにじめんからぐんぐんもりあがりました。「ドーナツぬまは、いったん地下（ちか）へ。ザバザバーッ」。レバーをうごかすと、ドーナツぬまだけさがっていきます。水はもう学校のまわりにはありません。「んでもって、ポチッと」。カッパさんがボタンをおすと、光（ひかり）が学校をつつみ、岩（いわ）に『ひなんじょ』のマークがうかびあがりました。「ひなんじょ、かんせい！」。 【scene 07】 ぬげにくいくつをはこう 「よし、あかるいうちにいこう！」とお父さん。お母さんは、「みんな、先にいってて！　だいじなものまとめたら、すぐいくわ」と大きなタンスをかつぎあげました。「はやくきてね」。ちょっとしんぱいながんこちゃんです。「イチ、ニ、イチ、ニ」。お父さんとロープでつながって雨の中をあるいていくがんこちゃん。すると、「わぁっ」。水のふかいところでころびました。「だいじょうぶかい？　足もとが見えないんだもんねぇ」。お父さんがたすけおこすと、「あっ、ながぐつぬげた！」とがんこちゃん。「ぬげにくいくつにするんだったねぇ」。お父さんのくつは、ひもでギュッとしばるくつでした。「とにかくいそごう」。「うん！」。 【scene 08】 手づくりのいかだで水の上を 「イチ、ニ、イチ、ニ」。またお父さんとロープでつながって雨の中をあるいていくがんこちゃん。「学校がとおくかんじる～」。「いつもとおってる道（みち）なのに、びっくりだねぇ」とお父さんもいいます。そこへ。「がんこー！」という声（こえ）がきこえてきました。バンバンとルンルンとおばあちゃんでした。「おりゃーっ」。バンバンとおばあちゃんが手づくりのいかだをこいでいます。「のれ！」とバンバン。「うん！」。がんこちゃんたちもいかだにのりました。「ありがとう！」。おばあちゃんは「しっかりつかまって」というと、「おりゃりゃりゃりゃーっ」とものすごいいきおいでいかだをこぎはじめました。 【scene 09】 にげるのは、地下？　上？ 「先生～！」。みんなをのせたバンバンのいかだが学校にやってきました。外（そと）はますますはげしい雨です。ピカッ、ゴロゴロ！　カミナリがなりひびきました。「にいたん、こわい～」となきだすルンルン。「そうだ！　地下室（ちかしつ）にかくれようぜ！」とバンバンが地下室へのとびらをあけました。するとがんぺーちゃんが、「いーや！　こっち、こーっち！」とかいだんをさします。「上にいきたいの？」。「あいあーい！」とがんぺーちゃん。「どうしよう…。地下はカミナリがきこえない、とおもう。でも、上のほうがあんぜんなのかなぁ。地下？　上？　どっちかなぁ、うーん」とまようがんこちゃん。 【scene 10】 「地下はあぶないよ」 ピカッ、ゴロゴロと大きなカミナリがなりました。「よし、地下（ちか）だ！」と地下へいこうとするがんこちゃん。すると、「ストーップ！　地下はダメ。あぶないよ」とランププがあらわれました。「これを見て。ポワポワ～」と、くびかざりにうつるえいぞうを見せます。「水はひくいほうへながれるんだ。だから、地下へにげちゃダメ！　水がながれこむし、とびらがあかなくなることもあるんだよ」。「えーっ！？」。そこへ、「みなさーん！　ここから上にひなんしてくださーい！」とヒポ先生がかいだんの上からよびかけました。「いこうぜ」とバンバン。「だいじょうぶかなぁ、お母さん…」としんぱいになるがんこちゃんです。 【scene 11】 お母さんをたすけにきたカッパさん… 「だれかぁーっ、たすけてぇーっ！」。そのころ、がんこちゃんのお母さんは、やねの上にいました。どんどん水かさがまして、もう家（いえ）のはんぶんが水の中です。そこへ、「カッパ、じゅんかい、はっすいスイーッ」と、カッパさんとラッパーが空からやってきました。「あそこだっちゃ！」とはっけん。「カッパさん！　ラッパーさ～ん！」。えんとつにしがみついてお母さんがさけびました。「たすけにきたっちゃよ。ほれ！」と手をさしのべるカッパさん。ところがきゅうにつよい風（かぜ）がふいて、カッパさんのおさらがとばされてしまいました。「あれがないとひなんじょにもどれないっちゃ～」。「えぇーっ？」。 【scene 12】 みんなといっしょにひなんするんだった つぎの日。雨はすっかり上がって、とてもいい天気になりました。ランプの木のみがピカピカひかっています。木のねもとで、「お母さん…」としょんぼりしているがんこちゃんたち。すると、「おーい！」という声（こえ）がしました。見ると…「がんこちゃ～ん！　がんぺーちゃ～ん！」と、お母さんの元気（げんき）なすがたがありました。カッパさんがそうじゅうするのりものが水たまりの上をやってきます。「お母さーん！」。かけよってだきあうがんこちゃんたち。「わたしもみんなといっしょにひなんするんだったわ」とお母さんがいいます。「ぼくたちでもギリギリだったよ」とお父さん。「わ～ん！」。 【scene 13】 『はやくひなんしよう』っていうよ！ 「しんぱいかけて、ごめんね～」とお母さんもなきだします。そこへ先生たちもやってきました。「ランプのみが、道（みち）をおしえてくれて、よかったわ」とお母さん。ランプの木にちかづいたがんこちゃんは、「きめた。あたし、これからはもっとはやくひなんする。そんでみんなにも、『はやくひなんしよう』っていうよ！」といいました。そして、ランプの木を見上げて、「ね、ランププ」とつぶやきました。「ポワポワッ」とランププのうれしそうな声（こえ）がきこえたような気がしました。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

https://www.nhk.or.jp/school/doutoku/ganko/

もしものときのがんこちゃん　じしんがおきたら

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下校中に大きな地震が起きてあわてるがんこちゃん。困っていると「ランププ」があらわれた。もしものときに”どう行動するべきか”をクイズ形式で一緒に考えます。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 「じしんだ！」とおもったら… 「はい、がんせきオムレツできたよ！」。お父さんがオムレツをはこんできました。「わぁ～！　いっただきま…」とがんこちゃんとがんぺーちゃんがいいかけたとき、とつぜん、ぐらぐらっといえがはげしくゆれました。「わっ！　じしん！？」とびっくりするがんこちゃんたち。すぐにお父さんが、「二人とも、テーブルの下に！」といいます。ところが…、「あれ？」。見ると、お母さんがたいそうをしていました。そのドスン、ドスンというひびきでいえがゆれていたのです。「なんだ、お母さんか」とがんこちゃん。「もう～、てっきり、なまず大王がおきてきたのかとおもったよ」とお父さん。「なまず大王…？」とがんこちゃん。 【scene 02】 ひなんするばしょをきめておこう するとお父さんが、「そう。なまず大王がおきると大じしんがくるといわれてるんだよ」といいました。「このいえも、じしんがきたらちょっとしんぱいねぇ。もしものときのために、ひなんばしょをきめておかない？」とお母さんがいいます。「そうだねぇ」。「あ、やっぱりあそこね！ “みちしるべのおか”！」とお母さん。「あ、あのおかならあんしんだね！」とお父さんもいいます。「がんこちゃん、大きなじしんがきたら、みちしるべのおかにひなんするのよ」とお母さんがいいました。「はいはーい」とこたえましたが、がんこちゃんもがんぺーちゃんもオムレツをたべるのにむちゅうです。 【scene 03】 なまず大王のおはやしが！？ ドーナツぬまのそこでは、カッパさんが子もりうたをうたっていました。「♪なまず大王　ぐっすりこ～　このままずーっと　ぐっすりこ～♪」。そこへ、カッパのラッパーがあらわれました。「♪ヘーイ！　おいらラッパー、カッパのラッパー、イェーイ！」。カッパさんは、「おらっち、なまず大王をねむらせておくために、なまずくわずで子もりうたをうたってるっちゃよ。大王が目をさますとよ、おはやしにあわせておどりだしてよ、大じしんがおきるっちゃよ」といいます。そのとき、おはやしのような音がきこえてきました。「なぬ！　このおはやしは…！　たいへんだっちゃ～っ！」。カッパさんはあわててかけだしました。 【scene 04】 うら山の石のかべに？ 「♪ジリジリベルベル♪」。学校がおわって、がんこちゃんたちがかえっていきます。「なあなあ、がんこ、うらの森のアレ、見たか？」とバンバンがいいました。「なにそれ？」とがんこちゃん。するとチョビくんが、「うらの森に、石のかべがあってね、それがさぁ…」といいかけて、「あぁ、ありゃ、すげーよな！」とバンバンがいいました。「ね～」とわらいながらバンバンとチョビくんはいってしまいました。「へぇ、なんだろう？　ちょっといってみようっと」とがんこちゃんは一人でうらの森へ出かけました。 【scene 05】 「うわぁっ、じしんだぁ！」 がんこちゃんが、うらの森にやってきました。「石のかべってこれかぁ」とかべを見たがんこちゃん、かべにあるもように気がつきました。「わぁ、なんだか、お父さんがいってたなまず大王みたい」。なまずのようなえに見えます。すると…、「うん？」。きゅうにじめんが大きくぐらぐらっとゆれはじめました。「う、うわっ！　うわぁっ、じしんだぁ！」。あわてるがんこちゃん。「えーと、えーと、じしんのときは、つくえの下にもぐる…って、つくえがなーい！　ど、どうしよう…！」。 【scene 06】 あたまをまもってしゃがもう！ ここで、シンキングタイム。かべと、ひろいばしょなら…。「このかべ！　これにつかまろうか？　それとも、ひろいばしょでしゃがむ？　でも、なんかしんぱいだなぁ…。かべにつかまる？　しゃがむ？　どうしよう～」とまよったがんこちゃん。「よし、かべにつかまろう！」。そうきめたとき、「ダメ！　かべからはなれて！」というこえがきこえました。「え？」。さらに、「あたまをまもって、しゃがむの」ときこえます。「えっ、ええ？」。とまどいながらも、いわれたとおりにするがんこちゃん。すると、しっかりしていたように見えた石のかべが、じしんのゆれでガラガラとくずれてたおれました。 【scene 07】 「たおれてきそうなもののちかくはあぶないよ」 「あぁ！　くずれちゃった！」とびっくりするがんこちゃん。すると、「ぽわっぽわ」とこえがします。「たおれてきそうなもののちかくとか、上からなにかおちてきそうなばしょは、あぶないよ」といいます。「そっかぁ。あなたはだあれ？」ときくと、「ランププだよ、がんこちゃん」といいます。「あたしのこと、しってるの？」。「ぽわっぽわ、ランププ、ずっとまえからしってるよ」。「えぇ？」。じしんがおさまりました。「うちにかえらなきゃ！」とがんこちゃん。「おうち、ちかいの？」ときかれ、「ううん。きょうね、よりみちしちゃったの。学校にもどろうかなぁ。ここにずっとはいられないし…。どうしよう～」。 【scene 08】 きめておいたばしょにひなんしよう！ まようがんこちゃんに、ここで、またシンキングタイム。おうちと、学校だったら…。「おうちにかえる？　それとも、学校にもどる？　お母さんたちにあいたいけど、学校のほうがあんぜんかなぁ。うーん…」とがんこちゃん。「やっぱり、かえる！」といいました。すると、「ぽわっ。お母さんたち、おうちにいるの？」とランププ。「え？　あ…」。そこでがんこちゃんは、あさ、お母さんがいったことをおもいだしました。『がんこちゃん、大きなじしんがきたら、みちしるべのおかにひなんするのよ』。「みちしるべのおかにひなんするんだった！」。がんこちゃんはかけだしました。 【scene 09】 とおまわりのひろいみち？　川のそばのちかみち？ 「へっほ、へっほ…、あ、みちしるべのおかだ！」。がんこちゃんがおかのふもとにやってきました。「あれ？　みちがわかれてる…」。するとランププがいいました。「こっちのみちは、ひろいのはらのみちだね」。「でも、ちょっととおまわりかも」とがんこちゃん。「こっちのみちは、川のそばのほそいみちだね」とランププ。「こっちのほうが、ちかみちかな…。あ～、どうしよう…」とまようがんこちゃん。「ひろいのはらのみちと、川のそばのほそいみち…。いそいでるから、どっちがいいんだろう。うーん…」。そして、「やっぱり、川のほうにする！」といいました。 【scene 10】 「川のそばのみちはあぶないんだよ」 すると、「まって！　これを見て」とランププがじぶんのくびかざりを見せます。あかるくひかりはじめたくびかざりに、ほそいみちがうつしだされました。「川のそばのみちだ」とがんこちゃん。見ていると、とつぜんみちがくずれて川の中におちていきました。「川のそばのみちはあぶないんだよ」とランププ。「あわわ…」とふるえるがんこちゃん。ランププが、「大むかし、うみの水が川をさかのぼってきたこともあったよ」といいます。「そうなんだ…」とがんこちゃん。「川のそばはやめて、こっちからいこう」とランププ。「うん」。がんこちゃんは、とおまわりだけど、ひろいのはらのみちをいきました。 【scene 11】 大きなこえでたすけをよぼう！ 森の中をツムちゃんがやってきます。「ふぅ、すごいじしんだった～」。そのとき、ぐらぐらっとまたゆれがきて、大きな木がたおれかかります。「ひぃーっ」。ドシーン！　ツムちゃんはうごけなくなりました。そこへ、「いそいで！　ほら、気をつけて！」とがんこちゃんのお母さんたちがやってきました。「だれかきた。気づいてくれないかな…。あ、がんこちゃんのお母さんだ！」。でもみんな気づかずにいってしまいそうです。「いっちゃう…どうしよう…」。なかなかこえを出せないツムちゃん。でもツムちゃんはゆうきを出して大きなこえでさけびます。「まって！　たすけてください！」。お父さんが気づいてくれました。「まぁ、ツムちゃん！　たいへん！」。 【scene 12】 ランププのすがたが…？ 「よいしょ、よいしょ、もうすぐだ！」。がんこちゃんがおかのふもとにつくと、「おーい、がんこちゃーん！」とお母さんたちがやってきました。「お父さーん、お母さーん！　あ、ツムちゃんも！」とホッとするがんこちゃん。「ちゃんとやくそく、おぼえてたのね」とお母さんもよろこんでいます。「ランププのおかげだよ。ね？」。がんこちゃんがふりむくと、ランププのすがたはきえていました。「あれ？　あれれ？」。そのとき、ヒューッとかぜがふき、まいあがった木のはっぱが一まい、がんこちゃんの手にのこりました。「ランププ…？」。 【scene 13】 みんなを見まもってくれているランプの木 「すごいじしんでしたねぇ」。「ほんとに」。みちしるべのおかの大きな木の下にみんながあつまっています。「大むかしにじしんがあったときも、このおかにひなんしてみんなたすかったんですって」とヒポ先生がいいます。「そうなんだ…」と木を見上げるがんこちゃん。すると校長（こうちょう）先生が、「この木は“ランプの木”とよばれています。ずーっとざわざわ森のみんなを見まもっているんですねぇ」といいました。「ランプの木？　え～？」。がんこちゃんは、えだにぶらさがっているランプのようなみに、「ランププ、ありがとう」とささやきました。すると、「ぽわぽわ、うふふ」とランププがわらったようでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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もしものときのがんこちゃん　火山がふんかしたら

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130283_00000

ある日オコ・リンボ火山が噴火。でも遠いから大丈夫、と遊ぶがんこちゃん。すると「ランププ」が現れて…。もしものときに”どう行動するべきか”をクイズ形式で考えます。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130283_00000

【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 オコ・リンボ火山に出かけたお父さん 「いってきまーす！」。がんこちゃんがあそびに出かけました。「じゃ、ぼくたちもいってくるね」とお父さんがお母さんにいいます。「オコ・リンボ火山までとおいけど、だいじょうぶ？」とお母さん。「だいじょうぶ。この“空とぶつぼ”で、ひとっとびでごじゃるよ」と仙（せん）ちゃん先生がいいました。「もうすぐ、けっこんきねん日だから、きみのすきなリンボーワイスの花をとってくるよ、ハニー」とお父さん。「まぁ、ダーリン♪リンボーワイス！」とよろこぶお母さん。「ホンジャラ、ホエホエ、しゅっぱーつ！」。お父さんと仙ちゃん先生は、空とぶつぼにのってとんでいきました。 【scene 02】 オコ・リンボ火山がふんかした！ がんこちゃんたちがサッカーをしてあそんでいると、とつぜん大きな音がしました。「な、なんだ？」。「見て！　オコ・リンボ火山が！」。山からもくもくとくろいけむりがふきあがっています。ドーナツぬまからとびだしたカッパさんがさけびました。「オコ・リンボ火山がふんかしたっちゃー！」。「えぇっ、ふんかー！？」。くろいけむりはどんどん大きくなります。「ぼく、なんだかこわいから、おうちにかえろうかなぁ」とチョビくん。でもケロちゃんとバンバンは、「とおいからだいじょうぶ」といいます。「たしかにとおいけど、ここにいてもだいじょうぶなのかな。うーん…」とかんがえこむがんこちゃん。 【scene 03】 このままあそぶ？　おうちにかえる？ 「このままあそぶ？　それともおうちにかえる？　オコ・リンボ火山はすごくとおいから、あそんでいてもへいきじゃないかなぁ。でも、かえったほうがいいのかなぁ」となやむがんこちゃん。「うーん…。やっぱり、もっとあそびたい！」といいます。すると、「ダメ！」というこえがしました。「おうちにかえろう、がんこちゃん」。それは…、「ランププだよ。チョビくん、ケロちゃん、バンバン」。ランププでした。「おいらたちのこと、しってるのか？」とびっくりするバンバン。「ぽわぽわ。ランププ、ずーっとまえからしってるよ。あのけむりがこっちにくるまえに、おうちにかえろう」とランププがいいました。 【scene 04】 あたまをまもってかくれる！ オコ・リンボ火山の火口からは、けむりだけでなく、大きな石もとびだしてきます。「あわわわ…」。オコ・リンボ火山にのぼるとちゅうだったお父さんと仙ちゃん先生は、大あわてて。「あたまをまもって、いわにかくれるでごじゃるーっ」。お父さんは、リュックであたまをまもって、ききいっぱつ！　なんとか二人は大きないわのかげにかくれます。でも気がつくと、空とぶつぼがこなごなにわれていました。もう、空をとんでかえることができません。くろいけむりはますます大きくなり、あたりにひろがっていきます。 【scene 05】 おうちのそとがはいいろに 「えーっ！　お父さん、オコ・リンボ火山にいったの！？」。おうちにかえってお父さんのことをきいたがんこちゃんはびっくり！ 「あ、でも、仙ちゃん先生といっしょだから、きっとだいじょうぶでしょ」とお母さん。するとそのとき、「おねえたーん、おそと！」とがんぺーちゃんのこえがしました。まどからそとをのぞいたがんこちゃん、「えーっ。そとがはいいろになってる！」とびっくり。空からはいがふってきて、あたりいちめんにつもっていたのです。がんぺーちゃんは、「おすなあそび、する～」とよろこんでいますが、「えっ、そとで？　そとに出てもだいじょうぶなのかなぁ…」とかんがえるがんこちゃん。 【scene 06】 そとに出る？　うちにいる？ 「そとに出る？　うちにいる？　ちょっとだけ出るならだいじょうぶかな。でも、そとはくらいし、あぶないかなぁ。うーん…」となやむがんこちゃん。「ちょっとだけなら、いっか！」といいました。「あーい♪」とよろこぶがんぺーちゃん。すると、「ダメ！　二人とも、これを見て」とランププがあらわれて、くびかざりを見せます。あかるくひかりはじめたくびかざりにうつしだされたのは…。「これがあのすなの正体（しょうたい）、火山ばい。火山がふんかしたらとんでくる、小さなガラスや石のつぶだよ。目に入ったり、すいこんだりすると、とってもきけんなんだ」とランププ。「えーっ！？」。 【scene 07】 火山ばいのこわさは… おうちのまえにラッパーがはしってきました。「あいたたた～！」。目がまっかです。「♪目がゴロゴロ、いたいYO！　手でこすっちゃダメだYO！　す～ぐ水であらうんだYO～！　ひぃ～！」。どうやら目に火山ばいが入ってしまったようです。「火山ばいはすごく小さいから、まどのすきまからも入ってきちゃうんだ。そんなときは、ぬれたタオルをおいてね。中に入りにくくなるよ」とランププ。「あとね、火山ばいのこわさはこれだけじゃないの。せいかつにひつような“あれ”がつかえなくなるかもしれないんだ」といいます。「えぇ？ “あれ”ってなんだろう？」とがんこちゃん。そのころ、ドーナツぬまも火山ばいでよごれていました…。 【scene 08】 ランププがいっていた“あれ”とは… 「水が火山ばいでよごれてつかえないの！」。お母さんが見せたよごれた水に、がんこちゃんはびっくり。「ランププがいってた“あれ”って、水のことだったんだ」と気がつきます。「ひなんじょの“みちしるべのおか”なら水があるかもしれない」とお母さんがかけだしていきます。ところがそとに出たお母さんは、火山ばいですべってドシーン！　ころんでけがをしてしまいます。「火山ばいがつもったみちはとってもすべりやすいんだよ」とランププ。そこで…。「シャキーン！」。ゴーグル、マスク、ぼうしをつけたがんこちゃんが水をくみにいくことに。そとに出たがんこちゃんは、すべらないように、「そーっと、そーっと」。 【scene 09】 みちしるべのおかにあつまって みちしるべのおかにみんながあつまっています。「ふしぎですねぇ。みちしるべのおかだけは火山ばいがつもってないなんて」とヒポ先生。「うちはやねの上にはいがつもって、おもみでやねがおちたんだよ」。「うちのちかくでは山の上からどろやはいがバーッとながれてきて…」。大人たちがはなしているところへがんこちゃんがやってきました。「ねえ先生、ここにもきれいな水はないの？」。それで気がついたように、「そう！　水もよごれてつかえなくなりましたよねぇ」とヒポ先生がいいます。「どうしよう、ランププ～」とがんこちゃん。「こまったねぇ…」。ランププもこまっています。 【scene 10】 せんぞだいだいまもってきた地下水を そのとき、「みんな、しずまるっちゃ！」とカッパさんが大きないわの上に立っていいました。「このいわの下に、せんぞだいだいまもってきた地下水（ちかすい）がねむってるっちゃ。いまこそそれをほりだすっちゃよ！」。そういうと、あたまのおさらをグルグルまわしはじめました。「う～、みなぎる、みなぎるっちゃ～！　カッパパワー！」。すると大きないわがわれ、中から水がふきだしたのです。「わぁ～！」。「よかったね、ランププ！」とがんこちゃん。ところが、「あれ？　あれれ？　ランププ…？」。ランププはいなくなっていました。そして、ランプの木のみがピカピカひかりはじめました。「ん？」。 【scene 11】 ランプの木がたすけをよんでくれていた あれから何日（なんにち）かたって、空がはれてきました。「へっほ、へっほ」。がんこちゃんとおかあさんが、おけをかついで水をくみにきました。みんながランプの木のまわりをそうじしています。するとそのとき、「うわぁ、なんだ、あれ？」とバンバンが空をゆびさしました。「えぇっ！　なんかきた！」とチョビくん。「わぁっ、たべもの！？」とみんなびっくり。大きなわた毛（げ）が、バスケットに入れたたべものをはこんできたのです。ランプの木のみがピカピカひかっています。「あぁ、ランプの木が、たすけをよぶあいずをおくってくれていたんですねぇ。えぇ、えぇ」と校長先生がいいました。 【scene 12】 ぶじにかえってきたお父さん がんこちゃんは、ランプの木にちかづいて、「ランププ、ありがとう」といいました。「うふふ」とランププがわらったようです。そのとき、とおくのほうから、「がんこちゃーん！」とお父さんのこえがしました。空を見ると、お父さんと仙ちゃん先生がわた毛（げ）にのってとんできました。「お父さん！　仙ちゃん先生！」。「ただいま～！」。お父さんの手には、リンボーワイスの花たばがにぎられています。「おかえり～！」。「ダーリン！」とお母さん。みんなも、「よかったね～！」、「おかえり～！」と口々にいったのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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もしものときのがんこちゃん　富士山がふんかしたら

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130284_00000

もしも富士山が噴火したら？どう行動するかをがんこちゃんと一緒に考えよう。がんこちゃんの物語に加え、富士山の映像やＣＧでよりわかりやすく紹介します。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130284_00000

【scene 01】 ざわざわ森でおきた火山のふんか 「みんな、こんにちは！　あたし、がんこ。みんなにきいてほしいことがあるんだ。じつはちょっと前（まえ）に、ざわざわ森でオコ・リンボ火山がふんかしたの。すごい音がして、石がとんできたり、火山ばいがふってきたり。あんなことがざわざわ森でおきるなんておもってなかったから、すっごくびっくりしたんだ」。そこへ、「みんな～」とランププがやってきました。「オコ・リンボ火山がふんかして、とてもびっくりしたよね。じつは、みんながすむ日本には、ふんかをするかもしれない火山が100こいじょうあるんだよ！」といったので、「えーっ！　そんなに？」。がんこちゃんはびっくり。 【scene 02】 富士山もじつは火山！ 「日本でいちばんたかい山、富士山（ふじさん）も、じつは火山なんだよ。だからみんなにとっても、火山のふんかはいつおきてもおかしくないことなんだ」とランププ。「そうなんだ…。じゃあ、あたしが火山のふんかでけいけんしたことを、みんなにもしってもらおう。そしてみんなも、もしものときにどうこうどうすればいいか、いっしょにかんがえてみてね」とがんこちゃん。がんこちゃんがけいけんした、火山のふんか。今回（こんかい）は、富士山をれいにかんがえてみましょう。富士山をしらべてみると、火山がふんかしたとき、どうやってにげて、どうすればいのちをまもれるのか、ヒントをつかむことができます。 【scene 03】 オコ・リンボ火山に出かけたお父さん 「いってきまーす！」。がんこちゃんがあそびに出かけました。「じゃ、ぼくたちもいってくるね」とお父さんがお母さんにいいます。「オコ・リンボ火山までとおいけど、だいじょうぶ？」とお母さん。「だいじょうぶ。この“空とぶつぼ”で、ひとっとびでごじゃるよ」と仙（せん）ちゃん先生がいいました。「もうすぐ、けっこんきねん日だから、きみのすきなリンボーワイスの花をとってくるよ、ハニー」とお父さん。「まぁ、ダーリン♪リンボーワイス！」とよろこぶお母さん。「ホンジャラ、ホエホエ、しゅっぱーつ！」。お父さんと仙ちゃん先生は、空とぶつぼにのってとんでいきました。 【scene 04】 オコ・リンボ火山がふんかした！ がんこちゃんたちがサッカーをしてあそんでいると、とつぜん大きな音がしました。「な、なんだ？」。「見て！　オコ・リンボ火山が！」。山からもくもくとくろいけむりがふきあがっています。ドーナツぬまからとびだしたカッパさんがさけびました。「オコ・リンボ火山が、ふんかしたっちゃー！」。「えぇっ、ふんかー！？」。くろいけむりはどんどん大きくなります。「ぼく、なんだかこわいから、おうちにかえろうかなぁ」とチョビくん。でもケロちゃんとバンバンは、「とおいからだいじょうぶ」といいます。「たしかにとおいけど、ここにいてもだいじょうぶなのかな。うーん…」とかんがえこむがんこちゃん。 【scene 05】 このままあそぶ？　おうちにかえる？ 「このままあそぶ？　それともおうちにかえる？　オコ・リンボ火山はすごくとおいから、あそんでいてもへいきじゃないかなぁ。でも、かえったほうがいいのかなぁ」となやむがんこちゃん。「うーん…。やっぱり、もっとあそびたい！」。すると、「ダメ！」というこえがしました。「おうちにかえろう、がんこちゃん」。それは…、「ランププだよ。チョビくん、ケロちゃん、バンバン」。ランププでした。「おいらたちのこと、しってるのか？」とびっくりするバンバン。「ぽわぽわ。ランププ、ずーっとまえからしってるよ」。「えーっ？」。「あのけむりがこっちにくるまえに、おうちにかえろう」とランププがいいました。 【scene 06】 あたまをまもってかくれる！ オコ・リンボ火山の火口からは、けむりだけでなく、大きな石もとびだしてきます。「あわわわ…」。オコ・リンボ火山にのぼるとちゅうだったお父さんと仙ちゃん先生は、大あわて。「あたまをまもって、いわにかくれるでごじゃるーっ」。お父さんは、リュックであたまをまもって、ききいっぱつ！　なんとか二人は大きないわのかげにかくれました。でも気がつくと、空とぶつぼがこなごなにわれていました。もう、空をとんでかえることができません。くろいけむりはますます大きくなり、あたりにひろがっていきます。 【scene 07】 おうちのそとがはいいろに 「えーっ！　お父さん、オコ・リンボ火山にいったの！？」。おうちにかえってお父さんのことをきいたがんこちゃんはびっくり！ 「あ、でも、仙ちゃん先生といっしょだから、きっとだいじょうぶでしょ」とお母さん。するとそのとき、「おねえたーん、おそと！　おそと！」とがんぺーちゃんのこえがしました。まどからそとをのぞいたがんこちゃん、「えーっ！　そとがはいいろになってる！」とびっくり。空からはいがふってきて、あたりいちめんにつもっていたのです。がんぺーちゃんは、「おすなあそび、する～」とよろこんでいますが、「そとで？　そとに出てもだいじょうぶなのかなぁ…」とかんがえるがんこちゃん。 【scene 08】 そとに出る？　うちにいる？ 「そとに出る？　うちにいる？　ちょっとだけ出るならだいじょうぶかな。でも、そとはくらいし、あぶないかなぁ。うーん…」となやむがんこちゃん。「ちょっとだけなら、いっか！」といいました。「あーい♪」とよろこぶがんぺーちゃん。すると、「ダメ！　二人とも、これを見て」とランププがあらわれて、くびかざりを見せます。あかるくひかりはじめたくびかざりにうつしだされたのは…。「これがあのすなの正体（しょうたい）、火山ばい。火山がふんかしたらとんでくる、小さなガラスや石のつぶだよ。目に入ったり、すいこんだりすると、とってもきけんなんだ」とランププ。「えーっ！？」。 【scene 09】 火山ばいのこわさは… おうちのまえにラッパーがはしってきました。「あいたたた～！」。目がまっかです。「♪目がゴロゴロ、いたいYO！　手でこすっちゃダメだYO！　す～ぐ水であらうんだYO～！　ひぃ～！」。はしっていくラッパー。どうやら目に火山ばいが入ってしまったようです。「火山ばいはすごく小さいから、まどのすきまからも入ってきちゃうんだ。そんなときは、ぬれたタオルをおいてね。中に入りにくくなるよ」とランププ。「あとね、火山ばいのこわさはこれだけじゃないの。せいかつにひつような“あれ”がつかえなくなるかもしれないんだ」といいます。「えぇ？ “あれ”ってなんだろう？」とがんこちゃん。 【scene 10】 火口からまっかなドロドロしたものが！ 「ふぅ。やっとふんかがおさまったようですね。これからどうしましょう？」。がんこちゃんのお父さんが、いわかげから出てきました。「もうすぐ日もくれそうじゃし、つぼがなくてはのぅ、とほほ…」。すると、「おや？　あれはなんだ？　なにかながれてくるぞ」とお父さん。オコ・リンボ火山の火口からまっかなドロドロしたものがながれ出ています。「ほえっ！　あれは“溶岩流（ようがんりゅう）”でごじゃる」。「ヨウガンリュウ？」。「スピードはゆっくりじゃが、いえをもやすくらいあついでごじゃる。のみこまれたら、おだぶつでごじゃるよ～！」。「ひえええ！」。あわててにげだす二人。そのころ、ドーナツぬまも火山ばいでよごれていました…。 【scene 11】 ランププがいっていた“あれ”とは 「水が火山ばいでよごれてつかえないの！」。お母さんが見せたよごれた水に、がんこちゃんはびっくり。「ランププがいってた“あれ”って、水のことだったんだ」と気がつきます。「ひなんじょの“みちしるべのおか”なら水があるかもね」とお母さんがかけだしていきます。ところがそとに出たお母さんは、火山ばいですべってドシーン！　ころんでしまいます。「火山ばいがつもったみちは、とってもすべりやすいんだよ」とランププ。そこで…。「シャキーン！」。ゴーグル、マスク、ぼうしをつけたがんこちゃんが水をくみにいくことに。そとに出たがんこちゃんは、すべらないように、「そーっと、そーっと」。 【scene 12】 みちしるべのおかにあつまって みちしるべのおかにみんながあつまっています。「ふしぎですねぇ。みちしるべのおかだけは火山ばいがつもってないなんて」とヒポ先生。「うちは、やねの上にはいがつもって、おもみでやねがおちたんだよ」。「うちのちかくでは、山の上からどろやはいがバーッとながれてきて…」。大人たちがはなしているところへがんこちゃんがやってきました。「ねえ先生、ここにもきれいな水はないの？」。それで気がついたように、「そうそう！　水もよごれてつかえなくなりましたよねぇ」とヒポ先生がいいます。「どうしよう、ランププ～」とがんこちゃん。「こまったねぇ…」。ランププもこまっています。 【scene 13】 せんぞだいだいまもってきた地下水を そのとき、「みんな、しずまるっちゃ！」とカッパさんが大きないわの上に立っていいました。「このいわの下に、せんぞだいだいまもってきた地下水（ちかすい）がねむってるっちゃ。いまこそそれをほりだすっちゃよ！」。そういうと、あたまのおさらをグルグルまわしはじめました。「う～、みなぎる、みなぎるっちゃ～！　カッパパワー！」。すると大きないわがわれ、中から水がふきだしたのです。「わぁ～！」。「よかったね、ランププ！」とがんこちゃん。ところが、「あれ？　あれれ？　ランププ…？」。ランププはいなくなっていました。そして、ランプの木のみがピカピカひかりはじめました。「ん？」。 【scene 14】 ランプの木がたすけをよんでくれていた あれから何日（なんにち）かたって、空がはれてきました。みんながランプの木のまわりをそうじしています。「へっほ、へっほ…」。がんこちゃんとおかあさんが、おけをかついで水をくみにきました。するとそのとき、「うわぁ、なんだ、あれ？」とバンバンが空をゆびさしました。「えぇっ！　なんかきた！」とチョビくん。「わぁっ、たべもの！？」とみんなびっくり。大きなわた毛（げ）が、バスケットに入れたたべものをはこんできたのです。ランプの木のみがピカピカひかっています。「あぁ、ランプの木が、たすけをよぶあいずをおくってくれていたんですねぇ。えぇ、えぇ」と校長先生がいいました。 【scene 15】 ぶじにかえってきたお父さん がんこちゃんは、ランプの木にちかづいて、「ランププ、ありがとう」といいました。「うふふ」とランププがわらったようです。そのとき、とおくのほうから、「がんこちゃーん！」とお父さんのこえがしました。空を見ると、お父さんと仙ちゃん先生がわた毛（げ）にのってとんできました。「お父さん！　仙ちゃん先生！」。「ただいま～！」。お父さんの手には、リンボーワイスの花たばがにぎられています。「おかえり～！」。「ダーリン！」とお母さん。みんなも、「よかったね～！」、「おかえり～！」と口々にいったのでした。 【scene 16】 なんどもふんかをくりかえしてきた富士山 日本でいちばんたかい山、富士山も、じつは火山。さいごにふんかしたのは、300年ほど前（まえ）。これからいつふんかしてもおかしくないといわれています。山の上の大きなあなは、火口とよばれるふんかのあと。富士山はこれまでなんどもふんかをくりかえしてきたのです。いったい、どんなふんかがおきたのでしょう。富士山のふもとにひろがる大きな森、『青木ヶ原（あおきがはら）の樹海（じゅかい）』。ここは、およそ1200年前、ふんかしたときにながれ出たとけた岩（いわ）、「溶岩（ようがん）」でいちめんおおわれていました。 【scene 17】 溶岩の上にできた森 森の中をあるいてみると…。小さなあな、すきまがある石は、すべて火口からながれ出た溶岩（ようがん）です。じめんの溶岩をしらべると、あるほうこうにながれたことがわかります。青木ヶ原の樹海（じゅかい）は、溶岩の上にできた森なのです。そしてじつは、樹海の下にも、溶岩がながれたあとがのこされています。じめんがくぼんだところには…。おや？　あながあいています。中に入ってみると大きなくうどうが。たかさは10ｍあります。この中をあつあつの溶岩がながれていったのです。いちどのふんかでこんな大きなくうどうができるほどの溶岩。「ぽわぽわ。ランププだよ。溶岩って、すごい力があるんだね」。 【scene 18】 溶岩はなにがとけたもの？ ランププが、溶岩（ようがん）のえいぞうを見ています。「わぁっ。あつそう！　これがほんものの溶岩。火口からドロドロッとながれ出るんだ」。ここで、ランププからクイズです。「この溶岩は、いったいなにがとけたものでしょうか？」。こたえは…、「石！　石がとけるなんて、びっくりだよね」。石がアイスクリームみたいにとけるなんて、本当（ほんとう）でしょうか。じっけんでしらべてみましょう。石を1000℃ちかくまでねっすると…。色（いろ）がかわって、ドロドロにとけました。このあつくとけた石が火口からながれ出すと、川の水のようにとおくまでながれていく。これが、溶岩流（ようがんりゅう）です。 【scene 19】 富士山のふもとには火口がいっぱい！ 「富士山のふもとにひろがる青木ヶ原。富士山のひみつがもっとかくれているんだよ」とランププ。とくべつなほうほうで地形（ちけい）だけをうかびあがらせた「赤色立体地図（せきしょくりったいちず）」。この地図をよく見ると…、「ほら、あなぼこがいっぱい。これはみんな、火口なんだ！」。ランププが富士山のてっぺんにやってきました。「この大きなくぼみを見て。富士山でいちばん大きい火口だよ」。その火口からふもとにむかっても、火口がたくさんあります。「しらべてみたら、富士山はこれまで、かぞえきれないほどふんかしたことがわかったんだ」。 【scene 20】 ふんかはまわりの地形を大きくかえた くりかえしおきたふんかは、富士山からはなれたばしょにまでえいきょうしていました。さきほどの立体地図（りったいちず）。「この地図で見ると、溶岩（ようがん）がながれたあとがはっきり見えるよ。たくさんながれ出た溶岩は、なんと、みずうみの形（かたち）までかえてしまったんだ」。富士山のふもとにある精進湖（しょうじこ）。じつはもともと一つの大きなみずうみでした。ところがたいりょうの溶岩がながれこみ、二つにわかれてできたのです。このように、富士山はふんかをするたびに、まわりの地形（ちけい）を大きくかえてきました。富士山は、いまも生きています。いつふんかがおきてもおかしくないのです。 【scene 21】 溶岩のながれるようすをよそうする 山梨県（やまなしけん）富士吉田市（ふじよしだし）は、富士山がいつふんかしてもにげられるように、日ごろからひなんのじゅんびをしています。溶岩（ようがん）できけんになるばしょなどをしめした地図（ちず）、「ハザードマップ」もその一つです。火山の研究者（けんきゅうしゃ）があたらしくつくっているハザードマップ。富士山のまわりのきいろい点（てん）のうちがわは、火口ができるかのうせいのあるはんいです。たとえば、五つの火口から溶岩がながれ出たばあいのようすを見てみましょう。ふんかから時間（じかん）がたつと、そのぶん溶岩はながれ下るので、溶岩におおわれるはんいはひろがっていきます。 【scene 22】 ふんかから２時間で市街地へ そのはんいには、人々がくらす町もふくまれます。どのくらいのはやさで溶岩（ようがん）が市街地（しがいち）までたっするのかはかってみると…。富士吉田市の場合、早ければ、ふんかからおよそ２時間（じかん）で、火口から2.5キロメートルはなれた市街地までとどいてしまいます。静岡県（しずおかけん）富士宮市（ふじのみやし）でも、ふんかから２時間ほどで、市街地までとどいてしまいます。溶岩は、たかいところからひくいところへながれます。そのため、ながれるほうこうのよこへむかってにげるといいのです。 【scene 23】 ハザードマップをチェックしておく 「溶岩流（ようがんりゅう）は、人があるくはやさよりもおそいんだ。だから、どこから、どんなふうに溶岩がながれてくるかしっていれば、ちゃんとにげることができるんだよ。がんこちゃんのお父さんもにげていたよね。みんなも、ハザードマップをかならず見てみてね。にげるときにどのあたりがきけんか、チェックしておくことがたいせつだよ」とランププがいいます。 【scene 24】 ふんかしたときに気をつけることは ふんかしたときに気をつけることは、溶岩流（ようがんりゅう）だけではありません。富士山の南東（なんとう）のしゃめんにある大きな火口は、江戸時代（えどじだい）におきたふんかでできました。そのときのようすをえがいた絵（え）がのこされています。そのふんかでは、よそうもつかないばしょにまでえいきょうがおよびました。それが…。 【scene 25】 火山ばいにちゅうい！ 「みんな、オコ・リンボ火山がふんかしたときがんこちゃんたちにおきたこと、おぼえているかな。空からふってきたのは、火山ばい。たいせつなぬまの水がよごれてしまってたいへんだったよね。火山ばいの正体（しょうたい）は、ガラスなどのこまかいつぶ。すいこむとたいへんだから、マスクなどで口やはなをおおってね。火山ばいがつもるとすべりやすくなるよ。がんこちゃんのお母さんも、すべってころんでいたよね。みんなもちゅういしてね！」。 【scene 26】 空たかくにふき上がり、よこへひろがる 火山ばいがどのようにひろがるか、じっけんでしらべてみましょう。じっけんそうちのホースの先からえきたいを入れると、水中につくった火山のもけいの火口から、けむりのようにふき上がります。この中にふくまれるのが、火山ばい。ふんかのいきおいで空たかくまでふき上がり、それからよこへひろがります。さらに風（かぜ）がふくと、とおくまでとばされます。 【scene 27】 100キロメートルはなれた東京まで もしも300年前（まえ）とおなじふんかがおきると、西（にし）からふく風（かぜ）にのって、火山ばいはどんどんとおくまではこばれていきます。とおくはこばれた火山ばいは、富士山からおよそ100キロメートルはなれた東京でも数（すう）センチから10センチくらいつもります。でんしゃがとまったり、車がはしれなくなったりするおそれがあります。これからふんかのかのうせいがある富士山。わたしたちは、ふん石（せき）や溶岩（ようがん）、火山ばいのきけんをしっかりとしることがたいせつなのです。 【scene 28】 ふだんからおうちの人とはなしあっておこう 「みんな、どうだった？　ふんかがおきるとどんなことがおきるか、わかったかな？」とがんこちゃん。「もしもふんかがおきたとしても、どんなことがおきるのかわかっていれば、あわてずにこうどうすることができるよね」とランププ。「そうだよね。じぶんのいのちをまもれるようにしなくちゃね」。「みんなも、今日（きょう）、ここでしったことを、おうちの人にもおしえてほしいな。そして、ふだんからどんなじゅんびをしておけばいいか、ほんとうにふんかがおきたらどんなふうにこうどうすればいいか、はなしあってみてね」とランププがいいました。「それじゃ、またあおうね！」。「ばいば～い」。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

https://www.nhk.or.jp/school/doutoku/ganko/

がんこちゃんと失われたふるさと

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災害にあい避難してきた「ソラ」と出会うがんこちゃん。困難がありながらも心を通わせる姿を通して、「自分の身になって被災者を思いやる心」の大切さを描きます。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130282_00000

【scene 01】 あたたかい春をよぶ“春まつり” もうすぐ春（はる）がやってきます。ざわざわ森では、こごえた気もちをおいはらい、あたたかい春をよぶという“春まつり”のじゅんびがはじまっています。「うわぁ、大きなやぐらができたねぇ！」。「たのしみだよな、春まつり！」。がんこちゃんとツムちゃんとバンバンが、おまつりのやぐらのまえで花かざりをつくっています。そこへヒポ先生がやってきました。「みなさん、がんばっているみたいね。花かざり、じょうずにできているわ。ざわざわ森の春まつりは春をよぶだいじなおまつりですから、みんなで力をあわせてせいこうさせましょうね」。ちょうどお花がなくなってしまったので、がんこちゃんが森にとりにいきます。 【scene 02】 さばくからあるいてきたのは？ 「あった、あった！　いっぱいつんでかえるぞ～」。お花を見つけたがんこちゃん、つぎつぎにかごへ入れていきます。するとどこからか、「ザ、ザ、ザ」という音がきこえてきました。「あれ？　なんの音？」。見たことのないとりたちが、さばくのほうからあるいてきます。「あなたたち、だあれ？」ときくと、ひげをはやしたとりが、「わたしたちは、トゲトゲドリ。さばくのむこうにあるトゲトゲじまからきたんだ」といいました。「トゲトゲドリさん？　さばくのむこう？　あたし、トゲトゲじまなんてきいたことないよ」とがんこちゃん。すると、「ここからとてもとおいところだからね」とトゲトゲドリがいいます。「ふーん」。 【scene 03】 「わたしたち、この森にいていいかな」 するとその人が、「この森はあんぜんかい？」とききました。「え？」。「わたしたち、この森にいていいかな」。「うん、いいよ。ざわざわ森はたのしいところ、いっぱいあるよ」とこたえると、「ありがとう。この子は、ソラ」と、むすこをしょうかいしてくれました。「あたし、がんこ。よろしくね、ソラくん」。でもソラくんは、だまってよこをむいてしまいます。「ソラくん？」。「すこしつかれているんだよ。それにおなかもすいている。みんなね」とお父さん。「じゃ、森の中につれていってあげる。おいしい木のみやキノコがあるんだよ」というと、「だいじょうぶだ、がんこちゃん。わたしたちだけでさがしてみるよ」といいました。 【scene 04】 きれいな青いろで空をとぶとり？ 「ただいまー！」。がんこちゃんはおうちにかえると、「さっきね、トゲトゲドリさんにあったよ」とはなしました。「トゲトゲドリ？　どこかできいたことがあるような…」とお父さん。「そうだ！　おもいだしたぞ。たしか、きれいな青いろをしたとりだよ。空をとぶすがたがすばらしいって、おばあちゃんがいってたよ」といいました。「へぇ～。あれ？　でもソラくんたちは…、ちゃいろいからだだったし、空もとんでなかったなぁ。どうしてなんだろう？」。そのよる、トゲトゲドリたちはドーナツぬまのほとりにいました。「もうわたしたちのふるさとはなくなってしまったのね」。「はぁ～、これからどうすればいいんだ…」。 【scene 05】 ことしの春まつりは中止？！ つぎの日。おまつりのやぐらのまえにみんながあつまっています。そこへ、「まつり！　まつり！　ざわざわ森の春（はる）まつり！」とがんこちゃんがやってきました。「みんな、おはよー！」。でも、がやがやとはなしているみんなを見て、「ツムちゃん、どうしたの？」とききました。すると、「校長先生から、だいじなおはなしがあるらしいの」とツムちゃんがいいます。「だいじなおはなし？」。すると、やぐらの上に校長先生があらわれました。「みなさん、きいてください。ざんねんなのですが、ことしのざわざわ森の春まつりは、中止（ちゅうし）にしようとおもっているんです」。「え…えーっ！」。「なんで！？」。 【scene 06】 ざわざわ森にひなんしてきた 「あのね、トゲトゲじまが大きなさいがいにあったの。それで、トゲトゲドリさんたちがざわざわ森にひなんしてきたのよ」とガメさんがいいます。「さいがい？」。「ひなん？」。校長先生が、「トゲトゲドリさんたちには、このやぐらにすんでもらうことにしました」といいます。「えーっ、そんな…」とみんな。そこへ、がんこちゃんのお母さんがサボテンのてんぷらをどっさりはこんできました。「トゲトゲドリのみなさん、いっぱいたべて、元気（げんき）を出してくださいね！」。「ありがとうございます」。でも、「春（はる）まつりがなくなっちゃった…」とがっかりするがんこちゃんたち。 【scene 07】 春まつりの中止はトゲトゲドリのせい？ 「あのさ、春（はる）まつりが中止（ちゅうし）になったのって、トゲトゲドリがきたせいだよな」とバンバン。「そうよそうよ、すっごくたのしみにしてたのに」とケロちゃん。そんなはなしを、やぐらのかげでソラくんがきいていました。「あ、ソラくん」。気がついたがんこちゃんがこえをかけますが、「フンッ。ほっといてよ！」とソラくん。「おい！　ほっといてってなんだよ！　ちょっとまてよ！」とおこりだすバンバン。「だから、ほっといてっていってるだろ！」。そのままいってしまおうとするソラくん。「ちょっとまちなさいよ！」とケロちゃんもいいますが、ソラくんはいってしまいます。 【scene 08】 「はなしたってわかんないよ！」 でも、すこしあるいたところでソラくんは、「うわっ」ところんでしまいました。「ソラくん、だいじょうぶ？」とかけよるがんこちゃん。ソラくんは、「ぼくたちはもともとあるくのがとくいじゃないんだ」といいました。「そうなんだ…。あ、お父さんが、トゲトゲドリはきれいな青いろで、空をとべるって」とがんこちゃんがいうと、ソラくんはだまってうつむきました。「なんで空をとばないで、あるいてるの？　ねえ、なんで…」ときくと、「はなしたくない！　はなしたってわかんないよ！　ほっといてよ！」とソラくんはいってしまいます。「むむむむ、なんでおこってるの？　もうソラくんなんかしらない！」。 【scene 09】 トゲトゲドリはざわざわ森のおんじん？ 「ただいま…」。おうちにかえってきたがんこちゃんは、元気（げんき）がありません。「さっきソラくんとけんかしちゃって…」とおばあちゃんにわけをはなします。「おばあちゃんはトゲトゲドリさんのことをしってるの？」ときくと、「ああ。トゲトゲドリはざわざわ森のおんじんなんだよ」といいました。「むかし、ざわざわ森が大かじになったことがあってね。火が大きくなりすぎて、みんなの力ではどうしようもなくなってしまった。そのとき、トゲトゲドリがやってきて、空からたくさんの水をまいてくれた。それでわたしたちはたすかったんだよ」。「すごーい！　でも、ソラくんたちはぜんぜんとばないよね。どうしてかなぁ…？」。 【scene 10】 「おうちにかえりたいよぉ」 そのころ、やぐらの中では…。「ああ、とびたいなぁ」とソラくん。こころぼそくなったのか、「ウェ～ン。お兄ちゃん、おうちにかえりたいよぉ」と、いもうとがなきだします。「だいじょうぶだ。兄ちゃんがまもってやるからな！」。でも、「おうちに、おうちに…」といもうとはなきやみません。「だいじょうぶ。だいじょうぶだからね…」。いもうとをだきしめるソラくん。 【scene 11】 なんでそんなにしんせつにするの？ やぐらのまえでヒポ先生が、トゲトゲドリのごはんのしたくをしています。そこへ、「先生～！」とバンバンたちがやってきました。「なんで、おとなはそんなにトゲトゲドリにしんせつにするんだ？」とバンバン。「春（はる）まつりがなくなったのはトゲトゲドリのせいなのに」とケロちゃんもいいます。すると、ヒポ先生がはなしはじめました。「トゲトゲドリさんたちがすんでいたトゲトゲじまは、大きな大きなすなのなみにおそわれたの。みんな、とんでにげようとしたけど、からだについたすながかわいてカチカチにかたまったトゲトゲドリは、はねをひろげてとべなくなったの。そして、なんとかざわざわ森まであるいてやってきたのよ」。 【scene 12】 やっぱり春まつりをやりたい！ 「そうだったんだ…」とがんこちゃん。「ソラのやつ、なんにもはなしてくれないからぜんぜんわかんなかったよ」とバンバン。「はなしたくても、はなせなかったのかもしれないわね」とヒポ先生。「ともだちなのに、はなせないこともあるんだね…」。かんがえこむみんな。するとがんこちゃんが、「あたし、やっぱり春（はる）まつりやりたい！」といいました。「えーっ？」。「ソラくんたちといっしょに、みーんなで春まつりをしようよ！」とがんこちゃん。「でも、どうやったらいいんだ？」とバンバン。するとヒポ先生が、「こういうときは、あの人でしょ」といいました。「あの人…？」。 【scene 13】 ソラくんをほっとかない！ がんこちゃんがソラくんにあいにきました。「ソラくん、あたしなんにもしらなくて…。ごめんなさい！　おうちがなくなっちゃって、空もとべなくなって、おなかもすいて…。あたしだったらぜったいかなしいとおもう」とがんこちゃん。「ほっといてよ！」というソラくんに、「ううん、ほっとかない！」とがんこちゃん。「え？」。「だって、ともだちだもん。いっしょにごはんたべたり、いっしょにたのしいことをしたり、いっしょにいてうれしいのがともだちだよ！」。ようやくソラくんも「うん！」といいました。「ねえ、ソラくん、いっしょに春（はる）まつりをしようよ！　いっしょにぽっかぽかの春をよぼうよ！」。 【scene 14】 カッパさんのじゅもんで ソラくんといもうとをかかえてドーナツぬまにやってきたがんこちゃん。「そーれ！」と、二人をぬまにほうりこみました。「うわぁ！」。ザブーン！　すると、「あれ？　あったかい」とソラくん。「ふふ。おんせんだよ」とがんこちゃん。ドーナツぬまからカッパさんがあらわれました。「おふろのじゅもんをちょこっとつかって、ドーナツぬまをおんせんにしたっちゃよ～！」。おんせんにつかっていたソラくんは、「あ、からだについたすなが、とけていく！　はねがうごかせる！」と大よろこび。いもうとも、「お兄ちゃん、もとにもどったよ」とよろこんでいます。「よかったね、ソラくん」。 【scene 15】 ソラくん空をとんでみて！ 「そーれ、みんなも入るっちゃよ！」とカッパさんにいわれ、みんなでおんせんに入ります。「わぁ、トゲトゲドリさんの青いはね、きれいねぇ」とツムちゃん。すながおちて、きれいな青いろになっていました。「あ、あの…。ソラ、ひどいこといって、ごめんな」。「わたしも…ごめんなさい」。バンバンとケロちゃんがあやまりました。するとソラくんが「ううん、もういいよ」とゆるしてくれました。ソラくんは「がんこちゃん、ぼく、もういちどとべるかな？」といいます。「とんでみて」。「とべるわよ」。「とんでみろ、ソラ！」とみんな。「がんこちゃん、いっしょにとんでくれる？」とソラくん。「え、いいの？」。がんこちゃんはソラくんのせなかにのりました。大きくはばたくソラくん。 【scene 16】 「とべたよ、ぼく！」 がんこちゃんをのせたソラくんが大空をゆっくりととんでいます。「わぁ、とんでる！　ソラくん、とべたね！」。「うん、とべたよ、ぼく！　がんこちゃん、ありがとう！　ぼくね、トゲトゲじまが大すきなんだ」とソラくん。「あたしも、ざわざわ森がだーいすき！　ソラくんとあたし、おんなじだね」とがんこちゃん。「うん、おんなじだね！」。「あははは」。たのしそうに空をとぶ二人です。 【scene 17】 みんなで春まつり！ 「えー、こんかいのざわざわ森の春（はる）まつりは、トゲトゲドリのみなさんといっしょにおこないたいとおもいます」と校長先生がみんなにいいました。そこへとんできたがんこちゃんとソラくん、「それー！」と花びらをみんなの上からまきます。「わぁ！　こんな春まつり、はじめてね」とよろこぶツムちゃん。「ソラくんのおかげよね」とケロちゃん。「ソラ～！　ありがとうな～！」とバンバン。「さぁ、みなさん。もっともっと春をよびましょう！」と校長先生。「春よ、おいでーっ！」とバンバンたち。「春よ、おいでーっ！」とヒポ先生たち。「春よ、おいでーっ！」とトゲトゲドリたち。そしてみんなで、「春よ、おいでーっ！」。 【scene 18】 ♪春よおいで 空をとびながらがんこちゃんとソラくんがうたいます。「♪春（はる）よおいで　春よおいで　きみのところに　わたしのところに　こごえたからだと　かなしいこころを　とかしにおいで　ほら　かおをあげて　ひとりのきせつはもうおわり」。みんなもいっしょにうたいます。「♪春よおいで　春よおいで　みんなのところに　おんなじように　ラーラララララ　ラーララ　ラーラララララ　ラーララ」。 【scene 19】 ♪春はくるよ みんなのうたがつづきます。「♪春（はる）はくるよ　春はくるよ　きみのもとへも　わたしのもとへも　ふるえるおもいと　こおったじかんを　あたためにくるよ　ほら　かおをあげて　みんながえがおでまってるよ　春はくるよ　春はくるよ　みんなのもとへも　おんなじように　春よおいで　春よおいで　みんなのところに　おんなじように　ラーラララララ　ラーララ　ラーラララララ　ラーララ　ラーラララララ　ラーララ　ラーラララララ　ラーララ　ラーラララララ　ラーララ…」。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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ドーナツ沼にあつまれ！

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130091_00000

（身の回りを整え、規則正しい生活をする） 朝寝坊ぐせが取れないがんこは、父母と共に無理やり早朝ジョギングをさせられるが、早起きになる。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130091_00000

【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 新学期のじゅんび 校長先生たちが教室（きょうしつ）の大そうじをしています。来週（らいしゅう）から新学期（しんがっき）なので、そのじゅんびです。きゅうしょくのメニューをきめたガメさんもはりきっています。ヒポ先生が自分のイスにこしをおろすと、「バリッ、ドスーン！」とイスがこわれてしまいました。ヒポ先生、新学期までにダイエットがひつようのようです。そこへとんできたハジメどりさんに校長先生は、「来週から学校がはじまりますよー」とみんなにしらせてくるようにたのみました。 【scene 02】 あしたから早朝ジョギングしよう ハジメどりさんががんこちゃんの家（いえ）にきてみると、がんこちゃんはまた朝（あさ）ねぼうしています。その夜（よる）、「よふかしぐせをなおしておかないと、学校はじまったら朝おきられないよ」とおばあちゃんにいわれますが、「だいじょうぶ。ちゃんとおきられるってば」とがんこちゃん。お父さんがあたらしいポシェットをつくってきてくれました。「明日（あした）からこれをつけていっしょに早朝（そうちょう）ジョギングしよう」といいます。朝早くからドーナツぬまをジョギングするのです。あまり、気のりしないがんこちゃん…。 【scene 03】 やっぱりおきられないがんこちゃん つぎの日の朝（あさ）、「がーんこここここ。がーんこここここ」とねているがんこちゃん、やっぱりねむくておきられません。そこへ、お父さんとお母さんがおこしにきました。へやの中がちらかしっぱなしで、まだねているのを見ておこったお母さんは、「トリャーッ」とベッドごともちあげてグルグルまわします。「なんだ、なんだ？」とびっくりしてとびおきたがんこちゃん、「まだねむいよー」といいますが、「ぐずぐずいわずに早くきがえて！」とお母さんにしかられました。 【scene 04】 「えっほ、えっほ」で家がズンズン がんこちゃんたちがドーナツぬまのところまではしってきました。早朝（そうちょう）のぬまのほとりはとてもいい気もちです。「さあいくわよ、がんこちゃん！　おいっちに、おいっちに」。がんこちゃんはねむくてフラフラです。それでも、「えっほ、えっほ、えっほ…」と、ぬまのまわりをはしりだしました。ズンズンとじめんがゆれています。おかげで、ぬまのそこのカッパさんの家（いえ）もズンズンゆれだし、カッパさんはベッドからなげ出されてしまいます。カッパのラッパーも目をさましました。「なに、このズンズン？」。 【scene 05】 ヒポ先生もジョギングを ズズン、ズズン、ズズン…。がんこちゃんたちがドーナツぬまのまわりをはしっていると、むこうからヒポ先生が、やっぱりズズン、ズズンとはしってきました。ダイエットのためにはしっていたのです。「おたがいにがんばりましょうね！」と、ヒポ先生はすれちがってはしっていきました。ズズン、ズズン、ズズン…。すると、ぬまのそこまでドスドスひびいてくるので、カッパさんやカッパのラッパーは、おちおちねていられなくておこっています。 【scene 06】 ケロちゃんとバンバンもジョギングを ケロちゃんとバンバンがぬまのほとりにあそびにきました。のんびりゴロゴロしようとしたとき、がんこちゃんたちがやってきました。「おはよう！　二人ともいっしょにどう？　気もちいいよ」とお父さん。バンバンもケロちゃんも、むりやりいっしょにジョギングさせられてしまいます。「えっほ、えっほ、えっほ…」。がんこちゃんたちがいってしまうとしずかになったので、あんしんしてまたねてしまうカッパさんです。はしりおわって気もちよかったので、ケロちゃんたちは、ほかのみんなもさそうことにしました。 【scene 07】 すっかり早おきのがんこちゃん 朝（あさ）、ハジメどりさんがやってくると、もうがんこちゃんはおきてジョギングのよういをしていました。今日（きょう）でジョギング３日目です。夜（よる）ねむくなって早くねてしまうので、がんこちゃんはすっかり早おきになりました。「早朝（そうちょう）ジョギング、大せいこう！」とお父さん。ズズン、ズズン、ズズン…。がんこちゃんたちがぬまのそばをはしると、またカッパさんの家がズンズンズンとゆれはじめます。「もうぼくちゃん、がまんできないっちゃよ！」。カッパさんは水面（すいめん）へむかっておよいでいきました。 【scene 08】 みんなもいっしょにジョギング がんこちゃんたちがまちあわせのばしょにいくと、みんなもうきていました。「おはよう、がんこちゃん！」。チョビくんも、ツムちゃんも、ピロくんも、ギャオくんも、ジョギングがたのしみなようです。「今日も（きょう）みんなでジョギング、がんばりましょー！」とお母さん。みんなは「エイエイオー！」とはしりだしました。ズズン、ズズン、ズズン…。 【scene 09】 カッパさんもいっしょに！ みんなの前（まえ）にとつぜんカッパさんがあらわれました。「朝（あさ）っぱらから頭（あたま）の上でドスドスやられたら、おちおちねてもいられないっちゃよ！」といったので、みんなはびっくり。カッパさんにめいわくはかけられないからコースをかえようと、みんなは「まわれ右！」。するとカッパさんが「おちおちねてられないからよ、ぼくちゃんたちもドスドスしようかなー」といったので、またまたみんなびっくり。カッパのラッパーもくわわって、みんなといっしょにジョギングをはじめます。ラッパーも早おきのジョギングが気もちいいようです。 【scene 10】 早おきになったがんこちゃん 今日から新学期（しんがっき）。お母さんたちががんこちゃんをおこしにいくと、「がーんこここここ」と、がんこちゃんはまだねていて…。とおもったら、とっくにおきていたがんこちゃん、すっかりしたくもできて、へやもかたづいていました。それに、顔（かお）もあらって、キバみがきもすませていたのです。 【scene 11】 またまたジョギングが… マンナカ小学校の新学期（しんがっき）がはじまりました。みんな、ちゃんと早おきして元気（げんき）にそろっていました。そのころドーナツぬまでは、やっともとのしずかなドーナツぬまになったので、カッパさんはひさびさに二度（にど）ねをしようとよろこんでいます。するとそこへ、なにやらさわがしい音がきこえてきます。ヒポ先生につれられてやってきたみんなです。みんなは、「今日（きょう）の体育（たいいく）はジョギングですよ～」と、またまたぬまのまわりをドスドスはしりはじめたのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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なんてったって学校おばけ

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（友達と仲よくし、助け合う） 理科室で学校おばけと遭遇した子どもたちは、面白半分で捕まえようとする。でもがんこは、学校おばけと友達になろうと決める。　　　　　　　

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 今日は学校たんけん 今日（きょう）は学校たんけんの日。マンナカ小学校のどこになにがあるか、よーくおぼえるのです。ヒポ先生のあとについていよいよしゅっぱつ！　さいしょにやってきたのは、りか室（しつ）です。中はうすぐらくて、なんだか気もちのわるいものがいっぱいあります。ここは大むかし、人間（にんげん）たちがもえないゴミのすてばしょにしていたところだそうです。こわくてびくびくしていたピロくんがふと見ると、ゴミの山におかれた大きなゴミばこにだれかいる？ 「うわぁ！」。でも、もういちど見るとだれもいません。「あれ？」。 【scene 02】 おばけがいた？ ヒポ先生がみんなをよびあつめました。がんこちゃんとバンバンがおしあいになり、がんこちゃんが足をすべらせてころんでしまいます。「ドシン！」。教室（きょうしつ）がグラグラゆれ、あのゴミばこからやっぱりなにかがあらわれました。それを見たピロくん、「うわああああ！　おば…、おばけ！」。びっくりしたみんなはピロくんのいうほうを見ますが、なにもいません。「ほんとにいたんだよ…」とピロくん。ヒポ先生は、「あんしんして。学校におばけなんていませんよ。さ、つぎへいきましょ」といいます。「おかしいなあ…」とピロくん。 【scene 03】 きゅうしょく室にもおばけ！ みんなはきゅうしょく室（しつ）にやってきました。きゅうしょくのおばさん、ガメさんがいます。らいしゅうからきゅうしょくがはじまるので、みんなたのしみです。そのとき、ピロくんはしょっきだなのうしろに、またおばけを見ました。「うわ、わわわ、また出た～」とひっくりかえり、つんであったおさらもひっくりかえしてしまいます。ガラガラガッシャーン！　ピロくんはあんまりおどろいたので、しっぽがちぎれてしまいました。「おばけが、おばけがー！」とピロくんはなきながらいいますが、「またおばけ？」としんじてもらえません。 【scene 04】 ほけん室のベッドに つぎは、ほけん室（しつ）です。くすりがいっぱいならんでいます。ほけんたいいくのたんとうのスコープ先生がいます。なんだかこわそうな先生ですが…。「学校でけがをしたり、気分（きぶん）がわるくなったりしたときは、いつでもきてよいのだ」といってくれました。でも、「おひるねしたくなったときも、きていいの？」とがんこちゃんがきくと、それはダメでした。ほけん室は、ほんとうにぐあいのわるいときに休むところなのです。みんながヒポ先生につれられてつぎのところへいってしまうと、ベッドのふとんがなにやらうごいています。 【scene 05】 やっぱりほんとにいたんだ！ そこへ、バンバンがこっそりもどってきました。「オイラんちは、おふとんだから、いっぺんベッドでピョンピョンしてみたかったんだよな」と、ベッドにとびのります。そのとき、中からおばけがあらわれました。「だはーっ、出た！　おばけだ！」。びっくりしたバンバンですが、「まてーっ、にげるなー」とおいかけようとします。でもおばけは、すうっとかべにきえていきました。ドシーンッ。おかげでバンバンは、そのままかべにぶつかってしまいます。 【scene 06】 いちばんおもしろかったのは？ つぎにやってきたのは、おたのしみ会（かい）などにつかうとくべつな教室（きょうしつ）。大きなハスの花のある、とてもきれいな教室です。今日（きょう）の学校たんけんはこれでおしまい。「いちばんおもしろかったのはどこですか？」とヒポ先生がききました。ケロちゃんは、「ぜったい、きゅうしょく室です！」。ツムちゃんは、このきれいな教室。チョビくんは、りか室です。「ピロくんは？」ときかれ、「おば、おば…」といいかけたとき、バンバンがとびこんできました。「わーっ、おばけ！　学校おばけ！」。 【scene 07】 みんなでピロくんをまもろう 「学校おばけ？　しんじらんないよー」。校庭（こうてい）でみんながはなしています。「オイラにまかしとけって。ピロをおどかすおばけは、オイラがやっつけてやらあ！」というバンバン。「あたしも手つだう！」。「あたしも！」。「ぼくも」。「ギャオーッ！」。みんなピロくんのためにがんばるつもりです。「みんな、ありがとう。うん？」。そのとき、またもや学校おばけがあらわれました。「ひゃあ～～」とひっくりかえるピロくん。学校おばけは本をよんでいるように見えますが…。 【scene 08】 教科書をよんでいた？ 「とにかく、つかまえるぞ」。みんなはそっと学校おばけにちかづき、「それーっ」ととびかかってみんなでポカポカ。ところが…気がつくとおばけはいません。ポカポカなぐられていたのはバンバン。大きなこぶができています。「ごめん、ごめん」。すると、とおくにまた学校おばけがあらわれました。「まてーっ」。がんこちゃんたちはおばけをおいかけていきます。のこったツムちゃんとピロくんは、本がおちているのに気がつきました。教科書（きょうかしょ）です。もしかして、学校おばけがよんでいたのでしょうか。 【scene 09】 「おばけでもいるんでしょうかね」 しょくいん室（しつ）で校長先生たちがお茶（ちゃ）をのんでいます。「びっくりすることがあったんですよ」とガメさんがいいます。さっき、つみ上げてあったおさらがピロくんの上におっこちたのですが、しらないあいだにもとどおりになっていたというのです。「おばけでもいるんでしょうかね」。そこへ、「おばけー！」とがんこちゃんたちがかけこんできました。「校長先生、おばけ、こっちへこなかった？」。しょくいん室へにげこむのを見たといいます。でも、「そんなものはきませんでしたねぇ」と先生たちはいいます。「おかしいなあ」とみんな。 【scene 10】 おどかしにきたわけじゃなかった？ 「けっきょく、学校おばけはつかまらなかったね」。かえり道（みち）、みんながはなしています。するとツムちゃんが、「あのぅ…、学校おばけ、さっき木のかげで教科書（きょうかしょ）よんでたみたいなの」といったのでみんなおどろきました。「もしかして、おどかしにきたわけじゃなかったのかな？」とチョビくん。そのとき、「みんな、あそこ、見てみろ」とバンバンがゆびさしました。「なになに？　あーっ！」。バンバンがさすほうを見ると、学校おばけが花だんのお花に水をやって花をさかせていました。 【scene 11】 学校おばけさんとともだちになろう！ 「わあ、学校おばけさん…」。みんながよびかけると、学校おばけはうなずいていってしまいました。「もしかしたらさ、おばけさんもあたしたちといっしょにべんきょうしたり、あそんだりしたいのかもしれないよ」とがんこちゃん。「よし、みんなで学校おばけとともだちになろうぜ！」とバンバンもいいます。「おばけさん、バイバーイ。また明日（あした）ね！」。すると学校おばけさんも、「バイ…バイ。バイ…バイ」と手をふったのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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うんちしたの、だーれ？

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005130093_00000

（健康に気をつけ、規則正しい生活をする） 授業中にうんちがしたくなったツムは、恥ずかしくてトイレに行けず・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 元気のないツムちゃん 朝（あさ）、「子どもたちが登校（とうこう）してくる前（まえ）にいっておかなくっちゃ」と、ガメさんが学校のトイレに入ります。そこへ、「あー、うんちが出ない。うんちが出ない」とツムちゃんがやってきました。きのうもおとといもうんちが出なかったのです。トイレから出てきたガメさんは、ツムちゃんが元気（げんき）がないのに気がつきました。もう三日もうんちが出ていないときいて、ガメさんは、校庭（こうてい）のうらにあるクレマカカリアの木のはっぱをたべると、きっとうんちが出るようになるとおしえてくれました。 【scene 02】 じゅぎょう中にうんちをしたくなって… ツムちゃんがクレマカカリアの木にのぼって、はっぱをたべています。「これだけたべればだいじょうぶかしら…」。ところが、そのあとのじゅぎょうちゅう、マンナカ小学校の校歌（こうか）をうたっているとき、ツムちゃんはきゅうにうんちをしたくなってきました。うんちがしたくてたまらなくなって、「しりとり」あそびで「う」ではじまることばに、おもわず「うんち」といって、みんなにわらわれてしまいます。ヒポ先生が「トイレにいきたいんじゃないの？」ときいてくれたのですが、はずかしくていえません。 【scene 03】 ツムちゃん気分すっきり ちょうどそこで休み時間（じかん）になりました。外（そと）へとびだしていくツムちゃん。いそいでトイレへ入ろうとしたのですが、みんながやってきます。学校でうんちをするのがはずかしくて、トイレに入れません。「どうしよう！」。がまんできなくなったツムちゃんは、草むらでうんちをしてしまいました。でも、「ウーン」と力を入れてたっぷりうんちをしたツムちゃんは、気分（きぶん）もすっきり、とても元気（げんき）になりました。ガメさんにおしえてもらったはっぱのおかげです。 【scene 04】 「うんちが見つかりませんように」 そこへ、みんながやってきました。「うんちが見つかりませんように」。ツムちゃんはしんぱいです。サッカーボールであそびはじめるバンバンとギャオくん。がんこちゃんがけったボールを、どっちがキャッチできるかやってみることに。でも、がんこちゃんがけろうとしているほうには、ツムちゃんのうんちが…。「だめ、いやっ」。ますますしんぱいになるツムちゃん。「えーいっ」。がんこちゃんがおもいきりボールをけりました。たかくたかくとんでいきます。「うんちが見つかりませんように」といのるツムちゃん。 【scene 05】 ヒポ先生のうんち？ ボールをおいかけて、「えいっ」ととびついたバンバンは、地面（じめん）におちて、なにかに顔（かお）をつっこみそうになります。よく見るとそれは大きなうんちだったのでびっくり。「わぁっ、ウンコだぁ！」とさけんだので、みんなあつまってきました。「あーぁ、とうとう見つかっちゃった…」とツムちゃん。「だれがしたんだろう？　こーんなでっかいの」。みんなは大さわぎです。「あーっ、わかった！」とがんこちゃんがさけんだので、「ドキッ」とするツムちゃん。でもがんこちゃんがいったのは、「ヒポ先生じゃない？」。 【scene 06】 気がついたヒポ先生 しょくいん室（しつ）で校長先生たちがお茶（ちゃ）をのんでいます。ガメさんが、「けさツムちゃんが、うんちが出ないって、ちょうしわるそうでしたよ。だからクレマカカリアのはっぱをたべるようにいっておきました」といいます。それをきいたヒポ先生は気がつきました。ツムちゃんが「しりとり」あそびで「うんち」といったのは、うんちしたかったからでは…。「あの子、ほんとうはトイレにいきたくなったのに、いい出せなかったのかしら」。 【scene 07】 まさかツムちゃんが！？ 「このうんこ、なにかににてないか？」。バンバンがいいました。そういわれて、よーく見るみんな。すると、「この形（かたち）はどう見ても…」とチョビくんがいいかけて、「カタツムリ！」とみんな気がつきました。「まさかツムちゃんが？」。とうとうみんなにわかってしまいました。「なんでこんなところでうんこするんだよ！　オイラもうちょっとで顔（かお）つっこむとこだったんだぜ！」とおこるバンバン。「ごめんなさい。ひぃ～」。ツムちゃんはなき出してしまいます。「バンバン、もうやめなさいよ」とがんこちゃんがとめました。 【scene 08】 ガメさんが子どものころにも そこへヒポ先生たちがかけつけてきました。チョビくんからわけをきいたガメさんは、みんなをなだめて、むかし、ガメさんが一年生になったばかりのころの話（はなし）をしました。おなじクラスの男の子が、ガメさんのつくえの下にうんちをしてしまったのです。その子は、「学校のトイレでうんちした」とみんなにいわれるのがしんぱいで、ぎりぎりまでがまんしていたら、トイレにいくのにまにあわなくて、教室（きょうしつ）でうんちをしてしまったのです。 【scene 09】 うんちはだいじなこと ヒポ先生もいいました。「うんちをすることは、ちっともはずかしいことじゃないのよ。でもこのつぎからは、ちゃんとトイレでしましょうね。みんなも、いきたくなったら、じゅぎょう中でもトイレにいくのははずかしいことじゃないのよ」。元気（げんき）よく「はーい」とへんじをしたみんな、またサッカーをしようとします。でもチョビくんが「ちょっとまって。ぼく、うんちしたかったんだ」というと、ピロくんも、ケロちゃんも、ギャオくんも、がんこちゃんも、そしてバンバンも、みんなうんちをしにトイレにいくのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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森のぱらぱら草

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（よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う） 食べると酔っ払う危険なぱらぱら草を食べてしまったケロは、病みつきになってしまう。　　　　 　　

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130094_00000

【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 とてもおいしいこんぺい草 「♪お花をつみましょ　きれいなお花　あたしは花よりきれいな　花つみむすめ～♪」。がんこちゃんのお母さんが、森の中へお花をつみにやってきました。あまいにおいのするこんぺい草を見つけたお母さんは、「この花、たべるととってもおいしいのよね。」と、したなめずり。「ピカーン！　いいことおもいついたわ！」。お母さんはじょうきげんで、こんぺい草をごっそりつんでいってしまいました。 【scene 02】 こんぺい草でおやつを がんこちゃんたちがサッカーをしてあそんでいます。がんこちゃんがおもいきりボールをキック！　そこへお母さんがやってきました。ボールはお母さんにまっしぐら。「あっ、あぶない！」。そのしゅんかんお母さんはとび上がり、みごとなヘディングシュートをきめたのです。みんなは、びっくり。お母さんが「こんぺい草でおいしいおやつをつくってあげるから、あとでみんなでたべにいらっしゃい」といったので、みんなは大よろこび。ヒポ先生も、お母さんからきれいなこんぺい草の花たばをもらってうれしそうです。 【scene 03】 ケーキを見てなきだしたがんぺーちゃん がんこちゃんのお父さんとお母さんが、こんぺい草の花をつかったケーキをつくっています。「できた？」と、がんぺーちゃんもよろこんでやってきました。ところが、がんぺーちゃんがケーキを見ると、まん中にかざられた花がニヤリとわらったように見えました。「ふ、ふぎゃあ～！」と、なきだすがんぺーちゃん。「このお花はね、たべられるんですよ」とお父さんがせつめいしても、「いやあっ、いやあよ、いやあ～！」とないています。どうしたのでしょう。 【scene 04】 ぱらぱら草だった！ しょくいん室（しつ）へ、ヒポ先生がこんぺい草の花たばをかかえてやってきました。こんぺい草はあまくておいしいときいた仙（せん）ちゃん先生、すこしたべてみようとします。ところがその花を見た校長先生は、「ちょっとまった！」と本でしらべはじめました。そして、「これはこんぺい草ではなく、ぱらぱら草ですね」といいました。こんぺい草によくにていますが、ぱらぱら草はたべるとよっぱらったようになる、たいへんきけんな、どくの草なのです。「子どもたちがたべたらたいへん！」。ヒポ先生は大あわてでかけだしました。 【scene 05】 「たべちゃダメーッ！」 がんこちゃんの家（いえ）の庭（にわ）で、お母さんがつくったこんぺい草のケーキをみんなでたべることになりました。でも、ケーキをきろうとすると「いやーっ。いやーっ」とがんぺーちゃんがなきだします。しかたなく、お母さんとお父さんはがんぺーちゃんを家の中につれていきました。ケロちゃんがケーキをきりわけて、みんなにくばります。そして、あまった一つを、ケロちゃんはちょっとつまみぐい。そのとき、「みなさーん、だめよー！」と、ヒポ先生たちがかけつけてきました。ケーキにのっている花は、たべるとよっぱらったようになるぱらぱら草だときいて、みんなはびっくり。 【scene 06】 よっぱらったケロちゃん みんなはまだたべていなかったのですが、こっそりつまみぐいをしたケロちゃんは、ふらふらとよっぱらったようになって、たおれてしまいました。がんこちゃんのベッドにねかせてもらったケロちゃんは、頭（あたま）がガンガンして、体（からだ）じゅうがかゆくてたまりません。「ごめんなさい。おばさんのふちゅういで」とあやまるがんこちゃんのお母さんに、「わたしがつまみぐいしたのがいけなかったのよ」と、ケロちゃんもはんせいしました。 【scene 07】 ぱらぱら草のこわさ つぎの日、ケロちゃんはまだ体（からだ）にぶつぶつがのこっていますが、すっかり元気（げんき）になって学校にきていました。「でもよ、ぱらぱら草をたべるといい気もちになるんだろ。オイラ、いっぺんだけたべてみたいな」というバンバン。すると、めずらしく校長先生が大きな声（こえ）でしかりました。たべるといい気もちになるからといって、二ど、三どとたべているうちに、くせになってやめられなくなるのだそうです。そして、よっぱらったままもとにもどれなくなってしまうのです。「こわーい！」とみんな。 【scene 08】 おいしさがわすれられない 休み時間（じかん）になりました。「ぱらぱら草って、そんなにこわいものだったんだ…」とつぶやくケロちゃん。「でも、あんなにおいしいのに、たべられないなんてもったいない！」と、ケロちゃんはぱらぱら草のあじがわすれられません。がんこちゃんに「サッカーやろうよ」とさそわれたのに、「あとでいくから、先にはじめてて」とこたえたケロちゃん、「ひょっとしたら、うらの森にもはえてるかも…。ちょっとだけ、あるかどうか、見にいくだけならいいわよ、ね…」と、さがしにいってしまいます。 【scene 09】 ぱらぱら草を見つけたケロちゃんは ケロちゃんがぱらぱら草をさがしていると、あまいかおりがしてきました。「あった！」。ぱらぱら草です。「たべたいなぁ。でも校長先生、たべちゃだめっていってたわよね…。でもおいしいのよねぇ、この花…」。心（こころ）の中の悪魔（あくま）が「それに、すっごくいい気分（きぶん）になれるわよ～」とそそのかします。とうとうケロちゃんは、「花びら１まいくらいなら、だいじょうぶじゃないかな」と花びらを１まいたべました。すると、あまりにおいしさに「もうちょっとだけ…」と、とまらなくなりました。たちまちケロちゃんはよっぱらってしまいました。 【scene 10】 すっかりよっぱらって 「♪パラリンパラッパ、パラパラピ～♪」。ごきげんになったケロちゃんは、森の木の上をぴょんぴょんとんでいきます。ケロちゃんをさがしてやってきたみんなは、ハジメどりさんから、ケロちゃんが木の上にいるときいてびっくり。でもケロちゃんは、「あら？　みんなどうしたの～？　そんなところにあつまって～」とあいかわらずごきげんなようす。ヒポ先生に「目をさまして！」といわれ、ようやく気がつくケロちゃん。自分（じぶん）が木の上にいることにびっくりしたひょうしに、足をすべらせ、木のてっぺんからまっさかさまにおちてしまいました。 【scene 11】 「もうぜったいたべたりしないから」 かえりみち。ケロちゃんはうでにほうたいをまいています。「ぱらぱら草ってこわいんだねぇ。いつのまにか木のてっぺんにのぼってるなんて」とがんこちゃん。「ケロちゃんがあのままもとにもどらなかったらどうしようって、しんぱいで、しんぱいで…」、「ほんとに、どうしようっておもったんだから…」とツムちゃんとピロくんがいいます。ケロちゃんははんせいし、みんなにあやまります。そして、「あんなこわいおもいしたんだもん、もうぜったいにたべたりしないから」と、かたくやくそくするのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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ラッパーの一日店長

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（働くことのよさを感じて、みんなのために働く） ツムの母の店の一日店長となったラッパーは、ふとしたきっかけで働く喜びに目覚め、感謝される。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 大はんじょうの『ツムリ』 「花火草（はなびそう）のハーブティーって、のむとつかれが花火のようにぶっとぶのよねぇ」。がんこちゃんのお母さんがハーブティーをたのしんでいます。「バリバリはたらいたあと、ひと休みできるばしょがあるって、すてきだねぇ」と、お父さんもくつろいでいます。ここはツムちゃんのお母さんがやっている、きっさてん『ツムリ』。そこへ、「♪おいらラッパー、カッパのラッパー♪」と、ラッパーがやってきました。ラッパーもこの店（みせ）によくかよってきていて、『ツムリ』は大はんじょうです。 【scene 02】 日曜日はよやくがいっぱい マンナカ小学校のほうかご、校長先生が「ツムちゃん。こんどの日曜日（にちようび）、先生たちみんなできっさてん『ツムリ』にいきますよ」と声（こえ）をかけました。がんこちゃんも、日曜日におばあちゃんとがんぺーちゃんといっしょに『ツムリ』にいくといいました。家（いえ）にかえってきたツムちゃんからそれをきいて、「こんどの日曜日は大いそがしね」とツムちゃんのお母さんもうれしそうです。そこへ、ハジメどりさんが手紙（てがみ）をとどけにきました。 【scene 03】 「一日店長、やってやるぜ」 それは、けむりの町のマイマイさんからの、けっこんしきのしょうたいじょうでした。でも、けっこんしきはこんどの日曜日（にちようび）です。「よやくしてくださったかたにはわるいけど、お店（みせ）はお休みにしましょう…」というお母さん。すると、その日も『ツムリ』にきていたラッパーが、「♪チッチッチッチッ。このおいらにまかせとけって。おいらりっぱにやってやるぜ、一日店長（てんちょう）♪」といいます。ちょっとしんぱいですが、お母さんはラッパーにまかせることにしました。ラッパーは大はりきりです。 【scene 04】 みんなでお店を手つだおう！ つぎの日、ツムちゃんはみんなに、「こんどの日曜日（にちようび）、ラッパーさんが一日店長（てんちょう）をやってくれるっていうんだけど…」とはなしました。でもみんなは、「むりむり」、「ラッパーさん、ちょうしはいいんだけどねえ」、「やめたほうがいいとおもう」と口々にいいます。「そしたらお店（みせ）はお休みにして…」とツムちゃんがいったので、たのしみにしていたがんこちゃんはがっかり。するとケロちゃんが、「あたしたちがお店のお手つだいすればいいじゃない」といいました。「そうだ、そうだ！」とみんな。 【scene 05】 はりきるラッパー 日曜日（にちようび）。「なるべく早くかえってくるから、よろしくね」。ツムちゃんのお母さんがハジメドリさんにはこんでもらって出かけていきました。一日店長（てんちょう）のラッパーは、ちょうネクタイにエプロンもつけてはりきっています。手つだいにやってきたがんこちゃんたちに、まず、あいさつのれんしゅうをさせます。にっこりとあいそよく、「いらっしゃいませ」。それから、みんなをそれぞれのもちばにつかせて、かいてんのじゅんびです。「ラッパーさん、はりきってる。あたしもまけてられないや！」とがんこちゃんもやる気です。 【scene 06】 いよいよかいてんのじゅんび… ピロくんはテーブルの上をきれいにします。ケロちゃんはツムちゃんといっしょにクッキーをやきます。がんこちゃんはおゆをわかし、バンバンは花をかざりました。ラッパーは、さいしょのよやくのおきゃくさんのじゅんびです。でも、はりきりすぎてころび、はこんでいたおさらとカップをゆかにおとしてわってしまいました。ケロちゃんがいそいでかたづけるあいだ、ラッパーはクッキーがこげないように見ているやくをひきうけました。 【scene 07】 しっぱいだらけのラッパー ところが、ラッパーがかまどを見にきてみると、クッキーをやく火がいまにもきえそうです。さっそく、まきをたくさんくべると、いきおいよくもえはじめました。「これですぐやけるぜ」。それからラッパーは、かぜにきくハーブティーをさがそうとしますが、お茶（ちゃ）のかんをたおしたので、お茶のはっぱがこぼれてまざってしまいました。そのとき、「ちょっと！　こげくさいわよ！」とケロちゃんの声（こえ）。火がつよすぎてクッキーがまっくろけになっていました。でもラッパーは、「♪ドンマイ、ドンマイ、気にしなーい♪」。 【scene 08】 おきゃくさんがいちどにやってきて あきれたみんなはラッパーを、「あっちにいってて」とキッチンからおいだしました。「あったまきた！　やってらんねえ！」とふてくされたラッパーは、おきゃくさんの先生たちがやってきてもしらんぷり。ふてくされてすわっています。そこへ、カッパさんや、がんぺーちゃんや、ルンルンたちが、いちどにやってきました。みんながあれこれいっぺんにちゅうもんするので、「いっぺんにいわれてもわかんないよ。どうしよう！」と、がんこちゃんはこまってしまいます。 【scene 09】 ちゅうもんがわからなくなっちゃった キッチンにもどって、ツムちゃんたちにちゅうもんをつたえるがんこちゃん。でも、「えーとえーと、先生のちゅうもんは、花火草のハーブティー二人に、アンシン草のハーブティー一人に…。あ～わかんなくなっちゃった。もう１回（かい）きいてくる！」。がんこちゃんがちゅうもんをききにいくのはこれで３回目です。先生のちゅうもんをかくにんしていると、「クッキーまだ？」、「すみません、あたしの…」と、みんなが口々にもんくをいいはじめました。「ちょっとまっててよ、またわかんなくなっちゃった」。 【scene 10】 ラップでちゅうもんをおぼえる すると、とつぜんラッパーがラップをうたいはじめました。「♪花火草のハーブティーが二人、アンシン草のハーブティーが一人、こんぺい草のハーブティーが一人、イェーイ、イェーイ…♪」。ラッパーはちゅうもんをちゃんとおぼえていたのです。みんながかんしんしたので、またやる気を出したラッパーは、てきぱきとハーブティーやクッキーをくばります。「ラップでおぼえちゃうなんて、すてきよね」とヒポ先生にほめられてラッパーはすっかりいいきぶんです。「♪おいらラッパー、一日店長（てんちょう）！♪」。 【scene 11】 がんばった一日店長 「ごっつぉさん！　のどもおさらもうるおったッチャよ」。カッパさんたちがよろこんでかえっていきます。そこへツムちゃんのお母さんがもどってきました。「みなさん、るすのあいだありがとう。たいへんだったでしょう？」。するとみんなは、たいへんだったけど、ラッパーがラップでちゅうもんをおぼえてくれたおかげで、ほんとうにたすかったといいました。「ありがとう！」。お母さんやみんなからおれいをいわれて、「♪たのしかったぜ一日店長（てんちょう）！　おいらもまだまだやくに立つ♪」とよろこぶラッパーでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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ツムちゃんのたねまき

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（動植物に優しい心で接する） 美味しい木の実を校庭に埋めたツムは、バンバンが実を食べて代わりに石ころを埋めていたとも知らずに、世話をする。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 クレマカカリアの実 「♪クレマカカリア　うつくしい木よ　風（かぜ）にさやさや…♪」。校庭（こうてい）で校長先生がうたっています。すぐそばのクレマカカリアの木が、たくさん実（み）をつけていました。「校長先生がすてきな歌（うた）をいつもきかせたおかげですね」とガメさんがいいます。「そうだ、今日あたりみんなでたべませんか」と校長先生。すると、「そりゃいいでごじゃるなあ！」と、木の上から仙ちゃん先生が顔（かお）を出しました。仙ちゃん先生がはりきって実をおとしたので、あっというまにたくさんの実がとれました。 【scene 02】 校長先生がそだてた木だった きゅうしょくのデザートに、クレマカカリアの実（み）が出ました。あまくておいしいのにみんなびっくり。校庭（こうてい）のクレマカカリアの木は校長先生がそだてたときいて、またびっり。校長先生がたねをまいたのは、みんなが生まれるずっとまえのことです。それから毎日（まいにち）、だいじにせわをしたのです。「この実も、じめんにまいたら、いつかあんなにりっぱな木になるの？」とツムちゃんがヒポ先生にたずねました。「毎日あいじょうこめておせわをすれば、きっとりっぱな木になって、おいしい実をつけるわよ」とヒポ先生。 【scene 03】 ツムちゃんがうめた実を… ツムちゃんが校庭（こうてい）のすみに、クレマカカリアの実（み）をうめています。ツムちゃんがお水をとりにいっているあいだにバンバンがあらわれました。「ばっかだなあ。こんなうめえもんそのまんまうめちゃって。たねだけまきゃいいんだよ」というと、バンバンは実をほり出してたべはじめます。ところが、うっかりたねものみこんでしまいました。「どうしよう。どうしよう！」。こまったバンバンは、おちていた石ころのようなものをかわりにうめて、いってしまいます。もどってきたツムちゃんは、なにもしらずに水をやっています。 【scene 04】 毎日たねのせわをするツムちゃん 何日（なんにち）かたちました。朝（あさ）、「おはよう！」とみんながあつまってきます。「あら？　ツムは？」とバンバン。「もうとっくに学校にいってるよ」とピロくん。「毎朝（まいあさ）、じゅぎょうがはじまるまえに、まいたたねのせわしてるんだよ」とチョビくんにいわれ、バンバンはびっくりします。「で、でもよう、芽（め）が出ねえかもしれないぜ」。でもがんこちゃんたちに、「そんなことなーい！　ツムちゃん毎日あんなにせわしてるんだもん。ぜったいに芽出すよ！」といわれ、バンバンはなにもいえなくなってしまいました。 【scene 05】 芽が出た？　うそ！ ツムちゃんがまいたたねから芽（め）が出ました。「うっそ！」とびっくりするバンバン。「ずいぶんはやく芽が出たね」、「きっと、ツムちゃんがかわいがってせわしたからだよ」とみんなもよろこんでいます。「でもへんだなあ。だってあのたね、石ころ…」といいかけてあわててだまるバンバン。「バンバン、あやしい。なんかしたんでしょ、あのたねに。正直（しょうじき）にいいなよ！」とがんこちゃんにつめよられ、とうとうバンバンは、ツムちゃんのうめた実（み）をたべてしまい、かわりに石ころをうめたことをはなしました。なきだしてしまうツムちゃん。 【scene 06】 しおれてしまった芽… 出てきた芽（め）がクレマカカリアじゃないとしったツムちゃんは、毎朝（まいあさ）のせわをしなくなり、やがて芽はしおれてきました。ひさしぶりにはたけにやってきたツムちゃんは、芽がしおれているのに気がつきました。「しらない木さん。ほったらかしにして、ごめんね…」とあやまるツムちゃん。ツムちゃんはがんこちゃんといっしょに、また芽のせわをはじめます。とおくでそのようすを見ていたバンバンも、夕方（ゆうがた）こっそりやってきて、しおれた芽のせわをします。するとその夜（よる）、芽はまた元気（げんき）になりました。 【scene 07】 元気をとりもどした芽が大木に 朝（あさ）、芽（め）が元気（げんき）をとりもどしたのを見て、「よかった。ありがとう、しらない木さん。わたしも元気が出てきたわ」とよろこぶツムちゃん。そこにやってきたバンバンも、元気になった芽を見て「おお、元気、元気！　ハハ、よかったな」とよろこびます。それからは、ツムちゃんは毎日（まいにち）やさしくうたいかけながら、名前（なまえ）もしらない木のせわをつづけました。みんなも木が大きくなるのをたのしみにしています。すると、ある日の夜（よる）、芽はきゅうにのびだして、あっというまに大木になりました。 【scene 08】 ざわざわ森につたわる伝説の木？ ひとばんで大木にそだった木を見て、みんなおどろきました。ガメさんが、「いったいこれ、なんの木なんです？」と校長先生にたずねます。うめた石ころのようなものがむらさき色（いろ）をしていたとバンバンからきいて、校長先生は「もしかしたらこれは、ざわざわ森につたわる伝説（でんせつ）の木かもしれない」といいます。名前（なまえ）はわすれたけれど、その伝説の木にはとてもふしぎな花がさくのだという校長先生。それをきいて、「どんな花なんだろ？」、「たのしみだね」と、みんなはたのしみになりました。 【scene 09】 “シャボンの花”だった つぎの朝（あさ）。あの木にきれいな花がさいていました。みんながそのまわりにあつまってきました。「えっへん。おいらがたねをまいたからだな」とじまんするバンバンに、「ツムちゃんが一生けんめいせわしたからよ」とケロちゃんやみんな。やがて、「♪ポワン　フワン♪」と、花の中からシャボン玉がたくさん出てきました。「やさしい心（こころ）がそだてたときにだけひらく“シャボンの花”なんですねぇ」と校長先生がいいます。きれいにさいた花にみんながおれいをいうと、花も「♪ツムちゃん、みんな、ありがとう♪」とこたえるのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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がんこちゃんはアイドル

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（学級の生活を楽しむ） 学芸会で出ずっぱりの役になったがんこは、途中で足がしびれてしまうが、みんなと劇を成功させたいと必死にがんばって、大役をこなす。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 これが、げきのれんしゅう？ 「ただいまー。お父さん、あたしね、がくげいかいのげきで、すっごくだいじなやくをやることになったの！」。学校からかえってきたがんこちゃんがうれしそうにいいました。さっそく、お父さんにげきのれんしゅうを手つだってもらいます。せんたくもののかごにしがみついて、「あたしのこと、もち上げてみて」とがんこちゃん。お父さんはかるがるともち上げました。するとがんこちゃんは、「もう１かい」と、こんどはじょうぶなさくにしがみつきます。「なんだかへんなれんしゅうだな。うりゃあ～！」とお父さん。 【scene 02】 なんのやくかは、ないしょ そこへお母さんがかえってきました。「二人ともなにやってるの？」ときかれたお父さん、「ウオッホン。がくげいかいのげきのれんしゅうをしてたんだよ」といいました。がんこちゃんは、「みんな、見にきてね。ヒポ先生も、がんこちゃんにしかできないだいじなやくだからっていってた」といいます。「まあ、すてき！　いっぱいおしゃれして見にいくわ」とお母さん。「で、いったいなんのやくなんだい？」とお父さんがききますが、「えへへへへ、それはないしょ」と、がんこちゃんはおしえません。 【scene 03】 みんなじゅんびはバッチリ！ ヒポ先生が、「みんな、おはよう。がくげいかいはいよいよあしたですよ。みんなちゃんとセリフはおぼえていますか？」といいました。もちろん、みんなバッチリ。ヒポ先生は、声（こえ）の小さいツムちゃんには「大きな声を出してがんばりましょうね」といい、「いまからあがっちゃってるみたいで」というピロくんには「そんなときは、きゃくせきを見てもカボチャがならんでいるとおもえばいいのよ」とはげまします。「がんこちゃんは？」ときかれたがんこちゃん、「お父さんとれんしゅうしてきたからバッチリだよ～」とこたえました。 【scene 04】 紙テープのかわりに… がくげいかいの会場（かいじょう）。きゃくせきにはバンバンの妹（いもうと）のルンルンとおばあちゃんもきています。一年生のげき『大どろぼうとおひめさま』がはじまります。がんこちゃんのお母さんたちがじかんギリギリにやってきました。お母さんの大きなにもつを見て、「なんですか、これは？」と校長先生。「あ、これ？」とお母さんがひらいたつつみの中からは、トイレットペーパーがどっさり出てきたので、みんなびっくり。「がんこちゃんが出てきたらこれなげるのよ。紙（かみ）テープのかわりよ」とお母さん。 【scene 05】 大どろぼうのバンバンと子分のピロくん まくが上がりました。まずとうじょうしたのは、大どろぼうのバンバンと、子分（こぶん）のピロくんです。ぶたいでころんだピロくん、セリフをまちがえてしまいます。でも、「カボチャ、カボチャ」とヒポ先生のことばをおもい出してきゃくせきを見ると、みんなの顔（かお）がカボチャに見えておちつきました。ルンルンに「にーたん、わるい子。きらい！」といわれ、おもわず、「これはおしばいだよう」とこたえてしまうバンバン。二人がおしろのおひめさまをぬすむために出かけていったところで、いったんまくがおりました。 【scene 06】 いよいよがんこちゃんのとうじょう？ 「ふふ。いよいよがんこちゃんのとうじょうね」ときたいするお母さん。「え、そうなの？」ときくお父さんに、「がんこちゃん、おしろのおひめさまのやくよ。きまってるじゃない」とお母さん。「そ、そうかなあ…」とお父さん。お母さんは、「がんこちゃんのおひめさまが出てきたら、なげるわよ、これ。エイヤー！」と、トイレットペーパーをふりまわしてなげるれんしゅうをはじめます。とうとう、校長先生やガメさんから、「もうすぐまくがひらきますので、おしずかに」とちゅういされました。 【scene 07】 「がんこちゃんじゃないわ！」 まくがあくと、おしろのじょうへきの上でおひめさまがうたっています。でもその顔（かお）は見えません。おしろのもんばんが、「おひめさまの、お出まし～」とつげると、「まってました、がんこひめ！」と声（こえ）をかけるお母さん。ところが顔を見せたおひめさまは、がんこちゃんではなくケロちゃんでした。「がんこちゃんじゃないわ！　おひめさまっていったら、がんこちゃんでしょっ！」となきだすお母さん。お父さんがなだめても、お母さんは「なんでよ～！」と、ハンカチをひきさくほどくやしさがおさまりません。 【scene 08】 足がしびれてきたがんこちゃん がんこちゃんは、ぶたいの上で大きな岩（いわ）のようなものの中に入っていました。でも、せなかがかゆくなり、うごきだします。「うごいちゃだめよ。じっとしてて」とヒポ先生。「このげきのせいこうがかかってるんだよ」とチョビくんにもいわれますが、足もしびれてきたがんこちゃんは、がまんできずにちょっとだけ足をのばしました。その足を見て、「だめギャオ。出てる、出てる」とギャオくんはあわてて足をかくします。「そうだよね。うごいたらげきがだいなしだ。がんばらなくちゃ」と、また頭（あたま）と足をひっこめるがんこちゃんです。 【scene 09】 がんこちゃんは岩？ 「がんこちゃん、まだ出てこないわ。どうなってるの？」。お母さんは気が気ではありません。ぶたいでは、むりやりおしろに入ろうとした大どろぼうが、「なんだ、このじゃまっけな岩（いわ）め！」とがんこちゃんの入っている岩をけりました。「いたっ！　バンバンったら、本気でけることないでしょ！」。おこったがんこちゃんがおもわずあなから顔（かお）を出したので、「ねぇたん、みーっけ！」。がんこちゃんはがんぺーちゃんに見つかってしまいました。「まさか？　あの大きな岩ががんこちゃんだなんて！」。お母さんはショックでたおれてしまいます。 【scene 10】 岩に見えたのは大ガメだった 大どろぼうが岩（いわ）をもち上げようとしますがなかなかもち上がりません。「あそこをれんしゅうしてたんだな」。やっとお父さんにもれんしゅうのいみがわかりました。「まけるな、がんこちゃーん」。おうえんするお母さん。そこへ小さな女の子がやってきました。ツムちゃんです。「イワオちゃん、そろそろでかけましょ」と女の子がちょっとさわると岩がかんたんにうごいたので、大どろぼうはびっくり。そして岩が「グワオォ～！」とほえたので、大どろぼうはにげだしました。でもそれは、岩に見えた大ガメのイワオちゃんのあくびでした。 【scene 11】 足がしびれて立てないがんこちゃん 大どろぼうがいなくなってたすかったおひめさまが、イワオちゃんにおれいをいいます。ところが、足がしびれたがんこちゃんは、立ち上がろうとして、ぶたいの上でひっくりかえってしまいます。ほかのみんなもつられてたおれたので、あわてて「まく！　まく、しめて～」とさけぶヒポ先生。でも、げきはおきゃくさんに大こうひょうでした。「がんこちゃん、岩（いわ）じゃなくて大ガメだったのね」とお母さん。「いやぁ、大かつやくだったね」とお父さんもよろこんでいます。でもお母さんはトイレットペーパーをなげるのをわすれていました。 【scene 12】 がんこちゃんに大きなはくしゅ さいごにヒポ先生が、おしばいをしたみんなをしょうかいします。大どろぼうのバンバン、子分（こぶん）のピロくん、もんばんのチョビくんとギャオくん、おひめさまのケロちゃん、女の子のツムちゃん。そして、足がしびれておくれて出てきたがんこちゃんを、ヒポ先生があらためてしょうかいします。「大ガメのイワオちゃんをえんじました、がんこちゃん。足がしびれても、みんなでげきをせいこうさせるためにじっとがまんしてがんばってくれました」。大きなはくしゅです。「かんどうしたわぁ」と、つぎつぎにトイレットペーパーをなげるお母さんでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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ごめんね、おかあさん

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（父母、祖父母を敬愛し、進んで手伝いをして家族の役に立つ喜びを知る） 母と口喧嘩をし、弁当を持たずに出ていくがんこ。慌てて追いかける母は、途中で怪我をして・・・

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 えんそくのおべんとう 今日（きょう）は、がんこちゃんのえんそく。お父さんたちがせっせとおべんとうをつくっています。お父さんは三角（さんかく）おにぎり。お母さんはまんまるおにぎり。おばあちゃんはたわらがたおにぎり。三つあわせて、大きな“がんこちゃんおにぎり”です。「うわあ、ねぼうしちゃった！」と、がんこちゃんがかけこんできました。大いそぎでにもつをチェックします。ところが、おべんとうにはがんこちゃんの大すきなサボテンフライが入っていません。お母さんがわすれていたのでした。リュックをせおってあわてて出かけるがんこちゃんです。 【scene 02】 おべんとうをおとしたまま… どっさりにもつをせおったがんこちゃんが、森の中を学校へいそいでいます。「あんなにサボテンのフライっていったのになあ。まったくもう、お母さんたらわすれんぼうなんだから！」。おこってずんずんあるくのでつつみがほどけ、おべんとうがリュックからおちて草むらへころがっていきました。きゅうにリュックがかるくなったので、おべんとうをおとしたことに気づいたがんこちゃん、あちこちさがしますが、じかんがありません。「もういい！　サボテンフライのないおべんとうなんていらないもん。おかしがあるからいいよーだ！」と、そのままいってしまいました。 【scene 03】 ♪ヤヤコシとうげにえんそくだ♪ 「みなさん、おはようございます」。校庭（こうてい）で校長先生があいさつします。「それでは、ヤヤコシとうげまでえんそくにいきますよ」。みんな大よろこびです。とうげまでの道（みち）には、きけんな場所（ばしょ）もあり、へんな生きものがいろいろいるそうです。「とくに、うそつきの木にはだまされないよう気をつけましょうね」とヒポ先生がちゅういしました。いざ、しゅっぱつです。「♪トッタカター　えんそくだ　ヤヤコシとうげにえんそくだ　ややこしくたってへっちゃらだ…♪」。みんなは元気（げんき）よく森の中をあるいていきました。 【scene 04】 がんこちゃんをおいかけるお母さん そのころがんこちゃんの家（いえ）では、お母さんがいそいでサボテンフライをつくりました。「がんこちゃん、まっててねー！」。かごにいっぱいのサボテンフライをもって、お母さんはかけだしていきます。森の中でお母さんは、がんこちゃんがおとしたおべんとうを見つけました。「えんそくでおべんとうがないなんて、かわいそうながんこちゃん。とどけてあげる！」。ひろったおべんとうももって、お母さんはもっといそいでかけだしていきました。「がんこちゃーん！」。手あたりしだいに木をなぎたおしてはしっていきます。 【scene 05】 “うそつ木”のうそ 「ひまだなぁ。だれかうそつくあいてがとおらないかなぁ」。“うそつ木”がたいくつしているところへ、がんこちゃんたちがやってきました。わかれ道（みち）でちょっときゅうけいです。がんこちゃんとケロちゃんはトイレに。すると、「こんにちは、おじょうさんたち」と、うそつ木がはなしかけてきました。「そのトイレはこわれててつかえないよ。だいじょうぶ。こっちの道にもう一つトイレがあるキ」。ごうかなプレゼントもあるときいて、「なんかあやしい。もしかして、ヒポ先生のいってた“うそつ木”？」とがんこちゃんたち。「なんでばれちゃったのキ？」。うそつ木はにげていきました。 【scene 06】 ヤヤコシとうげへの道しるべを みんなのところにいそいでもどると、がんこちゃんたちは「先生、うそつ木がいました！」とほうこくしました。「ふたりとも、ケガがなくてよかったわ」とヒポ先生。みんなそろったところで、しゅっぱつします。ヤヤコシとうげまで、あとひといきです。「♪トッタカター　えんそくだ　トッタカター　えんそくだ　トッタカター　えんそくだ…♪」。するとまたうそつ木があらわれました。「さっきは大しっぱい。よし、こんどはこっちの道（みち）でだれかをだますキよー」。うそつ木はヤヤコシとうげへの道しるべをちがう道にうごかして、「ウッキッキー」とわらいました。 【scene 07】 だまされたお母さん ものすごいいきおいでかけてきたがんこちゃんのお母さんが、道（みち）しるべのところにやってきました。「おじょうさん、おじょうさん、どこいくキ？」と、うそつ木がはなしかけます。「ぼく、しんせつでショウジキーだから、なんでもおしえてあげるよ」。お母さんが、「ありがとう。ヤヤコシとうげって、こっちでよかったかしら？」とたずねると、「そうそう。この道まっすぐ。まっすぐいけばすぐ」とうそつ木はいいました。「がんこちゃーん、まっててねー」と、お母さんはよろこんでいってしまいます。「いっちゃったー。あっちは、がけだよ。ウッキッキ」とうそつ木。 【scene 08】 がけからまっさかさまに 「いそがないと、おべんとうのじかんになっちゃうわ。がんこちゃん！　いま、おべんとうもってくわよー！」。はしっていったお母さんがふと気がつくと、足の下にじめんがありません。「わああああ～」。お母さんはがけからまっさかさまにおちてしまいました。ドスーン！ 「ああ…、うそつ木にだまされたんだわ。うそつき、うそつき～！」。お母さんの声（こえ）がこだましていきました。 【scene 09】 みんなのおべんとう、おいしそう がんこちゃんたちが、やっとヤヤコシとうげにつきました。さっそく、みんなはおべんとうをひろげます。よろこんだがんこちゃんですが、おべんとうがないことをおもいだしました。バンバンは、おいなりさん。ギャオくんは、くしやき。チョビくんは、からあげべんとう。ツムちゃんは、サンドイッチ。ピロくんは、たまごやきとおにぎり。ケロちゃんは、にくだんごをたくさん。みんなおいしそうです。「いいなあ。あーあ…」とがんこちゃん。 【scene 10】 ハジメ鳥さんが見つけてくれた そのころ、のんびり空をとんでいたハジメ鳥さんに、「たすけてえー！」という声（こえ）がきこえました。がけの下におりてみると、がんこちゃんのお母さんがいました。がけからおちてうごけなくなったといいます。「お父さんにしらせてきて。それから、このおべんとうとサボテンフライを、ヤヤコシとうげにいるがんこちゃんにとどけてちょうだい」とたのまれたハジメ鳥さん。「オッケー。マカシトイテー！」といそいでとんでいきました。「ああ、がんこちゃんのおべんとう、まにあえばいいんだけど…。ごめんね、がんこちゃん。ごめんねー！」。 【scene 11】 がんこちゃんのお母さんが！？ 「いっただっきまーす！」。おいしそうにたべるケロちゃんが、「あれ？　がんこちゃん、おべんとうは？」と気がつきました。「う、うん、それが…」といいかけたところへ、ハジメ鳥さんががんこちゃんのおべんとうをはこんできました。「あっ、あたしがおとしたおべんとうだ！　それにサボテンフライも！」とがんこちゃんはびっくり。がんこちゃんのお母さんががけからおちたとハジメ鳥さんからきいたみんなは、もっとびっくり。先生たちもおどろいて、いそいでもどることにします。「お母さーん！」と、なきだすがんこちゃんです。 【scene 12】 「お母さん、ごめんなさーい！」 ほうたいをグルグルまいたお母さんがベッドにねています。そこへがんこちゃんがかけつけました。「お母さん、ごめんなさい。あたし、おべんとうおとしたの、しってたんだ。でもそのままいっちゃったの。ごめんなさーい！」とあやまるがんこちゃん。「そうだったの。でも、お母さんもサボテンフライわすれてごめんなさい」。みんなでだきあって「うわーん！」となきだします。すると、「グウゥ～」とおなかのなる音が。「あはは。ないたら、おなかすいちゃった」とがんこちゃん。そこで、がんこちゃんとお父さんでごはんをつくり、みんなでおいしくいただいたのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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がんこちゃんのはつゆめ

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（うそをついたりごまかしたりしないで、すなおにのびのびと生活する） いい初夢を見られると、ラッパーの髪の毛とパンを交換するがんこは、親に嘘をついてごまかす。

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【】 オープニング （オープニングテーマ） 【scene 01】 みんなでお正月のじゅんび 今日（きょう）は、がんこちゃんの家（いえ）の大そうじです。「キェーイと気あいを入れて、うちじゅうをきれいにしてお正月をむかえるんだ！」と、はりきるお父さん。がんこちゃんもおもちゃをかたづけます。すると、「あれれ、アレをどこへしまったかねえ…」と、おばあちゃんがなにかをさがしています。出てきたのは、たからものをどっさりつんだ、たからぶねの絵（え）でした。「これをお正月にまくらの下にしいてねると、いいはつゆめを見られるんだよ」ときいて、「あたしもいいはつゆめ見たいなあ」とがんこちゃん。 【scene 02】 ツムちゃんのおうちへおつかいに そこへお母さんが、サボテンパンをはこんできました。「サボテンパンがやけたから、ツムちゃんのおうちまでとどけてもらえる？」とがんこちゃんにたのみます。そして、「ツムちゃんのお母さんに、花火草（はなびそう）をたのんであるからもらってきてちょうだい」といいました。「花火草はえんぎのいい花だからね、お正月かざりにつかうんだよ」とお父さん。がんこちゃんはサボテンパンをかごいっぱいにせおって出かけました。 【scene 03】 サボテンパンをかみの毛とこうかん 森の中で、がんこちゃんはカッパのラッパーにあいました。おなかをすかせたラッパーは、サボテンパンをくれたらかみの毛（け）を一本あげるといいます。ラッパーのかみの毛をまくらの下においてねると、すばらしいゆめが見られるというのです。「おまけに、そのすんばらしいゆめが、本当のことになるんだぜ！」とラッパーはいいました。「こんなチャンスはめったにないぜ」といわれて、まようがんこちゃん。そのあいだに、ラッパーはかみの毛一本をおいて、サボテンパンをぜんぶもっていってしまいました。 【scene 04】 がんこちゃんの見たいゆめ そこへケロちゃんたちがやってきました。がんこちゃんはみんなに、ラッパーからもらったかみの毛（け）の話（はなし）をします。「これであたしもおばあちゃんみたいに、すてきなはつゆめ、見られるんだ」というと、「がんこちゃんが見たいゆめって、どんなゆめ？」とピロくんがききました。さいしょにがんこちゃんがかんがえたのは、空をとぶゆめでした。つぎにかんがえたのは、おかしがいっぱい出てくるゆめでした。「あたしもそんなゆめ見たい」というケロちゃんに、「本当（ほんとう）になったらさいこうだよね」と、がんこちゃん。 【scene 05】 ツムちゃんとばったり みんなとわかれてかえろうとしたがんこちゃんは、なにかだいじなことをわすれているような気がします。そこへツムちゃんがやってきました。ツムちゃんは、そろそろサボテンパンがやきあがるころだとおもって、がんこちゃんのおうちへとりにいくところでした。サボテンパンのおつかいをおもいだしたがんこちゃんは、「あ、あの、ツムちゃん。サボテンパンはもうちょっとまっててくれるかな。ごめん。またねー」とごまかして、にげだしました。「がんこちゃん、どうしたのかしら…」とツムちゃん。 【scene 06】 お父さんとばったり… がんこちゃん、こんどはサボテンをとりにいっていたお父さんとばったり。「どきっ！　お、お父さん。サボテンたくさんとれたんだね」。「これだけあれば、お正月のあいだ、まにあうだろう」。「うれしいな。サボテンフライに、サボテンステーキ、それからサボテンパーン」。するとそこへツムちゃんのお母さんが！　「サボテンパン、たのしみにまってますわ」といわれ、パンはがんこちゃんがとどけたとおもっているお父さんはわけがわかりません。「お、お父さん。あたし、サボテンはこぶの手つだうよ」。がんこちゃんはサボテンをもってにげだしました。 【scene 07】 うそをついてしまうがんこちゃん 「花火草はもらってきてくれた？」。サボテンをせおってかえってきたがんこちゃんに、お母さんがたずねました。「えーと、えーと。まだとれないんだってさ。もうちょっとまっててって」とごまかすがんこちゃん。「あらそうなの？　でもサボテンパンはとどけてくれたのよね？」ときかれ、「う、うん」。本当（ほんとう）のことをいえなくてうそをついてしまいます。そこへとんできたチョウチョをおいかけて、お母さんはガンペーちゃんといっしょにいってしまいました。「ふぅー。今日（きょう）はもうドキドキすることばっかりだよ」。ほっとするがんこちゃんです。 【scene 08】 がんこちゃんが見たゆめは 「ラッパーさんのかみの毛（け）、どんなゆめ見られるんだろう。お正月まだだけど、まくらの下にしいてねちゃおう」。ゆめの中で、がんこちゃんはサボテンパンにのって空をとんでいました。ドンドコ山の上に花火が上がるのを見て、花火草をまだもらってきていないことをおもいだします。サボテンパンもまだとどけていません。「そうだ。このままツムちゃんちにとんでけばいいんだ」。でも、とちゅうでツリーハウスにぶつかります。そこでラッパーとパンのとりあいになり、「パン、パン、パーン！」と、ゆめを見ながら本当（ほんとう）にさけびました。 【scene 09】 本当のことをはなすがんこちゃん おどろいたお父さんとお母さんがかけつけました。「わるいゆめでも見たようだね」。「だいじょうぶ？　もうあんしんよ」。そこでがんこちゃんは、いいゆめを見られるというラッパーのかみの毛（け）とサボテンパンをこうかんしたことをはなしました。本当（ほんとう）にとちゅうまではいいゆめを見ていたのです。「とちゅうから、なんだかへんなゆめになっちゃったの。それはきっと、あたしがうそついたからだよ。ごめんなさい」。するとお母さんは、「そうね、うそはだめよ。サボテンパンはあしたの朝（あさ）もういちどやいてとどけましょ」といってくれました。 【scene 10】 サボテンパンをとどけるがんこちゃん つぎの日の朝（あさ）。「ツムちゃ～ん。おそくなってごめんね。サボテンパンもってきたよ」。がんこちゃんがサボテンパンをもってツムちゃんの家（いえ）にやってきました。「がんこちゃん、ありがとう」。「がんこちゃん、どうもありがとう。はい、たのまれていた花火草よ」。ツムちゃんのお母さんががんこちゃんに花火草をわたしました。「お正月にまにあってよかったわね」というツムちゃんに、「うん、ありがとう」とおれいをいうがんこちゃんです。 【scene 11】 「わたしにもかみの毛ちょうだい！」 おおみそかの夜（よる）、みんながドンドコ山の見えるところにあつまっています。いよいよカウントダウンがはじまりました。「５、４、３、２、１、それーっ！」。花火が上がります。「あけましておめでとう！」。そこへラッパーがやってきました。「ラッパーさんすごーい。あたしさ、この花火とおんなじ花火をゆめで見たんだもの」とがんこちゃん。「そりゃよかった。おいらのいったとおりだろ？」。するとみんなもラッパーのかみの毛（け）をほしがります。「そんなにおおぜいにあげたら、おいらツルッツルになっちゃうよー」。あわててにげていくラッパーでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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にげだしたかげっこ

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（身近にいる幼い人などに温かい心で接し、親切にする） 仲間に入りたがるがんぺーの影をふんでからかうがんこたち。するとがんぺーの影が体を離れて・・・

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 「がんぺーちゃん、雪だよ、雪！」 家（いえ）の中でがんぺーちゃんとあそんでいたがんこちゃんは、外（そと）は雪（ゆき）がふってきたのに気がつきました。「がんぺーちゃん、見て見て！ 雪だよ、雪！」。雪を手でうけて、「ちゅめたい！」とよろこぶがんぺーちゃん。「そうだ！ 明日（あした）は日曜日（にちようび）だから、たくさんつもったら雪だるまつくろうね」とがんこちゃんがいって、たくさん雪がふるように、二人で雪の歌（うた）をうたいました。「♪リンリンリン　リリンリリン　お空の上から雪がふる　ズンズンズン　スズンスズン　じめんの上に雪つもる♪」。 【scene 02】 雪だるまをつくりに学校へ つぎの朝（あさ）、あたりいちめん、まっ白に雪（ゆき）がつもりました。バンバンとギャオくんがやってきました。「雪がいっぱいつもったから、学校いって雪だるまつくろうぜ」。よろこんだがんこちゃんが出かけようとすると、「がんぺーたんも、いく～」とがんぺーちゃん。めんどうを見るのはたいへんだとおもったがんこちゃんは、「おるすばんしてようよ。雪の中あるいてくのたいへんだし、さむいから」といいますが、ききません。そこで、お母さんががんぺーちゃんをトイレにつれていくあいだに、こっそり出かけました。 【scene 03】 あとをおうがんぺーちゃん 校庭（こうてい）で、ケロちゃんとピロくんが雪（ゆき）だるまをつくっています。がんこちゃんたちもやってきて、いっしょに雪だるまづくりです。「♪ごろんごろん、ごーろごろ　雪玉ころがって大きくなあれ…♪」。そのころ、がんこちゃんの家（いえ）では、さっきまでないていたがんぺーちゃんがしずかになりました。「きっと、なきくたびれてねちゃったんだよ」とお父さん。ところがそのころ、がんぺーちゃんは家をぬけだして、雪の中を一人で学校にむかっていました。「おねえたーん！ がんぺーたんも、いく～！」。 【scene 04】 雪だるまの名前は「ゴローさん」 がんこちゃんたちの大きな雪（ゆき）だるまができあがりました。すると、雪だるまのうしろでうごくものがあります。なんと、あらわれたのは、がんぺーちゃんでした。みんなびっくりしますが、いっしょにあそんであげることにしました。雪だるまを見てよろこぶがんぺーちゃんに、「これね、ぼくたちが雪の玉をゴロゴロころがしてつくったんだよ」とピロくんがいいます。すると、がんぺーちゃんが雪だるまを「ゴローたん」とよんだので、雪だるまの名前（なまえ）は「ゴローさん」にきまりました。 【scene 05】 みんなで「かげふみ」 お日さまがさして、雪（ゆき）の上にゴローさんのくろいかげがあらわれました。みんなのかげもあります。そこで、みんなで「かげふみ」をしてあそぶことにしました。かげをふまれた人がおにになる、おにごっこです。じゃんけんでギャオくんがさいしょのおにになりました。「ふむど、ふむど、かげふむど！」。バンバンやケロちゃんたちはうまくにげますが、がんぺーちゃんは雪だるまのかげにかくれようとしてころびました。「ギャオーッと！ がんぺーちゃんのかげふんだ！」。がんぺーちゃんは、かげをふまれてしまいました。 【】 scene06　がんぺーちゃんのかげがにげだした！ こんどはがんぺーちゃんのおにです。でも、なかなかみんなをつかまえられません。そのうち、がんぺーちゃんはまたころんでしまいます。「ころんだぞ。ふんじゃえー！」。「それ！ それ！ そーれ！」。みんなでがんぺーちゃんのかげをふみます。がんぺーちゃんがやめてといってもききません。「いやあああ！」。がんぺーちゃんがさけぶと、なんと、がんぺーちゃんのかげが足からはなれ、にげていきました。たいへん！ がんぺーちゃんが、かげなしになってしまいました。「がんぺーたんのかげっこ、ないー！」。なきだす、がんぺーちゃん。 【scene 07】 かげのいたずら ハジメ鳥さんがミカンをたべているところに、がんぺーちゃんのかげがとんできて顔（かお）にはりつきました。「わっ、きゅうにまっくら！ もう夜（よる）になったの？」。するとかげはまたとんでいきました。「あり？ 朝（あさ）だ！ オハヨー…って、いまのなに？」とハジメ鳥さん。つぎにかげは、ジョギング中のヒポ先生のところにとんできて、ヒポ先生のほそいかげの上にとまります。「あらいやだ。きゅうにでぶっちょになっちゃったわ！」。するとかげはまたどこかへいってしまいます。「なんだったんでしょう、いまの？」とヒポ先生。 【scene 08】 かげをつかまえにいこう 「えーん、えーん。がんぺーたんのかげっこ、ないー！」。がんぺーちゃんがないています。「かげがにげちゃうなんて…」。「ギャギャイ。かげ、おこった」。「ちょっとオイラたち、やりすぎたかな」。ケロちゃんやバンバンは「がんぺーちゃん、ごめんね」とあやまります。みんなで、にげたかげをつかまえにいくことにしました。がんぺーちゃんは、がんこちゃんがおんぶします。みんなは、かげのにげていった森のほうへむかいます。 【scene 09】 にげまわるかげ 「がんぺーちゃんのかげー！」。さがしていたみんなは、森の中でかげを見つけました。でも、すばやくにげられてしまいます。「がんぺーたんのかげっこー！」。またなきだすがんぺーちゃん。そのころがんこちゃんの家（いえ）では、お父さんがせんたくものをほしていました。するとせんたくものといっしょに、くろいものがほしてあります。「あれ？ これ、だれの？」とお父さん。するとそのくろいものは、せんたくものからぬけだしていってしまいました。「なんだったんだ、いまの？」。 【scene 10】 もう一回ゴローさんをつくろう！ みんなが校庭（こうてい）にもどってくると、雪（ゆき）だるまのゴローさんがいません。お日さまが出ているので、とけてしまったのです。がんぺーちゃんは、ゴローさんのかげもどっかへいってしまったとおもっています。すると、「そうだ！ もう一回（かい）ゴローさんをつくろうよ！」とがんこちゃんがいいました。こんどはとけないように、雪ではなくサボテンをつかうのです。「そうね。そしたらかげももどってくるわよ」とケロちゃん。みんなははりきって、サボテンのゴローさんをつくりはじめました。 【】 scene 11 もどってきたかげ サボテンのゴローさんができあがりました。「ゴローたん、かげ、かえってきた！」と、がんぺーちゃんもよろこんでいます。「がんぺーちゃんのかげだってさ、きっとかえってくるよ」。がんこちゃんがいいました。するとバケツのうしろから、がんぺーちゃんのかげがあらわれました。「かえってきてー、おねがい！ もういじめたりしないから」。がんこちゃんがそういうと、かげはとんできて、がんぺーちゃんの足にくっつきました。「がんぺーたんのかげっこ、かげっこ～！」。がんぺーちゃんは大よろこび。みんなもかげにあやまったのでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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あたらしい絵本室

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（約束やきまりを守り、みんなが使う物を大切にする） 小学校に新しく絵本室ができた。ところが、がんこたちが乱暴にしたせいで本棚が崩れてしまう。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 マンナカ小学校に絵本室が 「がんこちゃん、明日（あした）からもうすこし早おきしましょうね」。ちこくしてきたがんこちゃんにヒポ先生がいいました。「はーい。えへへ」。そしてヒポ先生は、「いまからすてきなおしらせがありますよ」といいました。校長（こうちょう）先生がみんなにはっぴょうします。「みなさん。なんと、このマンナカ小学校に、あたらしく絵本室（えほんしつ）ができたんですねぇ」。みんなの前（まえ）にすてきな絵本室があらわれました。「この中には、せかいのあちこちからあつめてきた、たくさんの本があるんでごじゃるよ」と仙（せん）ちゃん先生。「すっごいなぁ！」とがんこちゃん。 【scene 02】 絵本室でのおやくそく 「ここにある本は、みなさんがかりてよんでいいんですよ」とヒポ先生。「ようし、さっそくかりようぜ！」とバンバンが本を手にとろうとすると、「ちょっとまった！」とヒポ先生がとめました。「その前（まえ）に、まずは絵本室（えほんしつ）でのおやくそくをおぼえてください」といいます。「そうなんです。絵本室では、きまりがあるんですねえ」と、校長先生が『絵本室のきまり歌（うた）』をうたいはじめました。「♪一つ　おおごえださない　はしらない　二つ　ほんはやさしく　ていねいに　三つ　かりたらちゃんとかえしてね」。これでみんなも絵本室でのおやくそくがわかったようです。 【scene 03】 それぞれきょうみのある本を チョビくんがかりようとしたのは、『たからものをさがせ』という本です。「ぼく、きれいな石やめずらしいおたからをコレクションしてるんだ」。ピロくんは、『しっぽのふしぎ』という本。ピロくんのしっぽは、びっくりするときれてしまうのです。でもだいじょうぶ。ピロくんのしっぽは、またすぐ生えてきます。ケロちゃんは、『せかいのおかし』という本。「おいしいおかし、いっぱいつくっちゃうわ。へへへ～」とうっとりしています。「うまそうギャオ」と本をかじったギャオくんは、「本はたべられないのよ」とヒポ先生にちゅういされました。 【scene 04】 『おねしょのなおしかた』？ がんこちゃんは『サボテンのそだてかた』という本を見つけました。「これかりていこう」。がんこちゃんがそうぞうします。…たくさんのサボテンを見てうれしそうなおばあちゃん。かぞくみんながよろこんでいます。「がんこちゃんがかりてきてくれた本のとおりにそだてたからねえ。がんこちゃんはいい子だねえ」とお父さん…。「ぐふ、ぐふふふ～」とがんこちゃんは一人でにやにやしています。バンバンがこっそりよんでいた本をのぞきこんだケロちゃん、「あら？ 『おねしょのなおしかた』？」。あわててバンバンは、「その…妹のルンルンにたのまれて…えへへへ…」とごまかします。 【scene 05】 もういちど絵本室へ 「ジリジリベルベル…」。かねの木さんのベルがなって、学校がおわりました。「ねえねえ、ツムちゃん、いっしょにかえろう！」。がんこちゃんがツムちゃんに声（こえ）をかけました。でもツムちゃんは、「ごめんね、がんこちゃん。今日（きょう）は先にかえってて」といいます。「どうしたの？」ときかれ、ツムちゃんは「どうしてもかりたい本があるんだけど、さっきは見つからなくて…。もういちどさがしてみようとおもうの」といいました。そこで、がんこちゃんもバンバンもケロちゃんもいっしょに絵本室（えほんしつ）にいくことにしました。 【scene 06】 ツムちゃんは本を見つけたけど 絵本室（えほんしつ）で本をさがしていたツムちゃん、「あった。この本だわ。『森の小さなきっさてん』」といいました。そこへ、「見ろよ。この絵（え）、がんこににてるな。はは」とバンバンがべつの本を見つけてきました。表紙（ひょうし）には、ちょっとまのぬけたきょうりゅうの顔（かお）がえがかれています。「むかっ！　ぜんぜんにてないよ！」とがんこちゃん。「にてる！　この口なんかそっくりだぜ」とバンバン。「にてない！」と本をとり上げようとするがんこちゃん。よけるバンバンはツムちゃんにぶつかり、ツムちゃんは本をおとしてしまいます。 【scene 07】 がんこちゃんとバンバンのとっくみあい がんこちゃんとバンバンはとっくみあいになりました。本がとびかい、ツムちゃんは気が気ではありません。「こんの～！　とりゃあーっ！」。がんこちゃんがバンバンをなげとばします。とんでいったバンバンが本だなにぶつかり、本がすっかりおちてちらばりました。「うわあ、本がバラバラになっちゃったじゃないのよ！」。ケロちゃんがそういうと、バンバンは「しーらねっ」とにげてしまいました。「ずるいよ、バンバン！」。がんこちゃんとケロちゃんもにげだします。校庭（こうてい）までにげてきて気がつくと、ツムちゃんがいません。「もしかして、まだ絵本室（えほんしつ）にいるのかも…」。 【scene 08】 お母さんとのやくそくの本がバラバラに がんこちゃんたちがこっそり絵本室（えほんしつ）の中をのぞくと、ヒポ先生とツムちゃんがかたづけをしています。「あっ、あった！　先生、わたしこの本かります」とツムちゃんが本を手にとりました。ところが本はバラバラにくずれてしまいました。「お母さんとやくそくしたのに…」。ツムちゃんのお母さんは、子どものころよんで大すきだった本にあこがれて、きっさてん『ツムリ』をひらいたのです。「いつかもういちど、ツムちゃんといっしょによみたいわ」。お母さんはツムちゃんとそうやくそくしていたのです。バラバラになった本を見てなきだしてしまうツムちゃん。 【scene 09】 みんなで本をなおそう！ そこへ、「ツムちゃん、ごめんね！」と、がんこちゃんたちがかけこんできました。「その本、そんなにだいじだったのかよ」とバンバン。するとヒポ先生がいいました。「みなさん、ここにある本は、どれもみんながよめるように、きちんとならべておいてあるのよ。こんなふうにこわしてしまったら、よみたかっただれかがとってもがっかりすることになるんですよ」。それをきいて、「そっかぁ…。ごめんな、ツム」とあやまるバンバン。「よし、まってろよ。この本、なんとかよめるようにしてやっからな！」といいました。みんなでワイワイと本をなおしはじめるがんこちゃんたち。 【scene 10】 七色にひかる大きなさかなが すると、一さつの本がひらき、中からなにか出てきました。七色（なないろ）にひかる大きなさかなです。「うわあーっ！」とおどろくみんな。七色のさかなは空へ上がっていきました。校庭（こうてい）では先生たちが音に気づいて空を見上げました。「うん？　あれは…」。ドーナツぬまでは、カッパさんや、ラッパー、ハジメどりさんたちの上を大きなさかながとんでいきます。「なんだっちゃ？」。「なんかとんでるよお！」。「クァ～～！」。きらきら光るさかなは、やがて大きな光（ひかり）につつまれてきえました。そして、七つのうろこが、ざわざわ森ののあちこちにちらばっておちていきました。 【scene 11】 これから先、もっとふしぎなことが？ がんこちゃんたちが校庭（こうてい）にかけてきました。「校長先生、あれはなに？」。すると校長先生は、「あれはでんせつの七色（なないろ）のさかな、プクーなんですねえ」といいました。「え？　プクー？」とふしぎそうなみんな。「本の中にすむといわれる、ひじょうにふしぎなさかなでごじゃるよ」と仙ちゃん先生がいいます。「へえ～」。みんなはびっくりしました。「もしかしたら、これから先、もっとふしぎなことがおこるかもしれませんねえ」とガメさんもいいます。「なんだか、わくわくするなあ」とたのしくなってきたがんこちゃんでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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がんこちゃんとオオカミ

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（高齢者など身近にいる人に温かい心で接し、親切にする） 本の世界に迷い込んだがんこは、祖母になりすしました狼に食べられそうになるが…。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130152_00000

【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 あとで校庭に集合！ 「ジリジリベルベル…」。かねの木さんのベルがなって、学校がおわりました。みんながかえっていきます。「なあなあなあ、あとでみんなでサッカーやろうぜ」とバンバン。「いいね、やろうやろう」とがんこちゃん。みんなもさんせいです。「じゃあ、わたし、お店（みせ）のクッキー、もっていくわ」とツムちゃん。みんなは、ツムちゃんちのクッキーもたのしみです。「よーし。じゃあ、あとで校庭（こうてい）に集合（しゅうごう）だー！」とバンバン。 【scene 02】 「いますぐモリモリキノコをとってきて」 「ただいまー」。がんこちゃんがかえってきました。するとお母さんが、「いますぐ森にいって、モリモリキノコをとってきてほしいの」といいます。モリモリキノコはおばあちゃんの大こうぶつのキノコです。「でも、あたし、このあとみんなとあそぶのに…」とがんこちゃん。すると、「おばあちゃんがかぜをひいて、それに、こしのぐあいもよくないのよ」とお母さんがいいます。お父さんも、「かぜにはモリモリキノコがいちばんきくんだよ。いい子だから、とってきておあげ」といいました。「おばあちゃん、そんなにわるいんだ…」とかんがえこむがんこちゃんです。 【scene 03】 こしをいためているおばあちゃん 「ハ、ハークション！　あいたたっ、こ、こしが…」。おばあちゃんがうなっているところへ、「おばあちゃん、だいじょうぶ？」とがんこちゃんがやってきました。「だいじょうぶ。たいしたことないんだから」とおばあちゃん。「ほんとに、ほんとに、だいじょうぶ？」ときいても、「ほんとだよ」といいます。「じゃあさ、あたし、みんなとあそびにいってもいい？」ときくと、「もちろんだよ。みんなと、なかよくあそぶんだよ」といってくれました。「うん。いってきまーす！」とがんこちゃん。「いってらっしゃい」と見おくるおばあちゃんですが、ゴキッとこしをいため、「あいたっ！いたたっ、ウググ…」。 【scene 04】 ふしぎな本を見つけた 「♪クッキー、クッキー、クッキー♪」。がんこちゃんが森の中をあるいていくと、木のきりかぶの上に、本がおいてあるのを見つけました。「なんだろう、この本。だれかのわすれものかなあ」。がんこちゃんは本をひらいてみました。すると、「あっ、うわーっ！」。本の中からふしぎな光（ひかり）があふれてきました。光につつまれたがんこちゃんは…。 【scene 05】 がんこずきんとおばあさん？ 「ここどこ？　なにこれ？」。気がつくと、がんこちゃんはどこかの家（いえ）の中にいました。赤いずきんをかぶっています。すると、「そこにいるのは赤ずきんかい？」と声（こえ）がしました。ベッドにねているおばあさんでした。「あたし、がんこだよ」というと、「おお、そうだったそうだった。がんこずきんな。ささ、こっちへおいで。あたしゃ、おまえのおばあちゃんだよ～」といいます。「えーっ？　ちがうよ、あたしのおばあちゃんじゃないよ」とがんこちゃん。「だって、おばあちゃん、そんなに耳、大きくないし」。するとおばあさんは、「これは、おまえの声をよくききたいからだよ～」といいます。 【scene 06】 こしをいためているオオカミ 「目もなんだかギョロギョロしてる」とがんこちゃんがいうと、「これは、おまえの顔（かお）をよく見たいからだよ～」とおばあさん。「口もずいぶん大きいよ」というと、「それはね…、おまえをたべるためさ！」。おばあさんは、がばっとおきあがり、おそいかかってきました。オオカミだったのです。ところが、ゴキッとこしをいため、「…あ！　グググ…」とうずくまってしまいます。「なんのこれしき！」と、またおそいかかろうとしますが、こんどは、いればがとんで、「ふぁいへんは、ふぁいへんは、いぇば、いぇば」と、なにをいっているのかわかりません。「なんだか、へんなとこにきちゃったみたい」とがんこちゃん。 【scene 07】 「“サボテンのおかゆ”つくってあげる！」 「ハーックショイ！　あー、さむけがするぜ」。ベッドにオオカミがねています。オオカミはかぜをひいているようです。しかも、「ハーックショイ！　あ、いててて…こ、こしが…」と、こしもいためています。そのうえ、オオカミのおなかが「ぐー」となりました。「ここんとこ、おきあがるのもしんどくて、なにもたべてねえんだよなぁ。げほげほ」。するとがんこちゃんが、「じゃあ、えいようまんてんの“サボテンのおかゆ”つくってあげる！」といいました。「へ、おかゆ？」。「うん。かぜなんかふっとんじゃうよ。まっててね、オオカミさん」。「は、はぁ…」。 【scene 08】 がんばるがんこちゃん 「♪たきぎをたくさんあつめたら　かまどにくべて火をおこそ…」。がんこちゃんがうたいながらたきぎをわり、かまどに入れていきます。おもいなべをもちあげて、「とととーっ」ところびそうに。「ああっ、だいじょうぶかよ…」。オオカミがしんぱいそうにまどから見ています。「おかゆをたべれば、オオカミさんもきっと元気（げんき）になるよ」。がんこちゃんのひとりごとをきいて、「おいらのために…」とジーンとくるオオカミ。がんこちゃんが竹のつつで、火にいきをふきかけます。「ブーッ！」。けむりがまいあがり、すすでまっくろになるがんこちゃん。「まったく、だだ、だいじょうぶかよ…」とオオカミ。 【scene 09】 まっくろこげのおかゆ… 「できたよー、オオカミさん、ほら！」。ところが、できあがったのはまっくろこげのおかゆです。「おいしいよ。ほら、たべてみて。はい、あーん」とがんこちゃん。「あーん。もぐもぐ」とたべてみたオオカミは、「ど、どう？」ときかれ、「うぅ、うーん…」となにもいいません。「だめ？」ときいても、「う、う～っ」。さらに「おいしい？」とがんこちゃんにきかれ、やっと「…うぅ、う～っ、うー、おいしい～」といいました。「えへへへ。よかったぁ」とうれしそうながんこちゃん。パクパクたべるオオカミ。でも、「おいしー、けど、にがい」。 【scene 10】 おばあちゃんのことをおもいだして たべおわるとオオカミがいいました。「なあ、がんこずきんよう。おいら、いままでだれのせわにもならずに、ひとりぼっちで生きてきたんだ。だから、こんなにやさしくしてもらうなんて、ゆめにもおもわなかった…。あ、いててて、またこしが…」。そこでがんこちゃんは、おばあちゃんのことをおもいだしました。「あたし、おばあちゃんのためにモリモリキノコとってきてっていわれてたんだった…。でも、おばあちゃん…。『だいじょうぶ。たいしたことないんだから』。おばあちゃん、ほんとはがまんしてたのかなぁ…」とかんがえこむがんこちゃん。「わぁ、どうしよう。ごめんね、おばあちゃん！」。 【scene 11】 手にしていたのは魚のうろこ？ 「がーんこちゃーん、やっほー」。ハジメどりさんの声（こえ）がします。「うーん、ここは…？」とおきあがるがんこちゃん。「あ、ここ、ざわざわ森だ！」と気がつきました。「あれ？　なにもってんのー？」ときかれて、ふと手を見たがんこちゃん、「なんだこれ？　魚（さかな）のうろこ？」。うろこがキラッとひかりました。「ねえ、がーんこちゃーん、いっしょにあーそぼ！」とハジメどりさん。でもがんこちゃんは、「ごめん、ハジメどりさん、またこんどね。あたし、モリモリキノコとって、おばあちゃんにもっていってあげるんだ！　おばあちゃん、まっててね！」とモリモリキノコをさがしはじめました。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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プクーのうろこをさがせ

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（よいことと悪いことの区別をする） 本の世界から戻ったがんこは、不思議なうろこを持っていた。校長先生によると、「なないろのさかな・プクー」のうろこだという。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 七色のさかな『プクー』のうろこ？ 「やっぱりふしぎだなぁ…」。がんこちゃんが、手にもったさかなのうろこをながめています。そこへ、みんながやってきました。「それなに？　きれいだね」とチョビくん。「このまえね、森に本がおちていて。それ、ひらいたらね、なんだかおかしなところにまよいこんじゃって。もどってきたら、手にこれをもっていたんだ」とがんこちゃんがせつめいします。そこへとおりかかった校長先生が、そのうろこに気がつきました。「むっ！？」。虫めがねでじっくりながめた校長先生、「こ、これは…。やっぱり！　これは、あの七色（なないろ）のさかな『プクー』のうろこです」といいます。「えーっ。プクー？」。 【scene 02】 みんなでうろこを７まいあつめよう！ 絵本室（えほんしつ）で校長先生がずかんを見ながらいいました。「プクーはすごくおくびょうで、びっくりすると本からとびだし、７まいのうろこにすがたをかえて身（み）をかくすんですねぇ」。がんこちゃんのもっているのがそのうちの１まいだというのです。「そっか。あのとき本をひっくりかえしちゃったから、びっくりしてにげちゃったんだ」。がんこちゃんは絵本室でバンバンととっくみあいをしたのです。「しかも、うろこをすべてあつめてやらないと、プクーはもとのすがたにも、すんでいた本にももどれないんですねぇ」と校長。「じゃあ、うろこを７まいあつめて、プクーを絵本にかえしてあげよう！」とみんな。 【scene 03】 カッパさんにきいてみよう 「♪プクー　なないろのさかな　プクー　もどってきてね　プクー　うろこを７まい　プクープクー　さがすから♪」。がんこちゃんたちが森の中をあちこちさがしています。「はぁ、ないなぁ…」。「どこにもないねぇ…」。みんなへとへとです。するとチョビくんが、「そうだ。ドーナツぬまのカッパさんにもきいてみようよ」といいました。「そうだね。ぬまにも１まいくらいおっこったかもね」とピロくん。そこで、みんなはドーナツぬまにむかいます。ところが…。ぬまのほとりで、「カッパさーん！　こんにちは～！」とよんでも、ぬまはしずまりかえったまま。カッパさんは出てきません。 【scene 04】 大事なそうちのてんけん中 そのころドーナツぬまの中では、カッパさんが、なにやら大きなそうちのまえでしごとをしていました。おさかなさんたちがおやつをはこんできますが、「ぼくちゃん、それどころじゃないっちゃよ。なにしろ、今日（きょう）は月に一度（いちど）のてんけんだっちゃ。カチャカチャ。よっしゃ！　このそうちがこわれたら、ざわざわ森じゅうの水がたいへんなことになるっちゃよ」。それをきいて、「ぎょぎょ～っ！」とおさかなさんたち。てんけんがおわって森の水場（みずば）の見まわりにいこうとするカッパさん、おさかなさんたちに、「そうちにさわったら、しょうちしねえぞ」といいのこして出かけていきました。 【scene 05】 うろこはドーナツぬまの中に？ ぬまのほとりで「カッパさん、いないのかなぁ」とはなしていると、「♪おいらラッパー、カッパのラッパー！」とラッパーがとおりかかりました。「ねえねえ、これとおんなじうろこ、どっかで見なかった？」ときくと、ラッパーは、「ん？　そういや、ぬまの中で見たような…」といいます。「さがせばあるんじゃねえの？」とラッパーは、いってしまいました。「ぬまの中にあるって！　いこういこう！」とがんこちゃん。「だめだよ、人のうちにかってに入っちゃ」とピロくんがとめますが、みんなは「プクーのためなんだよ」と、ぬまにとびこんでいきます。「だめだってば～」といいながら、ピロくんもしかたなくつづきます。 【scene 06】 カッパさんの大事なはこを見つけた ぬまの中で、チョビくんはめずらしい石をいろいろ見つけて大こうふん。バンバンはらんぼうにかきまわしてうろこをさがしています。「かってにさわるのよくないよ」とピロくんにいわれ、「うん、そうだね」とがんこちゃんがかえろうとしたとき、「ん？　あれなんだろ？」となにか見つけました。それは、カッパさんがてんけんしていたそうちでした。よこに、小さなはこがついています。「なあに、このはこ？」。すると、「ぎょぎょ～」。おさかなさんたちがさけびました。「それはカッパさまの大事（だいじ）、大事～」。すると、「わかった！　うろこはこの中にかくしてあるんだ！」とチョビくん。そこでバンバンがはこをあけると…。 【scene 07】 ドーナツぬまの水が… 中には赤いボタンがありました。「これ、プクーのうろこ…？」とがんこちゃん。「うーん、なんかちがうような…」とチョビくん。「まあ、もってかえって校長先生に見てもらおうぜ」とバンバンがはずそうとしますがとれません。「あたしがやってみる。うーん…！」。がんこちゃんがひっぱってもなかなかとれません。「もうやめようよ…」とピロくん。「だめ、だめぎょーっ！」とおさかなさんたち。「そりゃーっ」。がんこちゃんがおもいきりひっぱると、ボタンがはずれました。すると…。「ゴゴゴゴ…」。そうちがへんな音をたててふるえだし、ぬまがグラグラゆれはじめました。「わわわ？」。そして、ザーッと水がひいていきます。 【scene 08】 水がなくなっていく？ そのころ、がんこちゃんのいえでは、おにわでがんぺーちゃんが水あそび。お母さんがホースでジャブジャブ水をかけています。ところが、とつぜん水がとまってしまいました。「あら？　なに？　お水とまっちゃった。えぇーっ！？」。いっぽう、「明日（あした）の給食（きゅうしょく）は、なにがいいかしらねえ」とかんがええながら、ガメさんがさんぽしていました。すると、「あら？」。そばの小川の水が見る見るへっていきます。「あららら、たいへん！　川の水が！　これは一大事（いちだいじ）だわ！」。 【scene 09】 このままではざわざわ森がさばくに？！ ドーナツぬまでは、水がなくなっておさかなさんたちがくるしんでいます。「あぁー…水がなくなっちゃった…」。そこへ、「くおらーっ！　だれだっちゃ、大事（だいじ）なそうちをぶっこわしたやつは！」とカッパさんがかけつけました。「そうちって、これ？」と赤いボタンを見せるがんこちゃん。「はやくそれをかえすっちゃ！　いま森じゅうの水がひあがってて、このままじゃざわざわ森はさばくになるっちゃよ！」。みんなはびっくり。「えーっ、ど、どうしよう…」。カッパさんがいそいでそうちをなおします。「これでどうだっちゃ！」。ボタンをおすと、そうちにゴボゴボと水が入り、ざわざわ森に水がもどりました。 【scene 10】 見つからなかったうろこ 「カッパさん…ごめんなさい！」。がんこちゃんたちはカッパさんにあやまりました。カッパさんは、「プクーのためとはいえ、していいこととわるいことがあるっちゃよ！　まぁ、みんなわかったようだから、いいっちゃよ」といってくれました。「んで、うろこって、どれだっちゃ？」。がんこちゃんがカッパさんにうろこを見せます。「これなんだけど、どこかで見なかった？」。するとカッパさんは、「うーむ。今日（きょう）は森じゅう見まわったけど、どこにもなかったっちゃよ」といいました。「じゃあ、のこりのうろこはどこにきえちゃったんだろう…？」とふしぎそうながんこちゃんたちです。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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チョビくんとたからの木

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（規則正しい生活をする） お宝が大好きなチョビ。ある日、絵本の世界にまよいこむと…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 チョビくんじまんのおたから チョビくんが、じまんのおたからをみんなに見せています。「すごくきれいな石じゃない～」とケロちゃん。「チョビくんのおたからはすごいねぇ～」とピロくん。おたからをさがすときは、ごはんのこともわすれ、ちょっとくらいねなくても平気（へいき）だというチョビくんに、ヒポ先生は「いくらすきなことでも、ほどほどにしないとからだをこわしますよ」といいます。「ねえねえ、これも石なの？」ときくケロちゃん。「これは『つるりん石』。さわるとツルツルすべるんだよ。ほら…あっ！」。つるりんとすべった石が、教室のそとへころがっていきました。「ま、まって、ぼくのおたから～！」。あわてておいかけるチョヒくん。 【scene 02】 森の中で見つけた本 「まって、まって、つるりん石！　ぼくのだいじなおたからちゃん～」。石をおいかけて、はしってきたチョビくんは、みちばたで、つるりん石を見つけました。「あった、あった。よかったぁ」。ふと見ると、すぐそばの木のきりかぶの上に、本がおいてあります。「あれ？　なんだ、この本？　だれかおとしたのかな？」。本をひらいてみるチョビくん。すると！　本の中からふしぎな光（ひかり）があふれてきました。「わああ～～っ」。光につつまれたチョビくんは…。 【scene 03】 たからの木を見つけた！ 「あれ？　ここ、どこ？」。気がついたチョビくん。すると、ヒュー、ゴン！　上からなにかおちてきてチョビくんのあたまにあたりました。「あいたっ」。手にとって見たチョビくんはびっくり。とてもきれいな石だったのです。「うわあ、すごい！　こんなおたから、はじめて見たよ！」。すぐそばの大きな木を見上げたチョビくん、「そうか、わかった！　この木はたからの木なんだ。ということは、上にはもっとおたからが…。よーし！」。チョビくん、木をのぼりはじめます。「♪かがやくパパール　サメラルド　ぼくがいくまでまっててね　たからがぼくをよんでるよ　たからの木♪」。 【scene 04】 たからのくにのタッカーラひめ 「よいしょっと…。あれ？」。たからの木をのぼってきたチョビくん、くもの上までやってきました。でも、どこにもおたからは見あたりません。すると、「ねえねえ、あなたチョビさんでしょ。ようこそ、たからのくにへ」と、おひめさまたちがあらわれました。そのおひめさま、よく見ると、なんだかケロちゃんににているようですが…。「だれよ、ケロちゃんて。わたしはタッカーラひめよ」といいます。「チョビさんがおたからを大すきなのは、たからのくにでは有名（ゆうめい）よ。今日（きょう）は、あたしたちとゲームをして、いっぱいたのしんでね」といいます。「ゲーム？」。 【scene 05】 おたからをゲットするゲーム チョビくんはゲームのへやにあんないされました。大きなゲーム画面（がめん）には、たからのはことキャラクターのチョビくんがいます。「キャラクターをコントローラーでうまくうごかして、はこからおたからをゲットしてね」とタッカーラひめ。「わあ、おもしろそう！」。ステージ１、スタートです。「よーし、それ！」。ピコピコピコ、ピョーンととんで、はこをキャッチ。『ブブー』。ざんねん、はこはからっぽでした。「よーし、つぎ」。ピコピコピコ、ピョーン。『パンパカパーン』。おたからゲットです。「おめでとう！　つぎはステージ２よ」とひめ。「どんどんおたからをゲットするぞ～！」とチョビくん。 【scene 06】 とちゅうでやめたら、おたからがきえちゃう 「やったあ！　こんなにたくさんとれたよ！」。ゲームにむちゅうのチョビくん。「どんどんいくわよ。つぎはステージ10！」といわれ、「ちょっとまって。つかれたから、すこし休むよ」といいました。すると、「ここでやめたら、いままでとったおたからがぜーんぶきえちゃうのよ」とひめがいいます。それに、つぎはボーナスステージで、超（ちょう）レアアイテムがとりほうだいだというのです。それをきいて、「ぼく、やりたい！」とチョビくん。「ふふふ。さあ、いくわよ。ステージ10！」。チョビくんは、「お、おたから、おたから～」とひっしです。「ふふふふ。はーはっはっは～」。ひめがぶきみにわらいました。 【scene 07】 がんこちゃんも本の中にすいこまれて… そのころ…。「チョビくーん！　チョビくーん！」。みんながチョビくんをさがしています。「あれ？　この本、なんだろう？」。がんこちゃんは、木のきりかぶの上に本がおいてあるのを見つけました。「もしかして…」。本をひらいたとたん、がんこちゃんは本の中にすいこまれていきました。「わあ～っ、やっぱり～」。気がつくと、大きな木の下にいました。「ここ、どこ？」。すると、「おたから～。ぼ、ぼくのおたから～」。上のほうからこえがきこえてきます。「あれ？　いまの、チョビくんのこえ？」。がんこちゃんは木をのぼりはじめました。 【scene 08】 これいじょうここにいたらダメ！ がんこちゃんが、ゲームにむちゅうのチョビくんを見つけました。ふりむいたチョビくんは、目がちばしって、げっそりしています。「ぼくいま、ステージ83だよ～。このステージ、もう50かいいじょうやってるんだけど、どうしてもクリアできなくて…」。かがみでじぶんのかおを見せられて、「こ、これ、ぼく？」とおどろくチョビくん。でも、「もう、かえろう。ここ、なんかへんだよ」といっても、「でもおたからが…」といいます。「そうよそうよ。いまかえったら、おたからはぜんぶなしよ」とひめにいわれ、「いやだ！」とチョビくん。「だめだよチョビくん。これいじょうここにいたら、ぜったいダメ！」。 【scene 09】 にげだす二人 がんこちゃんがそういうと、きゅうにタッカーラひめがこわいかおになりました。「じゃまする気ね～。チョビさんはわたさないわよ。このままずーっと、わたしたちとあそびつづけるんだから～」。びっくりしてにげだすがんこちゃんたち。「わあーっ、にげろ！」。ひめがぶきみにわらいながらおいかけてきます。「よいしょ。よいしょ」。いそいで、たからの木をおりる二人。「にがさないわよ～」とおいかけてくるひめたちが、「まて、まてぇ～」と木をゆらしたので、がんこちゃんたちの手がはなれておちてしまいます。「うわあっ」。ドシン！ 「うう…」。すると、七色（なないろ）のさかな『プクー』のすがたが…。 【scene 10】 プクーのうろこが！ 「うーん。あれっ？　ここは…」。気がついたがんこちゃん。「二人ともだいじょうぶ？」というヒポ先生に、「ごめんなさい。ぼく、おたからあつめはほどほどにします」とあやまるチョビくん。「はあ？」。ヒポ先生にはなんのことかわかりません。「あら、なにこれ？」。ツムちゃんが、じめんにおちてひかっているものを見つけました。「もしかして…」とポシェットからうろこをとりだすがんこちゃん。「おんなじだわ…」。七色（なないろ）のさかな、プクーのうろこでした。「きれいねえ。ほらチョビくん、見て見て。おたからよ！」とケロちゃん。そのかおを見て、「うわぁっ、タッカーラひめ！　やだよ～！」とにげだすチョビくんでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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がんこちゃんとナイチー鳥

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（生命を大切にする心をもつ） 美しい歌声を失ったナイチー鳥を王様はすててしまう。しかし、王様が倒れたことを知ったナイチー鳥は…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 草むらで見つけたりんりん虫 がんぺーちゃんがおにわであそんでいると、「ただいまー！」とがんこちゃんがかえってきました。「おかえりー」とがんぺーちゃん。すると草むらから、「おかえりんりん、りりーん」と声（こえ）がしました。「なんだろう？」。草むらをのぞきこむと、「♪りんりん、りりーん」と虫がうたっていたので、がんこちゃんとがんぺーちゃんはびっくり。それは、りんりん虫でした。「♪りんりん、りりーん　おめめ、ぱちりーん…」。 【scene 02】 とてもきれいななき声 「♪るーら、りりーん　うっとり、りりーん」。りんりん虫が、とてもきれいな声（こえ）でうたいます。お母さんもお父さんも、「きれいな声ねぇ」と、うっとり。「はい、どうぞ」。がんこちゃんがサボテンをあげると、りんりん虫は「おいちい、りんりーん」と、よろこんでたべました。「わあ、おいちい、だって。かわいいなあ」。がんこちゃんは、明日（あした）、学校のみんなにもりんりん虫を見せてあげることにしました。「おやすみ、りんりん虫さん」。りんりん虫も、「♪りんりん、りりりーん　ねむねむりりりーん」とねむそうです。 【scene 03】 学校のみんなに見せたのに つぎの日。「なによなによ、すごいものって」。「はやく見せろよ」。教室（きょうしつ）でみんながあつまってきました。「じゃじゃーん。りんりん虫さんでーす」。虫かごのおおいをとるがんこちゃん。ところが…。りんりん虫はなにもいいません。「ただの虫じゃねえか」、「この虫のどこがすごいの？」とみんな。「おかしいなあ。なんでなかないんだろ。りんりん虫さん、昨日（きのう）みたいにうたって」。でもりんりん虫は、だまったままです。「やっぱり、ただの虫ギャオ」。昨日はきれいな声（こえ）でうたってくれたんだといっても、みんなは「あははは…」とわらっていってしまいました。「ほんとに、ほんとなのに…」。 【scene 04】 りんりん虫は、ぐったり 「ただいまー」とかえってきたがんこちゃん、虫かごをおいて、すぐにがんぺーちゃんとあそびにいってしまいました。「おかえり、がんこちゃん…。うっ、もういない。…うん？」。お母さんが虫かごをのぞくと、りんりん虫がぐったりしています。「み、水…」。お水がからっぽでした。「がんこちゃんたら、おせわもしないで、どこいっちゃったのかしら？」。 【scene 05】 もっとよくなく虫をさがしていると… がんこちゃんとがんぺーちゃんが草むらをさがしています。「りんりん虫さんがうたってくれないから、みんなにわらわれちゃったよ。もっとよくなく虫さん、いないかなぁ…」。そこへ、「♪ヨウ、ヨウ、おいらラッパー、カッパのラッパー♪」と、ラッパーがやってきました。でも、「ラッパーさん、そこふまないで！　りんりん虫さがしてるんだから」といわれ、「ちぇっ。おいら、おじゃまかよ」とかえっていきます。がんこちゃんは、木のきりかぶの上に本がおいてあるのを見つけました。「これって、もしかして…」。本をひらいたとたん、がんこちゃんは本の中にすいこまれていきました。「わーっ、まただーっ…！」。 【scene 06】 王さまにとどけるにもつ 「ここ、どこ？」。気がついたがんこちゃん。そこへ、「うんせ、こらせ」。大きなはこをひっぱる男の人がとおりかかりました。「あれ、ギャオくん？」。なんだかギャオくんににています。でもその人は、「ギャオくん？　だれギャオ？　おら、お城（しろ）のはかせギャオ」といいました。「いまから王さまに、だいじなにもつをとどけるとこギャオ。おっとっと」。はこがおもくてよろけるはかせを見て、「あたし、手つだうよ。よいしょーっ」。がんこちゃんは、はこをかつぎ上げました。「ほえーっ、すごい力ギャオ…」。 【scene 07】 王さまのペットのナイチー お城（しろ）では、「♪へーい、おいら、王さま。お城の王さま。はかせ、はかせはまだかヨウ～」と王さまがまちかねていました。「あれれ、ラッパーさん？」とがんこちゃん。でもそれは、お城のラッパ王でした。「あんた、だれだヨウ？」。「あたし、がんこだよ」。そこへ、「ぎ、ぎー」とかわいい鳥（とり）がとんできました。「こいつはおいらのペットのナイチーさ。へい、ナイチー、がんこにあいさつ、よろしくたのむぜ」。でも、「こんにち、ぎ、ぎー…」と、ナイチーは声（こえ）が出ません。「やっぱりだめか」。ナイチーはとてもきれいな声でうたうのですが、さいきん、きゅうに声がかれてしまったのだそうです。 【scene 08】 きかいの鳥？ 「そうだ、王さま。あれ、できたギャオ」。はかせは、はこんできた大きなはこをあけました。すると、「ぴっ、ぴろり～ん！」と、ふしぎなものがあらわれました。それは、はかせがつくったきかいの鳥（とり）でした。「♪ぴろりーっ、へい、よう」ときかいの鳥がいうと、「♪へいへいへい。ナイチーよりずっと、ノリがいいぜ。あいぼう、今日（きょう）からおまえがおいらの、ペットだぜ～」とラッパ王。それをきいたナイチーは、「ぎ、ぎー…」となみだをながしてとんでいきます。「あっ、ナイチー！」。がんこちゃんがよびとめますが、ナイチーはそのままお城（しろ）からとびさっていきました。 【scene 09】 きかいの鳥がこわれて 「♪へいへいへい、よう！」。「♪ぴろ、ぴろぴろ！」。「♪おいらだれだかしってるかい」。「♪はい。王さま！」。「♪そうさ、おいら王さま。へい、よう！」。きかいの鳥（とり）とたのしそうにラップではなすラッパ王。「王さま、ナイチー、いいの？」とがんこちゃんがききますが、「♪いいっていいって、なあ、あいぼう」、「♪ぴろっ、ぴろっ、ぴろぴろ～」。ところがそのとき、「ぴろ、ぴろ…プシュシュ～」。きかいの鳥のようすがおかしくなりました。「プゴ、プシュー！」。とびあがった鳥は「ゴン！」と王さまのあたまにぶつかり、王さまは気をうしなってたおれてしまいました。「ギャイ～、王さま～」。はかせは大あわてです。 【scene 10】 「むりしてうたわなくていいんだよ」 ベッドで王さまが、「うた…、うた…」とうわごとをいっています。音楽（おんがく）が大すきな王さまは音楽がないとぐあいがわるくなり、ナイチーがうたうと元気（げんき）になったのだそうです。そのとき、「ぎぎー…」というこえが。「あ、あの鳥（とり）さんは！」。ナイチーがもどってきたのです。「♪とぅるるら～　王さま　元気になって～」とうたいます。「ナイチー、もどってきてくれたのか！」と王さま。でもナイチーは、とちゅうでこえがかれはじめます。すると王さまは、「もうむりしてうたわなくていいんだよ。ありがとな、ナイチー」といいました。「よかったねえ」とよろこぶがんこちゃん。すると…。 【scene 11】 プクーのうろこだ… 「ねーたん。おねーたん」。がんぺーちゃんのこえで、がんこちゃんは気がつきました。「あたし、もどってきたんだ。あっ！」。がんこちゃんは、草むらにきらりとひかるものを見つけました。「プクーのうろこだ…」。がんぺーちゃんに、「おねーたん、りんりん、とる？」ときかれ、「ううん、もういいんだ。あたしのりんりん虫さんはおうちにいるもんね」とがんこちゃん。おうちにもどったがんこちゃんは、「りんりん虫さん、ごめんね。これからはちゃんとだいじにするからね」といいました。りんりん虫は、「♪りんりん、りりーん」と、うれしそうに、きれいなこえでなきました。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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がんこちゃんのぶとうかい

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（働くことのよさを感じて、みんなのために働く） 舞踏会の会場はちらかり放題。王子は準備が間に合わないと舞踏会をあきらめてしまいそうになるが…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 明日はマンナカ小学校ダンス大会 「みなさん、今日（きょう）のじゅぎょうは、ダンスですよ。マンナカ小学校ダンス大会（たいかい）はいよいよ明日（あした）ですからね」とヒポ先生がいいました。「はーい！」。みんなはりきっています。「じゃあ、いきますよ～。はい！」。ヒポ先生のかけごえで、みんなダンスをはじめます。「かろやかに、ジャンプ！」とヒポ先生。「そーれっ」とみんな。がんこちゃんも「そりゃーっ！」とおもいっきりジャンプ。ところが、「どすーん！」とちゃくちしたのできょうしつがゆれ、みんなひっくりかえりました。びっくりしたピロくん、しっぽがちぎれてしまいます。「ご、ごめんね～。えへへ…」とがんこちゃん。 【scene 02】 お母さんがつくってくれたドレス 「ただいま～」。がんこちゃんがかえってきました。「おかえり。はい、やくそくのドレス」。お母さんがダンス大会（たいかい）のためのすてきなドレスをわたしてくれました。「うわあ！　かわいい～！」。お母さんががんばってつくってくれたのです。ところが、ドレスをきようとすると、あたまがひっかかってきられません。ちょっと小さかったようです。「だいじょうぶ。すぐなおしてあげるからね」とお父さん。「よかったあ」とあんしんするがんこちゃんにお母さんが、「そのあいだに、ころまめのからむきしてくれる？」といいました。「うん、いいよ」。でも、わたされたかごには、ころまめが山もり。「こ、こんなにあるの…」。 【scene 03】 ころまめのからむきのお手つだいを… 「プチッと、プチッと、プチッと…」。おにわでがんこちゃんが、ころまめのからむきをしています。「は～、まだこんなにある。いまごろみんな、うちでれんしゅうしてんのかなぁ」とためいき。「やーめた！　あたしもダンスやんなきゃ」と立ち上がりました。ダンスのれんしゅうで「ジャーンプ！」ととびあがるがんこちゃん。バランスをくずしてよろめき、「わわっ！」、どしーん。木のきりかぶにぶつかってしまいました。「いたたた…。あ？」。きりかぶの上に本がおいてあります。「あっ、また本だ」。本をひらいたとたん、がんこちゃんは本の中にすいこまれていきました。「うわあ～～っ…」。 【scene 04】 おしろのぶとうかい？ 「はっ。ここはどこだ？」。がんこちゃんが気がつきました。そこへ、だれかやってきました。「えっ、お母さん？」。なんだかお母さんににています。でもその人は、「お母さん？　いやあねえ、ガンコデレラ。あたしは美人（びじん）でせわずきの、まほうつかいでしょ」といいました。まほうつかいがつえをふって、なにやらじゅもんをとなえると、ぼわ～ん！　がんこちゃんの服（ふく）がきれいなドレスにかわりました。そしてあたまには…。「ガラスのリボンよ。おしろのぶとうかいで王子さまとおどるのよ」とまほうつかいがいいます。「おしろのぶとうかい…？」とがんこちゃん。 【scene 05】 大ひろまのかたづけのまっさいちゅう 「ここかなぁ…」。おしろの大ひろまにがんこちゃんがやってきました。すると、「うわ、なにこれ！」。へやの中はものすごくちらかっていて、みんなでかたづけのまっさいちゅうです。そこへ、「よいしょ、こらしょ…」と男の子がおさらをたくさんかついではこんできました。ところがバランスをくずし、ガシャガシャン！　おさらがおちてわれてしまいます。びっくりして、「ああ…、また、しっぽちぎれちゃった…」と男の子。「あれっ、ピロくん？」とがんこちゃん。男の子はなんだかピロくんににています。でも、「ピロくん？　ぼく、ピョロンだよ」と男の子。「ピョロン…くん？」。 【scene 06】 ぶとうかいにまにあわない 「あのさ、ぶとうかいって、どこでやってるの？」ときくと、男の子が「ここだよ」といったので、がんこちゃんはびっくり。「ああ、もうだめだ。ぶとうかいは、ここでこれからやるんだよう。それなのに、手つだってくれる人が足りなくて、おさらはわっちゃうし、しっぽはちぎれちゃうし、もうだめだあ、うわあ～ん！」とピョロンくんはなきだしました。「なんとかかたづけようよ」というがんこちゃんに、「むりだよ。もうまにあわないよ～！　みんな、すごーくたのしみにしているのに…。うわ～ん！」とピョロンくん。「あきらめちゃだめだよ。ね、あたしも手つだうからさ」。 【scene 07】 おちていたガラスのリボン 二人は大いそぎでかたづけます。「とりゃ～っ！」。いきおいよくそうじをしていたがんこちゃん、はずみであたまのリボンがとれてしまいました。「はぁ～、かたづいたあ！」。大ひろまはようやくきれいになりました。「まにあった！　ねえ、きみ、このあと…」とピョロンくんがいいかけたとき、「はいはいはい、ぶとうかいのかいじょうはこちらで～す」と、まほうつかいがおおぜいの人をつれてやってきました。がんこちゃんはみんなにおされて、いってしまいます。「ああっ、ちょ、ちょっとまって！　いっちゃった…」。がっかりしたピョロンくん、ふと足もとを見て、「あっ、これは…」。ガラスのリボンがおちていました。 【scene 08】 ガラスのリボンのもちぬしは… いよいよぶとうかいのはじまりです。「ねえねえねえ、王子さまが女の子をさがしているんですってよ」。「その子はガラスのリボンをおとしたんですって」。むすめたちがはなしています。王子さまは、ならんでいるむすめたちのあたまに、一人ひとりガラスのリボンをのせていきます。「はい、つぎのかた。きみかなぁ？」。すると、「ブッブー」。リボンがあいません。「ちがうなあ。つぎのかた。きみかな…？」。すると、「ブッブー」。やっぱりリボンがあいません。「はい、つぎのかた～」。そして、がんこちゃんのあたまにリボンをのせると…、リボンがキラキラかがやきました。「見つけた！」と王子。「えっ、あたし？」。 【scene 09】 お手つだいしてよかった！ 「あれ、ピョロンくん！？」。なんと、ピョロンくんはおしろの王子さまでした。「ぶとうかいがひらけたのは、きみのおかげだよ」と王子。「ちょっとお手つだいしただけだよ。でもそんなによろこんでもらえたら、なんかうれしいな」とがんこちゃん。「きみがたすけてくれなかったら、ぼく、あきらめてたよ」。王子がみんなにいいました。「みなさん、この人こそ、ぼくといっしょにここをかたづけてくれた人です」。みんないっせいに、「ありがとう、ガンコデレラ！　ガンコデレラ！　ガンコデレラ！」といいます。そのとき、おしろの大時計（おおどけい）がなりました。「ボーン、ボーン…」。 【scene 10】 プクーのうろこ！ 「はっ、ここは…。あっ、うちにもどってきたんだ」。がんこちゃんが気がつくと、「あっ、プクーのうろこ！」。手にプクーのうろこがありました。「よーし！」。がんこちゃんは、また、ころまめのからむきをはじめます。「プチッと、プチッと…」。そこへ、「ドレス、なおったわよ。…あら！」、「おや！」と、やってきたお母さんたちはびっくり。ころまめのからむきがおわっていたのです。「がんこちゃん！　お手つだい、ちゃんとしてくれたのね。母さん、かんげき！」とお母さん。「えへへ。お父さん、お母さん、ドレスありがと。明日（あした）のダンス大会（たいかい）、がんばるぞー！」とはりきるがんこちゃんでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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かがみよ かがみ きにょ～ん！

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（安全に気をつける） 見知らぬおばあさんに頼まれてリンゴを探したがんこ。お礼にと、キノコに似たリンゴを受け取る。がんこはそれを友達のツムに食べさせてしまい・・・。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 ふっかつしたキノコまじょ うすぐらい、ぶきみな森の中。“いのちの水”のいずみがわきあがり、水が一てき、とびちりました。するとその水がおちたところから…。「きにょ」と、小さなキノコが生えてきました。「きにょ…。きにょきにょきにょきにょ～！」。キノコはどんどん大きくなり、「はっはっはー！　キノコまじょふっかーーつ！」と、キノコまじょになりました。「あ～、いのちの水で生きかえったきにょ～！　この水をのめば元気（げんき）もりもり～。だからだれにもやらないもんね～。おーっと、こうしちゃいられないきにょ。こんどこそ子どもをさらって、キノコにして、いのちの水のばんをさせるきにょっ。ほっほっほっほっ…」。 【scene 02】 「しらない人にはついていかないこと」 「みなさん、絵本室（えほんしつ）でかりてよんだ本を出してください」。絵本室でヒポ先生がいいました。がんこちゃんがかばんの中からとりだしたのは…。「あれっ。これ、がんぺーちゃんのお絵かきちょうだ。なんで！？」。そこへ校長先生たちがやってきました。キノコまじょがまたあらわれたとしらせにきたのです。「しらない人にはぜったいについていかないこと。わかりましたね」とヒポ先生。「はーい」とみんな。ところが、「ほかにもへんなもの入ってないかなぁ」とかばんの中をゴソゴソ見ているがんこちゃん。「がんこちゃん、きいてましたね？」といわれ、「え？　あっ、はーい！」。 【scene 03】 キノコまじょもいっしょに本の中へ 「♪ジリジリベルベル…」。かねの木さんがなりました。「きゅうしょくだぁ。いこうぜぇ！」「おなかペッコペコだわ～」。みんな、絵本室（えほんしつ）から出ていきます。それを、まどのそとからキノコまじょが見ていました。するとツムちゃんが、「あら？　一さつおちてるわ」と、本がおちているのに気づきました。その本を見たがんこちゃん、「あっ、ツムちゃん、まって！」ととめますが、ツムちゃんは本をひらいてしまいます。そのとたん、がんこちゃんとツムちゃんは本の中にすいこまれていきました。「うわあ～っ！」「きゃあ～っ！」。そして、「まて、まて～」とキノコまじょもいっしょに…。 【scene 04】 まほうのかがみのこたえは… うすぐらいやしきの中に、キノコまじょがあらわれました。「きにょん。まず、どっちの子からさらってくるきにょん～。かがみよ、かがみ。いちばんりっぱなキノコになるのはどの子きにょ？」と、まほうのかがみにはなしかけます。するとかがみは、「がんこちゃん！　がーんこちゃん！」と、がんこちゃんをうつしだしました。「きにょ～ん。おお、この子なら力がつよそうだし、いのちの水のばんにぴったりきにょん！」とキノコまじょがいいました。 【scene 05】 ケーキにつられるがんこちゃん 「ここ、どこなのかしら」。ツムちゃんとがんこちゃんがあたりを見まわしていると、「ようこそ、おじょうちゃんたち」と、へんそうしたキノコまじょがあらわれました。「おいしいケーキがあるのよ。ささ、中へお入り」といわれ、よろこんでついていこうとするがんこちゃん。「だめよ、がんこちゃん！　しらない人についていっちゃだめだって、先生いってたじゃない」。あわててツムちゃんがとめました。「そうだっけ？　でも、やさしそうな人だけど…」というがんこちゃんですが、「わかった。じゃあ、かえろっか」と二人はいってしまいました。「あきらめないきにょん！」と、くやしがるキノコまじょ。 【scene 06】 こまっていたおばあさん 「いまの人、なんだかキノコまじょににてなかった？」「そう？」。はなしながら二人があるいていくと、わかれみちに出ました。「あたし、こっち見てくる。すぐもどるからまっててね」。はしっていくがんこちゃん。ツムちゃんはふあんそうです。でもがんこちゃんが見にいったみちはいきどまりでした。すると、「ああ、こまったねえ。こまったよー」と、くろいマントをきたおばあさんがあらわれました。りんごがころがってしまったので、いっしょにさがしてくれないかといいます。「うん、いいよ」とがんこちゃん。「こっちにころがったんだよ。こっち、こっち…」とおばあさんはがんこちゃんをつれていきます。 【scene 07】 おばあさんからもらったりんご 「どこかなぁ…。あ、あった！」。がんこちゃんは草の中にりんごを見つけました。「はい、おばあさん」。おばあさんは、「まあまあ、なんてしんせつな子。おかげでたすかったよ。おれいに、はい。めずらしい“キノコりんご”だよ。しびれるほどおいしいよ～」と、キノコのかたちのりんごをくれました。「ありがとう」とよろこぶがんこちゃん。「ほ～ら、一口たべてごらん」といわれ、「いただきまー…、あっ！」。ぎりぎりのところでやめました。「やっぱりツムちゃんとたべよう」。がんこちゃんはりんごをもってもどっていきます。「あー、もうちょっとだったきにょ～」。またくやしそうなキノコまじょです。 【scene 08】 りんごをたべたツムちゃんが！ 「ツムちゃ～ん、おまたせ～」。がんこちゃんがもどってきました。「はい、りんご。いっしょにたべよ」とりんごをさしだします。「わあ、ありがとう」。ツムちゃんはよろこんでりんごをかじりました。ところが、「これ、どうしたの？」ときくと、しらないおばあさんにもらったキノコりんごだといわれてツムちゃんはびっくり。「それってまさか、キノコまじょなんじゃ…ううっ！」。きゅうにたおれてうごかなくなるツムちゃん。「ツムちゃん！？」。そしてツムちゃんのからだからキノコが生えてきました。「うわあ～っ！　ツムちゃん、おきて！　ど、どうしよう…。あのおばあさん、キノコまじょだったんだ！　わあ～ん」。 【scene 09】 “いのちの水”でもとどおり するとそこに、「えっほ」「えっほ」と三人の小人がやってきました。ないているがんこちゃんに気がついた三人は、ツムちゃんを見て、「あっ、キノコ」「これはキノコまじょのしわざでごじゃるな」といいます。そして「だいじょうぶよ。まだまにあうわよ」と、森のおくにわく“いのちの水”をツムちゃんにかけてくれました。すると…、ツムちゃんのからだのキノコがきえていきます。そして、「がんこちゃん…」とツムちゃんはおきあがりました。「ツムちゃん！　よかったあ～」とよろこぶがんこちゃん。「ふふ」とわらいかけたツムちゃんですが、きゅうに「ひーーっ！」とさけびました。 【scene 10】 キノコまじょをやっつけた キノコまじょがあらわれたのです。「きにょ～ん！　こうなったら、力ずくでもキノコにしてやる。きにょ～！」とおそいかかってきました。おこったがんこちゃんは、「よくもツムちゃんをキノコにしたな～！　えーい！」とキノコまじょをかつぎあげ、「ぶるんぶるんぶるん、とりゃーーっ！」とふりまわし、おもいっきりほうりなげました。「あ～～、さよならきにょ～…」。キノコまじょは、はるかかなたにとんでいってしまいました。「もうだいじょうぶだよ」とがんこちゃん。すると…。 【scene 11】 プクーのうろこ！ 「はっ、もどってきたんだわ」。気がつくと、ツムちゃんとがんこちゃんは絵本室（えほんしつ）にいました。「あら？」。ツムちゃんの足もとにひかるものがあります。「がんこちゃん、プクーのうろこよ」「ほんとだぁ」。がんこちゃんは、「ツムちゃん、ごめん！　あたし、これからは、しらない人にはついていかない！　キノコまじょにだって、ぜーったいだまされないもんね！」とあやまりました。そこへケロちゃんとバンバンがやってきました。「ちょっとちょっと、なにやってんのよ～」「そうだよ。きゅうしょくのじかんだぞ。ほら、いくよ！」。いそいで絵本室を出ていくがんこちゃんとツムちゃんでした。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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がんぺーちゃんとまほうのたね

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（動植物に優しい心で接する)　本の世界に迷い込むがんことがんぺー。二人はさるから魔法の種をもらい、育て始める。しかしできた実はおいしくないことがわかり・・・。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 がんぺーちゃんが見つけた絵本 「この岩石（がんせき）せんべい、おいしいねえ」。がんこちゃんとがんぺーちゃんが、おせんべいをたべています。「あれっ、このおせんべい、プクーみたい」。プクーのかたちのおせんべいがありました。「プクー？」。「うん。なないろのさかなのプクー。うろこを７まいあつめれば、もとのすがたになって絵本（えほん）の中にもどれるんだって」とせつめいします。するとがんぺーちゃんが、「えほん～？　あい、えほん」と、木のきりかぶの上に絵本を見つけました。「はっ、もしかして…。う～、えいっ」。本をひらいたとたん、二人は本の中にすいこまれていきました。「うわああ～っ！」。「ぴやあ～っ！」。 【scene 02】 “まほうのたね”ととりかえる？ 「ねーたん、おねーたん」。がんぺーちゃんによばれてがんこちゃんは気がつきました。そこへ、「♪おいら、さるぞう、おさるのさるぞう♪」と、おさるのさるぞうがやってきました。「あぁ～、はらへったなあ。お、なんだなんだ？」。たべものかとおもってひろってみると、「なあんだ。ただの石ころかぁ。…うん？」。ふと見ると、がんぺーちゃんがおせんべいをたべようとしています。『うまそ～』。さるぞうは、「へい、YO！　この“まほうのたね”ととりかえようぜ」と、ひろった石ころを見せました。「生えてくるのは、まほうの木。おいしい実（み）がとれる…かもね」。よろこんでとりかえてあげるがんぺーちゃんです。 【scene 03】 「どうせただの石ころだよ」 さっそく二人はまほうのたねをうえて、せっせと水をやります。「どんな実（み）ができるのかな～。たのしみだね」。すると、カニのきょうだいがあらわれました。「きみたち、だまされてるよ。まほうのたねなんて、でたらめさ」といいます。さるぞうはすごくいいかげんだというのです。まほうのつえだといわれて、ただのぼうきれをわたされたり、だいじにそだてたクリもみんなたべられてしまったり。「さっきのもどうせただの石ころだよ」といわれ、「え～っ、そうなの…？」とがんこちゃん。そこにがんぺーちゃんが、「おねーたん！　見て、見て～！」とかけもどってきました。 【scene 04】 ほんとに実がなるなんて まほうのたねから、芽（め）が出ていたのです。もっと水をやると、ニョキニョキと大きな木になって青い実（み）がなりました。「ほんとだったんだ…」とみんなびっくり。こっそりようすを見ていたさるぞうは、「うっそぉーっ！？」ともっとびっくり。みんなのところにやってくると、「その水やり、おいらがかわってやるよ。みんなでひるねでもしてこいよ」といいます。「じゃあ、たのんだよ」といってしまうみんな。「まさかほんとに実がなるなんて。へへっ。それならおいらがひとりじめ」。木にのぼって青い実をたべるさるぞう。ところが、「ぺっ！　しぶ～！」とはきだしました。そして、木の下でねてしまいました。 【scene 05】 まほうの木がかれてしまった！ みんながもどってきました。「まほうの木、いまごろ大きくなってるかなあ」。ところが、「あれっ？　かれちゃってる！」。木はかれていて、木の下でさるぞうがねています。「さるぞうさん！」。びっくりしてとびおきるさるぞう。「なんだなんだ？」。「水やり、してくれたんだよね？」とつめよるがんこちゃん。「まあ、その～」。「してないの？」。「だってよう、あの実（み）、すげえまずいんだぜ。♪しぶくて、まずくて、はきだした、イェ～イ♪　てことで、わりいな」と、さるぞうはいってしまいました。「あーあ」、「やっぱりさるぞうさんだね」とカニのきょうだい。「もう、ひどいよ！」。がんこちゃんもおこっています。 【scene 06】 水やりをつづけるがんぺーちゃん 「よいちょ、よいちょ」。がんぺーちゃんが水をはこんできました。「この木、実（み）がなってもたべられないんだってよ」とがんこちゃん。「そ。せわしたってムダ、ムダ」とカニ。そういわれても、がんぺーちゃんは木に水をかけてやります。すると…。木がちょっと元気（げんき）になったようです。「あれ？　そっか。この木、お水をもらってよろこんでるんだ…」と気がついたがんこちゃん。「ようし。こうなったら、木が元気になるようにがんばるぞー」。「オーッ！」。みんなは水やりをつづけました。「がんばって！」。「元気になってね」。木はどんどん大きくなっていきます。「大きくなってね」とがんこちゃん。 【scene 07】 おいしい実をつけたまほうの木 まほうの木はとても大きくきれいになりました。すると、「あれっ？　また実（み）がなってる」。がんこちゃんが気がつきました。「でも、たべられないんだよね」とカニがいいますが、おちてきた実をがんぺーちゃんは「あーむ」とたべてしまいました。そして、「おいちい」。がんこちゃんもたべてみます。「うん、おいしい！」。そのようすを見ていたさるぞう、「えーっ！？」とおどろきました。「そうか！　さいしょのはまだかたい実だったんだよ」とカニがいいます。「くーっ、そういうことなら…」とまたあらわれたさるぞう、するすると木にのぼり、つぎつぎに実をとってたべはじめます。「ほんとだ！　うめえ～！」。 【scene 08】 がんぺーちゃんが大なきすると… さるぞうは、実（み）をとるのにじゃまなえだをポキッとおってしまいます。「ひどい！　せっかくのまほうの木が！」とがんこちゃん。「う、う、びええ～っ！」。がんぺーちゃんも大なき。すると！　木が大きくゆれて、「うわあっ！」。さるぞうはまっさかさま。どしーん！ 「いってえ…」。「木をこんなにしてぇ！　おこったもんね！」。がんこちゃんはたかくとびあがり、さるぞうの上に、どす～ん！ チョキ、チョキッ。カニたちもはさみでこうげきします。「いてぇ！　やめてやめて！」とさるぞう。「もう木をいじめない？」といわれ、「い、いじめないよ～」とあやまり、水やりを手つだうとやくそくしました。 【scene 09】 みんなでまほうの木に水やり 「ほいせっ、ほいせっ」。がんこちゃんとさるぞうが水をはこんできました。「♪おいらさるぞう、水やりするぞう！♪」。さるぞうもはたらきものになって、手つだっています。「ずっと元気（げんき）でいてね、まほうの木さん」と木にはなしかけるがんこちゃん。がんぺーちゃんが「あいー」というと…。 【scene 10】 プクーのうろこはあと１まい 「ねーたん、おねーたん」。がんぺーちゃんによばれてがんこちゃんは気がつきました。「はっ。うちにもどってきたんだ」。そこへ、「がんこちゃーん」と、ツムちゃんとチョビくんがあそびにやってきました。「あっ、ツムちゃん、チョビくん。あたし、いま、また絵本（えほん）のせかいにいってきたんだよ！」。するとがんぺーちゃんが、なにかひろいました。「おねーたん」とわたしたのは…、「あっ、うろこだ！」。いままで見つけたのとあわせると、６まいです。「ということは、あと１まいね」とツムちゃん。「よーし。あと１まい、ぜったい見つけるぞ～！」とがんこちゃん。「オーッ！」。「あい、あーい！」。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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くいしんぼうとおかしの家

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（友達と仲良くし、助け合う） ギャオを仲間外れにしたケロたちは、本の世界に迷い込む。そこで、キノコ魔女につかまってしまった。その時、助けにきたのは・・・。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 一つあまったケーキをギャオくんが 今日（きょう）のきゅうしょくのデザートは、ガメさんとくせい、クレマカカリアの木の実（み）のケーキです。みんなは大よろこび。ところが、「へんねえ。ひときれあまっちゃったわ」とガメさん。今日はツムちゃんがかぜでお休みでした。「だれかたべたい子、いるかしら？」ときくと、「はーい！」。がんこちゃん、ケロちゃん、バンバンが手を上げます。すると、「はいはいはい～」とくびをのばしたギャオくんが、そのまま「あーむ」とケーキをたべてしまいました。「ちょっと！　なんでギャオくんがぜんぶたべちゃうのよ！」とおこるケロちゃんたち。「ギャイ～…」とあやまるギャオくんですが、ケロちゃんは「フンッ」。 【scene 02】 ギャオくんをなかまはずれ？ 「♪ジリジリベルベル…」。かねの木さんがなりました。「ガメさんのケーキ、おいしかったねえ！」。がんこちゃんたちがかえっていきます。「そうそう！　でもねえ、もっとおいしい木の実（み）があるのよ」とケロちゃんがいいました。「ほんと？　どこどこ？」。「森のおく。いまからいってみない？」。バンバンも「よーし、いこうぜ！」と、のり気です。そこへギャオくんがはしっておいかけてきました。「みんな、どこいくギャオ？」。でもケロちゃんは、「ダメ！　いきましょ。ね、ほら」と、がんこちゃんとバンバンのせなかをおして、ギャオくんをおいていってしまいました。「ギャイ～…」。 【scene 03】 プクーの絵本を見つけた 森の中で、「ねえ、ギャオくんもいっしょにきたかったんじゃないかな？」とがんこちゃん。「ダメよ。またみんなたべられちゃうわよ」とケロちゃん。そのとき、「きにょ。きにょにょにょ」というこえが…。すると、「あれ？　なんだ、この本？」。バンバンが木のきりかぶの上に絵本（えほん）を見つけました。「あっ、これ、プクーの絵本じゃない？」。がんこちゃんは、「よーし、えいっ！」と本をひらきました。そのとたん、「うわああ～っ！」。三人は本の中にすいこまれていきます。「にがさないきにょ～」とキノコまじょもいっしょに…。そこへ、みんなをさがしてやってきたギャオくんが絵本を見つけました。「ギャイ？」。 【scene 04】 キノコまじょがきらいなもの 三人が気がつくと、どこからかあまいにおいがただよってきます。うすぐらいぶきみな森のほうからです。「パンをちぎって目じるしにおとしていけば、まいごにならないでしょ」とケロちゃん。「なるほどな。よし、いこうぜ！」。三人は森のほうへむかいます。すると、「うまくいったきにょ～」とキノコまじょがあらわれました。そこへやってきたギャオくん、「あ！　あれは、キノコまじょギャオ！」と気がつきました。そのとき、がけの上のズリリン草が「ズリリン、ズリリン…」となりました。キノコまじょは「ぞわぞわ～っ。この音、あたしゃ大きらいきにょ。あわわわ～！」とにげていきます。「ギャイ？」。 【scene 05】 おかしの家を見つけた！ 「なんだか、ずいぶんとおくまできちゃったね」とがんこちゃん。「だいじょうぶ。ちゃんと目じるしのパンがあるんだから」とケロちゃん。ところが、「もぐもぐ。おいしいギャオ」ときこえたのでふりむいたケロちゃんはびっくり！　目じるしのパンをギャオくんがつぎつぎにたべていたのです。「たべちゃったの！」。そのとき、「おい、あれ見ろよ！」とバンバン。「すごーい！　おかしの家（いえ）だ！」。なんと、おかしの家がありました。かべややねがチョコやクッキーでできています。でも、家のよこからキノコまじょがのぞいているのにギャオくんが気づきました。「ギャイ～！」。 【scene 06】 「ギャオくんなんかあっちいってよ！」 「だめギャオ～！　たべちゃダメギャオ！」。ギャオくんはあわてて三人をとめます。でも、「なによなによ、またひとりじめする気？　ギャオくんなんかあっちいってよ！」とケロちゃん。バンバンにも「そうだ、じゃますんなよな！」といわれ、「…ギャイ～…」と、元気（げんき）なくどこかへいってしまうギャオくん。「ギャオくん、いっちゃった。いいのかなぁ…」と気になるがんこちゃん。「いいのよ。はい、チョコレート」。バンバンとケロちゃんがかべの大きなチョコレートをとり、みんなで「あーん」とかじりつきます。 【scene 07】 からだがしびれてうごけない 「おいしいね、ケロちゃん」。するときゅうに、「うん、おいし…、ううっ、からだが、う、うごかない…」とケロちゃん。「お、おいらも…」。「なにこれ…！」。バンバンとがんこちゃんもからだがしびれてうごけなくなってしまいます。そこへ、キノコまじょがあらわれました。「は～、やっとつかまえたきにょ」。そのとき、ギャオくんのすがたが見えました。「ギャオくん！」。「たすけて！」。ところがギャオくんは、「…ギャイ」とどこかへいってしまいます。「うそっ！？」。「ギャオくん、なかまはずれにしちゃったから、おこってるんだ…」。「ギャオくんなんか、もうしらない！　うえ～ん」となきだすケロちゃんです。 【scene 08】 ひっしでくびをのばして… そのころギャオくんは、さっき、まじょを見かけたばしょにもどり、まじょがいやがっていたズリリン草をとろうとしていました。でも、手をのばしても、がけの上にとどきません。「よーし、う～～んせ！　も、もうちょっとギャオ！」。ひっしでくびをのばします。 【scene 09】 にげていったキノコまじょ つかまったがんこちゃんたちは、からだがキノコになっています。「こんどこそおまえたちをキノコにして、この“いのちの水”のばんをさせるきにょ～」。まんなかに、いのちの水のいずみがあります。「あっ、いのちの水！　あれをかければもとにもどれるのに…」とがんこちゃん。まじょがせまってきます。「さあ、みんなりっぱなキノコにおなり」。「ああ、もうダメだ…」。そのとき、「ズリリン、ズリリン…」と、ズリリン草の音がきこえました。「これでどうだ！」。ギャオくんがズリリン草をふりならしながらもどってきたのです。「ぞわ、ぞわ、ぞわ～っ！　た、たすけてきにょ～～！」。まじょはにげていきました。 【scene 10】 ともだちをたすけるのはあたりまえ 「さあ、いのちの水ギャオ」。ギャオくんがみんなにいのちの水をかけます。三人はたちまちもとどおりになりました。「ギャオくん、ありがとう！」。「いやあ、たすかったぜ」。するとギャオくんは、「へへへ…。みんなともだち。たすける、あたりまえギャオ」といったのです。「ギャオくん…」とケロちゃん。するとあたりがキラキラとあかるくなって…。 【scene 11】 ７まいそろったプクーのうろこ 「う～ん…。はっ、ここは…」。気がつくと、みんなもとのせかいにもどっていました。なかまはずれにしたことをあやまるがんこちゃん。「ギャイ～」とてれるギャオくん。すると、ギャオくんのおでこになにかひかるものが…。「プクーのうろこ！」。さいごの１まいです。みんなで校長先生に見せにいきます。「ギャオくん、あのね…あのう…いじわるして、ごめんね」。ケロちゃんはギャオくんにあやまりました。「いっしょにいきましょ」。「ギャイ！」とうれしそうなギャオくんです。…校長先生がサボテンのせわをしていると、ヒポ先生のさけびごえがしました。「校長先生！　たいへんです、絵本室（えほんしつ）が！」。「え？」。

新・ざわざわ森のがんこちゃん

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まんげつのおさんぽ

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（美しい物語にふれ、すがすがしい心をもつ） なないろのさかなを復活させないと絵本が消える！でもチョビは絵本なんかいらないと言い出し、がんこたちは悩み始める・・・

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 絵本がきえていく？！ 「校長先生！　たいへんです、絵本室（えほんしつ）が！」。…ヒポ先生によばれて絵本室にやってきた校長先生。「これは…？！」とびっくり。絵本がきえていくのです。そこへ、がんこちゃんたちがやってきました。「なに、いまの？」「絵本がきえた…」「どうなってんだ？」。みんなもびっくりします。「どうやら、絵本がきえているのは、なないろのさかな・プクーがいなくなったせいですねぇ」と校長先生。プクーをふっかつさせないと、絵本がぜんぶきえてしまうというのです。「あたしたち、プクーのうろこぜんぶ見つけたんだよ！」とがんこちゃん。「これがさいごの１まいだぜ」とバンバン。 【scene 02】 プクーをふっかつさせよう！ 「そのうろこがあれば、ふっかつさせることができますねぇ」。校長先生が、本を見てそのほうほうをしらべます。「本と７まいのうろこをまんげつにかざすと、うろこがプクーにへんしんして、すてきなことがおこるんだそうです！」とヒポ先生。そのとき、きえた絵本（えほん）ももとにもどるようです。つぎのまんげつは、明日（あした）のばん。「みなさん、うろこをもってきてください。プクーをふっかつさせましょう！」とヒポ先生。「よし、みんな。ぜったいもってこいよ！」とバンバン。「うん！」とみんな。でもチョビくんは「う、うん…」となにかかんがえこんでいます。 【scene 03】 うろこをおたからにしたい… 「はあ～。うろこ、もっていかなきゃだめかなぁ。でも、きえてなくなっちゃうんだよなぁ…」。そのよる、チョビくんがじぶんのへやにかざってあるうろこをながめながら、ためいきをついています。「“うーちゃん”て名前（なまえ）もつけて、だいじにしてるのに…」。うろこがキラリとひかりました。「ぼくの“うーちゃん”。このまま、おたからコレクションにくわえたいなぁ…」。 【scene 04】 「ぼくは絵本がなくても平気」 つぎの日、「…４、５…あれ？　６まいしかないよ」。プクーのうろこをかぞえていたがんこちゃんがいいました。「チョビくん、うろこ出した？」ときかれて、「ドキ！」とチョビくん。するとチョビくんは、「ほんとにうろこ出さなきゃいけないのかな？」といいます。「プクーをふっかつさせないと、絵本（えほん）がきえちゃうのよ！」とケロちゃんがいいますが、「だから？」とチョビくん。「みんなは絵本がないとそんなにこまるの？　ぼく、べつに絵本がなくても平気（へいき）だもん。だって、どうせただのつくりばなしでしょ」。それをきいて、「つくりばなし…」とショックをうけるツムちゃん。 【scene 05】 うろこをもらっちゃう？ 「でもよ。プクーがもとにもどったら、すてきなことがおこるって先生いってたぞ」とバンバン。「じゃあきくけどさ、すてきなことって、なに？」。チョビくんにそうきかれてバンバンはこたえられません。「ぼくはうろこをもらったほうがうれしいな。だって、キラッキラのすっごいおたからなんだよ。せかいに７まいしかないんだよ」とチョビくん。「うーん」「そういわれると…」「たしかにそうかもね…」とみんなはいいだします。「このうろこ、ネックレスにしてお母さんにプレゼントしたらよろこぶかなぁ」とがんこちゃん。「あたし、かみかざりにしたいなぁ！」とケロちゃん。「ぼくもほしい！」とピロくん。 【scene 06】 絵本はなくてもいい？ 「よーし！　みんなで、わけちゃおうぜ！」とバンバン。すると、「みんな、まって！」と、めずらしくツムちゃんが大きなこえでいったので、みんなはびっくりします。「うろこを出さないと絵本（えほん）がきえちゃうのよ。いやじゃないの？」。でも、「ぼくはべつに平気（へいき）だなぁ」とチョビくん。「おたからはほんものだからだいじだけど、絵本なんかただのつくりばなしでしょ」。するとみんなも「どうせつくりばなしなら、絵本はなくてもいいかも」といいだし、「はい、きまり！　絵本なんかいりませーん！」とチョビくん。「わたしは…わたしは…ヒーッ」。ツムちゃんは、なきながらいってしまいました。 【scene 07】 さびしいとき絵本がたすけてくれた ツムちゃんをおいかけて、がんこちゃんは絵本室（えほんしつ）にやってきました。「ツムちゃん、だいじょうぶ？」。ツムちゃんは、「わたし、まえにお母さんがおしごとでいそがしいとき、とってもさびしくてどうしようもないことがあったの」とはなしはじめます。「そんなとき絵本をよむと、わくわくしたり、わらったり…。いつのまにか、さびしかったこともわすれてた。じぶんじゃないだれかにもなれた。かいぞくになったり、空をとんだり…」。がんこちゃんも、「あたしもおばあちゃんの気もちがわかったのって、絵本のおかげだったなぁ。あと、おひめさまになったの、たのしかったぁ」とおもいだしました。 【scene 08】 絵本がなくなるということは… みんなも絵本室（えほんしつ）にやってきました。「そうねえ、あたしもギャオくんとなかなおりできたのは、絵本のおかげだった」とケロちゃん。「はは。おいらもなんだか、ワクワクしたな」とバンバン。みんなも絵本でたのしかったことをおもいだします。「わたしにとって絵本は、とっても大切（たいせつ）なの」とツムちゃん。そんなみんなを、すこしはなれてチョビくんが見ていました。「絵本をよんでワクワクした、かぁ…。ぼくも絵本のせかいにいったな。あんなにドキドキしたことなかった。そっか、あれがなくなっちゃうってことなんだ…」とチョビくん。 【scene 09】 うろこをもってきたチョビくん その日のよる。みんながマンナカ小学校にあつまっています。「チョビくん、こないね」とがんこちゃん。「絵本（えほん）、なくなっちゃうのね…」とツムちゃん。そこへ、「みんな、まって、まって！」とチョビくんがかけこんできました。「ぼくのも出します！」。チョビくんはプクーのうろこをみんなのうろこのよこにならべました。「ごめんね。ぼくも絵本のせかいはすごくおもしろかった。おもいだすといまでもドキドキするもん。絵本がなかったらあんな気もちになれなかった。だから絵本にきえてほしくないよ！」とチョビくん。ツムちゃんは、「ありがとう、チョビくん」といい、うろこが７まいそろいました。 【scene 10】 プクーがふっかつ！ 「では、はじめます」と校長先生。「かがやくまんげつよ～！」。でも、とちゅうでわすれてしまったのでヒポ先生がつづけます。「かがやくまんげつよ、うろこをてらせ。プクーよ、もどれ！」。すると、７まいのうろこがひかりかがやき、その中からプクーがあらわれました。「プクーだ！」。プクーはゆっくりとそとへ出ていきました。みんなでプクーをおいかけます。プクーはまんげつにむかっておよぐようにとんでいきます。そしてこんどはこちらにむかってやってきました。がんこちゃんたちがこれまで絵本（えほん）の中で見てきたせかいが、つぎつぎにあらわれます。「うわあー！」。 【scene 11】 プクーと絵本 気がつくと、みんなはくもの上にいました。まわりには、おかしやおほしさまがどっさり。「プクーが絵本（えほん）のせかいを見せてくれているのね」とツムちゃん。「おもしろい！　やっぱり絵本のせかいはちがうね！」とチョビくんも大よろこび。すると空が七色（なないろ）のひかりにかがやきました。「わあ、見て！　きれい！」とがんこちゃん。あんまりきれいなので、「ぼく、なんだかなみだが出てきちゃった」とチョビくん。まんげつにむかってとんでいくプクー。「プクー、ありがとう！」。やがて、プクーはキラキラひかりながらきえていきました。そしてキラキラしたひかりは絵本室（しつ）にやってきて…、絵本がつぎつぎにもどってきたのでした。

銀河銭湯パンタくん

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ピッコラにさんせい！？

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銀河町にパンタと同じ年の女の子・ピッコラが引っ越してくる。明るく活発なピッコラはたちまち人気者になる。しかし、ちょっとしたきっかけでギギと意見が対立してしまう。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 見たことのない女の子 本日も銀河町は、すっきりさわやか青い空～。広場（ひろば）でギギとバースがはなしています。そこへ、パンタとパンキチがやってきました。「パンタ、大じけんよ！　学校に転校生（てんこうせい）がくるのよ！」とギギ。「うわさによれば、耳がすんご～くとがってて、口からキバがはえてるらしいわよ～。」いろいろきいて、「ひぃぃ～」とふるえるバース。おしまいには、「うぅぅ～バタン！」と気をうしなってたおれてしまいました。するとそこに、「おーい！　あんたたち、銀河町の子？　いっしょにあそぶッピ！」とだれかあらわれました。きんぱつで、耳がとがっていて、キバがはえている女の子です。 【scene 02】 アーチにのぼったり、やさいであそんだり 「ほら、みんなもくるッピ！」女の子が銀河町入り口のアーチにのぼっています。「うんしょ。うんしょ。」パンタ、バース、パンキチものぼっていきます。「ちょっと、あぶないわよ」とギギ。「それーっ」と女の子がポールをすべりおりてきたので、パンタたちはおされてだんごになっておちてきました。つづいて女の子は、八百屋（やおや）さんのやさいでジャグリング。「それーっ」とパンタたちにパスすると、とおりかかったピエールさんのあたまにはくさいが、そしてトマトとピーマンが両手（りょうて）に。「ナイスキャッチ！」でも、「こらーっ！」と出てきた八百屋のおじさんに、ピエールさんがおこられてしまいました。 【scene 03】 銀河ノ湯のおふろ場もあわだらけ 「エッヘン。ここがぼくの家（いえ）。『銀河ノ湯』っていう銭湯なんだ。」おふろ場（ば）でパンタがせつめいしています。でも女の子は、「それそれーっ。キヒヒヒ！」とせっけんですべってあそんでいて、きいていません。「ちょっと、せっけんですべったらあぶないわよ」とギギ。おかまいなしにせっけんであそんでいる女の子。そこへ、「いやはや、そろそろお湯を…」とやってきたお父さん。あわだらけのおふろ場を見てびっくり。「あらーっ！？」「プププーッ。アワ、ブロ！」とよろこんでいるパンキチを見て、「パンタ、パンキチ！　おまえたちか！？」とおこりだしました。「ごめんなさーい！」「ププ」。 【scene 04】 うわさの転校生だった 広場（ひろば）にもどったパンタが、「ぼく、パンタっていう名前（なまえ）」といいました。「わたしはギギよ。」「ぼくはバース。よろしくね。」すると、「パンタ、ギギ、バース…。この子は？」と女の子。「ププ、パン、キチ」とパンキチ。「ププパンキチ？」「パンキチだよ。ププはパンキチの口ぐせ。で、きみの名は？」とパンタがきくと、「ウチ、ピッコラ。銀河町の小学校に転校（てんこう）してきたッピ！」といいました。うわさの転校生だったのです。「この町、気に入った！　もっとおもしろいとこおしえて！」とピッコラ。「それじゃあ、とっておきのぼくらだけのひみつきち、おしえちゃおうかなぁ」とパンタがいいました。 【scene 05】 ひみつきち“オバケモール”で 「ここがぼくらのひみつきち、オバケモールだよ。」パンタがピッコラをオバケモールにつれてきました。「キヒヒヒ！　おもしろそうなとこ！」とよろこぶピッコラが、「あれ、ふうせん？　とるッピ！」といいだしました。「ジャンプしてもとどかないよ」とバースがいうと、ピッコラは「よいしょ、よいしょ」と、大きなたなをはこんできました。「これにのぼればとれるッピ！」でも、たなを見たギギは、「ちょっとこれグラグラしてるわよ。あぶなくない？」といいます。ピッコラは「平気（へいき）、平気」とたなにとびのり、「ほら、パンタもいっしょにのぼるッピ！」といいました。「え？」とびっくりするパンタ。 【scene 06】 たなにのぼる？　のぼらない？ 「えーと…」とパンタがまよっていると、ドッチロンがあらわれました。「のぼる？　のぼらない？　ドッチ？　ドッチ？」ピッコラに「パンタ、ビビってるー。キヒヒ！」とわらわれ、「そ、そんなこと…ない！　ピッコラにさんせい！　な、バース？」とパンタ。「そ、そうだね。ギギはしんぱいしすぎだとおもうよ」とバースもいいます。「ギギは、ピッコラがなんでもできるからヤキモチやいてんだよ」とパンタにいわれ、「う…」とだまってしまうギギ。パンタはたなの上に立ってうまく魚（さかな）のふうせんをつかみました。「つぎは、あいつをとってやるもんね」と、ロケットがたのふうせんをゆびさしました。 【scene 07】 とめる？　とめない？ パンタはグラグラするたなの上に、もう一つたなをのせました。「これは、さすがにあぶなくない？」とバースもしんぱいします。「あっははは。だいじょうぶ、だいじょうぶ」とパンタは平気（へいき）です。「ねえギギ、とめてよ」とバースにいわれ、「え？　わたしが？」と、まようギギ。するとそこへ、ドッチロンがあらわれました。「とめる？　とめない？　ドッチ？　ドッチ？」まようギギですが、『ギギは、ピッコラがなんでもできるからヤキモチやいてんだよ』というパンタのことばをおもいだし、ちょっとはらを立てて、「やりたいなら、ほっとけばいいんじゃない？」といいました。 【scene 08】 たながくずれおちてしまった！ 「ああ～。すごいグラグラする～。」二つかさねたたなの上はとてもたかく、ちょっとこわくなるパンタ。「やっぱりおりる？」とピッコラにいわれますが、「だ、だいじょうぶだよ。バ、バランスをとれば…」。そして、「よーし、いまだ！　それっ！」とふうせんのひもをつかみます。しかし…。「あぶない！」ギギのさけびとともに、ガタガタガタッ！　たなはくずれおちてしまいました。もうもうとほこりがまいあがります。「みんな、だいじょうぶ！？」とギギ。「だいじょうぶだよ。ちょっとうっただけ。」「あぁ、こわかった～。」パンタたちはぶじなようです。でも、「ピッコラは！？」とギギ。ピッコラがいません！ 【scene 09】 たなにはさまれてうごけないピッコラ そのとき、「いててて…」とピッコラが、くずれたたなのあいだから顔（かお）をのぞかせました。「ピッコラ！」かけよるみんな。「だいじょうぶ？　よいしょ」とパンタがひっぱりだそうとしますが、「いててて！」ピッコラはくずれたたなにはさまれてうごけません。「ストップ！　うごかしたらくずれてきそうよ！」とギギ。ピッコラの上にのっているのは、パンタがもう一つのせたたなでした。「ぼくがつんだたなが…ぼくのせいだ…どうしよう…」するとギギが、「そうだ！　パンタ、あのふうせんとってきて！」といいました。見ると、フルーツミルクの形（かたち）の大きなふうせんです。「はやく！」 【scene 10】 「オオキイ、フルーツミルク！」 パンタが大きなフルーツミルクのふうせんをとってくると、ギギが気ぜつしていたパンキチをおこしました。「ほら、パンキチ。おきて！」「プー？」「パンキチ、これ見て！」ギギはふうせんを見せました。「プププーッ。オオキイ、フルーツミルク！」とパンキチは大よろこび。すると、こうふんしたパンキチの口が「グガガァァァッ」とあいて、くずれたたながぜんぶすいこまれていきました。「ゴックン、キュ～。」ギギとバースは、「やった！」「ナイスアイデアだね、ギギ！」とよろこんでいます。でもパンキチは、「ププッ？　フルーツミルク、アジ、シナイ。」 【scene 11】 「たなの上に、のろな！」？ 「ピッコラ、ごめんよ。ぼくがちょうしにのっちゃったから…」とあやまるパンタ。「ううん。ウチがいいだしたことだから…。みんな、ごめん！」とピッコラもあやまります。「わたしが、もっとちゃんととめればよかったんだわ」「ぼくも、あぶないってわかってたはずなのに…」とギギもバースもはんせいしました。するとパンタが、「ちょっとまってて」と、たてふだをつくりました。「これでよし！」でもそこには『たなの上にのろな！』とかいてあったので、「字、まちがってる」、「パンタ、カッコワルイ。ノロナ、ププププ」とみんな大わらい。そんなみんなを、木のかげからジゴバットがこわい顔（かお）で見ていて…。

銀河銭湯パンタくん

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バースのかくし芸

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銀河町商店街で｢かくし芸大会｣が行われることになるが、バースは披露できる特技がないと落ち込む。そんな中、大会当日、舞台照明がつかないというトラブルが発生して…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 銀河町で『ギャラクシーかくし芸大会』 銀河ノ湯の前で、ピエールさんがみんなにおしらせをくばっています。「どうしたの？」とパンタがきくと、「うちゅうほうそう協会（きょうかい）こと“UHK”の番組（ばんぐみ）『ギャラクシーかくし芸（げい）大会（たいかい）』がこの銀河町にやってくるのでございます！」といいました。「UHKって、ぜんうちゅうにながれるテレビじゃん！」とパンタ。「しかも、ギャラクシーかくし芸大会って、いちばんの人気番組よ！」とギギ。その出場者（しゅつじょうしゃ）をぼしゅうしているというのです。ゆうしょう者には銀河系（けい）一周旅行（いっしゅうりょこう）がプレゼントされるときいて、みんな大もりあがりです。 【scene 02】 スケボー、ダンス、けんぽう… 広場（ひろば）でパンタがスケボーでちゅうがえりをしました。かくし芸（げい）のれんしゅうです。「パンタ、カッコ、ヨシ！」とパンキチ。ギギは、ダンスをばっちりきめようとダンスのれんしゅう。「ギギ、スーパースター！」とパンキチ。そこへ、「おーい、みんな！」とピッコラがやってきました。ピッコラのかくし芸は…。「フン！　星座（せいざ）流（りゅう）けんぽう、おうし座のけん。それーっ」と、大きな石を手でまっ二つにわって見せました。「ピッコラ、ツヨイー！」とパンキチ。「バースはどうするの？」とギギがいいます。「え、ぼくは、えっと…。」 【scene 03】 バースはゲーム、けん玉？ 「これ！」とバースがとり出したのは、ゲームです。ところが、「そのゲーム、もうクリアしたッピ」とピッコラがいいます。「ピッコラ、スゴーイ！」とパンキチ。「ガーン！」とショックをうけるバース。「えっと、じゃあ、これ…」と、けん玉をとり出しました。ところがギギが、「けん玉じゃん、かして。どう？」と、みごとなけん玉のわざを見せました。「スゴイ、スゴイ、プップップー」とパンキチ。「ガーン！」と大ショックなバース。みんながもりあがるなか、そっとかえっていきました。「あれ？　バースは？」「かえっちゃったのかしら？」「プププ？」 【scene 04】 「ぼくなんか、なんにもできないや…」 バースがとぼとぼとあるいています。「あーぁ。みんな、じまんできるかくし芸（げい）をもってていいなぁ。ぼくなんか、ゲームもだめ、けん玉もだめ、うんどうもだめ。なんにもできないや…。ウワァーン」となきだしてしまいます。そんなバースを、あとをついてきたパンキチが見ていました。「ププ…バース…。」 【scene 05】 みんなで会場のじゅんび いよいよ、かくし芸（げい）大会（たいかい）の日。みんな会場（かいじょう）のじゅんびに大いそがしです。「えーと、この青い線（せん）がこっちで、赤い線がこっちで…。あれ？　線がいっぱいでこんがらがってきましたですよ。」ピエールさんがステージのうらで電気（でんき）スイッチの配線（はいせん）をしています。そこへやってきたバース。「かくし芸のじゅんびはばんたんでございますですか？」とピエールさんにきかれ、「え…えっと…」としかこたえられません。そろそろはじまるじかんになり、ステージにむかうピエールさん。すると、電気スイッチが「ブーン、バチバチ…」とへんな音を立てはじめました。 【scene 06】 いよいよかくし芸大会のはじまり 「おまたせいたしました！　ギャラクシーかくし芸（げい）大会（たいかい）、スタートでございますです～！」と司会（しかい）のピエールさん。まず、パンタのお父さんからです。「まいどばかばかしい話（はなし）を一つ。となりのへいに、かこいができたってねぇ。かべ～！」でもみんなは、シーン…。「あれ？　なんかちがう？」とお父さん。得点（とくてん）は、100点満点（まんてん）中の35点でした。「トホホ。」つぎはパンタです。「イェーイ！　スケボー空中三回転（かいてん）にちょうせんしまーす！　おりゃあ！」みごとにせいこう、はくしゅかっさいです。得点は、なんと98点でした。「やったぁ！」 【scene 07】 とつぜん、会場のあかりが そのころ、「ブーン、バチバチッ。」電気（でんき）スイッチに火花が…。「さあ、本日さいごのエントリー。さいきん銀河町にひっこしてきたピッコラさん。どうぞ！」ピッコラは、「フン！　星座（せいざ）流（りゅう）けんぽう、かに座のけん。そりゃーっ。」と、大きな石を両手（りょうて）でわりました。「オオーッ、これはきまった！」「イェーイ！」ところが、「さあ得点（とくてん）は？」とピエールさんがいったとき、とつぜん、会場（かいじょう）のあかりがきえました。みんなびっくりしておろおろするばかり。「よし、ぼくがなんとかしなきゃ！」とバースがはしっていきました。「プププ？」とパンキチ。 【scene 08】 あきらめる？　あきらめない？ 「赤はこっち、青はここ。」バースがスイッチの配線（はいせん）をなおしています。「よし。スイッチ・オン！」でもあかりはつきません。「だめかぁ。もうだめだ…。」すると、ドッチロンがあらわれました。「あきらめる？　あきらめない？　ドッチ？　ドッチ？」「やっぱりぼくじゃむりなんだ…」とバース。そのとき、「ププーッ。バース、ガンバ、レーッ」とパンキチがいいました。「よし、もう一回（かい）！」バースは線をつなぎなおします。「スイッチ・オン！」すると会場（かいじょう）のあかりがつきました。「イェーイ！」とみんな。安心（あんしん）したバースは「うーん」と気をうしなってしまいました。 【scene 09】 ゆうしょうは100点満点のピッコラ ステージでは、「さあ、得点（とくてん）は？」とピエールさん。「なんとピッコラさん、100点満点（まんてん）でございます！」ゆうしょうトロフィーはピッコラの手に。「やったあ！」とよろこぶピッコラ。みんなもはくしゅかっさいです。「やったわね！」「ピッコラ、やるう！」とギギとパンタもよろこんでいます。そこで、「はて？　しかし、なんで？」と気になったピエールさんはステージのうらを見にいきました。電気（でんき）スイッチのところで、「あらま！　バースさんにパンキチさん！」とピエールさんはびっくり。バースはたおれたままです。するとパンキチが、「プップププッププーッ」と…。 【scene 10】 バースがもう一人のチャンピオン 「みなさん！」ステージにもどってきたピエールさんがいいました。「本日のもう一人のチャンピオンをしょうかいさせていただきますですよ！　このぶたいのピンチをすくってくれた、バースさんです！」でもみんなは「えー？」とふしぎそうです。「みなさま、わたくしがまちがえた配線（はいせん）を正しくなおしてくださったのは、このバースさんでした！」とピエールさん。「バースが？」「そうだ！　バースって、きかいいじりがとくいだった！」とパンタとギギ。「はい。バースさんに大きなはくしゅをおねがいいたしますです！」ピエールさんがそういうと、「イェーイ！」と大きなはくしゅがおこりました。 【scene 11】 「ゆうしょうはパンキチにあげたいんだ」 するとピッコラが、「バース、これはバースのものだッピ！」とトロフィーをさしだしました。「あ、ありがとう。でもぼく、ホントはあきらめそうだったんだ。そのとき、パンキチがいっしょうけんめいはげましてくれたんだよ。パンキチのおうえんがなかったらがんばれなかった。だから、ゆうしょうはパンキチにあげたいんだ。」バースはトロフィーをパンキチにわたしました。「パンキチ、ありがとう。」すると、「ププーッ。イッシュウ、リョコウ、ミンナデ、イク～！」よろこんだパンキチの口が「グガガァァァッ」とあいて、ピエールさんがすいこまれていきました。「ゴックン、キュ～」。そしてトーネル星（せい）で…。

銀河銭湯パンタくん

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みんなでせーの！

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子どもたちがオバケモールで遊んでいると、パンタの行動が原因で出入り口のシャッターが閉まり、閉じ込められてしまう。みんなにせめられたパンタは、すねてしまい･･･。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 オバケモールでおたからさがし 「ヒャッホー！」「それー！」ピッコラとギギがオバケモールの中のトランポリンであそんでいます。「バース、おたからさがししようぜ。」「うん！　いいもの見つかるといいなぁ。」パンタとバースはおたからさがしをはじめました。「なんかないかなぁ…。バース、そっちはどう？」「うーん、なかなかいいものはおちてないなぁ。」すると、「うん？　あ、これ！」とバースはなにか見つけました。「スイッチは…。」ふるいゲームのようです。「バース、なんかあった？」とパンタが声（こえ）をかけますが、きかいにむちゅうのバースにはきこえません。「ここかな…？」スイッチらしいボタンをおしてみますがうごきません。 【scene 02】 バースがゲームを見つけた 「バース！　なんだよ、さっきからよんでんのに。あれ？　なにかくしてんの？」とそばにきたパンタがいいました。「あ、いや、その…。」「見せてよ！」しかたなく見せるバース。「ゲームじゃん！」とこうふんするパンタ。「いいもの見つけてんじゃん。ぼくにもかしてよ。」パンタはむりやりとりあげてスイッチをおしました。でもゲームはうごきません。「えいっ！」とゲームをたたくパンタ。「ああっ、たたいちゃだめだよ。パンタはいつもそうやってたたいて、けっきょくこわしちゃうんだから」とバース。「なんだよ、そのいいかた。ちょっと自分（じぶん）がきかいにくわしいからって」とおもしろくないパンタ。 【scene 03】 オバケモールにとじこめられた？ 「かえしてよ～。」「いやだよ！」ゲームのとりあいになる二人。そこへギギとピッコラがやってきました。「ちょっと！　二人ともやめなさいよ。」そのとき、パンタがおもいきりひっぱったので、ゲームがバースの手からぬけ、そのいきおいでパンタはうしろへとばされ、大きなはしらにぶつかってしまいました。すると…。ふるくなっていたはしらがたおれ、入り口のはしらにぶつかり、そのしょうげきで「ガラガラッ」とシャッターがしまってしまいました。「うそでしょ？！」シャッターにかけよったピッコラが力をこめてあけようとしますが、びくともしません。「もしかして…。」「わたしたち…。」「とじこめられた～？」 【scene 04】 みんなにせめられるパンタ するとピッコラが、「みんなで力をあわせれば、うごくかもしれないッピ」といいます。ところが、「むりむり。そんなおもたそうなの、やるだけムダ～」とパンタ。「なによ、そのいいかた。もとはといえば、あんたがげんいんでしょ！」とおこるギギ。「だって、バースがゲームを一人じめするんだもん！」とパンタ。「ちがうよ～。うごかないからしらべてただけだよ～」とバース。「ウチ、見てたッピ。パンタがゲームをむりやりとった！」とピッコラ。「どうしてパンタはなかよくできないの！」とギギにもいわれたパンタ、「なんだよ、二人ともバースのみかたして！　フン！」おこっていってしまいました。 【scene 05】 ギギとピッコラもけんかに 「グウゥ～。」ピッコラのおなかがなりました。「おなかすいたッピ～。」「がまんしなさいよ」というギギも、「グウゥゥ～」とおなかがなりました。「そんなことより、ここからだっしゅつするほうほう、かんがえなさいよ」とギギ。ピッコラは、「オバケモールにあるぜんぶの花火を大ばくはつさせて、かべにあなをあけるッピ！」といいます。あぶないので、「だめ！」とギギ。「じゃあ、トランポリンでシャッターのあなにとびうつって、そこからとびおりるッピ！」シャッターにぶつかりそうなので、「だめだめ！」とギギ。「ギギは『だめ』ばっかり」とピッコラにいわれ、「なにさ！」、「フン！」二人はけんかしてしまいます。 【scene 06】 みんなにもあげる？　あげない？ 「二人だってけんかしてんじゃん」とつぶやくパンタに、「なんかいった？　パンタもかんがえなさいよ！」とおこったギギがいいました。「ふん。なんでもかんでもぼくのせいにして」とおもしろくないパンタ。するとパンタの足になにかがぶつかりました。「うん？　カン…。」それはかんづめでした。「まだたべられるぞ！」ほかにも、かんづめがたくさんあります。すると、ドッチロンがあらわれました。「みんなにも、あげる？　あげない？　ドッチ？　ドッチ？」そうきかれて「うーん」とかんがえこむパンタですが、「あいつらなんかに、あげるもんか！」といいました。 【scene 07】 水をみんなにわけてあげるバース… 「あー、つかれたッピ。」「のどがかわいてきた～。」するとバースが、「そうだ！　たしか…あった！」と、リュックから水とうをとりだしました。その水を、「はい。ギギのつぎはピッコラね」とさしだします。「なんだバースのやつ。いいかっこしちゃってさ。どうせぼくにはくれないんだろ」とおもうパンタ。ところが、「はい。パンタのぶん」とバースは水をくれました。「えっ、ぼくのぶん？　のんでいいの？」ゴクゴクとのんで、「バース、ありがとね」というパンタ。「ううん」とバース。するとパンタが、「あのさ、これ、たべる？」とかんづめをさしだしました。「そこで見つけたんだよ。みんなでたべようよ。」 【scene 08】 きょうりょくする？　しない？ パンタが見つけたかんづめを、みんなでたべています。「このかんづめ、おいしい！」「パワーが出るッピ！」「ぼくもなんか元気（げんき）出てきた～」とバース。いそいでたべたパンタは「ゲホゲホ」と、のどにつまらせてしまいます。「いそいでたべすぎ！」「おなかこわしちゃうッピ！」とみんながわらいました。「もうだいじょうぶ。それより…」とシャッターを見上げるパンタ。すると、またドッチロンがあらわれました。「きょうりょくする？　しない？　ドッチ？　ドッチ？」そうきかれて、「するーっ！」みんなが声（こえ）をそろえていいました。 【scene 09】 みんなでかんがえたアイデア みんなでアイデアをかんがえます。「花火もだめだし、トランポリンもつかえないし」とピッコラ。するとギギが、「さっきからかんがえてたんだけど、トランポリンのアイデア、わるくなかったかもよ」といいました。ギギが絵（え）でせつめいします。「こうやって、シャッターの下にながいいたを入れる。それで、トランポリンでとんで、いたをふんづける。」ピッコラにもわかりました。「そしたら、シャッターの下にすきまができるッピ！」「そこになにかをはさめば、ぼくらがとおれるあなをつくれるね！」とバースもいいます。「そして、くずれてくる前（まえ）に、だっしゅつだ！」とパンタ。「うん、イケるかも！」 【scene 10】 だっしゅつ、せいこう！ 「よーし、みんな。よういはいいか？！」とパンタ。「うん。せーの！」ギギとピッコラがトランポリンでたかくとびあがりました。そしていたの上にとびのります。「よいしょーっ。」いたがシャッターをもちあげたところへ、バースがすばやくべつのいたをはさみます。「パンタ、いそいで～！」「よっしゃあ！」パンタは、にもつをはこぶカートをおしてはしりだしました。「それっ！」ギギとピッコラがとびのります。「バース！」「うん。よいしょ！」バースもしがみつきます。そして、「やったーっ！」シャッターがまたおちてしまう前（まえ）に、みんなは外（そと）に出ることができたのでした。 【scene 11】 「また、みんなであそぼうぜ！」 外（そと）はもうすっかり夕方（ゆうがた）になっていました。「たいへんだったけど、たのしかったッピ！」とピッコラがいいます。「もうすぐ夜（よる）だねぇ」とバース。「それじゃ、また明日（あした）ね」とギギがいいました。「うん、バイビー！」「じゃあね…。」みんながかえっていこうとしたとき、「バース！」とパンタがバースをよびとめました。「パンタ…」とふりむくバース。そして…、二人は同時（どうじ）に「ごめんね」とあやまりました。「あははは」と、おもわずわらいだすパンタとバース。「また、みんなであそぼうぜ！」「うん！」

銀河銭湯パンタくん

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バースなんか大きらい！？

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運動が苦手なバースのせいで、ギギチームはかけっこで負けてしまう。さらに、ギギのお気に入りの帽子に対しても、反応の悪いバース。ギギはバースへの不満が募っていき…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 チームにわかれて、かけっこきょうそう 広場（ひろば）で、ギギチームとピッコラチームにわかれて、かけっこきょうそうをしています。パンタがはしってもどってきました。「つぎ、バース！」バースにバトンをわたします。「うぅ、じしんないけど…」とバース。「なにいってんのよ。しょうぶがかかってるんだから！」ギギにおされてはしりだすバース。ピッコラチームは、もどってきたパンキチが「プ、プ、プー。パンキチ、ツカレタ…、オネガイ」とピエールさんにバトンをわたします。「まかせてくださいまし！　社会人（しゃかいじん）ピエール…」としゃべりはじめたピエールさん、「はやくはしるッピ！」とピッコラにしかられてしまいました。 【scene 02】 「バースのせいでまけたのよ！」 「ハァハァハァ…。」けんめいにはしっているバース。すると、「お先にしつれいいたしますですーっ」と、ピエールさんがあっというまにおいぬいていきました。バースはタイヤをとびうつっていくところで足をすべらせ、「ドシン！」とひっくりかえってしまいます。「いててて…。」ピエールさんからバトンをうけたピッコラが、「さいごはウチにまかせるッピ！」とはしりだします。「バース！　はやくはやく！」ギギもバトンをうけとってはしりだします。でもおいつけず、「いっちばーん！」とピッコラがゴール。「バースのせいでまけたのよ！」とギギはおこっています。「ごめん…」とバース。 【scene 03】 じまんのぼうしを見せるギギ 「♪せかいでいちば～ん おしゃれなぼうし～ わたしだけの～ すてきなぼうし～。」ギギがうたいながらやってきました。「おや、ギギちゃん。いやはや、ずいぶんごきげんだなぁ」とパンタのお父さん。「ププー！　アタラシイ、ボウシ？」とパンキチ。パンタも気がつきました。「うわぁ、すげーっ。めっちゃひかってる。カッコいい！」「プー！　ピカピカ、メッチャ、キレイ～」ピッコラも、「うわぁ、ギギ、ちょっと見せて。このぼうし、めっちゃおしゃれ！」といいました。「ウチもそんなぼうしほしいッピ！」みんなにほめられて、ギギはますますごきげんです。 【scene 04】 ギギをおこらせてしまった… バースが一人でもくもくとかけっこのれんしゅうをしています。そこへギギがやってきました。「ねえねえ、バース。このぼうし、どう？」じまんのぼうしを見せました。ところがバースは、「え？　あ、どうって？」といいます。「どうおもうかってきいてんの！」といわれても、「どうおもうか？」とバース。「『おしゃれ～！』とか、『カッコいい！』とか」とギギ。でも、「あ～、そうだね」というだけ。「そうだね、じゃないでしょ。どっちなのよ！」とギギ。「えっと、いいとおもうよ」とバース。「うそばっか。ほんとはおもってないでしょ！　もういいわよ。ふん！」とギギはいってしまいました。「あぁ…」とバース。 【scene 05】 「ぼうしをほめてほしかったんだ…」 広場（ひろば）でパンタたちがはなしています。「ねえねえ、ギギのぼうし見た？」「ピカピカひかってカッコよかった！」「パンキチ、ボウシ、ホシイ！」「ギギもうれしそうだったッピ！」それをきいて、「あ！　そうか、ギギはぼうしをほめてほしかったんだ…」とバースは気がつきました。そこへ、「ちょっと、ちょっと」とギギがなにかをもってやってきました。「ププ！　ギギ、ソレ、ナニ？」とパンキチがきくと、「さっきドレープさんにもらったパイ！　みんなでなかよくたべて、って」とギギ。できたてのかおりがしてすごくおいしそうです。「ちょっとまってね。みんなにわけてあげる。」 【scene 06】 バースのパイだけ小さい？ ギギがパイをきりわけてみんなにくばります。ところが自分（じぶん）のパイを見たバースは「ガーン！」すごく小さかったのです。「ぼくのだけ、小さい…？」すると、「ふん、あたりまえでしょ。バースにはどうせこのパイのおいしさもわかんないでしょ」とギギ。「え、えーと…」となにもいいかえせないバース。「あれぇ？　バースのぶん、めっちゃ小さい！」と気がついたピッコラが、「ちょっとわけてあげるッピ」といいます。すると、「ピッコラ、よけいなことしないで！」とギギ。「え？　わたし、なにかわるいことしたっけ？」とピッコラがいうと、「むむ、もう、わたしかえる！」とギギはおこっていってしまいました。 【scene 07】 「バースなんか大きらい！」 「もう！　バースもピッコラもなんなのよ、まったく！」ギギがおこりながらあるいていくと、ドレープさんがあらわれました。「ギギさん、パイはなかよくわけてたべられましたか？」「バースのだけ、小さくしてやった」とギギ。「あらま？」「バースがわるいのよ。バースなんか大きらい！　バースのせいでかけっこまけちゃうし、わたしのぼうし見せてあげたのになんにもいわないし…」と、ギギはつぎつぎにふまんをならべたてます。「おもいだしたら、またはらが立ってきた。もんくいってやんなきゃ！」とギギ。するとドレープさんは、「ギギさん、バースさんはどうおもってらっしゃるのかしらね？」といいました。 【scene 08】 もんく、いう？　いわない？ 「もうっ！　みんなしてなんなの！」おこりながら広場（ひろば）にやってきたギギ。ふと見ると、バースがタイヤをとびうつるれんしゅうをしていました。「ひょっとして、かけっこのれんしゅう？　バース…。」すると、ドッチロンがあらわれました。「もんく、いう？　いわない？　ドッチ？　ドッチ？」そうきかれて「えーと、うーん…」とかんがえこむギギ。そのとき、「ギギ」という声（こえ）がしました。「え？」 【scene 09】 もしあいてが自分の立場だったら 気がつくとそばにピッコラがいました。「バース、かけっこでまけたの気にしてるッピ。ここのとこずっと毎日（まいにち）、一人でれんしゅうしてるッピ。」「そうなんだ…」とバースを見るギギ。「ねえピッコラ。ピッコラは、だれかのこときらいになったりする？」とききました。「うーん。たまにあるかな」とピッコラ。「そんなときさ、いじわるしちゃったりする？」とギギがさらにききます。「どうかなあ…。したくなるときもあるッピ。でもさ、そんなときはこんなふうにかんがえるッピ。もし自分（じぶん）があいての立場（たちば）だったらって。」ギギは、「もしわたしがバースの立場だったら…」とそうぞうします。 【scene 10】 そうぞうしてみると… 「もう！　ギギのせいでかけっこにまけちゃったじゃないか！　ギギなんか大きらいだよ！」そういわれて、「え…」とおもうギギ。「ギギはこのぼうし、どうおもう？」とバースにきかれ、「えーと、いいとおもうよ」とあっさりいうギギ。すると、「うそばっかり！　ほんとはおもってないくせに！」とおこりだすバース。そして…。「ギギのパイはこれ！」とバース。「小さい…」とギギがいうと、「あったりまえじゃん！　ぼく、きみのこと、大、大、大きらいだもん！」とバースがいいます…。 【scene 11】 「いっしょにれんしゅうしよ！」 「ギギ？　どうかしたッピ？」というピッコラの声（こえ）で、「はっ」とわれにかえりました。「バース、ごめんね」とつぶやいたギギは、ピッコラにだきついていいました。「ピッコラ、ありがとう！」いっぽう、バースはまだかけっこのれんしゅうをしています。「ハァ、ハァ…。」そこへギギがやってきました。「バース！　これあげる！」と、フルーツミルクをさしだします。「え、えと…、ありがとう」とバース。するとギギが、「バース、いっしょにれんしゅうしよ！」といいました。「え？　うん！」とバース。「ごめんね。いじわるしちゃって」とあやまるギギ。「それ！　それ！」いっしょにれんしゅうをする二人でした。

銀河銭湯パンタくん

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けがしたガンさん

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けがをしたガンさんの世話をするパンタ。しかし、だんだん面倒くさくなってしまい、友達と遊びにいってしまう。翌日、今度はパンタ自身が転んでけがをしてしまい･･･。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 ガンさんが銀河ノ湯でけがをした！ 「♪月が～出た出た～ 月が出た～ ヨイヨイ」。今夜（こんや）は満月（まんげつ）。銀河ノ湯につかってお月見をしながら、ガンさんやパンタたちがごきげんでうたっています。「♪月が～出た出た～ 月が出た～ ヨイヨイ。」ちょうしにのってきたガンさんが、「♪ガンガガンガガ～ン！」とおどると、湯ぶねのお湯がザッパーン、ザッパーンと大きくあふれだしました。「うわあぁーっ。」「ププーッ。」パンタもパンキチもながされていきます。「ガーン！」ととびあがったガンさんは、すっかりお湯のなくなった湯ぶねにおちて、「ガガガガン…イテテテ…」とひっくりかえりました。「ガンさん！」とみんなはびっくり。 【scene 02】 おいしゃさんがくるまで銀河ノ湯に 「はい、これでよし。」パンタのお母さんが、ガンさんのけがの手あてをしました。「とりあえず、おうきゅうしょちはできたわ」とお母さん。「ヒョヒョ。年がいもなく調子（ちょうし）にのるからじゃ」とスベトンさん。「はしゃぎすぎたガン、イタタタ…。」ガンさんはかなりいたそうです。「ダメよ。しばらく、あんせいにしておかないと」とお母さん。「いやはや、うちゅう人せんもんのおいしゃさんがくるまでここにいてください」とお父さんもいいます。「もうしわけないガン…。」 【scene 03】 おせわをたのまれたパンタ つぎの日。「あははは。」パンタが自分（じぶん）のへやでマンガをよんでいるところへお母さんがやってきました。「パンタ。お母さんちょっと出かけなくちゃいけないのよ。お父さんは銭湯のじゅんびでいそがしいし、パンキチもあそびに出かけちゃったし。ガンさんのおせわ、おねがいできる？」といいました。「オッケー！」とパンタがいったので、「じゃ、おねがいね」とお母さんは出かけていきました。「はいよ～！」パンタがまたマンガをよんでいると、とつぜん、下から「ガタガターッ！」と大きな音がしました。「おおっ、なんだ！？」 【scene 04】 くすりばこをとろうとしたガンさんが… 「ガンさん、どうかした？」とパンタがあわてて下におりると、ガンさんがたおれていました。あたりにいろいろなものがちらばっています。「うわっ、なにやってんの？！」ときくと、「そ、そのケースを…」とガンさん。くすりばこをとろうとしてころび、かごやタオルをひっくりかえしてしまったようです。「すまんガン…」とあやまるガンさん。「いいって、いいって」とパンタはくすりばこをとってあげて、自分（じぶん）のへやにもどりました。「つづき、つづき…。」またマンガをよみはじめます。すると、「ウアアッ！」というさけび声（ごえ）がしました。「うん？　こんどはなんだ？」 【scene 05】 くすりをのもうとしたガンさんが… おりていくと、くすりがちらばっていました。「あ～あ、くすりおとしちゃったの？」「すまんガン…。」「はいはい。ここにおいとくからね。」くすりをひろってあげるパンタ。そしてパンタがまたへやでマンガをよんでいると、「うわぁっ。パンタ～、パンタ～…」とよぶ声（こえ）がしました。「なんだよ～。いいところなのに…。」パンタがおりていくと、「ん？　うわっ、なにこれ！？」「す、すまんガン…。」ガンさんがくすりをのもうとしてポットとコップをひっくりかえし、水びたしになっていました。「もう！　めんどくさいなぁ！　えーと、ぞうきんてどこだ？」そのとき、「パンタ～！　あ～そ～ぼ～！」という声が。 【scene 06】 ガンさんのおせわ、する？　しない？ 銀河ノ湯の前（まえ）で、ギギ、ピッコラ、バース、パンキチがパンタをよんでいました。「パンタ～！　あそぼうよ～！」「プププ～ッ！」そういわれて「ああ…」とかんがえるパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「ガンさんのおせわ、する？　あそびに、いく？　ドッチ？　ドッチ？」そうきかれて「うーん…」とかんがえこむパンタですが、「ぼくだっていそがしいんだよ！　ガンさんばっかり見てらんないよ！」。そういうとパンタは、こぼれた水とコップを見て、「それ、かえったらそうじするから～！」といってあそびにいってしまいました。「み…ず…」とガンさん。 【scene 07】 ガンさんがどこかへはこばれていった 広場（ひろば）でパンタたちがボールなげをしてあそんでいます。「みんな、もう夕方（ゆうがた）だよ。かえらなくちゃ」とバースがいいました。「そうね。そろそろかえろうか。」みんなかえっていきます。パンタとパンキチが銀河ノ湯までくると、ガンさんがどこかへはこばれていくところでした。「ププ？　ガンサン？」「あ！」「イテテテ」とうなっているガンさん。「いやはや、すみませんね。わたしが見ておけばよかった…」とお父さん。「ヒョヒョ、くすりはちゃんとのんでおったんか？」とスベトンさんにきかれ、「く、くすり…。のむのをわすれたガン…。」それをきいて、「ガンさん…」とつぶやくパンタです。 【scene 08】 ガンさん、だいじょうぶかなぁ 「ププー？　ガンサン、イナイ。オフロ、ヒロイ。」おふろに入っているパンキチがいいました。「は～、ガンさん、だいじょうぶかなぁ…。ぼくがあそびにいっちゃったからかなぁ。いやいや、ぼく、ちゃんとおせわした…よなぁ…。うん、したした。きっとだいじょうぶだよ！　うん。」パンタは湯ぶねの中で、ガンさんのことが心配（しんぱい）になってかんがえこんでいます。ところが、湯ぶねから出たパンタは、石けんをふんですべり、「うわぁっ！」とひっくりかえってしまいました。ズデーン！ 「イテーッ！」とパンタ。「プププーッ！」パンキチがびっくりしてかけよりました。 【scene 09】 パンタもけがをしてしまい… つぎの日。パンタは右うでにほうたいをまいていました。「プーッ。パンタ、ガンサン、オソロイ！　プップププー」とよろこぶパンキチ。「なにがおかしいんだよ！」とおこるパンタ。そこへ、お母さんがごはんをはこんできてくれました。「パンキチは下でいっしょにたべるわよ」と二人は下へいきます。「いっただきまーす！」さっそくたべようとするパンタ。ところが、「あれ？　ちょっと、むずかしいな…。」左手ではうまくたべられません。「こうやって、こうかな…？」うまくできないので、「もういいや。おみそしるをのもうっと！」ところが、手がすべって「バシャッ。」おみそしるがふくにかかってしまいました。 【scene 10】 ガンさんの気もちがわかった 「はあ～。きがえなきゃ。うんしょ、うんしょ。」でも左手しかつかえないのでうまくできません。「あー、もうやだ！　一人じゃできないよー！　パンキチーッ！　お母さーん！」そのとき、『パンタ～…』とよんだガンさんの声（こえ）をおもいだしました。「ガンさんもこんなかんじだったんだよな…。」いろいろおもいだします。『水をつぐガン。イテテテテ！　あぁ～、パンタ～』『イテテテ。くすり、くすりのむガン。よいしょ、よいしょ』…。「あのとき、ぼくがそばにいてあげれば…」とおちこむパンタ。「パンタ～！」「ガンさん…。」「パンタ～！」「ん？　ガンさん？」気がつくとほんとうにガンさんがよんでいました。 【scene 11】 「かんしゃしてるガン！」 「パンタ！　だいじょうぶガン？」ガンさんとみんながおみまいにきてくれたのです。そして、ギギがきがえを手つだってくれ、ピッコラはごはんをたべるのを手つだってくれました。パンキチはマンガをよんでくれました。「みんな、ありがとう！」とかんげきするパンタ。するとみんなは、「なにいってるッピ！」「パンタが元気（げんき）になってくれなきゃ、こっちもつまんないのよ」といいました。「ガンさん…ごめんね。ぼく、とちゅうであそびにいっちゃって…」とパンタがあやまると、ガンさんは、「ガガガガン！　パンタ、たすけてくれたガン！　かんしゃしてるガン！」といってくれたのでした。「ガンさん！」 【scene 12】 パンキチの気もちはありがたいけど… 「プププ！　ソコ、ニ、トンデ、キターッ！　プップププップップーッ！」パンキチが、ベッドの中にいるパンタにマンガをよみきかせています。「ふわ～。あのねぇ、パンキチ…。気もちはうれしいんだけど、もう…ぼく…ねむい…」とねむろうとするパンタ。でもパンキチは、「ププーッ！　パンタ、ダメ！　ココ、クライー、マックス！」とねかせてくれません。「マックス…ムニャムニャ」とねてしまうパンタ。「パワー、アップーッ！」とよみつづけるパンキチですが…。「…グーグー」とかんぜんにねてしまうパンタでした。「パンターッ！」

銀河銭湯パンタくん

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ピッコラとはあそばない！？

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ピッコラがジゴバットの娘だと知ったパンタは、ピッコラも悪者だと決めつけてしまい遊ばなくなる。仲間はずれにされたピッコラだったが…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 ジゴバットのいやがらせ 銀河ノ湯のえんとつをジゴバットがよじのぼっています。「ゲヘヘヘ！」。じつはこのジゴバット、おふろが大きらい。お湯がかかると…、ちっちゃくなってしまいます。だからジゴバットは、うちゅう中の銭湯をつぶそうとしているのです。ジゴバットはてっぺんまでのぼると、えんとつにふたをしてしまいました。すると…。おふろ場（ば）にけむりがもうもうと立ちこめはじめました。「ゴホゴホ」「ゲホッゲホッ」。まどからジゴバットがのぞきこみました。「ゲヘヘヘ！」。「ププー、ジゴバット！」。パンタもみんなもびっくり！ 「ざまぁ見ろ。これで銀河ノ湯はもうおしまいだ！　ゲヘゲヘ、ゲヘヘヘ！」。 【scene 02】 センスがよくしんせつなピッコラ 「ジゴバットってほんとにめいわくなやつね！」。「そうだよね。こわいしね」。広場（ひろば）でギギとバースがはなしています。そこへ、「おーい、みんな！」とピッコラがやってきました。「うわぁ、そのカバン、かっこいいッピ！」とギギのカバンを見ていいました。「さすがピッコラ。このハイセンス、わかるのねぇ」とよろこぶギギ。「あ、バース、これ」。ピッコラは、しんはつばいされたばかりのゲームを見せて、「ウチ、もうクリアしたから、かしてあげるッピ」といいます。「いいの？　やったぁ！」とバースも大よろこびです。 【scene 03】 気がきいてやさしいピッコラ そこへ、「おーい！」とパンタとパンキチがスケボーにのってやってきました。ところが、バランスをくずして土管（どかん）にぶつかり、スケボーがこわれてしまいます。するとピッコラが、「ちょっとかすッピ」と手にとると、あっというまになおしてしまいました。「わぁっ、すごい！　なおった！」とパンタは大よろこびです。さらにピッコラは、「パンキチ、あたまケガしてるッピ」というと、たちまちけがの手あてをしてくれました。「ププ、アリガ、ト」とパンキチ。ピッコラは、用事（ようじ）があるからとかえっていきました。「ピッコラって気がきくわねぇ」とギギ。「うん、やさしいよねぇ」とバース。 【scene 04】 ピッコラのお父さん…！？ 「あ～ぁ。けっきょくみんなかえっちゃった」。パンタとパンキチが森の中をあるいています。するとパンキチが、「ププッ？　アレ、ピッコラ？」といいました。ゆびさすほうを見ると、たしかにピッコラです。ピッコラは「ただいま！　父ちゃん！」と声（こえ）をかけています。すると、しげみのおくからジゴバットがあらわれました。「おかえり、ピッコラ。ゲヘヘヘ」とジゴバットがいいました。「ジゴバット！」。「父ちゃん！？」。パンタとパンキチはびっくり。「ジゴバット、ピッコラ、ノ、オトウ、サン！」。「こりゃ、たいへんだぁ！　みんなにしらせなきゃ！」。 【scene 05】 「ピッコラとはもうあそばないぞ！」 「えーっ！　ピッコラとジゴバットは親子（おやこ）だったの！？」。ギギとバースもびっくり。「だからさ、あんまりピッコラとなかよくしないほうがいいって」とパンタ。ゲームをかしてくれたのもカバンをほめたのも、「なにかのワナにきまってんじゃん！」といわれ、かんがえこむバースとギギ。すると、ドッチロンがあらわれました。「ピッコラとあそぶ？　あそばない？　ドッチ？　ドッチ？」。「うーん…」とますますかんがえこむバースとギギ。ピッコラがほんとはこわいやつかもしれないとおもったバースとギギは、もうピッコラとはあそばないときめました。「プ、プー？　ナカヨシ、ダメ？　ナンデ？」とパンキチ。 【scene 06】 ピッコラをさけるみんな つぎの日。「バース、ゲームどうだったッピ？」とピッコラがいいますが、「え？　あぁ、えーと…」とにげるようにいってしまうバース。ピッコラは広場（ひろば）でギギにも「このあいだのカバン、どこでかえるッピ？」とききますが、「うーん、それは…」といってしまうギギ。「ちょっと！　ギギ！？」。そして、「パンタ、ちょっときいてよ！」。銀河ノ湯の前（まえ）でパンタにはなしかけます。「ギギとバースにあったんだけど…」。ところがパンタはへんじをしません。「フンッフンッ！」と中に入ってしまいました。「みんなどうしたッピ？」とピッコラ。そんなピッコラをパンキチがとおくから見ていました。「ププ…」。 【scene 07】 パンキチはピッコラとキャッチボールに 「あはははは」。マンガをよんで大わらいしているパンタ。「パンキチ、ここ見て、ここ。あははは。パンキチってば！　パンキチ？」。気がつくとパンキチがいません。するとどこかから、「プップププーッ」、「パンキチ、いくよーっ」という声（こえ）がします。「ん？」。銀河ノ湯の前（まえ）に、ピッコラとパンキチがいました。「今日（きょう）はキャッチボールをするッピ！」。「スルップ！」。「今日のもくひょうは100回（かい）だッピ～！」。「プププーッ」。パンキチはピッコラといっしょに広場（ひろば）へいってしまいます。それを見て、「パンキチのやつ！」とはらを立てるパンタ。 【scene 08】 ピッコラもわるいやつにきまってる！ 「ピッコラ、ププップー！」。「ハーイ！」。パンキチとピッコラがキャッチボールをしています。パンタたちがようすを見にきました。ピッコラのなげたボールをおいかけてパンタたちのところまでやってきたパンキチをものかげにひっぱりこみます。「パンキチ！　どういうつもりだよ！？」、「ピッコラとはあそばないってみんなできめたじゃない」、「ジゴバットの子どもだよ」とみんな。でも、「ピッコラ、ジゴバット、チガウ！　ピッコラ、ヤサシイ！」といわれ、「うーん」とだまってしまうバースとギギ。「だめだめだめ！　ピッコラもわるいやつにきまってんじゃん！」。パンタはむりやりパンキチをつれてかえってしまいました。 【scene 09】 ジゴバットのシャボン玉こうげき パンタのへやでみんながゲームをしています。でもパンキチは一人はなれています。「まだピッコラのこと気にしてんのかよ。しょうがないだろ。ピッコラはジゴバットの…ジゴバット！？」。なんと、まどの外（そと）にジゴバットが！ 「ゲヘヘヘ。それ！　こいつをくらえ！」。シャボン玉でこうげきしてきます。「たすけてーっ！」。みんな、大きなシャボン玉におしつぶされそうです。「ゲヘヘヘ。さらばだ」。いってしまうジゴバット。そのとき、「ビューン！」ととんできたボールがあたり、みんなをつぶそうとしていたシャボン玉が「パーンッ」とわれました。「たすかった！」。そこへ「みんな、だいじょうぶ？」とかけつけたのは…。「ピッコラ！」。 【scene 10】 みんなのことが大すきだから みんなは広場（ひろば）にきていました。「ねえ、ピッコラ。どうしてわたしたちをたすけてくれたの？」とギギがたずねました。「どうしてって…、ともだちだからッピ」とピッコラ。「えーっ！？　ぼくたちピッコラのこと、さけてたのに？」。すると、「それは、ウチのほうがききたいッピ。なんでさけてたッピ？」とピッコラ。「だって、ピッコラって、ジゴバットの子どもなんでしょ？」とパンタ。「ピッコラも、わるいやつなんじゃないかって…」とギギ。するとピッコラは、「たしかに、ウチの父ちゃんはジゴバットだッピ。だけど、ウチは銭湯もすきだし、みんなのことも大すきだッピ！」といいました。 【scene 11】 みんなとともだちだとおもってる 「プププップ、ピッコラ、ジゴバット、チ、ガ、ウ！　ププッ、ピッコラ、イイ、ヤツ！」とパンキチ。「そうだよな」。「うん」。「ぼくらがまちがってたね」。パンタたちもそういいました。「ピッコラ、ごめんなさい！」。「ごめんなさい！」。あやまるみんな。するとピッコラは、「うん。みんなにさけられたのは、かなしかったッピ。でもウチは、みんなとともだちだとおもってるから、たすけたかったッピ」といいました。「ププッ。ピッコラ、マタ、イッショ、アソブ！」。「うん！　あそぶッピ！」。「うん！」。みんなは広場（ひろば）でいっしょにあそびはじめました。「あははは！」。とてもたのしそうです。

銀河銭湯パンタくん

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朝も昼も夜もあそびたい！

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流行のゲームに夢中になるパンタ。毎晩遅くまでやり続け疲れ果てていく。そんなある日、思いがけず早朝に目覚めたパンタは、今までは知らなかった銀河町の光景を目にする。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 毎日ゲームにむちゅう 本日も銀河町はすっきり青空～。なのにパンタたちは、毎日（まいにち）ゲームにむちゅう。今日（きょう）も広場（ひろば）でゲームをしてあそんでいます。「よしっ、えい！　あぁ、ダメダメダメ！」とパンタ。てきのこうげきにつかまり、まけてしまいました。「あぁー、あともうすこしだったのになぁ」。すると、「やりい！　ウチはアワアワモンスター、いっぱいたおしたッピ！」とピッコラ。ランキングでピッコラが１位（い）になりました。「くやしい！　ベスト３には入りたいわねぇ」とギギ。「ププーッ。モウイッカイ、モウイッカイ！」。「ようし、１位とってやるぞ！」とパンタもやる気まんまんです。 【scene 02】 夜中も一人でゲームを 夜（よる）になってもパンタとパンキチはゲームにむちゅう。「それっ、どうだ。やったぁ！　ランキングは？」。ついにパンタがピッコラをぬいてランキング１位（い）になりました。「ププーッ、パンタ、スゴーイ！」。そこへ、「あんたたち！　いつまでもゲームやってないで、もうねなさい！」とお母さん。「はーい」とベッドに入るパンタとパンキチ。「おやすみなさーい」。ところが、「ピロリーン」とゲームのメッセージ音です。見ると、「あ、ピッコラにぬかれてる！」。ピッコラがまたランキング１位です。「やばいやばい。おいつかないと…。このモンスターを…やっつければ…」。パンタはまたゲームをはじめてしまいました。 【scene 03】 ねむそうで元気がないパンタ つぎの日。「プププーッ、オワカリ！」と朝（あさ）ごはんをおかわりするパンキチ。「いやはや、それをいうなら、『オカワリ』だよ」とお父さん。「ププッ。オカワリ！　オッカワリ！」と朝から元気（げんき）なパンキチです。ところがパンタはねむそうにあくびをして、元気がありません。「いやはやパンタ、ぜんぜんたべてないじゃないか」とお父さん。「うーん。なんか、おなか、すいてないんだよね…」というと、「ごちそうさま」とパンタはなにもたべないでへやにいってしまいました。「えーっ！？」。お父さんたちはびっくり。 【scene 04】 ゲームする？　しゅくだいする？ 「ピロリーン」。またゲームのメッセージ音です。「うわぁ、またランキングぬかれてる！」。そこへ、「パンタ、お母さん出かけるから…」とお母さんが上がってきました。「へやちらかしっぱなしじゃない！　あら？　しゅくだい、ぜんぜんやってないじゃないの！　ゲームばっかりやってるからよ。すぐにしゅくだい、やんなさい！」としかられてしまいます。最新（さいしん）ランキングはピッコラが１位（い）でパンタは５位。「でも、しゅくだいしないと…」とパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「ゲーム？　しゅくだい？　ドッチ？　ドッチ？」。すると、「うーん、ちょっとだけ…ゲーム！」とパンタがいいました。 【scene 05】 おふろ場があわだらけ！ パンタとパンキチがおふろ場（ば）のそうじをしています。「プププ、パンタ、シュクダイ、オワッタ？」。「うん？　フワアァ、まあね～」。パンタはねむそうでぼーっとしています。「プププ、パンタ、センザイ！」とパンキチにいわれ、「うん？　センザイ？」と、せんざいをまきます。ところが、「プププーッ。パンタ、ダシスギ！」。パンタがせんざいを出しすぎて、おふろ場はあわだらけ。「あわ？　あわわわわー！」とパンタは大あわてです。そこへやってきたお父さんもびっくり。「いやはや！　なにやってんだーっ！　パンタ、どこにいるんだ？！」。あわでなにも見えません。 【scene 06】 「うわぁ！　　アワアワモンスターだ！」 ところが、あわだらけのお父さんを見て、「うわぁ！　アワアワモンスターだ！」とかんちがいしたパンタ、「エイッ！　ヤァッ！」と、スポンジやら、おけやらをなげつけてこうげきします。たまらず、「なにやってんだよ！　いやはや！　お父さんだよ！」とさけぶお父さん。でもパンタは「おりゃー！　おりゃー！」とこうげきをやめません。「ププーッ。ゲーム、チガウ、パパーッ！」と、パンタをとめるパンキチ。するとパンタは、「え？　あぁ、ゲーム…。ランキングが…、ランキングが…」といいながら、ふらふらといってしまいました。 【scene 07】 朝早く目がさめて… へやにもどったパンタ。「こんどこそ…ぜったい１位（い）になって…やる」といいながら、ねてしまいました。そして…。「ふわぁ、よくねた。あ…朝（あさ）、朝？　ねぼうした！」。とびおきたパンタはあわてて外（そと）へ。でも、「あれ？　だれもいない」。そこへドレープさんがやってきました。「パンタさん、おはようございます。こんなに朝早くからおめずらしいこと。まだ日の出前（まえ）でしてよ」といいます。「ドレープさんは、いつもこんな時間（じかん）におきてるの？」ときくと、「この時間の空気はとってもすんでいて、大すきでございますのよ。パンタさんも、おさんぽ、ごいっしょにいかが？」。「うん！」。 【scene 08】 新聞はいたつのピエールさん パンタたちがあるいていくと、ピエールさんにあいました。「こんな朝（あさ）早くになにしてるの？」ときくと、「わたくし、サイドビジネスとして、新聞（しんぶん）はいたつのお手つだいをさせていただいておりまして」といいます。「こうやって朝から体（からだ）をうごかすのも、けんこういじにたいへんよいのでございますですよ」とピエールさん。「そんじゃ、今日（きょう）もがんばってね！」とパンタがいうと、「はい。よい一日を！」とピエールさんははしっていきました。「おもしろ～い！　いつもとおなじ銀河町なのに、しらないことばっかり！」とパンタはたのしそうです。 【scene 09】 早おきは気もちいい～！ 広場（ひろば）では人があつまってなにかしていました。「なにしてるんですか？」ときくと、「トンネルボールっちゅうゲームじゃ。ボールをうってトンネルにとおすんじゃよ」といいます。パンタもやらせてもらいます。「ねらいをさだめて…、それっ」とうつと、ボールはみごとにトンネルをとおっていきました。「うわぁ、やりい！」とよろこぶパンタ。「おまえさん、すじがええのぅ」、「毎朝（まいあさ）、あそびにきんさい」とみんながいってくれました。そのとき、お日さまがのぼってきました。「うわぁ、すごい！　きれいだなぁ！」とパンタ。「なんか、気もちいい～。早おきしてよかったぁ！」とかんどうするパンタです。 【scene 10】 「ごはんたべたら外にあそびにいこうぜ！」 お母さんが朝（あさ）ごはんのよういをしているところへパンタがかえってきました。「お母さん、おはよう！」。パンタの早おきにびっくりするお母さん。「いやはやパンタ、早いな。おはよう！」。「ププーッ。パンタ、ハヤオ、キ！」。みんなで朝ごはんです。「いただきま～す！」。「おいし～い！」。そこへ「ピロリーン」とゲームのメッセージ音です。「ププーッ。パンタ、ゲーム！」。でもパンタは、「うん…、まあいいや。それよりパンキチ、ごはんたべたら外（そと）にあそびにいこうぜ！」といいました。「プッププー！」とよろこぶパンキチ。「おかわり！」「オワカリ～！」と元気（げんき）に朝ごはんをたべる二人でした。

銀河銭湯パンタくん

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かぞくってめんどうくさい？

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父からは、「勉強しなさい」。母からは、「外で遊びなさい」。両親に正反対のことを言われてしまうパンタ。そんな両親に反発したパンタは、バースたちと一緒に…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 もっとたべろ？　たべすぎ？ 本日も気もちのよい朝（あさ）をむかえた銀河町。パンタのおうちでは、かぞくそろって朝ごはん。「おかわり！」「ププ、オワカリ！」とパンタとパンキチ。「いやはや、ほんとによくたべるなぁ」とお父さん。「もりもりたべてちょうだい」とお母さんがわたしたのは、“デカもり”ごはん。「いやはや、それにしてもちょっとたべすぎじゃないか？」とお父さんにいわれ、「だって、お母さんがもっとたべろって」とパンタ。「そうよ。なんでもたくさんたべないと大きくなんないわよ」とお母さんがいいます。でも、「いやはや、たべすぎてふとるのもよくないぞ」というお父さん。「う～ん、もうドッチーッ？！」とパンタ。 【scene 02】 パンタのおせっかい パンタがマンガをよんでいます。「このマンガ、すっごくおもしろいよ！」とパンキチに見せますが、「プププ？」とパンキチ。「パンキチにはむずかしいかなぁ」とおもったパンタは、あらすじをせつめいしはじめます。「そこで、主人公（しゅじんこう）のたんていポーズムが…」。「ププ…」。「ポーズムが、はんにんからのメッセージを見つけ…」。「ププ…」。「なんと、はんにんは…」。すると、「ププップーッ！　パンタ、ウルサイ！　パンキチ、ヨンデル！　サキ、イッチャ、ダメ！　パンキチ、ヒトリ、ヨム！　プププーッ」と、パンキチはいってしまいました。「ちぇっ、なんだよ。しんせつでおしえてあげてんのにさ！」。 【scene 03】 「外であそんできなさい」 パンタがしゅくだいをしています。「よし。さんすうのしゅくだい、おわり！　つぎは…、こくご、やっちゃうかな」。すると、「ちょっとパンタ、そうじきかけるから、そこどいてちょうだい」とお母さんがやってきました。「え～？　いまからこくごのしゅくだいすんの～」とパンタ。「あとでやってちょうだい」とお母さんはそうじきをかけはじめました。「ええ～？　いまちょうし出てきたのに～」というパンタに、「朝（あさ）からずっとへやにこもりきりでしょ。ちょっと外（そと）であそんできなさい」といいます。「ちぇっ。なんだよ」。 【scene 04】 「うちでしゅくだいしなさい」 お父さんが家（いえ）の前（まえ）をそうじしているところへパンタが出てきました。「パンタ。またあそびにいくのか？　たまにはおうちでべんきょうしたらどうだ。あそぶのはしゅくだいおわってからにしなさい。ほらほら、もどって。シッシッ」とお父さん。そこへお母さんが出てきました。「あら、パンタ。まだ出かけてなかったの？」。そういわれ、「だってお父さんが…」とパンタ。「パンタ、早くしないと日がくれちゃうぞ」とお父さんにいわれ、「だってお母さんが…」。すると、ドッチロンがあらわれました。「外（そと）であそぶ？　うちでしゅくだい？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「も～、しらなーい！」。 【scene 05】 親ってなんでああなんだ？ 「ほんとに親（おや）ってなんでああなのかしら！　せっかくおへやをかたづけようって気になったときに、『かたづけなさーい！』ってしかるんだもの。やる気なくなっちゃうわよ」とギギ。広場（ひろば）でパンタたちがはなしています。「ぼくも、かくしごとしてて、『おこらないから』っていわれてほんとうのこといったらおこられた」とバースもいいます。「しゅくだいしてたらおこられる。あそびにいってもおこられて、どうすりゃいいんだよってかんじ」とパンタ。「どっちもいっしょにできないッピ！」。それをきいたパンタ、「ん？　どっちも…。そうだ！　ねえねえ！」となにかおもいつきました。 【scene 06】 外でしゅくだいやってんの！ おふろのじゅんびをすませて出てきたお父さん。「ん？　こんなとこでなにやってんだ？」。パンタたちが家（いえ）の前（まえ）でつくえにむかっています。「見てわかるじゃん。お父さんにいわれたようにしゅくだいやってんだよ」。そこへお母さんがかえってきました。「こんなとこでなにやってんの？」とお母さん。「見てわかるでしょ。お母さんにいわれたように外（そと）に出てるの」とパンタ。「ちゃーんということきいてるッピ！」とピッコラ。「親（おや）はあべこべなことをいって、子どもをこまらせるなー！」とバース。「そうだー！」。「親は子どもがやる気をなくすようなことを、いうなー！」とギギ。「そうだー！」。 【scene 07】 親は子どもにうるさくいうもの？ 「さくせんうまくいったね」。「これで、お父さんもお母さんもうるさくいわなくなるでしょ～」。パンタとバースが銀河ノ湯の中ではなしています。するとピエールさんが、「いやぁ、親（おや）は子どもにうるさくいうものでございますですよ」といいました。子どものことをおもうからだというのです。「だったら、子どもをこまらせるようなことをいわないでほしいね」とパンタ。出ていこうとするパンキチに、「パンキチ、ちゃんとかたまでつかった？」。「ププッ、ツカッタ」。「100までかぞえた？」。「ププッ、カゾエタ。ププッ、モウ、デル！」とパンキチ。「まったくパンキチのやつ、ちかごろなまいきなんだよな」とパンタ。 【scene 08】 かぞくがうらやましいツーララ 「てなわけで、みんなで外（そと）でしゅくだいしたんだよね～」。パンタがうちゅうテレビ電話（でんわ）で、リオート星（せい）のツーララとはなしています。「ウフフ。お父さんもお母さんもこまってたでしょ？」とツーララ。「ツーララはいいよなぁ。めんどくさいかぞくがいなくって」とパンタがいうと、ツーララは「うるさくても、自分（じぶん）のためになにかいってくれるかぞくがいるなんて、ステキだわ」といいます。「ぜーんぜん！　こっちは毎日（まいにち）こごといわれてうんざり！　ほっといてほしいよ」とパンタ。すると「ププププ、プー…」といびきが…。 【scene 09】 ぼくがパンキチのお父さん？ パンキチがすぐそばで気もちよさそうにねています。「パンキチ、こんなとこでねたらかぜひくぞ」。パンタはふとんをかけてやります。「ワカッテル…」とねているパンキチ。「いっつもへんじだけなんだから、まったく！」とパンタ。そんなやりとりをきいていたツーララが、「フフフ、パンキチにとってのお父さんは、パンタね」といいます。「ぼくが？　やめてよ～」とパンタ。「じゃ、そろそろわたし、ねるわ。パンタ、バイバイ」。ツーララがそういって、電話（でんわ）がきれました。「ププ…パンタ…アリガト」と、パンキチがねごとでいいます。見ると、まくらもとにパンキチがよみかけのアルバムがありました。 【scene 10】 パンタが小さかったころのしゃしん アルバムをひらいてみると…。「ぼくが小さかったころのしゃしんだ」。しゃしん一まい一まいにせつめいがかいてあります。『パンタ０歳（さい）…元気（げんき）な男の子がうまれたぞ！　やった！』。『パンタ８ヶ月…はじめてのハイハイ』。『パンタ１歳…ついにあるいた！　ケガしないかしんぱいだ』。『パンタ２歳…パンタがしゃべった！　うれしい』。『パンタ４歳…パンタが絵（え）をかいてくれました。またかいてね』。これを見て、「ぼくのこと、こんなにおもってくれてるんだ」とかんがえこむパンタ。「そうだ！」と色（いろ）えんぴつを手にとりました。 【scene 11】 『おとうさん　おかあさん　ありがとう』 朝（あさ）、パンタはつくえにもたれたかっこうのままねむっています。そこへお父さんとお母さんがやってきました。「あんまりつよくいわないようにな」とお父さん。「なにいってんのよ。パンタのためなんだから」とお母さん。「ちょっとパンタ。いいかげんにおきないと…」とお母さんがいったとき、「お母さん、お母さん。ちょっとこれ！」とお父さんがなにか見つけました。それは、『おとうさん　おかあさん　ありがとう』とかかれた、二人の絵（え）でした。「パンタ…」とかんげきするお父さんとお母さん。「しかたない。もうちょっとねかせてあげますか」とお母さん。「ふふ」とわらう二人でした。

銀河銭湯パンタくん

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宇宙の果てからのお客さま

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銀河町に異星人の観光客がやってくる。パンタたちはおもてなしをするが反応はいまいち。困ったパンタたちが異星人について調べると、自分たちとは好みが違うことに気づく。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 カナタ星からのおきゃくさま 本日の銀河町には、とおいとおいうちゅうのかなたから旅行者（りょこうしゃ）がきました。「いよいよ、カナタ星人（せいじん）がやってくるね」とパンタ。カナタ星は、すごくとおくにある星（ほし）だそうです。「しらない星の人と、なかよくなれるかなぁ」とバースもこうふんしています。うちゅうせんからカナタ星人が出てきました。「チキュウノ、ミナサン、コンニチハ、カナ？」とちきゅうのことばでいいます。「こんにちは！」。すると、「みなさんおつかれでしょうから、銀河ノ湯のおふろにゆっくりおつかりくださいましです、はい」とピエールさん。「ささ、どうぞ」。お父さんがあんないします。 【scene 02】 おふろにあんないしても… 「こちらが銀河ノ湯じまんのおふろでございます」。お父さんがカナタ星人をおふろにあんないしました。「銀河フジを見ながら、ゆっくりつかってってよ」とパンタ。「コレニ、ハイル、カナ？」とカナタ星人。「カラダ、ヌレル、カナ？」としんぱいそうです。「タオルでふけば、だいじょうぶ！」とパンタ。ところが、「ポチャン」とお湯の中に手を入れてみたカナタ星人は、「ヒーッ！　アツイーッ！　アツイダロ！」といって、おふろに入らずにいってしまいました。 【scene 03】 おすしでかんげい会をしても… おすし、お魚（さかな）などごちそうがならんでいます。「さあさあ、カナタ星のみなさん、めしあがれ」とお母さん。みんなでかんげい会（かい）です。「コレハ、タベモノ、カナ？」というので、「これは、おすしっていって、すんごくおいしいッピ」とピッコラがせつめいします。「この白いのがごはんで、その上にのってるのがお魚」とギギ。すると、「エッ！　オ、サ、カ、ナ、カナ？」とおどろくカナタ星人。「海（うみ）におよいでる魚だよ」とバースがいうと、「ウミ！　コレ、ウミノイキモノ？」とさらにおどろいて、「ドウシヨウカナ、オナカ、イッパイ、カナ」、「カナカナカナカナ」と、たべずにいってしまいました。 【scene 04】 スケボーのわざを見せても… 「じゃ、とっておきのわざ、見せちゃうよ！」。パンタがスケボーのわざをカナタ星人に見せています。「それそれーっ。どう？　こんなの見たことないんじゃない？」。ところがカナタ星人はあくびをしています。「ププーッ。ナンカ、ツマラナサ、ソウ」とパンキチ。「じゃあ、これは？」とバースがけん玉をやってみせますが、やっぱりたいくつそうです。「ププーッ。ケンダマ、ダメ～」とパンキチ。「なんで～？」と頭（あたま）をかかえるパンタとバース。すると、「クルクルクルクル。コンナノ、カンタン、カンタン」と一人がスケボーで、もう一人が「ラクショウ！」とけん玉で、どちらもすごいわざを見せます。 【scene 05】 おもてなし、あきらめる？ そこへ、「パンタさーん！　カナタ星のかたへのおもてなしはどうでごさいましょうか」と、ピエールさんやお父さんたちがやってきました。「なにやってもだめ～！」とパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「おもてなし、あきらめる？　あきらめない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「カナタ星のことよくしらないし、どうしたらいいんだろう。もうわかんないよ」とパンタ。「いやはやパンタ。そんないいわけしても、いいわけ？」とお父さん。するとカナタ星人たちは「カナカナカナカナ！」と大わらい。「ププーッ。オトウサン、ダジャレ、ワラ、ッテル～」。お父さんのつまらないだじゃれでわらったので、みんなびっくり。 【scene 06】 ぼくたちとはかんじかたがちがう？ 「ダジャレ、カナ、オモシロイ！」とよろこぶカナタ星人たち。「そ、そうですか。それではみなさまのごきたいにこたえて…」。お父さんがつぎつぎにだじゃれをいいます。「のれんの上には、のれん！」。「銀河ノ湯のはっぴをきれば、ハッピーよ！」。「土管（どかん）の上をどけといわれても、どかん！」。カナタ星人たちはもう大よろこびでわらいころげています。「いやはや、わたしのだじゃれがカナタ星人のみなさんによろこんでいただけるとは」とよろこぶお父さん。そのようすを見てパンタは、「そうか。カナタ星人のみんながおもしろいとおもうものって、ぼくたちとちがうのかも？」と気がつきました。 【scene 07】 もっとカナタ星人のことをしろう パンタのへやで、みんながいろいろな本でカナタ星人についてしらべています。「カナタ星には、おふろがないんだって。しかも、あついお湯がにがてなんだって」とバース。「だからおふろに入るの、こわがってたのか」とパンタ。「カナタ星の海（うみ）にはどくをもった生きものしかいないから、ぜったいたべないみたいよ」とギギ。「すしもいやがるわけだよ」とパンタ。「カナタ星人って、うんどうしんけいばつぐんらしいッピ！」とピッコラ。「そうなんだ！」とパンタ。そのとき、うちゅうテレビ電話（でんわ）がかかってきました。ツーララからです。「パンタ、カナタ星人のこうぶつがわかったわ」といいます。「そ、れ、は…」。 【scene 08】 カナタ星人のすきなもので“おもてなし” パンタたちが広場（ひろば）にやってきました。パンタが「これこれ！」とみんなに見せたのは、道ばたにはえているささの葉（は）。「カナタ星人の大こうぶつは、しょくぶつなんだって」とパンタ。「それじゃあ、もっとめずらしい草とか花をごちそうしたほうがいいんじゃない？」とバース。「ささはどこにでもあるッピ」とピッコラ。でもパンタは、「ちっちっちっ。カナタ星ではこのささの葉がとってもめずらしいんだって」といいます。「ぼくらにとってのあたりまえも、カナタ星人にとってはそうじゃないってこともあるんだよ」というのです。「なるほど！」とみんなもなっとく。ささの葉でカナタ星人を“おもてなし”です。 【scene 09】 「やっぱり銀河ノ湯にも入ってほしいなぁ」 もういちど、カナタ星人のかんげい会（かい）です。「カナタ星人のみなさん！　ささをつかったりょうりをつくりました」とパンタ。ささの葉（は）をネタにしたおすし。ささの葉をねりこんだささの葉そば。ささの葉でつくったおだんごもあります。「どうぞ、めしあがれ」とお母さん。するとカナタ星人たちは、「オイシイ！」と大よろこびでたべはじめました。「チキュウ、ニホン、ギンガチョウ、スバラシイカナ！」といってくれたので、「やったあ！」とパンタたちも大よろこびです。「でも、せっかく銀河町にきたんだからさ、やっぱり銀河ノ湯にも入ってほしいなぁ…」とつぶやくパンタ。 【scene 10】 とくべつにぬるめのお湯を用意 「ぼくたちといっしょに入ろうよ」。おふろ場（ば）でパンタがカナタ星人にいいました。「ワレワレ、オフロ、ハイラナイヨ」とカナタ星人。「入ってみたら、気もちいいよ」とバース。「ププーッ。コワク、ナイ、ヨ」とパンキチもいいます。でもやっぱりカナタ星人はまよっています。そこでお父さんが、「いやはや、みなさん。あついのがにがてなみなさんのために、本日はとくべつに、ぬるめのお湯もご用意（ようい）しました」といいました。そういわれたカナタ星人、ゆびを「チャポン」とお湯の中に入れてみると…。 【scene 11】 お父さんとくいのだじゃれが… 「ホント、アツクナイノネ！　オトウサン、ヤサシイ、カナ！」。「ワオー！　オフロ、キモチイイ！」。カナタ星人たちが気もちよさそうにおふろに入っています。「ハハッ。そうでしょ、そうでしょ！」とよろこぶパンタ。「ミナサン、アリガトウ」、「アリガトウ！」とカナタ星人たち。「こちらこそ！　またいつでもきてください！　ね、お父さん」というパンタ。するとお父さんが、「いやはや、もちろん。いつでも、オッケーよ！」と、おけを見せてとくいのだじゃれ。ところがこんどは、カナタ星人たちも「シーン…」。お父さんのだじゃれ、すべってしまいました。

銀河銭湯パンタくん

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いんせきたまごのひみつ

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森の中でいん石のようなものを発見する。ピッコラだけは「これはたまごだ」と主張し、一人で温め始める。雨でも夜でも温め続けるピッコラを見て、みんなも協力することに。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 森におちたながれ星？ パンタとパンキチがうちゅう船（せん）のおもちゃであそんでいると、ながれ星（ぼし）が見えました。「森の中に…おっこちた？！」。みんなは森の中でながれ星をさがします。「これかな？」。パンタが見つけたのは石みたいなもの。「いんせきだよ」とバース。「イン、セキ？」。「あのながれ星は、うちゅうからおちてきた石ってことッピ」とピッコラ。「ただの石だね」「あんなにきれいにひかってたのに」。がっかりしたみんなは「バイバーイ」とかえっていきます。そのとき石が…。「ん？　いま、ひかったッピ…。ただの石じゃないかも。もしかして、生きてるッピ？」とピッコラ。するとまた石がひかりました。 【scene 02】 「いんせきじゃなくて、たまごだったの！」 つぎの日。パンタたちが広場（ひろば）であそんでいると、「おーい！　たいへんッピ！」とピッコラがあの石をかかえてやってきました。「これはいんせきじゃなくて、たまごだったの！」といいます。「たまご？」とみんな。「よーく見てて」。ピッコラはたまごにはなしかけます。「きみは、うちゅうからやってきた生きものなのよね？」。でもたまごはなにもいいません。「ほら、こたえるッピ！　ねえ！」。でもたまごはしずかなままです。「あっはははは！」とパンタがわらいだしました。「石ころがこたえるわけないじゃん」。でもピッコラは、「きのうはひかってこたえたんだもん！」といいます。 【scene 03】 たまごをあたためる？　あたためない？ 「ピッコラの気のせいだよ」とバースがいいました。でもピッコラは、「そんなことないッピ！　みんなでこのたまご、あたためてかえそうよ！」といいます。「えっ？　あたためる？」。すると、ドッチロンがあらわれました。「あたためる？　あたためない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「あたため…なーい！」とみんな。するとピッコラは、「わかったッピ。ウチがあっためる！　一人でもあっためる！」と、おこってたまごをもっていってしまいました。「ププッ、ピッコラ？！」。 【scene 04】 たまごをあたためるピッコラ 「あんしんするッピ。ウチがちゃんとあっためて、かえしてやるからね」。森の中でピッコラがたまごをあたためながらはなしかけました。たまごがまたひかりました。そのとき、雨がふってきました。「あっ、雨！　たまごがひえちゃう！」。ピッコラはたまごをもうふでくるんでやります。「これでだいじょうぶッピ」。でも、「ヘ、ヘックション！」。ピッコラのほうがくしゃみをしてしまいます。するとまたたまごがひかりました。「え？　しんぱいしてくれてるの？　えへへへ、これくらい平気（へいき）ッピ」とうれしそうなピッコラ。 【scene 05】 たまごが地面におっこちちゃう！ やがて雨が上がり、お月さまが顔（かお）を出しました。「雨、やんだッピ」。あくびをするピッコラ。そんなピッコラのようすをパンタたちが木のかげから見ていました。「ピッコラ、ほんとにあたためてる」とパンタ。「本気なんだね」とギギ。ところが、ピッコラはうとうとしはじめ、たまごがピッコラのうでからおちそうになります。「ああっ、おっこちそう！」とパンタたち。たまごがスルリとぬけて地面（じめん）におち…。そのとき、「プップププーッ！」。かんいっぱつ、パンキチがたまごをうけとめました。かけつけるみんなに「はっ」と目をさましたピッコラ、「ありがとう！」。 【scene 06】 ほんとにたまごだったんだ！ 「ピッコラ、なんでそんなにがんばるの？」。パンタにきかれたピッコラは、「ウチ、小さいころ、よくびょうきする子だったッピ。でもいつも母さんと父さんが、元気（げんき）になるまでずっとそばにいてくれたんだ。だから、ウチもこの子のそばにいてあげたいッピ」といいました。「そっかぁ」「じゃあ、みんなできょうりょくして、あたためましょ！」「うん！」とみんな。「みんな、ありがとう！　よかったね」。ピッコラがたまごにちかづいてそういったとき、きゅうにたまごが「ピカーッ」とひかりました。「ひかったー！」とみんなはびっくり。「ほんとにたまごだったんだ！」。「ププッ」。 【scene 07】 お母さんに見つかりそう… それから数日（すうじつ）。みんなはこうたいでたまごをあたためました。ある朝（あさ）、「パンタ。いつまでねてんのよ！」とお母さんがおこしにきたので、ふとんの中でたまごをあたためていたパンタは大あわて。「だめだめぇ！　えーと、あーと、まだパンキチねてるから、ふとんとっちゃだめーっ！」。パンキチもおこそうとするお母さん。するとそこへ、「ププーッ。ダメダメダメーッ。フトン、ダメーッ！」とパンキチがはしってきたので、「え？　パンキチ？　だったらこれは？」とお母さんに見つかりそうになりました。うまくごまかして、たまごをもって「いってきまーす！」と出ていくパンタ。「ププーッ！」。 【scene 08】 きみの名前は“タマミー”だよ 「ねぇ、生まれたらなんて名前（なまえ）つける？」。みんながたまごをかこんではなしています。「名前かぁ…。きみはどんな名前がいいッピ？」とピッコラがたまごにはなしかけました。するとまた、「ピカーッ！」とたまごがひかりました。そして、たまごから耳が出てきたのです。「耳ーっ？！」とみんなはびっくり。「よし、きみの名前は…たまごに耳だから、タマ…ミミ…、タマ、ミ…タマミー…タマミーだよ！」とピッコラ。「それにしても大きくなったわね」とギギ。このままではひえてしまうので、どこかあたたかいところがないかかんがえるパンタ。「あたたかいところ…あたたかいところ…そうだ！」。 【scene 09】 タマミーをあたたかい銀河ノ湯に 「よっこらせ、どっこいしょ」。パンタたちはタマミーを銀河ノ湯にはこんできました。「ちょうどお湯もわいてるし、ここならあったかいよ」。タマミーは耳をうごかしました。そこへ、「いやはやパンタ、なにごとだ？」「あら？　それってたまご？」とお父さんたちがやってきました。「ひょえー！　耳がはえてるでございますでございますよ！」と大きな声（こえ）のピエールさん。するとピッコラが、「しーっ！」といいました。たまごから声がきこえるというのです。「ミーミー」ときこえます。「ほんとだ。もうすぐ生まれるのかも」とパンタ。そのとき、たまごがわれはじめました。 【scene 10】 「生まれたーっ！」 「ピシピシ」。たまごに大きなひびが入りました。そして、たまごがすっかりわれると、「ミー」と、タマミーがあらわれました。「生まれたーっ！」とみんなは大さわぎです。「タマミー！」「はじめまして！」「よくがんばったわね！」「ププー！」「かわいいなぁ」。みんなが口々に声（こえ）をかけます。「ミー、ミー」となくタマミー。「すっごくかわいいわねぇ！」「いやはや、ぶじに生まれてよかった！」「ワタクシ、かんどうしまくり、おったまげたでございますです、はい」。お母さんたちもかんどうしています。 【scene 11】 ようこそ銀河町へ！ 「タマミー、おいで」とピッコラがいうと、タマミーはよちよちとあるきはじめました。でも、コテンとしりもち。また立ち上がってあるくタマミー。でもまた、ドテンところびます。「がんばって！」とみんな。タマミーはすこしずつピッコラにちかづきました。「タマミー、ピッコラだよ！」というと、「ピッ…コラ…？」といいました。「ぼく、パンタ」「ププーッ、パンキチ！」「わたし、ギギ」「ぼく、バース」。するとタマミーが「パンタ、パンキチ、ギギ、バース」といったので、「おおーっ！」とみんな感心（かんしん）します。「タマミー、ようこそ銀河町へ！」とみんな。「ミー、ミー」と、タマミーもよろこんでいました。

銀河銭湯パンタくん

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おはよう！タマミー

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タマミーは、銀河町の人たちに元気よくあいさつをして、ほめられる。うらやましく思ったパンタは、時間も場所もわきまえず、だれかれかまわずあいさつをするが…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「オハヨウ」をおぼえたタマミー 今日（きょう）も銀河町は朝（あさ）から快晴（かいせい）～。「おはよう！」。ピッコラがタマミーに朝のあいさつをおしえています。「オタヨウ」。「ちがうよ。お・は・よ・う」。「オ・ハ・ヨ・ウ…」。「じょうず、じょうず！　人にあったら大きな声（こえ）で『おはよう！』ってあいさつするッピ！」。「ミーミー！」。そこへ、「ふわぁ～」とあくびをしながらピエールさんがやってきました。タマミーが「オハヨウ」とあいさつしたのでピエールさんはびっくり。「その元気（げんき）なごあいさつで、気もちのよい一日がすごせそうです、はい。ピッコラさん、タマミーさん、おはようございます」とピエールさんもあいさつしました。 【scene 02】 「おはよう」といわないパンタ パンタのお父さんが家（いえ）の前（まえ）をそうじしていると、「ふわぁ～」とあくびをしながらパンタが出てきました。「お父さん…朝ごはんは…。ふわぁ～」とねむそうです。「いやはや、パンタ。朝ごはんの前にたいせつなことをわすれてないか？　朝おきて人にあったらまず…」といいかけると、「オハヨウ」という声（こえ）が。「そう、オハヨウ。うん？」。ふりむくとタマミーだったのでびっくり。「ピッコラが『おはよう』っておしえたの？」とパンタがきくと、「タマミー、すぐおぼえたッピ」とピッコラがいいました。「オハヨウ。オハヨウ」。「いやはや、えらいなタマミーは。それにくらべてうちのパンタときたら」。 【scene 03】 あいさつできょうそうだ！ 「ちぇっ、いいよなタマミーは。みんなからほめられて」。広場（ひろば）でパンタがいいました。「パンタはほめられなかったの？」とギギがきくと、「パンタ、アイサツ、シナ、イ。ププッ」とパンキチがいったので、みんなにわらわれてしまいました。「なんだよ。あいさつくらいできるよ」とパンタ。「アイサツ、デキル！　プッププー！」とパンキチ。トーネル星（せい）のあいさつは、『プッププー！』だといいます。「ウチらのほうがあいさつじょうずッピ」とピッコラ。すると、「じゃあ、ピッコラたちとぼくらと、どっちがたくさんあいさつできるかきょうそうしようぜ」とパンタがいいました。「わかったッピ！」。 【scene 04】 顔も見ないであいさつ？ つぎの日からパンタたちの“あいさつきょうそう”がはじまりました。朝（あさ）、家（いえ）の前（まえ）をお父さんがそうじしていると、出てきたパンタとパンキチが「おっはよ～！」「プッププー！」とあいさつ。「おお、おはよ…」といいかけますが、「いくぞパンキチ！」「プー！」と二人はいってしまいました。二人はすれちがう人みんなに声（こえ）をかけていきます。「おはよう！」「プッププー！」。そこへ、スベトンさんとガンさんがとおりかかりました。「ヒョヒョ」「パンタ…」といいかける二人に、「おっはよー！」「プッププー！」と、顔（かお）も見ないでいってしまうパンタたち。「ヒョヒョ…？」。「ガガン…？」。 【scene 05】 「ぼくらのほうが多いな、パンキチ！」 「おーい、おはよう！」、「プッププー！」。パンタとパンキチが広場（ひろば）にやってきました。「おはよう！」、「オハヨウ！」。「そっちは今日（きょう）何人（なんにん）にあいさつした？」とパンタがきくと、「えっと、朝（あさ）お父さんと、ギギとバースの３人ッピ」とピッコラ。「ハハ。ぼくらのほうが多いな、パンキチ！」「ププ！」。そのとき、ギギがなげたフライングディスクがパンタの足もとにおちました。「パンタ、とってーっ」。ところがパンタたちは、「おはよー！」「プッププー！」とそのままいってしまいます。「あいさつしてくれたけど…」とバース。「な～んか、かんじわるいよねぇ」とギギ。 【scene 06】 大きな声であいさつする？　しない？ ピエールさんが商店街（しょうてんがい）でペンキぬりのしごとをしています。そこへやってきたパンタ、たくさん人がいるのを見て、「そうだ！　大きな声（こえ）でいっせいにみんなにあいさつしちゃおうか？」といいました。でも、「ププ、アノヒト、ネテル？」とベンチでねているおじさんをゆびさすパンキチ。「あ，ほんとだ…」。さらに、「ププ、アカチャン、オドロク？」。見ると、「よしよし」とお母さんが赤ちゃんをだいてあやしていました。「う～ん」とかんがえこむパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「大きな声であいさつする？　しない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「でもさ…」とパンタ。 【scene 07】 大きな声であいさつしたら… 「あいさつはわるいことじゃないでしょ？　きのうはあいさつしなくてしかられたんだしさ、どんなときでも、だれにでも、あいさつしなくちゃ。でしょ？」。そういうとパンタは、「おーはーよーっ！」と大きな声（こえ）でさけびました。「わあっ」とペンキをひっくりかえしそうになるピエールさん。「うわぁっ」とびっくりしてベンチからずりおちるおじさん。「オギャアーッ」となきだす赤ちゃん。「ドスーン！」とピエールさんがおっこちてきました。「わっ、やばい！　パンキチ、いこう！」。「プププー！」。パンタとパンキチはあわててにげだします。すると、「ん？　あれは、パンタ…」。だれかがそのようすを見ていました。 【scene 08】 おはよう？　もう夕方だぞ？ パンタのお父さんが家（いえ）の前（まえ）をそうじしていると、パンタがかえってきました。「いや～今日（きょう）はたくさんあいさつしたな～」。「ププ～」。そしてお父さんに、「あ、お父さん。どうもどうも、おはよう、おはよう」「プッププ、プッププー！」というと家の中に入っていきました。「おぉ、おはよう。いや、今朝（けさ）もあいさつしたろう…ていうか、もう夕方（ゆうがた）だぞ！？」とお父さん。 【scene 09】 顔も見ずにあいさつされると 「いや～、つかれた、つかれた～。こりゃもう、あいさつづかれ、だなぁ」。「ププ～」。パンタとパンキチがおふろ場（ば）に入ってきました。すると先に入っていたスベトンさんが、せなかをむけたまま「こんばんはー。ヒョッ」といいました。「え…と…。いま、ぼくにあいさつしたの？」とパンタがいいますが、スベトンさんは「ヒョヒョ」とつぶやくだけで、むこうをむいたままです。「なんだよ…」とつぶやくパンタ。するとよこにいたガンさんも、「こんばんはガーン」というと、プイッとむこうをむきました。「ええっ？　ガンさんまで…。いやなかんじ」とつぶやくパンタ。 【scene 10】 パンタもそんなあいさつをしていた するとスベトンさんがふりむいていいました。「ヒョヒョ、パンタ。いま、なんかいやなかんじがしなかったか？」。「あ、うん、ちょっと…」とパンタ。「なんで、そうおもったガン？」とガンさんもふりむいていいます。「だって、二人ともぼくの顔（かお）も見ずにてきとうにあいさつするんだもん」。「パンタはそういうあいさつをしたことはないかのう？」とスベトンさんにいわれ、「え？　えっと…あっ！」とパンタはおもいだしました。朝（あさ）、二人にすれちがいなからあいさつをして、顔も見ずにいってしまったことを。「ヒョヒョヒョ。たしかにワシも、いい気分（きぶん）ではなかったのう」とスベトンさん。「そうか…」。 【scene 11】 あいさつはなんのためにある？ 「パンタ、あいさつちゅうのはなんのためにあるんじゃろうか？」とスベトンさん。「え…なんでだろう」。「ワシは、人と人とが気もちよくすごせるようにあるんじゃないかとおもうんじゃ」。「気もちよく…？」。すると、「こういうあいさつのしかただったら、どうガン？　しっかりあいての顔（かお）を見て、あかるい声（こえ）で、こんばんはガーン！」とガンさん。おもわず「こんばんは！」とこたえて、「ははは。こっちのほうが気分（きぶん）いい！」とパンタ。「ヒョヒョ～。しっかりあいてのことを見てあいさつをすると、おたがいに気もちがつたわるじゃろ？」。「そっか…、『おはよう』っていうだけじゃダメだったんだね」。 【scene 12】 マチータ先生？！ そこへ、「いやはや、こんばんは」とピエールさんが入ってきました。ペンキだらけです。「ピエールさんだ！」。あわてるパンタとパンキチ。「ヒョヒョ。どうしたんじゃ、ピエールさん。ずいぶんカラフルじゃのう」とスベトンさんにいわれ、「すきでカラフルになってるんじゃありませんでございますよ。まったく！　わたしがペンキを気もちよーくぬっていたら、パンタさんとパンキチさんが…」といいかけるピエールさん。「わ！」。「ププッ！」。いそいでかくれるパンタたち。「あれ？　いまだれかいませんでした？」とピエールさん。するとそこへ入ってきた人が、「パンタ、パンキチ！　かくれてもむだだぞ！」といいました。「マチータ先生？！」。

銀河銭湯パンタくん

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マチータ先生は、こわい？やさしい？

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担任のマチータ先生によく叱られるパンタ。それは先生が自分のことを嫌いだからだと考えていた。ある日パンタは教室でケガをする。先生が家にお見舞いに来て言ったのは…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 またマチータ先生にしかられるよーっ！ 本日の銀河町もきれいな青空。あたたかなお日さまの光（ひかり）がふりそそいでいます。「いやはや。たまにはこんなおだやかな日もいいものだなぁ」。パンタのお父さんが銀河ノ湯の前（まえ）をそうじしています。「えぇ。フルーツミルクもゆっくり、まったりあじわいたい気分（きぶん）でございますでございますねぇ」と、ピエールさんがフルーツミルクをのみながらいいました。そこへ、「ちょっと、ちょっとどいて～！」とパンタとパンキチがとびだしてきて、お父さんとピエールさんをつきとばしてはしっていきました。「チコク、チコク、チコク。プーッ！」。「ちこくしたら、またマチータ先生にしかられちゃうよーっ！」。 【scene 02】 マチータ先生はオニみたい？ パンタたちのギンガ小学校は、つかわれなくなったふるいバスをもとにつくられた学校です。「ふ～、なんとかまにあった！」「プ～」。パンタたちが教室（きょうしつ）にかけこんできました。「またマチータ先生にしかられるとこだったッピ」とピッコラ。「マチータ先生、おこるとこわいよねぇ」とバースもいいます。「ププ…マチータセンセイ、オニ、ミタイ…」。「そうだよ。こーんなつのが生えてて」と、つくえの上でマチータ先生のまねをするパンタ。そこへ、「パンタ！」とマチータ先生がやってきました。「そんなところに立ってちゃあぶないぞ」と先生にしかられてしまいます。「ププ…マチータセンセイ、ヤッパリ、コワイ…」。 【scene 03】 パンキチに算数をおしえるパンタ… 算数（さんすう）のじゅぎょうです。「…となるので、こたえは71です」とマチータ先生。「やったー。あってた！」とよろこぶパンタ。「パンキチ、マチガイ。ブブーッ」とがっくりするパンキチ。パンタは、「どれどれ？　これはこうなるから、こうだろ…」とパンキチにおしえはじめました。でも、「コレガ、コウ？」「ちがう、だから！」「パンタ、オシエカタ、ヘタ！」「なんだよ！」と大きな声（こえ）になったので、先生にこわい顔（かお）でにらまれました。「先生、このもんだいわからないッピ」とピッコラがきくと、「どれどれ？」とやさしくおしえる先生。「なんだよ。ピッコラにはやさしいじゃん」とパンタ。 【scene 04】 「教室の中をはしるんじゃない！」 休み時間（じかん）。「さっきのマチータ先生の顔（かお）、ちょっとこわかったわね」とギギ。「またパンタがしかられるとこだったね」とバースもいいます。そこへ、「みんな。つぎは国語（こくご）の時間だよ。じゅんびをしてください」とマチータ先生がやってきました。チャイムがなるとどうじに、トイレにいっていたパンタがはしりこんできました。「セーフ！」。すると、「パンタ！　教室（きょうしつ）の中をはしるんじゃない！」とマチータ先生にしかられてしまいました。「だって、まにあわないとおもったから」というパンタに、「はしったらあぶないだろ？　だれかとぶつかったらけがするぞ」と先生。「は～い…」。 【scene 05】 明日からもう教室ではしらないよ 「あーぁ、マチータ先生、あんなにおこんなくてもいいのになぁ」。パンタとパンキチが銀河ノ湯のおふろにつかっています。「ププッ。キョウシツ、ハシル、ダメ！」とパンキチ。「だって、トイレいってたらチャイムがなったから、あわてて…」とパンタ。すると、頭（あたま）をあらっていたピエールさんがふりむいていいました。「パンタさん、パンタさん。わたくしもむかし学校ではしったら、ものすごくこっぴどくしかられたでございますでございますよ」。するとパンタが、「じゃあ、ぼく明日（あした）から、もう教室（きょうしつ）ではしらないよ。はしらなきゃいいんでしょ、はしらなきゃ！」といいました。 【scene 06】 こんどは「いそげ」といわれ… つぎの日。パンタはまたまた休み時間（じかん）にトイレにいっていました。じゅぎょうのはじまりのチャイムがなっているのに、「ランラランラン…」とパンタがのんびりもどってきます。「やあやあ、みなさん。そろそろじゅぎょうがはじまりますねぇ」とパンタ。「え…」とみんなちょっとびっくりしています。するとマチータ先生が、「パンタっ！　はやくせきについて！」といいました。「ええーっ？」とパンタはびっくり。「だって、きのうははしったらあぶないって…」。でもマチータ先生はパンタにかまわず、「さ、じゅぎょうをはじめますよ」といいました。「…はい」とふまんそうなパンタです。 【scene 07】 マチータ先生、こわい？　やさしい？ 「あーぁ、またしかられちゃったよ」。パンタたちが広場（ひろば）にあつまっています。「ミーミー、マチータ先生、こわい？」とタマミー。「おこるとね。でも、ふだんはやさしいわよね？」とギギ。きゅうしょくをたべるのがおそくてもしからないし、べんきょうでわからないところはわかるまでおしえてくれる、とバースとピッコラもいいます。「たしかにそうだけど…」とパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「マチータ先生、こわい？　やさしい？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「ぜんぜんやさしくなーい！」とパンタ。「いっつもぼくばっかりしかって。マチータ先生は、ぼくのことキライなんだーっ！」。 【scene 08】 教室でけがをしてしまったパンタ それから数日後（すうじつご）。パンタとパンキチが、教室（きょうしつ）の中でおいかけっこをしています。「まてぇ、パンキチ！」。「プッププッププーッ」。バースが「また教室ではしってる～」としんぱいそうにいうと、ギギも「パンタ！　マチータ先生にしかられるわよ！」といいます。「へいき、へいき」というパンタですが、「うわっ」と足をすべらせ、ピッコラのつくえにぶつかってしまいました。「ガンッ！」。「ププッ、パンタ！」「だいじょうぶ？」とみんなはびっくり。ピッコラはだいじょうぶなようです。でもパンタは、「いててて…」。 【scene 09】 マチータ先生が家にきた？！ 「いてて…。これじゃあそびにいけないなぁ」。「ププ…」。家（いえ）で、うでにほうたいをまいているパンタ。そこへ、「パンタ！」とお母さんのよぶ声（こえ）がしました。「マチータ先生がきてくださったわよ」といわれたのでパンタはびっくり。「マチータ先生…。わざわざ家までしかりにくるって、どんだけぼくのことキライなんだよ！」。「ププププププ～」とふるえるパンキチ。へんじがないのでお母さんがようすを見にくると、パンタとパンキチはベッドに入ってねています。「あら、もうねてるの？」。そこへマチータ先生がやってきました。「お母さま、むりにおこさなくてだいじょうぶですよ」。 【scene 10】 しんぱいしておみまいにきてくれた そしてマチータ先生はこういったのです。「しんぱいしましたが、大きなけがじゃなくてほんとうによかった。パンタがおきたら、また明日（あした）学校でまってるよとおつたえください」。ねたふりをしてきいているパンタ。「そうだ。せっかくなので、銀河ノ湯のおふろに入っていってもいいですか？」とマチータ先生。「もちろんです。どうぞどうぞ」。とお母さんと先生がへやから出ていきました。そっとおきあがるパンタとパンキチ。「マチータ先生…」。「ププーッ。マチータセンセイ、パンタノ、シンパイ、シテタ」。「うん…」。「ププッ。センセイ、パンタノコト、キライジャナイ？」。「うーん…」とかんがえこむパンタです。 【scene 11】 おもいがけず先生にほめられて おふろでピエールさんがマチータ先生にたずねました。「そういえばマチータ先生、パンタさんたちは学校ではどんなちょうしでございますか」。するとマチータ先生は、「いやあ、ほんとうにみんないい子たちですよ」といいました。かげできいているパンタとパンキチ。「パンタはああ見えておもいやりがあって、パンキチにべんきょうをおしえてあげたりしてるんですよ」。「ほおーっ。あのパンタさんが？」とピエールさんもちょっとびっくり。先生は、「たまに元気（げんき）がよすぎるところがありますけど、すなおで、いい子で、わたしは大すきです」といったのでした。「マチータ先生…」と、またかんがえこむパンタです。 【scene 12】 ぼく、マチータ先生すきだよ！ つぎの日。「あっ、タマミー。おっはよ～！」「プッププーッ」。広場（ひろば）にやってきたパンタがタマミーにあいさつしました。「おはよう！　パンタ、学校いくミー？」とタマミー。「うん！」というと、「こわいマチータ先生、いやじゃないミー？」とタマミーがたずねました。するとパンタは、「こわいところもあるけど、ぼく、マチータ先生すきだよ！」といいました。パンキチも、「ププッ。ガッコウ、スキ！　タノシイ！」といいます。そして「わぁっ、またちこくしちゃう！　またしかられちゃうよ。タマミー、じゃあね！」「プッププーッ」とパンタとパンキチははしっていきました。「タマミー、学校、いきたいミー！」。

銀河銭湯パンタくん

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タマミーもいっしょ

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初めて学校にきたタマミーが、授業中に席を立ったり、突然騒ぎ出したりして問題になる。迷惑だと不満をもらすパンタは、タマミーだけを仲間はずれにするが…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 今日からタマミーも学校に 本日も銀河町は晴天（せいてん）なり～。ここは銀河町立ギンガ小学校。パンタたちの学校です。「おっはよー！」「プッププー！」。パンタたちがあいさつをしています。すると、「ミッ、オハヨ！」と、ピッコラのうしろからタマミーがあらわれたので、みんなびっくり。「今日（きょう）からタマミーも学校にくることになったッピ」とピッコラ。「そうなんだ。ようこそ、ギンガ小学校へ」とギギ。「わかんないことはなんでもきいてよね。べんきょういがい」とパンタがいったので、みんなは大わらい。「ミー！」とタマミーもうれしそうです。 【scene 02】 ピエールさんの大きな声がきこえてきて 算数（さんすう）のじゅぎょうがはじまりました。そのとき、「キーン」という音がきこえました。「ミー？」とタマミー。すると、「ふとーん。ふとーんはいかがでございましょうか～」とピエールさんの大きな声（こえ）がスピーカーからながれてきました。「ミー！」。タマミーは耳をふさぎ、立ち上がります。「どうしたの？」と心配（しんぱい）するマチータ先生に、タマミーは外を見てなにかをうったえています。「あぁ、ピエールさんがふとんをうっているんだよ。タマミー、じゅぎょう中はすわっていようね」といいました。「ミー…」。そのとき、キンコンカンコン…とチャイムがなりました。「ミー！」と耳をおさえてはしっていくタマミー。どうしたのでしょう。 【scene 03】 教室をとびだしていくタマミー きゅうしょくの時間（じかん）。「うんしょ、うんしょ」。パンタとバースがつくえをはこんできました。ギギー、ギギー。つくえの足がゆかとこすれる音がします。するとタマミーが、「ミーミー」と耳をおさえました。ギギギー、ガタガタ。ひきずる音がますます大きくなります。きゅうにタマミーが「ミミッ！」とさけんでつくえの上にとびのりました。「ミー！　ミー！」。びっくりして、「なにすんだよ。のっちゃだめだよ」とパンタ。「ミ、ミー！」と教室（きょうしつ）をとびだしていくタマミーは、プリンをはこんでいたパンキチにぶつかったので、プリンがゆかの上におちてしまいました。「プ、プリンが！」。「ププーッ！」とパンキチはおこっています。 【scene 04】 森へおいしい木のみをとりにいこう 「あーあ、今日（きょう）はタマミーのせいでさんざんだったよ」。パンタたちが広場（ひろば）ではなしています。「プリン、タベタカッタ…」とパンキチ。するとパンタが、「そうだ！　お母さんがハニーハントにいく森に、めっちゃおいしい木のみがあるんだ。いまからそれとりにいこうよ」といいました。「いいねぇ」「さんせい！」「プー、キノミ！」。そこへ、「おーい、みんな。どこいくッピ？」「ミー」とピッコラとタマミーがやってきました。「あ、タマミー…」とだまってしまうパンタ。「森に木のみをとりにいくんだよ」とバースがいうと、「ウチもいきたいッピ」とピッコラ。すると、「タマミーも」とタマミーがいいました。 【scene 05】 タマミーもつれていく？　いかない？ 「タマミーがいっしょだと…」とかんがえこむパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「タマミー、つれて、いく？　つれて、いかない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「どうしよう…」とかんがえるパンタ。「タマミーだけつれていかないのは、かわいそうだよ」とバース。「でも、またかってにさわいだらたいへんよ」とギギ。ピッコラも「タマミーは、まだ小さいから森はあぶないッピ。木のみはウチがとってきてあげるッピ」といいました。「ミー？」。「じゃあ、タマミーは、おるすばんね。いこうぜー」とパンタ。「キノミ！　キノミ！」。みんないってしまいます。「ミー…」。 【scene 06】 タマミーのようすをおもいうかべると… 「だいたいタマミーがわるいんだよ。あんなにさわいでさ」。あるきながらパンタがいいました。「いつもはちゃんとしずかにできるッピ」とピッコラ。「じゃあ、なんで教室（きょうしつ）じゃできないんだよ」。「それは…」。すると、「でもあのとき…」「いつものようすじゃなかったわよね」とバースとギギがいいました。「うーん」。みんなは教室でのタマミーのようすをおもいだします。「くるしそうだった」。「ね、なにかりゆうがあるッピ」。でも、「いいよもう。タマミーがいるとたいへんだし。いこうぜパンキチ」とパンタ。「キノミ！　キノミ！」。 【scene 07】 森の中で道にまよった…？ 森の中をいくみんな。「ギャーッ」。ぶきみな声（こえ）で鳥（とり）がないて、バタバタととんでいきます。「ねえ、木のみってどこにあるのよ、パンタ？」とギギ。「そういえば、このかんばん、さっきもあったッピ」とピッコラ。「え？　あぁ、ちょっとまって。えっと、えーっと…」とあたりを見わたすパンタ。「もしかして」「道（みち）にまよったんじゃ…」とバースとギギ。そのとき、草むらからガサガサッと音がして、草がはげしくゆれました。さらに、「ウォオーンッ」となにかのぶきみな声がきこえます。「きゃあーっ！」とふるえあがるみんな。 【scene 08】 みんながパンタたちをさがしていると 「パンターっ」「パンキチーっ」。お母さんとお父さんがパンタたちをさがしています。「どこにいっちゃたのかしら」。そこへ、「学校にもいませんでした」とマチータ先生とピエールさんがかけつけました。するとピエールさんがタマミーに気づいて、「タマミーさん。パンタさんたちしりませんでしょうか、どうでしょうか。もしやどこかでまいごになっているとか、いないとか。はたまた…」とたずねました。それをきいて、「ミミッ、マイゴ？　森、いったミー！」とタマミーはかけだしました。「森～？！」とびっくりするお母さんたち。 【scene 09】 タマミーがみんなを見つけた！ 「ミッ、ミッ、ミッ、どこミー？」。森の中でタマミーがひっしにみんなをさがしています。そのころ…。「だれかー」「たすけてえー」「おなかすいたー」「どうしようッピ」。パンタたちが森の中ですわりこんでうごけなくなっていました。すると、とおくで「ミーミー」という声（こえ）がきこえます。「はっ、タマミー？」とピッコラが気づきました。「ミーミー！」。「ほんとだ！　タマミー、こっちこっち！」とみんな。「ミー！」とタマミーがみんなを見つけてかけつけてきました。「タマミー！」。タマミーとだきあうピッコラ。そこへマチータ先生やお母さんたちもやってきました。 【scene 10】 「ありがとう、タマミー！」 「みんな、しんぱいしたぞ。けがはないか？」。「マチータ先生～」となきだすみんな。「もう！　いき先もいわずに出かけちゃだめでしょ！」とお母さん。「まったく、まったく」とお父さんにもいわれ、「はい…」とパンタ。「タマミー、タマミーが先生たちをつれてきてくれたッピ？」とピッコラ。「ミーミー！」。「タマミー、ものすごくしんぱいしてたよ」とマチータ先生にいわれ、「ありがとう、タマミー！」とみんなはおれいをいいました。 【scene 11】 タマミーにはにがてな音があった！ みんなは銀河ノ湯にもどってきました。「タマミー、おるすばんっていってごめんね」「わたしも、さわいだらたいへんとかいって、ごめんなさい」。パンタとギギがあやまりました。学校でさわいだりゆうをたずねると、「タマミー、こわい音、あるミー」といいます。「え？　音？」。タマミーにはにがてな音があるのです。「あ、だからテーブルをひきずったとき…」。みんなは『ギギー』という音をおもいだしました。「ピエールさんのふとんをうってた声（こえ）も？」。「ミー」。「チャイムの音も？」。「大きい音、こわいミー」。「タマミー、気づいてあげられなくてごめんね」とみんな。「タマミー、いっしょ、いいミー？」。「うん！」。 【scene 12】 こんどはタマミーもいっしょに つぎの日。「これくらいだとどうかな？」。マチータ先生がチャイムの音を小さくしてみました。キンコンカンコン…。「こわくないミー」とタマミー。そこへ、「よいしょ、よいしょ」とバースとギギがつくえをはこんできました。「ボールをはめてみたんだ」。つくえの足にテニスボールをはめて、ギギーという音がしないようにしてあります。「ププッ。オオキイオト、デルトキ、パンキチ、サキニ、オシエル！」とパンキチ。「こんどはいっしょに木のみとりにいこうね、タマミー」とパンタ。「ミー。でも、いっしょにまいご、ヤダミー！」といわれ、「ズコーッ！」とずっこけるパンタ。「はははは」。みんなで大わらいです。

銀河銭湯パンタくん

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パンタのドロドロあそび

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ドロドロしたおもちゃに夢中のパンタとパンキチ。広場でも投げ合って遊ぶが、片付けをせずに帰ってしまう。次の日、バースがケガをして学校に現れる。その原因が…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 パンタがなぞのじっけんを 今日（きょう）も今日とて、銀河町は快晴（かいせい）～。パンタたちは、おへやでなぞのじっけん中～。「ぐふふふ…パンキチくん、よーくかきまぜたまえ」。「ププププ…リョーカイ！　パンタハカセ。グルグルグルー！」。バケツの中のえきたいをかきまぜるパンキチ。「よーし、さいごにこれを入れればかんせいだ！」とパンタがなぞのこなを入れました。「ププ！　ドキドキ、ワクワク！」。すると、「できたぞー。見たまえパンキチくん。このドロドロ～！」。バケツの中にはむらさき色のドロドロしたものができていました。「プッププップップー」とよろこぶパンキチです。 【scene 02】 ドロドロのなげあいにむちゅうで… 「このおもちゃはね、こうやってあそぶともっとおもしろいんだ…よっと！」。パンタがドロドロのかたまりをなげると…。パンキチの顔（かお）にベチャッ！ 「あはは。ドロドロ、サイコー！」とパンタ。「プーッ。オカエシ、プー！」。パンキチもドロドロをなげかえし、パンタの顔にベチャッ。「プププププー。ドロドロ、オモシローイ！」。「やったな～。とりゃあ！」。「ププッ！」。ドロドロのなげあいにむちゅうです。そこへ、「パンタ。お母さん、ハニーハントにいくからおるすばん…」とやってきたお母さん。とんできたドロドロが顔にベチャッ！ 「パンターッ！　なんなのーっ！」とおこられ、あわててにげだすパンタとパンキチ。 【scene 03】 こんどは広場でドロドロあそび 「♪ラララ～」。広場（ひろば）でドレープさんがお花の手入れをしています。そこへ、パンタとパンキチがやってきました。「ヤッホー！　だれもいない！　ドロドロでおもいっきりあそべるぞ～！」。「ププ！　パンタ、コレ」とパンキチ。見ると、かんばんがあります。『みんなの広場です。ほかの人のめいわくにならないようにあそびましょう』とかいてあります。「アッチ、ドレープサン、イル！」とパンキチ。「でも、かたいボールとかじゃないし、あたってもけがしないし…、えいっ！」とドロドロをなげるパンタ。「プーッ。アタッテモ、イタク、ナイ！」とパンキチ。「ほら、へいきじゃん。よーし、おもいっきりあそぼー！」。 【scene 04】 ドレープさんのお花にもドロドロが 「それーっ」。「ププー！」。「やったなー」。ドロドロをなげあってあそぶパンタとパンキチ。「あらあら」とめいわくそうなドレープさん。かまわずに「♪ランラララ…」とお花の手入れをしていると…。「ドン！」。はしってきたパンタがぶつかりました。「ドレープさん、こんなとこにいたらあぶないよ。じゃまじゃま」。「オッホン。パンタさん、ここはみんなの広場（ひろば）ですよ」。「しってるよ。だったら、ぼくらの広場ってことでしょ」。「そういうことでは…」。そこへヒューッととんできたドロドロが、きれいなお花にベチャッ。「パンキチ、まてぇー！」とドロドロあそびをつづけるパンタ。「はぁ～」とためいきをつくドレープさんです。 【scene 05】 かたづける？　かたづけない？ 夕方（ゆうがた）です。「あっはは。めっちゃあそんだねー」。「ププーッ。ドロドロ～！」。「うわ、ぼくもドロドロ」。２人ともドロドロだらけです。「プププ。オカアサン、オコル？」としんぱいになるパンキチ。するとパンタが、「あ、そうだ。お母さんがハニーハントからかえってくる前（まえ）におふろ入っちゃおう」といいました。「プププー。ヒロバ、モ、ドロドロ。ププ？」とパンキチ。「うーん。でも早くかえらないとしかられちゃうよ」。すると、ドッチロンがあらわれました。「かたづける？　かたづけない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれたパンタは「しかられるのはいやだ！　お母さんに見つかる前におふろだ～！」とかえりました。 【scene 06】 ドロドロですべってバースが！ 広場（ひろば）にみんながやってきました。「ねえねえ、なにしてあそぼうか？」とギギ。ところが、まわりを見て、「うわあ。なにこれ？」とびっくりします。「これって、たぶん…」「ドロドロよ。おうちでつくったことある」とギギ。「だれかがここでなげてあそんだッピ」。「みんなのばしょなのに」とおこるギギ。タマミーが、「オレンジのとこ、きれいミー」といいます。「よーし、あっちであそぶッピ」。「よいしょ、よいしょ」。ゆうぐにのぼっていくバースとギギ。「さきにてっぺんについたほうがかちッピ～」。「がんばるミー」。ところが、ドロドロで手がすべり、バースがおちてしまいました。「わあーっ！」。ドスーン！ 「バース！」。 【scene 07】 バースのけがはパンタのせい… つぎの日。学校でパンタとパンキチがはなしています。「きのうのドロドロ、おもしろかったね！」。「ププーッ。マタ、ドロドロデ、アソブー！」。そこへ、「おはよう」とみんなもやってきました。「みんな、おはよ…。バース、うでどうしたの！？」とおどろくパンタ。「きのう、広場（ひろば）のゆうぐからおっこちちゃって」とバース。「だれかがあそんだドロドロですべっちゃったッピ」とピッコラ。「まったく、めいわくよね。ドロドロがちらかったまんまなんだもん」とギギもいいます。「ミー。ドロドロあそべなかったミー」。みんながそういうのをきいて、「う…」とだまってしまうパンタ。 【scene 08】 先生のよごれたズボンもパンタのせい… 「おはよう」。そこへマチータ先生がやってきました。「おはようございま…。ん？」とみんな。「マチータ先生、どうしてたいいくのズボンはいてるッピ？」とピッコラがきくと、「じつは、学校にくるとちゅうで…」とマチータ先生がはなしはじめました。「広場（ひろば）にドロドロのものがおちててね。それですべって、ズボンがドロドロになったんだよ。まったくまいったなぁ」。タマミーが、「ミー。バースもドロドロけがしたミー」といいます。「ホント、めいわくしちゃうわよね」とギギ。「あ…」「プ～…」と、ますますなにもいえないパンタとパンキチです。 【scene 09】 ピエールさんのドロドロも… 「ただいま～」。パンタがかえってくると、銀河ノ湯にぎょうれつができています。「ああ、パンタ。今日（きょう）はドロドロのおきゃくさんでいっぱいだよ」とお父さん。そこへ、「ありゃ～。これって銀河ノ湯に入るためのじゅんばんまちでございますか？」とピエールさんがやってきました。ドロドロだらけです。「ピエールさん？　そのかっこう、まさか広場（ひろば）で？」ときくと、「ええ、今日はだいじなおしごとの日だというのに、はでにすっころんで、このざまでございますですよ」といいます。「パンタ…」。「うーん…」とかんがえこむパンタ。「えいっ」ときゅうにはしりだしました。 【scene 10】 広場のドロドロをかたづけるみんな パンタとパンキチが広場（ひろば）にやってくるとみんながいます。「どうしよう…」「ププ」。ピッコラが気づいて「あ、パンタ、パンキチ！」と声（こえ）をかけました。「２人とも、おそうじ手つだってくれるんだ」とギギ。「い、いや…」「ププ…」。スベトンさんが、「ヒョヒョ～、それにくらべて広場をよごしたふとどきものときたら。まったく、なんのためにこういうやくそくごとがあるとおもっとるのかのう！」とかんばんを見ていいました。「あ…、そ、そうだよねぇ…」とパンタ。「さ、みんなで一気にかたづけちゃいましょ」とギギがいい、みんなでかたづけはじめました。そんなみんなをドレープさんが見ていました。 【scene 11】 「みんなの広場、だもんね…」 「これでよし！」とギギ。「きれいになったッピ」。「あそべるミ～」。バースも「わぁ、きれいにかたづいたねぇ」とよろこんでいます。「けががなおったら、またあそびましょ」とギギ。「うん！」。みんな、かえっていきました。「はぁ…」とうなだれるパンタとパンキチ。そこへ、ドレープさんがやってきました。「パンタさん、パンキチさん。もうなにもいわなくても、わかってらっしゃるわね？」といわれ、「うん。明日（あした）、みんなにあやまるよ」とパンタ。「ププ。ドロドロノコト、アヤマル！」とパンキチもいいます。「みんなの広場（ひろば）、だもんね…」とパンタ。「ふふふ」とわらうドレープさんでした。

銀河銭湯パンタくん

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みんなでパーティー

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ピエールが、ふるさとの星の郷土料理をパンタたちに食べてもらおうとパーティを開く。しかしケムシソウやドロクラゲなど、見たこともない料理にパンタたちは帰ってしまう…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 ふるさとの星にかえっていたピエールさん 今日（きょう）も銀河町はお天気。うちゅうバスもじゅんちょうにうんこう中。銀河ノ湯の前（まえ）につきました。「いやいや、やっぱり地球（ちきゅう）もいいところでございますな～」。大きなにもつをかついだピエールさんがおりてきました。そこでパンキチとばったり。「あら、パンキチさん、どちらへ？」ときくと、「モンモノ、タンジョウビ！　トーネルセイ、カエル、ププ！」とパンキチ。「あぁ～、妹さんの！　わたくしもちょうどふるさとの星（ほし）にかえってたんでございますでございますよ～」。「プップププー！」。「お気をつけて～」。パンキチをのせて、うちゅうバスはとびたっていきました。 【scene 02】 ふるさとのとくさんひんでパーティー！ 「こんにちは、ピエールさん。うわ、すごいにもつだね」とパンタたちがやってきました。「ふるさとのとくさんひんをたくさんかってきたのでございますですよ」とピエールさん。「その青いやつも？」ときくと、「これは『ブルーだいこん』でございますでございます」と青いだいこんを見せました。ほかにも見たことないようなものがいっぱいです。するとピエールさんが、「そうだ！　よかったらみなさんでたべませんか」といいました。ふるさとのりょうりでおもてなししてくれるというのです。「やったぁ！」。「めずらしいりょうりがたべられそうだね」。「では、みなさんでパーティーいたしましょ～！」。「イェーイ！」。 【scene 03】 ピエールさんじまんのりょうり… 「あー、いそがしいそがし…」。ピエールさんがパーティーのじゅんびをしています。やってきたパンタたちは、たくさんのごちそうを見て大よろこび。ところが、「まずは、こちらのぜんさいから」と出てきたりょうりに、「…これ、なに？」。「こちらは、うちゅうトカゲのたまごとケムシ草のサラダでございますですよ、はい」。見たこともないたべものです。「ささ、どうぞめしあがれ」といわれ、たべてみますが…。「パンタさん、いかがでございますですか？」ときかれ、「えっと…ギギはどう？」。「そうね…バースは？」。「えーと…なかなかたべたことのないあじで…」。「そうでしょう！」とピエールさんはよろこんでいます。 【scene 04】 たべる？　のこす？ 「ささ、おつぎはこれ」とピエールさんがはこんできたのは…、「オバケガニとドロクラゲのパスタでございますですよ」。おもわず、「たべられるの？」、「カニの目がこわい」とひそひそはなすギギとバース。「いやぁ、今日（きょう）はこうしてみなさんに、わがふるさとのあじをたべていただけることに、ほんとうにかんげきしておりますですよ。たっくさんおめしあがりくださいませ」とうれしそうなピエールさん。でも、「えっと…」とまようパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「たべる？　のこす？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「う、うーん」とかんがえこむパンタ。 【scene 05】 「わたし、むりかも」「ぼくも」 「わたし、むりかも」、「どうしよう、ぼくも」とギギとバースがひそひそ。「だよねぇ…。あの、ピエールさん。ぼく、もうおなかいっぱい、かも…」とパンタがいいました。「わたしも」、「ぼ、ぼくも」。ギギもバースもそういったので、「はへ？　いやあの、まだメインのおりょうりも、出せてない…ので…ございます…」とびっくりするピエールさん。「ほんとにごめんなさい。もうたべらんないかなぁ…って、ねえ？」。「うん。ごちそうさま」、「それじゃね、ピエールさん、また」。パンタたちはにげるようにかえっていきました。「お口にあわなかったんでございましょうか…。とほほ」。がっかりするピエールさんです。 【scene 06】 りょうりのメニューをきいたピッコラは 「いやあ、びっくりしたねぇ」。パンタたちが広場（ひろば）にやってきました。そこへ、「あれ？　パンタ。ピエールさんのパーティー、もうおわったッピ？」とピッコラとタマミーがやってきました。ピッコラたちもしょうたいされていたのです。「まだまにあうとはおもうけど…」、「やめたほうがいいわよ」とバースとギギがいいます。「うちゅうトカゲにケムシ草」。「オバケガニとドロクラゲ」。「そんな見たこともきいたこともないようなのたべらんないよ」。すると、「それ、ほんとうッピ？」とおどろくピッコラ。「たいへんッピ！　タマミー、いこう！」。「ミー！」。どういうことでしょう。「ぼくらもいってみよう！」。 【scene 07】 とてもきちょうなりょうり？ パンタたちがピエールさんの家（いえ）にきてみると、ピッコラがおいしそうにりょうりをたべていました。「めっちゃおいしいッピ！　しかもこれ、ぜんぶすっごいきちょうなりょうりッピ。このドロクラゲは、きょうぼうなサメクジラがいる海（うみ）でしかとれないッピ。オバケガニも、10年に１回（かい）しかすがたをあらわさないまぼろしのカニッピ！」といいます。「えっ？」とおどろくみんな。「でもこっちのケムシ草はあんまり…」とパンタがいうと、「ケムシ草はたまごといっしょにたべるとおいしいッピ」。たべてみて、「ほんとだ！」とパンタ。「わたしたち、見た目でいやがってたもんね」とギギがいいました。 【scene 08】 たべてみたらおいしかった！ 「さあさあ、ピッコラさん、おまちど…。あらまぁ！　み、みなさん、どうして？」。りょうりをはこんできたピエールさんは、パンタたちがいるのを見てびっくり。そこでパンタとギギは、「ピエールさん、さっきはごめんなさい。せっかくのおりょうりのこしちゃって」、「見たことないりょうりだったから…」とあやまりました。「でも、たべてみたらおいしかったんだよ！」とパンタ。「ピッコラがいろいろおしえてくれたんだ」とバース。「もぐもぐ…おいしい！」とギギ。するとピエールさんは、「ほんとですか？　かんげきでございますですよ。なみだジョーでございます！」ととてもよろこんでくれました。 【scene 09】 こんどは銀河町パーティーだ 「おまたせいたしました！　こちらが本日のメインりょうり、ブタムカデの丸（まる）やきでございますでございますよ～！」。はこばれてきたのはちょっとぶきみなりょうり…。「よ、よし。まずはたべてみよう」とパンタ。「そうね」、「たべよう、たべよう」とギギとバース。「いただきまーす」。すると、「おいしーい！」とおもわず声（こえ）をそろえるパンタたち。「そうだ！　こんどはピエールさんに地球（ちきゅう）のりょうりをごちそうしようよ」とパンタがいいました。「いいわね！」とギギとバースもさんせい。「たのしみでございますですね～」とピエールさん。「よーし、じゃあこんどは銀河町パーティーだ！」。「イェーイ！」。 【scene 10】 ごちそうにこうふんしたパンキチ… 今日（きょう）は銀河町パーティー。「ひえー、なんでございますですか、このネバネバは？」。なっとうにびっくりするピエールさん。「ごはんといっしょにたべるとおいしんだから」とパンタにいわれ、パクッ。「おいしいでございますです～！」。そこへ、「ミンナ、ナニヤッテル？　ププ？」とパンキチがかえってきました。ところが、「ゴチソウ！　オイシソウ！」とこうふんしたパンキチの口が大きくあいて、ゴゴゴゴーッとすごい風（かぜ）が！ 「うわーっ！」。ピエールさんがすいこまれていきます。「ゴックン。キュ～」。…「ピエール…ネバネバ」とモンモ。なっとうまみれのピエールさんがトーネル星（せい）に。「とほほほ…ねばりづよく生きていきますよ…」。

銀河銭湯パンタくん

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タマミーのらくがき

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ボール遊びが苦手なタマミーに、ピッコラが悪口を言う。悲しむタマミーを見て、パンタは、誰もいないときに黒板にピッコラの悪口を書くが、タマミーがやったと誤解される。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 うまくボールをうけられないタマミー パンタたちが広場（ひろば）でバレーボールのパスまわしであそんでいます。「はいっ」。「よっ」。「それっ」。「わっ！」。バースがしっぱいして、ボールが大きくそれました。「まかせるッピ。そりゃー！」。ピッコラがジャンプしてみごとにうちかえします。「ピッコラ、スゴイ！」とパンキチ。「タマミー、おねがい！」とギギがボールをかえしますが…。「ミーミー！」。タマミーはうけそこねてしまいました。「キヒヒ、かんたんなボールだったッピ」とピッコラ。「…ミッ」。「もう一回（いっかい）いくッピ。それっ」。「プッププー！」。「はいよっ」。「わわっ！」。またバースがしっぱいして、ボールはたかくとんでいきました。 【scene 02】 「ホントのこといっただけッピ」 「あぁっ、ピエールさん！」。とおりかかったピエールさんの顔（かお）に、ボールがバンッ！　ばったりたおれるピエールさん。でもボールはうまくかえってきました。「ピエールさん、ナイスヘディング！」。でも、タマミーがまたうけそこねてしまいます。「タマミー、ボールあそび、ほんとへたッピ。タマミーがいたらパスまわしつづかないッピ」。ピッコラにそういわれ、「ミー！」とタマミーはなきながらはしっていってしまいました。「ピッコラ、ちょっといいすぎなんじゃない？」、「そうだよ。あんなにはっきり『へた』っていわなくても」とギギとパンタ。「なにがわるいッピ？　ホントのこといっただけッピ。ウチ、うそいってないッピ」。 【scene 03】 パンタがタマミーをなぐさめますが… しょんぼりとすわっているタマミー。そこへ、「おーい、タマミー！　タマミー、だいじょうぶ？」とパンタがおいかけてきました。「タマミーだってがんばってたのに、あんないいかたはないよね」とパンタがいうと、「でも、一生けんめいやっても、へたミー…」とタマミーがいいます。「ああ…、あ、ぼくもおなじだよ。一生けんめいべんきょうしても、ぜんぜんせいせき上がんないんだもん。だからタマミーの気もちわかるよ。あはは」となぐさめるパンタ。でも、「ミーミー…」とタマミーはなきだしてしまいます。「タマミー…」。なにもいえなくなってしまうパンタ。 【scene 04】 「ピッコラだってへたなものあるじゃん」 じゅぎょうでみんなが自分（じぶん）の顔（かお）をかいています。「えっと、はなってどうだっけ？」とパンタ。「パンキチノカオ、ドコマデ？」。「ちょっとよくかきすぎたかしら、えへへ」。「メガネってむずかしいなぁ」。「ミーミー♪」。マチータ先生が見てまわります。「みんなのびのびかけていて、いい絵（え）だね。ピッコラはどうだい？」。みんなもピッコラの絵をのぞきこみます。「ププ、ピッコラ、アンマリ、ニテナイ」。なんだかよくわからない絵でした。「もう！　みんな、ウチの絵、そんなに見なくていいッピ！」とピッコラがいいます。「なんだよ、ピッコラだってへたなものあるじゃん」とかんがえこむパンタ。 【scene 05】 『ピッコラはえがヘタ』というらくがき つぎの朝（あさ）。教室（きょうしつ）でギギとバースがなにかはなしています。「おっはよー」。みんなもやってきました。「ねえみんな、これ見てよ」とギギ。「ププ…。『ピッコラハ、エガ、ヘタ』…ププーッ！」。こくばんにらくがきがしてあったのです。「こんなのかいたのだれッピ？」。「ひどいわよね。ねえ、パンタ」。そうきかれて、「いや…うん…」とパンタ。そこへ、「みなさん、おはようございます」と入ってきたマチータ先生、「ん、これは？」とこくばんのらくがきに気がつきました。「ピッコラ、こんなの気にするひつようはないよ。一生けんめいかいた絵（え）なんだから、じしんもっていいんだよ」と先生。ピッコラはだまっています。 【scene 06】 らくがきのはんにんはタマミー？ 「これかいた人、あいてがどういう気もちになるかよーくかんがえて下さい」とマチータ先生。すると、「先生、ウチ、ぜんぜん気にしてないッピ。ウチが見ても自分（じぶん）の絵（え）、へたッピ。ほんとうのことッピ。キヒヒヒ」とピッコラがいいました。「それにしても、だれがかいたのかしら？」と、ギギがいうと、「ププ！　タマミー、ピッコラニ…」と、パンキチがいいかけます。それをきいて、ギギは「あー。ボールあそび、へたっていわれてかえっちゃったもんね」とおもいだしました。「それでしかえしにピッコラのわるぐちをかいたのかな？」とバースがいうと、「だとしたら、タマミーもひどいわよねぇ」とギギ。「ハンニンハ、タマミー！」とパンキチはすっかりタマミーをうたがっています。パンタは「あ、あの…」といいかけますが、タマミーがみんなの会話（かいわ）をきいていたことに気づいて、だまってしまいます。 【scene 07】 ピッコラもほんとうは気にしていた 「はぁー」。絵（え）を見ながらためいきをつくピッコラ。すると、「あら、ピッコラさん？　どうかされましたですか？」とピエールさんがとおりかかりました。あわてて絵をかくすピッコラ。でも絵をおとして見られてしまいました。するとピエールさんは、「おぉ、これはすばらしい！　名画（めいが）でございますですね、はい」といいます。「え？」。「まぁ、なんとおいしそうなオムライスでございましょう」。「ち、ちがうッピ。どうせウチは絵がへたッピ。わぁ～」となきだすピッコラ。「え、ちがう？　なにこれ？　親子（おやこ）どん？　わかった、かぼちゃのスープ？　いや、ぜんぜんわかんない！」とあせるピエールさん。 【scene 08】 自分がタマミーにいったことば… 「はぁ、そんならくがきが…」。「ウチ、みんなの前（まえ）では気にしてないっていったけど、ほんとうはいやだったッピ」。「そりゃあ、そんなこといわれたらだれだってきずつくでございますでございますよ」。「でも、ホントのことだから」。するとピエールさんが、「らくがきした人は、『ホントのこといってなにがわるいの？』ってかんじでございましょうかねぇ」といいました。そこでピッコラは自分（じぶん）のことばをおもいだしました。…「タマミー、ボールあそび、ホントへたッピ。キヒヒヒ」。「なにがわるいッピ？　ホントのこといっただけッピ」…。ピッコラは自分もタマミーにおなじことをしたかもしれないと気づきました。 【scene 09】 あやまる？　あやまらない？ 銀河ノ湯で「はぁ…」とためいきをつくパンタ。「パンタ、オナカ、イタイ？」とパンキチ。するとパンタが、「ううん、ちがうんだよ。ピッコラのわるぐちかいたのは、ぼくなんだよね」といいました。「ププ！　パンタ、ハンニン？」。「だって…」とおもいだすパンタ。…「タマミーばっかりいわれてかわいそうだよ。ようし！」…。「ププ！　パンタ、タマミーノタメ？」。「うん。でも、そのせいでタマミーがわるものになっちゃったし、どうしよう…」。すると、ドッチロンがあらわれました。「あやまる？　あやまらない？　ドッチ？　ドッチ？」。すると、ザバーッ。パンタがおふろからとびだしていきました。「ププ！　パンタ！」。 【scene 10】 タマミーとピッコラにあやまろう 「ハァハァハァ。タマミー！　ピッコラ！」。広場（ひろば）まではしってきたパンタが大きな声（こえ）でよびかけました。すると、「あ、パンタ。タマミー見てないッピ？」とピッコラがいました。「ウチ、タマミーにあやまりたいッピ」といいます。「あ、ピッコラ！　じつはぼくも…」といいかけて、「あれ？」とパンタがなにかに気がつきました。パンタがゆびさすほうを見ると、ものかげでタマミーの耳がうごいているのが見えました。「タマミー！？」とパンタとピッコラ。 【scene 11】 「いっしょにれんしゅうするッピ！」 「というわけで、ピッコラのわるぐちかいたの、ぼくだったんだ。ごめんね、ピッコラ、タマミー」。パンタがピッコラとタマミーにあやまりました。「ウチも、なにもかんがえずにいっちゃって、ごめんッピ」とピッコラもタマミーにあやまります。「タマミー、ボールあそび、れんしゅうする。またいっしょにあそんでくれるミー？」とタマミー。「もちろんッピ。タマミーがボールとれるようになるまで、ウチがいっしょにれんしゅうするッピ！」。「ぼくも！」。「ミーミー！」とよろこぶタマミーです。 【scene 12】 ピエールさんもれんしゅうのあいてを… そこへ、ピエールさんがやってきました。「かんどうでございます。なみだジョーでございますでございますよ。」と、かんどうでないています。「このピエールもひとはだぬいで、タマミーさんのれんしゅうのおあいてをいたしますですよ。ウリャー！」とボールをうちました。ところが、「ミミミミー！」とタマミーがうちかえしたボールがピエールさんをちょくげき。バシッ！ 「どわー！」。ピエールさんは空たかくふっとんでいきました。「ピエールさーん！」。ピエールさんがとばされていったのは、またもや…。

銀河銭湯パンタくん

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ギギはおこりんぼう？

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パンタがあるイタズラを思いつき、「友だちなら一緒にやるよね」とみんなを誘う。「やめよう」と注意するギギに、パンタは「じゃあギギは友だちじゃない」と反発するが…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 ビックリさくせん、大せいこう！ 朝（あさ）、パンタたちが教室（きょうしつ）でゴソゴソなにかしています。「ピッコラたち、早くこないかなぁ」とパンタ。「ププ、タノシミ、プーッ」パンキチもソワソワしています。そこへピッコラとタマミーがやってきました。「あれ？　今日（きょう）はみんな早いッピ」。ピッコラたちがせきにつくと…、「プゥ～ッ！」と大きなおならの音がしたので二人はびっくりしてとびあがりました。「ビックリさくせん、大せいこう！」とみんな大よろこび。おならの音がなるクッションがおいてあったのです。「これ、おもしろいッピ」。「まただれかをビックリさせようよ」とパンタ。「やろう、やろう！」とみんなも大もりあがりです。 【scene 02】 ピエールさんをおどろかせよう 「つぎはこれ！」。パンタが見せたのは、クラッカー。「すっごい音がするよ！」。パンッ！　そこへ、そばの出前（でまえ）をしているピエールさんがやってきました。かくれておどろかせようというパンタを、「おしごと中だからやめよう」ととめるギギとピッコラ。「ちょっとビックリさせるぐらいいいじゃん」とパンタがいいます。でもピッコラとタマミーは、「ウチら、やっぱりやめとくッピ」とかえっていきました。「ちぇっ。いっしょにさくせんやらないなら、ほんとうのともだちじゃないよ。ねえ、ギギ？」といわれ、「う、うん…」とギギ。「さあ、ビックリさくせん、かいし～！」。「プップププー！」。 【scene 03】 ともだちはなんでもいっしょ？ 「あらいけない。おくれているでございますですよ。それーっ」とピエールさんがいそごうとしたとき…。「パンッ！」とクラッカーの音。「ワハーッ！　おっととっと」。ピエールさんはそばをおとしそうになりながらも、なんとかもちこたえてはしっていきました。「うーん？　あんまりビックリしなかったね」とパンタ。するとパンキチが、「プー、バースタチ、ナラシテナーイ！」といいました。「だって、ピエールさんがけがしたらパンタもいやでしょ」とギギ。「やっぱりぼく、ビックリさくせんやめる」とバースはかえっていきました。「なんだよバースまで。あんなのもう、ともだちじゃないよ」。「ププ、トモダチ、ナンデモ、イッショ」。「う～ん…」とかんがえるギギです。 【scene 04】 マチータ先生のズボンを 「あーあ、もっとドッカーンとわらえるような、すごいビックリさくせんないかな？」。パンタたちが銀河町にもどってくると、ちょうど、マチータ先生が銀河ノ湯に入っていくのが見えました。すると、「そうだ！　ちょっとまってて」。パンタがコソコソと銀河ノ湯に入っていきました。「お、ま、た、せ～」。もどってきたパンタがもっていたのは…。「パンタ！それ、マチータ先生のズボンじゃない！？」とギギ。「うはは、マチータ先生がおふろに入っているあいだに、カッコいいズボンにかいぞうするんだ！」とパンタがいいました。 【scene 05】 かえす？　かえさない？ 「ダメダメダメ！　マチータ先生におこられるわよ」とギギ。「いいじゃん。カッコよくしてかえすんだから」とパンタ。「ダメったらダメーッ！」。すると、ドッチロンがあらわれました。「かえす？　かえさない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれて、「かえさないよーだ！　きまってるじゃん」とパンタ。「いっしょにビックリさくせんやらないなら、ギギなんか、もうともだちじゃないもんねー」とギギにいいます。「え…」とギギ。「ププッ、ギギ、オコリンボウ、ププーッ」。そのままいってしまうパンタとパンキチ。「フンだ。しんぱいだからついてきたけど、もう、しーらない！」。ギギもかえってしまいます。 【scene 06】 みんなでズボンをさがしている 「いやはや、どこにいってしまったんでしょう。とりあえず、かわりのズボンを…」。マチータ先生のズボンをさがしていたパンタのお父さんが、大あわてでかわりのズボンをとりにいきました。「ぼく、外（そと）もさがしてくるね」とバースも手つだってさがしにいきます。「ミーミー、これは？」とタマミーが見つけてきた白いズボンは…。「ん？　足がいっぱい？」。足がたくさんあるうちゅう人のズボンでした。「ヒョヒョ～、あんたのかい」とスベトンさん。「ミー…」。がっかりするタマミー。 【scene 07】 一生けんめいさがしているピエールさん 「うっひょ～！どんなふうにかいぞうしよっか？」。「プププーッ」。パンタとパンキチがかんがえています。そのとき、草むらからなにかとびだしてきたのでパンタはビックリ。「どはー！」。「なんだ、ピエールさんか」。ピエールさんはどろだらけになってマチータ先生のズボンをさがしていたのです。あわててズボンをかくすパンタ。「どうしてそんなに一生けんめいさがしているの？」とパンタがきくと、「マチータ先生は大切（たいせつ）なともだちだからですかねぇ」といいました。「ともだち…？」。「ププ…？」。 【scene 08】 ピエールさんが学生のころ… 「はい～。たのしいときはもちろん、いけないこともちゃんとちゅういしあえる…、そう、あれはわたくしたちがまだ学生のころ…」。ピエールさんがむかしのことをおもいだします。…「マチータくん、おはようでございます」。「おはよう！」。「あの、じつは、しゅくだいをわすれてしまいまして、ちょっとこたえを見せてくれるかしら、どうかしら？」とピエールさん。すると、「うーん、やめておくよ。だってピエールくんのためにならないからね」といわれたのです。ガーン！ 「なんでだよぉ～！」。… 【scene 09】 ほんとうのともだちとは 「ことわられたときはなみだジョーでしたが、ダメなことはダメといってくれたマチータ先生のおかげで、自分（じぶん）でがんばることの大切（たいせつ）さに気づけたんでございますでございますよ」とピエールさんがいいます。「ダメなことはダメといってくれる…」とかんがえこむパンタ。「そういうほんとうのともだちは、かんたんにもてるわけじゃありませんから、大切にしないといけないでございます。それでは！」とピエールさんはいってしまいました。「ほんとうの、ともだち…」。かんがえこむパンタです。 【scene 10】 みんな大切なともだち 広場（ひろば）までくると、ギギがいました。「パンタ、パンキチ。マチータ先生のズボンは？」。「かえしたいとおもうんだけど、おおごとになっちゃってて…」とパンタ。するとギギが、「パンタ、いっしょにかえしにいこう」といいました。「え？」。「わたしもいっしょにいって、あやまる。だって、わたしがもっとちゃんととめてれば、パンタもズボンをとってくることもなかったんだし」。「ギギはぼくのことをおもってちゅういしてくれてたんだよね。ごめんね、ともだちじゃないなんていって」とあやまるパンタ。「ププ…、ギギ、ホントノ、トモダチ！」。「うん。わたしもパンタとパンキチは、大切（たいせつ）なともだち！」。 【scene 11】 「いたずらはほどほどに、ね」 「マチータ先生、ごめんなさい！」。パンタたちはズボンをかえしてあやまりました。マチータ先生は、「そうか、カッコよくしておどろかせようとおもったんだね。でも、いたずらはほどほどに、ね」といってくれました。…「♪ぼくの大すきなズ～ボン！　まっ白くてカッコいいズ～ボン！」。マチータ先生がごきげんであるいていくと、「どわ～っ！」と草むらからどろだらけのピエールさんがあらわれました。「あれ？　マチータくん、お気に入りのズボン見つかってよかったでございますですね。わ～！」とだきつこうとするので、「ピエールくん、よごれちゃうから…こないで～っ！」とにげだすマチータ先生でした。

銀河銭湯パンタくん

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パンタのらくちん作戦

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体育の授業でサッカーのリフティングに挑戦した子どもたちは、放課後も練習に励むが、パンタだけは遊んでしまう。それでも記録はのばしたいと、ズルい作戦を思いつくが…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 たいいくのじゅぎょうでリフティング たいいくのじゅぎょうです。「今日（きょう）は、このボールをじめんにおとさず何回（なんかい）けれるかやってもらいます」とマチータ先生がいいました。「サッカーのリフティングってことッピ？　よっ、それっ、はいっ」とピッコラはなかなか上手です。「よし。いち、にい、さ…、あぁっ」としっぱいするバース。「バース、ぜんぜんだめじゃん。見ててよ。よっ、それ…」とパンタがやってみせます。「ププ、パンタ、ウマイ！」とパンキチ。「いいなぁ、みんな上手で。はぁ…」とおちこむバースに、「バース、だいじょうぶだよ。これかられんしゅうすればいいんだよ」とマチータ先生がいいました。「あ、はい！」。 【scene 02】 ピエールさんがうちゅうチャンピオン？！ 「じつは、このボールには、けった回数（かいすう）がわかるカウンターがついているんだ」とマチータ先生がいいます。「ほんとだ！　さっきので『５回』って出てる。すごいボール！」とおどろくパンタ。すると、「みなさま～！　わたくしからのプレゼント、新（しん）しょうひんの“カウントボール”、お気にめしていただけましたでございますか？」とピエールさんがあらわれました。このボールの大うり出しをかねてリフティング大会（たいかい）をかいさいするので、「ぜひ、ごさんかを」といいます。そのポスターを見たパンタはびっくり！ 「ピエールさんが…リフティングのうちゅうチャンピオン！？」。 【scene 03】 だいじなのはいまの自分をこえること 「じつはわたくし、リフティングのうちゅうきろくをもっているのでございますです！」とピエールさんが、こしにまいたチャンピオンベルトを見せました。「えーっ！？」とみんなもびっくり。「みなさまもチャンピオンになったあかつきには、うちゅう中にこのボールのせんでんを～！」とピエールさん。すると、「ゴホン！　チャンピオンをめざすのもいいのですが、いちばんだいじなのは、がんばってれんしゅうして、いまの自分（じぶん）をこえることです。みんな、自分のきろくをぬりかえましょう！」とマチータ先生がいいました。「オーッ！」とみんな。 【scene 04】 みんなリフティングのれんしゅうに かえりみち、「みんな、今日（きょう）はなにしてあそぶ？」とパンタがいいました。「プップーッ、ゲーム？　プロレスゴッコ？　オヤツ？　ドレドレドレ～？」とパンキチ。「もう、ぜんぶやっちゃおう！」とパンタ。ところが、「わたし、リフティングのれんしゅうするわ」。「うちもッピ」。「ミーミー」。ギギ、ピッコラ、タマミーはかえってしまいました。「バースはあそぶでしょ？」ときくと、「うーん。ぼくもれんしゅうする。リフティングへただから、みんなより時間（じかん）かけなきゃ」とバース。するとパンキチも、「ヤッパリミンナト、レンシュウ！　プップププーッ」といってしまいました。「なんだよもう…」。 【scene 05】 「そんなにがんばってもしょうがないじゃん」 その日の夜（よる）。「ふふ、あははは。あ、パンキチ」。パンタがへやでマンガをよんでいるとパンキチがかえってきました。「ププ、ツカレタ、プー…」とパンキチはぐったりしています。「リフティングのれんしゅうなんかするからだよ。せっかくあそべたのにさ」とパンタがいうと、「プププッ、ミンナ、ガンバッテル！」とパンキチ。でもパンタは、「ふーん。そんなにがんばってもしょうがないじゃん。きゅうにうまくなんないよ」といいます。「ププ…」。パンキチはふまんそうです。「さあて、明日（あした）はなにしてあそぼうかなぁ？」とパンタ。 【scene 06】 れんしゅうする？　しない？ つぎの朝（あさ）。「ふわぁ～。パンキチのやつ、なんで先にいっちゃたんだ？」。パンタが学校へやってくると…。「あれ？　みんな朝かられんしゅうしてたんだ」。みんなが校庭（こうてい）でリフティングをしていました。「えい、えい」。「バース、がんばるわね」。「えい、えい、それ。やった、６回（かい）！」とバース。「すごーい！」。「上手になってるッピ」。みんなかんしんします。「６回…ぼくより１回おおい…」とちょっとショックなパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「れんしゅうする？　しない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれ、「ええっと…、そうだ！」。パンタはなにかおもいつきました。 【scene 07】 ピエールさんにお手本を見せてもらって 「♪てるてるぼうず～てるぼうず～っと。リフティング大会（たいかい）の日は、はれてほしいでございますですね」。ピエールさんがてるてるぼうずをつるしてリフティング大会のじゅんびをしています。そこへやってきたパンタ。ピエールさんがリフティングのうちゅうチャンピオンとしって、お手本に、リフティング見せてほしいといいます。「それっ！」。パンタがカウントボールをなげると…。「うわ、そんな、きゅうに、いわれ、ましても」といいながらも、ピエールさんはえんえんとリフティングをつづけます。「はいはいはいはい…」。「うわあ、すごい！　すごい回数（かいすう）カウントしてるぞ～！」。カウントボールの回数は「100」になっていました。「ひゃあ、すごいぞ。ありがとうー！」。 【scene 08】 パンタがおもいついたさくせん 「うはは、うまくいったぞ。でももっとカウントふやしたいなぁ。ん？　これは…」。パンタはピエールさんがつるしていたてるてるぼうずに気がつきました。すると…、「そうだ！」とパンタがなにかおもいつきました。へやにもどったパンタは…。「これでよしと。われながら天才（てんさい）だなあ」。カウントボールをネットに入れててるてるぼうずのようにつるし、自分（じぶん）はその前（まえ）にすわったまま、おかしをたべながら、ボールをポンポンとけりつづけました。「うっひょー。らくちん、らくちん。うはは、みんなびっくりするぞ～」。 【scene 09】 パンタのリフティングは１万回！ たいいくの時間（じかん）。「バース、すごいじゃないか。28回（かい）とは、ずいぶんきろくをのばしたね」とマチータ先生がほめました。「バース、だれよりもれんしゅうしてたもんね」とギギ。「でもやっぱり、ピッコラがいちばん上手でした」とバースがいいます。「ウチは50回できたッピ」とピッコラ。すると、「うふふ。みんな、ぼくのきろくにおどろかないでよ。じゃーん！　１、万（まん）、回！」とパンタがカウントボールを見せました。「い、いちまんかい？」、「すごいぞ、パンタ！」とみんなはびっくり。「パンタ、ものすごーいれんしゅうしたんだね」とバースにいわれ、「え？　ま、まあね。あははは」。 【scene 10】 パンタがリフティング大会に出場？ そこへとつぜん、「パンタさん！」とピエールさんがあらわれました。「パンタさん！　あなたのような天才（てんさい）リフティング少年（しょうねん）は、100年に一人、1000年に一人、いや、いないでございますですよ。どうか、本日の銀河町リフティング大会（たいかい）に出場（しゅつじょう）していただけませんでございませんか！」といいます。「ププッ、パンタ、チャンピオン！」とよろこぶパンキチ。「出場するでしょ、パンタ？」。「ぜったいチャンピオンになれるよ」。「出場するッピ」。「ミーミー！」。みんなにいわれ、「え、いや～あははは…」と、わらってごまかすパンタ。 【scene 11】 “天才リフティング少年”パンタ 「さあ、つぎの出場者（しゅつじょうしゃ）は、なんと１万回（まんかい）のきろくをたたきだした天才（てんさい）リフティング少年（しょうねん）、銀河ノ湯のパンタさんでございますです！」。ピエールさんがしょうかいすると、「ワーッ！」と大かんせいです。「いやはや、なんと。パンタにそんなさいのうが？」。「さすが、わたしたちの息子（むすこ）ですわ～」とお父さんとお母さんもよろこびます。「ヒョヒョ～。パンタ～！」。「がんばるガーン！」。スベトンさんやガンさんもパンタをおうえんしています。「パンタ！　パンタ！　パンタ！」。ともだちみんなのおうえんをきいて、「ひええ～」とおじけづくパンタですが…。 【scene 12】 まじめにれんしゅうしとけばよかった… 「それでは、よーい、スタート！」とピエールさん。「パンタ！　パンタ！」。しかたなくリフティングをはじめるパンタ…。「それ、えい、わぁ、だめだぁ～！」。あちこちにぶつかり、しっぱいしてゴミばこをひっくりかえしてしまいました。ゴミの山から顔（かお）を出したパンタの頭（あたま）にはチャンピオンベルトが！ 「プププー、パンタ、ゴミ、チャンピオ～ン！」。パンタの左手をあげてパンキチがいったので、「あはははは」とみんなは大わらいです。「ゆうしょうこうほが早くもしっぱい！」とピエールさん。「やっぱりまじめにれんしゅうしとけばよかった。なみだジョー！」とがっくりするパンタでした。

銀河銭湯パンタくん

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当番なんていらない！？

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ゴミ当番になったパンタは、ゴミ捨てを面倒くさがりさぼってしまう。パンタの態度にクラスメイトの不満も爆発。すると、先生が「当番制をやめてみよう」と提案するが…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 きょうからみんなで当番 「きょうは、当番（とうばん）をきめたいとおもいます」とマチータ先生がいいました。教室（きょうしつ）のしごとを、これからはみんなでこうたいでやるのです。「かたづけ当番は、ギギとバース」。「はーい」。「花の水やり当番は、ピッコラとタマミー」。「お花大すきミー！」。「こくばん当番は、パンキチ」。「ププーッ、コクバン、ケシケシ、ピッカピカ！」。「そしてゴミ当番は、パンタ。ゴミばこがいっぱいになったときや、一日のおわりにゴミをすててきてください」。「えー。それじゃ、かえるのいちばんさいごじゃん」。当番はみんなじゅんばんにまわってくるといわれても、「あ～ぁ」とふふくそうなパンタです。 【scene 02】 ゴミ当番のパンタは… みんな、当番（とうばん）のしごとをがんばっています。「この本は、ずかんだから…」。「あぁ、ずかんはこっちだよ」。本をせいりする、かたづけ当番のギギとバース。「タマミー、教室（きょうしつ）の花びんもおねがいッピ」。「ミーミー」。お花に水をやる、水やり当番のピッコラとタマミー。「コクバン、フキフキ、プッププ～♪」。こくばんの字をけすパンキチ。でもゴミ当番のパンタは、「ゴミは…そんなにたまってないよねぇ。まだすてにいかないで、いっか…」と、ゴミをぎゅうっとゴミばこにおしこみました。 【scene 03】 ゴミばこがいっぱいに！ ほうかご。みんなで教室（きょうしつ）のおそうじ。ようやくおわって、「ひゃっほーっ！　パンキチ、はやくかえってもけいつくろうぜ！」とパンタ。「ププーッ！」とよろこぶパンキチ。「え？　もけいつくってんの？」とバースがきくと、「うん、めっちゃカッコいいうちゅうせんのもけいなんだよ。かんせいしたらみんなに見せるよ」とパンタ。「たのしみッピ」。「見たいミー」。するとギギがいいました。「ちょっとパンタ。ゴミばこがいっぱいよ。あんたゴミ当番（とうばん）でしょ。すててきてよ」。しかたなくゴミばこをもちあげようとしたパンタ、「ぐっ、お、おもい…」。「そんなにためるからだよ」とバース。 【scene 04】 みんな先にかえってしまった 「うんしょ、うんしょ」。パンタが教室（きょうしつ）からゴミばこをはこんでいきます。するとパンキチが教室のまどから、「ププッ、パンキチ、サキニ、カエル！」といいました。「えーっ！？」とパンタはびっくり。「ウチらも広場（ひろば）であそぶッピ」。「ミー」。ピッコラとタマミーも先にかえっていきます。「パンタ、あとはよろしくね～」。ギギとバースもかえっていきました。「なんだよ～！　みんなずるくない？　ぼく一人のこってやるんだから、ありがとうのひとことぐらいほしいよ、まったく」。 【scene 05】 「ゴミ当番なんかいやだーっ」 「うんしょ、うんしょ」。パンタがゴミをはこんでいくと、ゴミしょりきのところにピエールさんがいました。ピエールさんは、このゴミしょりきから出たゴミのぶんべつ・かいしゅうのしごとをしているのだといいます。きかいのボタンをピッとおすと、もえるゴミ、もえないゴミがぶんべつされて出てきます。「パンタさん、そのゴミをこちらへ」。ゴミばこをわたそうとするパンタ。でもおもすぎて…。「おっとと、どわ～っ！」。ひっくりかえして頭（あたま）からゴミをかぶってしまいました。「わぁー！　もうゴミ当番（とうばん）なんかいやだーっ」。 【scene 06】 当番やる？　やめる？ パンタがおふろでゴシゴシ体（からだ）をあらっています。頭（あたま）からゴミをかぶったので、ねんいりにあらっているのです。「いいよなあ、パンキチは。こくばん当番（とうばん）なんてらくちんでさぁ」。「プププッ？」。「それにくらべてゴミ当番は、そうじがおわるまでかえれないし、ゴミばこはおもいし、だれにもかんしゃされないし。あーぁ、ゴミ当番やめたいな」。「ププ、ヤメル？」。「でも、みんなはちゃんと当番やってるしなぁ…。うーん」。すると、ドッチロンがあらわれました。「当番やる？　やめる？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれ、「やっぱりやりたくな～い！」とパンタ。 【scene 07】 「ぼく、当番やめたから」 図工（ずこう）のじゅぎょうがおわりました。つくえの上のゴミをすてておくようにマチータ先生がいいますが、「あ！　ゴミばこいっぱいになってるッピ」とピッコラ。「パンタ、当番（とうばん）でしょ」。バースがそういうと、「ぼく、当番やめたから」とパンタがいったのでみんなはびっくり。「えーっ！」。ギギが「そんなのだめよ。みんな当番やってるんだから」といっても、「ふん。かたづけ当番はらくでいいよね。よごれないし」。「ププッ、コクバンケシ、コナダラケ、ブホブホッ！」。「おもいものもったりしないじゃん」。「ミー。じょうろおもいミー！」。「かえりはおそくならないじゃん。ゴミ当番だけ、そんだよ」とパンタ。 【scene 08】 当番せいをなくす？ 「じゃあ、当番（とうばん）かわる？」とバースがいいます。でも、「だめよ。当番はまわってくるんだから。どの当番でもちゃんとやらないと」とギギ。「バースがかわってくれるっていってんだからいいじゃん」。「ほかの当番になってももんくいうでしょ」。「いわないよ」。「いうわよ」。「なんだよ」。するとマチータ先生が、「はい、わかりました。こんなにもめるなら、当番せいをなくしましょう」といいました。「さんせーい！」とよろこぶパンタ。ピッコラが「だれがゴミすてるッピ？」としんぱいになりますが、「そんなの気づいた人がやればいいじゃん」とパンタ。「え～…」とみんなはふまんそうです。 【scene 09】 教室がゴミの山になって 数日後（すうじつご）。ピエールさんがゴミのかいしゅうにやってきました。でも、ゴミしょりきから出てきたのは小さなゴミ一つ。「これだけ？」。ふしぎにおもって教室（きょうしつ）にやってきたピエールさん、「ぐえっ！？」とびっくり。中はゴミの山だったのです。「ピエールさん、おはよう！」。パンタがゴミの中から出てきました。「当番（とうばん）なくしたらこんなになっちゃった。あはは」とわらいます。でも、「かんせいしたもけいをじまんしたくてもってきたんだけど、だいじなパーツがどっかいっちゃったんだよ～」となきだすパンタ。そこでピエールさんもさがすのを手つだってくれることに。「ありがとう！」。 【scene 10】 パーツをさがしながらどんどんかたづけ 「パーツはどこだ？　よいしょ、よいしょっと。もう、なんでこんなところに本が。本はここでしょ」。もけいのパーツをさがしながら、ついでに本をかたづけるパンタ。すると、ガンッとなにかが頭（あたま）におちてきました。「いたっ！　もう、こくばんけしはこくばんのところ」。こくばんけしもかたづけると、「はぁー、こくばんもまっ白じゃん。もう、もうもうもうもう！　もう！」。しかたなくパンタは、こくばんもきれいにします。「お花にはお水、これはこっち、こっちのはそっち…」。どんどんかたづけていきます。 【scene 11】 ピッカピカの教室にみんなびっくり 「はぁー。やっときれいになった」。教室（きょうしつ）の中はスッキリ。「がんばりましたでございますですねー」。あせをふいてくれるピエールさん。「あー、教室がきれいになると、気もちがいいねー」。そこへ、「おはよー！」とみんながやってきました。「うわっ！」。「ピッカピカ！？」。「パンタがかたづけたの？」ときかれ、「えへへ、ピエールさんといっしょに、だけどね」とパンタ。「パンタ、すごいッピ」。「ミーミー。パンタありがとう！」。パンタはちょっとてれて、「うふふ。あ、そうだ。このゴミすててくるね」といいました。「ぼくも手つだうよ」とバースがいい、みんなで手つだいます。 【scene 12】 だいじなパーツが…ゴミの中？！ 「バタン！」。パンタがゴミしょりきの中へゴミを入れ、とびらをしめました。「これでよし。ピエールさん、あとはよろしくね～」。ピエールさんは、「かしこまりました。ピッとね」と、しょりきのボタンをおします。するとピッコラが、「あ、そうだ。パンタ、もけいはかんせいしたッピ？」とたずねました。「はっ！」と顔（かお）を見あわせるパンタとピエールさん。「パーツはもしかして…、ゴミの中？　うわぁーっ！」。ゴミしょりきのとびらをあけて中に入ろうとするパンタ。それをひっしでとめるみんな。「うわぁぁ～ん！」となきだすパンタでした。

銀河銭湯パンタくん

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うたごえのひみつ

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ある日、銀河町に不気味な歌声が響き渡る。正体は、ある花の出す音だった。いやな音を聴きたくないと、子どもたちは花を抜こうとするが、実は非常に珍しい植物だと知り…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 どこからかきこえてきたぶきみなうたごえ 今夜（こんや）はうつくしいまんげつです。「はぁ～、いい湯だなぁ」。パンタとパンキチがおふろに入っています。「ヒョヒョ～、月にかがやく銀河フジ。ふうりゅうじゃのう」。「ガガガガン、かちょうふうげつガン！」。「ププ？　ガチョウノ、オケツ？」とパンキチがきくと、「ヒョヒョ～、『花鳥風月』じゃ。このようなうつくしいしぜんのふうけいのことじゃよ」とスベトンさんがおしえてくれました。そのとき、「♪デロロロ～ン」とぶきみなうたごえがきこえました。「だれかうたった？」とパンタがきいても、だれもしらないといいます。もしかして、オバケ！？ 「ひい～っ」。パンタとパンキチはふるえあがりました。 【scene 02】 ベッドでふるえているパンタとパンキチ 「うう～、こわい～」。「プププ～」。パンタとパンキチがベッドでふとんをかぶってふるえています。そこへ、「パンタ～」とまっ白な顔（かお）をした女の人があらわれたので、パンタとパンキチは「ぎゃあーっ！　おばけーっ！」ととびあがりました。でもそれは、顔におけしょうのパックをしたお母さんでした。「なんだ、お母さんか」。ホッとするパンタ。「なんだじゃないわよ。ねるときはちゃんと電気（でんき）、けしなさい」と、お母さんが電気をけしてしまいました。するとまた、「♪デロロロ～ン」とぶきみなうたごえがきこえたので、「ひいい～！」とふるえあがる二人です。 【scene 03】 お父さんもうちゅう人もふるえるほど おふろ場（ば）のかたづけをしていたお父さんも、「♪デロロロ～ン」というぶきみなうたごえをきいて「ひいい～～！」とお母さんにだきつきました。「もう、お父さんまで、なさけない！」とお母さん。「♪デロロロ～ン」といううたごえは、銀河ノ湯の上をながれていきます。「オバケ？」。「ヨウカイ？」。「モンスター？」。「ブ～キ～ミ～！」。うちゅう人たちもびっくりしてふるえています。 【scene 04】 あれはいったいだれの声？ つぎの日。「ねえねえ、きのうのうたごえ、きいた？」。パンタが広場（ひろば）でみんなにたずねました。「あれってだれの声（こえ）かしら？」とギギ。「ミーミー。きっと、こーんな口のかいじゅうミー！　♪デロロロ～ン」とタマミーがこわいおめんをかぶっていいました。「ぼくは、だれかがかわったがっきをならしてるんじゃないかとおもう。♪デロロロロ～ン」とバース。「ウチは、ドレープさんがうたってるとおもったッピ」とピッコラ。でも…。「んま！　しつれいしちゃいますわ。わたくしのうたごえとは、にてもにつきませんわよ！　♪デロロロ～ンッ！」ときれいな声でうたうドレープさん。 【scene 05】 ふしぎな歌の正体はピエールさん？ 「それじゃ、ジゴバット？」とパンタ。でもジゴバットも、「オレさまは、ふろのつぎに歌（うた）が大っきらいなのだーっ！」といいます。「ププ、ジャア…ダレ？」。そのとき、「♪デロロロ～ン」といううたごえがちかづいてきました。それはピエールさんでした。ピエールさんが手をうごかすと「♪デロロロ～ン」と歌がきこえます。「ふしぎな歌の正体（しょうたい）はピエールさんだったんだね」とパンタ。「ププッ、メイワ、ク！」。「そうよ。夜中（よなか）に大声（おおごえ）でうたうなんて！」とギギ。でもピエールさんは、じぶんではないといいます。ためしにうたってみてもらうと…。「♪デロロロンでございます～だ！」と、まったくちがううたごえです。 【scene 06】 花から歌がきこえていた！ 「ぜんぜんちがう…」とパンタ。ところが…。「だからいってるでございますですよ」とピエールさんがあるきだすと、「♪デロロロ～ン」とあの歌（うた）がきこえました。「ピエールさん、ストップ！」とパンタ。ピエールさんがとまると歌もきえます。「ピエールさん、もう一回（いっかい）」とギギにいわれ、「こうですか、どうですか？」とあるいてみせるピエールさん。するとやはり、「♪デロロロ～ン」ときこえるのです。「花だ！」。ピエールさんは、りょうてにむらさき色（いろ）の花をもって、いきおいよくふりながらあるいていました。「ピエールさんのもっている花から声（こえ）がするッピ！」とピッコラ。「はい？」。ピエールさんはキョトンと花をみつめます。 【scene 07】 森の中にさいていたぶきみな花 「こっちですよ。こっちこっち」。ピエールさんがみんなを森の中へつれてきました。でも、その花がさいていたというあたりを見わたしても、花は見あたりません。そこへ…。「♪デロロロ～ン」。あの歌（うた）がきこえてきました。みんなで歌のきこえるほうへいってみます。すると、「うわぁーっ」。その花がいちめんにさいていました。「ここでございますですねぇ」とピエールさん。たくさんさいているその花たちから、「♪デロロロ～ン　♪デロロロ～ン」とぶきみな音がきこえます。「風（かぜ）で花がゆれてうたごえみたいな音がするんだ」とバース。「ミーミー。この歌、きらいミー」。 【scene 08】 ぶきみな花、ぬく？　ぬかない？ 「ようし、ぜんぶ、ぬいちゃおう！」とパンタ。「おー！」。すると、「ストップ、ぞな～」とレガスさんがあらわれました。「そいつは『テンシバナ』といって、100年にいちどしか花をさかせないめずらし～い花ぞよ～」といいます。「えぇっ、100年にいちど？」。すると、ドッチロンがあらわれました。「ぶきみな花、ぬく？　ぬかない？　ドッチ？　ドッチ？」。そうきかれ、「え～…」とかんがえるみんな。でもパンタは、「だってぶきみじゃん。ぬこう！」といいます。するとピエールさんが、「いーえ！　わたくし、この花、しぶくてすきでございますですよ！　ぬいちゃだめでございますです！」とつよくいいました。「え～？」。 【scene 09】 やっとぶきみな歌がとまった… それから何日（なんにち）も、ぶきみなうたごえが銀河町にひびきました。みんなねぶそくで目の下にクマができています。しかし、いつしか歌（うた）がやみました。「あ～ぁ、やっと歌がとまったよ…」。「ププー、パンキチ、モウ、キキタク、ナイ」。「ガガガン、オデもガン」。おふろに入っているパンタもパンキチもガンさんもスベトンさんも、歌になやまされていたのです。そこへ、「はぁ…でございます」と元気（げんき）のないピエールさんが入ってきました。ピエールさんも歌をききつかれたのかとスベトンさんにきかれ、「いいえ…ついに…ついに、テンシバナがかれてしまったのでございますです。トホホ…」と、手にもっていたテンシバナの鉢（はち）をみんなに見せると、たしかに花はしおれています。 【scene 10】 こんどはとてもきれいなうたごえが これで、あのぶきみな歌（うた）をきかなくていいと、みんな大よろこび。でもピエールさんは、「わは～！　わたくしの天使（てんし）ちゃんがーっ！」と大なきしています。「あぁ…。ピエールさんにとっては、いやされる花だったもんね…」とパンタ。すると、どこからか「♪ララララ～ン　♪ララララ～ン」ときれいなうたごえがきこえてきました。「ププ？」。「ヒョヒョ～、こりゃあまた、きれいなうたごえじゃのう」。みんな、うっとりききいっています。「あ～、なんとうつくしいお声（こえ）でございましょう。まさか、ほんとうの天使さまのうたごえでは…」とピエールさんはまどから空を見上げました。 【scene 11】 かがやく天使のようなテンシバナの実 「♪ララララ～ン　♪ララララ～ン」。きれいなうたごえにひかれてみんなが森の中にやってきました。「はぁ～、いいうたごえだねぇ～」とパンタもうっとり。ところが…。しげみをかきわけてお花ばたけについてみると、「あれっ？」。テンシバナはぜんぶ、かれてしまっていたのです。「なみだジョー…」。「ププ、ジャア、キレイナコエ、ドコカラ？」。するとタマミーが、「ミ、ミー。ここからミー」といいます。かれたテンシバナの中から、ひかりかがやく天使（てんし）のような実（み）があらわれ、ふわふわととびはじめました。「きれい～」。「ほんとうの天使（てんし）みたい…」。「うわぁ～」。 【scene 12】 テンシバナのもう一つのひみつ… すると、「じつは、テンシバナにはもう一つひみつがあるぞよ～」とレガスさんがいいました。「もう一つ、ひみつ？　え？　うわぁ！」。「プププ～！？」。なんと、パンタとパンキチがフワリとうきあがったのです。「テンシバナは、見た人も天使（てんし）のようにするぞよ～」とレガスさん。みんなもフワリとうきあがり、空をとびはじめました。「わあ！」。「ミーミー！」。「ぼくら空をとんでるよ！」。「見て、銀河町よ！」。「わぁ～！」。「きれい～！」。空をとんでいくみんな、とてもたのしそうです。でも、ピエールさんだけは…。

銀河銭湯パンタくん

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あたらしいともだち

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父に言われて家業の銭湯の手伝いをするパンタ。そこで一人ぽっちの宇宙人パンキチと出会い友達になる。友情の証に大切なパンツをあげるかどうか迷う。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 ここは銀河町商店街 ここは銀河町（ぎんがちょう）商店街（しょうてんがい）。きょうもいいお天気です。ピエールさんが町のおばさんとはなしています。「え、大ぐい？　うちゅう人？　それはたいへんですよ！」。町のせんとう“銀河の湯（ゆ）”から、パンタのお父さんが出てきました。「きょうは早くそうじをおわらせないと、日本シリーズがはじまってしまう…」。おそうじロボットのフライデー5000がそうじをすませてやってきました。フライデー5000は自分（じぶん）でじゅうでんしにいきます。 【scene 02】 スケボーとくいなパンタくん 「お父さん！」とお母さんがあらわれました。ずいぶんいさましいかっこうをしています。「うらの森にハチミツとりにいってくるから、家（いえ）のことおねがいね」といいます。そこへ、「ただいま～！」と、パンタがスケボーにのって学校からかえってきました。「ヒャッホー！」。空たかくとびあがると、カバンをなげすてます。「こらっ、パンタ！　きょうはお手つだいたのんでたでしょ！」とお母さんがいいますが、「きいてませ～ん」と、スケボーにのっていってしまいました。 【scene 03】 大ぐいうちゅう人？ 町はずれの広場（ひろば）で、ギギがけん玉をふりまわしてあそんでいます。ともだちのバースもいます。やってきたパンタは、けん玉にぶつかりそうになり、よけたひょうしにスケボーがとんでいきました。ものかげにいたなにかにぶつかったようですが…。「アンタたち、大ぐいうちゅう人のうわさ、しってる？」とギギ。地球（ちきゅう）に銀河系（ぎんがけい）一大ぐいのうちゅう人がやってきたらしいのです。「そこらじゅうのもの、なんでもたべちゃうんだって。ぜんしんトゲだらけで、口はワニみたいで…」とギギがおどかしたので、パンタはふるえあがりました。 【scene 04】 だれかがものかげできいていた そのとき、よびだし音がなりました。パンタのぼうしには、お父さんやお母さんとおはなしできる“つうしんきのう”がついているのです。「こらっ、パンタ！　きょうは家（いえ）の手つだいするようにいったろ。かえってきなさいっ！」。いそいでかえっていくパンタ。「もうかえっちゃうの？　パンタ、ともだちでしょ？　大ぐいうちゅう人がきたらどうすんのよ！」。ギギがそういうのを、ものかげでだれかがきいていました。「トモ…ダチ…？」。すると、すごい風（かぜ）にギギのけん玉がすいよせられ、「パクンッ」とのみこむ音が。そっちを見たギギとバースは、「ひいいっ！」…。 【scene 05】 まるくて頭のてっぺんがフワフワして… パンタのお父さんがのんびりマッサージしていると、ピエールさんがとびこんできました。「ご主人（しゅじん）！　おちついて、おちついて！　なんと、あのでんせつの大ぐいうちゅう人が地球（ちきゅう）にきているらしいんでございますよっ！」。ピエールさんがせつめいします。「まるくて、頭（あたま）のてっぺんからフワフワした毛（け）がはえていて…」。そこへ、パンタがかえってきました。そのあとをフワフワしたものがついていきます。それに気づいたピエールさん、「そうそう、あんなかんじのまるくてフワフワの…フワ？　ギャアアアーッ！」。 【scene 06】 「パンタ、トモダチ！」 パンタがおふろ場（ば）のそうじをはじめました。「いそがしいぞ、いそがしいぞ」。すると、「イソガシイ、イソガシイ」とまねをして、フワフワしたものが出てきました。「うわっ、おまえだれだ？」。フワフワしたものは、「…パンキチ」とこたえます。「ぼく、パンタってんだ」。「パンタ、パンタ、トモダチ！」。パンタが「ともだちになりたいのか。そしたら、そうじ手つだってくれよ」というと、「トモダチ、テツダウ！」とパンキチ。そこで、パンキチにせんざいをとってきてもらいます。ところが、ソフトのほうをとたのんだのに、パンキチはパワーせんざいをもってきてしまいました。 【scene 07】 パンキチが手つだってくれたけど 「それーっ。ゴシゴシ！」。パンタがデッキブラシでみがきます。「ブクブク、ゴシゴシ」。パンキチも手つだいます。すると、だんだんあわがたって、二人のすがたも見えないほどあわだらけになりました。「もしかして、パワーせんざいのほうをつかっちゃったかな？」とパンタ。「プププーッ」。「うは～、まてまてえ～」。パンタとパンキチは、あわの中でおいかけっこをはじめました。「こら、なにやってんだ！　パワーせんざいはしようきんしだって、いつもいってるだろ！」とお父さんが入ってきました。「ごめんなさい…」とあやまるパンタです。 【scene 08】 ひとりぼっちのパンキチ 「ちえっ、パンキチのせいでおこられたじゃん」。「キュ～ン」。パンタとパンキチがいっしょに銀河の湯（ゆ）のおふろに入っています。「そうだ、パンキチはどこからきたんだよ」ときくと、「トオイホシ」というこたえ。パンキチはひとりぼっちでやってきたのでした。「トモダチ、イナイ…。トモダチ、ホシイ」。いままでともだちもいなかったときいて、パンタはかんがえこみます。 【scene 09】 「だいじなパンツだけど、あげる！」 おふろから上がると、パンキチはパンタのパンツを頭（あたま）にかぶってよろこんでいます。「あはは、ちがうよパンキチ。それはパ・ン・ツ！　はくもの」。パンツをはくパンキチ、こんどはまえうしろがぎゃくです。でも、ちょうどパンツのあなからしっぽが出て、「ピッタリパンツ！」とよろこんでいます。「チョーダイ、パンツチョーダイ！」といわれ、まようパンタ。そのパンツは、おむつがとれた日におばあちゃんからプレゼントされただいじなパンツなのでした。でもパンキチがひとりぼっちなのをおもいだしたパンタは、「よし。ぼくのパンツ、あげる！」といいました。すると…。 【scene 10】 パンキチが大へんしん！ 「ププププーッ！」。よろこんだパンキチの口が大きくあくと、ゴゴゴゴーッとすごい風（かぜ）がおこりました。すいこまれそうになって、はしらにしがみつくパンタ。タオルがどんどんパンキチの口にすいこまれます。「やっぱり！　うわさの大ぐいうちゅう人ですー！」というと、ピエールさんもすいこまれていきました。「ゴックン。キュ～」。パンキチが口をとじると、あわもゴミもきえて、銀河の湯（ゆ）はすっかりきれいに。「パンキチ、おまえすっごいなあ！」。お父さんも、「二人ともよくやった。日本シリーズにまにあうぞ！」とよろこんでいます。「あれ？　ピエールさんは？」。 【scene 11】 「う、う～ん…。ここは？」 「う、う～ん…。ありゃ、ここは？」。ピエールさんが気がつくと、まわりはゴミやあわだらけです。見ると、空に星（ほし）が大きくかがやいています。「あの青くうつくしい星は…？　ちっ、地球（ちきゅう）ーーっ？」。するとなにかがとんできて頭（あたま）にあたり、ピエールさんは、またきぜつしてしまいました。とんできたのは、ギギのけん玉でした…。

銀河銭湯パンタくん

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こっそりつかうピエールでんわ

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ピエールがなくした携帯電話を見つけたパンタたちだが、かかってきた電話に勝手に出て「銀河ノ湯」の宣伝を始めてしまう。

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【】 オープニング （オープニングテーマ） 【scene 01】 “銀河ノ湯”せんでんのビラを 本日も銀河町（ぎんがちょう）は晴天（せいてん）なり～。パンタは“銀河ノ湯（ゆ）”のせんでんのために、お父さんからビラくばりをたのまれます。「さあ、これでたっぷり銀河ノ湯のせんでんしてくれよ」。山のようにつまれたビラに、「これぜんぶぼくたちがくばるの！？」とパンタはびっくり。どうやらさいきん銀河ノ湯にきてくれるおきゃくさんがすくなくなっているらしいのです。「それもこれも、ぜんぶお父さんのせい…」と、なにやらブツブツいいはじめるお父さん、「ということで、パンタ！　パンキチ！　よろしくたのんだぞ」。 【scene 02】 パンキチを見たピエールさん… 「銀河ノ湯、銀河ノ湯をよろしくおねがいしまーす！」。「オネガイシマース」。パンタとパンキチがビラをくばっています。そこへピエールさんがやってきました。なにかさがしているようです。「ギンガノユ」とパンキチからビラを見せられ、「はいはい、銀河ノ湯ね…銀河ノ湯…銀河ノ湯にきて…トーネル星人（せいじん）の子どもがいて…気がついたら…べつの星（ほし）…！」。とつぜんピエールさんは、このまえパンキチにのみこまれてしまったことをおもいだしました。「ぎょえええーーーつ！　わぁーっ！」。にげまわるピエールさんです。 【scene 03】 けいたいでんわをなくしてしまった ピエールさんは、だいじなけいたいでんわをなくしてしまったのです。朝（あさ）から商店街（しょうてんがい）をさがしまわったのですが見つかりません。あとは広場（ひろば）だけだといいます。そのとき、時計（とけい）のアラームがなりました。「おっとと、時間だ！　時計はどこだ？」。ピエールさんが自分（じぶん）のアフロヘアーの中をさがすと、リモコンやけん玉やいろんなものがとびだしてきました。「わたくし、つぎの商談（しょうだん）にむかわないといけませんですっ！　ど、どうしましょう？」。パンタは、「ぼくらが広場でけいたいをさがしといてあげるよ」といいました。 【scene 04】 ピエールさんのでんわがなって 広場（ひろば）でパンタとパンキチがけいたいをさがしていると、草むらからよびだし音がきこえます。「アッター」。おもわずでんわに出るパンタ。「ピエールくんかね。いったいなにやっとるんだ！　今日（きょう）はだいじなけいやくの日じゃないか！」。社長（しゃちょう）さんからでした。そのときパンキチが「ノド、カワイタ。フルーツミルク、テンネン！」といったのがきこえたようです。「天然（てんねん）のフルーツミルクじゃと？」。パンタが「銀河ノ湯のフルーツミルクは、お母さんが手づくりしている」というと、社長さんはよろこんですぐに銀河ノ湯へかいにいくといいます。 【scene 05】 かってにでんわに出てはいけない？ 「やりぃ！　おきゃくさんがふえたぁ！」とよろこぶパンタとパンキチ。すると、「おーい、子どもたちよー。おとなのけいたいでんわに、かってに出てはいけないぞよー」という声（こえ）がします。「えっ、ダメ…？」とパンタ。するとまたでんわがなりました。出るか出ないかまようパンタ。でも「パンタ、センデン。オキャク、イッパイ！」とパンキチにいわれ、でんわに出て、銀河ノ湯のせんでんをはじめます。「はい、ええ。それなら銀河ノ湯はいかがでしょうか。たまったつかれがぜーんぶとれちゃいますよー。ハイ、おまちしております～」。おきゃくさんがふえそうだと、大よろこびの二人。 【scene 06】 どんどん銀河ノ湯をせんでん ピエールさんのけいたいでんわに、つぎつぎにでんわがかかってきます。「ただいまもれなく天然（てんねん）フルーツミルクをプレゼント！」。「おふろ上がりのマッサージサービスもございますよ！」。「ただいま、あわたべほうだい、お湯のみほうだいのキャンペーン中！」。パンタがでんわに出て、おもいつくままに、どんどん銀河ノ湯のせんでんをしています…。 【scene 07】 銀河銭湯大はんじょう… おおぜいのおきゃくさんで銀河ノ湯は大にぎわい。天然（てんねん）フルーツミルクのプレゼントにマッサージサービスと、お父さんはてんてこまいです。そこへ、ピエールさんが大よろこびでやってきました。社長（しゃちょう）さんが天然フルーツミルクをとても気に入って、商売（しょうばい）がうまくいったのです。よろこぶパンタとパンキチ。すると、「おいっ、おまえたちだろ。ピエールさんのけいたいでんわでうちのでたらめなせんでんしたのは！」とお父さん。パンタたちは、「かってに人のけいたいに出るんじゃないっ！」としかられてしまいます。 【scene 08】 「パンタ、パンキチ、パンパンパンツー！」 ようやくさいごのおきゃくさんがかえっていきました。「パンタ、パンキチ、ごくろうさま」。お父さんがフルーツミルクをくれました。「ピエールさんからはなしはきいたよ。これからは、人にめいわくをかけないように、こまった人がいたらたすけてあげなさい」といいます。「はーい。よし、パンキチ。もっともっと、こまってる人をたすけてあげよう！」。パンタがそういうと、「パンタ、パンキチ、パンパンパンツー！」とパンキチがたのしそうにいいます。「あははは。よし、これがぼくらの名前（なまえ）だな。パンパンパンツー！」。

銀河銭湯パンタくん

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もったいない！ゴミほどお宝！？

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部屋の掃除をしていたパンタたちは、まだ使えるものまで捨ててしまい、平面生物・レガスから物の大切さを教わる。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 “パンパンパンツー”のしごと！ パンタくんのへやで、パンタとパンキチが町の地図（ちず）をひろげてなにやらそうだんをはじめました。二人あわせて“パンパンパンツー”で、町のこまっている人たちをたすけてあげようというのです。うまくいけば、またフルーツミルクがもらえるかも！　そこへお母さんが入ってきました。「こんどのフリーマーケットに出すものとすてるものを、今日（きょう）じゅうにわけてちょうだい」といいます。「えーっ。パンパンパンツーのしごとがあるのに！」。 【scene 02】 どんどんおもちゃをなげすてたら… おもちゃのせいりをはじめると、パンキチは「イーラナイ！」とつぎつぎにおもちゃをなげすてはじめます。「まってよ。今（いま）はいらないけど、いつかつかえるかもしれない…」。パンタがそういうと、ドッチロンがあらわれました。「ドッチ、ドッチ。イル？　イラナイ？」。でも、「あー、やっぱりめんどうくさい。ぜんぶいらな～い！」と、パンタも手あたりしだいにおもちゃをすてはじめます。そのとき、「ぎゃーーーっ！」。まどの下からひめいが。見ると、まどがあいていました。ということは…。「パンキチ、出動（しゅつどう）だ！」。 【scene 03】 「ごきんじょのそうじをしてきなさい！」 銀河ノ湯（ぎんがのゆ）の前（まえ）で、ピエールさんがゴミの山にうもれていました。「ピエールさん、だいじょうぶ？」とパンタ。ひめいをきいてお母さんもやってきました。あるいていたピエールさんは、『今日（きょう）はなんといいお天気なのでありましょうか』と空を見上げたところ、とつぜん空からかいじゅうがおちてきて、ぶつかってひっくりかえったのでした。「とにかくピエールさん、しばらくうちで休んでいって」。ピエールさんをつれていくお母さん。「パンタ！　パンキチ！　ばつとして、ごきんじょのそうじをしてきなさい！」。 【scene 04】 ゴミの山で見つけたもの パンタとパンキチがごきんじょをそうじしています。「フライデー5000のやつ、おそいなぁ。どこまでいったんだろう？」。そのころフライデーは広場（ひろば）でゴミをあつめていました。でもはたらきすぎて、けむりをはいてとまってしまいます。そこへやってきたパンタは、ゴミの山に人形（にんぎょう）を見つけてびっくり。「うそぉ、ビッグバン・ベイビーの正体（しょうたい）の白木虎雄（しろき・とらお）のフィギュア！　超（ちょう）レアものだよ。もったいない」。するとどこからか、「もったいない！」という声（こえ）がしました。 【scene 05】 『もったいない！』 あらわれたのは、地下（ちか）にすみながら銀河町を見まもっていて、なんでも知っているなぞのおじさん、レガスです。「まだまだつかえるのにもったいない。きみたちもそうおもうぞな～？」とレガス。「この人形（にんぎょう）すてる人がいるなんてしんじられないよ。ぼくにとっちゃおたからだよ」とパンタ。「そのとおり。自分（じぶん）がつかわなくなったものでも、ほかの人にとってはひつようなものかもしれないぞよ」といわれ、「お母さんがよくやるフリーマーケットもそういうことか」とパンタは気がつきました。 【scene 06】 こわれたおもちゃをしゅうりする パンタとパンキチはレガスといっしょに、こわれたおもちゃをしゅうりしています。パンタは、さっきまどからなげすてたビッグバン・ベイビーのこわれたうでをくっつけました。そして、フライデー5000もしゅうりしました。すてられていた時計（とけい）や電卓（でんたく）がつけられ、前（まえ）よりずっとカッコよくなりました。「カッコイイ…ウ、ウレシイ」とフライデーもよろこんでいます。「ふふふ。二人とも、よいことをしたぞよ～」とレガスにほめられ、「パンタ、パンキチ、パンパンパンツー！」とよろこぶ二人です。 【scene 07】 ピエールさん、大よろこび そこへ、「わお、わお～！」とピエールさんがやってきました。「パンタさん、これどうしたんでございますか」。すてられていたものをしゅうりしてつかえるようにしたときいてびっくり。「ということは、タダでございますですか、これ？」。ピエールさんにとってはこういうものが“おたから”でした。「これはたいへんなビジネスチャンス。このおたからをほかの星（ほし）でうってきますです！」と大こうふん。おれいにと、パンタのお母さんからもらったてんねんフルーツミルクをくれました。パンキチは大よろこびです。 【scene 08】 よろこびすぎたパンキチが ところが、「ププププーッ！」とよろこんだパンキチの口が大きくあくと、ゴゴゴゴーッとすごい風（かぜ）がおこりました。おたからも、ピエールさんもすいこまれてしまいました。ひっしで木にしがみつくパンタ。「ゴックン。キュ～」。パンキチが口をとじると、ピエールさんのフルーツミルクがころがっています。ひろい上げたパンキチがいいました。「モッタイナイ」。 【scene 09】 ピエールさんが気がつくと… ピエールさんが気がつくと、どこかの星（ほし）にいました。“おたから”にうもれています。「ん…、ここは…？」。するとそこへ、ツアーのはたをもったうちゅう人の団体（だんたい）がやってきました。「モッタイナイ、モッタイナイ…」といいながら、ピエールさんのおたからをぜんぶもっていってしまいます。「あら？…みなさん？　みなさん、それ…あっはっは…。モッタイナ～イ！」。

銀河銭湯パンタくん

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銭湯先生はおせっかい？

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銭湯に入ったことのないバースに、入り方を競うように教えるパンタとパンキチだったが、親切が過ぎてバースを困らせてしまう。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 こまったことはパンパンパンツーに 「えー、こちらは“パンパンパンツー”でございます。こまっている人はいませんか。…どんなことでも、こまったことはパンパンパンツーにおまかせあれ～」。パンタとパンキチがチラシをくばっています。そこへピエールさんがとおりかかりました。ピエールさんのカバンをもってあげようとするパンタ。でも「自分（じぶん）でもちますから」とことわるピエールさんとひっぱりあいになり、とうとうカバンのふたがパーンとひらいて中身（なかみ）がぜんぶとびだしてしまいました。「あ～もう、なにをするのでございますか！」。「ごめんなさ～い」。 【scene 02】 バースが銀河ノ湯に？ 「こまっている人を見つけるのってむずかしいなぁ」とパンタ。「こまったこまった…」とつぶやくパンタとパンキチは、「なあんだ。ぼくらがいちばんこまってんじゃん」と大わらい。ふと見ると、バースが銀河ノ湯（ぎんがのゆ）の前（まえ）でうろうろしています。「おーい！バース！」。パンタが声（こえ）をかけるとバースはびっくりしてにげていってしまいました。「プププーッ。パンキチ、オッカケルーッ」。パンキチがおいかけていきます。ひっしでにげるバース。おいかけるパンキチ。「プップップー」。 【scene 03】 またピエールさんのカバンが 広場（ひろば）でピエールさんがギギに、カバンがこわされた話（はなし）をしています。「ギギさん、ほんとにあの二人にはちゅういされたほうがよろしいでござ…」といいかけたところへ、「ギギ、どいてどいて！」と、バースとパンキチがはしってきました。うしろからパンタもスケボーでおいかけてきます。「なんなの！　こっちこないでよ～！」。ギギがさけびますが、ドスーンとぶつかり、ピエールさんのカバンがふっとんで中身（なかみ）がぜんぶとびだしてしまいました。「デジャブでございます～」とピエールさん。 【scene 04】 銭湯に入ってみたかった バースは銭湯（せんとう）に入りたいけど入り方がわからずこまっていたというのです。「なんで銭湯に入ってみたいわけ？　家（いえ）にでっかいおふろあるんでしょ」とギギがいいます。「だって、みんなたのしそうに銀河ノ湯から出てくるんだもん。でもぼく、あついお湯（ゆ）がにがてで…」とバースがいいかけますが、「そうだ！　ぼくらが銭湯の入りかたおしえてあげるよ！」とパンタがいいました。「うちのおふろ、あつくて気もちいいよ～」。バースはしんぱいそうにつぶやきました。「あつい…？」。 【scene 05】 銭湯の入りかたをおしえてあげる バースとパンタとパンキチが銀河ノ湯にやってきました。「まずは、ここでお金をはらいます」。パンタがお金のはらいかたをおしえます。そこへパンタのお父さんがやってきたので、ともだちのバースに銭湯の入りかたをおしえてあげていることをはなしました。お父さんは、いつのまにかパンタが成長（せいちょう）して、“銭湯の先生”になっていることにかんどうしています。そして、「いいかい、バースくん。この銀河ノ湯はだね、昭和時代（しょうわじだい）からつづく…」とせつめいをはじめますが、気がつくと三人はいなくなっていました。 【scene 06】 はずかしくてふくがぬげない… 「ここでふくをぬぐんだよ」。パンタはバースを脱衣場（だついじょう）につれてきました。でもバースははずかしくてふくがぬげません。「それにぼく、あついお湯（ゆ）がにがてで…」といいかけるのですが、さっさとふくをぬいだパンタにはきこえず、「早く入ろうよ～」とせかされます。すると、ドッチロンがあらわれました。「入る？　入らない？」。まようバース。すると、「入るにきまってるじゃん！」と、パンタとパンキチはバースのふくをぬがせてしまいました。 【scene 07】 あついお湯がしんぱい 「おふろにつかる前（まえ）に、“かかり湯（ゆ）”といってかるくお湯をあびるんだよ」とパンタがせつめいします。「あつくて、いい湯かげん。気もちよさそう！」とパンタ。ところがバースはなぜかこまったようす。こんどはパンタの前（まえ）にドッチロンがあらわれました。「かける？　かけない？　ドッチ！」。パンタは、「でも銭湯の入りかたをしりたいといったのはバースだもんな。そうら！」と、お湯をバースにかけました。「あぢぢぢぢ！」とバース。「あれえ、なにかいやなのかなぁ」とおもうパンタ。 【scene 08】 タオルは湯ぶねにつけちゃいけない 「シャンプーごしごし。リンスごしごし。せっけんごしごし」。パンタとパンキチはバースをあらってあげました。「ごしごし」。「あわわわ…」。三人ともあわだらけです。そしておふろに入ります。「タオルは湯（ゆ）ぶねにつけちゃいけないんだよ」とパンタ。「ここ、ちょうどいいじゃん」と、パンタとパンキチはバースの頭（あたま）の上にタオルをのせました。すると、うちゅう人のおきゃくさんたちも、どんどんバースの頭の上にタオルをおいていきました。「あ、頭がおもい…」。 【scene 09】 「あつくて、あつくて…」 「ねえねえ、バース。銭湯の入りかたわかった？」ときくパンタ。でも、「わ、わかったひょ～ふ～」とバースはふらふらです。「そうだ、わすれてた。銀河ノ湯のいちばんの“うり”。お湯（ゆ）につかりながら銀河富士（ふじ）が見えるんだよ！」。パンタとパンキチは、銀河フジがよく見える場所（ばしょ）へと、バースを湯ぶねの中をあっちこっちひっぱりまわします。「ぎ、銀河フジキレイ…。でも、もう、あつくて、あつくて…ぐぬぬぬ…」。バースはとうとう目をまわしてしまいました。 【scene 10】 いきすぎたしんせつは“おせっかい” 「だいじょうぶかい、バースくん」。パンタのお父さんがバースをかいほうしています。「ぼく、あついお湯（ゆ）がにがてで…。でも、おふろあがりのフルーツミルクがおいしいしいってきいて…。一度（いちど）入ってみたかったんです」。お父さんはパンタとパンキチをよんでいいました。「人にしんせつにしてあげようとするしせいはいいが、あいての気もちをかんがえないでするいきすぎたしんせつは“おせっかい”ってんだよ。こないだもおまえたち…」。すると、バタリ！　パンタとパンキチものぼせてたおれていました。「バ～ス～、おふろあがりは、フル～ツミルク～だよ～」。 【scene 11】 うわさのドレープさん？ ピエールさんがのんびりと銀河ノ湯のおふろにつかっていると、浴室（よくしつ）に歌声（うたごえ）がひびきわたりました。「♪ア～ア～ア～ア～　すみわたるうぅうぅうぅ～　青空よおぉおぉおぉ～♪」。ピエールさんは、ハッとして、「はくりょくまんてんのこの歌声、ひょっとして、うわさのドレープ…ドレープさんでは！？」。おんな湯とのさかい目にシルエットがうかび、ドレープさんがあらわれました。「…なによ」。

銀河銭湯パンタくん

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ドレープのあいさつ講座

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パンタたちに仕事服を選んでもらったピエールが取引先で叱られ帰ってくる。ピエールはドレープの指摘により、礼儀がなってなかったことに気づく。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 “なみだジョー”のピエールさん 本日も銀河ノ湯（ぎんがのゆ）の湯かげんは最高（さいこう）！　みんな、おふろをたのしんでいます。ところが、「はぁ…。はぁ…でございますです」。ピエールさんはなんだか元気（げんき）がありません。「どうかしたの？」とパンタがきくと、「じつは、しごとでおきゃくさまをたいへんおこらせてしまいまして…。目からなみだジョーでございます！」と、ピエールさんは、たきのようななみだをながしてなきだしてしまいました。 【scene 02】 ドレープさんの家をたずねて… 銭湯（せんとう）の中で、ピエールさんが“カバンえいしゃき”でえいぞうをうつしだして、みんなにせつめいをはじめました。それは、ピエールさんがあのドレープさんの家（いえ）をたずねたときのこと。おすすめのけしょうひんをかってもらおうと、うつくしいドレープさんにひっしにセールスをしてみたのですが…。 【scene 03】 おこりだしたドレープさん ――「アンドロメダよりごめんあそばせ。こんにちは…」とドレープさん。ピエールさんは「ああ、ドレープさんですね。あのですね、なんでもドレープさんは…」とセールスをはじめます。「コホン…こんにちは」とドレープさん。「きいてきいて。本日はおすすめの…」としゃべりつづけるピエールさん。「…コホン…こんにちは」。「なんと、こちらのしょうひんは…」。するとドレープさんはおこりだしました。「おだまんなさい！　なにかわすれてはいませんか！」。でもピエールさんにはわかりません。「むねに手をあてて、よーくかんがえてごらんなさい！」とドレープさん。 【scene 04】 おしゃれじゃないからおこった？ そういわれ、むねに手をあててみたもののさっぱりわからないというピエールさん。「んん？　もしやこのネクタイがおしゃれじゃないからドレープさんはおこったのでしょうか」といいます。「それならぼくたち“パンパンパンツー”にまかせてよ！」とパンタ。すると「ちょっとまったあ！」という声（こえ）がきこえました。見ると、ギギが女湯（ゆ）の上からのぞいています。「しまパンの二人にオシャレのなにがわかるっていうの。オシャレのことならこのワタシにきいてよね！」。 【scene 05】 ギギのファッションショー そこで、ギギのファッションショーのはじまりです。モデルはピエールさん。でも、火星人（かせいじん）むけのドレスはそでがおおすぎてこんがらがってしまいます。ゆめの国（くに）の王子さまのような白いぼうしに白いマントは、王子さまというよりおひめさま。ハロウィンとクリスマスのイメージの電気（でんき）かざりはまぶしすぎてあるけません。「ちと、はですぎやしませんか？」とピエールさんはいいますが、「え？　なによ！」とギギにいわれ、だまってしまいます。「ふんっ。ほんとにセンスのない人ねっ！」とギギ。 【scene 06】 もういちど出かけたピエールさん つぎの日、ピエールさんがビジネスマンスタイルであらわれました。「あはっ。にあってるよ！」、「ププププ。ニアウ、ニアウ！」とパンタ、パンキチ。「まぁ、じみだけどれいぎ正しいファッションじゃない？」とギギ。「これでバッチリでございますです、はい。それでは、いってまいりますでございます！」と出かけたピエールさんですが…。「うぇぇぇぇ…。もどりましたじょ～」。たきのようななみだをながしながら、たちまちもどってきました。だめだったのです。『きのうとおなじで、なにもなおってない』といわれたそうです。 【scene 07】 ドレープさんがあらわれた！ また“カバンえいしゃき”で見てみます。――「こんにちは」とドレープさん。「きいてきいて、おすすめのしょうひんを…」とピエールさん。「…コホン…こんにちは…」とドレープさん。「ぜひ、ぜひ、ドレープさんに…」――。そのとき、「そこでストップ！」という声（こえ）がして、ほんもののドレープさんがあらわれました。「アンドロメダよりごめんあそばせ。こんにちは～」。びっくりしたパンタたちは、「ねえねえ、ピエールさんのようふくダメだった？」「ワタシのえらんだふくが気に入らなかったの？」と口々にはなしかけました。 【scene 08】 「あいさつ…？」 すると、「みんなまちなさい。そんなにいっぺんにしゃべって、ドレープさんもこまっちゃうでしょ」とお母さんがあらわれました。「こんにちは、はじめまして。パンタの母でございます。もしよろしければ、ピエールさんにおこっているわけをおしえてくださいませんか」。するとドレープさんは、「パンタさんのお母さまは、気もちのいいごあいさつをなさるわねぇ」といったのでした。「あいさつ…？」とパンタたち。すると、ピエールさんのまわりにドッチロンがあらわれました。「タダシクデキタ？　デキテナイ？　ドッチロン～」。 【scene 09】 ドレープさんがあいさつしたのに そこでパンタは気がつきました。「わかったぁ！　ドレープさんが『こんにちは』ってあいさつしたのにピエールさんは…」。「あちゃ～っ。こんにちはっていってなかったでございますです！」とピエールさんにもわかりました。「とほほ…おはずかしい…」。ドレープさんがいいました。「そうです。あたくしはたしかにビューチフルなものをあいしておりますわ。でもそれは、見た目やきているふくのことだけじゃありませんのよ。きちんとあいさつもできない人が、いくらいいおようふくをきてもだいなしですわ」。 【scene 10】 よろこんだパンキチが それでもドレープさんは、ピエールさんおすすめのけしょうひん“ハツミツパック”はパンタのお母さんがつくっているときいて、かってくれました。「きれいなごあいさつができる方（かた）がつくったもの。きっといいものにちがいないわ」。そして「またおあいしましょう」と、きえていきました。「さようならでございます～！」。「さようならー」。「サヨ・オナラー」。ところが、よろこんだパンキチの口が大きくあくと、ゴゴゴゴーッとまたもやすごい風（かぜ）がおこり、ピエールさんはすいこまれてしまいました。「ゴックン。キュ～」。 【scene 11】 トーネル式のごあいさつ？ またどこかの星（ほし）にとばされたピエールさん、すっかりなれたようすでお茶（ちゃ）をのんでいます。ふと見るとだれかいます。それはトーネル星人（せいじん）でした。「あら、こんばんは。またお会いしましたねぇ。あはは、トーネル式（しき）のごあいさつもおぼえましたよ。プププププ～でしょ」とピエールさん。するとトーネル星人が「プププププ～グァ～～！」と大きな口をあけ…。

銀河銭湯パンタくん

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オバケモールは危険がいっぱい！

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母がハチミツ採取をしている危険な場所にこっそりついていったパンタたち。パンキチともはぐれたパンタは光る宇宙人・スベトンを人魂と間違えて大騒ぎ。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 パンタとパンキチのプロレスごっこ 本日も銀河町（ぎんがちょう）は晴天（せいてん）なり～。とおもったら、くろい雲（くも）がひろがり、いなずまがひかりました。ゴロゴロゴロ、ピカッ！なにか不吉（ふきつ）なことがおこりそうな雰囲気（ふんいき）です。　パンタの部屋（へや）ではパンタとパンキチがプロレスごっこをしています。「フライング・ボディアタック！」。パンキチにとびかかったパンタ。ちょうどそこへはいってきたお母さんにそのままぶつかって、三人ともひっくりかえってしまいました。それでもプロレスごっこをやめないパンタに、「試合（しあい）しゅうりょうーっ」とお母さん。 【scene 02】 きけんなオバケモール？ 「これからちょっとハチミツとってくるから、かえってくるまでにしゅくだいおわらせときなさいよ！」とお母さん。「パンキチ、シュクダイ、ナイ」と、パンキチもついていこうとすると、「ダメよ！　森のおくへいくとちゅうには、大人でも立ち入りきんしのきけんなオバケモールがあるんだから」といいます。お母さんがいってしまうとパンタがいいました。「なあなあ、パンキチ。オバケモールのうわさ、しってるか？」。そして、「これはピエールさんからきいた話（はなし）なんだけど…」とはなしはじめました。 【scene 03】 オバケモールのおそろしいうわさ オバケモールというのはふるいショッピングモールで、そこに入るとたいへんな目にあうらしいのです。おなかをすかせたゾンビにおいかけられたり、くらやみからばけネコのなき声（ごえ）がきこえてきたり、いつのまにか人だまにかこまれたり…。いまだにかえってこない人が何人（なんにん）もいるらしく、それで立ち入りきんしになったというのです。ちょっとふるえるパンキチ。でも、「おまえ、こわいのか？」といわれ、「パンキチ、コワク…ナイ。オバケモール、イク！」といいました。「そうこなくっちゃ！」。パンタとパンキチはこっそりお母さんのあとをつけていきます。 【scene 04】 お母さんのあとをつけて 森の中をいくお母さんを、パンタとパンキチは草のしげみにかくれてついていきます。カサカサカサ。「ん？　…気のせいか」とお母さん。ところが、「パンキチ、オナカスイタ…」。パンキチのおなかが「グルルル」となりました。「やっぱりなにかいる！？」とみがまえるお母さん。パンキチはとっさにトラやライオンのまねをしてごまかします。お母さんがすっかり信じたので、パンキチは大よろこび。こうふんしたパンキチの口が大きくあくと、ゴゴゴゴーッと空気がすいこまれていきます。「すごい風（かぜ）！　今日（きょう）の天気は大あれね。いそがなきゃ！」。お母さんはつなにつかまり、空をとぶようにいってしまいました。あわてておいかけるパンタたち。 【scene 05】 「パンタ、コワイ？」 「お母さん、どこいっちゃったんだろう」。うすぐらい森のおく、前方（ぜんぽう）にオバケモールのぶきみなすがたがあらわれました。「うわああああーっ！　どうする、パンキチ。入ろうか…。あの…ひきかえしてもいいんだぜ」。すると、「パンタ、コワイ？」とパンキチ。「こわいわけないだろ！」とパンタ。とつぜんドッチロンがあらわれました。「ドッチドッチ？　ハイル？　カエル？」。パンタがまよっていると、「パンキチ、コワクナイ！　ププーッ！」と、パンキチがはしって入っていきました。しかたなくおいかけるパンタ。 【scene 06】 ゾンビ、ばけネコ、人だま… 「お～い、パンキチ～。どこいっちゃったんだよ～」。オバケモールの中をおそるおそるあるいていくパンタ。なにかにぶつかり、「あ、ごめんなさ…！　うわあああああー！　出たーっ、ゾンビ～！」。マネキンにびっくりしてにげまわるパンタ。ようやくおちついてソファーにすわってふと見ると、「ばっ、ばけネコだあぁーっ！」。まねきネコにびっくりしてにげだします。「はぁ…もうつかれた…パンキチのやつ、どこいっちゃったんだよ…。ん？」。気配（けはい）をかんじてふりむくと、人だまが！ 「ひっ、人だまだぁーっ。うわああーっ。たすけてぇーっ！」。 【scene 07】 パトロールしているスベトンさん 「う、うーん。ここは…？」。パンタが気がつくと、目の前（まえ）に人だまが…！しかし、よくみると、だれかの鼻（はな）がひかっているのでした。「ぼうず、気がついたかえ？」ひかる鼻（はな）のもちぬしは、スベトンという名前のグリープ星人（せいじん）でした。スベトンさんは、このオバケモールにすんでいて、このたてものがふるくていつくずれてくるかわからないきけんなところなので、子どもが入ってきたときのためにパトロールしているのだそうです。「あは、ありがとう」とパンタ。 【scene 08】 「パンキチ！　どこいってたんだよぉ！」 するとそこへ、「♪プ～ププ～♪」と鼻歌（はなうた）をうたいながらパンキチがやってきました。「あぁっ、パンキチ！」。パンタはパンキチにかけよりました。「ププーッ。パンタ！」。「パンキチ！　どこいってたんだよぉ！」。そのとき、よびだし音がなってパンタのぼうしから小さなマイクが出てきました。「パンタ！　あんた、どこであそんでんの！　もうかえる時間（じかん）とっくにすぎてるでしょ！」。心配（しんぱい）したお母さんからの電話（でんわ）でした。「わあ～っ、お母さん！　うん、すぐかえる！」とうれしそうなパンタに、スベトンさんは二人を家（いえ）までおくってやるといってくれました。 【scene 09】 今日のことはぜんぶヒミツ？ 「ヒョヒョ。おまえさんもはんせいしてるようじゃし、オバケモールにきたことはお母さんにないしょにしておこう。そのかわり、二度（にど）と子どもたちだけできけんな場所（ばしょ）にちかづくんじゃないぞ」とスベトンさんがいいました。「はい。ありがとう。さよならー」。今日（きょう）のことはぜったいお母さんにひみつだからなというパンタ。パンキチはオバケモールのおかしうり場（ば）でケーキをたべほうだいだったのですが、「何年前（なんねんまえ）のケーキだよ？」といわれ、きゅうにおなかをおさえてトイレにかけこんでいきました。「とにかく、ぜんぶヒミツなんだからな～！」。パンタの大声（おおごえ）でヒミツはばれて、けっきょく二人ともしかられてしまったのでした。 【scene 10】 「ともだちっていいもんじゃな…」 「ヒョヒョヒョ。ひさしぶりのおきゃくさんじゃったなぁ」。スベトンさんがオバケモールのベッドの中でつぶやきました。「ヒョヒョヒョ。ともだちって、いいもんじゃな…。ガンさん…」。

銀河銭湯パンタくん

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ともだちだとも！

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パンタたちは、スベトンが仲直りしたいという宇宙人・ガンさんを探すことになるが、２人も仲違いに。しかし、スベトンたちの仲直りを見て2人も仲直りする。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 おわかれをいいにきたスベトンさん パンタたちが原（はら）っぱであそんでいます。パンタはスケボー、パンキチとギギはフリスビー、バースはゲーム。ギギがなげたフリスビーをパンキチがとりそこね、バースの頭（あたま）にあたりました。おかげでバースはゲーム機（き）をおとし、データがぜんぶきえてしまいます。だれのせいか、いいあらそいになるみんな。そこへ、「ヒョヒョヒョ～。な～にをけんかしとるんじゃあ。みんなともだちじゃろう？」とスベトンさんがやってきました。スベトンさんはパンタたちにおわかれをいいにきたといいます。「え？　おわかれ？」。 【scene 02】 きゅうになきだしたわけは… スベトンさんは、ピエールさんから別（べつ）の星（ほし）の仕事（しごと）を手つだってほしいといわれて、ひっこしをするというのです。そしてスベトンさんは、「ヒョヒョ…ヒョオォ…」となきだしました。「じつは、けんかしたままのともだちが地球（ちきゅう）にいてのぉ…ヒョヒョ。このままじゃと、なかなおりせんまま地球をはなれることになるのじゃ。そうおもったら…ヒョオォ～」。いったいどんなけんかをしたのかパンタがたずねると、「それがなぁ…」とはなしはじめました。 【scene 03】 ビリビリッとタオルがやぶれて 銀河ノ湯（ぎんがのゆ）でのこと。「地球（ちきゅう）の銭湯（せんとう）はええ湯じゃなぁ」。スベトンさんとガンさんがおふろに入っていました。ところがスベトンさんがガンさんのタオルをじぶんのタオルとかんちがいしてとりあいになり、二人ともひっぱったので、タオルがやぶれてしまいました。おもわず、「バッカじゃなかろか！」というスベトンさんに、「バカとはなんだ！」とガンさん。「とにかくあやまんなさい！」。「ガガガ！　そっちがあやまるまで、オデはここをうごガン！」。おこったスベトンさんはそのままおふろを出ていったのでした。 【scene 04】 「ガンサン、サガス！」 「それいらい、いちどもガンさんとはあっていないんじゃヒョオ～」。さびしそうにそういうと、「それじゃあ、みんな元気（げんき）でな。ともだちはだいじにするんじゃよ」とスベトンさんはさっていきました。「スベトンさん…」としんみりするパンタ。するととつぜん、「サガス！　ガンサン、サガス！　パンパンパンツー！」とパンキチがいいました。「そうだな、パンキチ！」。パンタもその気になります。「ププププーッ！　パンタ、パンキチ、パンパンパンツー！」。いつのまにか、ギギとバースもわりこんでいました。 【scene 05】 ビリビリッと紙がやぶれて みんなでガンさんをさがすビラをつくります。でもパンタは、「なんでギギたちも入ってるんだよ」とおもしろくありません。「ミンナデ、ヤル、ハヤイ！」といわれ、しかたなくパンタはビラの絵（え）をかくことに。ところが、じぶんがかくというパンキチと紙（かみ）のとりあいになり、ひっぱりあっているとビリビリッと紙がやぶれてしまいました。「パンキチがはなさないからだろ！　バカ！」。「プーッ。バカ、ダメ！　アヤマル！」。「パンキチがあやまれよ！」。二人はけんかになり、「かってにしろよ！」とパンタはいってしまいました。 【scene 06】 二人でパンパンパンツーだったはずなのに けっきょく、べつべつにガンさんをさがすパンキチとパンタ。「なんだよパンキチのやつ。パンタとパンキチ、ぼくら二人でパンパンパンツーだったはずなのに…」。オバケモールの前（まえ）で、パンタはばったりスベトンさんにあいました。「ガンさんのことさがしたんだけど、けっきょく見つからなかった。ごめんね」とパンタ。「いいんじゃ、ありがとう。もうおそいからおくっていこう」。銀河ノ湯にも入っていこうかなといったスベトンさんは、「ひょっとしたらガンさんがいるかもしれんし…」とつぶやきました。「えっ？」とパンタ。 【scene 07】 すなおにあやまるのってむずかしい 「もうかえんなきゃ」。「プ～ン」。ギギたちがかたづけをしています。けっきょく、パンタはあのままもどってきませんでした。「…プ～ン」と元気（げんき）のないパンキチ。「ぼくたち、むりやり二人にわって入って、わるいことしちゃったかな…」とバースがいいます。「う～ん、そうかもね。なんか、すなおにあやまるのって、むずかしいわね」とギギもいいました。パンタのハッピを手にとり、パンキチがつぶやきました。「パンタ…」。 【scene 08】 ガンさんがおふろの中にいた？ 「パンキチ…」。パンタが銀河ノ湯のおふろにつかっています。やっぱりさみしいようです。「それよりスベトンさん、やっぱりいないじゃん、ガンさん」とパンタがいうと、「いいや。いたわい」とスベトンさんがいいます。「え？　ぼくらしかいないよ」とおどろくパンタ。するとスベトンさんは、おふろの中の岩（いわ）にかたりかけました。「ガンさん。あのときはワシもいじになってしまって…。このとおりじゃ、なかなおりしてくれんか？　ごめんなさい」。すると岩がうごきだしたのです。「プシューッ！」。すごい水しぶきです。 【scene 09】 ずっとうごかずにまっていたガンさん うごきだした岩（いわ）の首（くび）がまわり、ガンさんの顔（かお）があらわれました。「ガガガガガ、スベトン！　オデも…オデもガンコだった！」とあやまるガンさん。二人とも、じぶんからはあやまらないといじになって、ずっとあやまるきっかけがなかったのです。パンタのお父さんは、ガンさんをてっきり銀河ノ湯の岩ぶろだとおもっていたといいます。いつからいるのかガンさんにきくと、なんと、かれこれ50年だというので、パンタはびっくり。「わるいとおもったらすなおにあやまって、ともだちはたいせつにするもんじゃな」とスベトンさんがいいます。 【scene 10】 パンタとパンキチもなかなおり 「うん…。パンキチ、ごめん」、「パンタ…ゴメン！」。パンタとパンキチも、あやまってだきあいました。すると、「なみだジョーでございますです！　わたくし、感動（かんどう）いたしましたでございますです。オイオイ…」とピエールさんがあらわれました。パンタが、「スベトンさんはいつ地球（ちきゅう）をしゅっぱつするの？」ときくと、「はへ？」とピエールさんにはなんのことやらわからないようす。「スベトンさん、別（べつ）の星でお仕事（しごと）するんでしょ？」。するとなんと、別の星とは、居酒屋（いざかや）『別の星』のことでした。「ウッヒョーッ！？」とひっくりかえるスベトンさんです。 【scene 11】 レガスのライバルとは？ 原（はら）っぱにおちていたフリスビーを、レガスが見つけました。「これは！　わがライバルが見たら、のどから手が出るほどほしがるぞよ～…ふっふっふっ」。そのとき、銀河ノ湯で、「ハーックションッ」とパンタのお父さんが大きなくしゃみをしました。「はて？　だれかがわたしのうわさでも？」。

銀河銭湯パンタくん

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ウソつきパンタ！？

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パンタはバースと自慢のコレクションを見せ合うことになるが自慢できるものがないので父のコレクションをこっそり持ち出す。しかし壊してしまう。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 一人とりのこされたパンタ 「へいへい、へーい！」。町はずれの広場（ひろば）でパンタたちがあそんでいます。ボールを「へいへい」といいながらパスしあう“へいへいボール”というゲームで、パンタが考（かんが）え出したあそびです。でもギギにはあまりおもしろくありません。それよりバースのメガネ型（がた）ゲーム機（き）を気に入りました。「ちょっとみんな、バースのゲーム、おもしろいわよー！」。するとパンキチやみんながゲーム機であそびはじめ、パンタだけとりのこされてしまいます。「ぐぬぬぬ…ムキーッ」。くやしそうなパンタです。 【scene 02】 お父さんのおたから？ 「なんだよ。パンキチまであんなゲームに！」。一人でかえってきたパンタはおもしろくありません。「ウチにもなにかじまんできるものがあればなぁ…」。家（いえ）ではお父さんがレガスさんにじぶんのコレクションを見せていました。ふるいラジオやアンティークなおもちゃを見て感心（かんしん）するレガスさん。「はて、こちらは？」と、『おたから』とかかれたはこを見つけてきくと、なぜかお父さんは「たいしたものじゃありませんよ。そ、それより…」と、ごまかします。そのようすを見ていたパンタは、「ん？ おたから？ そうだ！」と、おたからばこをこっそりもちだしました。 【scene 03】 おたからばこに入っていたのは 「ふふ。この中にすんごいめずらしいおもちゃが入ってんだから」。広場（ひろば）にもどったパンタがみんなにおたからばこを見せています。「プププーッ！ ハヤク！ ミル！ ミル！」とパンキチ。ところがふたをあけると、中から出てきたのは竹トンボです。でもみんなにはそれがなんなのか、どうやってあそぶのかわかりません。「楽器（がっき）じゃないの？」と、はじいたりたたいたりします。パンタは、こわされてはいけないとあわててとりもどそうとしますが、パンタの手があたって、竹トンボの羽（はね）がポッキリとおれてしまいました。 【scene 04】 「パンキチがのみこんじゃったんじゃない？」 「はぁ…。これって、のりでくっつくのかなぁ」。パンタが頭（あたま）をかかえていると、「おーい、パンタ！」とお父さんが入ってきました。あわてて竹トンボをかくすパンタ。「お父さんのおたからコレクションがなくなったんだが、パンタ、しらないか？」。お父さんが子どものころからずっとだいじにしているいちばんのたからものだときいて、だまりこむパンタ。するとドッチロンがあらわれました。「ウソツク？ ツカナイ？ ドッチドッチ？」。こわしたといったらしかられるとおもったパンタは、「パンキチがのみこんじゃったんじゃない？」といってしまいます。 【scene 05】 みんなにつめよられて おたからばこをせおってこっそり出かけようとしたパンタは、「どこいくの？」とお母さんに声（こえ）をかけられました。「学校にいくんだ」とごまかすパンタ。でも「きょうは日曜日（にちようび）よ」とお母さん。そこへ「ププププーッ！ パンキチ、ノミコンデナイ！ パンキチ、ハンニン、チガウ！」と、おこったパンキチがとびだしてきました。「パンキチ、これにはわけが…」となだめるパンタ。そこへギギたちが「コレクション見にきたよ～。どこどこ、コレクション」とやってきました。みんなにつめよられて、とうとうパンタはにげだします。 【scene 06】 レガスさんのところへ パンタはこわれたおたからをレガスさんのところにもってきました。「ほほう、むかしをおもいだすぞよ～」。レガスさんはなつかしそうです。「これ、お父さんのだいじなたからものなんだけど、ぼく、かってにもちだしてこわしちゃったんだ。そのことお父さんにいえなくて、ウソついちゃって…。どんどんいろんなウソついちゃって…」。パンタは正直（しょうじき）にはなしました。するとレガスさんは、「ふふふ。パンタもくるしいおもいをしたぞよ～」というと、「お父さんに」と一本の竹をくれました。「ははは。なつかしいぞよ～」。 【scene 07】 お父さんもむかし… かえってきたパンタは、もらった竹をお父さんにさしだし、「ごめんなさい！」とあやまりました。お父さんはその竹をけずってあたらしい竹トンボをつくります。じつはお父さんもむかし、ともだちの竹トンボをこわしてしまったことがありました。そして、「こわしてない」とウソをついたのです。でも心（こころ）がいたんで、けっきょくぜんぶうちあけてあやまりました。ともだちはお父さんをゆるしてくれて、その上、竹トンボのつくりかたもおしえてくれました。それがレガスさんでした。「かってにおもちゃをもちだして、ウソをついちゃって、ごめんなさい！」。あらためてあやまるパンタでした。 【scene 08】 手紙をおくるパンキチ 夜（よる）、パンタがねているそばで、パンキチが手紙（てがみ）をかいています。「ププ、チキュウ、タノシイ。パンキチ、ゲンキ！」。ふるさとの両親（りょうしん）にあてた手紙のようです。ちょうどかきおわったとき、まどの外（そと）にシャトルシップがやってきました。運転手（うんてんしゅ）が「手紙、トーネル星（せい）？」といいます。「プーン。オネガイシマス、ププ！」。パンキチが手紙をわたすと、シャトルシップは出発（しゅっぱつ）していきました。

銀河銭湯パンタくん

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こいつはとってもすがすがしい！

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「すがすがしい」の意味がわからないパンタたち。そこでドレープが自然の美しさを伝えようとピクニックへ誘う。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「すがすがしいって何？」 本日も銀河ノ湯（ぎんがのゆ）は大せいきょう！ 「いやぁ、それにしてもすがすがしいでございますなぁ」。ピエールさんやスベトンさん、ガンさんが気もちよさそうにお湯につかっています。そこへ、「はぁ～」とためいきをつきながらパンタが入ってきました。「さいきん、なにやってもうまくいかないんだよなぁ…」。それをきいたピエールさんが、「元気（げんき）出してくださいよ。今日（きょう）はこ～んなにすがすがしいじゃございませんか！」といいます。すると、「すがすがしいって何？」とパンタがききました。 【scene 02】 『すがすがしい』がよくわからない 「すがすがしいとは、心（こころ）がぱぁああーっとなるかんじ」とピエールさん。「はれわたる空にそびえる銀河フジ。それをながめながら湯（ゆ）につかる～。ガガガン！　心が、ぱぁあああーっ！」。スベトンさんやガンさんもいっしょにせつめいします。大きくうなずくパンタ、パンキチ、それにバースですが…、「わかんな～い！」。もしかして、とパンタにひらめいたのは、フルーツミルクをゴクゴクのんで「おいしいー！」ってこと？　ブッブーッ。それとも、おもいがけずレアもののフィギュアが手に入って「ラッキー！」ってこと？　これもブッブーッ。 【scene 03】 ピクニックにいけばわかる？ すると、きゅうに女湯（ゆ）からドレープさんが顔（かお）を出しました。「パンタさん、そんなにすがすがしさをかんじたいなら、ピクニックにでもいってらっしゃい。大自然（だいしぜん）にふれ、地球（ちきゅう）にあふれるいのちのいぶきをかんじるのです。そうすればわかります」といいます。するとパンタが、「じゃ、ドレープさんつれてってよ！」といいました。みんなは「ウホホ～、ピクニックなんぞひさしぶりじゃわい～」、「ピクニク！　ピクニク！」と大もりあがりです。「ちょ、ちょっと、なんでアタシがつれていくことになってんのよっ！？」とドレープさん。 【scene 04】 おべんとうをもってしゅっぱつ！ つぎの日の朝（あさ）、銀河ノ湯の前（まえ）にみんながあつまりました。「こうなったらしかたがないわ。とことんピクニックをたのしみましょ！」とドレープさん。パンタのお母さんがみんなにおべんとうをもってきました。タワーのように、見上げるほどたかくつんであります。「こんなにおかずをつめこんで、わが家（や）の食卓（しょくたく）はだいじょうぶなのかい」としんぱいになるお父さん。しばらくはごはんにふりかけだけときいて、ショック！ 「ごはんにふりかけ…」。みんなは元気（げんき）にしゅっぱつしていきます。「ごはんにふりかけ…」。 【scene 05】 雨にふられて… ところが、とちゅうでお天気があやしくなってきました。カミナリがなり、やがてもうれつな雨がふりだしました。すがすがしいどころではありません。「しかたありません。しばしのあいだ、ワタクシの下で雨やどりしてくださいまし」と、ドレープさんが宙（ちゅう）にまいあがりました。ドレープさんがひろげたすその下で雨やどりです。「はぁ～。すがすがしいってなんなんだ。空はくらいし、地面（じめん）はびちゃびちゃだし、これじゃぜんぜんわからないや」とパンタ。「おまちなさい。きっとアナタにもわかるはずよ」とドレープさんはいうのですが…。 【scene 06】 地球と自然とすがすがしい？ 「プププー。ニク、ニク、ニク！」。パンキチやみんながおいしそうにおべんとうをたべています。「もういいよ、かえろうよ。『すがすがしい』がわかんないならもうどうでもいいや」といいだすパンタ。でもピエールさんやスベトンさんは、地球（ちきゅう）の自然（しぜん）はなかなかすばらしいものだといいます。「プププー。パンキチ、チキュウ、スキーッ」。でもパンタは、「地球と自然とすがすがしいって、どうかんけいあんのさ？」とよくわかりません。そのとき、「ヒョヒョ！　キ、キターッ」とスベトンさんがさけびました。 【scene 07】 心がぱぁーっとはれてきた 雨が上がって日がさしてきたのです。ドレープさんのドレスのすその下からみんな出てきました。「パンタ、ほら、このお花！　雨つぶがひかってすっごいキレイ！」とギギがいうと、「ここの水たまりも太陽（たいよう）のひかりでキラキラしてるよーっ」とバースもいいました。「ププププーッ。クウキ、オイシーイ！」とパンキチ。「スー、ハァー。アハハハ」と、しんこきゅうしたパンタがわらいながらいいました。「ドレープさん、すっごく気もちいいよ！　心（こころ）もぱぁああーってはれてきた！」。 【scene 08】 きれいなにじにこうふんして 「ぼく、わかっちゃった。大自然（だいしぜん）の中でかんじるこの気もち。それこそが、すがすがしーいっ！」。大よろこびのパンタ。そのとき、「わあーっ！」というみんなの声（こえ）がします。見ると、きれいなにじがかかっていました。「すっげーっ！」。ためいきをつくパンタ。「プププーッ。ニジ、スゴーイッ。ニジ、スゴーイッ」。パンキチもこうふんしています。ところがこうふんしすぎたパンキチの口が大きくあいて、だんだん風（かぜ）がつよくなり、みんなつぎつぎにすいこまれていきます。さいごにガンさんがピエールさんにぶつかってピエールさんがすいこまれていきました。 【scene 09】 青い地球もすがすがしい！ 気がつくとみんなはトーネル星（せい）にいました。夜空（よぞら）に青い地球（ちきゅう）が見えています。「うわぁーっ。こいつはとってもすがすがしーい！」とよろこぶパンタ。「さすがに、すがすがしすぎるわねぇ」とドレープさん。そこへちょうどスペースバスがやってきました。これで地球にもどれます。「ささ、みなさん、こっちこっち」と、なれたようすであんないするピエールさん。「はて？　さっきわたくしにぶつかってきたガンさんは？」。そのころ地球では、ガンさんがパンキチの口につっかえたままでした。

銀河銭湯パンタくん

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やるときゃやらなきゃ！

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銀河町でミュージカルショーが開催されることに。でも自信なくて練習をサボっていたパンタ。見かねたギギは注意をするがパンタは聞く耳を持たない。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 銀河町ミュージカル？ 銀河町（ぎんがちょう）は、うちゅう交流（こうりゅう）100周年（しゅうねん）のおまつりのじゅんびに大いそがしです。パンタのお父さんがスピーチしようとすると、ギギがお父さんをおしのけていいました。「大銀河まつりのいちばんの目玉が、この『銀河町ミュージカル』よ！」。台本（だいほん）をみんなに見せるギギ。それは、銀河町とほかの星（ほし）との100年にわたる交流をそうだいなスケールでえがく劇（げき）なのだそうです。本番（ほんばん）は一週間後（いっしゅうかんご）。みんな、もうとっくんをすることになりました。 【scene 02】 主役は銀河ノ湯の三代目 「主役（しゅやく）は銀河ノ湯（ゆ）の三代目店主（てんしゅ）。そう、パンタのご先祖（せんぞ）よ」とギギがいいます。そこでパンタにまかせることにしたのですが、ギギはちょっとふあんです。いよいよリハーサル。銀河町におりてきたうちゅう人と、地球（ちきゅう）人がはじめて出あうシーンです。「よーい、アクション！」。パンキチはうちゅう人の役です。「♪どでかいうちゅうをたびしていたら　♪まあるい地球にたどりついたよ」。うちゅう船（せん）がこわれて、こまっているうちゅう人。でもこわくて声（こえ）をかけられない地球人たち。 【scene 03】 セリフがおぼえられないパンタ そこへ、「ようこそ、とおいところから！」と三代目のパンタがあらわれます。ところがパンタはセリフをわすれ、とちゅうでやめてしまいました。「だってさあ、歌詞（かし）がおおすぎておぼえられないよ。リズムだってむずかしいしさあ」。すると、「パンキチなんか、ぜんっぜんリズム感（かん）ないけど、ヘタなりにがんばってるじゃない！」とギギがいいます。「ププッ！？」。パンタは、「あ～あ、主役（しゅやく）めんどくさくなってきた。今日（きょう）のれんしゅうはおしまい！」と、台本（だいほん）をなげすててかえってしまいました。 【scene 04】 ずっとれんしゅうするパンキチ パンタがへやでマンガをよんでいると、お母さんが上がってきました。ギギがとどけにきた台本（だいほん）をもっています。でもパンタは見ようともしません。「あんた、主役（しゅやく）やるんでしょ。ちゃんとセリフおぼえたの？」とお母さん。「いいの。めんどくさいから～」というパンタに、「パンキチはずっとおふろでれんしゅうしてるみたいよ」とお母さんがいいました。「♪まあるい地球（ちきゅう）にたどりついたよ」。パンキチの声（こえ）がきこえます。「ふんっ。なんだよ、パンキチ。なにがんばっちゃってんの！」。 【scene 05】 みんなのれんしゅうが気になって… つぎの日。うちゅう人が銭湯を気に入って、地球（ちきゅう）にすむことをきめるシーンのリハーサルです。「♪うちゅう人もかたまでつかる　…おふろ上がりはフルーツミルク！」とうたううちゅう人を見て、「わたしたちなかよくできそうね。ねぇ、三代目」とギギが三代目にはなしかけるシーンですが…、パンタがきていません。おこったギギは「主役交代（しゅやくこうたい）！」といいました。「パンキチ、あんたやってみない？」。でもパンキチは、銀河ノ湯三代目はパンタがぴったりだといいます。ギギもそうおもっているのですが…。そんなみんなをパンタがこっそり見ていました。 【scene 06】 「主役なのになにやってんだか…」 パンタがへやでかんがえこんでいます。「パンキチ、がんばってたなぁ。あ～ぁ」。そのころパンキチは、またおふろで歌（うた）のれんしゅうをしていました。「♪アメイジングなほどつかれがとれる　おふろ上がりはフルーツミルク！」。きこえてくる歌をきいて、「はぁ…。ぼく、主役（しゅやく）なのに、なにやってんだか…」。すると、ドッチロンがあらわれました。「レンシュウ、スル？　シナイ？　ドッチロン？」。パンタはふっきれたように、「もうっ。わかったよ！」といいました。 【scene 07】 いっしょにうたうのってたのしいな！ 「♪アメイジングなほどつかれがとれる　おふろ上がりは…」。パンキチがそこまでうたったとき、パンタも声（こえ）をあわせました。「♪フルーツミルク！」。たくさんれんしゅうしたパンキチに感心（かんしん）するパンタ。すると、「ププーッ。パンキチ、ウタ、ヘタ。ダカラ、レンシュウ！」とパンキチがいいました。「そうだよな。ぼく、自分（じぶん）で主役（しゅやく）やるっていったのに、ぜんぜんれんしゅうしなくて、みんなにたくさんめいわくかけちゃった…」とパンタ。「ダカラ、レンシュウ！」。二人は声をあわせてうたいました。「あはは！　パンキチ、いっしょにうたうのってたのしいな～！」。 【scene 08】 ♪やるときゃやらなきゃ すると、「そうよ！」とギギがあらわれました。バースもいっしょになってうたいだします。「♪さいしょはへたでもれんしゅうすれば　♪わくわくするものできるはず」。ほかのみんなもいっしょになってうたいます。「♪じぶんできめたら　♪さいごまでちゃんと　♪やるときゃやらなきゃ　♪いかんガン　♪れんしゅういやでも　♪めんどくさくても　♪みんなでやったら　♪オモシロイ！」。パンタがみんなにいいました。「ねえ、みんな。いままで本当（ほんとう）にごめんなさい！　ぼく、みんなにおいつけるように、これからいっしょうけんめいれんしゅうするよ！」。 【scene 09】 パンタのもうれんしゅう というわけで、パンタのもうれんしゅうがはじまりました。外（そと）で発声（はっせい）れんしゅう。パンキチがねているあいだもセリフをおぼえます。おふろの中でパンキチといっしょに、「♪おふろ上がりはフルーツミルク！」。そして朝（あさ）早くから、広場（ひろば）で一人でうたうシーンのれんしゅう。「ようこそ、とおいところから。うちゅうからのおきゃくさま。ここは…♪銀河フジ見下ろす銀河町どおり　みんなしてあつまる銀河ノ湯（ゆ）！」。みんなもパンタのまわりにあつまってきて、はくしゅかっさいです。 【scene 10】 ミュージカルは大せいこう！… そして、本番（ほんばん）の日がやってきました。みんながうたいます。「♪どでかいうちゅうをたびしていたら　まあるい地球（ちきゅう）にたどりついたよ」。つづいてパンタのソロ。「♪銀河フジ見下ろす銀河町どおり　みんなしてあつまる銀河ノ湯（ゆ）！」。みんなもつづきます。「♪うちゅう人もかたまでつかる　…♪おふろ上がりはフルーツミルク！　…♪うちゅう交流（こうりゅう）100周年（しゅうねん）～」。おきゃくさんたちは大よろこび。ミュージカルは大せいこうです。すると、「プププ、ダイセイコー！」とこうふんしたパンキチの口が大きくあいて、またピエールさんがすいこまれていきました。 【scene 11】 「あなた…パンキチさんの…！？」 ドスン！ 「あいたたたた」。ピエールさんはまたトーネル星（せい）にはきだされました。「はい、はきだされました、と」。立ち上がったピエールさんは、目の前（まえ）に立っているトーネル星人に気がつきました。「はっ？　ひょっとして、わたくしを毎回（まいかい）はきだしていたのは、あなた…？」。そのトーネル星人はパンキチそっくりです。「まさか…、パンキチさんの…！？」。ふりむくとトーネル星人がいいました。「イモウト。ププッ！」。

銀河銭湯パンタくん

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ジゴバットのあま～いわな

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風呂嫌いの宇宙人ジゴバットから、お湯でジュースを作れる機械をもらったパンタ。銭湯のお湯を使ってジュースを作り、みんなに配って人気者になるが…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 本日は「銭湯の日」 本日は「銭湯の日」。銀河ノ湯では、毎年（まいとし）フルーツミルクを無料（むりょう）サービスしています。「フルーツミルク！」。「モーラエル！」。おおぜいのお客（きゃく）さんがあつまっています。ところが、フルーツミルクはあと４本。「なんとなく足りるかなぁとおもったのだが…」とお父さん。「どうするの！」とお母さんにしかられ、「ひいぃぃっ！」。そのようすを、ジゴバットがかくれがのモニターで見ていました。ジゴバットはおふろが大きらいで、うちゅう中の銭湯をほろぼしてきた、おそろしいうちゅう人なのです。「さっそくおもいついたぞ。銀河ノ湯をぶっつぶすいい作戦（さくせん）をな。ゲヘ、ゲヘヘ！」。 【scene 02】 ジゴバットがあらわれた！ 「おふろ、ゴシゴシ。みがいて、ピカピカ」。パンタとパンキチがおふろそうじをしています。「ごくろうさま。おわったらこれのんでいいわよ」。お母さんがフルーツミルクをもってきてくれました。「でも、きょうは数（かず）が足りないから一本を二人でわけてね」。そういってお母さんは、いってしまいました。「二人で一本かぁ…」「…プー」。そこへ、「ゲヘヘヘ…それじゃ足りないよなぁ」とジゴバットがあらわれました。ジゴバットは前（まえ）にも一度（いちど）、銀河ノ湯をつぶしにきました。でも弱点（じゃくてん）のお湯をかぶってしっぱいしました。ジゴバットは、お湯につかると小さくなってしまうのです。 【scene 03】 お湯をジュースにかえるマシン？ 「また銀河ノ湯をつぶしにきたのか！？」とパンタ。するとジゴバットは、「そうじゃない。きょうはちょっとしたプレゼントをもってきたのさ」といいます。「ジャジャーン！」。ジゴバットがとりだしたのは大きなマシンです。ボタンをおすと、コップにえきたいがそそがれました。おそるおそるのんでみるパンタとパンキチ…、「あまい！」「うまい！」とびっくり。「これ、ジュース？」。それは、どんなきたないお湯もかんぜんにきれいにしてフレッシュなジュースにかえるジュース・マシンでした。「お湯をジュースに…」とかんがえていたパンタ、「あ、そうだ！」となにかおもいつきました。 【scene 04】 ピエールさんにもジュースを 「えー、ジュース。あま～いジュースはいらんかえ～」。「プププーッ」。銀河ノ湯の前（まえ）で、パンタとパンキチがみんなにジュースをくばっています。パンタは、銭湯の日のサービスにジュースをくばることを思いついたのです。「なんだい、そりゃ？」。「お父さんも、はい」。のんでみたお父さん、「いやはや、こいつは…、うんまーーーい！」と、おいしさにびっくり。そこへピエールさんがとおりかかりました。パンタは、「銀河ノ湯からのサービスだよ」とピエールさんにジュースをすすめます。「セントウノヒ！」とパンキチ。よろこんだピエールさん、「そういうことなら、ビジネスの前にひとっぷろあびていきますですよ～」と、中に入っていきました。 【scene 05】 おいしいジュースが大ひょうばん 「おーい、パンタ～！」。バースとギギもやってきました。「おいしいジュースがタダでもらえるってホント？」。もううわさになっているようです。「二人ともじゃんじゃんのんでよ」とジュースをさしだすパンタ。「サービス、プププ！」。ギギもバースも大よろこびです。そのようすを、ジゴバットがかくれがのモニターで見ていました。「ゲヘヘヘ、ひっかかったな。作戦（さくせん）どおりだ。どんどんくばるがいいぜ。きょうが銭湯さいごの日になるともしらずにな。ゲヘヘ、ゲヘヘ、ゲハハハハ！」。 【scene 06】 お湯がどんどんへっていく！ 「はあ～、お昼（ひる）からおふろに入るというのも、なかなかよろしゅうございますですなぁ～」。ピエールさんが気もちよさそうにお湯につかっています。「じっくりかたまでお湯につかって…」。ところが、かたまでつかろうとすると、お湯がどんどんへっていきます。「へ～っくしょい！」。それをきいて、お父さんがようすを見にきました。「ピエールさん、いまのくしゃみ、どうしました？」。やってきたお母さんが気がつきました。「あなた、見て！」。お湯がほとんどなくなっていたのです。ふと見ると、湯船（ゆぶね）の中にへんなホースがあります。お父さんとお母さんがホースをたどっていくと…。 【scene 07】 銀河ノ湯のお湯で… ホースは銀河ノ湯の前（まえ）のマシンにつながっていました。「いきどまりよ」とお母さん。「なんだこりゃ」とお父さん。パンタが二人に気づきました。「あーはは、どうどう？　ジュースのおかげで、お客（きゃく）さんたくさんきたでしょ？」とパンタ。「ちょっとパンタ、このきかいはなんなのよ！？」。「オフロ、オユ、ジュースニカエル！」とパンキチ。これをきいてお父さんはびっくり。「えぇ？　そのジュース、銀河ノ湯のお湯でできていたのか？！」。すぐお湯を入れなおさなきゃ、とお父さんとお母さんはいそいでもどっていきました。「どういうこと？」とパンタ。すると…。 【scene 08】 ジュースのサービスはおしまい 「オフロ、イレロ！」「オユ、カエセ！」「オフロ、イレロ！」。みんなおこっています。「そうか。このマシンでジュースをいっぱいつくったから、おふろのお湯がへっちゃったんだ」とパンタは気がつきました。「しょうがない。ジュースのサービスはもうおしまい！」。すると子どもがなきだしました。「ジュース、ホシイ。ノド、カワイタ」。子どもがかわいそうだというギギ。「だってジュースはもう…」。すると、ドッチロンがあらわれました。「ジュース、アゲル？　アゲナイ？　ドッチ？」。「ジュースをつくったらお客（きゃく）さんがおふろに入れなくなるし…」とまようパンタ。「おっ、これは…」。 【scene 09】 ジゴバットの作戦しっぱい お母さんがくれたフルーツミルクがまだのこっていました。「はいこれ。あげるよ」。「アリガトウ！」。子どもは大よろこびです。そこへ、「パンタ！」とお母さんがもどってきました。「お母さん…ごめんなさい…」とパンタ。「そうね。はんせいしなさい」とお母さん。「みなさーん、おまたせしました。もうすぐあたらしいお湯が入りますよ」とお父さんがみんなをよびにきました。「ワーイ！」「オフロ！」「ハイル、ハイル！」。そのようすをジゴバットが見ていました。「おのれ～。作戦（さくせん）しっぱいか。しかしこのジゴバットさま、けっしてあきらめんぞ。銀河ノ湯がほろぶ、その日まで。ジゴォー！」。 【scene 10】 ハニーレモンミルクにこうふんして パンタとパンキチがしょんぼりすわっているところへ、「おつかれさま。これ、母さんとくせいのハニーレモンミルクよ。二人でのみなさい」とお母さんがハニーレモンミルクをもってきてくれました。「やったぁ！」とよろこぶパンタ。「プププー！　オイシソー！」とよろこぶパンキチ。すると、おおよろこびしたパンキチの口が大きくあいて、ちょうど銀河ノ湯から出てきたピエールさんが、またすいこまれていきました。「ゴックン」。 【scene 11】 トーネル星のピエールさん… 「まいどまいど、しつれいいたしますです。ハイ」。ピエールさんはまたトーネル星（せい）にきていました。「プププププ？」。パンキチの妹（いもうと）がいます。「べつになにもすきこのんで、まいどまいどこんなことになっているわけではないんでございますよ。その、なんというか…人にはそれぞれのやくわりというか…その人にしかできないことというのがございましてですよ…これもわたくしにしかできない…ブワッ」。とうとうピエールさんはなきだしてしまいました。パンキチの妹がなぐさめています。

銀河銭湯パンタくん

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ありがとう！ガンさん

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銀河ノ湯に入り浸っている暇そうなガンさんをパンタがからかうと、ガンさんは、ショックで出て行く。すると、風呂の水が空になってしまう。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 パンタだけしゅくだいがどっさり 本日も銀河町は、ぬけるような青空がひろがり、パンタたちも外（そと）で元気（げんき）にあそび…。とおもったら、パンタがためいきをついています。「あ～ぁ。こんなにたくさん、しゅくだいのドリルをやらなきゃいけないなんて。ぼくがなにしたっていうんだよ～」。ギギが、「ちゃんとテストのべんきょうしなかったからでしょ」といいます。しゅくだいをどっさり出されたのはパンタだけなのです。ギギとバースにしゅくだいを手つだってもらおうとするパンタですが、二人とも用事（ようじ）があるといってかえってしまいます。「なんだい、なんだい！　みんな、いっそがしいなぁ～」。 【scene 02】 お父さんもお母さんもいそがしい そこへ、「プププーッ」とパンキチが出てきました。「パンタ、オカエリ！」。お母さんも出てきて、「パンタ、おかえり！　お母さん、ハニーハントにいってくるから、おうちのお手つだい、おねがいね！」といいます。「あしたまでにしゅくだいのドリルやんないといけなくて…」とパンタがいいかけると、「あんたがちゃんとやっとかないのがいけないんでしょ！」と、いってしまいました。そこへ出てきたお父さんも、「いやはや～！　月にいちどの町内会議（ちょうないかいぎ）、わすれてた～！」と大あわてでいってしまいます。「お、お父さん！　みんな、いっそがしいなぁ～！」。 【scene 03】 おこってとびだしていったガンさん 「オフロ、ゴシゴシ。ミガイテ、ピカピカ」。パンキチがおふろそうじをしています。パンタはかんじドリルをしながらおふろみがき。「岩（いわ）は、山と石で、岩」。よくそうの岩に、あわで字をかいておぼえます。すると、その岩がぐるぐるまわりはじめました。ガンさんだったのです。「なにあそんでんの？」とパンタにいわれ、「ガガ！　オデ、あそんでないガン！」とショックをうけるガンさん。さらに、「いいよなぁ、ガンさんは毎日（まいにち）ひまそうで」といわれ、「オデ、オデ…、ひまじゃないガーン！！」と、まっ赤におこってまどからとびだしていきました。「なんだぁ？　きゅうに？」。 【scene 04】 ガンさんの金色のこな？ ピエールさんが広場（ひろば）をとおりかかりました。いそがしくておはだもボロボロだというピエールさん、こんなときは、「♪アメイジングなほどつかれがとれる♪銀河ノ湯に入るのがいちばん！」といいます。「もしかすると、あのお湯になにかひみつが…これはビッグなビジネスチャンス？！」とおもったとき、むこうから、「ゴロゴロ、ガーン！　ゴロゴロ、ガーン！」とガンさんがころがりながらやってきました。そして、金色（きんいろ）のこなをふりまきながら、あっというまにとおりすぎていきました。金色のこなにまみれたピエールさん。気がつくと「あら？　おはだがすべすべ！」。 【scene 05】 湯ぶねのそこに大きなひびが オバケモールのスベトンさんのへやで、ガンさんがうなっています。「いつまでそこでねとるんじゃ」とスベトンさん。「銀河ノ湯はおまえさんがおらんと…」。そのころ銀河ノ湯では、お父さんがこまっていました。湯ぶねのそこに大きなひびがあるのです。「なんでいままで気づかなかったんだろう？」とパンタ。「ププーッ。ココ、ガンサン、イタ！」とパンキチ。「そうか！　ガンさんがこのひびふさいでたんだ！」とパンタは気がつきました。「ガンさんは？　どこいったんだ？」とお父さん。ガンさんをおこらせてしまったことをいえないパンタは、とっさにひらめきます。「そうだ！　そうこにあったでしょ、でっかいドラムかん！」。 【scene 06】 しゅくだいをしながらお手つだい 銀河ノ湯におおぜいおきゃくさんがきています。「いらっしゃいませ～。今日（きょう）はとくべつに、ドラムかんぶろをごよういしておりますよ～」とお父さん。パンタはしゅくだいをしながら、あせだくになってまきをくべています。「え～と、八百屋（やおや）さんで、リンゴのカゴが３こありました。もう一つ足すと…」。パンキチはたのしそうにまきわり。「♪プップップー。ヤオヤ～サンサン、サンサンサ～ン！　リンゴ～ゴゴゴ、カゴ、ゴゴゴ～♪」。「パンキチ！　いま計算（けいさん）してるんだから、サンとかゴとか、ややこしい歌（うた）やめろよ～！」。 【scene 07】 ガンさんみたいなら楽？ すると、「ヒョヒョヒョ～。パンタ、いそがしそうじゃのう」。スベトンさんがおふろ場（ば）のまどから顔（かお）を出しました。「ガンさんがおらんようになって、たいへんそうじゃのう」。そういわれ、「まあね…。ぼくもガンさんみたいなら楽（らく）だったのになぁ」というパンタ。ところがそれを、ガンさんが木のかげできいていました。「ガ…、ガン…」とショックなようです。「そうかのう。毎日（まいにち）たいへんそうじゃが…」とスベトンさん。そこへ、「パンタさん！　がんがんお湯わかしちゃってくださいまし！」とピエールさん。パンタのしゅくだいはぜんぜんすすみません。 【scene 08】 お湯のすべすべ成分は 「はぁ～、このお湯を、『おはだすべすべびようえき』としてうりだせば…。ん？　このお湯、なんかちがいますですね」。お湯の成分（せいぶん）をしらべたピエールさんはびっくり。すべすべ成分がゼロなのです。おどろくみんなにスベトンさんがいいました。「じつはな、銀河ノ湯のお湯にはガンさんの岩石（がんせき）成分がとけだしておったから、つかれもとれるし、おはだもすべすべになったんじゃ。ガンさんがくるくる頭（あたま）をまわして、金色（きんいろ）のこなを出しておったじゃろ。あれじゃよ。毎日（まいにち）みんなのために、何時間（なんじかん）もかけて出しておるらしいぞぉ～ヒョヒョヒョ」。 【scene 09】 ガンさんのおかげ 「ガンさん、そこにいるんじゃろ？」。見ると、まどの外（そと）にガンさんがいました。「ガガガン、オデ、オデ…」。すると、「ガンさん、よければ、またうちにもどってきてくれませんか」とお父さんがいいました。ピエールさんも、「ガンさんのおかげで、いつもおはだすべすべなのでございますですよ！」といいます。ほかの人たちも口々に、「カタコリ、ヨクナッタ。アリガトウ」「ツカレ、トレル。アリガトウ」といいます。「あの…」といいかけてだまってしまうパンタ。スベトンさんは、「パンタ、ちゃんとことばでつたえたいことがあるんじゃろ」といいます。「えっと、えっと…」。 【scene 10】 うれしくてとびこんできたガンさん パンタがまよっていると、ドッチロンがあらわれました。「おれいをいう？　いわない？　ドッチ？　ドッチ？」。パンタがおもいきっていいました。「ガンさん、ひどいこといって、ごめんなさい。いつも、みんなのためにがんばってくれてたんだね。ありがとう！」。「ガガガ、パンタ、わかってくれた…。オデ、オデ、うれしいガーン！」とガンさんも大よろこび。「ガンガガガーン！」とドラムかんぶろにとびこんできました。バッシャーン！　すると、「うひゃあーっ！」「ヒョヒョ～ッ」「プププーッ！」。みんな、あっというまにながされていきました。「すまんガン…」。 【scene 11】 パンキチの妹が 「そういえば、おしごとでトーネル星（せい）にくるのははじめてでございますですなぁ～」。ピエールさんが『おはだすべすべびようえき』をうるために、トーネル星にきています。「いつも、べつにきたくもないのにパンキチさんにすいこまれちゃってもう…」。そこに、いつものようにパンキチの妹（いもうと）がいました。「あ、どうも、どうも。いつもお世話（せわ）になっておりますです…ん？」。すると、そこへうちゅうバスがやってきました。そしてパンキチの妹はそれにのって、とびさっていきました。

銀河銭湯パンタくん

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ちいさい迷子さん

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パンタは、パンキチによく似た迷子の宇宙人の幼い女の子に出会う。危険な目に合いそうな女の子をほうっておけず、手助けをすることに。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 パンキチにとどいた手紙 本日も銀河町は晴天（せいてん）なり～。パンキチは一人でおるすばん。手紙（てがみ）をよんでいます。『モンモ、ヒトリデ、オツカイ。チキュウ、クル…。パンキチ、ヨロシクネ…』。「ププッ？」。そこへパンタがかえってきました。「ただいまー。パンキチ、あそびにいこうぜ～。バースがあたらしいゲームやらせてくれるって」。ところがパンキチは、おもちゃばこの中をなにかさがしています。そして、「ププッ、ヘンシン！」と、ふくめんをしてあらわれました。そこへうちゅうバスがやってきた音がします。すると、「プッ、キターッ」。パンキチはあわててどこかへいってしまいました。 【scene 02】 ジゴバットのひみつきちができたらしい 銀河ノ湯の前（まえ）のバス停（てい）に、うちゅうバスがとまりました。お父さんとピエールさんがはなしています。「いやはや、そうですか。銀河町のはずれの地下街（ちかがい）に…」。「悪名（あくめい）たかきうちゅう人、ジゴバットのひみつきちができたんでございますですよ」。ところがお父さんはジゴバットのおそろしさをわかっていないようです。「ジゴバットはうちゅう中の銭湯をめつぼうさせようと…」。ピエールさんがそういいかけたとき、パンタが出てきました。「パンタさん！　ジゴバットがうろついてるかもしれませんからね、気をつけてくださいましね！」。「ハイハーイ！」。 【scene 03】 パンキチによくにた女の子 うちゅうバスがとびたちました。そこへやってきたパンタがパンキチを見つけて声（こえ）をかけます。「いたいた。おい、パンキチ！」。ところがそれは、パンキチによくにた女の子でした。「ミチ、ワカラナイ。オシエテ」といいます。「コレ、コレ」。女の子が見せた手紙（てがみ）には、『P』のような絵（え）がかいてあります。「ぼく、いそがなくちゃいけないんだけど…」とパンタ。そのよこを、「バース、ゲーム、ヤル、ナラブ、イソゲ、イソゲ」とみんながはしっていきます。「ぼくもはやくならばなくちゃ！　ごめんね。ほかの人にきいてくれる。じゃあね～」とパンタはいってしまいました。「ププ～」。 【scene 04】 あの女の子がまたあらわれて 広場（ひろば）では、みんながバースのあたらしいゲームであそぶじゅんばんをまっていました。パンタもいそいでならびます。ようやくパンタの番（ばん）になったとき、目の前（まえ）にとつぜんあの女の子があらわれました。「うわぁーっ」。女の子は「プププ。ココ、ココ」と手紙（てがみ）を見せます。「なんだよ、びっくりするじゃんか。やっとゲームできるとおもったのに～」とパンタ。「ハヤクシロ」「ミンナ、マッテル」とみんなが口々にいいます。「やんないんなら、ほかの人にかわってあげなよ」とギギ。「そうだね、みんなまってるからさ」とバースもいいます。「ミチ、オシエテ」と女の子。 【scene 05】 マンホールにおちちゃった！ 「う～ん…」とパンタがまよっていると、ドッチロンがあらわれました。「おしえる？　おしえない？　ドッチ？　ドッチ？」。おもわず、「もう、しらないっていったじゃん！　あそんでんだから、どっかいって！」と女の子にいうパンタ。「ほら、シッ、シッ」。しょんぼりといってしまう女の子。そのようすを草むらからパンキチが見ていました。「ププ…」。森の中をあるいていく女の子を、ふくめんすがたのパンキチがそっとあとをつけていきます。すると、手紙（てがみ）を見ながらあるいていた女の子は、マンホールのふたがあいているのに気がつかず、あなにおちてしまいました。「ププーッ！」。 【scene 06】 ジゴバットのわるだくみ 「ゲーヘヘヘ！　やっと、かんせいした。『しゅんかんなんでもこおらせ機（き）』だ。こいつをつかえば銀河ノ湯のお湯をいっしゅんでこおらせることができるのだ」。ひみつきちで、ジゴバットがごきげんです。スイッチを入れると、つめたい空気がふきだしてくだものがあっというまにこおりついてしまいました。「どうやってはこぼうか」とかんがえているところへ、「プププ？」と女の子が入ってきました。「だれだ？　パンキチ…いや、ちがうな…」。女の子は地図（ちず）を見せて、「ココ、イキタイ」といいます。「ここにいきたいのか。ならば、このジゴバットさまがおしえてやろう。ゲーヘヘヘ！」。 【scene 07】 女の子がしんぱいになったパンタ ぶきみなわらいごえが空にもひびきわたりました。「なに？　ぶきみね」とギギ。「この声（こえ）は…ジゴバット」とパンタは気がつきました。さっきの女の子がジゴバットにおそわれるところをそうぞうして、パンタはしんぱいになってきました。「こっちにあるいてったよなぁ…」。女の子をおいかけたパンタは、森のなかで女の子を見つけました。「ちょっとまって！　このへんに、ジゴバットっていうわる～いやつのひみつきちができたんだって」。でもそれは女の子ではなく、ふくめんをしたパンキチでした。それをきいたパンキチは、「プププーッ！」とはしっていきました。「まって～！」。 【scene 08】 今日からジゴバットの手下？ ジゴバットが、しゅんかんなんでもこおらせ機（き）をはこぶのを女の子に手つだわせています。「今日（きょう）からおまえは、このジゴバットさまの手下としてこきつかってやるぞ。ゲヘヘヘ」。そこへパンタがかけつけてきましたさ。「あっ、ジゴバット！　どこにいくんだよ！」。ジゴバットは、「この迷子（まいご）ちゃんが道（みち）あんないをしてほしいそうだから、オレさまがつれていってやるのさ。ゲヘヘヘ」といいます。女の子はジゴバットをゆびさして「ミチ、オシエテクレル！」、パンタをゆびさして「ミチ、オシエテクレナイ！」といいました。 【scene 09】 パンキチの妹モンモ！？ そこへ、ふくめんをとったパンキチがかけつけてきました。「プププーッ。モンモー！」。すると女の子が「オニイチャーン！」といったので、パンタもジゴバットもびっくり。女の子はパンキチの妹（いもうと）だったのです。「プププー。ヒサシブリー」。「プププー。モンモ、ゲンキ、ヨカッタ！」。するとジゴバットが、「えーい。先にきさまらからこおらせてやる！」と、しゅんかんなんでもこおらせ機（き）のスイッチを入れました。「あぶない！」。とっさにパンタはモンモをだきかかえて身（み）をかわしました。のこったパンキチに、なんでもこおらせてしまうつめたい空気がおそいかかってきます。 【scene 10】 「パンキチ、スウ。モンモ、ダス」 そのとき、パンキチの口が大きくあいて、ふきつけてくるつめたい空気をすっかりのみこんでしまいました。「ゴックン、キュ～」。すると、「プププ、グルル～」とモンモのようすがへんです。「どうしたの？」としんぱいするパンタに、「パンキチ、スウ。モンモ、ダス」とパンキチがいったとたん、こんどはモンモの口からつめたい空気がふきだしました。「あぶない！」。とっさにかわしたジゴバットですが、しゅんかんなんでもこおらせ機（き）がこおってしまいました。「ゲゲ、今回（こんかい）はしっぱいだ。くそー、おぼえてろ。けっしてあきらめんぞ。銀河ノ湯がほろぶ、その日まで」。 【scene 11】 一人でおつかいだった 「プププ。モンモ、フルーツミルク、ヒトリデ、オツカイ」。パンキチは、モンモが一人でちゃんとおつかいできるかしんぱいで、へんそうしてこっそりついていっていたのでした。お母さんがおみやげに、銀河ノ湯とくせいのシャンプーハットをモンモにあげました。「ププ？」。でもモンモがスカートのようにつけたので、みんな大わらい。「でもかわいらしいわね」とお母さんにいわれ、うれしそうなモンモ。…そのころ、ゲーム機（き）であそんでいたバースはおどろきました。「うわぁ、なんだこれ？」。画面（がめん）にふしぎな人かげがうつったのです。「アーアー」とぶきみな声（こえ）で…。

銀河銭湯パンタくん

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遠い星からのメッセージ

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パンタたちが、宇宙通信機で遊んでいると、どこかの星との交信に成功する。パンタたちは、宇宙人の女の子と仲良くなるが、その女の子が病気になってしまう。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 バースの“うちゅうテレビ電話” 本日も銀河町は晴天（せいてん）なり～。まもなく、50年にいちどの大りゅうせいぐんがやってきます。たくさんのながれ星（ぼし）を見ようと、パンタたちがぼうえんきょうのじゅんびをしています。「ハロー、ハロー」。バースが、ゲーム機（き）をかいぞうしてつくった“うちゅうテレビ電話（でんわ）”ではなしかけました。見たこともない、きいたこともない星と交信（こうしん）できるマシンなのです。スイッチを入れると、しらない星のうちゅう人からへんじがきました。すべてがおやつでできているおやつ星、そして、毎日（まいにち）「べんきょうせい！」としかられるべんきょう星（せい）です。 【scene 02】 リオート星につながった！ 「おもしろいなぁ。ぼくにもやらせて！」。パンタがうちゅうテレビ電話（でんわ）にはなしかけます。でもそれは、銀河ノ湯のせんでんばかりです。そのとき、がめんにふしぎなうちゅう人があらわれました。「アー、アー。こちらは、リオート星（せい）のツーララです」。「つながった！」とよろこんだパンタは、「ぼくは地球（ちきゅう）のパンタ。リオート星ってどんなところなの？」とききました。すると、「ここは一年中、こおりにとざされた、すべてがこおっているせかいなのよ」といいます。とてもさむそうな星（ほし）です。「ねえ、パンタのいる地球は、どんなところ？」とツーララ。 【scene 03】 ともだちも家族もしらない 「えーとね、海（うみ）もあるし、山もあるし、うちゅう人もあそびにくるし、家族（かぞく）もともだちもみんななかよくすんでる、すっごくいいところだよ」とパンタ。するとツーララは、「すてきな星（ほし）、なのね。でも、『ともだち』って？」とききました。「わたしたちのことよ。こんにちは、ギギよ！」「バースだよ！」「パンキチ～！」とみんな。「パンタは、ともだちがたくさんいるのね。それで、『家族』っていうのはなに？」とツーララ。リオート星人（せいじん）はこおりから一人で生まれて、ずっと一人ですごすので、ともだちも家族もしらないのです。 【scene 04】 いっしょにながれ星を見よう 「そうだ、ツーララ！　地球（ちきゅう）においでよ！」とパンタがいいました。「そうよ。ともだちになりましょ！」「あしたはみんなで大りゅうせいぐんを見るんだ」「ププッ」「ツーララもいっしょにながれ星（ぼし）見ましょうよ！」「みんなで、うちの銭湯に入りながら見るんだよ」。みんな口々にいいました。「銭湯？　ながれ星？　たのしそう」。みんなに「おいでよ！」といわれ、「じゃあ、いって、みようかな…」とツーララ。「やったぁ！」。 【scene 05】 銀河町にやってきたツーララ いよいよ、大りゅうせいぐんの日。ツーララがうちゅうバスで銀河町にやってきました。「ツーララ！」。「あ！　パンタ、パンキチ、ギギにバースね！」。「ようこそ、地球（ちきゅう）へ！」。「ありがとう。わぁ、ずいぶんにぎやか、なのね」とツーララ。「そうだよ。ここでみんな、かいものとかするんだ」とパンタ。するとツーララが、「あ、アイス」と、アイスのお店（みせ）を見つけました。そこへ、ピエールさんがとおりかかりました。なにかいいことないかといいながらアイスをたべていると、「あーっ、あたったぁ！」。アイスがもう一本あたったのです。大あたり！ 【scene 06】 こおりをたべて生きている 「すごい！　ピエールさん、アイスあたったの？」とかけよるパンタ。するとピエールさんがツーララに気がつきました。「あらー、そちら、あたらしいおともだちでございますですか」。そして、「ほー。なんともおうつくしい。これ、さしあげます！」と、アイスのあたりぼうをツーララにくれました。「あなたのようにおうつくしいかたによろこんでいただけるなら…」。そのあいだにツーララはもうアイスをたべていました。「まぁ、おいしい」。バースが「ツーララはつめたいものがすきなんだね」というと、「もちろん。わたしたちリオート星人（せいじん）は、こおりをたべて生きているんですもの」といいました。 【scene 07】 ツーララのあたまのかたちが… 広場（ひろば）でパンタたちがディスクをなげあってあそんでいます。バースがディスクをとりそこねてひっくりかえってみんなで大わらい。それからみんなは銀河ノ湯にもどってきました。「さ、ツーララ。入りましょ」。パンタが「よし。きょうはぼくのぶんのフルーツミルクも、ツーララにあげちゃう」というと、「パンタ、ありがとう」とツーララがほっぺにキスをしたので、パンタはすっかりでれでれしています。ギギといっしょに銀河の湯に入っていくツーララですが…。「プププ。ツーララ、アタマ、カタチ、チガウ？」とパンキチ。 【scene 08】 おふろに入ったツーララが！ パンタがおふろの中から声（こえ）をかけます。「おーい、ギギ、ツーララ。もうすぐながれ星（ぼし）の時間（じかん）だよー」。すると、「ツーララ？　ツーララ！　たいへん！」とギギの声がしました。あわてて出たパンタはびっくり。ツーララがとけかかっていたのです。「リオート星人（せいじん）は体（からだ）がこおりでできているのよ。はやく星にかえさなければとけてなくなってしまうわ」。かいほうしていたドレープさんがそういいます。「えぇっ？」。するとツーララがいいました。「わたし、まだかえりたくない。また一人ぼっちになるのは、いやなの。きえてしまってもいいから、みんなといっしょにいたい」。 【scene 09】 「ぼくら、ともだちじゃん！」 「ツーララ…」とパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「かえす？　かえさない？　ドッチ？　ドッチ？」。まようパンタ。するとドレープさんが、「ねえツーララ。きえてしまっては、もう、にどとあえなくなっちゃうわ。でも、たとえ一人きりでも、生きてさえいれば、きっとまたあえる。そうおもわない？」といいました。「そうよ、ぜったいまたあえるわよ」「そうだよ」とギギとバース。「それに、ツーララはもう一人ぼっちじゃないよ。だって、ぼくら、ともだちじゃん！」とパンタもいいました。「パンタ…」。そのとき、「プププーッ！」と、パンキチがどこかへはしっていきました。 【scene 10】 しゅんかんなんでもこおらせ機で！ 「パンタ！」。パンキチは、あのジゴバットがつくった『しゅんかんなんでもこおらせ機（き）』をはこんできました。「そうか！　ツーララ、そりゃあー！」。パンタはツーララにむけて、なんでもあっというまにこおらせるつめたい空気をふきつけました。たちまちツーララは、もとのこおりのすがたにもどりました。「やったぁ！」。「みんな！」。「あっはっはっは！」。 【scene 11】 “めんどくさ花”のたね？ 夜空（よぞら）を見上げてパンタたちがまっていると、たくさんのながれ星（ぼし）があらわれました。「わぁー！」。「ながれ星に、ねがいごとしなきゃ！」とギギ。「えーと、このよからしゅくだいがなくなりますように」とパンタ。「毎日（まいにち）フルーツミルク、ププーッ！」。そして、「また、パンタたちと、あえますように」とツーララ。「あえるよ、ぜったい」とパンタがいうと、「ありがとう。これ、あげるわ」とツーララはとてもめずらしい花のたねをくれました。「これがさいたら、わたしのこと、おもいだして」。なんという花かきくと、「めんどくさ花」といいます。「めんどくさ花ぁ？」。

銀河銭湯パンタくん

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どうしよう！？とってもくさい花

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銀河町に、とてもくさいにおいの花が咲き、みんなが困っている。パンタたちはその花を刈り取ろうとするが、その花が、滅多に咲かない珍しい花であることを知り…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 しゅくだいより気分てんかん 本日も銀河町は、外（そと）であそぶにはもってこいのお天気なり～。でもパンタはしゅくだいをしなくてはなりません。パンキチはそのよこでフルーツミルクをかぞえています。「もんだい！ 『６本あったフルーツミルクが３本うれたので、４本ふやしました。フルーツミルクは今（いま）いくつあるのでしょうか』。ややこしい～」とパンタ。「ププププ～」とパンキチもわかりません。「はぁ～、だめだ。パンキチ、ぼくらにはこんなむずかしいもんだい、むりなんだよ！」。パンタは、「よし、こういうときは、気分（きぶん）てんかんだ！」と、しゅくだいをなげだしました。 【scene 02】 めんどくさ花のかおりをかぐと 広場（ひろば）でみんながフリスビーをなげあってあそんでいます。パンタがジャンプしてフリスビーをキャッチしたはずみに、なにかおとしました。それは、こおりの星（ほし）にすむツーララからもらった“めんどくさ花”のたねでした。ちょうどとおりかかったピエールさんはそのたねをしっていました。「その花のかおりをかぐと、頭（あたま）がよくなるらしいんでございますですよ」といいます。「プププーッ！　シュクダイ、デキル～！」とパンキチ。「早くその花、さかせましょうよ！」とギギ。「これでしゅくだいなんか、楽勝（らくしょう）だ！」。パンタは大よろこびです。 【scene 03】 たねが水をほしがる？ パンタは、めんどくさ花のたねを銀河ノ湯の前（まえ）にうえることにしました。「とおいところにうえちゃったら、水やりにいくのがめんどくさいでしょ」とパンタ。「パンタって、ホントめんどくさがりやね」とあきれるギギ。「よし。これくらいでいいでしょ」。パンタが土に水をかけおわりました。すると、土の中のたねがうごいたようです。もう花がさくのでしょうか。見ていると、なにかいいたそうに、じょうろをたたいています。水がほしいようです。「もう水がなくなっちゃった。くんでこなきゃ」。パンタは水をくみにいきました。「なんだか、せわがやけるたねだね」とバース。「プププー」。 【scene 04】 たねがさびしがってる？ 「つかれたぁ～」。たねのせわでみんなくたくたです。たねもまんぞくしたみたいなので、「またあした！」と、みんながかえろうとすると、「ピ、ピーッ！」とへんな声（こえ）がしました。「ププーッ。ココーッ」。パンキチがゆびさしたところは…。「ここって、さっきたねをうえたとこ、だよね？」とバース。たしかに、さっきのたねの声のようです。「みんながいなくなっちゃうと、さびしいんじゃないの？」とギギがいいます。「パンタ、ヘヤデ、ソダ、テル？」とパンキチ。「えぇー？」というパンタですが、「ピッピピピー！」とたねはよろこんでいるようです。「めんどくさっ！」とパンタ。 【scene 05】 「めが出た～！」 その日の夜中（よなか）…。とつぜん、「ピエーッ、ピピーッ」という声（こえ）がして、パンタとパンキチはとびおきました。めんどくさ花のたねがさびしがっていたのです。「もう～、めんどくさい！」とパンタ。つぎの朝（あさ）、お父さんがおきてくると、パンタもパンキチももうおきていて、めんどくさ花のたねに水をあげていました。「いやはや、おまえたちにもようやく、きよらかな花をあいする心（こころ）がめばえてきたか…」とお父さんがしゃべっていると、とつぜん、「ピーィ！」と、めんどくさ花のめが出ました。「うわっ。はは～っ、めが出た～！」。「プププーッ」。大よろこびのパンタとパンキチ。 【scene 06】 どんな草花よりもそだてるのがめんどうくさい そこに、レガスさんがあらわれました。「おぉ～、これはめんどくさ花のめぞよ～」。レガスさんも、めんどくさ花をしっていました。「この花のかおりをかぐと、みるみる頭（あたま）がよくなるといわれておるぞよ～」といいます。「やっぱり！」とよろこぶパンタ。するとレガスさんが、「それともう一つ。めんどくさ花は、このうちゅうにそんざいするどんな草花よりもそだてるのがめんどうくさいといわれておるぞよ～」といいました。「やっぱり…」とパンタ。朝昼晩（あさひるばん）と水をあげることなどなど、毎日（まいにち）しなければならないことをいろいろきかされて、「めんどうくさい！」。 【scene 07】 毎日毎日花のせわをして それから、めんどくさ花のせわは、毎日（まいにち）毎日つづきました。さんぽにつれていったり、虫をおいはらってやったり、夜（よる）はよくねむれるよう、おはなしをきかせてあげたりしました。そしてある朝（あさ）、パンタが水をあげようとすると、花がさこうとしていました。「パンキチ！　ついに花がさくよ～！」。「プププーッ」。「がんばれ、がんばれ！」。「プーププッ、プーププッ」。そしてとうとう花がさきました。「やったぁ！」。「プップー！」。ところが…。 【scene 08】 とってもくさいにおいだった 「く、くさーい！　頭（あたま）がよくなるからって、むり、むり～！」。めんどくさ花のかおりは、とってもくさいにおいだったのです。「ハナ、クサイ。ハナ、ツブレル～。コテン」。パンタとパンキチはひっくりかえってしまいました。そこへ、「いやはや、パンタたちはきょうもはやおきして花のせわか。感心（かんしん）、感心…」と出てきたお父さんも、「く、くっさー！　コテン」とひっくりかえってしまいました。銀河町のうちゅう人たちも、「クサイ！　クサイ！　アノハナクサイ！」といいだしてたいへんなさわぎになってきました。それにしても、「くさーい！」とパンタ。 【scene 09】 ぼくらがせわをするから！ 銀河町きんきゅうかいぎがひらかれました。議題（ぎだい）は、めんどうくさ花をどうするかです。「クサイハナ、イラナイ！」「イラナイ、イラナイ！」とみんながいいます。「そんなぁ…」とパンタ。すると、ドッチロンがあらわれました。「めんどくさ花、そだてる？　そだてない？　ドッチ？　ドッチ？」。かんがえこむパンタ。めんどくさ花もしょんぼりしています。「ダメダメ！　きらないで！」とパンタがいいました。「メンドクサバナ、ソダ、テル！」。「そうだよ。ぼくらがせわをするからさぁ！」。でも、「そういったってなぁ。このままってわけにも…」とお父さんもこまってしまいます。 【scene 10】 めんどくさ花をきらずにすむ方法 すると、レガスさんがあらわれました。「フンフーン。めんどくさ花をきらずにすむ方法（ほうほう）があるぞよ～」といいます。「ほんとに？　なになに？」とこうふんするパンタ。するとレガスさんは、「めんどくさ花のかおりは、あるべつの花のかおりとまじることによって、とってもよいかおりにへんかするぞよ～」といいます。「その花、そだてるよ！」とパンタ。「その花とは、リオート星（せい）にねむる、もう一つの花ぞよ」。 【scene 11】 “もっとめんどくさ花”？！ さっそくパンタはバースの“うちゅうテレビ電話（でんわ）”をつかって、リオート星（せい）のツーララとはなしました。「パンタさん、お花のたね、うちゅうたくはいびんでもうすぐそっちにとどくはずよ」とツーララ。「ツーララ、ありがとう！」。そこへ、花のたねがとどきました。「ふーん、これをそだてればいいんだね」。するとレガスさんがいいかけました。「ちなみに、この花の名前（なまえ）は…」。「この花の名前は？」「なんていうの？」「ププ？」とみんな。「ウォッホン。“もっとめんどくさ花”ぞよ～」。おもわずずっこけるパンタとパンキチでした。

銀河銭湯パンタくん

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パンタの洗濯は大めいわく！？

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パンタは、自慢のスケボーが汚れたので、試しに浴室の洗剤で洗うと、ピカピカになる。そこで、汚れたものをどんどん浴室で洗い出し、浴室が汚れてお客さんの大迷惑に。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 バースじまんの“フライングボード” このところ銀河町は雨つづき。でも今日（きょう）はひさしぶりにはれました。「ひゃっほー！　外（そと）であそぶぞー！」。「プププーッ」。パンタとパンキチがとび出してきました。ところが、雨つづきのせいで水たまりだらけ。スケボーではしりだしたパンタは水たまりにつっこんでびしょぬれです。そこへ、ギギとバースがやってきました。ちゅうにうくスケボー、“フライングボード”にのっています。「たんじょう日プレゼントにもらったんだ」とじまんするバース。「のせて！」「カシテ！」といわれ、まようバースですが、「ププ！　ニッポンイチ！」といわれてその気になり、「いいよ、かしてあげる」。 【scene 02】 フライングボードがどろだらけ 「ひゃっほ～。水たまりも、へっちゃらだ～い！」。パンタとパンキチがフライングボードにのってとんでいきます。ところが、「ヘッチャラ、ヘッチャラ、プップー！」とパンキチが大はしゃぎでとびはねたので、ボードがかたむきます。そこへピエールさんがとおりかかりました。「うわぁ～ピエールさん、よけて、よけて～！」。パンタたちはピエールさんとしょうとつ！　ボードは水たまりの中につっこみ、ピエールさんもボードもどろだらけです。かけつけたバースに「ごめんよぉ。ぼくらがきれいにあらってかえすからさ。ピッカピカにしてくるから！」というと、パンタはボードをかかえて、にげるようにはしっていきました。 【scene 03】 おふろばであらう？ 「キュッキュッキューッ」。パンタとパンキチがフライングボードをぞうきんでふいています。でも、なかなかどろはおちません。「キュッキュッ、ダメ？　ゴシゴシ、アラウ！」とパンキチ。そこでパンタは、「ゴシゴシか…。そうだ！」と、おふろそうじの“パワーせんざい”をつかうことをおもいつきました。おふろばへボードをはこぶパンタ。でも、かべに『おふろで　せんたくしないこと』とはりがみがあります。はりがみには、「おふろばでのせんたくは、ほかのおきゃくさまのめいわくになるのでごえんりょください」とかかれています。それを見てパンタはまよいます。そこへ、ドッチロンがあらわれました。「おふろでせんたく、する？　しない？　ドッチ？　ドッチ？」。 【scene 04】 おきゃくさんがくる前なら かんがえこむパンタにパンキチがいいます。「オキャク、イナイ。ププーッ」。おきゃくさんがくる前（まえ）におわらせればいいとかんがえたパンタは、「せんたく、しちゃおう！」ときめました。「それっ、パワーせんざいだ！」。二人はフライングボードにパワーせんざいをかけ、ゴシゴシみがきはじめました。「ゴシゴシ、センタク！　ゴシゴシ、キレイ！」。パワーせんざいは、あわ立ちもすごい！　そして、シャワーをかけてすすぐと…、「あっはは！　めっちゃめちゃきれいになってる！」。「プププ、スゴーイ！」。そこでパンタは、「そうだ！　こんなにきれいになるなら…」と、なにかおもいつきました。 【scene 05】 土星のかざりもあらってあげよう パンタのお父さんが、銀河ノ湯の入り口にある土星（どせい）のかざりをそうじしようとしています。先祖代々（せんぞだいだい）350年にわたってうけつがれてきたかざり。ほこりだらけでよごれています。そこへ出てきたパンタが、「それ、ぼくらがきれいにしてあげるよ！」といいました。パンタとパンキチは、土星のかざりをおふろばへはこびます。 【scene 06】 なんでもピッカピカ パワーせんざいでゴシゴシあらうと、土星（どせい）かざりはピッカピカになりました。「プププーッ。スゴイスゴイ！」とパンキチ。「よーし、こうなったら…、みんなのよごれたものも、ぼくらがピッカピカにしてやろう！」とパンタ。「ミンナ、ヨロコーブ！」。「パンパンパンツー！」。お母さんの“ハニーハントのくつ”、「ゴシゴシ！」。たちまちきれいになりました。“フライデー5000”、「ゴーシゴーシ！」。あっというまにピカピカです。でっかい“いんせき”、「ゴシゴシゴシ！」。でも、ぜんぜんきれいになりません。それもそのはず、「ガガガ、オデ、もうきれいガン」。これはガンさんでした。 【scene 07】 おふろばがどろだらけ するとガンさんがいいました。「ガガガ、二人ともまわりをよく見るガン」。見ると、おふろばはどろだらけです。「ププ！　オフロ、キタナイ！」とびっくりするパンキチ。「あらったもののよごれが、とびちったガン」。「このままじゃ、銀河ノ湯、開店（かいてん）できないよ。どうしよう…」とパンタ。「プププププーッ」。そこへ、「いやはや～、そろそろお湯をわかさないと」とお父さんが入ってきました。「パンタ～、母さんのくつ、見なかった？」とお母さんもやってきました。「…ん？」。どろだらけのおふろばを見た二人は、「うぎゃあ～～！！」。 【scene 08】 『本日はお休みします』 銀河ノ湯の前（まえ）にみんながあつまっています。立てふだが立てられていて、『本日は、浴室（よくしつ）大掃除（おおそうじ）のため、銀河ノ湯はお休みします』とあります。そこへ、どろだらけのピエールさんがやってきました。「おふろ、おふろ。はやくしなくちゃ、おふろ、おふ…？　ギャハッ！　お休み！？」。きゅうな大そうじらしいとおしえられますが、どろがきゅうそくにかわいてカチコチになってきたピエールさん、「なんとしても、おふろに！」と、銀河ノ湯に入っていきました。 【scene 09】 ルールはまもらなきゃ 「まったくもう！　みんながつかうおふろばであらいものするなんて！」。お母さんにしかられ「ごめんなさい…」「ププー…」と二人。するとガンさんが、「ガガガ、まあまあ、おかみさん。パンタなりに、みんなのものをきれいにしようとしたガン」といってくれました。「いやはや。だがしかし、みんなのものや場所（ばしょ）をつかうには、まもらなきゃいけないルールというものがある」とお父さんがいいます。「そうね。みんなのことをおもってというなら、そういうやくそくやきまりこそ、まもらなきゃ」とお母さん。「はぁい…」とパンタ。すると、「ヒョヒョヒョ」…。 【scene 10】 みんなの場所はみんなでピカピカに スベトンさんとみんなが入ってきました。「みんなの場所（ばしょ）なら、みんなでたいせつにせんといかんなぁ」とスベトンさん。バースが「ねえねえ、みんなでピカピカにしようよ！」というと、「ソウシヨウ！」とうちゅう人たちもいいます。「みんな、ありがとう！」とよろこぶパンタ。すると、「プププ！　アリガトオォァァァ」。大よろこびしたパンキチの口が大きくあいて、おふろばのよごれをぜんぶすいこんでしまいました。ちょうどそこへ入ってきたピエールさんも…。「ゴックン、キュ～」。おかげでおふろばはピッカピカ。「これで開店（かいてん）できるぞー！」とお父さんはよろこびます。 【scene 11】 やっときれいになったピエールさん… ピエールさんがトーネル星（せい）で体（からだ）をあらっています。「また、すいこまれました。もうだいぶなれましたよ、この星（ほし）にも。ゴシゴシ」。ピエールさんはやっときれいになりました。そこへ、パンキチの妹（いもうと）のモンモがあらわれます。モンモは、パンキチがすいこんだものをはきだすのです。「グググ、プハーーー！」。モンモがはきだしたのは…、おふろのよごれ。「ギョエーッ！！」。ピエールさん、またどろだらけになってしまいました。モンモはピエールさんをゆびさして、「ププ、オバケ！」。

銀河銭湯パンタくん

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みんなでつくろう！秘密基地！

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スベトンが、子どもたちが遊べる秘密基地を作っている。パンタは自分だけの場所を作ることに一生懸命になる。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 雨やどりにオバケモールへ 本日も銀河町はお天気～。パンタたちがかくれんぼをしてあそんでいます。「もういいかい？」。「まぁだだよ！」。バースがおにで、みんながかくれようとしたところへ、きゅうにかみなりがなって、ザーッと雨がふってきました。「かくれんぼは中止（ちゅうし）！　雨やどりだー！」とパンタ。「どこいこ？」ときかれ、「そうだ！　オバケモール！」とパンタ。「えーっ、あそこは立ち入り禁止（きんし）でしょ～！？」とギギがいうのもかまわず、「ちょっとだけーっ！」とパンタははしりだしました。「プププ～ッ」。みんなもあとをおいかけます。 【scene 02】 くらがりからあらわれたのは… オバケモールの中は、うすぐらくてとてもぶきみです。「ち、ちょっとギギ…、先、あるいてよ～」「い、いやよ！　バース、いきなさいよ」「や、やだよぉ～」。すると、くらいところにぼんやりとあかりが…。「パンタ、アレ！」とパンキチがゆびさすほうを見ると、「ドーン！」「ギャーッ、でたー！」。でもそれは、「ヒョヒョヒョ～。ワシじゃよ～」。かいちゅうでんとうで自分（じぶん）の顔（かお）をてらしだしたスベトンさんでした。「スベトンさんっ」とほっとするパンタ。「ヒョヒョヒョ～」。 【scene 03】 秘密基地をつくるお手つだい モールの中はずいぶんきれいになっていました。スベトンさんが、雨の日でもあそべる秘密基地（ひみつきち）につくりなおしているのだそうです。「きけんなとこはしゅうりしたが、まだまだかたづけにゃいかんわい」とスベトンさん。パンキチは、「プププ！　ヒミツ、チキン！」と、ちょっとかんちがいしています。「ぼくら、ここであそんでもいいの？」とパンタがきくと、「もちろん。そのかわり、一つじょうけんがある。おまえさんたちにもかたづけを手つだってほしいんじゃ」とスベトンさん。「もっちろん！」とパンタ。「プププ！　チキン、ツクル！」とパンキチ。 【scene 04】 お手つだいをしないパンタ まず、大きなソファをうごかします。みんなではこぼうとするのですが、おもくて、もち上げるだけでせいいっぱいです。そこへ、「ちょっと～、これ見て見て！」と、プロレスラーのフィギュアをかかえてパンタがやってきました。「ジャン！　プロレスずきならだれもがしる、超（ちょう）人気レスラーのタイヤーマスク！　つぎはこれ！　パワー、スピード、テクニック、どれをとっても超一流（いちりゅう）、グレート・ムダ！」とこうふんしています。「パンタ！　あんたもかたづけ手つだってよ！」といわれますが、「そんなの、あとあと！」といってしまいました。「ヒョヒョ、こまったやつじゃわい…」。 【scene 05】 「ぼくはおたからアイテムをさがすんだ」 「ちぇっ、なんだよ。みんな、かたづけかたづけってうるさいなぁ、ふんっ！　ぼくは秘密基地（ひみつきち）をカッコよくするレアなおたからアイテムをさがすんだ…ん？」。そのとき、どこからともなくなぞの音がきこえてきました。「ッチ、ッチ、ドッ…」。こわくなってきたパンタは「おーい、だれかいませんかぁ～？」とよびかけますが、だんだん音がせまってきます。「パンキチ～！　たすけてーっ！」。そこにあらわれたのはドッチロンでした。「ギギたちを手つだう？　手つだわない？　ドッチ？　ドッチ？」。ほっとしたパンタ、「ドッチロンかよ～。ぼくはおたからアイテムあつめにいそがしいの！」。 【scene 06】 カートがぶつかったのは オバケモールの中を一人あるきまわるパンタは、ぶきみなところにまよいこんでしまいました。とつぜんマネキンがたおれてきてびっくりしたパンタは、ひっくりかえって、かいものカートの中に入ってしまいました。はずみで、パンタをのせたままカートがはしりだします。ものすごいいきおいです。「ヒャアアーッ！　たすけてー！　みんなを手つだわなかったから、バチがあたったんだ。ごめんなさーい！」。すると、「ガシャーン！」。なにかにぶつかってカートがとまりました。「ふぅ、たすかった～。えぇっ？　ロボット？」。 【scene 07】 すごいパワーのKB-28 「ピーピーピー。ワタシハKB-28。オキャクサマノ、アンゼンヲ、オマモリシマス」とロボットがいいました。「カッコいい！　わるものやっつけたりできるの？」ときくと、「ゴウトウガ、ハイッタラ、タイジシマス」というなり、大きなはこをかるがるともち上げます。「すげぇパワー！」。そこでパンタは、みんなに「パンタも手つだってよ～」といわれたのをおもいだしました。「そうだ！　ちょっとはこんでもらいたいものがあるんだけどさ…」。ところがKB-28は、「オヤスイ、ゴヨウ、デ、ス…」ととまってしまいます。「ジュウデンヲ、シテクダサイ…ジュウデン…」。「ええっ、じゅうでん？」。 【scene 08】 モールのけいびロボットだった 「ぐ！　おもたい～。うんしょ、うんしょ。くそぉ、みんなをおどろかせてやるんだからぁ！」。パンタがひっしでKB-28をひきずっていきます。みんながソファをはこんでいるところへ、「おーい！」とパンタがKB-28をはこんできました。「ヒョヒョ～、なつかしいのぉ。そいつは、ここがまだショッピングモールだったころにはたらいていた、けいびロボットじゃよ」とスベトンさん。さっそくスベトンさんは、でんげんコードをつなぎました。すると…。 【scene 09】 おもいソファもかるがると 「ピーピーピー。ア、ワタシハ、KB-28。モールノ、アンゼンヲ、オマモリシマス！」と、KB-28がふっかつしました。「ねえ、KB-28。あのソファを、あっちまではこんでよ」とパンタ。「ワカリマシタ」。KB-28は、かるがるとソファをもち上げてはこびます。「すごい！」。「カッコいい！」。KB-28は、ソファをいわれたところにおきました。「ドシーン！」。さらにKB-28は、「ショウメイ、システムニ、アクセス！　システム、キドウ！」といいました。 【scene 10】 モールのしょうめいもふっかつ すると、しょうめいがついて、あたりはすっかりあかるくなりました。「ヒョヒョ～、こりゃ、たまげたわい！」「すごーい！」「これならオバケモールもこわくないわね！」とみんなも大よろこびです。「あんたもやるじゃない！」「ありがとう、パンタ！」とギギとバースにいわれ、パンタはとくいげです。ところが、「パンタ、カッコイイ～！　プププ…グワアアアア！」。大よろこびしたパンキチの口が大きくあいて、ソファがすいこまれていきました。「ピピピ。ミナサンノ、アンゼンヲ、オマモリシマス」。すいこまれそうなみんなを、KB-28がまもってくれました。「ゴックン、キュ～」とパンキチ。 【scene 11】 KB-28を見たジゴバットは… 何日（なんにち）かたったある日。「ヒョヒョヒョ～。それじゃあワシは、ちょっくら出かけてくるからの。すまんが、おるすばんをたのんだぞ」。スベトンさんが出かけるところです。「ピーピーピー。ア、オマカセ、クダサイ。ピーピー」とKB-28。そのようすを、木のかげからジゴバットが見ていました。「ふん、おるすばんか…。そうか、なるほど！　こんどこそ銀河ノ湯をぶっつぶしてやるぞ～。ゲヘヘヘ！」。ジゴバットが、またなにかわるだくみをかんがえついたようです。

銀河銭湯パンタくん

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おるすばんならまかせてよ！？

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パンタの両親がそろって家を空け、パンタとパンキチの二人で留守番をすることになった。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 夕方まで二人でるすばん 銀河町は満月（まんげつ）の月あかりにてらされて、なんだかあやしいふんいき。「ゲヘヘヘ。これでじゃまものをけしてくれるわ、ゲヘヘヘ」。ジゴバットがなにかを銀河ノ湯ののれんにはりつけました。つぎの朝（あさ）、お父さんとお母さんがパーティに出かけようとしています。しょうたいじょうには『お昼（ひる）のワインパーティー　ジゴレーヌーボーお試（ため）し会（かい）　※大人だけ』とあります。「ずるーい！」というパンタに、「夕方（ゆうがた）にはもどるから、二人でるすばんしておいておくれよ」とお父さん。「まてよ、夕方までぼくらだけっていうことは…」。「マンガ、ヨミホウダイ！　プププーッ」。 【scene 02】 家の仕事もやらなきゃいけない 「じゃ、いってくるからな」。「パンタたちだけでだいじょうぶかしら…」。お父さんとお母さんはしんぱいそうです。「だいじょうぶだよ。なぁ、パンキチ」。「プププー！　オルス、バン！」。すると、「おるすばんといっても、お母さんたちがいつもやってる家（いえ）のこともいろいろやらなきゃいけないのよ」とお母さんが“家の仕事（しごと）リスト”をパンタにわたしました。「こんなのかんたん、かんたん。まかせてよ！」とパンタ。「いってらっしゃーい！」。「プップップー」。出かけていくお父さんとお母さん。そのようすをジゴバットが見ていました。「ゲヘヘ。計画（けいかく）どおり」。 【scene 03】 “家の仕事リスト”を見ると 「ヤッホー！　これで、あそびほうだいだー！」。「プププー。マンガー！」。はしゃぐパンタとパンキチ。でも、お母さんからわたされた“家（いえ）の仕事（しごと）リスト”を見ると、げんかんのそうじ、せんたく、草むしり、脱衣所（だついじょ）のかたづけ、ふろそうじ…と、仕事はたくさんあります。「こんなにやんなきゃいけないの？！　どうしよう…」。すると、ドッチロンがあらわれました。「家の仕事、やる？　やらない？　ドッチ？　ドッチ？」。「さっき、できるっていっちゃったしなぁ…。わかった、わかったよ。やりますよ、もう！」。 【scene 04】 せんたくきをかりにきたピエールさん パンタたちが、げんかんのそうじをはじめました。でも、ほうきではいてもはいても、ぜんぜんゴミはへりません。とおもったら、パンタがはきあつめたゴミを、パンキチがまたはきちらかしているのでした。「トホホ…」。そこへピエールさんがやってきました。山のようにふくをせおっています。「うちのせんたくきがこわれましてですね…」。せおっていたのは、たまったせんたくもの。銀河ノ湯のせんたくきをかしてもらえないかとやってきたのでした。それでパンタは仕事（しごと）リストの“せんたく”をおもいだしました。「たいへんだ、パンキチ！　せんたく、はやくしないとかわかないぞ！」。 【scene 05】 せんたくきが大ばくはつ！ どっさりあるせんたくものをせんたくきにおしこんで、スイッチオンでスタート。せんたくきがはげしくうごきだします。そこにピエールさんが「あのう、せんたくき…」と入ってきました。すると、せんたくきが大ばくはつ！　せんたくものがふきとんで、なにもかもあわだらけです。そこへお母さんから電話（でんわ）です。「パンタ、なにかかわったことはない？」。あわてて、「ないないない！　だいじょうぶだよ、じゃあね」と電話をきるパンタ。「家（いえ）の仕事（しごと）って、おもったよりたいへんだなぁ…。パンキチ、こうなったらぼくらで家の仕事ぜーんぶやっちゃおう！」。「パンパンパンツー！」。 【scene 06】 しっぱいつづきのパンタたち 「かたづけるぞぉー！」。おけやタオルをはこぶパンタとパンキチ。ところが二人は正面（しょうめん）からぶつかり、おけやタオルがとびちります。そこへ、「あのう、せんたくき…」と入ってきたピエールさん、とんできたものの下じきになってしまいました。つづいて、おふろにお湯を入れようとしたパンタ、「お湯出すのって、これだったかな？」とハンドルをまわすと、「あのう、せんたくき…」と入ってきたピエールさんにドドドッと水がかかって、ピエールさんはバッタリ。パイプのあちこちから水がふきだしてたいへんです。そのとき、「ゲーヘヘヘ！」という声（こえ）が！ 「この声は、ジゴバット！」。 【scene 07】 パーティはワナだった？ いっぽう、パーティに出かけたお父さんとお母さんは、パーティ会場（かいじょう）にやってきましたが、ワインもなにもありません。お父さんが、うっかり地面（じめん）のスイッチをふんでしまいます。すると、上から大きなおりがおちてきました！ 「あぶない！」。かんいっぱつ、お母さんにたすけられるお父さん。「だれかのワナね」とお母さん。おりについていたワインを見ると、『ジゴレーヌーボー』とあります。「あ！？　ジゴバット！」。 【scene 08】 「じゃぐちをふさいでお湯を出せなくしてやる」 「ゲーヘヘヘヘ！」。ジゴバットが銀河ノ湯にあらわれました。「オレさまのかいはつしたスライム銃（じゅう）で、すべてのじゃぐちをふさいで二度（にど）とお湯を出せなくしてやるのだ」。そこへ、「やめろーっ、ジゴバット！」「ププププーッ」とパンタとパンキチがかけつけました。「これでもくらえ！」とジゴバットがスライム銃をはっしゃしたとき、ちょうど、「あのう、せんたくき…」とピエールさんが入ってきました。ピエールさん、ねばねばしたもので口をふさがれてしまいました。「ゼンダグギ…」。 【scene 09】 お湯におちたジゴバットは 「パンタ！　パンキチ！」。「いまもどったぞ！」。お父さんたちが大いそぎでかえってきました。銀河ノ湯ではジゴバットが、さいごのじゃぐちにスライム銃（じゅう）をむけています。「さらばだ、銀河ノ湯！」。そのときお父さんが、お湯を入れるハンドルを力いっぱいまわしました。たちまちおふろ場（ば）にお湯があふれます。「う、うわぁ、お湯だ！」とジゴバット。「オリャア！」。お母さんにお湯の中につきおとされたジゴバットは、お湯につかったので小さくなってしまいました。「チクショー、こんかいはしっぱいしたが、おぼえてろよー」。ジゴバットはにげていきました。 【scene 10】 「おるすばん、ごくろうだったな」 あたりはめちゃくちゃにちらかっています。「ちらかしてごめんなさい」とパンタ。ところがお父さんが「おるすばん、ごくろうだったな」といったのでパンタはびっくり。パンタたちががんばって家（いえ）の手伝いをやろうとしたのをピエールさんからきいたのです。「イエノシゴト、ターイヘン！」「お父さん、お母さん、いつもありがとう」というと、「よし、るすばんきねんにフルーツミルクでかんぱいだ！」とお父さん。すると、「プププー。フルーツミルク！」と大よろこびしたパンキチの口があいて、「あのう、せんたくきを…」と入ってきたピエールさんがせんたくきといっしょにすいこまれていきました。「ゴックン、キュ～」。 【scene 11】 ピエールさんがやっとせんたくを… ピエールさんがトーネル星（せい）で、せんたくきをまわして、やっとせんたくをしています。モンモがやってきました。「モンモさん、どうも。ちょっとこれ、入れすぎましたですかね？」とピエールさん。そこでピエールさんはおもいだしました。「はっ！　そういえば、これ、つめこみすぎると…」。そこで「ドカーン！」。せんたくきがばくはつし、ピエールさんはふっとばされてしまいました。「ププッ。シンキロク！」とモンモ。

銀河銭湯パンタくん

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先生って楽ちん？

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銀河町の町内マラソン大会にむけ、放課後に練習するパンタたち。しかし、先生の熱血的な指導についていけず...

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 マラソン大会のれんしゅう 本日も銀河町は、はれなり～。パンタたちがマラソン大会（たいかい）のれんしゅうをしています。「ひぃ～、もうダメ～」。みんなふらふらです。「ゴールまでやすむなよーっ。ガッツだ！」。おうえんしているのは銀河小学校の熱血（ねっけつ）先生。パンタたちのれんしゅうにつきあってくれているのです。パンキチから水やバナナをもらい、ひといきつく三人。「ラストスパートだ！　ガッツだぞ！」。ズルをしてスケボーにのったパンタは、とまらなくなって「ドシーン！」と先生にぶつかってしまいました。「ばっかもーん！　あしたはもっときびしいれんしゅうにするからな！　かくごしとけー！」。 【scene 02】 くたくたにつかれたパンタ 銀河ノ湯の前（まえ）でピエールさんとお父さんがはなしています。「いやぁ、わたくしこう見えても、学生時代（じだい）は陸上部（りくじょうぶ）でブイブイいわせてたんでございますですよ～ブイブイ」。そこへ、パンタとパンキチがかえってきました。パンタはつかれはてて、くたくたのようです。「いやはや、もうすぐ銀河町マラソン大会（たいかい）だな！」とお父さんが声（こえ）をかけますが、パンタは「はぁ…」とためいきをついて家（いえ）に入っていきました。「ん？」。「プゥ…」。 【scene 03】 「もう、れんしゅうやめたいなぁ」 つぎの日。きょうもパンタたちはマラソンのれんしゅうです。「あ～あ、先生はいいよなぁ。自分（じぶん）は、はしらないでゴールのところに立ってるだけだもんな～。楽（らく）ちんだよ。もう、れんしゅうやめたいなぁ」とパンタ。「でも先生も、タイムをはかったり、ぼくらのけがのちゅういとか、いろいろ見てくれてるんじゃ…」とバース。「う～ん…」。すると、ドッチロンがあらわれました。「れんしゅう、つづける？　つづけない？　ドッチ？　ドッチ？」。 【scene 04】 かぜをひいたとうそをいって… そこへ先生がやってきて、さっそくれんしゅうをはじめようとします。すると、「ゴホゴホ。先生、あの…ぼく、かぜひいちゃって、ゴホ、きょうはお休みします」とパンタがいいました。ギギとバースもマスクをしてゴホゴホ。先生は「そうか…それはしかたがないな。しっかり休んでなおすんだぞー！」といいました。「ハーイ！　やすみまーす！」とパンタたち。この日から、パンタたちはれんしゅうにいかなくなりました。 【scene 05】 なにかかいていた先生 銀河ノ湯の前（まえ）でピエールさんとお父さんがはなしています。「いやぁ、マラソン大会（たいかい）、たのしみでございますですなぁ～」。そこへパンタがかえってきました。「れんしゅうはどうしたんだ？」ときかれ、「ゴホゴホ、たいちょうが…」とごまかすパンタ。スケボーであそんでいたパンタは、スベトンさんにも「れんしゅうないのか？」ときかれますが、「えっと…、バランスかんかくを…」とごまかします。広場（ひろば）であそぼうとしていたパンタたちは、先生を見かけました。なにかをかいています。「なにやってんだろ？」。「テストつくってるのかな？」。「ひぃいい～やだやだ！」。 【scene 06】 いよいよマラソン大会 いよいよ銀河町マラソン大会（たいかい）の日。スタート地点（ちてん）にみんながあつまっています。「ピピーッ！　ここからスタートして、銀河町をぐるっと一周（いっしゅう）して、このアーチがゴールだ！」と先生。「もどってこられるかなぁ…」とバース。「さいしょっから、かっとばすわよー」とギギ。「スケボーではしったら楽（らく）ちんなのになぁ～」とパンタ。「いちについて。よーい、スタート！」。はしりだすみんな。すると、おうえんしていたピエールさん、「わたくしも体（からだ）がウズウズしてまいりましたです！　うおおおーっ」と、とびいりさんかです。 【scene 07】 先生がかいた立てふだ 「はぁはぁはぁ…」。はしるパンタたちを、うちゅう人たちがおいぬいていきます。「くるしい…もう、ダメ…」とバース。するとパンタが立てふだを見つけました。『もうすこしで半分（はんぶん）！　がんばれ！』とあります。それを見たバース、「よーし！　なんとか半分までがんばるぞ！」といいました。パンタは立てふだに先生のマークがあるのに気がつきました。「先生がかいたんだ…」。「はぁはぁはぁ…」。はしっていくと、『ここで半分！　がんばれ！』と立てふだが。「はぁはぁはぁ…」。さらにはしっていくと、『ゴールまでもうすこし！』と立てふだです。 【scene 08】 先生からのメッセージが 「はぁはぁはぁ…」。はしりつづけるパンタたち。「もう…ダメ…。先にいって…」。とうとうバースはすわりこんでしまいました。ふと見ると、『バースへ』とかかれたふくろがぶらさがっています。「なんだ？」。あけてみると、『いつもコツコツがんばるバース。ぜったいゴールできる！　ガッツ！』とメッセージのついたバナナが。「…よーし！」とバース。いっぽう…、「はぁはぁ…足が、もうムリ！」。ギギもすわりこみました。すると目の前（まえ）にひらひらとはっぱがおちてきました。はっぱには、『やるときめたらやりきるギギ。ガッツ！』とメッセージが。「ガッツ！」とギギ。 【scene 09】 さいごまでがんばろう！ 「はぁはぁ…もうはしれない…」。パンタも足がとまってしまいました。すると目の前（まえ）に、『パンタへ』とかかれたひもがぶらさがっています。「なんだ、これ？　よいしょ」。パンタがひもをひっぱると、たれまくがたれてきました。そこには『パンタのがんばりはみんなを元気（げんき）にする！　ガッツ！』とあります。「先生…、ぼくらのマラソンのために、いろいろよういしてくれてたんだ」とパンタは気がつきました。そこへ、「おーい！」「パンター！」と、バースとギギがおいついてきました。「よーし！　さいごまでがんばろう！」。「ガッツ！」。 【scene 10】 さいごまであきらめずに「ゴール！」 「パンタたち、まだかな～？」。お父さんたちがゴールでまっています。そこへパンタたちがかえってきました。「あとすこしだぞーっ。ガッツだー！」。そしてついに、「ゴール！」。「すごいぞ、みんな！」とよろこぶ先生に、「先生！　れんしゅうさぼったりして、ごめんなさい！」とパンタたちはあやまりました。「おまえたちがさいごまであきらめずがんばってくれたことが、なによりだー！」と先生。「プププーッ、パンタ！」。「やったぞ、パンキチ！」。すると、「スゴオオイイーーッ」と大よろこびしたパンキチの口があいて、「ひぃひぃ…」とはしってきたピエールさんがすいこまれていきました。「ゴックン、キュ～」。 【scene 11】 またトーネル星へ 「ゴール！」。ピエールさんがトーネル星（せい）にあらわれました。モンモとツーララが音楽（おんがく）にあわせておどっています。「プププ」。「あら、ピエールさん」。そこでピエールさんはわれにかえりました。「あれ？　マラソンは？　はて？　モンモさんにツーララさん。なにをおどってらっしゃるんでしょう？」ときくと、「トーネルオンド。ププ～♪」とモンモがこたえました。「ははぁ、またきちゃいましたか…」とピエールさん。

銀河銭湯パンタくん

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古くて新しい！？銀河おどり

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銀河フジが宇宙遺産の登録候補にノミネートされた。銀河町の町人たちは登録を目指し、伝統の銀河おどりでアピールしようとする。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 銀河フジが“うちゅういさん”に？ 本日も銀河町は、快晴（かいせい）なり～。銀河ノ湯で、みんながテレビの前（まえ）にあつまっています。アナウンサーがいいました。『このひろいうちゅうの星々（ほしぼし）にある、とてもきちょうなたてものやしぜんなどを、みんなでたいせつにしていこうという“うちゅういさん”。ことし、こうほにえらばれたのは…ちきゅうの、銀河フジです！』。きいていたみんなは「やったーっ！」と大さわぎ。でもレガスさんは、「銀河フジは、まだうちゅういさんの『こうほ』になっただけぞよ。つまり、しんさいんがきたときに、銀河フジのすばらしさをアッピールしなければいけないぞよ～」といいました。 【scene 02】 『銀河おどり』と『ギンガダンス』 銀河フジをどうアピールするか、銀河町会議（かいぎ）ではなしあいます。「銀河町につたわる『銀河おどり』をみんなでおどるのがよろしいんじゃなくて？」とドレープさん。ピエールさんが「♪たかく～♪そびえる～♪銀河フジ～」と銀河おどりをおどってみせます。「なんか、ふるくさくな～い？」とパンタたち。「でも、銀河おどりなら、だれでもかんたんにおどれて、たのしいわよ」とお母さんがいったので、銀河おどりでアピールすることになりました。「こうなったら、わたしたちだけであたらしい『ギンガダンス』をつくりましょうよ」とギギ。パンタたちは、ピエールさんもむりやりつれて、いってしまいました。 【scene 03】 二つのグループにわかれてれんしゅう それぞれのれんしゅうがはじまりました。「サン、はい！　♪たかく～♪そびえる～♪銀河フジ～　あらよっと！　♪おてんとさまにも～♪とどきそう～　そいやっさ！…」とお父さんたち。ゆったりとした、ぼんおどりのようなおどりです。いっぽうギギたちは、アップテンポのラップでおどります。「エベバデ、カモン！　レッツ・ダンス！　♪まあるいわっかが　かかる　マウンテン！　たのしいやつらが　あつまるん　だって！　うちゅうのはての　どの…」。ところがピエールさんの足がもつれ、「バシャーン！」と湯ぶねに。「なにやってんのよぉ！」。「こんなんじゃ銀河おどりにまけちゃうじゃん！」。「プププーッ」。もういちどれんしゅうです。そのようすを見ていたレガスさん、「こまったものぞよ～」。 【scene 04】 “うちゅういさん”のしんさの日 “うちゅういさん”のしんさの日がやってきました。ちきゅうにやってきたしんさいんたちに、銀河おどりをひろうします。「♪ドドンがドン　あ、よいしょ！　♪たかく～♪そびえる～♪銀河フジ～　あらよっと！　♪おてんとさまにも～♪とどきそう～　そいやっさ！　♪ああ～♪ぜっけいかな～♪たまらんちん…」。ドレープさんが、「銀河町にふるくからつたわる銀河おどり、いかがですか？」ときくと、「ほほぉ、すばらしい！　みなさんの銀河フジへのあいじょうがつたわりますなぁ」と、しんさいんたちも感心（かんしん）しています。すると、「ちょっとまった～！」という声（こえ）が…。 【scene 05】 にらみあうグループを見て… 「そ～んなふるくさいおどりじゃなくて、ギンガダンスでレッツ・ダンシングよ！」ダンスのかっこうもバッチリきめたこどもたちは、ギギのよびかけでギンガダンスをひろうします。「♪まあるいわっかが　かかる　マウンテン！　たのしいやつらが　あつまるん　だって！　うちゅうのはての　どの星（ほし）　だって！　こんなのないに　きまってるでしょ！」。大人たちとパンタたちは、「じゃま、じゃま！」「そっちこそ！」「むぅぅ！」とにらみあいになります。すると「もう、けっこう！　ざんねんですが今回（こんかい）のしんさは…」と、しんさいんがいいかけました。あわてたお父さんはひっしにせっとくし、一週間後（いっしゅうかんご）にもういちどきてもらうことになりました。 【scene 06】 銀河おどりのいみ？ 「まったく、あんたたちは！　なんであんなことしたのよ」。おふろ場（ば）でお母さんがパンタたちにいいました。「だって～、銀河おどりってどこがいいのかわかんないんだもん」とパンタ。「プー」。するとレガスさんが、「パンタたちは、銀河おどりにこめられたいみをしっているか、ぞよ～」といいました。「銀河おどりのいみ？」。「ププ？」。レガスさんがいいます。「銀河おどりには、ここにくらす人々のしあわせをねがう気もちがこめられているぞよ～」。ガンさんとスベトンさんが銀河おどりの歌（うた）をうたいだしました。「♪どなたさまもしあわせに～」「♪どなたさまもほがらかに～」。 【scene 07】 「ぼくらも銀河おどりおどるよ！」 「むかしからこの町の人たちは、みなのしあわせをいのって、いっしょになかよくおどったぞよ～」。パンタもバースも、「銀河おどりは、みんながずっとだいじにしてきたおどりだったんだね…」と気がつきました。そこへ、ドッチロンがあらわれました。「銀河おどり、おどる？　おどらない？　ドッチ？　ドッチ？」。パンタは、「わかった。ぼくらも銀河おどりおどるよ！」といいました。「うん、そうだね！」とバース。「ププーッ、ギギー！」とパンキチがいうと、ギギも女湯から顔（かお）を出しました。「そうしましょ！　でも、ギンガダンス、あんなにれんしゅうしたからちょっとざんねんだけど」。 【scene 08】 ギンガダンスもたのしい？ 「そうでございますですよ！」。ピエールさんが「♪ギンガダンスもおどってみれば！　たのしいものでございますですよ！」とおどりはじめます。「♪ヒョヒョ～！　たしかに　カッコイイわい！」とスベトンさん。「♪ガガガン！　モ、モ、モッタイナ～イ！」「モッタイナ～イ！」とガンさんやみんなもくわわります。すると女湯からドレープさんがあらわれました。「フフ…。銀河フジをおもう気もちがこめられているのは、どちらの歌（うた）もおなじこと。わたくしにも、ちょっとかんがえがございますの」。 【scene 09】 あたらしい『スーパー銀河おどり』 そして一週間後（いっしゅうかんご）。しんさいんたちの目の前（まえ）で、みんなはあたらしい『スーパー銀河おどり』をひろうしました。「♪たかく～♪そびえる～♪銀河フジ～　HEY YO マウンテン！　♪おてんとさまにも～♪とどきそう～　OH YEAH！　ひゃくてんまんてん　たのしいやつらが　あつまるんだって！　うれしいきもちが　あふれるんだって！　銀河フジやっぱり　カッコイイ！　♪ああ～♪ぜっけいかな～♪たまらんちん　マウンテン！　♪どなたさまも～♪しあわせに～♪どなたさまも～♪ほがらかに～」。それは、銀河おどりとギンガダンスをあわせたおどりだったのです。 【scene 10】 “うちゅういさん”けってい！ 「ほほぉ、すばらしい！」。「銀河フジをおもう、むかしといまの人々の気もちが、とてもよくつたわりました」。しんさいんたちも感心（かんしん）しています。そして、「“うちゅういさん”、とうろく、けっていです！」といったのでした。「やったぁーっ！」とみんなは大よろこびです。すると、「ウワァァァッ」とよろこんだパンキチの口があいて、なにもかもすいこまれていきました。ひっしに木のえだにしがみつくピエールさん…。「ゴックン、キュ～」。 【scene 11】 トーネル星でスーパー銀河おどり 「♪たかく～♪そびえる～♪銀河フジ～　HEY YO マウンテン！　おてんとさまにも…♪」。トーネル星（せい）で、やぐらのまわりをまわりながら、みんながスーパー銀河おどりをおどっています。ツーララもモンモもいっしょにおどっています。お父さんがちきゅうにでんわしました。「いやはや、ピエールさん。すみませんがかたづけのほう、よろしくおねがいします」。…銀河ノ湯では、ピエールさんがあわだらけになっておふろ場（ば）をあらっています。「なんでこうなるの！？　なみだ、ジョーッ！」。「プッププ～♪」とパンキチ。

もやモ屋

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く・う・は・く時間【公正、公平、社会正義/友情、信頼】

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クラスメイトの定規がなくなり、大騒ぎに。昼休みにみんなといなかったヨシトが疑われるが、ショウタはヨシトの秘密を知っていて……

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 ヨシトは自分勝手？ 朝、みんなが登校してきました。「今日はみんなでドッジやろうか」とアキジ。「すきだなぁ、アキジ」とタカユキ。アキジにさそわれ、うなずくショウタ。３人が教室に入っていくと…。「ちょっとヨシトくん！」と女子の大きな声が聞こえました。おどろくショウタ。見ると、ヨシトが女子たちにかこまれています。「今日、日直だよね。ちゃんとやりなよ」。「うるせえな」。「うるさいって何？」。「めんどくせえんだよ」。ヨシトはそう言って教室から出ていってしまいました。「またヨシトかよ」とタカユキ。「あいつほんと自分勝手だよな。だからだれにも相手されないんだよ」とアキジ。「うん、まあ…」と答えるショウタ。 【scene 02】 タカユキの新しい定規 するとタカユキが、「それよかさ、２人ともちょっと見てよ。じゃーん！」と新品の定規（じょうぎ）を見せました。「あ、これ新しいやつじゃん。かっけー」と定規を手に取るショウタ。「何それ？」とみんなも集まってきます。教室にもどってきたヨシトがそんなショウタたちをチラッと見て席（せき）につきました。そこで、授業（じゅぎょう）開始のチャイムが鳴り、みんなあわてて席につきます。じっとヨシトを見るショウタ。ヨシトはショウタの視線（しせん）に気づきますが、「ふん」というふうに目をそらしました。「はぁ…」とため息をついて席につくショウタです。 【scene 03】 ヨシトもドッジボールにさそったけど 「みんな先行ってるってよ」。くつをはきかえているタカユキとショウタにアキジが声をかけました。「女子はもうみんな集まってるよ」と女子たちも校庭に出ていきます。「早く、ショウタ」。そこへ、ヨシトがあらわれました。「あ、ヨシトさそった？」とショウタが聞くと、「どうせぼくたちとは遊ばないんじゃない？」とタカユキが言います。「でもみんなさそったんだし」とショウタが言ったので、「ヨシト、おれらドッジやるけどやりたいなら入れてやるよ」とアキジが声をかけました。でもヨシトはだまって行ってしまいます。「なんだよあいつ」。「ほら言ったじゃん」と不満（ふまん）げなアキジとタカユキ。気まずいショウタ。 【scene 04】 「ヨシト、どこ行くんだろう？」 「最初（さいしょ）はグー、ジャンケンポン！」。ジャンケンでチームに分かれてドッジボールを始めるみんな。しかし、ショウタは「あ、ぼく、宿題のことで先生によばれてた」と思い出します。「ごめん。すぐもどってくるから」とかけだすショウタ。先にドッジボールを始めるクラスメイトたち。用事をすませてドッジボールにもどるためにショウタがくつをはいていると、ヨシトもくつをはきかえて出ていきました。『ヨシト、どこ行くんだろう？』。ドッジボールをしているみんなが気になりながらも、ヨシトのあとをつけていくショウタ。すると…。 【scene 05】 ウサギの世話をしていたヨシト 「よしよし。ほら食べろよ。うちから持ってきたんだ。ほら食べろよ」。ヨシトがウサギ小屋でウサギにえさをやっていました。「な、おいしいだろ？　ほら、もっと食べろよ」。いつもとちがって、見たこともないヨシトの笑顔（えがお）におどろくショウタ。『ヨシト、ウサギすきなんだ』。ヨシトの様子をそっと見ていたショウタですが、「あ、行かなきゃ」と思い出して、ドッジボールをしているみんなのところへもどっていきました。「かわいいな、ほら」。ヨシトはウサギにえさをやりつづけています。「目がクリクリしてて、かわいい」。 【scene 06】 「ぼくの定規がない！」 昼休みが終わってみんなが教室にもどってきました。ショウタはアキジとタカユキといっしょです。ヨシトはひとりで席（せき）にすわっています。近づいて何か言おうとするショウタ。じっと見返すヨシト。ショウタは「はぁ…」とため息をついて席につきます。そのとき、「ない！　ぼくの定規（じょうぎ）がない！」とタカユキの声がしました。みんなでさがしますが見つかりません。「さっきまであったのに」としょんぼりするタカユキ。「もう一回さがしてみようよ。どこかにはさまってるかも」とショウタは言いますが、「全部見たよ」とタカユキに言われ、「でも…」とだまってしまいます。 【scene 07】 だれかが定規をとった？ 「さっきまであったんだろ？」とアキジ。「うん」とタカユキ。するとアキジが、「じゃあ、だれかにとられたんだろ」と言いました。「え、まさか」とショウタ。タカユキは、４時間目のあと定規（じょうぎ）は、ふで箱に入れてつくえの中に入れたと言います。「じゃあ、昼休みのあいだにだれかがとったんだよ」とアキジ。「でも、さっきまでみんなでドッジしてたじゃん」とショウタが言うと、「でも、全員じゃなかった」とアキジ。「最初（さいしょ）っからいなかったやつがいるだろ」とアキジが言い、みんなはヨシトを見ました。ヨシトは、だまってまどの外を見ています。 【scene 08】 みんなヨシトをうたがう 「いこうぜ」。みんながヨシトをとりかこみました。「ヨシト、おまえ昼休みどこにいた？」とアキジ。「どこだっていいだろ」とヨシト。「よくねーから聞いてんだよ」とアキジ。「ぼくの買ったばっかの定規（じょうぎ）がなくなったんだけど」とタカユキ。「知らねえよ、そんなこと」とヨシト。「お前以外（いがい）はみんなでドッジやってたんだよ」。「だからなんだよ。関係（かんけい）ないだろ」。「は？　クラスメイトの物がなくなってるんだぞ」。タカユキが、「ヨシト、今出してくれたらそれで終わりにするから」と言いかけたとき、「知らないって言ってんだろ！」とヨシトがどなり返しました。しずまりかえるみんな。 【scene 09】 何も言えないショウタ 昼休みにヨシトがウサギにえさをやっていたのを知っているショウタ。でもみんなのいきおいに何も言えません。「おまえだろ。いっつもみんなにめいわくかけてるもんな」とアキジ。「ちがう」とヨシト。「じゃあ、なんでどこにいたか言えねえんだよ」。「だからどうだっていいだろ、そんなこと」。「よくないよ。定規（じょうぎ）がなくなってるんだもん」とタカユキ。「知らねえよ」。「どこにいたか言えよ」とあらそいははげしくなっていきます。「なあ、ヨシトあやしいよな。だろ？」とアキジがみんなに言います。「そうだろ、ショウタ？」。「え？」。タカユキもアキジもショウタに同意をもとめますが、ショウタはウサギ小屋のヨシトを思い出し、何も言えません。 【scene 10】 何も言わないヨシト… ショウタが自分を見ていると気づいたヨシトですが、すぐ目をそらしてしまいます。「お前もそう思うだろ？」とアキジに言われ、「アキジ、あのう…」と言いかけるショウタですが…。それを無視（むし）するように「早く出せよ」とヨシトにつめよるアキジ。それでも、ヨシトは、横目でアキジをにらむだけで何も言いません。「いいよ、アキジ。もう先生に言うから」とタカユキが言い、「そうだな。いいな、みんな？」とアキジ。みんなも同意（どうい）しています。そんななか、ヨシトは何も言わず、目をそらしたままです。ショウタの心はモヤモヤ…。

もやモ屋

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あの子の絵の具【相互理解、寛容】

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絵の具を借りたことをきっかけに、個性的な絵を描く陽菜に興味を持つナツミ。クラスメートたちに「変な絵！」と否定された陽菜は、ある行動に出る。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 写生の絵の具をわすれたナツミ 「今回の写生大会のテーマは『自然（しぜん）』です。みんなで目の前にあるものをよく見て、きいて、感じて、絵にかいてみましょう」。先生がみんなに言いました。「はーい」。川べりの思い思いの場所で絵をかき始めるみんな。でもナツミはその場にのこったままです。「田代さん、どうしました？」と先生に言われ、「絵の具、わすれちゃいました」とナツミ。「あら、こまったわね。そしたら、妹尾（せのお）さんにかりてかきましょうか」と先生。「はい」。『妹尾ハルナは、かわり者で有名だった』。「妹尾さん。あの、わすれちゃって、絵の具を…」とナツミ。ハルナはだまって絵の具を箱ごとナツミのほうによこしました。 【scene 02】 かわり者で有名なハルナと 「絵なんてかきたくないなあ」とつぶやくナツミ。「使いたい色あったら取っていいからね」と急にハルナが言います。「うん」とナツミ。一つのパレットを使って絵をかきつづける二人。「あと20分でーす」と先生がみんなに声をかけました。「うーん」。川の動きがうまくかけないナツミは、「妹尾さん、動いてないなかに、動いている川ってどうやってかくの？」と聞きました。ハルナはナツミの絵の川に白で光をかき入れました。「わあ、すごい！」。「もうちょっと白くしたほうがいいかな」とハルナ。『田代ナツミは妹尾ハルナに少しだけ近づいた…とごかいした』。 【scene 03】 ろうかにはり出された絵 みんなが写生大会でかいた絵が教室のろうかにはり出されていました。ナツミがまんぞくそうに自分の絵を見ています。でもハルナの絵はありません。「妹尾さんの絵、ないね」。ナツミがハルナに話しかけますが、ハルナはだまって行ってしまいます。朝の会で先生が言いました。「いくつかの入選（にゅうせん）作品は、図工室前のろうかに展示（てんじ）されています。これらの作品は、先生たちが一人一まい、えらんで決めました」。ハルナの絵は入選作品でした。『田代ナツミにとって妹尾ハルナの行動はなぞだらけだった。いぜんとして田代ナツミと妹尾ハルナのあいだにはきょりがあった』。 【scene 04】 ハルナの絵、三輪さんの絵 「どのような川が流れているかではなく、川の流れそのものを感じました。この日がきっといい日であったことがつたわってくる、すてきな作品です」。ろうかにはられたハルナの絵のコメントをナツミが読んでいます。そこへ、ほかの女子もやってきました。「あ、三輪（みわ）さんの絵、あった！」。「すごーい」。自分の絵がかざられていてうれしそうな三輪さん。ところが、「この絵おもしろい」。ハルナの絵のほうに女子たちはすいよせられます。「へんなのー。でもかわいい」と女の子たち。 【scene 05】 こんな絵はおかしい？ すると、「写生大会は目の前にあるものを見たままかくのよ。先生もそう言ってたでしょ。こんなのちっともうまくなんかないじゃない。どこにこんなカラフルな川が流れているのよ」と三輪さんが言いました。「たしかにそうだね。こんな川なんかないね。へんだよ」と三輪さんのきげんをとるようにみんなも言い出します。「だれがこの絵をえらんだのかな」とコメントを見ると…、「校長」。すると三輪さんが、「きっと何かのまちがいよ。こんなのおかしいもの。はがしてもいいんじゃない」と絵をはがそうとします。 【scene 06】 絵をはがそうとする三輪さん 「そんなことだめよ」ととめるナツミ。「だっておかしいじゃない。こんなへんな絵が入選（にゅうせん）してるの」と三輪さん。「そういえば田代さん、妹尾さんといっしょに絵をかいてたよね。友だちだからかばってんでしょ？」。そう言われ、「べつに友だちなんかじゃないよ。あの日はたまたま絵の具わすれちゃったからかりてただけだもん」とナツミ。「じゃあ田代さん、こんな色の川見たことあるわけ？」と聞かれ、「ないけど…」と何も言えなくなってしまうナツミ。そこへ近づいてきたハルナが、「あるよ」と言うと、自分で絵をはがして行ってしまいました。『妹尾ハルナは、かわり者で有名だった』。 【scene 07】 絵をはがしたのは… 「今日、図工室前にはられている入選（にゅうせん）作品の一つが、はがされていました」と、帰りの会で先生が言いました。「えーっ」。ざわざわするみんな。「その絵はうちのクラスの人の絵でした。どうしてこのようなことが起こったんでしょうか」。すると、「はい」と三輪さんが手をあげました。「わたし知ってます。だれがはがしたか」と三輪さん。「だれ？」。三輪さんはハルナを指さして、「妹尾さんは、自分で自分の絵をはがしていました」と言いました。「えー？」。「自分で？」。「おかしいよ」。またみんながざわつきます。「妹尾さん、本当？」と先生が聞きますが、ハルナはだまって絵をかきつづけています。 【scene 08】 本当のことを言おうとしたら すると一人の女子が、「先生、わたしも妹尾さんがはがしているところ見ました」と言いました。「わたしも。自分でかってにはがしたのよ」とほかの女子。「妹尾って、へんなやつだよな」と男子も言い始めます。『田代ナツミは、勇気（ゆうき）をふりしぼった』。立ち上がるナツミ。「どうしましたか、田代さん」と先生。ハルナが顔を上げてナツミを見ました。「あの…えっと…あの絵をはがしたのは…」と言いかけるナツミ。するとハルナが急に立ち上がって、「ごめんなさい」と頭を下げました。教室はざわざわ。ハルナはだまって帰っていきます。『田代ナツミにとって、妹尾ハルナの行動は、なぞだらけだった』。モヤモヤ…。 【scene 09】 ナツミとハルナが見た川は 『いつも妹尾ハルナは…。それでも田代ナツミは…』。川ぞいの道を帰っていくハルナ。ナツミがあとを追って走ってきました。だまって歩く二人。するとハルナが、何かを見てうれしそうにかけだしました。ハルナは川べりでふりむき、ナツミにわらいかけます。ナツミがハルナのそばにかけよってみると、二人の前に広がっていたのは、夕陽をあびてかがやくあの川です。ハルナが見てかいた絵のとおり、とてもカラフルな色になっていました。

もやモ屋

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北京から来たおじいさん【国際理解、国際親善/家族愛、家庭生活の充実】

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ランウの父は日本人、母は中国人。意識されたくなく学校で中国の事は話さない。祖父が北京から来日し、学校で二胡の演奏をする事になり・・・。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 お母さんのギョウザはすきだけど 「やった！　お母さんのギョウザだ！」。ギョウザを作っているお母さんを見て、ランウがうれしそうに言いました。「いただきまーす」。ばんごはん、ギョウザを食べ始めるランウと弟のリッカン。「あっつ！」。「おいしい」。そこへ、「ただいま」とお父さんが帰ってきました。「お帰りなさい」。「ただいま。これ、会社のお客さんが２人にどうぞって。ほら、中国のコマだって」とおみやげをわたします。「わぁ、やりたいやりたい！」とリッカン。…「すごいすごーい。やっぱ中国サイコー！」。リッカンがコマで遊んでいます。お母さんに「ランウは？」と聞かれ、「わたしはいい。やらない」とランウ。 【scene 02】 ランウがかいた中国の花 「来月の敬老会（けいろうかい）に来るお年よりに、みんなですてきな絵をプレゼントしましょう」と先生が言いました。みんな、絵をかき始めます。ランウの花の絵を見て、「ランウ、さすが！」とチエが言いました。「そうかなぁ」とうれしそうなランウ。「お、なんだ？　これって中国の花か？」とケンゴが言うと、「なになに？」、「中国？」、「どれが？」とみんながランウにたずねました。「知らない。だってわたし、中国にいたの赤ちゃんのころだし」とランウが言いますが、「ちょっとかして」とケンゴはランウの絵を取り上げました。「あ！」。すると、「先生、ケンゴがじゃましてます」とチエが言ってくれました。 【scene 03】 「がんばろう」は『加油』 「♪ラララララーラ」。休み時間、チエとランウが歌の練習をしています。声がぴったり合って、「イエーイ！」。帰り道、「わたしも中国で生まれたかったなぁ」とチエ。「どうして？」とランウが聞くと、「だってランウは絵も歌もうまいし、日本て、なんかめんどくさくない？」と言います。「そんなことないよ。わたし日本すきだもん」とランウ。「中学生になっても友だちでいようね。合唱（がっしょう）クラブ、いっしょに入ろ」とチエ。「うん、入ろう！」とランウ。「中国語でがんばろうて、なんて言うの？」と聞かれ、「加（くわ）える油って書いて、加油（ジャーヨウ）」と教えるランウ。「チャーヨー」。「ジャーヨウ」。「チャーヨウ？」。「アハハ」。 【scene 04】 一家で中国に転勤？ ばんごはんのとき、お父さんが言いました。「あの、実は今日会社で、中国の本社に転勤（てんきん）しないかっていう話があったんだけど、みんなはどう思う？」。お母さんは、「行くなら、みんなで行くよ。わたし将来（しょうらい）は、ふるさとにもどりたい」と言います。「行きたい！　ぼく中国行きたい！」とリッカン。でもランウはだまっています。「すぐ引っこすっていうわけじゃないんだよ」とお父さん。「でも、ランウが中学に上がる前には決めたいわね」とお母さんが言うと、「ごちそうさま」とだけ言ってランウは席（せき）を立ちました。「ランウ？」。 【scene 05】 北京からおじいさんがやってきた この日、中国の北京（ペキン）からおじいさんがやってきました。おみやげをたくさんもらってリッカンは大よろこび。「ランウにはこれ」。でもランウは小さな声で「ありがとう」と言うだけ。心配そうにランウを見るおじいさんです。おじいさんが楽器（がっき）を取り出しました。「あ、二胡（にこ）だ」とランウ。「二胡は、中国の人々の心をつたえる楽器だよ」とひき始めるおじいさん。学校の敬老会（けいろうかい）に出演（しゅつえん）すると聞いて、「え？　おじいちゃん、学校に来るの？」とランウはびっくり。「そうよ」。そのとき、「ガン！」。二胡で遊んでいたリッカンが二胡をぶつけてこわしてしまいました。 【scene 06】 『車到山前必有路』だよ 「二胡（にこ）を修理（しゅうり）してくれる楽器屋（がっきや）さん調べておいたから。ランウ、いっしょに行ってくれる？」とお母さんがおじいさんにメモをわたして言いました。でもランウは、「お母さんはいつも勝手。こわしたのはわたしじゃないし」と不服（ふふく）そうに言います。するとおじいさんは、「一人でもだいじょうぶだよ。『車到山前必有路』だ」と何か中国語で言って、言葉を紙に書いてランウにわたしました。「中国のことわざ、『山にはかならず道はある』」とお母さんがランウに教えます。「？」という顔のランウ。「行ってきます」。おじいさんは出かけていきました。 【scene 07】 おじいさんをこっそりつけていくランウ おじいさんのことが気になって、そっとあとをつけるランウとリッカン。八百屋を見つけたおじいさんはお店に入っていきました。「楽器（がっき）となんか関係（かんけい）あるのかなあ？」とふしぎそうなリッカン。「シェーシェー（ありがとう）」。「ありがとうございました」。おじいさんはスイカを買って出てきました。「何やってんのよ。敬老会（けいろうかい）は明日なのに、どうするつもり？」とあきれるランウ。 【scene 08】 見知らぬ赤ちゃんをあやしているうちに… おじいさんは公園の近くにやってきました。バス停（てい）の時刻表（じこくひょう）を見ています。バスに乗って行くようです。そこへ、赤ちゃんをだいた女の人が通りかかりました。赤ちゃんに気づいたおじいさんは、その人に近づいて、「いないいないばあ」と赤ちゃんをあやし始めます。すると、そのあいだにバスが通りすぎて行ってしまいました。「あー。時刻表見てたのに」とリッカン。「てか、そもそも、時計持ってなくない？」とまたあきれるランウです。 【scene 09】 公園で知らない人たちと？ 公園の広場でお年よりのグループがシートを広げて休んでいます。そこへ、「ニーハオ（こんにちは）！」と近づいていくおじいさん。遠くからふしぎそうに見ているランウとリッカン。するとおじいさんは、「めしあがってください」と、スイカを配り始めました。「えーっ！？」とびっくりする２人。おじいさんはみんなの前で楽しそうに歌をうたっています。「どんだけ適当（てきとう）なの？　いいかげんすぎる」とランウ。すると、「ランウ～！」とよぶ声がしました。ふりむくと、チエでした。おじいさんを見て、「ランウの知ってる人？」と聞くチエ。うつむいてだまってしまうランウは、リッカンとかけだしていきました。 【scene 10】 学校で二胡を演奏するおじいさん 「つづいては、中国の北京からランウさんのおじいさんが来てくれました」。先生がみんなにしょうかいします。「今日は、中国の伝統的（でんとうてき）な楽器（がっき）、二胡（にこ）の演奏（えんそう）をしていただきます」。見ると、こわれたはずの二胡が直っています。「ニーハオ（こんにちは）」とおじいさん。「ニーハオ！」とみんな。「え？」という顔でランウを見るチエ。「演奏の前に、中国のことわざをしょうかいしましょう」とおじいさんが言ったので、思わず耳をふさぐランウ。「車到山前必有路」。チエが笑顔（えがお）でランウのかたをたたきました。耳をおさえていた手をはなし、二胡の演奏にきき入るランウです。 【scene 11】 「道はかならず開けます」 「目の前に大きな山があってもう進めないと思っても、道はかならずある、という意味です」。おじいさんがみんなにことわざの意味を説明（せつめい）します。「このこわれた二胡（にこ）は、昨日（きのう）、公園でぐうぜん出会った大工さんに直していただきました。どんな不安（ふあん）なことがあっても、だいじょうぶです。広い心を持って行きましょう。道はかならず開けます」とおじいさん。おじいさんのみごとな演奏（えんそう）をききながらも、ランウはモヤモヤ…。

もやモ屋

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おもしろい子はいい子？悪い子？【個性の伸長】

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人を笑わせる事が大好きなトシヤは、ひょうきんな友だちに負けまいと人を茶化した笑いをとってしまう。笑いはとれても何だかモヤモヤした気持ちに。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 スポーツも勉強もできないトシヤ 「はい、まちがえたところはおうちに帰ったら復習（ふくしゅう）して下さいね」。先生がみんなにテストを返しています。「えー、また20点だ」「でもおまえ、サッカーうまいからいいじゃん」「そっか、はははは」と気楽そうに話している男子たち。トシヤは自分のテストに目をやりました。45点です。「ふみかちゃん、すごい」「そんなことないよ。１問まちがえちゃったし」「ふみかちゃん、勉強できるもんね」。勉強のできるふみかちゃんと女子たちがにぎやかに話しています。『ぼくはスポーツもできないし、勉強もできない…』。トシヤはため息をつきました。 【scene 02】 ふみかはスピーチが苦手 「それでは、帰りの会のさいごはスピーチタイムです」と先生。今日のスピーチは、ふみかでした。「ふみかちゃん、おねがいします」。先生にそう言われて立ち上がるふみか。でもそうとうきんちょうしているようです。きょうだんに立って話そうとしますが、「あの…、えっと…」となかなか言葉が出てきません。「人に気持ちを伝えるための練習だから、どんなことでもいいのよ」と先生にはげまされますが、「今日、あの…」とやっぱり言葉が出ません。すると、「ふみかって、いっつもこうだよな」「早く帰りたいんだけどなぁ」と聞こえよがしに言う男子たち。「えっと…」。なきだしそうになるふみかです。 【scene 03】 「あれ？　ウケてる？」 そのとき、トシヤはふと思いつきました。「なるほどなるほど、そうか。へぇー、てれるなぁ」。急に大きなひとり言を言います。「トシヤ、どうした急に？」と聞かれ、「今、ふみかちゃんのスピーチ、みんな聞いてなかったの？　テストの点が悪くても明るいトシヤくんを見ていたら、元気をもらえました。だからトシヤくんに感謝（かんしゃ）したいって、言ってなかった？」とトシヤ。「いや、言ってないだろ」。「あれぇ、言ってなかったかぁ」ととぼけるトシヤに、「あははは」とみんな大わらい。『あれ？　ウケてる？』と思うトシヤ。ふみかも笑顔（えがお）になっています。 【scene 04】 ふみかにお礼を言われた 帰ろうとするトシヤに、校庭でクラスの男子が声をかけてきました。「いやぁ、スピーチタイムのときのトシヤ、おもしろかったぁ」「トシヤ、おまえ、実はおもしろいんだな」。そう言われて、「あは、まあな」とてれるトシヤ。「早く帰れたし、ラッキー」「じゃあな」と男子たちは帰っていきました。トシヤも帰ろうとすると、「あの…」と、木のかげにいたふみかが声をかけてきました。「トシヤくんておもしろいんだね。あの…、ありがとう」。そう言ってはずかしそうに立ち去るふみか。ちょっとうれしそうに見送るトシヤ。 【scene 05】 おもしろいのも個性？ その夜。トシヤがテレビのおわらい番組を熱心に見ています。「どうしたの？　そんなにテレビにむちゅうになって」とお母さんに言われ、「今日さ、学校で『おもしろい』って言われてさ」とトシヤ。「えー、よかったじゃない」とよろこぶお母さん。「だからもっともっとおもしろい人になりたいの」。トシヤがそう言うと、「人をわらわせることができるのも、個性（こせい）かもね」とお母さんが言いました。「そうか、おもしろいのが個性…」とじっとテレビに見入るトシヤ。 【scene 06】 「トシヤくんてクラスでいちばんおもしろいよね」 次の日、ろうかのそうじのとき。「トシヤ、具合でも悪いの？　だいじょうぶ？」。トシヤがバケツに顔をつっこんだまま動きません。でも、「具合は悪くないけど…顔は悪いかも！」。顔を上げると、顔じゅうにテープをはってへんな顔を作っていたのでみんなは大わらい。体育館のそうじでは、「あー、月日がたつのは早いもので、あっという間ですう」と校長先生のまね。「めちゃくちゃにてる！」とまたみんな大わらい。「トシヤくんてクラスでいちばんおもしろいよね」と教室で話している女子たち。ふみかが、「わたし、トシヤくんのおもしろいところ、すきだな」と言いました。ろうかで聞いていたトシヤはうれしくなります。 【scene 07】 大阪からの転入生コウジ 「それではみなさんに転入生をしょうかいします」。その日、クラスに転入生がやってきました。「はじめまして。大阪から来ましたマツオ・コウジです。みんなと早くきょりをちぢめられたらうれしい。よろしくおねがいします」。おじぎをしてゴン！ とつくえに頭をぶつけるコウジ。すると、「いて～。みんなときょりをちぢめる前に、教卓（きょうたく）とのきょりをちぢめすぎて頭ぶつけてもうたわ」と言ったので、「あははは」とみんながわらいだしました。トシヤも思わずわらいます。でも見回すと、みんながあまりにも大わらいしているので、なんだか不安（ふあん）になってじっとコウジを見つめました。 【scene 08】 トシヤとどっちがおもしろい？ ろうかのそうじのとき、一人何かしているコウジ。「コウジくん何してるの？　ちゃんとそうじしてますか？」と先生が言います。「してますよ」。「まだよごれてるところあるよ。ちゃんとぞうきんでふいてください」。するとコウジは、「ぞうきんがよごれてるんで、ぞうきんをぞうきんでふいてるんです」と言いました。「ぞうきんはふかなくていいの」と思わずわらってしまう先生。「コウジっておもしろいよな」「たしかに。トシヤとどっちがおもしろいんだろ」と話している男子たち。その夜、テレビのおわらい番組を見ながらセリフをノートに書きとめているトシヤ。「なんでやねん！」とツッコミの練習もしていました。 【scene 09】 コウジのスピーチが大ウケ 「今日のスピーチタイムはコウジくんです」と先生が言いました。コウジは教卓（きょうたく）の上にモモを一つおきました。「え？　なんで？」とふしぎがるみんな。「日本でいちばん生産（せいさん）されている県は、山梨県や福島県です。おいしい食べごろは夏で」と話し始めるコウジ。「コウジくん、何の話してるの？」と先生。するとコウジは、「モモは英語（えいご）でピーチですよね。今、ピーチタイムの時間ですよね」と言いました。「ちがうわよ。スピーチタイムの時間でしょ」と先生。「あ、まちがえてもうたわ」とコウジ。「あははは」とわらいだすみんな。ふみかもわらっています。でも、トシヤはわらえません。 【scene 10】 トシヤのスピーチは 次の日。トシヤがきんちょうして教だんに立っています。今日のスピーチタイムはトシヤです。「トシヤ、おもしろスピーチたのむぞ」「きのうのコウジのスピーチをこえてくれよ」と声がかかります。「スピーチタイムはおもしろいことをする時間じゃありませんよ」と先生。トシヤが話し始めます。「えー、今日、給食（きゅうしょく）に大好物（だいこうぶつ）のツナが出ました。つくえの上に落ちちゃったけど、ぼくはツナがすきだからそれを食べたら、それはツナじゃなくて…」。みんなが身を乗り出して聞き入ります。「なんと、消しゴムのカスでしたー！」。ところがみんなはシーンとしてわらいは起きません。 【scene 11】 あせるトシヤ、よゆうのコウジ あせったトシヤがつづけます。「えーっと、あ、そうそう。今日、道徳（どうとく）の授業（じゅぎょう）があったけど、道徳の問題って、どうとくの？　うははは」。自分で言って自分でわらうトシヤ。でも、みんなはシーン…。「今日はさ、ふつうのスピーチでいいよね」「そだね」と男子たち。先生も、「トシヤくん、むりにおもしろいこと言おうとしなくてもいいんだからね」と言います。あせるトシヤに、「おれが代わりにスピーチしようか？」とコウジがよゆうの表情（ひょうじょう）で言いました。「いいよ、だいじょうぶだよ」とトシヤ。「やっぱトシヤでも昨日のコウジのおもしろさ、こえられないよな」と男子。 【scene 12】 ふみかのまねをしてしまった… 追いつめられたトシヤは、「あ、今日テストのとき、ぎりぎりまでトイレに行きたいのがまんしてたふみかちゃんのまね。『先生、トイレに行ってもいいですか～』」とふみかのまねをしました。「あははは」「さすがトシヤ」「にてるー」と男子には大ウケ。ホッとするトシヤですが、うつむいているふみかに気がつきました。『ちょっとやりすぎたかなあ』。すると、「トシヤくん、なんでそんなことやるの。ひどい。ふみかがかわいそう」と女子が言いました。「だいじょうぶ」とふみかは言いますが、「たしかにちょっとやりすぎたかもな」「でも、おもしろかったから、よくね？」と男子たち。そして、モヤモヤした顔のトシヤ…。

もやモ屋

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ひみつの海【感動、畏敬の念】

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島に引っ越してきコウ（小６）は、シズクに案内された「ひみつの海」の美しさに感動する。美しさを共有したいとＳＮＳに投稿。すると人が押し寄せ美しい浜辺は汚されていく

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 生まれてはじめて感動した景色 草むらの中の道を歩いてきたコウが急にせきこみ、吸入器（きゅうにゅうき）でぜんそくの薬を吸入しました。――『島に来て間もないぼくをつれ、しずくさんが向かったその先には…』。「しずくさん、ぼく、生まれてはじめて、美しいって感動してます」。丘（おか）の上から、目の前に広がる海を見てコウが言いました。雲のあいだから指す陽光に海がキラキラとかがやき、はるかに水平線が広がる雄大（ゆうだい）な景色（けしき）です。「ぼく、生まれてはじめて、美しいって感動してます」。しずくがコウの言葉をまねして言いました。 【scene 02】 「よそもんにはないしょやけんね」 コウはスマホを取り出して海をさつえいすると、「ほら、こんなに」と見せて、スマホをしずくにわたしました。するとしずくが、「なんでいっしょに感動してほしかと？」と言いました。「なぜだろう…」と言うコウ。しずくは、「ここにおったら、くよくよしとっとがアホみたいに思えん？」と言います。「たしかにです」とコウ。しずくはスマホを投げ返し、海に向かって歩きました。コウをふりかえって言います。「ここんこと、よそもんにはないしょやけんね」 【scene 03】 SNSに写真を投稿 その日の夜。コウが引っこし荷物の中から絵の具をさがしていると、クラスのみんなのよせ書きを見つけました。「コウくん、お元気で」。「また会おう！」。見ているうちにコウはふと思いついて、スマホを手に取り、『生まれてはじめて美しいと感動した場所』とハッシュタグをつけて写真をSNSに投稿（とうこう）しました。するとすぐに「いいね」のフォローが。そんなコウを、海の絵をかいているものとかんちがいしたお母さんとおばあさん、「きのうは、お父さんに会いたかって、かかってきもせんケータイばにぎりしめとったとに。海さんのおかげばい」と安心しました。コウの写真にどんどん「いいね」がつきます。 【scene 04】 「この場所を教えて」という返事 海を見ながら、「リッケンバッカー」とスマホに話しかけるコウ。「フォローしてくれたエビナ・イーストってだれですか」。スマホが「エビナ・イーストはアメリカ・デトロイト出身のラッパーでセレブです」と答えます。コウのSNSには次々にコメントが入ります。『きれいな場所！』『エビナEがフォローすごくない？』『どこの海？』…。「リッケンバッカー、『シェアしてくれてありがとうございます』って英語（えいご）にして下さい」。そのコメントを送ると、エビナ・イーストから「この場所を教えて」という返事が。ためらっていると、コウの赤いぼうしが風にあおられてとんでいきました。あわてて追いかけます。 【scene 05】 「これ以上せんさくしないで」 しずくが海を見下ろして立っていました。ないているようです。『よそもんにはないしょやけんね』という言葉を思い出したコウは、にげるようにその場を立ち去り、「リッケンバッカー、友だちとのひみつの場所だから、これ以上（いじょう）せんさくしないでって英語（えいご）にして下さい」とスマホに言います。ふりかえったしずくはなみだをぬぐいました。そこへ、エビナ・イーストからの返事です。『たとえ人類（じんるい）がほろんでも、君の海は永遠（えいえん）に美しくありつづけるだろう』。夜中、SNSにどんどんコメントが入ります。『岩の形がヒントじゃね？』『わかっちゃった』『野藻島だよね そうだよね』…。 【scene 06】 ゴミだらけになっていた海 ２週間後。コウが丘（おか）の上で海の絵をかいていますが、筆が進みません。ねころがると、「リッケンバッカー、絵をかきたいほど感動したことありますか？」と話しかけました。「わたしはまだ絵をかけませんが、世界のすべてに感動してオーバーヒートしそうです」とスマホが答えます。「なら、海を見てないたことは？」と聞くと、「わたしはまだなけませんが、なみだは緑色と決めています」。そのとき、ビニールぶくろがとんできてコウの顔にはりつきました。立ち上がってまわりを見ると…。海の近くはゴミだらけでした。紙くず、たき火のあと、空きカン、たばこのすいがら…。ぼうぜんと立ちすくむコウ。 【scene 07】 テレビまで島の取材にやってきた 「リッケンバッカー、SNSのアカウントをさくじょして下さい」。港を歩きながらコウが言いました。「すべてのデータが消去されますが、よろしいですか？」。「じゃあ、バックアップ」。すると、容量不足（ようりょうぶそく）と言われます。イライラして、とめてあった自転車をけとばしてたおすコウ。そこへ、「島を取材（しゅざい）しているテレビだけど、この場所知らない？」とテレビクルーがスマホの画像（がぞう）を見せました。走ってにげだすコウ。コウは、海岸のすなはまに『立入禁止（きんし）』の手作りの看板（かんばん）を立てます。港では、しずくがテレビクルーからスマホの写真を見せられていました。 【scene 08】 「海はゴミも“いいね”もほしくない！」 ２週間後。「ここはしずくさんだけのものじゃないでしょ」。「あんたんとなんて、炎上（えんじょう）すればよか！」。すなはまで二人が言いあらそっています。あたりはゴミだらけになっていました。「美しいと思って、それをみんなとシェアして、そしたらもっともっと感動が強くなるって」。「“ぼっち”がこわかだけやろ。だけん、スマホだけが友だちのあんたに、くだらんことで下ば向いとってもしょうがなかって思える場所ば教えてあげたったい」。「ごめんなさい」。「こん海はね、ゴミも“いいね”もほしくなかとやけん！」。次々とゴミを投げつけるしずく。――『祖母（そぼ）がなくなり、ぼくは島を出た』。 【scene 09】 20年後… 20年後。島にやってきたコウが、船をおりてタクシーに乗りました。「リッケンバッカー、あの海の写真を出して。タクシーに送って」とコウ。「転送します」とスマホが答えます。「タクシーさん、この写真の場所わかりますか？」とコウが聞くと、「こん島は、まだ人間の運転手です」と人間がふりむきました。そのネームプレートには『桂（かつら）しずく』と書かれていました。 【scene 10】 島のみんなはよろこんでいた？ 海の見える丘（おか）でコウが絵をかいています。中学生のしずくが絵の中にいます。「しずくさん、昔ここでないてたでしょ。しずくさんも感動してましたよね」とコウ。そしてコウは、「しずくさん、ごめんなさい。あんなに美しい海だったのに」と言いました。するとしずくは、「ちがう。わたしがまちごうとった。ここはわたしだけのもんじゃなか」と言います。「あんたん投稿（とうこう）のおかげでお客さんたくさん来て、島のみんなはよろこんどった」。「しずくさんは？」と聞くと、「わたしは…ここに観光（かんこう）客つれてきて、お給料（きゅうりょう）もらってる」と言いました。 【scene 11】 200年後… せきこんで、昔のように吸入器（きゅうにゅうき）を使うコウを見て、にっこりわらうしずく。その笑顔（えがお）が絵の中にいるしずくになりました。絵の風景（ふうけい）が次々にかわっていきます。モヤモヤ…。――『ひみつの海は、開発され、リゾート地になった』。200年後。人類（じんるい）は、もうここにはいない。透明（とうめい）なスクリーンに電子音がして、ロボットの手がそこに絵をかいていきます。すっかりかわってしまった海の絵です。ロボット（リッケンバッカー）は言います。「ぶどう酒色の海原に、ぼくは、生まれてはじめて…」。絵の上に緑色のしずくが一滴（いってき）落ちました。ひとしずく…。

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埋蔵金（まいぞうきん）はどこ？【善悪の判断、自律、自由と責任】

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小５の健太とあやは、学校で金色の小判のようなものを見つける。埋蔵金ではないかと思った２人は、学校を有名にしようと、あやの姉のＳＮＳを使って噂を広めるが…

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 有名人が母校をたずねる番組 ケンタが宿題をしていると、テレビに『おかえり先輩（せんぱい）』という番組が流れました。有名人が母校をたずねる番組です。「今日の『おかえり先輩』は元サッカー日本代表の宮園朋樹（みやぞの・ともき）選手（せんしゅ）」としょうかいされました。校庭にあらわれた宮園選手に、まどから生徒たちがキャーキャー言いながら手をふっています。「いいなぁ。うちの学校も何かないかな」とケンタ。テレビにうつっていたのは靄田（もやだ）第二小学校。ケンタの通う靄田第一小学校のとなりの学校です。 【scene 02】 ケンタの学校は有名人がいない 次の朝、ケンタとアヤが学校に向かっていると、「きのうの『おかえり先輩』の宮園選手（せんしゅ）、かっこよかったよな。さすが、オレたちの先輩だよな」と話す男子たちが前からやってきました。ケンタに気がつき、「お、ケンタじゃん」と声をかけてきた男子が、「きのう、『おかえり先輩』見た？　あれ？　そういえば、第一小ってだれかいたっけ、有名人？」とじまん気に言います。そして、「じゃあな。また塾（じゅく）で会おうぜ」と、何も言えないケンタとアヤをおいて行ってしまいました。 【scene 03】 くやしそうなケンタ 「宮園選手（せんしゅ）って第二小出身だったんだね」。「いいなぁ、全国区で流れるって。第二小の子、うらやましい」。ケンタたちの教室でも女子がそう話しています。「第二小の前で写真とってく人、いるんだってさ」とアヤ。「第二小が有名なんじゃなくて、宮園選手が有名なだけだろ」とおもしろくなさそうなケンタ。「負けおしみ」と言うアヤに、「アヤちゃんはくやしくないの？」とケンタ。「学校っていうか、わたしが有名になりたい」とアヤが言いました。なんだかくやしそうなケンタ。アヤはそんなケンタが気になります。 【scene 04】 ケンタが花だんで小判を見つけた！ ケンタとアヤが花だんで作業をしています。「ぼくたちの学校も有名になんないかな」とつぶやくケンタ。「むりだね。だって小さいし、芸能（げいのう）人いないし、何もないもん」とアヤ。「つまんねえ学校！」とケンタがスコップを土にさすと、「ガキン」と土の中の何かにぶつかりました。ほりだしてみると、半分かけた小判（こばん）のようなものが出てきました。「そういえば死んだじいちゃんに聞いたことがある。この小学校がある場所って江戸時代はお城（しろ）だったって。お城って、たからものとかいっぱいおいてるんだよね」とケンタ。「埋蔵金（まいぞうきん）ってやつ？　じゃあ、まさか…」。「学校の下には、埋蔵金がねむってる！？　すごい！」。 【scene 05】 埋蔵金が出たら有名人に勝てる そこへ、「なんだなんだ、もりあがってるな」と先生がやってきました。「あ、先生。あの…」と小判（こばん）を見せようとするケンタ。するとアヤは、「すごい大きな虫がいたんですよ」とごまかしました。「なんで先生に言わなかったの？」とケンタが聞くと、「こういうのはうちらが広めたほうが、『お手がら小学生！』ってなるじゃん」とアヤ。「なるほど」。「埋蔵金が出たら有名人に勝てるかもだね」。「ぜったい勝てるよ。でも、どうやって？」とケンタ。するとアヤが、「SNSで広めるのは？」と言いました。「SNSで注目を集めると、テレビ局の人から連絡（れんらく）が来たりするんだって。お姉ちゃんに相談してみようよ」。 【scene 06】 SNSで埋蔵金のうわさを広めよう 「これ、本当に埋蔵金？」。じっと小判（こばん）を見ていた姉のヒトミが言いました。「だって見てよ、このかがやき。小学校のある場所は、昔お城（しろ）だったんだよね、ケンタ？」とアヤ。「うん。だって、じいちゃんが言ってたし」とケンタ。どうも気乗りしない様子のヒトミですが、「お姉ちゃん、おねがい！」とアヤに言われ、「しょうがないな」とスマホで小判をさつえいしてSNSに上げてくれました。「これ、ホントだったらやばいね」とヒトミ。「これでうちの学校、めちゃくちゃ有名になるよ」とよろこぶケンタ。すると、さっそくSNSに返事が。「すごーい！」。次々とどく反応（はんのう）によろこぶケンタとアヤ。 【scene 07】 SNSで広まっていく埋蔵金のうわさ 次の日。大急ぎで学校へ走っていくケンタ。教室に着くとすぐに、「ね、どうだった？」とアヤにたずねました。「埋蔵金のやつ、ちょっとずつ広がっていってるみたい。お姉ちゃんにチェックしてもらってる」とアヤ。「よかったぁ」とケンタ。するとクラスの子が、「な、うちの学校の花だんの下に埋蔵金がねむってるってうわさ、知ってる？。「わたしもお兄ちゃんから聞いた。SNSで広まってるんでしょ？」と話しているのが聞こえました。うれしそうなケンタとアヤ。 【scene 08】 「埋蔵金なんて話は聞いたこともない」というコメント 「お姉ちゃん、どう、反響（はんきょう）？」。家に帰ってきたアヤがヒトミに聞きました。「すごいよ、ほら」。ヒトミのスマホにはいろいろなところからコメントが来ていました。すると、「うん？」とヒトミがコメントの一つに目を止めました。『埋蔵金なんて話、聞いたこともありません。そもそも靄野城があった場所は、小学校から５キロはなれた場所ですし、お城（しろ）の下だとしても、埋蔵金があるとはかぎりません』とあります。コメントを送ってきたのは、郷土（きょうど）の歴史（れきし）にくわしい大学教授（きょうじゅ）でした。顔を見合わせる二人。 【scene 09】 本にはお城のことなど書いてなくて… 次の日、「ねえ、本当にお城（しろ）だったんだよね、この小学校。埋蔵金があるって本当だよね？」とケンタに聞くアヤは、SNSのコメントのことを話しました。二人は図書室で郷土史（きょうどし）を調べます。「ここだ！」。『大正２年、もとは田畑だった盆地（ぼんち）に靄田尋常（じんじょう）小学校が設立され…』。「ねえ、お城のことなんて一つも書いてないじゃん。言いだしたのケンタだよね」とつめよるアヤ。「え？　姉ちゃんにSNSで広めてもらおうって言ったの、アヤちゃんじゃん」とケンタ。「ケンタがお城の話したからじゃん！」。「だって、おじいちゃんが言ってたんだもん」。「でも書いてないじゃん！」。 【scene 10】 小判はニセモノ！？　でも、学校には… 「だ、だいじょうぶだよ。お城（しろ）の跡地（あとち）じゃなくても、現（げん）にこれが」と小判（こばん）を取り出すケンタ。ところが表面がくすんでいます。つめでこすってみると、下からプラスチックが…。「それ…ただの金メッキ…」。「うそだろ…」。そのとき、急に外がさわがしくなりました。まどから外を見ておどろく二人。大勢の人が学校に向かって走って集まってきています。「埋蔵金だって！　埋蔵金！」。大人も子どもも、みんなシャベルやスコップで花だんや地面をほりかえしています。「埋蔵金って本当なんですか？」。テレビ局の人たちもつめかけて先生をとりかこんでいました。たいへんなさわぎに青くなる二人。 【scene 11】 学校を有名にしたかっただけなのに… そのとき、遠くからヒトミがアヤにさけびました。「アヤー！　わたしのSNSあれてんだけど！」。「ケンタ、どうしよう」。「ぼくたちやばいことしちゃったのかな…」。「ケンタが埋蔵金だなんて言うからだよ」。「お姉ちゃんに言ったの、アヤちゃんじゃん」。「だって、有名にしたかったんだもん」。「ぼくだって…」。立ちつくす二人。みんなは「埋蔵金、埋蔵金」と言いながらそこらじゅうをほりかえしています。こまっている先生たち。どうすればよかったのか、ケンタとアヤの心は、モヤモヤ…。

もやモ屋

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ともだちのカタチ【友情、信頼】

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優花のクラスでプロフィール帳がはやる。友だちのことをもっと知ることができて、さらに仲良くなれると思った優花は、隣の席の幸太郎にも交換しようと声をかけるが…

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 絵のうまいコウタロウ 教室で、一人でノートに絵をかいているコウタロウ。となりの席（せき）で見ていたユウカ。思わず自分の絵と見くらべました。「ねえ、どうやったらそんなに上手に…」と言いかけたところへ、マリとエミが「おはよう！」と声をかけました。あわてて自分の絵をかくすユウカ。「学校帰りにうちに来ない？」とマリ。「マリちゃん、新しいゲーム買ったんだって。みんなでやれるスポーツのやつ」とエミ。「あれ、やりたかった」と言うユウカに、「２組のミズキちゃんとレイちゃんもさそおうと思うけど、いいよね？」とマリ。ちょっとためらいながら、「…うん、いいね」とユウカ。コウタロウは絵をかきつづけています。 【scene 02】 ユウカは動きがうまくかけない その夜。ユウカが自分の部屋で絵をかいています。走っている女の子の絵です。「うーん、ちがう」。かいたうでの先を消して、「うでの角度はもっとこんな感じ…」と、かがみを見ながら走るポーズをかくにんします。「こう？　ちょっと角度がちがうな」。やっぱりうまくかけません。書き直したうでを、また消しゴムで消しました。 【scene 03】 マリが持ってきたプロフィールカード 次の日。マリが、「これ知ってる？」とユウカにプロフィールカードを見せました。「お姉ちゃんが小学生のときにはやってたらしいんだけど、おたがいのプロフィールを書いてわたしあうんだって」。プロフィールカードには、『すきな食べ物は？』、『すきなマンガは？』、『イヌ派（は）？　ネコ派？』といったたくさん質問（しつもん）がならんでいました。「へぇ、おもしろそう！」とユウカ。「これをこうかんすればもっとなかよくなれそうじゃない？」とエミ。「いいじゃん。やろう！」とユウカ。「はい、ユウカ」とカードをわたして、「わたしたち、友だちだよね」とマリが言いました。「うん！」とユウカ。 【scene 04】 プロフィールカードのこうかん 次の日。教室でクラスの男子が女子に「これ書いて」とプロフィールカードをわたしていました。「じゃ、これも書いて」と女子も男子にカードをわたします。そこでユウカもその女子に「これ書いて」とカードをわたしました。その子もカードをユウカにわたします。チラッとコウタロウを見るユウカ。コウタロウはいつものように一人で絵をかいています。「オレも書いて」と男子がユウカにカードをわたします。「オッケー。じゃあ、はい」。ユウカもカードをわたしました。あいかわらず一人で絵をかいているコウタロウ。その夜、ユウカはみんなへのプロフィールカードの返事を書きました。 【scene 05】 いつも一人で絵をかいているコウタロウ 次の日。「何まいこうかんした？」とエミ。「わたしは17まいかな」とユウカ。「２まい負けた～。わたしは15まい」とエミ。マリは34まいだと聞いて、「すごーい！」とユウカとエミはびっくり。「これのおかげですぐにみんな友だちになれるから、やってよかったよね」とマリ。するとエミが、「でも、だれからももらってなさそうな人もいるよね」と、一人で絵をかいているコウタロウを見て言いました。「ああ、手塚（てづか）くんね。なんかいつもへんな絵かいてて、話しかけづらいんだよね。ユウカ、となりの席（せき）だしこうかんしてあげれば？」とマリが言いました。「うん…」とユウカ。 【scene 06】 「まさか、かわいそうとか思ってる？」 思い切って声をかけるユウカ。「手塚（てづか）くん、絵上手だよね。わたし、人の動きとかぜんぜんうまくかけなくて」。すると、「人の体は筋肉（きんにく）のつき方やほねの形を知らないとうまくかけないから、人物デッサンの本や医学書を参考（さんこう）にしてる」と言います。「すごい！」と言うユウカに、コウタロウは『人物デッサンのかき方』という本を教えてくれました。「ありがとう。今日、図書館でさがしてみる。あのさ…、これ書いて」。ユウカはプロフィールカードを見せます。でもコウタロウは、「うーん、いやだ」と言いました。「手塚くん、だれともこうかんしてないよね？」。「まさか、かわいそうとか思ってる？」。「え…」。 【scene 07】 カードこうかんしただけで友だち？ 放課後（ほうかご）、「ユウカ、今日いっしょにプロフィールカード買いにいかない？」とマリが言いました。「どうしようかな…」とまよっていると、とつぜん、「それって友だち？」と絵をかいていたコウタロウがつぶやきました。「え？」。「カードこうかんしただけで友だちとか、人気者アピールのために何まいも配って友だちふやすのって、意味ある？　友だちってそんなかんたんなものなのかな」と言います。「ウチらはみんなと友だちになりたいと思ってるだけなんだけどね。ユウカ、行こう」とマリ。「ごめん、マリちゃん。今日は図書館に行こうと思ってて、いっしょに行けない」とユウカはことわりました。 【scene 08】 何か思いついたユウカ その夜。「できた！」。書き上げた絵をコウタロウの絵と見くらべ、「コウタロウくん、やっぱうまいなぁ」とつぶやくユウカ。そこで「あ！」と思いついて、絵のうらに何か書き始めました。『①すきなマンガは…』。 【scene 09】 コウタロウへの質問カード 次の日。「ねえ、手塚くん。わたしこういう絵をかくのがすきなんだ」と絵を見せるユウカ。「でね、はい」と絵をうらがえすと、たくさんの質問（しつもん）が書かれていました。「友だちって、形よりもおたがいのことをちゃんと知ることが大切なのかなって思って。だから、わたしのことも知ってほしいし、手塚くんがどんな人か教えてほしい」とユウカが言います。「でも、質問多すぎるでしょ」とコウタロウがわらいながら言いました。「ごめん。聞きたいこといっぱいあって」とユウカ。 【scene 10】 コウタロウが質問に答えてくれた するとコウタロウが、「今、口で言ってもいい？」と言いました。「うん！　じゃあ、いつも使ってるえんぴつって何？」。そう聞くと、「最初（さいしょ）は、こくない2Bでかいて、あるていどかいたら4Bにして、細かいところはHB、明るいところは2Hとか」とコウタロウが言います。「2Hなんてあるんだ！」とおどろくユウカに、「使ってみる？」とコウタロウが2Hのえんぴつをさしだします。「うん！」。ユウカがえんぴつを受け取ろうとしたとき、「おはよう！」とマリとエミがやってきました。とっさに絵のうらに書いた質問（しつもん）をかくすユウカ。 【scene 11】 友だちはたくさんほしい？ そんなユウカをコウタロウがじっと見ています。「これから２組の子たちとプロフィールカードをこうかんしあうことになってるから、ユウカも行こうよ」とエミがユウカに言います。「でもわたしはその子たちのことよく知らないし」とユウカが言うと、「だから知るチャンスじゃん。ユウカもたくさん友だちほしいでしょ？」とマリ。「わたしは…」。ユウカの心は、モヤモヤ…。

もやモ屋

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は、は、はたらく！？【勤労、公共の精神】

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突然総理大臣が小学生も就職するよう宣言した！夢の仕事に就く子、あきらめる子、様々な中で就職しない健太は、何の為に働くのか？モヤモヤする。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 ぼーっとしてるとおいていかれる？ 「♪さーさーの葉　さーらさら…」。カツヤ、タクミ、あけみの三人が七夕（たなばた）のかざりのささを教室に運んでいます。「どいて、どいて」。教室の前でカツヤがケンタにぶつかりました。「あぶないなあ。ろうかはゆっくりだよ」とケンタ。「ぼーっとしてるから」とカツヤ。「してない」と言い返すケンタ。「ぼーっとしてるとおいてかれちゃうよ、ケンタくん」とカツヤに言われ、ムッとするケンタです。 【scene 02】 将来のゆめをたんざくに書いてかざろう 「将来（しょうらい）何になりたいか、ゆめをたんざくに書いてかざって下さい」と先生がみんなに言いました。ダンスの上手なあけみは、「アイドル」。リフティングのうまいタクミは、「サッカー選手（せんしゅ）」と書きました。「メッシみたいな」とタクミ。ほかにも、ケンタがみんなのたんざくを見てみると、ユーチューバー、プロゲーマー、パティシエ、お花やさん、会社員などいろいろなゆめが書かれていました。 【scene 03】 ゆめがまだわからないケンタ 「おっと、ごめん」。ケンタをおしのけてたんざくをつるすカツヤ。「何、何？」とあけみとタクミが見にきました。「AI、一流企業（きぎょう）、お金もち、って何それ？」とあけみ。「わからない？　これからはAI。時代を読まなきゃ給料（きゅうりょう）のいい会社に入れないんだから」とカツヤ。「ケンタは？」とタクミが聞きますが、ケンタはまだ書いてません。「わかんないよ、何になりたいかなんて」と答えるケンタ。「なんかないの？　なんかさあ…」とあけみが言いかけたとき、ガラガラッと戸が開いて先生が教室に入ってきました。「リモコン、リモコン！」とあわてています。先生は急いでテレビをつけました。すると…。 【scene 04】 ５年生・６年生を廃止！？ 「あ、総理大臣（そうりだいじん）！」。テレビで総理大臣が会見を開いていました。「本日は大事なお話があります。げんざい、わが国の労働力不足（ろうどうりょくぶそく）がさけばれているのはごぞんじかと思います。そこで、小学校の５年生、６年生を廃止（はいし）いたします」と言います。「４年生は、５年生になれません。来年からは大人といっしょにはたらいていただきます」。びっくりして、「先生、どういうこと？」とさわぎだすみんな。すると先生は、「みなさんは、来年卒業（そつぎょう）して、しゅうしょくしてもらいます」と言ったのです。「シュウショク？　何それ？」。「シュウカツして会社に入ってはたらくんだよ」とカツヤ。「は、は、はたらく！？」とケンタ。 【scene 05】 しゅうしょく活動を始めるみんな 夏休みあけ。教室に入ろうとしたケンタ、「あれ…？」。みんな、きちんとしたかっこうをしています。「どうしたんだよ、かみ。ネクタイは？」とタクミに言われました。やってきたあけみは、はでなネックレスをしています。「じゃな」と出かけようとするカツヤ。「え、何？」と聞くと、「企業説明会（きぎょうせつめいかい）だよ。きみさ、そのかっこうで行くつもりじゃないよね。学校のひょうかが下がるからやめてほしいな」と言います。「タクミはサッカー選手（せんしゅ）じゃないの？　あけみはアイドルじゃ…」とケンタが言いかけると、「そんなゆめみたいなこと言う人、もうだれもいないよ」とカツヤが言いました。 【scene 06】 カツヤからお金をもらってしまった… 「あぁ、おなかすいた」。ケンタがよろよろ歩いています。すると、「こまってるの？　ケンタくん」と、高そうなスーツを着たカツヤがあらわれました。「じゃ、このお金、使ってもいいよ」。カツヤはぶあつい札束（さつたば）をケンタにさしだします。思わず手を出して受け取るケンタ。カツヤがニヤリとわらいました。…「うわ！」。そこでケンタは目がさめました。「はあはあ…」。 【scene 07】 教室にたてこもっている５年生は 一年後。「後期の営業（えいぎょう）１課（か）の業績（ぎょうせき）見こみですが、当初（とうしょ）10％の増益（ぞうえき）を見こんでいましたが…」。カツヤが会社の会議（かいぎ）で報告（ほうこく）しています。そのころ、学校のろうかは電気も消えてうすぐらいままでした。教室の戸には「しゅうしょく反対！」というはり紙。中でじっとすわっているのは、ケンタです。すると、「ドンドンドンドン」と戸をたたく音がしました。「だれ？」。入口をふさいでいたテープをやぶって入ってきたのは…。「きみかぁ、教室にたてこもってる５年生っていうのは」。「タクミ？」。警察官（けいさつかん）のタクミでした。 【scene 08】 警察官の道をえらんだタクミ 教室でタクミとケンタが話しています。「サッカー選手（せんしゅ）？　たしかに…」とタクミ。「たんざくに書いたでしょ、一年前」とケンタが言うと、「昨日（きのう）、どろぼうつかまえたんだ。お金とられたおばあちゃんから、ありがとうって言われたよ」とタクミが言いました。「ふーん」。「警察官（けいさつかん）て、やりがいがあるんだ。人のためにはたらいているって、むねをはって言えるんだよね」。なんだかほこらしげな表情（ひょうじょう）のタクミです。 【scene 09】 おべんとう屋さんになったあけみ 「あけみは、なんでおべんとう屋さん？」。教室におべんとうを配達（はいたつ）に来たあけみにケンタがたずねました。「なんでって、そりゃあ、アイドルにもなりたいよ。でもね、おべんとう作るのも楽しいんだ」とあけみは言います。その場でクルッとターンして見せて、「うちの、けっこう人気でね。わたし、おべんとう作る才能（さいのう）もあるんだって気づいたの」と楽しそうに言いました。 【scene 10】 カツヤは何もかもうまくいっている… ケンタが今度はカツヤと話しています。「マンション買ったんだ。一軒家（いっけんや）とまよったけどね。あと車も買った。運転手もさがしてるんだ。大人はね…」。そうカツヤが言いかけると、「じまんなら帰ってよ」とケンタが言いました。「そんなつもりじゃないよ」。「帰ってよ」。カツヤはうつむいて、「こんなこと言いにきたんじゃないけど…」と小さな声で言いました。校庭をしょんぼりと帰っていくカツヤ。「待って！」。追いついたケンタは、「言いたいこと言ってよ」と言いました。するとカツヤは、「仕事していても楽しくないんだ。なんのためにはたらいているのかわからなくて」と言ったのです。おどろくケンタ。 【scene 11】 何になりたいかより、何をしたいか 「総理大臣（そうりだいじん）、どうしてここに！？」。今度は総理大臣が教室にやってきました。「きみこそ、なぜここにいるのかな、ケンタくん？」。「それは…、ぼくは勉強がしたいんです」と答えるケンタ。「なぜそう思うのかな？」と聞かれ、「ぼくは、何になりたいのかじゃなくて、本当は何がしたいのかもっと考えたいから」と言いました。すると総理大臣は、「そうか。それなら５年生になったらいい」と言いました。「え？」。そこで、あたりは急にまぶしい光につつまれました。「わあー！」とさけぶケンタ。 【scene 12】 まだたんざくは白紙のまま… 「わかんないよ、わかんないよ。何をしたいのかなんて」と思うケンタ。気がつくとケンタは、あけみに将来（しょうらい）のゆめを聞かれた場面にもどっていました。「なんかないの？　なんかさあ…」とあけみが言いかけたとき、ガラガラッと戸が開いて先生が教室に入ってきました。「リモコン！」とあわてています。先生は急いでテレビをつけました。すると、『面白（おもしろ）スクールライブ』が始まりました。「あ、校長先生」。校長先生が出ていたのです。「わあーっ」とテレビの前に集まるみんな。でもケンタは、まだ何も書いていないたんざくを見つめて、モヤモヤ…。

もやモ屋

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アリとアイスクリーム【生命の尊さ】

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遠くで暮らしていたおばあちゃんのお葬式。お父さんは泣いたけど、明日香は悲しくならなかった。そのことを友だちに話すと「冷たい！」と言われ…

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 おばあちゃんがなくなった おばあちゃんが、なくなった。北海道に住んでたおばあちゃん。あまり会ったことなかったけれど、お父さんのお母さんだ。お父さんがないてるの、はじめて見た。 【scene 02】 わたしがおばあちゃんににてる？ 「アスカ、ちこくするわよ。早く食べちゃいなさい」。「はい。いただきます」。朝ごはんを食べていたアスカは、お父さんがじっと自分を見ているのに気がつきました。「お父さん、何？」と聞くと、「いや、おばあちゃんににてるなーって思ってさ」とお父さんが言います。「わたしが？　おばあちゃんに？」とおばあちゃんの遺影（いえい）に目をやって聞き返すアスカ。するとお母さんも、「そうねぇ、目のあたりとか、よくにてる」と言います。「そうだな」。お父さんはじっとアスカを見つめていました。 【scene 03】 べつに悲しくなかった… 「おはよう、アスカ。ひさしぶり」。校門を入ったところでカオリが声をかけてきました。「カオリ、おはよう」。「北海道寒くなかった？」と聞かれ、「けっこう寒かった。びっくりしたよ」とアスカ。「飛行機（ひこうき）乗ったの？」。「うん。上から見たらね、家がこんなちっちゃかったんだよ」。いろいろ北海道のことを話すアスカ。「魚の煮物（にもの）もあったし、さしみもあったし、あと、やき魚もあったの」。するとカオリが、「おばあちゃん、なくなったんでしょ？」と言いました。「あ…うん」。「悲しかったよね」と聞かれ、「べつになんでもなかったんだけどね、わたしは」とアスカ。「え？」。 【scene 04】 なかなかったアスカはつめたい？ 「お葬式（そうしき）、どうだった？」。教室でカオリがまたたずねました。「おばあちゃんの兄弟とか、おばあちゃんの友だちがいっぱい来てたよ」と答えるアスカ。「お父さんがないててさ」。「アスカは？」と聞かれ、「なかなかった」とアスカ。「どうして？」。「悲しくなかったから…かな。おばあちゃんさ、ずっと北海道に住んでたからほとんど会ってなくて、今までと何もかわらないっていうか…」。そこへ、「何話してんの？」とやってきたノゾミ。おばあちゃんのお葬式でアスカがなかなかったと聞いて、「えー、アスカつめたーい。わたしだったらおばあちゃんが死んじゃったら大なきするよ、ぜったい。ねえ？」。 【scene 05】 なかなきゃいけない決まりでもある？ ノゾミにそう聞かれたユウタは、「おれはゲームで自分のキャラクターが死んでも、べつにないたりしないぜ。なあ」とシュンスケに言います。「おう」。「それはすぐ生き返らせるからでしょ」とノゾミ。「じゃあさ、何かが死んだりしたら、ぜったいないたりしなきゃいけないって決まりでもあるわけ？」とシュンスケ。「決まりはないけどさ、でも悲しくならなきゃおかしいでしょ」とノゾミが言うと、「でもさ、自分はいたくもかゆくもないわけじゃん。なんでないたりするわけ？」とユウタが言いました。アスカの心は少しモヤモヤ…。 【scene 06】 金魚のおはか 「ただいま」。アスカが家に帰ってくると、「お姉ちゃん、金魚のトトちゃん、死んじゃった」と妹のユイが言いました。「そっかぁ。じゃ、おはか作ってあげようか」。「うん。よかったね、トトちゃん」。アスカは庭のすみにあなをほりました。「できたよ。入れて」。「うん。おふとんかけてあげてもいい？」とユイ。「あ、うん、いいよ」。落ちていたかれ葉をトトちゃんにそっとかけてあげるユイ。その上に少しずつ土をかぶせていくアスカ。すると急にユイが、「おねえちゃんやめて！　トトちゃんに会えなくなっちゃうよ！」と言いました。「え？」。 【scene 07】 もう会えなくなるとわかって 「おばあちゃんも同じなのかなあ…」。えんがわでカオリとアイスクリームを食べていたアスカがつぶやきました。「え、何のこと？」。「妹とさ、死んじゃった金魚をうめようとしたんだよね」。アスカが見つめる先には金魚のおはかがあります。「庭のすみにあなをほって、金魚を入れたの。そこまでは平気だったのに、さいごに土をかけようとしたらいきなり『やめて』って」。「それは多分、ずっといっしょにいた金魚ともう会えなくなっちゃうとわかって、はじめて悲しくなったんじゃない？」とカオリが言います。「そうだよね、それならわたしにもわかるかな」。ちょっとすっきりしたようなアスカ。 【scene 08】 「そんなことしたらアリが死んじゃう」 そのとき、アスカが持っていたアイスクリームがとけて、手をつたってたれ落ちました。「やば！　ごめん、ティッシュ持ってきて」とアスカ。「うん」。カオリはアイスクリームをお皿において、ティッシュを取りにいきます。「ありがとう」と声をかけたアスカがふとお皿を見て、「あ、ありんこ」と言いました。カオリのアイスクリームにアリがたかろうとしていたのです。あわてて手のひらで「バンバン」とゆかをたたいてアリを追いはらおうとするアスカ。すると…。「だめだよ、アスカ！　そんなことしたら、アリ、死んじゃうかもしれないよ」とカオリがかけよりました。「え？　だって…」とアリを見下ろすアスカ。 【scene 09】 死んだものは元にもどらない… 「アイス、食べられなくなっちゃうじゃん？」と言うアスカに、「アイスはまた買えばいいでしょ。でも、アリ、死んじゃったらかわいそうだよ」とカオリ。「何でそんなこと言うの？　わたし、カオリのためにやったのに！」。カッとなってアスカがそう言うと、「でもさ、死んじゃったアリは元にもどらないよ」とカオリが言いました。「元に…もどらない…？」。アスカは、おばあちゃんのお葬式（そうしき）でないていたお父さんのせなかを思い出しました。そして、やさしそうな顔のおばあちゃんの顔も…。 【scene 10】 悲しくならなきゃおかしい？ 「わたしね、かってたインコが死んじゃったことがあって…」と話し出すカオリ。「え？」。「わたしの手の中で、動かなくなったの…、もう二度と」。アスカはみんなのいろいろな言葉を思い出します。…『お姉ちゃん、やめて！　トトちゃんに会えなくなっちゃうよ！』。『何かが死んだりしたら、ぜったいないたりしなきゃいけないって決まりでもあるわけ？』。『決まりはないけどさ…。でも、悲しくならなきゃおかしいでしょ』。『でもさ、自分はいたくもかゆくもないわけじゃん？』。カオリを見ながら、アスカの心はモヤモヤ…。

もやモ屋

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マネ・マナー【相互理解、寛容/個性の伸長】

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菜（さい）の真似ばかりする友だちのマコ。真似はエスカレートして洋服や髪形まで同じに。真似は自由だけど、さいの気持ちはモヤモヤするばかり。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 ノートもふで箱もおそろい さいが学校の中庭で友だちと走り回って遊んでいます。その様子を、マコが教室のまどごしにじっと見ていました。さいがたっきゅうをしていると、やはりマコがろうかからじっと見ています。さいの打った球がそれて、その子の足もとへころがっていきました。球を拾おうと前かがみになるマコ。そのはずみでランドセルが開いて、中身をゆかの上にまきちらしてしまいました。さいはころがってきたペンを拾い上げ、マコにわたしました。「だいじょうぶ？」。あわててふで箱やペンをランドセルにしまおうとするマコ。すると、「あ、おんなじだ！」と、さいがマコのノートやふで箱を見て笑顔（えがお）で言いました。 【scene 02】 「さーちゃん、マネされるのイヤ？」 「さーちゃん、マネされるのいや？」。てつぼうをしているさいにマコが言いました。「えー、“おそろ”でかわいいじゃん」とさい。クラブ希望（きぼう）とどけの用紙を手に、「さーちゃんは、お姉ちゃんといっしょのしょうぎクラブにするかと思ってた」とマコ。さいが第一希望に書いたのは『たっきゅう』でした。「さーちゃん、ひそかにたっきゅう練習して、今度姉ちゃんをケチョンケチョンにしてやるんだ」とさい。「いいなぁ、お姉ちゃん」と言うマコに、「一人っ子のほうがいいよ」とさい。マコが「ねえ、わたしもたっきゅうクラブ入っていいかな？」と聞きました。「どこに入ったって、マコの自由だぁ！」とさい。 【scene 03】 クラブの希望もおそろいに マコは、さいのクラブ希望（きぼう）とどけを見ながら、自分のクラブ希望とどけを書き始めました。第一希望『たっきゅう』、第二希望『テニス』、第三希望『バドミントン』。さいと同じです。何か言いかけるさいにマコが言いました。「その服どこで買ったの？」。「えっ。これ？　駅前のお店。あな場なんだ」とさい。「かわいいね」と言われ、よろこぶさい。そこへ、「さいー！」とよぶ声が。さいの姉の明（あかり）でした。「お姉ちゃん！」と、さいはうれしそうにかけていきます。さいは明と何か話しながらなかよく帰っていきました。うらやましそうに見送るマコです。 【scene 04】 しょうぎでお姉ちゃんのマネをしたら さいがしょうぎを指しています。相手はまだ小さなゴン。でもゴンが指した一手にさいは「しまった」という顔になりました。となりで指していた明は、「歩」を相手の「玉将」の前におきます。「まいりました」と頭を下げる相手。それを見ていたさいも、「歩」をいきおいよくゴンの「玉将」の前に。ところが、「はんそく負け。二歩（にふ）です。ばーか」とゴン。「ばかじゃない！」と言い返しますが、「自分で考えずマネばっかの人は、ばか」と言われてしまいました。おこりだすさいを、「ムキにならない。ね。ゴンちゃんに言うことあるよね」となだめる明。ばかにしたような顔のゴンに、さいは対局カードをたたきつけました。 【scene 05】 さいと同じ服を買うマコ 公園で、さいがイライラと池の水面をぼうでたたいています。ふと見ると、マコがお母さんと歩いていました。２人は洋服屋さんに入っていきます。さいはお店のまどから中をのぞきこみました。マコはさいが着ていたのと同じ服をえらび、着てみます。「うん。いいじゃん」とお母さんに言われ、うれしそうなマコ。まどの外からじっと見ているさい。帰り道、急にはげしい雨がふってきました。ずぶぬれで家に帰り、タオルを頭からかぶっているさいに、「ああいうときこそ、『まいりました』って頭下げなきゃ」と明がしょうぎのときのさいを注意しました。「自分のまちがいみとめなきゃ、ぜったい強くなれないからね！」。 【scene 06】 ヘアスタイルまで同じに 次の日。いつものお気に入りの服を着て学校へ行くさい。すると、となりの３年２組の教室から出てきたマコも、さいとおんなじ服をきていました。しかも、長かったかみを短く切って、さいとおんなじヘアスタイルです。めがねもはずしていました。クラスの子に「マコちゃん、かみみじか」「にあってるよ。かわいいね」と言われ、「ありがとう」とうれしそうなマコ。行ってしまうマコたちを、同じヘアスタイル、同じ服でじっと見送るさいです。 【scene 07】 マコがお姉ちゃんと楽しそうに話している マコが中庭で友だちと走り回って遊んでいます。ふと足をとめ、「さーちゃんのお姉ちゃん！」と明にかけよりました。「マコちゃん」。マコは、明の耳に何かひそひそささやいています。楽しそうにわらう明。そんな２人を教室のまどから見ていたさいは、その場をはなれました。マコは、「おどろかせたいから、ぜったいさいちゃんの誕生日（たんじょうび）までだまっててね」と明に言いました。「うん！」と明。さいは、「バン！」とけしゴムをしょうぎのこまのように、つくえの上にたたきつけました。 【scene 08】 「マネばっかしないで」 かいだんで、さいはマコにばったり。かけよるマコからにげるようにはなれようとするさい。マコはさいの服のにおいをかいで、「さーちゃんち、なんてせんざい使ってる？」と聞きます。さいは、「ねぇ、わたしのお姉ちゃんと何話してたの？」と聞きました。「べつに何も。あいさつしただけ」とマコ。「うそ。お姉ちゃんがあんなにわらうのおかしい」とさい。トイレに行こうとすると、「わたしも」とマコ。すると、「マネしないで。さーちゃんのマネばっかしないで」とさいが言いました。「マコがいると自分がうすまる気がして…こわいよ」。そう言って、さいはマコをおいて行ってしまいました。 【scene 09】 「マコとずっとなかよくしてあげて」 公園の池をのぞきこんでいるさい。すると、「マコ！」と声をかけられました。ふりむくと、マコのお母さんでした。「あ、さいちゃん！」。マコのお母さんと歩いていくさい。「うちの子、声まで大きくなったみたいでね。よっぽどさいちゃん、すきみたい。ね、これからもマコとずっとなかよくしてあげてよ」とお母さんが言いました。 【scene 10】 だれでもさいしょはマネから始める？ ゴンとしょうぎを指しているさい。ゴンが「いつもとちがう手だ。なんで？」と言いました。「マネばっかは、ばかなんでしょ」とさい。すると、「一二三（ひふみ）も、藤井（ふじい）も、マネから始めて強くなった」とゴンが言います。「だれでもさいしょはマネから始めるって、羽生（はぶ）ちゃん言ってた。あんたって、姉ちゃんのマネしてしょうぎ始めたんだよね」とゴン。「わかってる。わかってるよ！」と頭をかきむしりながらさいが言いました。その夜、さいは手紙を書きました。『今日はカッとなってごめんね。やっぱりしょうぎクラブに入る。マコもいっしょにどうかな？　マコへ　さいより』。 【scene 11】 頭の中にもやもやが… 教室で、さいがけしゴムを使ってしょうぎのこまの指し方の練習をしています。中庭から「さいー！」と明の声が聞こえたので、うれしそうにまどに近づくさい。ところが、明がよびかけたのは、さいと同じ服を着て走り回って遊んでいたマコでした。「お姉ちゃん！　さーちゃんじゃないよ、マコだよ」とかけよるマコ。「なんだ、マコちゃんか」。２人で走り回って遊び始めます。それを見て、「わかってるけど、わかんない！」と頭をかきむしるさい。つくえに手をおき、しょうぎの『まいりました』のしぐさ。まどごしに、もやもやと雲がわき起こってきます…。モヤモヤを晴らすのは、あなた。

もやモ屋

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ばあちゃんばあちゃん【家族愛、家庭生活の充実/親切、思いやり】

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ユミは、祖母に翻弄されるあまり、ついつらく当たってしまう。ある日、徘徊する祖母に付き添い空き地に着くと、そこに祖母の祖母が現れる。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 ばあちゃんはときどき10歳になる うちのばあちゃんは81歳（さい）だけど…。「じゃあそろそろわたしはおうちに帰りまーす」。ときどき…。「どこ行くの？」。わたし（ユミ）がちょうど学校から帰ってくると、ばあちゃんはどこかへ出かけようとしていた。「わたしおうちに帰りまーす」。「ばあちゃんちはここ。勝手に出ちゃだめ」とわたしがとめると、ばあちゃんはすわりこんで、ふしぎそうにわたしを見ている。ばあちゃんは、ときどき10歳になる。 【scene 02】 石ころで“しじみごはん”？ 「うわ、何これ？」。台所のバケツの中に石ころがたくさん水につかってた。「今日のごはんだよ。ユミちゃん、いっしょに食べよう。昔ねえ、ばあちゃんのばあちゃんも、これ海でとってきて、よくごはんを作ってくれてねえ」とばあちゃん。お母さんはあきれて、弟のユウタにすててくるように言った。「あー、ユミちゃんに食べさせるんだよ。海でとってきたんだよ」。「海ってどこの海？　海はこのへんにはないでしょ」とわたし。「あるよ、海。昔ね、ばあちゃんのばあちゃん、海で足すべらして落っこっちゃって、こんぶを頭につけて帰ってきてねえ」とばあちゃん。「うそつき。ここから海なんか見えないの！」。 【scene 03】 とつぜんおどり出すばあちゃん ばんごはんのとき、とつぜんばあちゃんが立ち上がっておどり始めた。「♪月がー　出た出たー　月がー出たー　あ、ヨイヨイ」。「ばあちゃん、おどりはごはん終わってから」とお父さんが声をかけるけど聞こえないみたい。「この前も外でいきなり大きな声で歌い出したの。はずかしかった」とわたしが言ったら、「でもほら、大きい声で歌うと、だえきがいっぱい出てさ、体にいいんだよ」とお父さん。「ごはんがおいしく食べられる」と言う。ユウタはごはんのとちゅうで、「ばあちゃん、かくれんぼしよう」と言い出した。「ユウタ、こら！」。「ばあちゃんもほら」。しかるお母さんとお父さん。 【scene 04】 ばあちゃん、わけわかんない ごはんのあとかたづけをしていると、うしろから「夜ごはんまだ？」とばあちゃんが言う。「さっき食べたじゃない」と言うと、「そうだっけ？」とばあちゃん。「ほら、ごはんつぶ。これがしょうこ」。服についたごはんつぶを見せる。「あれぇ…？」。テーブルにすわったばあちゃんがわたしの水筒（すいとう）からお茶を飲んだ。「ちょっと！　それ、あたしの。勝手に使っちゃだめ、もう！」。むりやり取り上げて水筒のお茶をすて、ごしごしとあらった。『もうばあちゃん、きたないんだから。ばあちゃんなんか、どっか行けばいい。ばあちゃん、わけわかんない』。ユミの心は少しモヤモヤ…。 【scene 05】 外へ出たばあちゃんのあとをついていく 次の日。「じゃあ、そろそろあたしおうちに帰りまーす」。またばあちゃんが、かさを持って玄関（げんかん）から出ていった。目をはなすわけにはいかなかった。ばあちゃんのあとをついていく。ばあちゃんはどんどんどんどん歩いていく。商店街（しょうてんがい）をぬけ、住宅街（じゅうたくがい）を通り、石段（いしだん）をのぼり、路地へ入り…。いつのまにか、知らないところにみちびかれていた。 【scene 06】 ばあちゃんのばあちゃん？ 空き地に着いた。家があるかのように、ばあちゃんが中に入っていく。「どうぞお上がり下さい」と言うので、わたしも空き地に入っていった。ばあちゃんがかさをとじると…、そこは古い家の中だった。「ただいま」と女の子が帰ってきた。「ばあちゃん、どこ行ってたの？　勝手に外へ出ちゃだめでしょ」とばあちゃん。「ばあちゃんね、海に落ちちゃった。ほら、海でしじみとってきたんだよ。今日のはつやがあるからきっとおいしいよ」。バケツの中にはしじみがたくさん入っていた。「しじみごはん作るからいっしょに食べよう」と言われ、「あの、こんぶ、ついてます」とわたし。ばあちゃんのばあちゃんも、ときどき…。 【scene 07】 三人でしじみごはんを作る ばあちゃんと、ばあちゃんのばあちゃんと、わたしと、三人でしじみごはんを作る。しじみの身をとり、にんじん、シイタケ、ごぼうを切って入れ、お米といっしょにかまどでたく。たきあがるのを三人でのんびり待つ。しばらくしておかまのふたを取ると…。「おいしそう！」。しじみごはんのできあがり。 【scene 08】 ばあちゃんのばあちゃんがおどり出した 三人でしじみごはんをいただく。すると、ばあちゃんのばあちゃんが立ち上がっておどり出した。「♪月がー　出た出たー　月がー出たー　あ、ヨイヨイ　月がー出たー　あ、ヨイヨイ…。あれぇ、つづきわすれちゃった。なんだっけ？」。すると、「ばあちゃん、おどりはごはん終わってから」とばあちゃん。そこでわたしがつづきを歌ってあげた。「♪三池炭鉱（みいけたんこう）の上に出た　あんまり　えんとつが高いので　さぞやお月さん　けむたかろ　サノヨイヨイ」。わたしもいっしょになっておどる。ばあちゃんもいっしょにおどり出した。「♪月がー　出た出たー　月がー出たー　あ、ヨイヨイ　三池炭鉱の上に出た…」。 【scene 09】 わたしもいつか… ばあちゃんのばあちゃんが手をふって見送ってくれた。ばあちゃんと二人でおうちに帰る。とちゅう、「いいにおい」とわたし。「このおうち、こんばん焼肉（やきにく）だね」とばあちゃん。「なんか、おなかへってきちゃった。ねえ、今日の夜ごはん何かな？」とわたしが言うと、「さっき食べたじゃない、ほら」とばあちゃんはわたしの服についていたごはんつぶをつまんだ。「わたし、ばあちゃんみたいだね」。「さ、おうちに帰ろ」とばあちゃんが歩きだした。『わたしもいつか…』。うしろすがたを見ながら、ユミの心はモヤモヤ…。「ばあちゃーん！」。すると、ばあちゃんのしわだらけの手がユミの頭をなでて…。

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ハナとふしぎな黒いあな【善悪の判断、 自律、自由と責任】

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ハナは自分自身で何かを決めるのがとても苦手。学校ではいつも仲良しグループに従って生きてる。すると突然、黒いあなに落ちて・・・

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 なにかをえらぶのってホント苦手 「えーっと…うーん…。ママー、なに着てけばいいの？」。朝、パジャマすがたのハナが、ハンガーラックにかけた服をあれこれ見てまよっています。「もうー、いそがしいんだから着るものくらい自分で決めなさい。じゃあ、これとこれ。はいっ！」。お母さんはてきとうに服をえらんでハナにわたしました。『なにかをえらぶのってホント苦手』と思うハナ。…図書室で先生が、「本を一さつえらんで、その感想文を書くこと。マンガはだめだぞ」とみんなに言いました。「はーい」。みんなは本をさがし始めます。 【scene 02】 自分が読みたい本を言えないハナ 「あーぁ、だれかが決めてくれるのが楽でいいのに」と言いながら本だなを見ていたハナは、「これ、おもしろそう！」と一さつの本を見つけました。『キケン！ ピーマンのわな』という本です。そこへ、「ハナちゃん！」とマナミたちがやってきました。「この本、本屋さんでおもしろいってしょうかいされてた」と本を見せます。ずいぶんぶあつい本です。ミサキが「ねえねえ、みんなで同じ本にしない？」と言いました。「ちょうど四さつある。みんななかよくいっしょ、ね！」とマナミ。『マナミちゃんは読書ずきだからまちがいないかも』と思ったハナは、「うん」と本を受け取りました。そのとき、ハナの足もとに黒いあなが…。 【scene 03】 人の意見に合わせてしまう 休み時間、教室を出ていくミズキを見たミサキが、「ねえねえ、ミズキちゃんのかみがたってヘンじゃない？」と言います。『えっ、そうかな…』とハナは思いますが、「うん、どくとくだよ。ねえ？」とマナミ。『ミサキちゃんはセンスあるからな…』と思ったハナは、「だよね」とみんなに合わせました。そこへ、「２組が長なわとびの新記録（きろく）出したぞ！」とライタがかけこんできました。「負けてられないじゃん！　めざせ、210回だ！」とタイキ。「長なわするやつ、中庭に集合！」とライタが言います。『ぜったいやだ。チョー苦手』と思うハナですが、「うちらも行こ！」とミサキに言われ、「う、うん…」。 【scene 04】 マコトは見学だというみんなの意見に 『やだなぁ、とべるかなぁ…。とべた！』とハナ。でも、マコトがなわに足を引っかけてしまいました。「あーぁ」とみんな。「なあマコト、見学してろよ」と言うライタに、「ぼく…やりたい」とマコト。「クラスの記録（きろく）のためだよ」とタイキ。「みんなといっしょにやりたいっ」とマコト。するとライタが「マコトは見学だと思う人、手をあげて」と言いました。みんな、サッと手をあげます。『え、うそ！　えーっ？』。ゆっくり手をあげるハナ。そのとき、ハナの足もとに黒いあなが…。なきだすマコト。黒いあなはだんだん大きくなり…。「きゃーっ！」。ハナはあなに落ちていきました。 【scene 05】 「へんだ」の道を行くと… 『ん？　あれ？　いま長なわして…』。気がつくとハナは教室でミサキたちとおしゃべりしています。ミズキが教室を出ていきました。ミサキが、「ねえねえ、ミズキちゃんのかみがたってヘンじゃない？」と言います。「うん、どくとくだよ。ねえ？」とハナに言うマナミ。そのとき、あたりを見回すと、ハナは右と左への分かれ道にいました。「あれ？」。右の道には『へんだ』、左の道には『かわいい』とあります。「かわいい？　へんだ？　こっちかなぁ…」。ハナは『へんだ』の道を歩いていきました。…教室で、「へん、だよね～」とハナが答えたそのとき…。足もとの黒いあなが広がって、ハナはまた落ちていきました。 【scene 06】 「かわいい」の道を行くと… 「いたたたた」。気がつくと、あの分かれ道にいました。「まただ…。やっぱり、こっちかな…」。今度は左の『かわいい』の道を行きます。…「ハナは、ミズキちゃんのかみがた、いつもかわいいなって思ってた」。思いきって、ハナが教室でミサキたちに答えました。すると、「わたしも！　かわいいよね」とユウが言います。そのとき、「２組が長なわとびの新記録（きろく）出したぞ！」とライタがかけこんできて、「長なわするやつ、中庭に集合！」と言いました。「うちらも行こ！」と言うミサキに、「わたし…パス」とハナが言いました。「えーっ？」とユウがおどろいたので、『まちがえた？』とハナは心配になります。 【scene 07】 自分でえらんだ本を読むハナ すると、「参加（さんか）は自由だよ」。「そう。強制（きょうせい）しちゃだめだって」。ミサキとマナミがこわい顔で言いました。「ハナは、本を読みたいから教室にいるね」とハナ。「じゃあ、うちらは記録（きろく）出すぞーっ」とユウ。「がんばって！」。ハナが教室にのこって、『キケン！　ピーマンのわな』という本を読んでいます。図書室で自分で見つけた本。とてもおもしろそうです。中庭ではみんなが長なわとびの記録にちょうせんしていました。マコトがなわに足を引っかけて転びました。「あーぁ」とみんな。 【scene 08】 自分で決めて、自分でえらぶ 朝、ハナが服をえらんでいます。「今日は、これとこれ。決めた！」。学校に行くとちゅう、「おはよう」とユウが追いついてきました。「今日の服、かわいいね。まねしてもいい？」と言います。「うん！」。「読書感想文書いた？」とユウ。「うん。ハナの本ね、楽しかった」とハナ。「いいなぁ。わたしのは漢字ばっかで…。あーぁ」とうらやましそうなユウ。…すると、森の中にピエロがいて、ハナに色とりどりの花たばをさしだしました。「これ！」と、ハナは赤い花をえらんでぬきとりました。楽しくなってスキップしていくと、今度はたくさん風船を持ったピエロがいます。「これ下さい！」。ハナは赤い風船をえらびました。 【scene 09】 「正しい」の道を行くと… ハナはまた、分かれ道に立っていました。今度は、左が『正しい』、右が『まちがい』と書かれています。「正しい。まちがい。正しい道を行けば、落ちない！」。ハナは左の『正しい』と書かれた道をえらんで歩き出します。手には、赤い花と赤い風船を持ち、すっきりした顔です。ハナが公園を通りかかると…。「あ、マコトくん」。マコトがお父さんと、長なわとびの練習をしていました。そんなマコトをじっと見つめるハナ。 【scene 10】 「長なわするやつ中庭に集合！」 「おめでとう」。教室で先生がユウに賞状（しょうじょう）をわたしました。読書感想文コンクールに入選（にゅうせん）したのです。『ハナもあの本にすればよかったかな…』と思うハナ。そこに、「長なわするやつ中庭に集合！」とライタが声をかけました。「ぼくも」とマコト。「マコトはすぐつまずくだろ」と言われ、「すっごく練習した」とマコト。「うそだ」と言うタイキに、「ほんとだよ」とハナ。「見たもん。マコトくん、公園で練習してるとこ」。「じゃ、おまえがマコトをフォローしろよな」とライタ。「やった！　みんなといっしょにがんばる！」ととびあがってよろこぶマコト。『えっ？』。 【scene 11】 失敗したらどうしよう… みんなで長なわとびの練習です。「記録（きろく）出すぞーっ！」。「おーっ！」。『なんでこうなるの…』とハナ。なわとびスタート！　１回、２回、３回…。みんな順調（じゅんちょう）にとんでいきます。「マコトいいぞ！」と声をかけるタイキ。ハナの番が近づきます。『え、うそ…こわくなってきた…』。でもなんとかとべました。どんどん回数が進み、「もうすぐ新記録だぞ！」とライタ。「190、191」とカウントするみんな。『ハナ、失敗（しっぱい）したらどうしよう…』。「192、193…」。『でも記録出せるかもしれないし、どうしよう…』。思わず天をあおぐハナ。心はモヤモヤ…。 【scene 12】 正しい道はなに？ モヤモヤ…。今度はハナの前には四方八方に道が広がっていました。『走ってにげよう。いや、ちょうせんする。おなかいたいふり。やっぱ正直に言おう。こわがるな、すすめ。こわいからいやだ。みんなのためにがんばろう…』。行ったり来たりしながらハナはまよいます。「正しい道はなに？　まちがった道は？」。…気がつくと、ハナの番が近づいています。『わたし、210番目だ…』。黒いあなが校庭でどんどん大きくなります。「…205、206、207、208」。『どうしよう…』。「209！」。

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Ｋマン【礼儀】

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悟は礼儀正しいことにこだわる小４男子。敬語を心がけ、常に謙虚。だから周りからは「Ｋマン」と呼ばれている。しかしある日、学校にいくと、そこには別の「Ｋマン」が！

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 だれにでも敬語を使う“Kマン” 『ぼくの名前は九条悟（くじょう・さとる）です。だれにでも敬語（けいご）を使うから、みんなからは“Kマン”とよばれています。礼儀（れいぎ）正しくしているだけなのに、ふしぎな話です』。――サトルが玄関（げんかん）でくつをはいています。そこへやってきたお母さん、「あら、今日は体育だったわね。体育着持った？」と言います。「持ちました」。「ハンカチは？」。「持ちました。お母さま、心配しないで下さい。それでは行ってまいります」。「はい、行ってらっしゃい」。出ていくサトルのうしろすがたを、「だれににたのかしら」とうれしそうに笑顔（えがお）で見送るお母さん。 【scene 02】 いつも礼儀正しいサトル サトルが姿勢（しせい）よく歩いていくと、近所のおじさんが道のそうじをしていました。「おはようございます」と深々と頭を下げてあいさつするサトル。「おぉ、サトルくんはいつも礼儀（れいぎ）正しくて気持ちがいいよ。礼儀正しい子はさいきんめずらしいから、おじさん、うれしいよ」。「どうもありがとうございます」と、また頭を下げるサトル。「それじゃ、行ってらっしゃい」。「行ってきます」。おじさんも、サトルを笑顔（えがお）で見送りました。学校の前で「Kマン、おはよう！」と言っておいぬいていく友だちにも、「おはようございます」と深々と頭を下げるサトルです。 【scene 03】 クラスメートのリュウセイは 教室でとなりの子を見ているサトル。『かれの名前はリュウセイくんといいます。かれはらんぼうで言葉づかいもきたない』。リュウセイが「何？」と言うと、「ちゃんとすわったほうがいいと思います」とサトル。「同級生だろ？　敬語（けいご）やめろよ」と言われ、「むしろみんながもっと敬語を使うべきです」とサトル。するとリュウセイが、「加藤先生！　サトルがぼくの答え見ます！」と言いました。でも先生は、「サトルはそんなことしてないだろ？　リュウセイはタコじゃないんだからちゃんとすわれ」と言いました。「先生、そりゃないっしょ」とタコのまねをするリュウセイ。みんなはわらいますが、ため息をつくサトル。 【scene 04】 プリントを落としたエリを サトルがろうかで下級生子に「こんにちは」と頭を下げると、「すげぇ！　やっぱりKマンだ！」とさけんで男の子は走っていきました。「走るんじゃないぞ！」と言う先生に、「轟（とどろき）先生、こんにちは」と礼儀（れいぎ）正しくあいさつするサトル。「サトル、本当にあいさつにこだわるなぁ」と言われ、「それは…」とサトルが言いかけると、「キャッ」という声。見るとクラスのエリがプリントを落とし、ゆかにちらばっていました。ひろってあげるかまよいますが、サトルは話をつづけます。「相手がだれでも、礼儀正しくいたいからです」。そのとき、リュウセイがダッシュでかけつけ、プリントをひろい始めました。 【scene 05】 「自分は悪くないのにあやまるのか？」 「さよなら～」。みんなが校門で加藤先生にあいさつして帰っていきます。やってきたサトルが、「先生、今日は算数の時間にうるさくしてすみません」と頭を下げました。「サトルがあやまることはないだろう。あれはリュウセイだろ」と先生。でもサトルは、「ぼくは悪くありませんが、ぼくがかかわっていたことも事実なので」と言います。「サトルは、自分は悪くないと思っているのにあやまるのか？」と先生。「え？」とサトル。そこへやってきた轟先生、「加藤先生のクラスのリュウセイ、クラスちがうのに、花だんの土を運ぶの手つだってくれましたよ。あいつ、本当はいい子なんですよ」と言います。モヤモヤするサトル…。 【scene 06】 リュウセイもKマンになるべき？ その夜、サトルが自分の部屋でつくえに向かっていました。ぶつぶつ言いながらノートに何か書いています。「おかしい。ぼくはまちがっていません。なぜ礼儀（れいぎ）の正しくないリュウセイくんがほめられるのでしょうか。何かがまちがっています…」。ノートには、謙虚（けんきょ）、敬語（けいご）という言葉や、K、K、Kという字が書かれています…。「リュウセイくんも、Kマンになるべきなのです」とつぶやくサトル。ノートにかかれたKマンのイラストの顔がリュウセイになり、リュウセイがニヤッとわらったような気がしました。 【scene 07】 Ｋマンになったリュウセイ 次の日。リュウセイがKマンの服を着ています。おどろくサトル。『どうしてだれも気づかないのでしょうか』。リュウセイが、「先生、ぼくは宿題をわすれてしまいました。本当にすみません！」と深々と頭を下げます。すると、「礼儀（れいぎ）正しくてよし！」と先生が言ったのでサトルはびっくり。「それでは、姿勢（しせい）よくすわってねむらせてもらいます」と、リュウセイは目をとじてねてしまいます。「先生、おかしくありませんか！？」と立ち上がって言うサトル。「礼儀パーフェクトなリュウセイがおかしいわけないじゃないか」と先生が言うと、みんながわらいだしました。サトルにはわけがわかりません。 【scene 08】 Ｋマンのリュウセイは… ろうかでサトルがリュウセイに声をかけました。「ねぇ、きみはリュウセイくんでいいのですよね？」。「ぼくは…」とリュウセイが言いかけたとき、「キャッ」という声。見るとクラスのエリがプリントを落とし、ゆかにちらばっていました。Kマンのリュウセイは、エリに近づくと、「お手つだいしたいのですが、ほかの方へのあいさつがありますので、しつれいいたします」と頭を下げて行ってしまいました。「あ、Kマンだ」。「こんにちは」。リュウセイがみんなにあいさつしながら歩いていきます。 【scene 09】 まちがっているのは自分のほう？ サトルは急いで教室の加藤先生のところへ行って言いました。「先生！　リュウセイくん、ぜったいにおかしいと思います！」。「何がおかしいんだ？」と先生。「見た目も様子も全部おかしいと思います」。「リュウセイは礼儀（れいぎ）正しくて、かんぺきだろう。サトルのほうこそ、どうしたんだ？　まちがっているのはサトルのほうかもしれないぞ」と先生。「え？　そんなわけありません！」。――ろうかを走っていくサトルに、「ろうかを走るな！」と注意する轟先生。 【scene 10】 「悪くありませんが、あやまりました」 サトルは階段（かいだん）でリュウセイに追いつきました。「ろうかを走るなんて、まちがっていますよ」とリュウセイに言われ、「きみだって走っていたじゃないか！」とサトル。「ぼくは走ったことなんてありませんけど」。「ぼくは見たぞ！」。「では、もうしわけありません」とリュウセイが頭を下げてあやまりました。「ほら、みとめた」とサトル。するとリュウセイは、「走っていませんが、あやまりました。サトルくんにごかいをあたえてしまったので、ぼくは悪くありませんが、あやまりました」と言いました。「悪くないならあやまるなよ！　敬語（けいご）をやめろよ！」。イライラしてつかみかかっていくサトル。 【scene 11】 『サトルは口だけのKマンだ』 さっと身をかわしたリュウセイ。ゆかに落ちたノートをひろうと、「サトルくんとは会話になりませんね。失礼（しつれい）いたします」と、行ってしまいました。見ると、サトルのノートも落ちています。ノートを広げたサトルはおどろきました。見おぼえのない字でサトルの悪口が書いてあったのです。『サトルは敬語（けいご）だけのつめたいやつ。口だけのKマンだ。心なしのKマンだ。形だけのKマンだ』。そこには、だれかがかいたつめたい表情（ひょうじょう）のKマンのイラストがあります。見ていると、その顔が自分の顔になりました。「うわぁーっ」。頭をかかえるサトル。モヤモヤ…モヤモヤ…。 【scene 12】 プリントを落としたエリを… 「何落としてんだよ。サトルはドジだなぁ」。落ちていたノートを拾ってサトルのつくえの上においたリュウセイが言いました。「えっ？」。気がつくとサトルは教室にいました。「えぇーっ！」とおどろいて立ち上がるサトル。「サトル、どうした？　めずらしいな」と加藤先生。「あははは」とみんながわらいます。わけがわからないサトル。サトルがろうかを歩いていくと、「キャッ」という声。見るとクラスのエリがプリントを落とし、ゆかにちらばっていました。プリントをひろってあげるリュウセイ。轟先生も来て、「リュウセイはろうかを走るな」と言いながら手つだっています。見ているサトルの心は、モヤモヤ…。

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シゲじいちゃんのソラ【伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度】

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小３のフミは夏休みにシゲじいちゃんの田舎に一人で泊まることになった。ママからは病気なのに一人で故郷に留まるじいちゃんに一緒に暮らすよう説得してほしいと頼まれる。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005130271_00000

【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 夏休みにシゲじいちゃんのところへ キャリーバッグを引きながら、フミが少し不安（ふあん）そうな顔で歩いています。ローカル線の無人（むじん）駅のホーム。この駅でおりた人はほかにはだれもいません。すると、「フミ！」とよぶ声が。軽トラでむかえにきたシゲじいちゃんがニコニコと手をふっていました。ホッとして笑顔（えがお）をうかべるフミ。じいちゃんの軽トラは山道を走り、どんどん山奥（やまおく）へ入っていきます。ちょっとくもった空をフミはだまって見上げていました。 【scene 02】 お母さんにたのまれてしかたなく 「フミ～、夏休みにシゲおじいちゃんのところに行ってくれないかな？」。キッチンで勉強しているフミにお母さんがそう言いました。「えー、何それ？」とおどろくフミ。「ママもパパも出張（しゅっちょう）でずっといないのよ」とお母さん。「リョウコちゃんたちと遊園地行く約束（やくそく）したもん」とフミは言いますが、「おねがい。おじいちゃん一人で心配なのよ。ほら、病気したでしょう」。お母さんにそう言われて、フミの心は、モヤモヤ…。しかたなく、フミは一人でシゲじいちゃんのところに遊びに来たのです。 【scene 03】 空に向かって頭を下げるじいちゃん ゴム長をはいたフミが、つかれた様子で、じいちゃんについて田んぼのあぜ道を歩いています。田んぼに着くと、じいちゃんは何かつぶやきながら深々と頭を下げ、空を見上げました。ふしぎそうにそれを見ているフミ。カマを持ったじいちゃんは、フミに草かりのやり方を教えます。「こしを落として、手、気いつけてな」。しかたなく草かりを始めたフミ。「うわぁ！」とさけび声をあげました。「何か動いた！」。草むらを指さすフミ。じいちゃんが見ると、そこにいたのはカエルでした。「ここは山からきれいな水を引いてっから、生き物がいっぱいじゃ」とじいちゃん。 【scene 04】 「うわっ！　いやだ、虫！」 「この草をな」。田んぼの中の草をぬきとりながらじいちゃんが言いました。「こいつをぬかねえと、イネは育たねえんだ」。すると、「うわっ！　虫！　いやだ、虫！」とさけぶフミ。フミの顔のまわりを虫がブンブンとびまわり始めたのです。ひっしになって手で追いはらおうとするフミは、「あっ！」。バシャン！　バランスをくずして田んぼの中にたおれてしまいました。どろ水だらけです。「もうーっ」。 【scene 05】 「ワイファイ」「ワイワイ？」 フミがざしきのつくえの上にタブレットとワイファイのセットを取り出しました。「何だそれは？」と聞かれ、「ワイファイ」。「ワイワイ？」。「ワイファイ。ママがじいちゃんちはワイファイないから持ってけって」。タブレットにお母さんをよびだします。「ママ！」。「フミ～！」と手をふるお母さん。「なんだ？」とふしぎそうなじいちゃんに、「お父さーん」とお母さんが手をふりました。「おぉー！」。じいちゃんはびっくり。「調子はどう？　むりしちゃだめよ。それと、まさかとは思うけど、お父さん、お酒は飲んでないでしょうね」と言われると、「お？　何だ？」ととぼけます。見ると、となりの部屋にお酒のびんが…。 【scene 06】 「東京でくらすよう説得してほしいの」 「お医者さん、だめって言ってたでしょ」とお母さんがきつく言うと、じいちゃんは、「耳が遠うなってな」と耳に手を当てました。「聞こえないふりでしょ！」と大声で言うお母さん。するとじいちゃんは、「ばあちゃんにお茶でもいれてやっぺ」と、となりの部屋の仏壇（ぶつだん）のところに行ってしまいました。「おじいちゃん、ママの言うこと聞かないのよ。だからフミから、東京でくらすよう説得（せっとく）してほしいの。おばあちゃんが死んで、もう10年よ。おじいちゃん、一人ぼっちでかわいそうでしょ？」。電話の横には飲んでいないお薬が山づみになっていました。フミの心は、モヤモヤ…。 【scene 07】 じいちゃんを説得しようとしても ばんごはんのしたくをしたじいちゃんが、ざしきのつくえにおかずをならべました。トマト、ピーマン、ポテト…。『うえっ、野菜（やさい）ばっか』と思うフミ。「じいちゃん、あのね、東京の家ならね、スーパーも近くだし、アイスもコンビニで買えるし、電車もバスもすぐ来るし、すっごくべんりなんだよ」と話し出しました。「そうか」。「だからさ、東京でいっしょにくらそうよ。ママも安心するし。おじいちゃんもきっと楽しいよ」。一生けんめい説得（せっとく）します。するとじいちゃんは、「このラッキョウのつけものな、ばあちゃん作るのうまくてな。フミ、食べてみな」と話をそらしてしまいました。 【scene 08】 じいちゃんは夜おそくまで起きている フミのふとんをしいているじいちゃん。外から、「ブォー、ブォー」とぶきみな音が聞こえます。「何の音？」と聞くと、「ウシガエル」とじいちゃん。「夜に大きな音出すと、うちのマンションだったらおこられちゃうよ」とフミ。すると、「ウシガエルは東京のマンションには住めんな。はっはっは」とじいちゃんがわらいました。夜中になっても「ブォー、ブォー」という声がつづいてフミはねむれません。起き上がって、「ウシガエルさん！　何時だと思ってるんですか！」とさけぶフミ。ふととなりの部屋を見ると、まだ起きているじいちゃんのすがたが見えました。やせて丸くなったせなかが、少しさびしそうです。 【scene 09】 みんな町へ出てしまった 次の朝。田んぼへ向かう坂道を登っていくと、急にじいちゃんがむねをおさえてしゃがみこみました。「どうした？」。「いや、なんでもない」とじいちゃんは立ち上がりました。すぐ横の草地を見て、「昔はここも田んぼだったんだ」と言います。「え？　ここ？」。フミはおどろきました。あれ地です。「みんな町へ出て、田んぼはあれた。でも、これもしょうがないことだな」とじいちゃん。田んぼで草取りをしながらフミがつぶやきました。「草取り、こんなたいへんだと思わなかった」。「ちゃんと手をかければ、ちゃんと実る。あとはお天道（てんと）様のごきげん次第だ」とじいちゃん。青空にお日様がかがやいています。 【scene 10】 「じいちゃん、ここがすきなんだな」 二人があぜにすわってお茶を飲んでいます。「じいちゃん、ねられないの？　きのうの夜さぁ」と言いかけると、「ああ、だいじょうぶだ」とじいちゃんは言います。「じいちゃん、一人でさびしくないの？」。するとじいちゃんは話し始めました。「フミのママな、ちっちゃいころ田んぼが大すきで、よくここで遊んでた。ばあちゃんはそれを見ながら、一生けんめいはたらいてた」。目の前に広がる田んぼを見つめるじいちゃん。そして、「じいちゃん、ここがすきなんだな」と言いました。フミは何も言えません。向こうから村の人がやってきて声をかけました。「シゲさーん！　スイカ食べっか？」。「おぉ～」。 【scene 11】 ばあちゃんと話をしてる？ だんだんフミはシゲじいちゃんとの毎日が楽しくなりました。ある日、いつものように田んぼの前でぶつぶつ何か言っているじいちゃんに聞いてみました。「じいちゃん、いつも何してるの？」。すると、「ばあちゃんと話してるんだ」と言います。「え？　どういうこと？」。「じいちゃん、ばあちゃんのことが見えるんだ。じいちゃんがつらいときは、この空の上からばあちゃんがなぐさめてくれる。だからじいちゃん、ここでだいじょうぶなんだ」。空を見上げるじいちゃん。フミも空を見上げました。田んぼの上に青空が広がっています。 【scene 12】 フミの気持ちがかわった… フミがじいちゃんにタブレットの使い方を教えていると、「おとどけもので～す」と配達（はいたつ）の人が来ました。「はいはい」と出ていくじいちゃん。そこへ、お母さんからメッセージが来ました。『おじいちゃん、説得（せっとく）できた？　おじいちゃんは、東京でみんなとくらすのが幸せなんだからね！』とあります。「どした？」。じいちゃんがもどってきました。「ううん。何でもない」。じいちゃんに何も言わなかったフミは、なんだかすっきりした表情（ひょうじょう）です…。

もやモ屋

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竹との物語【自然愛護/感動、畏敬の念】

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夏休み、小４のソウスケは竹細工を作るじいちゃん家で「竹」について自由研究を書く。次の夏、ソウスケはじいちゃんの竹林が真っ白に変わり果てた不思議な光景に遭遇する。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 この夏の自由研究は「竹」 田んぼの中の一本道をソウスケが歩いています。遠くから「ソウスケ～」とよぶ声がしました。見るとホノカが手をふっています。「ひさしぶり」。「元気？」と近づいてくるホノカ。「うん。おむかえありがとう」とソウスケ。「あのね、じいちゃんが、ソウスケまだかって」。ソウスケはタブレットを取り出して竹林の写真をとりました。「竹の林が見えるとじいちゃん家に来たって思うよ」とソウスケ。『ホノカはぼくのいとこで、ぼくらのじいちゃんは栃木（とちぎ）県で竹細工の仕事をしている。だからこの夏の自由研究は、じいちゃん家で竹のことを書くことにしたんだ』。 【scene 02】 「竹細工に挑戦してみるか」 「じいちゃん！」。「ソウスケ、よく来たな」。じいちゃんがうれしそうにむかえてくれました。「竹のことを勉強したいんだって？」とじいちゃん。「自由研究。竹ならかんたんかなって」と答えるソウスケ。「それにもうネットで調べたから。あとは写真をとればだいじょうぶ」と研究ノートを見せます。「日本の竹。真竹（まだけ）、孟宗竹（もうそうちく）…」とノートを読むじいちゃん。「あとは竹の写真をはって完成（かんせい）！」とソウスケ。ところが、「よし。それでは竹細工に挑戦（ちょうせん）してみるか」とじいちゃん。「だからぁ…」とソウスケは言いかけますが、「ホノカは作るよな？」とじいちゃん。「うん！」。 【scene 03】 竹をわり、細くけずって… じいちゃんが、ソウスケとホノカを竹材（ちくざい）の倉庫（そうこ）につれてきました。大量（たいりょう）にある竹を見て、「これ、全部じいちゃんが育てた竹なんだよ」と、ほこらしげに言うホノカ。でも、「ふーん」とソウスケは気のない返事です。じいちゃんは慎重（しんちょう）に竹をえらんでいました。…えんがわで、なたを使って竹をわっていくじいちゃんの作業を見ながら、「いい音」とホノカ。じいちゃんは、わった竹を小刀でけずり、細くしていきます。「すご！」とソウスケ。「ね、めっちゃすごい」とホノカ。竹はどんどん細くけずられ、もっと細い竹ひごができていきます。 【scene 04】 竹は人にとって特別？ 「これ、取ったほうがいいの？」。「このままこうやって、一本ずつ、上下、上下に入れていく」。じいちゃんに教えてもらいながら、ソウスケが竹ひごを、たて横にあんでいます。「できた！」とソウスケ。「どうだった？」と聞かれ、「むずかしかった。たてにあむのがめっちゃむずかしかった」と言いました。「竹は軽くて、しなやかで、あむとじょうぶで、道具や家具もできる。竹は人にとって特別（とくべつ）なんだなぁ」とじいちゃんがソウスケに言います。じっと聞いているソウスケに、「ねぇ、竹林に行ってみようよ」とホノカが言いました。「うん、いいよ」とソウスケ。「気持ちいいんだ」とホノカが言います。 【scene 05】 「竹が大きらいな人もいるんだ」 竹林の道を歩く二人。「大きい～」。ソウスケはタブレットで竹をさつえいしました。「タケノコは、一日に１ｍものびるんだよ。かぐやひめがすぐ大人になったのも、竹から生まれたからなんだって」とホノカが言います。「へえ～」と竹にさわってみるソウスケ。「すべすべだ」。すると、「こっち、こっち」と遠くからホノカが声をかけました。地面にあお向けになり、「こうやって…やってみて」とホノカ。ソウスケはホノカの横にねそべりました。竹を見上げながら、「竹は、空に向かってまっすぐのびている。ホノカは竹がすき。でも、竹が大きらいな人もいるんだ」とホノカ。「えっ、どうして？」。「聞いてみる？」。「うん」。 【scene 06】 竹は切っても切ってものびてくる ソウスケとホノカが、おじさんと田んぼのあぜ道を歩いていきます。あれはてた草地で立ち止まったおじさんが言いました。「ここは昔、田んぼだったんだけどなぁ。竹がどんどんはみだしてきて…。竹はのびるのも速くて、切っても切っても、くじょできん。こまったもんだなぁ」。その言葉を聞いてじっと考えこむソウスケです。 【scene 07】 手入れされない多くの竹林… ソウスケは研究ノートに竹林の絵をかきました。『竹は地下茎（ちかけい）でつながって、タケノコを出して広がっていく。だから、たくさんに見える竹の林は、本当は一つなんだ。今、竹林の多くが手入れされず、あれ放題になっていた。竹は地下茎で横に広がるから、畑や家にも生えてしまったり。のびるのも速いから、ほかの木におおいかぶさって木を育たなくすることもある。だから、竹をからせてくじょする人もいる』。ソウスケの気持ちは、モヤモヤ…。 【scene 08】 竹はもともと人がふやしたもの 「竹にこまっている人もいるんだね」。竹林の道を歩きながらソウスケが言いました。「でも、もともと竹は、役に立つからって人がふやしたんだよ。それでいらなくなると悪者にする」とホノカ。「そうなんだ…」。「竹はなんにもかわってない。人がかわっただけ」と言われ、考えこむソウスケ。すると、「ねぇ！　おにごっこしようよ」。ホノカがかけだしました。「う、うん」。追いかけるソウスケ。『あれ？』。あたりを見回すソウスケ。「こっち、こっち」。ようやくホノカを見つけてホッとしたソウスケもかけだしました。「あははは」。二人は竹林の中を走りつづけます。『ぼくの自由研究は、こうして完成（かんせい）…』。 【scene 09】 次の夏、竹の林が真っ白に！？ 『…しなかった。なぜって、竹のことがもっと知りたくなったから。「竹との物語パート２」の始まりだ。だから次の夏もぼくはじいちゃん家にやってきた』。田んぼの中の一本道を歩いていくソウスケ。ところが、「あれっ？　真っ白。あれ？」。竹の林が真っ白になっていたのです。「かれてるの？　なんで…」。かけだすソウスケ。 【scene 10】 「竹は自分でかれちゃうんだよ」 えんがわで竹ひごをけずっているじいちゃんのところに、ソウスケがかけつけて来ました。「じいちゃん！　竹林がかれてた！」。するとじいちゃんは、「あぁ、ソウスケにも見せようと思ってたんだけどね」と落ち着いて言いました。「なんで、くじょしちゃったの！　あんなにきれいだったのに」とソウスケ。するとじいちゃんは、「あれは、竹が自分でかれちゃうんだよ」と言いました。「どういうこと？」。「竹は数十年に一度、花をさかせてかれちゃうんだ。地下茎（ちかけい）がつながっているから、いっせいにかれちゃうんだよ」。「えっ！」。「竹って、本当に、ふしぎだなぁ」。ソウスケの心は、モヤモヤ…。

もやモ屋

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ペチのまなざし【節度・節制】

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マイコは森で、鎖のちぎれた老犬に出会い、ペチと名付ける。みんなに内緒にしたままペチと遊ぶ日々を過ごしているうち、次第にマイコの生活のペースが乱れていく。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 下校とちゅうで見かけた犬 マイコがミノリとユキと下校のとちゅう、石段（いしだん）のところで一ぴきの犬を見かけました。首輪（くびわ）をしていて、ちぎれたくさりがつながっています。「かい犬だよね。まいごになったのかな」。「すてられちゃったとか」。マイコは「おまわりさんに知らせたほうがいいんじゃない？」と言いました。犬は石段をおりて森のほうへ歩いていきました。「こっちです」。三人がおまわりさんをつれてきました。森の入り口まで来ましたが犬のすがたは見えません。「たしかに首輪はついていたんだよね？　のら犬かもしれないから、近づかずに、また見かけたらすぐにれんらくしてね」とおまわりさんが言いました。 【scene 02】 保健所…殺処分？ 「もし犬が見つかって、かい主が見つからなかった場合、犬はどうなるんですか？」。石段（いしだん）を引き返しながらマイコがたずねました。おまわりさんは、「動物愛護団体（あいごだんたい）や保健所（ほけんじょ）にれんらくだね」と言います。「保健所…それって、殺処分（さつしょぶん）ってことですか？」とユキ。「いちがいには言えないね」とだけ言って、おまわりさんは行ってしまいます。マイコはふりかえって森を見つめますが、すぐにその場を立ち去りました。『何日かたち、犬のことをちょっとずつわすれていった』。 【scene 03】 アナウンスをほめられた 「下校の時間となりました。みなさん、どんな一日をすごしましたか？」。校内放送のアナウンスしているのは放送委員のマイコです。「帰り道は、うかれず、さわがず、わき見せず、まっすぐ帰宅（きたく）しましょう」。すると、「だいぶうまくなったね」とせんぱいのアキバさんが声をかけました。「うかれず、さわがず、わき見せずって、マイコさんが考えたの？　いい感じ」。そして、「そろそろ、マイコさんにまかせようかな。水曜と金曜、朝と帰りの放送」と言ってくれました。「本当ですか？」。「このげんこうを持って帰っていいから練習して。おもしろい放送、期待してる」。「はい、がんばります！」とマイコ。 【scene 04】 あの犬を追って森の中へ 「寒い朝がつづきますね。今月はあいさつ月間です…」。マイコが石段（いしだん）にすわって、放送げんこうを読む練習をしています。ふと見ると、石段の下にあの犬がいました。石段をのぼってゆっくり近づいてきますが。とちゅうで立ち止まりました。「どこに行ってたの？」とマイコが声をかけると、犬はクルッと向きをかえ、石段をおりて森のほうへかけだしました。思わずあとを追うマイコ。森の中で犬を見うしないますが、歩いていくと木立が開けたところになぜかソファが一つあります。そのうしろから、木の枝（えだ）をくわえた犬が出てきました。 【scene 05】 「ペチって名前にしよう」 犬はマイコのところにやってくると、ポトッと枝を落としました。その枝（えだ）を拾い上げて、遠くに投げるマイコ。すると犬は走っていって枝をくわえてもどってきました。「よーし、いくよ！」。マイコはまた枝を拾って遠くに投げました。『前は無愛想（ぶあいそう）に見えた犬が…今はむじゃきでかわいい』。遊んだあと、マイコと犬はソファにすわりました。「ペチ。ペチって名前にしよう。ね」。頭をなでながらマイコが話しかけると、ペチもじっとマイコを見上げました。 【scene 06】 朝一番に森のペチのところへ 「行ってきまーす」。朝、家を出るとマイコは急いで森にやってきました。ソファにペチがぽつんとすわっています。ふと気配を感じてかけだしました。やってきたマイコにうれしそうにとびつくペチ。「おはよう、ペチ」。マイコは家から持ってきた朝のおかずののこりをやりました。ペチはむさぼるように食べています。「おなかへったよね」。マイコとペチは、また森の中をかけまわって遊びました。「ペチ、おいで」。ペチはちゃんとマイコのあとをついて歩きます。ペチをだきしめるマイコ。「学校終わったらまた来るから」。そう言って学校へ向かいます。 【scene 07】 朝の放送にちこくしてしまった マイコが走って学校にやってきましたが、「もうすぐ朝休みが終わります…」と朝の放送が流れていました。放送室にかけこむマイコ。「すみません。おくれました」。「ちこくって、放送委員がいちばんやっちゃいけないことだよ」。そう言ってアキバさんは行ってしまいます。『しばらく森へは行かないと決めた。それなのに、行かずにはいられなかった』。森でペチに給食（きゅうしょく）ののこりを食べさせるマイコ。「ほら見て、パンだよ」。森の中を歩くマイコとペチ。ペチをギュッとだきしめて、マイコは帰っていきます。『わたしをじっと見ている気がした』。マイコはふりかえらずに歩いていきました。 【scene 08】 まよい犬のはり紙… 休み時間、ユキが教室にかけこんできました。「見てこれ！」。それは、まよい犬のはり紙でした。ミノリが、「これって、あの犬？　だよね！」と言います。写真の犬はペチそっくりです。「やっぱりかい犬だったんだよ。名前は『花丸』だって」とユキ。「かい主さんにれんらくしよう」とミノリが言いますが、マイコは「これ、あの犬じゃないよ。耳がちがう」と言いました。「えー？　そっくりだけどな」とユキ。「土曜日、ひさしぶりに森に行って犬さがししない？」とミノリ。「おまわりさんにも声かける？」。「だね。マイコも行くよね？」と言われ、「行かない」とマイコは教室を出ていきました。 【scene 09】 首輪をつけかえるマイコ 下校時間。マイコは放送室の前を通りすぎていきます。森に着いたマイコはペチの首輪（くびわ）をはずし、「これ、プロミスリングだよ。ずっといっしょにいるって約束（やくそく）」と、持ってきた首輪につけかえました。そのとき、急に雨がふってきました。マイコとペチは森の木の下で雨宿り。「ペチ、寒い？　でも、この景色（けしき）見てるの、世界中でペチとわたしだけなんだよ」。マイコの気持ちは、モヤモヤ…。校内放送が聞こえてきます。「下校の時間になりました…」。マイコ自身の声です。「わたしは…わたしは、放送委員の活動をさぼってペチに会いにきました。ペチに会いたかったからです。わたしは…」。 【scene 10】 「いつもわたしだけを見つめるから」 マイコが目をさましました。『雨にぬれたせいで、夜から熱（ねつ）が下がらない』。カレンダーを見ると土曜日です。「つかまっちゃう…行かなきゃ…」。ふらふらしながら森へ向かいます。そのころ…。「花丸？」。ソファにいたペチにおまわりさんが声をかけ、ペチをほごしました。「よかったぁ」とユキとミノリ。そこへマイコがふらふらとやってきました。「つれてかないで。おねがい…」。そう言って力なくしゃがんでしまいます。「マイコ！」。マイコは立ち上がり、ペチに近づきながら、「ペチとわたしはずっといっしょにいるの」と言います。「ね、ペチ」。マイコはペチにほほえみかけました。「いつだってわたしを、わたしだけを見つめるから」。ペチはキョトンとマイコを見ています。

もやモ屋

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オレたちオキテ団【規則の尊重】

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小４の孝、恭、誠は大の仲良し。自分たちでつくったルールを絶対に守る「オキテ団」を名乗っていた。しかし、白い服を着なければならない日に、孝は赤い服を着てしまい…

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 三人でつくったオキテはぜったい守る 休み時間、同じような青い服を着た男子三人がもりあがっています。「今日は“青の日”だよな」。「みんな、オキテばっちり！」。「よーし、いくぞ！」。黒板の前にならんで、「オレは、キョウ！」。「タカシ！」。「マコト！」。「オレたち三人そろって…」。「オキテ団（だん）！　参上（さんじょう）！」。『三人でつくったオキテはぜったい守る。それが、オキテ団』。 【scene 02】 オキテ団のオキテ キョウ、タカシ、マコトの三人がスキップしながら教室に入ってきました。オキテ団（だん）のオキテ“だれかがスキップしたら、三人でスキップ”。そして…。「♪曲がりくねり～」。「♪はしゃいだ道～」。ふりつけをつけておどりながら歌う三人。オキテ団のオキテ“だれかが歌い出したら、三人で歌う”。歌いながらつくえのあいだを練り歩く三人。クラスメイトたちはめいわくそうな顔でそんな三人を見ています。「♪パプリカ　花がさいたら～」。歌いながら教室を出ていく三人。「ほんと、アイツらってめいわく」と女子たちが苦々しそうに言います。 【scene 03】 「オキテを守るかぎり、オレたちは…」 「♪ハレルヤ　ゆめをえがいたなら～」。校庭で歌い終わると、「いたっ！　タカシ、ふんでる！」とキョウが言います。「え？　あ、かげね」とタカシ。それを見たマコトが、「はい！　オキテ団（だん）にきんきゅうのていあん。昼休みはおたがいのかげをふんじゃいけないって、どう？」と言いました。「おもしろそう」。オキテ団のオキテ“おたがいのかげをふまない”。やってみると楽しいので、「オキテ団のオキテに追加（ついか）決定だね」とタカシ。キョウがさしだした小指に、タカシとマコトも小指を重ねて指切りです。「オキテを守るかぎり、オレたちオキテ団は…」。「えいきゅうにふめつだ！」。小指を空へつきあげます。 【scene 04】 “白の日”なのに赤いセーターが 朝、パジャマすがたのタカシがリビングにおりてきました。「おはよう」とお母さん。でもタカシはおいてあった着がえの赤いセーターを見て、「おはよ…」と返事が止まりました。「母さん！　今日は“白の日”って言ったじゃないか！」。すると、「さっきお父さんがコーヒーこぼしちゃったのよ」とお母さん。「ちゃんとよごれ落ちるかしら」と白いトレーナーのしみを取っています。その手からトレーナーをひったくり、「今日は“白の日”だから、これ着る！」とタカシ。でもお母さんは、「バカ言ってんじゃないの！」とトレーナーを取り上げました。 【scene 05】 のけものにされてしまったタカシ 教室の入り口から、赤いセーターを着たタカシがそっと中をのぞいています。思い切って入っていくタカシ。「おはよう」とキョウとマコトに声をかけますが、二人ともタカシの服を見てだまってしまいました。「お父さんが白い服にコーヒーこぼしちゃって。ぼく、白いのほかになくて」と説明（せつめい）するタカシ。二人は顔を見合わせています。するとキョウが小指をさしだし、マコトが小指を重ねます。タカシも小指を重ねようとすると、キョウとマコトは二人だけで小指を空につきあげました。そして二人はスキップしながら行ってしまいました。だまって見送るタカシ。 【scene 06】 「オキテ団の危機だよ」と言われ 給食（きゅうしょく）の時間。タカシは一人で食べています。午後はみんなで畑作業。キョウとマコトは白い服がどろだらけになりました。「二人とも今日しゅうかく体験（たいけん）あるの知ってただろ？　給食のナポリタンもわかっててなんで白い服着てくるんだよ」と先生が言います。「オキテ団では、今日は白って決まりなんだ」とキョウ。「タカシ見てみろ。ちゃんと赤い服着てナポリタン対策（たいさく）もバッチリだ」と先生。キョウとマコトがタカシに言います。「がっかりした」。「オキテ団の危機（きき）だよ」。タカシの気持ちは、モヤモヤ…。 【scene 07】 映画に行くやくそくをわすれていた！ 学校から帰ったタカシがリビングで落ちこんでいます。せんたくした白いトレーナーをたたんでいたお母さんが、「あれ？　行かなくていいの？　今日はみんなで映画（えいが）に行くって言ってなかった？」と言いました。「そうだった！」。タカシはガバッと起き上がると、お母さんの手から白いトレーナーをひったくり、あわててトレーナーに着がえました。そして冷蔵庫（れいぞうこ）からケチャップを取り出すと、トレーナーにつけました。さらに、観葉（かんよう）植物の土をむねにこすりつけてわざとよごします。「ちょっと何やってるの！」とお母さんはびっくり。そのままタカシは家をとびだしていきました。 【scene 08】 よごれた白いトレーナーを見せると バス停（てい）にはマコトとキョウがいました。土とナポリタンでよごれた白い服を着ています。「ねぇ」とタカシはよごした白いトレーナーを見せ、「これでいいでしょ？」と言いました。キョウとマコトは顔を見合わせてうなずくと、「バッチリ！」。「やっぱりオキテ団（だん）は三人じゃなくっちゃな」。笑顔（えがお）になったタカシが手をあげて、「ねぇ、オキテ団にていあん」と言います。「バスが来て席（せき）が空いてたら、三人で10秒交代ですわるオキテ、どう？」。「おもしろそう」。キョウが小指をさしだし、二人も小指を重ねて指切りです。「オキテを守るかぎり、オレたちオキテ団は…」。「えいきゅうにふめつだ！」。 【scene 09】 一つ空いていたバスの席を バスが来る前にトイレに行きたいというキョウとマコトに、「急いで行ってきて。席（せき）あったらかくほしとくから」とタカシ。やがてバスが来て、乗りこんだタカシは空いている席を一つ見つけました。そこへキョウがスキップしながら乗りこんできました。「ラッキー！」とタカシのそばに来ます。すると、一人のおばあさんが乗ってきました。空いている席をさがしているようです。そこへマコトも乗ってきて、おばあさんをおしのけるようにしてスキップしながらやってきました。「ぎりぎりセーフ！　じゃ、まずはぼくがすわろっと」とすわるマコト。タカシはつらそうに立っているおばあさんが気になります。 【scene 10】 つらそうに立っているおばあさん… マコトとキョウは楽しそうに10秒数えています。「…７、８、９、10！」。「次はキョウの番」とマコトがキョウに席（せき）をゆずります。するとキョウが、「でも、10秒って短いな…。『パプリカ』歌い終わったら交代ってどう？」と言いました。「いいね！」とマコト。キョウとマコトは「♪曲がりくねり　はしゃいだ道～」と歌い始めます。まどには『車内では大きな声での会話はひかえましょう』とはり紙が…。めいわくそうな顔のお客さんたち。そんなキョウとマコトを見ながら、おばあさんが気になるタカシ。タカシの心は、モヤモヤ…。「じゃ、次はタカシな！」。「うん…」。バスのとびらがしまりました。

もやモ屋

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きいろいはこのみんな【よりよい学校生活、集団生活の充実/善悪の判断、自律、自由と責任】

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4年2組ではクリスマス会に劇をすることになった。演目候補の「泣いた赤鬼」「かぐや姫」の支持者が対立する中、リリカは二演目を合体するという名案を思いつくのだが…。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 クリスマス会の劇を決める 『みんなの意見をよく聞こう』というクラス目標（もくひょう）が黒板の上にはられています。「クリスマス会でやる劇（げき）を投票（とうひょう）で決めたいと思います」とリリカがみんなに言いました。黒板には『かぐや姫（ひめ）』、『ないた赤おに』、『ごんぎつね』と書かれています。「ぜったい赤おにがいいよ」。「きつね！　きつね！」。「かぐや姫おもしろそう」。みんなが口々に言います。すると先生が、「じゃあ、今日の帰りまでに投票することにしたらいいんじゃないか？」と言いました。「じゃあ、この黄色い箱に、帰りまでに投票してください」とリリカ。みんな次々に投票していきます。 【scene 02】 多数決ってそういうもの？ 黄色い箱を家に持ち帰ったリリカが、投票（とうひょう）の集計をしています。「あれ？　一票足りない」。家の中をさがし回るリリカ。リビングもさがしますが、「こっちには落ちてないわよ」と姉のエリカ。そして、「リリカの票も数えたの？」と言いました。「あ、すっかりわすれてた。投票しなきゃ」と気がついたリリカ。「でも、わたしが『きつね』に入れても、６票になって決まらないし、『かぐや姫（ひめ）』か『赤おに』に入れちゃうと、クラスの半分以上（いじょう）がやりたいと思ってないのになっちゃうし…」と投票先が決まりません。「そういうものなのよ、多数決って」とエリカが言いました。 【scene 03】 『ないた赤おに』か『かぐや姫』か 次の日。「決選投票（けっせんとうひょう）を行います」。みんなが手をあげ、リリカが数えて黒板に書きます。『ないた赤おに』…14。『かぐや姫（ひめ）』…15。「かぐや姫で決まりね！」とよろこぶクミコ。「ごんぎつね～」。「赤おに～」。ケイスケとタクマはがっくり。すると、「あれ？　リリカ、手をあげてないじゃん」とマリナが言いました。「え？」。「赤おにでいいよな？」。「リリカ、かぐや姫にしよう！」。「あいだをとってきつねってのはどう？」。みんなが口々に言います。『みんなの意見をよく聞こう』というクラス目標（もくひょう）を見上げたリリカは、「じゃあ…どっちもやります」と言いました。教室がシーン…。 【scene 04】 タイトルは『かぐや姫となみだ鬼』 その夜、リリカは『かぐや姫（ひめ）』と『赤おに』をくっつけた脚（きゃくほん）本を書きました。つぎの日、リリカがみんなに配役を発表します。タイトルは『かぐや姫となみだ鬼（おに）』。けいこが始まりました。おきな役のケイスケが、「光る竹！　わってみよう。まぁ、なんと！　小さき姫が入っておった！」。すると、「ちょっと待てよ」とおに役のタクマとミノルがわりこんできました。「まんまかぐや姫じゃないか。おにたちも平等に出せよ」ともんくを言います。「まだ始まったばかりじゃないの」とクミコが言いますが、「これじゃあ、かぐや姫のおまけになっちまうよ。なぁ、リリカ」とタクマ。「え…じゃあ、直すよ」。 【scene 05】 脚本を書き直した 書き直した脚本（きゃくほん）でけいこ再開（さいかい）です。「光る竹！　わってみよう。まぁ、なんと！　真っ青なおにが入っておる！」とケイスケ。すると、「ストップストップ！　やっぱりおかしいわよ。竹からおにってなによ」とクミコ。そこへまたタクマとミノルがやってきました。「姫（ひめ）もおにもかわらないよ」。「ぜんっぜんちがうわよ！」。「話をミックスするというのはそういうことなんだよ」。やっぱりクミコとタクマたちが言いあらそいになります。するとクミコがリリカに近づいて、「もっとほかにやりようがあるじゃないってことよ。ね、リリカ」と言いました。「え？」。 【scene 06】 黄色い箱にアイデアを入れてもらう ふたたび書き直された脚本（きゃくほん）でけいこです。ケイスケが二つの竹をわり、「まぁ、なんと！　右手からは姫（ひめ）、左手からはおに！」。すると、「ちょっと待った！」とクミコとタクマが同時に言いました。「そういうことじゃないのよねぇ」。「ちがうんだよなぁ」。そう言われてもリリカは…。その日の帰りの会。「この黄色い箱に、どうしたらいいかアイデアを入れて下さい」とリリカが言いました。家でみんなのアイデアを整理するリリカですが…。『どちらの話も平等に入れて下さい』。『おには日本語で話さないほうがいいと思います』…。「日本語で話さないって、どうしたらいいの？」と頭をかかえます。 【scene 07】 また書き直した脚本でけいこ また書き直した脚本（きゃくほん）でけいこです。「かぐやや」とおきな。「はい、ただいま」。かぐや姫（ひめ）が上手（かみて）から出てきました。「あれがうわさのかぐや姫か」。「なんと美しいことだ」と村人たち。そこへ、「ぎゃおぎゃおぎゃーお。ぎゃぎゃ」、「ぎゃぎゃ？　ぎゃーお」と赤おにと青おにがあらわれました。「キャーっ、おによ！」とにげだす村人。すると、「待った待った！　こんなわけわからないのダメよ！」とまたクミコがとめました。「わかった。こうしよう。わたしが歌をうたうから、かぐや姫出てきて」とクミコ。「勝手にかえちゃダメよ。アイデアは黄色い箱に入れなくちゃ」とマリナが言います。 【scene 08】 みんな勝手なことを言い出して… 「リリカちゃん、ちょっと」とハルナがリリカをろうかへつれだして言いました。「わたし、本当は目立ちたくなくて…。顔を見せるのもいやなんだけど」。教室では、「なんでクミコがうたうんだよ」。「そっちのほうがはなやかだからよ」。「うたいたいだけだろ」。タクマとクミコがいいあらそっています。「アイデアは黄色い箱に」とマリナ。いしょう係のレイコがろうかに出てきました。「リリカ、いしょうのことなんだけど。おにって赤と青だけ？　なんかダサくない？」と言います。「え？」。「あと、アクションシーンが必要（ひつよう）だと思う」。そこへ顔を出したマリナ、「アイデアは黄色い箱に」。 【scene 09】 みんなの意見を取り入れた 夜、リリカがみんなのアイデアをチェックしています。『歌も入れて下さい』。『おにの言葉に通訳（つうやく）をつけて下さい』。『かぐや姫（ひめ）の顔は出さないで下さい』。『ピンク色のおにも出して下さい』。『アクションシーンも入れて下さい』。ますます頭をかかえるリリカ。次の日のけいこでは、「♪さぁ、もう、時間よ。かぐや姫～」。月の使者役のクミコがうたいます。「帰るんじゃな、かぐや姫」とおきな。「はい。たいへんお世話になりました」とマスクで顔をかくしたかぐや姫。そこへ赤おにがあらわれました。「ぎゃおー、ぎゃおー、ぎゃぎゃおー」。「青おに～、青おに～、どこだー」と通訳がついています。 【scene 10】 「ごんぎつねを出してくれよ」 そこへピンクおにがあらわれました。「ぎゃーおぎゃーお。ぎゃぎゃがぎゃがぎゃが」。「まて、かぐや姫（ひめ）。月に帰る前にわたしと勝負しろ！」と通訳（つうやく）が言います。「♪なんだか～おにが、集まってきているわね～」とうたう月の使者。するとケイスケが、「リリカ、ちょっと」と話しかけてきました。「おれ、実はおきなの役、いやなんだ」。「え？」。「『ごんぎつね』が大すきなんだよ！」。「え？」。「ちょっとでいいからごんぎつねを出してくれよ。ごんがうたれちゃう、あの名場面だけでいいからさ」と言うのです。すると、「意見は黄色い箱に」とマリナ。 【scene 11】 みんなの意見にぐったり その夜、家で、黄色い箱の中の意見を読むリリカ。『ほんの少しでよいのでごんぎつねを入れて下さい』。『月の使者は宇宙（うちゅう）から来た宇宙人がいいと思います』。『かぐや姫（ひめ）にお面をつけて下さい』。『さいごに全員のしょうかいを入れて下さい』。『村人のいしょうをもっとはでにしてほしい』。『漢字にふりがなをふって下さい』…。ソファにすわり、黄色い箱をかかえてぐったりしてしまうリリカ。こんなゆめを見た…。 【scene 12】 かぐや姫とおにがゆめの中へ 夜の竹林。まるで舞台（ぶたい）の上のように、お面をつけたかぐや姫（ひめ）が出てくる。「たいへんお世話になりました」。おきなとおうなも出てくる。「ばきゅーん！」。ピストルをうったおきなはきつねの顔をしている。「ごん、おまえだったのか！」。おにがあらわれる。「ぎゃおぎゃおぎゃー（おれもふつうにしゃべりたいよ）」。「じゃおじゃお（そうだそうだ！）」。「ぎゃぎゃ～ん！（えいや！）」。月の使者があらわれてうたう。「♪月をながめて～ぎゃおぎゃおなんてなかないで～。だっておかしいもの～。このさい、意見するけど～」。黄色い箱をかかえ、「意見は黄色い箱に」と月の使者に言うリリカ。 【scene 13】 「みんなの意見聞いてくれるんだよね？」 ふとふりむくと、みんながまわりをかこんでいる。月の使者の歌がつづく。「♪へんなの、へんなの、へんなのよ～。おにもピンクになっちゃうくらい～。月に帰したいだけなのに～。黄色い箱はまどわせる～」。歌に合わせてみんなはリリカのまわりを回りだす。「きつね！　きつね！」。「アクションシーンが必要（ひつよう）だと思う」。「ちがうんだよなぁ」。…「みんなの意見聞いてくれるんだよね？」。みんなに言われた言葉が次々に出てくる。黄色い箱をかかえたリリカの心は、モヤモヤ…。

もやモ屋

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いしをつむ【希望と勇気、努力と強い意思】

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小４の童夢は小器用だが飽きっぽい。ある日河原で、小さな石の上に大きな石をのせようとしては失敗を繰り返す小太郎を目撃する。理解できずにモヤモヤする童夢だったが…。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 「うよはお」 「おはよう」。歩道橋を下りてきた加藤（かとう）と陽斗（はると）があいさつをかわします。川ぞいの土手の道で童夢（どうむ）が追いついてきて声をかけました。「うよはお」。加藤が「え？」と聞き返すと、「う、よ、は、お」とゆっくり言う童夢。「あ、『おはよう』か」と陽斗。「うよはお、むうど」と、さかさことばであいさつを返します。看板（かんばん）の注意書きを一気にさかさ言葉で読む童夢。「いさだくでいなつでドーリずらなか！（かならずリードでつないでください）」。「うお～！」と感心する二人。「ろだーげす（すげーだろ）」。三人はわらいながら土手の階段（かいだん）を走り下りていきます。 【scene 02】 石をつんで「こんう、しるし」 すると、加藤がつまづいて転びそうになりました。加藤はすぐ横にあるものを見つけ、「うっ、犬のこんう！」と大声で言います。「きたねっ」と言う陽斗に、「ねたき」と言い直す童夢。童夢は河原（かわら）の石をひろって犬のふんのそばにおきました。「いなぶあ。しるし」。陽斗も石をひろってきて、「こんう、しるし」と石を重ねます。石のしるしをそのままにして、「ぜうこい」と三人はかけていきました。そんな様子を遠くで見ていた小太郎（こたろう）が近づいてきました。石のしるしに気づき、自分も石を一つつみ重ねました。 【scene 03】 つみ上げられた石が何本も 「うよはお！」。土手の上で童夢が加藤と陽斗に声をかけました。「なうろやムーゲでとあのーカッサたしあ」と言いながら河原（かわら）へ下りていく三人。きのうの石のしるしのところに行ってみると、石のしるしがふえています。ふしぎなバランスでつまれた石が何本も立っていました。「がれだ、とこなんこ」。見ると、川べりに小太郎がいました。「小太郎！」とかけよる童夢たち。小太郎は石をくずれないようにつみ上げる作業に集中しています。「になれこ」と聞きますが、小太郎は何も言いません。ふざけあいながら走っていく三人にかまわず、小太郎は石をつんでいます。 【scene 04】 ロックバランシング？ サッカーの帰り、自転車で土手を走っていく童夢たちが、今日も河原（かわら）で石をつみ上げている小太郎によびかけました。「小太郎！　新しいゲームあるよ。来る？」。小太郎はだまって首をふってしゃがみ、見つけた石をうれしそうになでています。河原でテレビゲームをしていた童夢と陽斗に、「ねぇねぇ、小太郎がやってたのって、これじゃない？」と加藤がスマホの画面を見せます。それは、『ロックバランシング』といって、しんじられないようなバランスで石をつみ上げていくすご技（わざ）をしょうかいした動画でした。つみ上げた石を見て、「うぉ～！」と声を上げて感動する童夢たち。 【scene 05】 ロックバランシングをやってみた 童夢たちが、小太郎といっしょに河原（かわら）で石を集めてロックバランシングをやってみています。「はぁ、もうあきた。はらへった」と加藤。すると童夢が「できた！」と言います。見ると、石を４つつみ上げていました。「おぉ～」。「まぁ、こんなもんだろ」。「童夢はいいなぁ。何でもできちゃう」とうらやましそうな陽斗。と、そのとき、「ピーッ」と音がして、葉っぱのお面をつけた子が遠くに見えました。「颯太（そうた）、何それ？」。にげていった颯太をみんなで追いかけます。つかまえた颯太のポケットから、陽斗が取り出したのは…。「どんぐり？」。 【scene 06】 どんぐりぶえを作って鳴らすと 「どんぐりの頭を、こうやってこすって」。颯太がどんぐりをコンクリートにこすりつけます。颯太がけずったどんぐりを下くちびるに当てて強くふくと、「ピーッ」と鳴りました。みんなやってみます。加藤も陽斗も「ピーッ」。でも童夢は「フー」。うまく鳴りません。「あれ？　フーッ。フーッ」。むきになった童夢が思いっきり息をすいこむと、「ハクション！」。くしゃみが出てみんなにわらわれてしまいました。「ピーピー」。颯太を先頭に四人がどんぐりぶえを鳴らしながら歩いていきますが、童夢だけはかすれて音が出ません。 【scene 07】 どんぐりぶえを投げすてた 次の日。加藤と陽斗がいつものように歩道橋を下りてきて、「ピーッ」と、今日はどんぐりぶえであいさつ。川ぞいの土手の道でも、颯太がどんぐりぶえを「ピーッ」と鳴らすと、加藤と陽斗もどんぐりぶえをふきながらかけてきました。童夢もやってきますが、やはりふえは鳴りません。颯太を先頭に河原（かわら）へ下りていく四人。河原ではあいかわらず小太郎が石をつんでロックバランシングに取り組んでいます。そんな小太郎のうしろを通りすぎながら、童夢は「あきた」と、どんぐりぶえを投げすてました。 【scene 08】 今日は四人で石切り また次の日。「せーの！」。童夢たち四人が川に向かって石切りをしています。童夢の石がいちばん長く水面を切ってとんでいきました。ふと対岸を見ると、小太郎がまた石をつんでいます。小太郎の顔ほどもある大きさの石を拾い上げ、だいじそうになでてうれしそうです。 【scene 09】 紙ひこうきが石に当たって 「せーの！」。童夢たち四人が河原（かわら）で紙ひこうきをとばして遊んでいます。小太郎はやっぱり今日も石をつんでいます。童夢の投げた紙ひこうきが小太郎に向かってとんでいきました。「あっ」。ひこうきは小太郎がつみ上げた石に当たり、石がくずれてしまいました。くずれた石をしばらく見ていた小太郎は、だまってそのまま行ってしまいます。くずれた石を見つめる童夢。見ると、颯太と陽斗は紙ひこうきを丸めたボールで野球をして遊んでいます。「あーぁ、紙ひこうきの時代も終わりか…」と加藤。 【scene 10】 きのうのことをあやまったのに 朝早く、童夢が一人で河原（かわら）に下りていくと、もう小太郎が来ていて、石をつんでいました。「おはよう。　こんなに早く来てると思わなかった」。童夢が声をかけますが、小太郎はだまって石をつんでいます。「あ、おれさ…きのう…」とポケットから取り出した石を小太郎にさしだす童夢。石には『ゴメン』と書かれています。小太郎はその石を見てもだまっています。童夢はその石を川に投げ入れて立ち去ろうとします。でも、モヤモヤ…。立ち止まった童夢が言いました。「おまえさ、なんでまだやってるわけ？」。「…」。小太郎はだまって石をつんでいます。 【scene 11】 ふしぎなバランスで立つ石が… 「あきないの？　だれかにほめられたい？」。「…」。「おれがすぐできちゃったから、むきになってるとか？　そうなんだろ？　負けたくないからだよな？」。「…」。「なんでずっと石つんでんだよ！」。「…」。小太郎は何も言わず、自分の頭ほどの石をのせようとしています。しずかに手をはなしました。その大きな石がいちばん上にふしぎなバランスで立ちました。ほほえんで両手を広げる小太郎。童夢はハッとします。それは、両手を広げた人のようにも見えたのです。小太郎がうれしそうに童夢を見ました。するとそのとき、石はくずれてしまいました。また石をつみ始める小太郎。童夢は立ちつくしたまま、じっと小太郎を見つめています。

もやモ屋

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あゆみのパン【正直、誠実】

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いつも正直な小４の雪絵。同級生のあゆみが手作りしたパンを「まずい」と一刀両断。友だちに「あゆみのためなのだからウソをついてもいい」と言われ、モヤモヤする。

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 わたしはうそが大きらい 『♪どうして人はうそをつく　何かをおそれてうそをつく　わたしはうそが大きらい♪』。　朝の会のとちゅう、ちこくした男子とゆきえがかけこんできました。「あのですね、えっと…」。ザリガニの水槽（すいそう）が目に入った男子が言いわけをします。「ザリガニのごはんを家にわすれたんで、取りにもどったんで、ちこくしちゃって」。先生に「エサは？　持ってきた？」と聞かれ、「あー、いや…、入れたはずなんで。あるはずなんで…。あれ？　ない」とランドセルの中をさがすふりをする男子。『♪うそつく心　ざわざわどんよりくもり空♪』。 【scene 02】 正直って正義、正直って勇気 「わたしは、ねぼうしてちこくしました。すみません」。頭を下げるゆきえ。『♪正直な心　スッキリ晴れやか青い空♪』。「ゆきえさんは正直だね。今度から気をつけてね」と先生。「はい」。自分の席（せき）に向かうゆきえが、「あれ？　あきら、かみ切った？」とうしろの席のあきらに声をかけました。「わかる？」。「わかるよ。前のかみ形のほうがにあってたね」。「え…」とかたまるあきら。『♪いつも正しくまっすぐに　正直って正義（せいぎ）　正直って勇気（ゆうき）　正直が大すき　すき♪』。 【scene 03】 あゆみの手作りパン 「すっごーい」。公園に女子が集まっています。ゆきえも行ってみると、あゆみがパンを配っていました。「これ、あゆみ、作ったの？」。「すごいよね。あゆみが今日の料理（りょうり）クラブで作ったんだって」と友だちがゆきえに言います。「ゆきえちゃんもよかったら食べてくれる？」とあゆみがパンをわたしました。「ありがと！」。みんなでベンチにすわって、「いただきまーす」。食べ始めました。すると、「これ、おいしくない。かたくてにがい」とゆきえが言いました。「そっか…わたしパン作るのはじめてだから。ごめんね」としょんぼりするあゆみ。「そんなことないって。おいしいよ」とフォローする友だち。 【scene 04】 社会人にはうそも必要？ 「だって、あゆみのパンおいしくなかったもん」とゆきえ。「たしかにおいしくなかったよ。でも、おいしくなくても『おいしくない』って言わないよ、ふつう」と友だち。「ぜんぜんわかんない」。すると、「ゆきえのお母さん、お仕事してるよね？」と友だちが言います。「してるよ」。「お母さんがお仕事でつかれて帰ってきてがんばって作ってくれたごはんがおいしくなかったとき、『お母さんのごはん、まずい』って言っちゃうわけ？」。「わたしたち社会人なんだよ。小学生だけど『社会人』なの。社会の中で生きてるんだから。社会人にはうそが必要（ひつよう）なときもあるの」。「ゆきえもちゃんとした社会人になりなよ」。 【scene 05】 うそつきのわたし、こんにちは 朝、登校のとちゅう、ゆきえはあゆみを見つけました。「ゆきえちゃん、おはよう」と立ち上がるあゆみ。「おはよう。この前はごめんね」とゆきえが言うと、「これ」とあゆみがパンを取り出しました。「わたし、パン作りサークルに入ったんだ。初心者（しょしんしゃ）が集まってみんなでパン作りを習うの」。「へぇ」。「味見してみて」。「いただきます」。食べてみるゆきえ。『♪いつも正しくまっすぐに…』。「この前より上達（じょうたつ）してるね。おいしいよ」と言うと、「うれしい。みんなにも配ってくる」とあゆみは走っていきました。『♪正直なわたし　さようなら　うそつきのわたし　こんにちは♪』。 【scene 06】 あゆみのパンは最高！？ 「♪ピンポ～ン」。インターホンが鳴ったのでゆきえが玄関（げんかん）に出てみると、あゆみが立っていました。「パン作りサークルの帰りなの。これ」とパンをわたすあゆみ。「どうしてもできたて食べてほしくて」とあゆみ。家に入り、遊びにきていた友だちもいっしょにあゆみのパンを食べてみます。「今日は中に具を入れてみたよ」とあゆみ。いち早くゆきえが感想を言いました。「うん。ほんのりあまいパン生地とくるみのハーモニー、最高（さいこう）だよ！　ねぇ？」「そうだね、最高だね」と友だち。でも、こっそり顔をしかめるゆきえです。 【scene 07】 パンのおかげでみんなとなかよくなれた 次の日も、あゆみにもらったパンを食べるゆきえたち。「かわいい見た目に反して、なかなかのかみごたえ。小さなゴマのパンチがきいてる。ぜつみょう～」。「ぜつみょう～」。「わぁい、うれしい」とよろこぶあゆみ。また次の日も、公園であゆみにパンをもらって食べるゆきえたち。「あゆみのパンって、食べれば食べるほどもっともっと食べたくなる。とまらない」。やけくそになってパンを食べつづけるゆきえ。「ゴホッゴホッ」。パンがのどにつまってせきこみました。「パンはにげないよ。ゆっくり食べて。わたし、みんなとなかよくなれて、ほんとにうれしい。パンのおかげだ」。うれしそうなあゆみが帰っていきます。 【scene 08】 ゆきえがへんなおせじばかり言うから 「おはよう！　新作のあゆパンだよー」。次の日もあゆみがパンを持ってきます。「むり。あゆみのパン食べるの、もうむり」。公園でゆきえたちがパンを手にすわりこんでいます。「すてちゃおっか？」。「えっ、すてるなんてだめだよ」とゆきえ。すると、「ゆきえのせいだよ」と友だちが言います。「わたしのせい？」。「ゆきえがへんなおせじばっかり言うから、あゆみが調子にのっちゃったんだよ」。「だって、『おいしくない』って正直に言っちゃダメだって言ったよね？　ちゃんとした社会人になりなさいって」。「言ったけど、ゆきえはちょっとやりすぎ」。「あれじゃただのうそつきだよ」。「もうわかんない！」。走り去るゆきえ。 【scene 09】 わたし、どうすればいいんだ ゆきえがだれもいない教室にそっと入っていきました。「すてるよりいいでしょ」。ザリガニに少しずつパンをやります。『♪正直　うそつき　本当に正しいのはどっち　ねえわたし　どうすればいいんだ　かみなりゴロゴロ　引きさかれる　かみなりゴロゴロ　引きさかれる♪』。 【scene 10】 「あのね…」 ゆきえがあゆみのパン作りを見にいきました。パン教室であゆみが楽しそうにパンを作っています。ガラスごしに見ていたゆきえが帰ろうとすると、「ゆきえちゃん、待って」とあゆみが気づいて出てきました。「たまたま通りかかって…」とゆきえ。「ちょうど今、新作がやきあがったところ。何のパンだと思う？　当ててみて」とあゆみ。「なんだろう？」。「正解（せいかい）は…ねこパンだニャン。はい」とあゆみがゆきえにわたします。「あついから、ねこじたさんは気をつけてね」。「ありがとう」と受け取って食べてみるゆきえ。「どう？」。ゆきえの心は、モヤモヤ…。「あのね…」。

もやモ屋

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ぼくの友だち【友情、信頼/善悪の判断、自律、自由と責任】

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学校に行っていないエイキの家に、田岡という同級生が訪ねてくるようになる。田岡の話を聞くうち、学校に興味を持ち始めるエイキ。ついに学校に行くが…

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【】 オープニング 『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館（えいがかん）。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ！ 【scene 01】 部屋からほとんど出ないエイキ 「エイキ、電気つけて」。エイキの部屋にお母さんが入ってきて言いました。うす暗い部屋でエイキはひたすらゲームをしています。「ねえ、友だちが来てくれたよ、学校の」。エイキはカーテンを少し開けてまどから外を見てみます。同じクラスの田岡（たおか）くんがサッカーボールで遊びながら待っていました。カーテンをしめてしまうエイキ…。「ごめんね、やっぱ出てこないみたい」。玄関（げんかん）にもどってきたお母さんが田岡くんに言いました。「何の用事？」とお母さんに聞かれ、田岡くんは「あー、えっと…」と、持ってきたプリントをにぎりしめました。 【scene 02】 プリントを持ってきてくれた田岡くん エイキの部屋で田岡くんがエイキに説明（せつめい）しています。「これが社会科見学のプリントで、エイキくんはおれの班（はん）だから。それで、あ、そうだ。これがとちゅうでよる工場で…」。でもエイキはゲームをしたままだまっています。帰ろうとする田岡くんにお母さんが玄関（げんかん）で、「ごめんね。またよかったら遊びに来てね」と言いました。「いや、まあ…」とあいまいに返事した田岡くんは、「おじゃましました」と帰っていきます。その様子を二階からエイキが見ていました。一週間後。「エイキ、このあいだの友だち、また来てくれたよ」とお母さんが声をかけました。ふり返るエイキ。 【scene 03】 「学校なんて行かなくても勉強はできる」 エイキの部屋で、ゲームをするエイキ。そばでは、田岡くんはマンガを読んでいます。「ふふ」とわらう田岡くんに、「何？」とエイキがイライラして聞きます。「いや、この顔がめっちゃおもしろくてさ」とマンガを見せる田岡くん。「ちがう。何？」とさらに聞くエイキ。「あ、おれ？　田岡」と答えると、「先生に何言われたの？　行かないよ。学校なんて行かなくても勉強はできる」と言うエイキ。「マンガ読んでるからあとで」と言う田岡くん。「それがなんだよ。帰れよ」とエイキはおこって田岡くんを部屋から力ずくで追い出しました。ちょうどおかしを持ってきたお母さんは田岡くんにあやまります。 【scene 04】 二人でゲームをするようになって 今日も田岡くんはエイキの部屋に来ています。でも、あいかわらずエイキがだまって一人でゲームをしているので、部屋の中をあれこれ見はじめました。そして、「おっ」。ブロックをつみ上げるゲームを見つけ、一人で始める田岡くん。それを見て思わずゲームにくわわるエイキ。すると…、田岡くんがミスをしてブロックのタワーをくずしてしまいました。でも、「もうつみ終わってるからお前のまけだよ」といいわけをする田岡くん。「え、それはちがう」と答えるエイキ。またブロックゲームをしようとする二人。おかしを持ってきて部屋に入ろうとしていたお母さんは、二人のわらい声を聞いて、うれしそうにそっともどっていきました。 【scene 05】 「エイちゃん」「たっくん」 ブロックのゲームに夢中（むちゅう）になるエイキと田岡くん。毎日のようにそれがつづき、やがて春がすぎ、夏になりました。この日も二人はゲームをしています。しんちょうにブロックを取ろうとする田岡くん。そのとき、「ごほごほ」とエイキがわざとむせたので、田岡くんは失敗（しっぱい）してブロックをくずしてしまいます。「あぁ。もうー、ほらぁ」と田岡くん。「やっぱり今回もおれの勝ち」とエイキ。「え、ちがうよ。エイちゃんがじゃましてくるからだよ」。「ちがうよ。たっくんがへたなだけだよ」。「えー、もう」。二人はいつのまにか、「エイちゃん」、「たっくん」とよび合うほどなかよくなっていました。 【scene 06】 だれもぼくをおぼえてないよね？ 急にエイキが、「ねえ、学校ってどんな感じ？」と聞きました。「え？」とおどろいたような田岡くん。「あ、なんでもない」とエイキ。すると田岡くんは、「今日、おれ体育でサッカーやって、点決めて」と話し始めました。「みんなおれにパスしてくんの。で、それをこうやってバーンて決めたの。それも時間ぎりぎりに決めて…」。田岡くんの学校の話を聞いて、「楽しそうだな、学校。たっくんみたいな人気者なら楽しいだろうな」とエイキ。「うん、まあな」。「ぼくが今さら行ってもだれもおぼえてないよね」とエイキが言うと、「そろそろ帰る」と田岡くんは帰っていきました。 【scene 07】 みんながエイキによせ書きした色紙 家の前で不安（ふあん）そうに行ったり来たりしているエイキ。「おそいね、田岡くん」とお母さんがドアから顔をのぞかせました。「べつに」とエイキ。その日、なかなか田岡くんは来ません。ずっと玄関（げんかん）の前で待っているエイキ。すると田岡くんがやってきました。見ると、田岡くんは左うでに包帯（ほうたい）をまき、顔にもガーゼをはっていました。「サッカーでぶつかっちゃってさ」と言います。「心配したんだぞ」と思わずつきとばすエイキ。「いて。おい、けがしてんだぞ」とわらう田岡くんが「これ」とわたしたのは、『エイキ君』と書かれたみんなからのよせ書きでした。「おぼえてたよ、みんな」と田岡くん。 【scene 08】 「学校行こうかな」 「学校行こうかな」。みんなが書いた色紙を見ながらエイキがつぶやきました。「え？」。「どう思う？」とエイキが聞くと、田岡くんは「あー、どっちでも」と言います。「え？　行ったほうがいいよね？」とエイキがもう一度聞くと、「うーん、知らない」と、田岡くんはちょっとつめたい感じで言いました。「たっくんとサッカーしたら、ぼくも上手くなるかな？」とエイキ。「いや、エイちゃんはついてこれないよ」。「でもがんばるから」。 【scene 09】 エイキがひさしぶりに学校へ 玄関（げんかん）でくつをはいているエイキ。「本当にだいじょうぶ？　気をつけてね」と心配そうなお母さん。「だいじょうぶだって。ちょっとのぞいてくるだけだし。行ってきまーす」とエイキ。「行ってらっしゃい」。雨の中、エイキは、かさをさして、ひさしぶりに学校へ向かいます。だんだん足が速くなり、とうとうかけだしました。とてもうれしそうな顔です。 【scene 10】 クラスメイトに声をかけると 校門のところでおそるおそる中をのぞいていたエイキは、クラスメイトの西崎（にしざき）くんを見つけました。「西崎くん、だよね？　ひさしぶり」と声をかけました。男の子は不思議（ふしぎ）そうな顔をしています。「ほら、この前、色紙に名前書いてくれてた」とエイキが言うと、「何のこと？」と答えて行ってしまいました。「え？」とふしぎに思うエイキ。「たっくんどこだろう？」。エイキが田岡くんをさがして校内を歩いていると、「パス！　パス！」という声がします。声のほうへ行ってみると…。 【scene 11】 田岡くんは本当は… 西崎くんたち三人の男子がランドセルをサッカーボールのようにけって回しています。四つばいになってランドセルを追っているのは田岡くんでした。西崎くんがランドセルを持ち上げて中身をぶちまけます。中から、エイキにくれた色紙の下書きや二人で遊んでいたブロックがこぼれます。そのとき、エイキは田岡くんと目が合いました。「エイちゃん」とつぶやく田岡くん。「あ、こいつずっと学校休んでるやつだ」といじめっ子の一人がエイキを見て言います。西崎くんは、「こいつと友だちなの？」とエイキに聞きます。「おまえ、こいつと友だちなの？」。じっとエイキを見つめる田岡くん。エイキの心はモヤモヤ…。

ココロ部！

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こまったプレゼント

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コジマはパティシエとなり、ピンチに遭遇。「思いやり」や「友情」について考える。コジマは長年の夢が叶って、オシャレなケーキショップを開くことになったが…。

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【】 オープニング 【scene 01】 “自分の生き方”について考える 「みんな、ココロ部へようこそ！　入部おめでとう。わたしは部長のカンガエールだ。人は生きているといろんな“ピンチ”にあう。このココロ部では、そんなときどうすればいいか、じっくり話し合う。そして、自分の生き方について考えていくのじゃ。それじゃあ、今日もトレーニングを始めるぞ。このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回はコジマくんにパティシエになってもらおう。夢だったケーキ屋を開店する日に“ピンチ”が起こる。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてみよう」。 【scene 02】 夢だったケーキ屋さんをオープン 今日は、コジマくんのケーキショップの開店日です。「あ～、ついに夢のお店のオープンか」。苦労してお金を貯めて、ようやくお店を出すことができたのです。コジマくんのイメージ通り、女子のハートをくすぐるかわいいお店です。「あとはこれをかければ完成、と」。コジマくんが売り場のかべに絵をかざろうとしたとき、「コジマくん、開店おめでとう！」と、鈴木くんがやってきました。鈴木くんはコジマくんの小学校の同級生。今でも仲良しの友だちです。「コジマくん、小学校の卒業文集に、大きくなったらケーキ屋さんになりたいって書いてたよね。その夢がついにかなったんだね」。 【scene 03】 友だちからのプレゼントは… 「これ、開店祝いのプレゼント」。鈴木くんが大きな箱を差し出しました。「ありがとう！」と喜んだコジマくん、開けてびっくり！　大きなてんぐのお面だったのです。『げっ、何だこれ？！』。すると鈴木くんは、「これ、“招きてんぐ”っていう縁起物（えんぎもの）なんだ。お店にかざるとお店が繁盛（はんじょう）するらしいよ」と言いました。「そこにかざるといいよ。お客さんから見えるところにかざると効き目があるらしいんだ」。鈴木くんは売り場のかべを指差します。『そんな目立つところにかざったらまずいよ…』。そこにケータイのよびだし音が鳴り、鈴木くんは店の外へ出ていきました。 【scene 04】 お店のかわいい雰囲気が台無し コジマくんは試しにてんぐのお面をかべにかけてみますが…。やっぱりお店のかわいい雰囲気（ふんいき）が台無しです。そのとき、「この店、今日オープンだよね」という声が。女の人が二人、お店の中をのぞきこんでいます。ところが、「ちょっと何？　あのてんぐ！」とお面に気がつきました。「変なの。あんなのかざる店ってケーキの味も今イチだよ。センスなさすぎ」。そう言って二人は行ってしまいました。「やっぱりこれ、まずいでしょ。こまったなぁ。お面をかざらないと鈴木くんに悪いし、お面をかざったらお店のかわいい雰囲気が台無しになっちゃう。あ～どうしたらいいんだ…」となやむコジマくん。 【scene 05】 かざる？　かざらない？ 「うんうん。こまったプレゼントってあるよねぇ」とうなずくカンガエール部長。「さて、ここまで見てきてみんなはどう考えた？　てんぐのお面、かざる？　かざらない？」とたずねます。するとさっそく着信音がして、全国のココロ部員のみんなからの声がタブレットにとどきました。まず、「わたしだったらかざらない。せっかく夢がかなったのに、お客さんが来なくなったらすべて台無しになっちゃう」という意見。「確かに。ケーキ屋はコジマくんの長年の夢だったもんねぇ」と部長。続いて、「ぼくだったらかざります。鈴木くんがかわいそう。おさななじみのためならがまんできます」という意見。 【scene 06】 “思いやり”と“おせっかい” 「ほぉ～。友だちの思いを大事にしたいんだねぇ。こりゃ、まようねぇ、オオシマくん」とカンガエール部長。すると、「コジマだよ！」と着信音が。コジマくんからの返信です。「確かに、鈴木くんはぼくのことを思いやってこのお面をくれたんだろうけど、プレゼントの選び方まちがっているでしょう！？　なんでぼくをこんなにこまらせるんだよ～！」とコジマくん。「うーん。相手からの思いやりが、自分にとっては逆にめいわくになることもあるってことかな。“思いやり”と“おせっかい”って、どうちがうんだろうねぇ」と部長も考えこみます。 【scene 07】 「このお面はかざれないよ」 コジマくんは、「おせっかいは、相手の気持ちや状況（じょうきょう）をちゃんと想像していないからやっちゃうってことかな…」と考えました。「鈴木くん！　ぼくの気持ち、もっと想像してよ～！」とコジマくん。「ということはコジマくん。あのてんぐのお面は？」とカンガエール部長に聞かれ、「もちろんこのお面はかざれないよ。今まで苦労して、やっと自分の店を持つことができたんだもん」とコジマくん。「そうか。さぁ、続きを見てみよう」と部長が言いました。 【scene 08】 手作りのお面だった… コジマくんがてんぐのお面をはずそうとしているところへ鈴木くんがもどってきました。鈴木くんは「ごめん。やっぱりそれ、気になるよね。どうしても形がいびつになっちゃって」とあやまります。このお面、実は鈴木くんの手作りだったのです。「手作りのてんぐのお面をお店にかざると、てんぐの鼻のように長くお店が続くって聞いたから作ってみたんだ。前にコジマくんが、お店がうまくいくか心配だって言ってたから」。そう言う鈴木くんの手はばんそうこうだらけ。作ったときにケガをしたのでしょう。それに気がついて、『やっぱりかざろうかなぁ。うーん、どうしよう…』とコジマくんはさらになやみます。 【scene 09】 『相手も大事、自分も大事』 「まさか、鈴木くんの手作りだったのか。これはなやましいねぇ」とカンガエール部長。そこへコジマくんからの着信です。「ここはやっぱり、がまんしてお面をかざるしかないよ。お店のかわいいイメージに合わなくてもしかたないと思う。鈴木くんの気持ちを考えたら、これはかざらないわけにはいかないもん、絶対に！」と言います。「絶対に、かざらないといけない、かぁ。うーん。でもちょっと待って」と部長。「ここで、ココロ部の心得を一つ。『相手も大事、自分も大事』。相手の気持ちも大事だけど、自分だけがまんするのはよくないってことだね」と言いました。 【scene 10】 本音で言い合うことも友情 「つまり、コジマくんの夢や目標も大事。そして、友だちの鈴木くんの思いも大事。みんなはどう思う？」とカンガエール部長。するとタブレットにみんなから着信です。「ぼくがコジマくんだったら、自分の思いを大事にして、てんぐのお面はかざりません。かざらない理由も正直に友だちに伝えます。本音で言い合えるのが本当の友だちだと思うからです」という意見です。「うん、そうだね。本音を言うときも友だちの気持ちを考えて、どう伝えたらいいのか、よーく考えることも大切かもね」と部長。そこへまた着信です。 【scene 11】 “本当の友情”とは？ 「わたしだったら、鈴木くんの思いを大事にして、てんぐのお面をかざります。雰囲気（ふんいき）に合わなくても、形が悪くても、時間をさいて作ってくれた友だちの気持ちに応えたいから」という意見です。「うんうん。友だちの思いを100％大切にしたい。その気持ち、わかるねぇ」とカンガエール部長。さらに着信です。「わたしはコジマくんの気持ちも、鈴木くんの気持ちも、両方とも大事にしたい！　だから、目立つ売り場ではなくて、キッチンとか裏（うら）にかざります。店の雰囲気をこわさないし、鈴木くんの気持ちを少しでも大事にできると思うから」。 【scene 12】 さぁ、キミはどう考える？ 「なるほど。答えに行きつくトビラはいくつかあるかもしれないなぁ」とカンガエール部長。そこへまた着信音です。「おっ、またまた来た！　いろんな子の答えがとどいているぞーい！　さぁ、キミはどう考える？」。次々にみんなの意見がとどき始めました…。

ココロ部！

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みんなの自由な公園

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コジマは公園の管理人となり、ピンチに遭遇。「自由、責任」について考える。公園の利用者が自由に過ごすことで、互いの利用者に不満が噴出。快適な公園にするためには…。

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【】 オープニング 【scene 01】 公園の管理人としての“ピンチ” ココロ部の部室でウトウトといねむりをしているカンガエール部長。ふと目がさめました。「お、こんな時間か。いかん、いかん。それでは今日もトレーニングを始めるぞ。ココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回は、コジマくんには町に新しくできた公園の管理人になってもらおう。公園の見回りをしているときにさまざまな“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてみてくれ」。 【scene 02】 だれでも自由に楽しめる公園 コジマくんは、ココロ町の住民。町に新しくできた「ココロ自由公園」の管理を任されています。「おはようございまーす！」。今日も少年たちが公園にやってきてサッカーを始めました。ここは、だれでも自由に楽しめる公園を作りたいという住民のねがいから生まれました。その思いをコジマくんは大事にしながら働いています。公園の一角では、若者（わかもの）たちが楽器の練習に夢中です。「おはよう！」と声をかけるコジマくん。「おはようございます。コジマさん、ライブ、絶対に観に来てくださいね！」とメンバーが言います。「わかった、ありがとうね。また」とコジマくん。 【scene 03】 「今日もみんな楽しそうだなぁ」 「コジマさん、おはよう。いい天気だねえ」と声をかけてきたのは田中さん夫婦。２ひきの愛犬を連れています。「キャンディ、ミルク。かわいいな」とコジマくん。赤ちゃん連れのお母さんたちが集まっているベンチでは、コジマくんが話しかけても気がつかないほどおしゃべりに夢中です。そこへサッカーボールが転がってきました。「すみません」と走ってきた子どもたちにボールを返すコジマくん。「いやあ、今日もみんな楽しそうだなぁ」とうれしそうです。「あ、住民の反響（はんきょう）がとどいてるかな」。コジマくんは投書箱『みんなの声』を開けてみました。「どれどれ？」。まず田中さん夫婦からの投書です。すると…。 【scene 04】 予想もしなかったそれぞれの不満 それは、『わたしたちは公園で花をながめたりして静かに過ごしたいんです。でも最近、若者（わかもの）たちがうるさくて…』という苦情でした。コジマくん、おどろきました。次も、『この前、お年寄りご夫婦の犬がわたしたちのそばでふんをしたんです…』という若者たちからの苦情です。さらに、『この前サッカーボールがうちの子にぶつかりそうになったんです。あぶないので今すぐ対処（たいしょ）して下さい』とお母さんたち。少年たちも、『たまにベンチで休もうとすると、おばさんたちが占領（せんりょう）していて…』。みんな楽しんでいると思っていたコジマくん。でもみんなはそれぞれ不満があったのです。 【scene 05】 ルールをつくればいい 「それぞれに不満があったんじゃのう。どうしたらだれもが公園で気持ちよく過ごせるんじゃろうか。部員のみんなはどう考えるかな？」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部員のみんなからの声がタブレットにとどきました。まず、「みんなの不満を解消するために、それぞれの過ごし方によって公園を区切ったらどうかな？　へいとか建ててさ」という意見。「いいアイデアじゃが、お金がかかるかもしれんなぁ」と部長。すると、「お金がかかるならルールをつくれば？　人のめいわくになる行動は禁止にすればいい！」という意見。「ほう、ルールか。どんなルールじゃろうか」。そこへ、「コジマだよ！」と着信音です。 【scene 06】 それぞれの不満を解消するルール コジマくんからのメールです。「例えば、こんなのはどうかな？　うるさくてめいわくしている人がいるから、『公園の中では静かにすること』」。「ほう」。「動物の放し飼いでこまっている人がいるから、『ペット禁止』」。「うんうん」。「ボールが飛んできてあぶない思いをする人がいるから、『園内ではボール遊び禁止』」。「なるほど」。「いつまでもベンチを占領（せんりょう）してしまう人がいるから、『ベンチは10分交代で』」。「おぉ！　よく考えたな。これならみんなの不満は解消できるかもしれんのう。じゃあ、続きを見てみよう」と部長が言いました。 【scene 07】 ボール遊び禁止、ベンチの利用は10分まで 公園にもどってきたコジマくんは、さっそく『公園のルール』の看板（かんばん）を取り付けました。そこへ、「こんにちは！」とやってきた少年たち。いつものようにサッカーをしようとします。「ちょっちょっ。今日からね、ここではサッカーできないんだ」と注意するコジマくん。「ボール遊び禁止？！」とおどろく少年たち。続いてコジマくんはお母さんたちのところにやってきました。「コジマさんのおかげで安心して公園で過ごせるようになりました」と喜ぶお母さんたちに、「そろそろ10分経つので、ベンチを空けてもらえますか」とコジマくん。「えっ？　10分？　どういうこと？」。お母さんたちはおどろいています。 【scene 08】 ペット禁止、公園内では静かに 「田中さん、こんにちは」。コジマくんが散歩中の田中さん夫婦のところにやってきました。「ここが静かになって本当にありがとうございます」。「キャンディ、ミルク、よかったなあ」と喜んでいる二人。でも、「あのう、犬はちょっと…。衛生面から、園内へのペットの持ちこみは禁止になったんです」とコジマくんに言われ、「えっ？」とびっくり。そこへ、「ちょっとコジマさん！」と若者（わかもの）たちがやってきました。「あの看板（かんばん）、いったい何なんですか！」。「公園内では静かに過ごすことって、そりゃないですよ！　アパートでは練習できないからここに集まってるのに！」とおこっています。 【scene 09】 みんなの不満が爆発！ そこへ、「コジマさん！」とお母さんたちもやってきました。「ベンチの利用が10分交代ってやっぱりおかしくないですか？」、「全然ゆっくりできない！」と、口々に文句を言います。すると、「コジマさん！」と少年たちもやってきました。「サッカーできるのはこの辺ではこの公園しかないんです！」、「ボール遊び禁止って、じゃあぼくたちはどこでサッカーすればいいんですか？！」と言います。ほかの人たちも、「ルール、ルールって、ここのどこが自由公園なんですか！」、「そうだよ！」、「なんとかして下さい！」と不満が爆発（ばくはつ）。『ど、どうしよう…。ああ、もう…』となやむコジマくん。 【scene 10】 キミならどう考える？ 「みんなが自由に楽しめる公園にしたら不満が出た。そこでルールをつくったらますます不満が出てしまった。どうしたらいいんだろうねえ」と部長。すると着信音です。「ルールによっては自分にとっての自由をうばわれたと感じた人がいたんじゃないかな」という意見。「自由…。そもそも自由ってなんじゃろうか」と部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信音。「好きなことを考えたり、したいことをしたりすること。人が生きていく上ですごく大事なことでしょ」とコジマくん。「だから自分の自由だけではなくて、相手の自由も考えないといけないんじゃない？」という意見も。「じゃあ、それぞれの自由を大事にしながら、みんなが楽しめる公園にするにはどうしたらいいのかな。さぁ、キミならどう考える？」。

ココロ部！

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おくれてきた客

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コジマは美術館の警備員となり、ピンチに遭遇。「思いやり」と「決まりを守ること」について考える。美術館の閉館後、おばあさんが娘につきそわれて訪ねてきたが...

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「美術館の警備員」のピンチ ここはココロ部の部室。だれもいません…。そこへカンガエール部長がかけこんできました。「やばい！　やばい！　遅刻（ちこく）？　いや、セーフ！　あぶなかった～」。そして言いました。「人は生きていると、このような“ピンチ”にあう。ココロ部ではそんなときにどうすればいいかをじっくり話し合うのじゃ。今日もみんなのセンパイ部員コジマくんになやましい“ピンチ”がおとずれるぞ。今回は、コジマくんには美術館の警備（けいび）員になってもらった。美術館を守る責任重大な仕事だ。そこで“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてみよう」。 【scene 02】 話題の絵画展の最終日 フランスから来た貴重（きちょう）な絵を展示（てんじ）し、話題となった絵画展。特に注目を集めたのは、日本初公開となった『野バラをもつ少女』でした。今日は絵画展の最終日。コジマくんが、『本日は閉館（へいかん）…』の札を入り口にかけます。そこへカップルがやってきました。「えっ、閉館？」。最終日は閉館が１時間早いことを知らなかったのです。「前売り券も買ったし、こっそり入れてくれない？」と言うカップルですが、「すみません。決まりですので」と断るとあきらめて帰っていきました。もう一人の警備（けいび）員も、「じゃ、今夜の警備よろしく！」と帰っていきました。 【scene 03】 閉館後にやってきたおばあさん コジマくんがひとりで警備（けいび）を始めて30分ほど経ったころ、おばあさんと女の人がやってきました。「本日はもう閉館（へいかん）いたしました」とコジマくんに言われ、「えっ、もう入場できないんですか？」とおどろく二人。「すみません。決まりですので」。するとおばあさんは、「この絵を見るのが長年の夢だったんだけど…」とポスターを見てつぶやきました。『野バラをもつ少女』です。昔、絵の少女がおばあさんににていると言って、初恋（はつこい）の人が野バラをプレゼントしてくれたのだそうです。「この絵が父と母を結び付けてくれたおかげで、わたしが生まれたんです」と娘さんが言います。 【scene 04】 思い出の絵を母に見せてあげたい 「いつか二人でフランスへ行って本物の絵を見たいねって話してたんだけど、夫は亡（な）くなってしまったの」とおばあさん。「だから日本で公開されたこの機会に、なんとしても母に見せてあげたかったんです」。娘（むすめ）さんもそう言います。二人は大雨のせいで電車がおくれ、間に合わなかったのです。「何とかなりませんか」と言われ、こまってしまうコジマくん。あきらめて帰ろうとする二人に思わず声をかけました。「…ちょっと待ってください」。そしてなやみます。『ぼくがだまっていれば、おばあさんを中に入れてあげられる。でも警備（けいび）員としては決まりを守らなきゃいけない。どうしよう…』。 【scene 05】 「決まり」か「思いやり」か 「うーん。これはこまったなぁ。いやぁ、こまった」と部長もかなりなやんでいます。すると着信音がして、全国のココロ部員のみんなから意見がタブレットにとどきました。まず、「おばあちゃんがかわいそうだから入れてあげれば？」という意見。すると、「でも、おくれてきたカップルは追い返したのに、かわいそうなおばあちゃんならOKっていうのはおかしい！」という意見が。さらに、「閉館（へいかん）時間を過ぎたらお客さんを入れてはいけない決まりだよね？」という意見。「決まりか…。うーん、決まりは守らないといけないよねぇ」と部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信音です。 【scene 06】 やっぱりあきらめてもらおう 「でもね、おばあちゃんのあの思いを聞いたでしょう？　追い返しちゃうのは冷たくないかなぁ」と言うコジマくん。それに対して部長は、「確かにかわいそうだよねぇ。でももし、閉館（へいかん）時間が過ぎたらお客さんを入れてはいけないという決まりをコジマくんがやぶったらどうなるの？」と言いました。すぐに着信音です。「ほかの人にバレたら、仕事をやめさせられちゃうんじゃない？」という意見。するとまた、「コジマだよ！」と着信音。「それはこまる！　仕方がないけど、おばあちゃんにはあきらめてもらうよ！」。コジマくんはコロッと意見が変わったようです。「さて、どうなるかな？」と部長。 【scene 07】 今日が最後の外出だった 「すみません。やはり決まりですので」。頭を下げるコジマくん。「せめてあと一日早く来てもらえたら…」。すると、「実は…母はずっと入院中で、今日ようやく一時帰宅（きたく）の許可が出たんです」と娘（むすめ）さんが言いました。「え？」とおどろくコジマくん。さらにおばあさんは、「もう病院にもどろう。ここまで来て気がすんだよ。ありがとね。今日のこの外出が最後だってことぐらい、わかってたよ。わたしの命がそう長くないってことも」と言ったのです。「お母さん、知ってたの？！」と泣き出す娘さん。「…」。コジマくん、何も言えなくなってしまいました。さぁ、キミならどうする？ 【scene 08】 決まりより大切なことがある？ 「こまったねぇ」となやむ部長に、「コジマだよ！」と着信音です。「ぼくは決めたよ！　おばあちゃんを入れてあげる。だって人生には、決まりを守るよりも大切なことがあるって思ったから」とコジマくん。「コジマくんは決まりを守らないってことか。じゃあ、例えばの話だけど…」と部長が言いました。「家族が病院に運ばれたという知らせが来たとする。車を運転して急いで会いに行きたい。そんな特別なときはスピード違反（いはん）をしてもいいのかなぁ？　でも、危険（きけん）な運転でほかの人を事故にまきこんでしまうかもしれないよね？」。するとすぐに「コジマだよ！」と着信音です。 【scene 09】 ほかの人にいろいろなめいわくが 「そうか…。決まりを破るとほかの人にめいわくがかかる可能性があるっていうことか…」とコジマくん。さらに部長がたずねます。「話を美術館にもどすと、閉館（へいかん）後はお客さんを中に入れてはいけない決まりがある。もしおばあちゃんを入れてあげた場合、どんなことが起きるかな？」。みんなからの着信音です。「そんなことをしたら、決まりを守れない美術館だっていうウワサが広まっちゃう！」。「美術館の信用がなくなって、ほかから絵が借りられなくなっちゃうよ～」。さらに、「みんなが絵を見られなくなるし、美術館の人たちも仕事を失っちゃうかもしれないね」という意見も。 【scene 10】 キミはどう考える？ ここで、“ココロ部 心得”。「つまり、『決まりとは、ほかの人の権利（けんり）を守る大切な約束事でもある』んだねぇ」と部長が言いました。そこへ「コジマだよ！」と着信音です。「なるほど！　自分が仕事をやめさせられて解決する問題じゃないんだね！　でも、おばあちゃんの最後のねがいもかなえてあげたいなぁ…」とコジマくんはなやんでいます。「そうだよねぇ。入れてあげたい！　いやいやいや、でも決まりは守らなくちゃ。うーん…」。部長もなやんで歩き回って考えていますが、答えは出ない様子。ねぇ、キミはどう考える？

ココロ部！

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みんなに合わせる“友情”

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「無料通話アプリ」をめぐって起こるピンチから、「友情」について考える。コジマは高校生役。無料通話アプリでクラスメートとグループトークを楽しんでいたが…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「高校生」のピンチ 「えい、うーん。あっ、あ～」。カンガエール部長がタブレットでメールを打とうとして悪戦苦闘（あくせんくとう）しています。相談のメールがたくさん来ているのです。「あぁ、また打ちまちがった！　あ～もう」。ここでみんなに気がつきました。「みなさん、ココロ部へようこそ。このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回は、コジマくんに高校生になってもらうぞ。クラスメートとスマホでメッセージのやりとりをしているときに、“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてほしい」。 【scene 02】 グループトーク“北高１年３組” 「おはよう！」。コジマくんが教室にやってきました。コジマくんは高校１年生。「おはよう！」。クラスメートのナナミがコジマくんに声をかけます。ナナミがきっかけで、このあとコジマくんにピンチがおとずれます。席についたコジマくんに、スマホの着信音です。無料通話アプリのグループトーク“北高１年３組”からの新着メッセージでした。ナナミをふくめた仲のいい友だちのグループで、みんなでメッセージのやりとりをしているのです。とどいたメッセージは…。 【scene 03】 「みんなヒマでいいね」 『今度の月曜日、体育祭の振替（ふりかえ）休日だよね？』とエリカでした。『じゃあ、みんなで遊園地に行かない？』とモエ。『いいね！　行こう！』。コジマくんもみんなも賛成します。でも、『ごめん、その日はダメなんだ』とナナミ。塾（じゅく）へ行く日なのです。『じゃあ、遊園地に行けるのはナナミ以外の全員ってことでOK？』とエリカ。『うん！』。『オレも行く！』。ほかのメンバーも同意のスタンプを送りました。するとナナミからのメッセージです。『みんなヒマでいいね』。このナナミのメッセージを最後に、やりとりがとぎれました。そして…。 【scene 04】 “北高１年３組ヒマ人会”？ コジマくんのスマホに着信音です。見ると、『“北高１年３組ヒマ人会”があなたを「グループ」に招待しました』とあります。「北高１年３組ヒマ人会？」。ふしぎに思ってメンバーを確認（かくにん）するコジマくん。「うん？ “北高１年３組”と変わらないじゃん」。ところがよく見ると、「あれっ？　ナナミの名前がない」。見ると、ナナミは教室のうしろのほうで一人スマホを見ています。なんだか元気がない様子。教室の前のほうでは、みんながスマホにメッセージを打ちこんでいます。コジマくんはとりあえず『参加』ボタンをおしました…。 【scene 05】 ナナミをはずしたみんな しばらくして、『さっきのナナミ、何？』とエリカ。『自分だけいそがしいみたいにさぁ』『「みんなヒマでいいね」なんてひどいよなー』『だよねー』とみんなも続きます。でも、『でもさ、そんなにひどいことかなぁ？』とハルト。すると、『ひどいよ！　前にもこんなことなかった？』とエリカ。『あ！　みんなでもり上がってるときに、ナナミが「遊んでていいね」って』『ナナミってそういうとこあるよね？』とみんな。『ハルト！　そう思わない？』とエリカに聞かれ、『…うん』とハルト。おどろいてナナミやみんなを見るコジマ。そこに着信音です。『コジマもそう思うよね？』とエリカ。『ぼくも？　うわぁ、どうしよう…』。 【scene 06】 みんなに合わせないとまずい… 「いやぁ、顔が引きつってたねぇ」と部長。そこに、「コジマだよ！」と着信音です。「今回は…ちょっと様子を見ようかな」とコジマくん。「えーっ？　そんなことしたらナナミちゃんがもっと仲間はずれにされないかな？」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部員のみんなからの意見がタブレットにとどきました。まず、「みんなに『こういうの書くのはやめよう！』って伝えるのはどう？」という意見。これに対して、「そんなのむずかしいよ。みんなに合わせないと自分が仲間はずれにされそうだし…」という意見が。「確かに。結局みんな、最後は仲間の意見に合わせていたよね」と部長が言うと、また着信音です。 【scene 07】 書き方によっては誤解される 「そもそも、ナナミちゃんが『みんなヒマでいいね』なんてイヤミを書かなかったらよかったのに！」という意見。するとすぐに、「イヤミなのかな？　ただ遊園地に行けるみんながうらやましくて書いたんじゃない？」という意見が。部長も、「その可能性もあるね。スマホだと顔がわからないから、そのへんの想像がしづらいよねぇ」と言います。そこへ、「コジマだよ！」と着信音です。コジマくんは、「わかった！　それじゃあナナミちゃんに、『あんな書き方をしたら誤解（ごかい）するよ』って伝えるよ！　そしてみんなにも、『ナナミのこと悪く言うのはやめよう』って、勇気を出して言ってくる！」と言いました。 【scene 08】 「悪口はやめよう」と言ったタイキ 教室にもどったコジマくんがナナミに話しかけようとします。すると、急にエリカがわりこんできて二人は楽しそうにみんなのほうへ行ってしまいました。『あれっ？　さっきと雰囲気（ふんいき）全然ちがうぞ』。そこへタイキがやってきました。なんだか落ちこんでいます。「どうした？」と聞くと、「みんなでオレのこと、いろいろ言ってんだろ」と言います。「は？」。「ナナミの悪口を言うのはやめようって、メッセージを送ったんだ」。「え？」。「そしたら、だれからも返事が来なくなって…。オレをはずして別のグループを作ったんだろ？」とタイキ。おどろくコジマくん。そこへまた着信音です。「あぁっ！？」。 【scene 09】 今度はタイキはずし？ 『新しいグループができてる！　しかも“タイキなしの会”？』とおどろくコジマくん。『前から気になってたけど、タイキっていい人ぶるんだよな』とケン。『わかるー！』。エリカやほかのメンバーが次々に同意します。ちょっと間があって、『そうだね』とナナミの返事です。『ナナミまで…』とおどろいてナナミを見るコジマくん。ナナミは目をそらします。「コジマ、みんなオレのこと言ってんだろ？」と言うタイキに何も言えないコジマくん。そこにまた着信音。おそるおそる見ると、『コジマもそう思うだろ？』とショータのメッセージ。「…」。コジマくんにみんなの視線（しせん）が集まります。どうすれば…。 【scene 10】 なぜ仲間はずれにして悪口を言うんだろう 「ナナミちゃんの次はタイキくんか。じゃあ、タイキくんの次は…コジマくん？　やっぱりみんなに合わせないといけないのかな…」と部長。着信音がしてみんなの意見がとどきます。まず、「わたしはみんなに合わせます。だって、仲間はずれにされるのがこわいから」。すると、「いやいや、そんな弱気じゃダメ。『いけないものはいけない』ってビシッと言わないと！」という反論（はんろん）が来ました。「うーん。どっちにするかなやましいねぇ。そもそもどうして、仲間はずれにする子を見つけては悪口を言うんだろうねぇ？」と部長がたずねます。 【scene 11】 さぁ、キミはどう考える？ すると、「悪口を言うことで、自分が悪口を言われないようにしているのかも」という意見。続いて、「自分たちとちょっとちがったひとりをターゲットにして、“ぼくたち友だちだよね”っていう仲間意識を高めたいんじゃないかな？」という意見。すると部長が、「そうか。だから自分の気持ちにそぐわなくても、みんなに合わせるようにするのか」とうなずきました。でも、「あーぁ、でも部長のわたしでもしてしまうかもなぁ、それ」と部長もなやんでいます。さらに着信音があって、「でも、それって本当の友情なの？」という問いかけでした。「ギクッ。友情か…」と考えこむ部長。さぁ、キミはどう考える？

ココロ部！

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だれを先に乗せる？

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コジマは出勤途中のサラリーマンとしてピンチに遭遇。“相手の立場に立った思いやり”について考える。ある日の朝、コジマは車で会社に向かうため、山道を急いでいたが…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「朝の通勤」でピンチにあう 「みんな、おはよう。それじゃあ今日も、とっておきのクェスチョンをおとどけしよう」とカンガエール部長が言いました。「このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回は、コジマくんにはサラリーマンになってもらおう。朝の通勤（つうきん）途中（とちゅう）で“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてほしい」。 【scene 02】 山道でバスが故障していた ある朝、コジマくんは会社へ向かうため、車で山道を走っていました。「今日は大事な会議があるから急がないとな。あれ？」。見ると、前方にバスがとまっています。車をとめて運転手に聞くと、山道でバスが故障（こしょう）してしまったのだそうです。代わりのバスやタクシーが来るまでに１時間以上かかると運転手に言われ、５人の乗客はこまっています。「あの、もしよろしかったら、ぼくの車で町まで乗せていってあげましょうか？」とコジマくん。「先に乗りたい方いらっしゃいますか」と聞くと、「はい」と５人とも手を上げました。「え？　全員？」。３人しか乗れないので、コジマくんはなやんでしまいます。 【scene 03】 ３人、だれを先に乗せる？ すると、「やあ、コジマくんじゃない？」とバスの乗客のおじさんが声をかけてきました。「佐藤さん！」。それは、コジマくんが小さいころよくめんどうを見てくれた人でした。『うーん、どうしよう。笑顔のすてきな女性。お世話になった佐藤さん。やさしそうなおばあさん。体格のいい男性。こわそうな男性。だれを３人、先に乗せればいいかなぁ…』。さあ、キミがコジマくんの立場ならどうする？　・・・コジマくんがなやんだすえに選んだ３人は、おばあさん、わかい女性、そして佐藤さんでした。「これでいかがでしょうか」。すると、こわそうな男性がコジマくんをにらみつけながら近づいてきました。「え？　やばい…」。 【scene 04】 ３人を選んだわけは？ 「にげちゃったよ。でもなんであの３人にしたんだろう？」と部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信音です。「まず、おばあさんは、お年寄りだから。わかい女性を山の中に置いていくのもちょっとね。佐藤さんは、ぼくが昔お世話になった人だから」とコジマくんは言います。「つまり、年齢（ねんれい）、性別、よく知っている人を選んだわけだね。ほかの２人はほっといていいのかな？」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部員のみんなから意見がとどきました。「２人はわかいし、体力もありそう。待たせてもだいじょうぶじゃない？」、「お年寄りや女性を思いやって先に乗せるんだから問題ない」という意見です。 【scene 05】 “思いやり”って何だろう？ 「うーん。思いやりか。でも、そもそも“思いやり”って何だろうね？」と部長が言うと、またみんなから着信音です。「“思いやり”っていうのは、こまっている人を助けるっていうことだよ」と言います。「それじゃあ、コジマくんが思いやりで選んだ３人は、本当にだれよりもこまっている人たちなんだね？」と部長がたずねます。すると、「コジマだよ！」と着信音です。コジマくんは、「そう言われるとどうかなぁ。あ、こまっているといったらみんな急いでいたな…。もう一度確認（かくにん）してくる」と言いました。 【scene 06】 みんなそれぞれの事情が 山道にもどってきたコジマくんは、５人に急いでいる理由を聞いてみました。笑顔のすてきな女性は、「これから大事な就職（しゅうしょく）試験があるんです」と言います。体格のいい男性は、「昨日からずっと具合が悪くて…。早く病院へ行きたいんです」。やさしそうなおばあさんは、「これから、ゲートボールの試合なの」。こわそうな男性は、「人に会うんだよ！　なぁ、早く乗せてくれよ！」と言います。佐藤さんは、「妻のために急いで買わなきゃいけないものがあるんだ」。みんな、いろいろな事情があるようです。『だれを３人、先に乗せればいいかなぁ…』と、再びコジマくんは、なやみ始めます。 【scene 07】 考え直したコジマくん 「みなさんの話を聞いて、あらためてだれを先に乗せるか考えてみました」とコジマくんが言います。「まずは、この方」。最初に選んだのは体格のいい男性です。「具合の悪い方は優先（ゆうせん）してあげたいと思って、選びました」。続いて笑顔のすてきな女性。「就職（しゅうしょく）試験は将来（しょうらい）に関わることだと思いまして、選びました」。そして３人目はやさしそうなおばあさん。「お年寄りを１時間以上も待たすのはよくないと思いまして、選びました」。コジマくんは「佐藤さん、すみません」とあやまります。「ああ、いいって」と言いながらも落ちこむ佐藤さん。こわそうな男性は何か複雑な表情です。 【scene 08】 相手の立場になって考える 「なるほど。コジマくんはみんなの話を聞いて選び直したんだね」と部長。すると、ココロ部部員から「具合の悪い人も、就職（しゅうしょく）試験の人も、早く行かないといけないから、コジマくんに賛成！　相手を思いやるときは、相手の立場になって考えることが大事」という意見がとどきます。「うん。よく気づいたね。ところで、この男性についてはどう思った？」と部長が、あのこわそうな男性についてたずねました。すると、「この人はにらんでくるし、見た目もこわかった。人に会うとか言っていたけど、絶対、友だちと遊ぶだけだよ」という意見が。「そうだ！　そうだ！」とコジマくんも言います。 【scene 09】 『あらゆる可能性を想像する』 すると部長が、「友だちと遊ぶ、か。うーん。ここで、“ココロ部の心得”を一つ。『あらゆる可能性を想像する』。かれが遊びに行くと決めつけていたけど、本当に、本当に、そうなのだろうか。さぁ、あらゆる可能性を想像してみてくれ」と言いました。するとコジマくんから、「確かに、かれの“見た目”だけで『遊びに行く』って決めつけていたな…。何かちがう理由があるのかも。ちゃんと確認（かくにん）してくる」というメッセージがとどきました。 【scene 10】 もう一度事情を聞いてみると コジマくんが山道にもどりました。わかい女性、おばあさん、体格のいい男性が車の前で待っています。「みなさん、ちょっと待ってください。かれの話をもう少しだけ聞かせてください」。そう言うとコジマくんは、こわそうな男性にもう一度たずねました。「あの…、人に会うって、どなたに会うんですか」。するとこわそうな男性が、「え…、母さん…。入院先の病院にお見舞（ま）いに行くんだ…」と言ったので、「えっ？　お見舞い？」とコジマくんはおどろきました。『えぇー、まさかの理由！　うーん、だれを先に乗せればいいんだ？…』。またなやみだすコジマくんです。 【scene 11】 キミはどう考える？ 「聞いてみないとわからないってことあるんだねぇ」と考えこむ部長。そこへ、次々に着信です。「かれを先に乗せたほうがいいよ。お母さんの具合が悪くなってよばれたのかも！」。「お見舞（ま）いって言ってもさ、そんなに急いで行かなくてもいいかもしれないよ。それより、お世話になった佐藤さんは乗せなくていいの？」。そこで部長が「そうか。じゃあ佐藤さんを乗せる？」と言うと、「いやいや、おばあさんは外せないでしょう。どうしたらいいの？」とますますなやむコジマくん。「これはこまったねぇ。みんなが納得（なっとく）できる解決策（さく）ってあるのかなぁ。ねぇ、キミはどう考える？」と部長。

ココロ部！

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外国から来た転校生

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コジマは高校生でクラスの学級委員。外国から来た転校生がピアスをしてきたことでピンチに遭遇。“外国の文化を大切にすること”と、”ルールを守ること”の間で葛藤する。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「転校生をむかえた高校生」のピンチ 「ハーイ、エブリバディ！　アー ユー ファイン？　わし今、英語を特訓中なんじゃ。これからの時代は外国の方と交流する機会が増えそうじゃからのう。うーん、エキサイティング！　さてと、今日も元気に、レッツ ゴー！」とカンガエール部長が言いました。「このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回は、コジマくんには高校生になってもらおう。外国から転校生がやってきて“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに、レッツ シンキング！」。 【scene 02】 外国からの転校生がピアスを コジマくんは高校生。クラスの学級委員です。今日、クラスに転校生が来ました。名前はエレナ。お父さんの仕事の都合でブラジルから日本にやってきたのです。「ブラジルの人って何語を話すんだっけ。たしかスペイン語かポルトガル語だったような気がしたんだけど…」。コジマくんがクラスメートのミキと話しています。すると、「あれ？」とミキ。髪（かみ）をかき上げたエレナの耳にピアスが見えました。「ねえ、あの子、耳にピアスしてない？」とミキ。「ほんとだ」とコジマくん。「わたしエレナに言ってくる。だって転校してきたばかりなんだから、教えてあげなくちゃかわいそうでしょ」。 【scene 03】 「校則だからピアスはずさないと」 「あ、ちょっ、ちょっ…」。ミキについていくコジマくん。「エレナ、ちょっといいかな。それ、はずしたほうがいいよ」とミキがエレナに言いました。エレナはきょとんとしています。「これこれ。ピ、ア、ス。校則だからはずさないと」とミキ。でもエレナは“校則”の意味がわからないようです。「この学校には、ピアスや指輪やネックレスをしちゃいけないっていうルールがあるの。だから今すぐはずしたほうがいいよ」とミキ。ところがエレナは「いやです」と言いました。「わたしの国では、女の子、ピアスしてます。だからいやです」。 【scene 04】 「コジマもちゃんと言ってよ！」と言われ… ムッとして、「コジマ、エレナにピアスをはずすように言って」と言うミキ。「えっ。なんでぼくが？」。「だって学級委員でしょ。わたし、前に学校にピアスしてきたとき、先生にすごく注意されたんだから」。「え…あ…」とおろおろするコジマくん。すると、「わたしの国では、学校でもピアスしてます」とエレナが言います。「でもこの学校ではしちゃいけないの」とミキ。「わたし、します」。「しない！」。「します」。「しない！」。あわてて言い合いをなだめようとするコジマくん、「コジマもちゃんと言ってよ！」と言われ、『え～っ。どうしよう。うわ、どうしよう…』となやみ始めます。 【scene 05】 学校には学校のルールがある 「今回もこまったぞ。ピアスをしたままでいいのか、はずしてもらうのか。なやましいねぇ」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部の部員から意見がとどきました。「エレナさんには悪いけど、はずさないとダメだよってちゃんと言います。学校にピアスをつけてくるのはルール違反（いはん）だもん！」。これに対して、「でもエレナさんの国では、学校でもピアスをしているって言ってたよね？」と、みとめる意見が。でも、「やっぱりダメだよ！　ここは日本だし。それに学校には学校のルールがあるよね。ピアスをつけて先生に注意された人がいるのに、エレナさんだけがオッケーっておかしい」という意見がとどきます。 【scene 06】 一人だけ許すとルールはどうなる？ 「学校のルールねぇ…」と考えこむ部長。「一人ぐらい大目に見てあげてもいいんじゃないの？」とコジマくんは言いますが、「もしもこのままエレナさんがピアスをし続けたら、どんなことが起きるかな？」と部長。「そんなことをしたらピアスをしたい人みんながつけてきちゃうよ」。「だよね！　指輪やネックレスをしてくる子まで現れるかもしれないよ」とみんなが言います。「そうだよねぇ。一人だけ許してしまうとルールそのものがくずれてやりたい放題になっちゃいそうだね」と部長。すると、「よし決めた！　エレナにもう一度学校のルールを説明して、ピアスをはずしてもらうように言ってくるよ！」とコジマくん。 【scene 07】 “お母さんの愛”を表すものだった 教室にもどったコジマくんがエレナに話しかけます。「ちょっといいかな。ピアスのことなんだけど」。するとエレナが言いました。「ブラジルの女の子、赤ちゃんのとき、耳、あな開けます。お母さん、わたし、生まれてきてありがとうって」。「え？　生まれてきてくれたことに感謝の気持ちをこめて、赤ちゃんにピアスをつけるってこと？」とおどろくコジマくん。エレナはピアスを見せて、「これ、お母さんの愛。だからわたし、ずっとつけてるの」と言いました。「そうかぁ。お守りみたいに大事なものなんだね」とコジマくん。「これ、わたしの体の一部です」と言われ、「そうだったのか…」と考えこんでしまいます。 【scene 08】 その国の習慣や決まりも大事 「ブラジルの女の子は、赤ちゃんのときからピアスをすることが多いんだね。日本と全然ちがうんだねぇ」と部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信音です。「そうなんだよ。だからエレナはきっぱり『イヤだ』って言ったんだ」。すると部長が、「では、たとえばの話なんだけど、もし外国の人が水着を着て温泉（おんせん）に入ってきたら、みんなはどう思う？」と言いました。ココロ部の部員からは、「『ええ～っ！』っておどろいちゃいそう！　でもやっぱり、日本の決まりや習慣をちゃんと守ってもらったほうがいいんじゃないかな」。「そうそう！　そのほうがおたがいイヤな思いをしなくてすむもんね」という意見がとどきます。 【scene 09】 習慣のちがいを受け入れる工夫 「確かに。日本人ははだかになって温泉（おんせん）に入るよね。だから、水着で温泉に入ってこられるといやぁな気持ちになる人がいるのかもしれないね」と部長。「でも外国人のなかには、見知らぬ人の前ではだかになることにとても抵抗（ていこう）がある人もいるんじゃない？」とコジマくん。「そうなんじゃよ。だから、そうした外国の人を受け入れるために、身内だけ入浴できる時間を設けたり、バスタオルを体にまいて湯舟（ゆぶね）に入れるようにしたり、露天風呂（ろてんぶろ）では水着を着て入れるようにしたりと、ルールを変えている施設（しせつ）もあるんじゃよ」と部長が言います。 【scene 10】 さぁ、キミはどう考える？ 「それじゃあ、話をもどそう。学校でつけるエレナさんのピアスについてはどう考えればいいかな。ピアス、はずしてもらう？　それとも、つけたままでいいと思う？」と部長がたずねます。すると、「コジマだよ！」と着信音です。「うーん…むずかしいなぁ。外国の人たちと気持ちよくいっしょにくらしていくために必要なことって何だろうなぁ」。コジマくん、またなやみ始めました。さぁ、キミはどう考える？

ココロ部！

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まほうのスケートぐつ

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コジマはスピードスケートの選手になりピンチに遭遇。日本代表を決めるレース前、コジマは悩んでいた。「目標に向け努力すること」と「きまりを守ること」について考える。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「スピードスケート選手」のピンチ 「ほっ、ほっ、そりゃーっ。おお、みんな。何をしているかって？　スピードスケートじゃよ。たまたま試合を見ていたもんでの。氷の上をすごい速さですべるんじゃ。かっこよかったなぁ。それでは、今日もトレーニングを始めよう」とカンガエール部長が言いました。「ココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回は、コジマくんにはスピードスケートの選手になってもらおう。オリンピックの代表選手を決める大事な試合の日に“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてみてくれ」。 【scene 02】 オリンピック代表へのラストチャンス コジマくんは、スピードスケートの選手。この日の試合でオリンピックの代表が決まります。「おお、コジマ！　予選通過、よくやってくれた！」。ロッカールームに大喜びのコーチがやってきました。「ぎりぎり２位通過でしたが、なんとか次につなげることができました」とコジマくん。「次はいよいよ決勝だ。優勝（ゆうしょう）したら確実にオリンピックの代表選手だぞ！」とコーチにいわれ、「ラストチャンス、絶対にのがしません」と答えました。実はコジマくん、今回の挑戦（ちょうせん）を最後に引退するつもりなのです。ところが、「うーん…」。データを見ていたコーチが考えこみました。 【scene 03】 “まほうのスケート靴”ジェットウィナー 「どうしたんですか？」。するとコーチが、「ほかの選手たちがのきなみタイムを上げている。500ｍで36秒台から２秒もちぢめた選手も現れたぞ」と言いました。「えっ、そんなに？」とおどろくコジマくん。「それってやっぱりこれのせいじゃ…」。コジマくんは『ジェットウィナー』というスケート靴（ぐつ）を手に取りました。「ああ。氷の上をジェット機のようにすべるこの“まほうのスケート靴”のおかげってわけだ」とコーチ。予選はなんとか２位通過できましたが、決勝では大きく差をつけられるかもしれません。「おまえもジェットウィナーをはいたらどうだ？」と言われ、「でも、契約（けいやく）が…」とコジマくん。 【scene 04】 ココロスポーツとの契約 数々の大会で優勝（ゆうしょう）してきたコジマくん。その才能を見こまれて、ココロスポーツという会社と契約（けいやく）しました。試合の費用をはじめ、会社がコジマくんのめんどうを見てくれます。その代わり、試合ではココロスポーツのスケート靴（ぐつ）をはく約束なのです。「それはまずいんじゃ…？」と言うコジマくんに、「今これの力を借りて、無名だった選手までもおまえのタイムにどんどんせまってきている。よく考えてみてくれ」とコーチ。『契約を守ってココロスポーツのスケート靴をはく。それとも、いい結果が期待できるジェットウィナーをはく。うーん、どうしよう…』。コジマくんがなやみ始めます。 【scene 05】 もし契約を破ったら 「勝負には勝ちたい。でも、守るべき約束がある。うーん、なやむねぇ」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部の部員から意見がとどきました。「ジェットウィナーをはくしかないよ！　だって次の決勝はオリンピックの代表選手がかかっているんでしょ？」。「でも、ココロスポーツのスケート靴（ぐつ）をはくっていう契約（けいやく）になっているんでしょ？　うらぎることになるよ！」。すると部長が、「もし契約を破ったら、試合のあとどうなるのかな？」とたずねました。「きっとココロスポーツにお金をいっぱいはらわなきゃいけなくなるんじゃない？」という意見がとどきます。 【scene 06】 「ぼくはジェットウィナーをはく！」 「契約（けいやく）を破ったときにはらう『違約金（いやくきん）』じゃな。それ以外にも、契約を打ち切られたら試合や練習にかかる費用などは、今後コジマくんが自分で負担（ふたん）しないといけなくなるな」と部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信音です。「そうなったらお金をかせぐことで精いっぱいで、練習どころじゃなくなっちゃうよ！」とコジマくん。「先々のことを考えたら、契約を守ってジェットウィナーをはかないほうがいいんだろうな。でも、次の試合はどうしても負けるわけにはいかないんです！　オリンピックの代表選手になれるなら違約金でもなんでもはらう！　ぼくはジェットウィナーをはく！」。 【scene 07】 応援に来てくれたココロスポーツの人たち コジマくんがロッカールームにもどってきました。ジェットウィナーを手に取り、『これでいくぞ！』と決心するコジマくん。そこへココロスポーツの人たちがやってきました。あわててジェットウィナーをロッカーにかくすコジマくん。「やあ、コジマさん！　今日はオリンピックの出場がかかった大事な試合ですからね。会社を挙げてコジマさんの応援（おうえん）に来ましたよ！」とうれしそうな社長。研究を重ねてレース用スーツを開発した社員たちも、口々に応援してくれます。そして、「次の決勝、期待していますよ！」「客席から応援してますから！」とみんなは出ていきました。思わずため息をつくコジマくん。 【scene 08】 ずっとコジマくんの靴を作ってきた人が… ふりむいたコジマくん、「うわっ、松本さん！？」とびっくり。ココロスポーツの技術者の松本さんが残っていたのです。コジマくんのスケート靴（ぐつ）を作ってきた人です。靴を手に取り、「うん、まったく問題ない。これはわたしの最高傑作（けっさく）だ」。そう言うと松本さんはロッカーの靴を背中（せなか）ごしに指さして、「ジェットウィナー、あれもすばらしい靴だ」と付け加えました。『えっ、ばれてた？！』。すると松本さんはこう言ったのです。「でもどちらの靴をはくかは…、コジマさん、あなたに任せます」。ほほえんで一礼して出ていく松本さん。『うわ～、どうしよう…』。またなやみ始めるコジマくんです。 【scene 09】 やっぱりココロスポーツの靴で 「なんだか胸（むね）がじーんとしてきたぞい」と目頭をおさえる部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信音です。「やっぱり次の決勝はココロスポーツのスケート靴（ぐつ）ですべることにする！　契約（けいやく）もあるし、あんなに応援（おうえん）もしてくれているんだから」とコジマくん。すると部長が、「ところで、コジマくんを応援しているのはココロスポーツの人たちだけなのかな？」と言いました。ココロ部の部員からも着信です。「家族や友だち、地元の人たちみんなが、オリンピックに出て活躍（かつやく）することを夢見ているよ！　だからジェットウィナーで勝たなくちゃ！」。 【scene 10】 さぁ、キミならどう考える？ 「そっかぁ。勝って代表選手になるってことは、自分だけじゃなくいろんな人たちの思いに応えるってことなんだね…」と考えるコジマくん。「わかった。ジェットウィナーをはくよ！」と言いました。するとココロ部の部員からまた着信です。「でも、やっぱりココロスポーツの人たちをうらぎることにならないかな？　勝っても素直に喜べないんじゃない？」。そう言われて、「あぁ、そうなんだよなぁ。もうどうすりゃいいの？」。コジマくん、またなやみ始めました。「優勝（ゆうしょう）が期待できるジェットウィナーをはくか。契約（けいやく）を守ってはかないか」と部長。さぁ、キミならどう考える？

ココロ部！

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ぼくらの村の未来

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コジマは村人としてピンチに遭遇。自然との共生について考える。村は新しい道路を作るかどうかで揺れている。道路ができると便利になるが大事な自然が破壊されてしまう…。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「村人」としての“ピンチ” 「きれいに、きれいに…。慎重（しんちょう）に、慎重に…」。カンガエール部長がぼんさいの手入れをしています。ところが、「ハックション！」とくしゃみをして手元がくるい、枝を切り落としてしまいました。「わしの大事な枝がぁ～」と部長は大ショック。「みんな、人生にはこんな“ピンチ”の連続なんじゃ。このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回は、コジマくんには村人になってもらおう。村の将来（しょうらい）を決める大事な話し合いの場で“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてみてくれ」。 【scene 02】 新しい道路を作るかどうか コジマくんは、山間（やまあい）にある小さな村の住人です。今この村は、新しい道路を作るかどうかでゆれています。今日はその大事な話し合いの日。コジマくんが司会を務めます。「みなさん、われわれが住むオオダケ村は山のおくにあります。いちばん近い町は山のふもとにあり、山道をグネグネと走るしかありません。そこで、もっと行き来しやすいように考えられたのが、真っ直ぐな道路です。この道路ができれば、これまでの３分の１の時間で町まで行けてとても便利です。この計画には反対の方々もいらっしゃいます。ですので、反対、賛成、両方の意見をうかがって、道路を作るかどうかを決めたいと思います」。 【scene 03】 世界でもめずらしいキノコの群生地 「ではまず最初に、農家の松本さん、おねがいします」とコジマくん。松本さんが立ち上がりました。「わたしは今回の計画に反対です。なぜなら、この村一帯は、世界でもきわめてめずらしいヒスイオオダケの群生地だからです。このヒスイオオダケは、夜になって気温が下がるとヒスイのように美しく光りかがやく、とてもめずらしいキノコです。そのかがやく姿（すがた）は、みんなに感動をあたえてきました」と松本さん。「そうだそうだ！」と拍手（はくしゅ）する反対派（は）の人たち。 【scene 04】 大事な自然を守るために「反対」 松本さんが続けます。「ヒスイオオダケだけじゃありません。この森はわれわれに多くのめぐみをもたらしてくれています。木の実や山菜、生活に欠かせないわき水。そしてその水辺は、子どもたちの絶好の遊び場でもあるんです。この村の宝（たから）である森を失ってもいいんでしょうか」。「そうだそうだ！」。「わたしは断固反対します！　以上！」。「そうだそうだ。はんたーい！」と反対派（は）の人たち。「松本さん、ありがとうございました。それではここでいったん休憩（きゅうけい）にします」とコジマくんが言いました。 【scene 05】 少しぐらい森をけずっても問題ない？ 「大切な森を守る、か。道路はあきらめたほうがいいのかのぅ…」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部の部員から意見がとどきます。「道路を１本通すぐらいいいんじゃないの？」。そこで「ちょっとぐらい森をけずったって問題ないか」と部長が言うと、「コジマだよ！」と着信音です。「だめだめ！　ヒスイオオダケはきれいな空気のところで育つんだよ。道路ができて排気（はいき）ガスで空気がよごれたらぜんめつしてしまうかもしれないよ」。つづいて「大事な自然を守るため、道路の建設は反対するしかないね」という意見が。すると部長が「建設計画に賛成している人たちの意見は聞かなくていいの？」と言いました。 【scene 06】 くらしも大事なので「賛成」 賛成の意見を言うのは主婦の井上さんです。「わたしは新しい道路の建設に賛成です。たしかに自然を守ることは大事ですけど、わたしたちのくらしも大事だと思いませんか。村には大きなスーパーがないので、町まで買出しに行くのに往復で３時間もかかるんです。子どもたちを連れて移動するのは本当に大変で…。それから、子どもが急に具合が悪くなったときのことを考えると、町の病院が近いと安心です」と井上さん。これを聞いて、『確かに、病院はいざというときのために近いと安心だなぁ』と思うコジマくん。「ですから一刻（いっこく）も早く道路を作ってほしいと思います」。「いいぞーっ」と賛成派（は）の人たち。 【scene 07】 村を元気にするために「賛成」 最後は、旅館の館主の加藤さんです。「わたしも、新しい道路の建設に賛成です。うちの旅館にはすばらしい温泉（おんせん）があるんですよ。なのに、お客さんが来ない。それは、この村が不便だからです。この道路ができればたくさんの人が村に来やすくなります。今、オオダケ村は元気がありません。若者（わかもの）は町に出ていく一方だし、井上さんのような子育て世代も少ない。このまま何も手を打たずに村がすたれてしまっていいんでしょうか」。これを聞いて、『やっぱり道路を通したほうがいいかもなぁ…』と考えこむコジマくん。「人が増えれば、村は元気になるんです！」。「オー！」と賛成派（は）の人たち。 【scene 08】 便利さよりも大切なものがあるのでは？ 「それでは意見発表はおしまいです」。コジマくんがそう言ったとき、「ちょっといいかな」と岩谷（いわや）のおじいちゃんが立ち上がりました。岩谷さんは、村でいちばん長くくらしている人です。「みんな、不便だ不便だって言うけど、本当にそうかな。わしの子どものころに比べたら十分便利になった。どこの村だって一つや二つ不便なことはある。かんぺきな村なんてないんだ」。そう言うと岩谷さんは、『森とキノコのふるさと　オオダケ村』と書かれたポスターを指さしました。自然豊かな森写真です。「かけがえのないものを手放してまで便利さを求め続ける…。きりがないと思わんか？」。みんなだまってしまいます。 【scene 09】 「コジマさん、あんたはどうなんだ？」 「そうだ！」。「道路建設はんたーい！」。「村の自然を守れ！」。反対派（は）の人たちが言います。すると加藤さんが、「じゃあ、不便でこまっている人たちを見すてろって言うのか！」と立ち上がりました。「そうだそうだ！　道路建設さんせーい！」と賛成派の人たち。「はんたーい！」、「さんせーい！」と言い争いになり、「みなさん、お静かに、お静かに！」となだめるコジマくん。すると、「コジマさん、あんたはどうなんだ？」と松本さんが言いました。「そうですよ。一体どっちなんです？」と加藤さん。『うーん。自然を守るために道路をあきらめるか、便利なくらしを実現するために道路を作るか…』。なやみ始めるコジマくん。 【scene 10】 さぁ、キミはどう考える？ 「これはピ～ンチ！」と部長。そこへココロ部の部員から着信です。「井上さんは不便なくらしで子育てが大変になっているし、やっぱり道路を作らないと村に未来はないのかもしれない」。「でも、自然は一度こわれてしまったらかんたんに元にはもどらないよ」。そこへ、「コジマだよ！」と着信です。「もうどうすりゃいいの？　わからないよ！」とコジマくん。「じゃあキミは、オオダケ村が10年後、100年後、どんなふうになっていてほしい？」と部長に聞かれ、「子どもや孫もみんなが笑顔でくらせる村になっててほしいなぁ」とコジマくん。「そうなるためには、どうしたらいいんじゃろう？」。さぁ、キミはどう考える？

ココロ部！

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最後のリレー

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コジマは高校陸上部のキャプテンとなり、ピンチに遭遇。「友情」と「集団の中での役割」について考える。高校生活最後の地区大会で…

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「陸上部のキャプテン」としての“ピンチ” 「いててて…。あぁ…いたい…」。カンガエール部長が松葉づえをついていて、左の足首にぐるぐる包帯がまかれています。足をくじいたためで、かなりいたそうです。「いてて。やれやれ…、気を取り直して、今日もトレーニングを始めるぞ。このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回はコジマくんには、高校３年生、陸上部のキャプテンになってもらう。そこでコジマくんは、“ピンチ”にあう。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてほしい」。 【scene 02】 高校生活最後の大会 陸上部のコジマくんにとって、高校生活最後となる地区大会の日がやってきました。この日コジマくんは、３人の同級生、ヒロシ、ケン、そして親友のタクヤと、リレーに出場します。「みんな、ついにこの日が来たな。優勝（ゆうしょう）して、高校生活を最高の思い出でしめくくろう！」と言うコジマくん。「やってやろうぜ！」ともり上がるみんな。しかし、タクヤだけは、何か様子が変です。アップを始めるため、みんながひかえ室から出ていったのに、ひとり残ってため息をつきました。タクヤには、チームメイトにかくしていることがありました。タクヤの足首にはテーピングが…。 【scene 03】 足首をいためていた親友 そこへバトンを取りにもどってきたコジマくん、タクヤの足首のテーピングを見てびっくり。「昨日そんなテーピングなんかしてなかったろ？」。するとタクヤは、「実はさ、昨日の練習で、足首いためちゃってさ」と言います。そして、「だいじょうぶ！　いつも通り走ってみせるからさ、監督（かんとく）には言わないでくれよな」と言うのです。さらに、「今日の大会が終わったら、４人でバトンをつなぐことももうないんだよな…。だから最後に、ずっといっしょにがんばってきたみんなと走りたいんだ」とタクヤ。「いや、でも…」とこまってしまうコジマくん。「たのむよ、コジマ」と言ってタクヤは出ていきました。 【scene 04】 監督に話す？　話さない？ タクヤと入れかわりに、シュンがやってきました。２年生のシュンは補欠（ほけつ）の選手ですが、タクヤと同じくらいのタイムを出しています。「シュン、ちょっと聞きたいんだけど、おまえ調子はどうだ？」とさりげなく聞くコジマくん。「むっちゃいいですよ」とシュンは絶好調のようです。シュンはコジマくんたちといっしょに練習してきました。速さだけでなく、バトンパスにも不安はありません。『どうしよう…。タクヤのけがのこと、監督（かんとく）にだまっていっしょに走る？　それとも監督に言って、シュンに代える？』。なやみ始めるコジマくんです。 【scene 05】 親友の気持ちを大事にしたい 「友情か、はたまたチームの勝利か。なやましいなぁ」と部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信です。「やっぱり、『最後にみんなと走りたい』っていうタクヤの気持ちを大事にしたい」と言います。「つまり監督（かんとく）にはだまっている？」。「うん。タクヤ自身が『走れる』って言ってるわけだからね」。「でも、けがをしているってことは、ベストな走りができないってことだよね」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部の部員から意見がとどきます。「ということは、優勝（ゆうしょう）する可能性が少なくなっちゃうよね？」。「けがをしているタクヤじゃなくて、絶好調のシュンが走るほうがいいんじゃない？」。 【scene 06】 キャプテンとしての責任もある でもコジマくんは、「それはそうだけど…、ぼくにはタクヤの気持ちがすごくわかるんだよ！」と言います。すると部長が、「それは、キミがタクヤの『親友』だからかい？」とたずねました。コジマくんから着信です。「うん！　やっぱり親友の気持ちには応えたいでしょ！」。「でもコジマくんは、チームの『キャプテン』でもあるよね」と部長。ココロ部の部員からも着信です。「そうだよ。コジマくんにはキャプテンとしての責任があるんじゃない？　チームメイトはタクヤひとりじゃないんだよ」。そう言われ、コジマくんは「そっかぁ…。じゃあキャプテンとして、ほかのメンバーにも意見を聞いてみるよ」と言いました。 【scene 07】 ほかのメンバーの意見は コジマくんがヒロシとケンにタクヤのことを話しました。「２人の率直な意見を聞かせてほしい。ケン、おまえどうだ？」。ケンは、「ぼくは…監督（かんとく）に言ってタクヤを外したほうがいいと思う。どうしても優勝（ゆうしょう）したいんだ。これがラストチャンス。タクヤのせいで負けたら泣くに泣けないよ！」と言います。「ちょっと言いすぎだぞ！」とおこるコジマくんにヒロシが言いました。「おれもケンと同じ意見だよ。おまえが今どっちにかたむいているか、なんとなくわかるよ。でもな、キャプテンだったら、タクヤだけじゃなくておれやケンの気持ちもわかるだろ。たのむよ」。何も言えなくなるコジマくん。 【scene 08】 キャプテンとして？　親友として？ 「うーん、なやましい…」と頭をかかえる部長。そこへ、「コジマだよ！」と着信です。「やっぱりキャプテンとしてタクヤのけがのことを監督（かんとく）に伝えるべきだね」。意見が変わりました。「でも、タクヤくんの気持ちはどうするの？」と部長。『最後に、ずっといっしょにがんばってきたみんなと走りたいんだ』というタクヤの気持ちです。「親友にバトンをつなぎたいんだよね？」と部長。するとコジマくんは、「そうだ。タクヤはぼくの親友だもん。やっぱり監督にはだまっておくべきだ…」。またまた意見が変わりました。「じゃあ、最後の大会で勝ちたいというほかのメンバーの気持ちはどうする？」と部長が言いました。 【scene 09】 「勝ち負けだけがすべてなのかな」 『どうしても優勝（ゆうしょう）したいんだ！』。『たのむよ』。ヒロシとケンの気持ちを思い出すコジマくん。「も～！　これ以上まよわせないでよ～」。そこへ、ココロ部の部員からの着信です。「コジマくん！　ヒロシやケンだけじゃなく、応援（おうえん）している家族や監督（かんとく）だって『優勝』をねがっているんじゃない？」と言います。「そっか、そこまで考えないといけないのか…」とコジマくん。また別の着信です。「そもそもさ、コジマくんは優勝したくないの？」と言います。「そりゃ、優勝したいよ！　でも、もっと大事なことってあるんじゃない？　勝ち負けだけがすべてなのかな？」。 【scene 10】 さぁ、キミはどう考える？ ここで部長が、「ちょっとみんなで整理してみようか。まず、タクヤではなく、ひかえのシュンを入れるとしたら？」。ココロ部の部員から着信です。「タクヤがショックを受けるから、何て言うかが大事」という意見。「そうか。じゃあ、タクヤくんと走るとしたら？」と部長。今度はコジマくんから着信です。「その場合は、勝ち負けだけがすべてじゃないってことをケンやヒロシに理解してもらわないといけないな」と言います。「いずれにせよ、クリアしなければいけない課題が両方にあるねぇ」と部長。「みんなが少しでも納得（なっとく）できる道ってないもんかなぁ…」とコジマくん。さぁ、キミはどう考える？

ココロ部！

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カメラマンの選択

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コジマは写真館を営むカメラマン。ある日ファッション写真専門の会社にスカウトされピンチに陥る。「働くことの意義」について考える。

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【】 オープニング オープニングタイトル 【scene 01】 「カメラマン」としての“ピンチ” 「まだじゃよ…まだじゃよ…それっ」。カシャッ。「あーっ、またじゃ～」。カメラのセルフ撮影（さつえい）に失敗するカンガエール部長。「わしはどうも機械が苦手でのう。カメラに写るのは大好きなんじゃが、やっぱり写真館に行かないと、うまくとれんなぁ」と言います。「それでは今日もトレーニングを始めよう。このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回はコジマくんには、カメラマンになってもらう。町で写真館を営むコジマくんに、“ピンチ”が訪れる。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてみてくれ」。 【scene 02】 有名な撮影プロダクションからの電話 写真館の主のコジマくん。奥（おく）さんのユカリさんといっしょに働いています。主に家族の記念写真、学校や幼稚（ようち）園の思い出の写真をとったりして、地元の人に愛されているお店です。ある日、お店に電話がかかってきました。「初めまして。こちら、ファッションフォトカンパニーという写真撮影（さつえい）プロダクションです。コジマさん、昨年の写真コンクールで賞をとられましたよね」と言います。「あ、はい…？」とけげんそうなコジマくん。すると相手が、「あの作品を見て、社長がぜひうちで働いていただきたいと申しておりまして」と言ったので、コジマくんはびっくり。 【scene 03】 夢が現実になるチャンス 電話の相手はファッション写真専門（せんもん）の有名なプロダクション。コジマくんをスカウトしたいというのです。電話を切ったコジマくん、そのことをユカリさんに告げました。「その会社に入って、まずは１か月後の東京トレンドフェスタの写真撮影（さつえい）チームに加わってほしいというんだ」。東京トレンドフェスタとは日本最大のファッションショー。その写真をとれるのは大変な抜擢（ばってき）です。いつかファッション業界の最先端（さいせんたん）で活躍（かつやく）したいと昔から思っていたコジマくんにとって、夢が現実になるチャンス。でも、会社に入るなら、写真館は続けていけません。 【scene 04】 なじみのお客さんの予約を断る？ ユカリさんは、「あなたがいいと思う道を選んでほしい」と言います。「そう言ってくれるなら、覚悟（かくご）を決めてファッションの世界に飛びこんでみようかな」とコジマくん。「だとしたら、今入ってる予約はどうする？」とユカリさんが言いました。結婚（けっこん）写真、進学の記念写真、幼稚（ようち）園の卒園式の写真など、なじみのお客さんの予約がたくさん入っているのです。「事情を話してお断りしなきゃいけないわねぇ」とユカリさん。そう言われて考えこむコジマくん。『ずっと地域（ちいき）の人たちをとり続けてきたこのお店、しめてしまっていいんだろうか。うーん…』。 【scene 05】 どっちの仕事を選ぶ？ 「すごいチャンスじゃが、ピンチでもあるのう…」と部長。すると着信音がして、全国のココロ部の部員から意見がとどきます。「写真館は続けるべきだよ。町の人たちをがっかりさせちゃう。それに予約をすべて断ることになってめいわくもかけちゃう」。これに対して、「ファッションカメラマンの仕事を選んだほうがいいよ。ずっとやりたかったんでしょ。それに、お店をやめなくても代わりのカメラマンをやとったらお店と両立できるんじゃない？」という意見も。そこへ、「コジマだよ！」と着信です。「ぼくも最初はそう考えたけど、両立はむずかしい。お金も時間もないし、どっちか一つを選ばないといけない」。 【scene 06】 ファッションカメラマンの仕事を選ぶ！ すると部長が、「そもそもコジマくんは、それぞれの仕事にどんな魅力（みりょく）を感じているのかな？」と言いました。コジマくんから着信です。「写真館の仕事は、地域（ちいき）の人たちの大切な思い出を写真におさめることができて大好きな仕事です。やりがいもあるし。ファッションカメラマンの仕事は昔からやりたかった仕事だし、仕事のはばも広がって世界中の人に自分の写真を見てもらうことができる」と言います。「そうかもしれんのう」と部長。「うーん…ぼく決めた！　ファッションカメラマンの仕事を選ぶ！　このさそいを断ったら二度と声をかけてもらえないかもしれない」とコジマくんが言いました。 【scene 07】 なじみのお客さんがやってきた コジマくんが写真館にもどってきました。ユカリさんが、さっきのプロダクションをホームページで調べていました。海外での撮影（さつえい）もあり、有名なカメラマンも多く所属しています。「こんな有名なカメラマンたちと仕事ができるなんて光栄だよ。ぼくさ、この会社に入る。ファッションカメラマンになる！」とコジマくん。そこへ、「こんにちは～」とお客さんがやってきました。近所のカイトくんとお母さんです。カイトくんは今度、小学校に入学するのです。「うちの子、ほんとは人見知りなんだけど、コジマさんがとってくれる写真にだけはすごくいい笑顔で写るのよねぇ」とお母さんが言いました。 【scene 08】 「人生の節目の写真はコジマさんに」 「ぼくがランドセルしょってるところ、とって」とカイトくん。「そうね。入学式のあとここに寄って、家族みんなで写真とってもらいましょ。予約、おねがいできる？」とお母さんも言います。「あ…え…」。お母さんはさらに、「中学校の入学式も、成人式も、結婚（けっこん）式も、カイトの人生の節目の写真はコジマさんにずっととってもらおうね」と言いました。「うん。ぼく、コジマのおじちゃんにとってもらいたい」とカイトくん。『こんなにも地元の人たちに愛されている写真館を続けるべきか、あこがれのファッションカメラマンの道に進むべきか。うーん…』。またまたなやみ始めるコジマくんです。 【scene 09】 地元の人たちに必要とされている… 「うーん。コジマくんの写真館は町の人たちのくらしに欠かせないものになっていたんじゃのう」と部長。全国のココロ部の部員から着信です。「写真館の仕事はコジマくんにしかできない仕事だよ。地元のみんなに必要とされているし」。さらに、「ファッションカメラマンの仕事はほかにいくらでも代わりがいると思う。だから写真館を続けたほうがずっと幸せだよ」という意見も。すると、「幸せな仕事ってなんじゃろか？　必要とされること？　有名になること？」と部長。また着信です。「ファッションカメラマンの仕事を昔からやりたかったんでしょ？　せっかくのチャンスをのがしたらきっと後悔（こうかい）するよ！」。 【scene 10】 キミならどう考える？ 部長が、「コジマくんはこれまで、何をやりがいとして働いてきたんじゃろか？」とたずねました。コジマくんから着信です。「いちばんは、みんなの人生の宝物（たからもの）になるような写真をとることかなぁ。お客さんから『ありがとう』って言ってもらえると、本当にこの仕事をやっていてよかったなって思いますね」。すると、「ええ！？　じゃあファッションカメラマンの仕事はかんたんにわすれることができるの？」という着信が入ります。「そこなんだよな～」とコジマくん。「やっぱりわすれることはできないよぉ～」と言いました。「さぁ、どうしたものかのう」と部長。キミならどう考える？

ＳＥＥＤ　なやみのタネ

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やっちゃんのなやみ　～お店、あけてもいいかな？～

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今回の主人公は、千葉県でだがし屋を営む村山保子さん。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、店は休業に追い込まれた。いつ営業を再開できるのか、葛藤する姿に迫る。

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【】 オープニング （オープニングタイトル） 【scene 01】 駄菓子屋をあけるべきかどうか わたしの名前は、村山保子（むらやま・やすこ）。“やっちゃん”ってよばれています。わたしの“なやみのタネ”は、わたしがやっている駄菓子（だがし）屋を、あけるべきかどうか。わたしのお店は、ちょっと町のはずれにあります。近所にすむ子どもたちがお客さん。家族みんなで来てくれる人もいます。子どもたちが遊んだり、宿題をしたり、いつもにぎやかなはずなんだけど、今はお店をとじています。お店を休んでいる理由は、新型コロナウイルスの感染（かんせん）を広げてはいけないから。 【scene 02】 お店におそろしい張り紙が お店は６畳（じょう）ちょっとしかないので、３人か４人でいっぱいになります。それをさけたくて、しばらく休むことになりました。もう一つ、お店をあけられない理由があります。そこらじゅうでマスクが不足していたとき、わたしが持っていたマスクを店に置いてみたんです。花粉症（かふんしょう）で箱ごと買っていたのが家にあったので、少しでも感染（かんせん）を防げればと思ったから。そうしたらお店に一枚（まい）の張り紙がされていました。『コドモアツメルナ　オミセシメロ　マスクノムダ』。おそろしくて足がすくみ、胸（むね）がしめつけられました。そんなこともあったから、またお店をあける決心ができないんです。 【scene 03】 お店はわたしの生きがい 今は家で一人ぐらしをしています。子どもはみんなそれぞれの家庭があるし、夫は６年前に亡（な）くなりました。だれとも話さない日もあります。お店を開いたのは、８年前。それまで家事と子育てばっかりしてきたわたしに、お店をやったらどうかと家族がすすめてくれたのです。お店に立つと、思ってもみない毎日が始まりました。子どもたちとのやりとり。にぎやかな声。お店はわたしの生きがいになりました。子どもたちの声を聞くと、わたしが元気をもらえるし、活力になっています。子どもたちの声がないお店は半分死んでいるようなもので、わたしもすごく空しい。早くみんなの顔を見て、みんなの声が聞きたいです。 【scene 04】 営業している駄菓子屋さんを見にいった お店をあけるかどうか、まだ決められません。営業している駄菓子（だがし）屋さんがあると聞いて、行ってみることにしました。どんなふうにしているんだろう。お店の人が、「店内に入る前に消毒をお願いします」と言っている。子どもたちがまとまってやってくると、「当店、ソーシャルディスタンスで４名まで。ちょっとお待ちくださいね」と言って待ってもらっていた。うわー、やりたい、うちのお店。明日からやりたいよ。 【scene 05】 娘にも相談したけど 対策（たいさく）をきちんとすれば、お店をあけてもいいかな。娘（むすめ）に相談することにしました。「（子どもたちの）あの声、聞きたいね。やっぱりね」。「オープンさせたいけど、やっぱりお母さんが高齢（こうれい）っていうのがある。それのほうが心配」。反対する人も、いるかな。「まだあのチラシのショックが残ってるからね」。 【scene 06】 子どもたちの笑顔が見たい 子どもたちの笑顔が見たい。子どもたちが好きなお菓子（かし）をわたしが選んで、お弁当形式にしてみました。お店の外で売ってみます。しばらくすると、子どもを連れたお客さんがやってきました。「はい、いらっしゃい」。「こんにちは。お久しぶりです」。「お久しぶりです。お弁当なんですよ」。「かわいい」。「かわいいでしょ？」。「やっちゃんがつめてるんでしょ？　やっちゃん元気かなと思って、いつも通ると。しまってると思って」。「はは、ありがとう」。 【scene 07】 「遊べる場所がここしかない」 続いて男の子二人組がやってきました。「こんにちは」。「こんにちは。元気にしてた？」。「弁当もいいけど、早くふつうに発売してほしい」。「買いたいよね」。「遊べる場所がここ以外にない。ここしかない」。女の子もやってきました。「ここで、コロナがおさまったら、勉強していいですか？」。「どうぞして下さい。はい、ありがとうございます。気をつけてね」。「今度、友だちとまた来ます」。「はい、待ってます」。 【scene 08】 わたしの理想の駄菓子屋は 「はい、どうもね。バイバーイ」。子どもたちに会えてうれしかったけど…。駄菓子（だがし）屋っていうのは、お菓子を買いに来るだけの場所じゃなくて、大勢の子どもたちがここで遊んだり、わたしでわかることであれば、こうだよああだよって言ってあげられたりする場所。やっぱり、それが、わたしの理想の駄菓子屋さん。お店を本格的にあけるべきか、あけるべきじゃないのか…。どうしたらいいんでしょうか？